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JP2007093918A - 光学ローパスフィルター、およびその製造方法 - Google Patents

光学ローパスフィルター、およびその製造方法 Download PDF

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JP2007093918A
JP2007093918A JP2005282184A JP2005282184A JP2007093918A JP 2007093918 A JP2007093918 A JP 2007093918A JP 2005282184 A JP2005282184 A JP 2005282184A JP 2005282184 A JP2005282184 A JP 2005282184A JP 2007093918 A JP2007093918 A JP 2007093918A
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JP2005282184A
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Michio Nagai
道夫 永井
Yoji Ito
洋士 伊藤
Mitsuyoshi Ichihashi
光芳 市橋
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Fujifilm Corp
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Abstract

【課題】水晶と同等の光学特性を有し、軽量でコストが低く、かつ効果の波長依存性が低い液晶化合物を用いた光学ローパスフィルターの提供
【解決手段】液晶化合物を含む組成物を硬化させて形成された硬膜を含む光学ローパスフィルターであって、該硬膜中においてダイレクターの界面の法線方向に対する角度が膜厚方向で連続的に変化した状態に液晶化合物の分子が固定され、且つ該硬膜が下記の数式(1)を満足する光学特性を有する光学ローパスフィルター。
数式(1) Re(450)/Re(650)<1.25
(数式中、Re(λ)は波長λnmにおける面内レターデーション値(単位:nm)である。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、複屈折性の偏光特性を有する光学ローパスフィルターと、その製造方法に関する。
従来、CCD素子やMOS素子等によりなる撮像機器を含めた殆どの撮像機器において、モアレ発生を防止のために光学ローパスフィルターが使用されている。このような光学ローパスフィルターの代表的な種類には、レンチキュラーマイクロレンズ、位相板(ノイズフィルタ)、位相型回折格子、人工水晶等がある。レンチキュラーマイクロレンズは、光路長が短く、長年に渡って利用されてきた実績がある。位相板(ノイズフィルタ)は、同じく光路長が短く、配置にも自由度があるという特徴がある。位相型回折格子は、同じく光路長が短く、配置にも自由度があり、更に、コスト的にも低く抑えられるという特徴がある。人工水晶は、貼り合わせ方により様々な特性を実現できる他、性能も安定しているという特徴を有している。そして、光学ローパスフィルターとしては、光路長が長いという問題はあるものの、その特別な特徴から近年始どの撮像装置で人工水晶が使用されている。
このような水晶製の光学ローパスフィルターにおいては次のような問題があった。図2は、従来から使用されている水晶製の光学ローパスフィルターの光学特性を示すための説明図である。
水晶を光学ローパスフィルターとして使用する場合、入射光が常光線と異常光線とに分かれて同強度で平行に射出され、それにより二重像を作ることを利用している。この時、常光線と異常光線との間で光学ローパスフィルターとして働かせるに必要な距離を得るための決定要因として、常光線と異常光線とのなす角θがあり、この角度θは屈折率異方性が大きいほど大きいが、水晶の場合、最も高い値を有する石英でもこの値が0.009という低い値であり、これが光路長を長くする要因となっている。また、水晶の研磨等の製造工程が必要であり、大量生産には不向きであった。更に、石英を使用する場合には、原材料自体が高価であるという問題もある。
一方、液晶化合物を用いた光学ローパスフィルターについても近年報告されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。しかし、より薄い光学ローパスフィルターを得るために液晶化合物の屈折率を大きくすることによって、光学ローパスフィルターの効果に波長依存性が発生して異常光像の色つきが生じることが問題となっていた。
特開平8−122708号公報 特開平11−305168号公報 特開2001−75054号公報
本発明は、以上のような従来の光学ローパスフィルターにおける問題点に鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、光学特性は水晶と同等で、小型化でき、その上コストの低い光学ローパスフィルターを提供することにある。本発明の第2の目的は、液晶化合物を用いた光学ローパスフィルターを用いたときに効果の波長依存性を改良した光学ローパスフィルターを提供することにある。本発明の第3の目的は第1、2の目的の光学ローパスフィルターの製造方法を提供することにある。
本発明の目的は下記[1]〜[7]により達成された。
[1] 液晶化合物を含む組成物を硬化させて形成された硬膜を含む光学ローパスフィルターであって、該硬膜中においてダイレクターの界面の法線方向に対する角度が膜厚方向で連続的に変化した状態に液晶化合物の分子が固定され、かつ該硬膜が下記の数式(1)を満足する光学特性を有する光学ローパスフィルター。
数式(1) Re(450)/Re(650)<1.25
(数式中、Re(λ)は波長λnmにおける面内レタデーション値(単位:nm)である。)
[2] 前記液晶化合物がディスコティック液晶化合物である[1]に記載の光学ローパスフィルター。
[3] 前記液晶化合物が下記式(DI)で表わされるディスコティック液晶化合物である[1]に記載の光学ローパスフィルター。
Figure 2007093918
式中、
11、Y12およびY13は、それぞれ独立に置換されていてもよいメチンまたは窒素原子を表し;
1、L2およびL3は、それぞれ独立に単結合または二価の連結基を表し;
1、H2およびH3は、それぞれ独立に一般式(DI−A):
Figure 2007093918
(一般式(DI−A)中、
YA1およびYA2は、それぞれ独立にメチンまたは窒素原子を表し;
XAは、酸素原子、硫黄原子、メチレンまたはイミノを表し;
*は上記一般式(DI)におけるL1〜L3側と結合する位置を表し;
***は上記一般式(DI)におけるR1〜R3側と結合する位置を表す。)
または一般式(DI−B):
Figure 2007093918
(一般式(DI−B)中、
YB1およびYB2は、それぞれ独立にメチンまたは窒素原子を表し;
XBは、酸素原子、硫黄原子、メチレンまたはイミノを表し;
*は上記一般式(DI)におけるL1〜L3側と結合する位置を表し;
***は上記一般式(DI)におけるR1〜R3側と結合する位置を表す。)を表し;
1、R2およびR3は、それぞれ独立に下記一般式(DI−R):
一般式(DI−R)
*−(−L21−Q2)n1−L22−L23−Q1
(一般式(DI−R)中、
*は一般式(DI)におけるH1〜H3側と結合する位置を表し;
21は単結合または二価の連結基を表し;
2は少なくとも1種類の環状構造を有する二価の基を表し;
n1は、0〜4の整数を表し、L22は、**−O−、**−O−CO−、**−CO−O−、**−O−CO−O−、**−S−、*−N(R)−、**−CH2−、**−CH=CH−または**−C≡C−を表し、ここで、**はQ2側と結合する位置を表し;
22は、好ましくは、**−O−、**−O−CO−、**−CO−O−、**−O−CO−O−、**−CH2−、**−CH=CH−、**−C≡C−を表し;
23は、−O−、−S−、−C(=O)−、−NH−、−CH2−、−CH=CH−および−C≡C−ならびにこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表し;
1は重合性基または水素原子を表す)
を表す。
[4] 前記硬膜が透明基板上または透明基板間に配置されており、かつ膜厚が3μm以上10μm未満である[1]〜[3]のいずれか一項に記載の光学ローパスフィルター
[5] 前記透明基板がセルロースアシレートフィルムである[4]に記載の光学ローパスフィルター。
[6] 前記透明基板におけるRe(λ)およびRth(λ)が、下記の数式(4)および(5)を満たす[4]または[5]に記載の光学ローパスフィルター。
数式(4) 0≦Re(630)≦10かつ|Rth(630)|≦25
数式(5) |Re(400)−Re(700)|≦10かつ|Rth(400)−Rth(700)|≦35
(数式中Re(λ)、Rth(λ)は各々、波長λにおける面内レタデーションおよび厚み方向のレタデーションを表す)
[7] 光学ローパスフィルターの製造方法であって、下記の工程(1)〜(3):
(1)透明基板上に配向膜を形成する工程
(2)工程(1)で得られた配向膜が形成された透明基板上に液晶化合物を含む組成物を塗布し、該液晶化合物をダイレクターの界面の法線方向に対する角度が膜厚方向で連続的に変化した状態に配向させる工程
(3)工程(2)で得られた液晶化合物の配向を保ちつつ、該液晶化合物を重合させて厚さ3μm以上10μm未満の硬膜を形成する工程
を含む光学ローパスフィルターの製造方法。
本発明の光学ローパスフィルターは、水晶を使用した光学ローパスフィルターと同様の原理によって光学ローパスフィルターとして機能するものであり、かつ、液晶化合物の硬膜を含むことによって特定の光学特性を有するため、優れた機能を有し、特に各種の撮像素子のための光学ローパスフィルターとして好適である。また、液晶化合物の硬膜の形成に、屈折率異方性が0.1以上の液晶化合物を用いることにより、光路長すなわちフィルターの厚みが水晶の1/10〜1/1000程度に薄く、且つ水晶製と同様の特性の光学ローパスフィルターを提供することができる。さらに、本発明の光学ローパスフィルターは、容易に軽量化及び大面積化が可能であるという利点を有する。
また、本発明の光学ローパスフィルターにおいては、液晶化合物の硬膜のレタデーションの波長依存性が軽減されているので、光学ローパスフィルターに起因した異常光像の色つきを生じさせることなく(又は色づきの発生を抑制しつつ)、視認性を向上させることができる。
さらに液晶化合物は水晶に比べて格段に安価で、且つ製造工程も容易となり、低コストの光学ローパスフィルターを提供することができる。本発明の光学ローパスフィルターを一体として使用したCCD撮像装置により、撮像機器やOA機器向けの光学フィルターを小型軽量化し、かつ、更なる低コストを実現することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)は各々、波長λにおける面内のリターデーションおよび厚さ方向のリターデーションを表す。Re(λ)はKOBRA 21ADH(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。Rth(λ)は前記Re(λ)、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して+40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値、および面内の遅相軸を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値の計3つの方向で測定したレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHが算出する。ここで平均屈折率の仮定値は ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する: セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADHはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx,ny,nzよりNz=(nx-nz)/(nx-ny)が更に算出される。
図1は、本発明の実施の形態に係る光学ローパスフィルターの構造を示した説明図である。
図1において、基板1の平面上には液晶分子2が所定の方向に配向され固着されている。図1(a)に示す光学ローパスフィルターは、配向処理を施した基板1と、その配向処理面上に形成された液晶化合物を含む組成物を硬化させて形成された硬膜である硬膜3を有する。硬膜3中において、液晶分子2のダイレクターは、基板1の界面から空気界面に向かって、連続的に変化している。また、図1(b)に示す光学ローパスフィルターは、配向処理を施した基板と、それに対向する基板1’と、基板1及び1’間に挟持される液晶化合物の硬膜である硬膜3’を有する。硬膜3’中において、液晶分子2のダイレクターは、基板1の界面からもう一方の基板1’に向かって連続的に変化している。なお、基板1’はその配向面に配向処理が施されていなくてもよい。液晶分子2のダイレクターの平均傾斜角は10〜85度であることが好ましく、20〜80度であることがさらに好ましく、30〜75度であることが最も好ましい。
上記の基板1(又は1’)としては、ガラスまたはプラスチック等の透明又は半透明な基板を使用することができ、透明な基板を用いることが好ましい。基板1として用いるプラスチックはセルロースアシレートフィルムが好ましい。また、少なくとも一方の基板上には、液晶化合物を配向させるための配向膜を設けていることが好ましい。上記液晶分子2としては、分子末端に光または熱架橋性の基を有する化合物、低分子液晶、棒状液晶化合物、カイラル液晶、ディスコティック液晶等を使用することができる。本発明の光学ローパスフィルターとしては、図1に示す光学ローパスフィルターにおける硬膜3のみを基板1から剥離したものを使用してもよい。
本発明の光学ローパスフィルターの透明基板は光学的異方性が小さいことが好ましく下記の数式(4)および(5):
数式(4) 0≦Re(630)≦10かつ|Rth(630)|≦25
数式(5) |Re(400)−Re(700)|≦10かつ|Rth(400)−Rth(700)|≦35
を満たすことが好ましい。さらに好ましくは本発明の光学ローパスフィルターの透明基板は下記の数式(4’)および(5’)
数式(4’) 0≦Re(630)≦5かつ|Rth(630)|≦15
数式(5’) |Re(400)−Re(700)|≦5かつ|Rth(400)−Rth(700)|≦20
を満たす。
上記の光学特性を満たす本発明の光学ローパスフィルターの基板としてはセルロースアシレートフィルムをあげることができる。以下、セルロースアシレートフィルムにつき説明する。
(セルロースアシレートの原料セルロース)
セルロースアシレートの原料のセルロースとしては、綿花リンタや木材パルプ(広葉樹パルプ,針葉樹パルプ)などがあり、何れの原料セルロースから得られるセルロースアシレートでも使用でき、場合により混合して使用してもよい。これらの原料セルロースについての詳細な記載は、例えばプラスチック材料講座(17)繊維素系樹脂(丸澤、宇田著、日刊工業新聞社、1970年発行)や発明協会公開技報2001−1745(7頁〜8頁)を参照することができる。
(セルロースアシレート置換度)
セルロースアシレートとしては上述の原料セルロースの水酸基がアシル化されたものが用いられる。アシル基としては、炭素原子数が2のアセチル基から炭素原子数が22のものまでいずれも用いることができる。セルロースの水酸基への置換度は、セルロースの水酸基に置換する酢酸または及び炭素原子数3〜22の脂肪酸の結合度を測定し、計算によって得ることができる。測定方法としては、ASTMのD−817−91に準じた方法が挙げられる。
セルロースアシレートにおいて、セルロースの水酸基への置換度については特に限定されないが、セルロースの水酸基へのアシル置換度が2.50〜3.00であることがのぞましい。さらには置換度が2.75〜3.00であることがのぞましく、2.85〜3.00であることがよりのぞましい。さらに、セルロースの水酸基へのアシル置換度が2.87〜3.00、特に2.90〜3.00であることがのぞましい。
セルロースの水酸基に置換する炭素数2〜22のアシル基としては、脂肪族基でもアリール基でもよく特に限定されず、単一のアシル基が置換しているセルロースアシレートでも2種類以上アシル基が置換しているセルロースアシレートでもよい。それらは、例えばセルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステルあるいは芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステルなどであり、それぞれさらに置換基を有していてもよい。
セルロースの水酸基に置換する好ましいアシル基としては、アセチル、プロピオニル、ブタノイル、へプタノイル、ヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、iso−ブタノイル、t−ブタノイル、シクロヘキサンカルボニル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイル基などを挙げることができる。これらの中でも、アセチル、プロピオニル、ブタノイル、ドデカノイル、オクタデカノイル、t−ブタノイル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイルなどが好ましく、アセチル、プロピオニル、ブタノイルがより好ましい。
(セルロースアシレートの重合度)
セルロースアシレートの重合度は、粘度平均重合度で180〜700が好ましく、セルロースアセテートの場合は、180〜550がより好ましく、180〜400が更に好ましく、180〜350が特に好ましい。重合度が高すぎるとセルロースアシレートのドープ溶液の粘度が高くなり、流延によりフィルム作製が困難になる。重合度が低すぎると作製したフィルムの強度が低下してしまう。平均重合度は、宇田らの極限粘度法(宇田和夫、斉藤秀夫、繊維学会誌、第18巻第1号、105〜120頁、1962年)により測定でき、特開平9−95538号公報に詳細に記載されている。また、セルロースアシレートの分子量分布はゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって評価することができ、セルロースアシレートの多分散性指数Mw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)が小さく、分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.0〜3.0であることが好ましく、1.0〜2.0であることがさらに好ましく、1.0〜1.6であることが最も好ましい。
低分子成分が除去されると、平均分子量(重合度)が高くなるが、粘度は通常のセルロースアシレートよりも低くなるため有用である。低分子成分の少ないセルロースアシレートは、通常の方法で合成したセルロースアシレートから低分子成分を除去することにより得ることができる。低分子成分の除去は、セルロースアシレートを適当な有機溶媒で洗浄することにより実施できる。なお、低分子成分の少ないセルロースアシレートを製造する場合、酢化反応における硫酸触媒量を、セルロース100質量部に対して0.5〜25質量部に調整することが好ましい。硫酸触媒の量を上記範囲にすると、分子量部分布の点でも好ましい(分子量分布の均一な)セルロースアシレートを合成することができる。セルロースアシレートの含水率は2質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがさらに好ましく、0.7質量%以下であることが特に好ましい。一般に、セルロースアシレートの含水率としては2.5〜5質量%が知られている。従って上記のセルロースアシレートの含水率にするためには、乾燥することが必要であるが、その方法は目的とする含水率になる限り特に限定されない。上述のセルロースアシレートの原料綿や合成方法は発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて7頁〜12頁に詳細に記載されている。
セルロースアシレートとしては、置換基、置換度、重合度、分子量分布など前述した範囲であれば、単一あるいは異なる2種類以上のセルロースアシレートを混合して用いることができる。
(セルロースアシレートへの添加剤)
セルロースアシレート溶液には、各調製工程において用途に応じた種々の添加剤(例えば、光学的異方性を低下する化合物、波長分散調整剤、紫外線防止剤、可塑剤、劣化防止剤、微粒子、光学特性調整剤など)を加えることができる。これらについて以下に説明する。またその添加する時期はドープ作製工程における何れであってもよく、ドープ調製工程の最後の調製工程に添加剤を添加し調製する工程を加えてもよい。
(セルロースアシレートフィルムの光学的異方性を低下させる化合物)
セルロースアシレートが面内および膜厚方向に配向するのを抑制し、フィルムの光学的異方性を十分に低下させ、ReおよびRthがゼロに近くなるようにするために、光学的異方性を低下させる化合物としては、セルロースアシレートに十分に相溶し、化合物自身が棒状の構造や平面性の構造を持たない化合物がよい。具体的には芳香族基のような平面性の官能基を複数持っている場合、それらの官能基を同一平面ではなく、非平面に持つような構造の化合物であればよい。
セルロースアシレートフィルムを作製するにあたって、上述のようにフィルム中のセルロースアシレートが面内および膜厚方向に配向するのを抑制して光学異方性を低下させる化合物としては、オクタノール・水分配係数(logP値)が0ないし7である化合物が好ましい。logP値が7を超える化合物は、セルロースアシレートとの相溶性に乏しく、フィルムの白濁や粉吹きを生じやすい。また、logP値が0よりも小さな化合物は親水性が高いために、セルロースアセテートフイルムの耐水性を悪化させる場合がある。logP値としてさらに好ましい範囲は1ないし6であり、特に好ましい範囲は2ないし5である。
オクタノール・水分配係数(logP値)の測定は、JIS 日本工業規格Z7260−107(2000)に記載のフラスコ浸とう法により実施することができる。また、オクタノール・水分配係数(logP値)は実測に代わって、計算化学的手法あるいは経験的方法により見積もることも可能である。計算方法としては、Crippen's fragmentation法( J.Chem.Inf.Comput.Sci.,27,21(1987).)、Viswanadhan's fragmentation法( J.Chem.Inf.Comput.Sci.,29,163(1989).)、Broto's fragmentation法(Eur.J.Med.Chem.− Chim.Theor.,19,71(1984).)などが好ましく用いられるが、Crippen's fragmentation法( J.Chem.Inf.Comput.Sci.,27,21(1987).)がより好ましい。ある化合物のlogPの値が測定方法あるいは計算方法により異なる場合に、該化合物が本発明の範囲内であるかどうかは、Crippen's fragmentation法により判断することが好ましい。
光学異方性を低下させる化合物は、芳香族基を含有してもよいし、含有しなくてもよい。また光学異方性を低下させる化合物は、分子量が150以上3000以下であることが好ましく、170以上2000以下であることが好ましく、200以上1000以下であることが特に好ましい。これらの分子量の範囲であれば、特定のモノマー構造であってもよいし、そのモノマーユニットが複数結合したオリゴマー構造、ポリマー構造でもよい。
光学異方性を低下させる化合物は、好ましくは、25℃で液体であるか、融点が25〜250℃の固体であり、さらに好ましくは、25℃で液体であるか、融点が25〜200℃の固体である。また光学異方性を低下させる化合物は、セルロースアシレートフィルム作製のドープ流延、乾燥の過程で揮散しないことが好ましい。
光学異方性を低下させる化合物の添加量は、セルロースアシレートの0.01ないし30質量%であることが好ましく、1ないし25質量%であることがより好ましく、5ないし20質量%であることが特に好ましい。
光学異方性を低下させる化合物は、単独で用いても、2種以上化合物を任意の比で混合して用いてもよい。
光学異方性を低下させる化合物を添加する時期はドープ作製工程中の何れであってもよく、ドープ調製工程の最後に行ってもよい。
光学異方性を低下させる化合物は、少なくとも一方の側の表面から全膜厚の10%までの部分における該化合物の平均含有率が、該セルロースアシレートフィルムの中央部における該化合物の平均含有率の80−99%である。光学異方性を低下させる化合物の存在量は、例えば、特開平8−57879号公報に記載の赤外吸収スペクトルを用いる方法などにより表面および中心部の化合物量を測定して求めることができる。
セルロースアシレートフィルムの光学異方性を低下させる化合物の好ましい例として、下記一般式(1)〜(16)で示される化合物が挙げられる。これらの化合物につき以下説明するが、セルロースアシレートフィルムの光学異方性を低下させる化合物は例示の化合物に限定されない。
一般式(1)の化合物について説明する。
Figure 2007093918
一般式(1)において、R11-13はそれぞれ独立に、炭素数が1ないし20の脂肪族基を表す。R11-13は互いに連結して環を形成してもよい。
11-13について詳しく説明する。R11-13は好ましくは炭素数が1ないし20、さらに好ましくは炭素数が1ないし16、特に好ましくは、炭素数が1ないし12である脂肪族基である。ここで、脂肪族基とは、好ましくは脂肪族炭化水素基であり、さらに好ましくは、アルキル基(鎖状、分岐状および環状のアルキル基を含む。)、アルケニル基またはアルキニル基である。例として、アルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、t−アミル、n−ヘキシル、n−オクチル、デシル、ドデシル、エイコシル、2−エチルヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、2,6−ジメチルシクロヘキシル、4−t−ブチルシクロヘキシル、シクロペンチル、1−アダマンチル、2−アダマンチル、ビシクロ[2.2.2]オクタン−3−イルなどが挙げられ、アルケニル基としては、例えば、ビニル、アリール、プレニル、ゲラニル、オレイル、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イルなどが挙げられ、アルキニル基としては、例えば、エチニル、プロパルギルなどが挙げられる。
11-13で表される脂肪族基は置換されていてもよく、置換基の例としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子)、アルキル基(直鎖、分岐、環状のアルキル基で、ビシクロアルキル基、活性メチン基を含む)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(置換する位置は問わない)、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アシルカルバモイル基、N−スルホニルカルバモイル基、N−カルバモイルカルバモイル基、N−スルファモイルカルバモイル基、カルバゾイル基、カルボキシ基またはその塩、オキサリル基、オキサモイル基、シアノ基、カルボンイミドイル基(Carbonimidoyl基)、ホルミル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基(エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基、アミノ基、(アルキル、アリールまたはヘテロ環)アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、イミド基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、アンモニオ基、オキサモイルアミノ基、N−(アルキルもしくはアリール)スルホニルウレイド基、N−アシルウレイド基、N−アシルスルファモイルアミノ基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えばピリジニオ基、イミダゾリオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基)、イソシアノ基、イミノ基、(アルキルまたはアリール)スルホニル基、(アルキルまたはアリール)スルフィニル基、スルホ基またはその塩、スルファモイル基、N−アシルスルファモイル基、N−スルホニルスルファモイル基またはその塩、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基等が挙げられる。
これらの基はさらに組み合わされて複合置換基を形成してもよく、このような置換基の例としては、エトキシエトキシエチル基、ヒドロキシエトキシエチル基、エトキシカルボニルエチル基などを挙げることができる。また、R11-13は置換基としてリン酸エステル基を含有することもでき、一般式(1)の化合物は同一分子中に複数のリン酸エステル基を有することも可能である。
一般式(2)および(3)の化合物について説明する。
Figure 2007093918
一般式(2)および(3)において、Zは炭素原子、酸素原子、硫黄原子、−NR25−を表し、R25は水素原子またはアルキル基を表す。Zを含んで構成される5または6員環は置換基を有していてもよく、複数の置換基が互いに結合して環を形成していてもよい。Zを含んで構成される5または6員環の例としては、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオフェン、チアン、ピロリジン、ピペリジン、インドリン、イソインドリン、クロマン、イソクロマン、テトラヒドロ−2−フラノン、テトラヒドロ−2−ピロン、4−ブタンラクタム、6−ヘキサノラクタムなどを挙げることができる。
また、Zを含んで構成される5または6員環は、ラクトン構造またはラクタム構造、すなわち、Zの隣接炭素にオキソ基を有する環状エステルまたは環状アミド構造を含む。このような環状エステルまたは環状アミド構造の例としては、2−ピロリドン、2−ピペリドン、5−ペンタノリド、6−ヘキサノリドを挙げることができる。
25は水素原子または、好ましくは炭素数が1ないし20、さらに好ましくは炭素数が1ないし16、特に好ましくは、炭素数が1ないし12であるアルキル基(鎖状、分岐状および環状のアルキル基を含む。)を表す。R25で表されるアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、t−アミル、n−ヘキシル、n−オクチル、デシル、ドデシル、エイコシル、2−エチルヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、2,6−ジメチルシクロヘキシル、4−t−ブチルシクロヘキシル、シクロペンチル、1−アダマンチル、2−アダマンチル、ビシクロ[2.2.2]オクタン−3−イルなどを挙げることができる。R25で表されるアルキル基はさらに置換基を有していてもよく、置換基の例としては前記のR11-13に置換していてもよい基を挙げることができる。
21-22はそれぞれ独立に、エステル基、アルコキシカルボニル基、アミド基またはカルバモイル基を表す。エステル基としては、好ましくは炭素数が1ないし20、さらに好ましくは炭素数が1ないし16、特に好ましくは、炭素数が1ないし12であり、例えば、アセトキシ、エチルカルボニルオキシ、プロピルカルボニルオキシ、n−ブチルカルボニルオキシ、iso−ブチルカルボニルオキシ、t−ブチルカルボニルオキシ、sec−ブチルカルボニルオキシ、n−ペンチルカルボニルオキシ、t−アミルカルボニルオキシ、n−ヘキシルカルボニルオキシ、シクロヘキシルカルボニルオキシ、1−エチルペンチルカルボニルオキシ、n−ヘプチルカルボニルオキシ、n−ノニルカルボニルオキシ、n−ウンデシルカルボニルオキシ、ベンジルカルボニルオキシ、1−ナフタレンカルボニルオキシ、2−ナフタレンカルボニルオキシ、1−アダマンタンカルボニルオキシなどが例示できる。アルコキシカルボニル基としては、好ましくは炭素数が1ないし20、さらに好ましくは炭素数が1ないし16、特に好ましくは、炭素数が1ないし12であり、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロピルオキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、iso−ブチルオキシカルボニル、sec−ブチルオキシカルボニル、n−ペンチルオキシカルボニル、t−アミルオキシカルボニル、n−ヘキシルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル、1−エチルプロピルオキシカルボニル、n−オクチルオキシカルボニル、3,7−ジメチル−3−オクチルオキシカルボニル、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシカルボニル、4−t−ブチルシクロヘキシルオキシカルボニル、2,4−ジメチルペンチル−3−オキシカルボニル、1−アダマンタンオキシカルボニル、2−アダマンタンオキシカルボニル、ジシクロペンタジエニルオキシカルボニル、n−デシルオキシカルボニル、n−ドデシルオキシカルボニル、n−テトラデシルオキシカルボニル、n−ヘキサデシルオキシカルボニルなどが例示できる。アミド基としては、好ましくは炭素数が1ないし20、さらに好ましくは炭素数が1ないし16、特に好ましくは、炭素数が1ないし12であり、例えば、アセタミド、エチルカルボキサミド、n−プロピルカルボキサミド、イソプロピルカルボキサミド、n−ブチルカルボキサミド、t−ブチルカルボキサミド、iso−ブチルカルボキサミド、sec−ブチルカルボキサミド、n−ペンチルカルボキサミド、t−アミルカルボキサミド、n−ヘキシルカルボキサミド、シクロヘキシルカルボキサミド、1−エチルペンチルカルボキサミド、1−エチルプロピルカルボキサミド、n−ヘプチルカルボキサミド、n−オクチルカルボキサミド、1−アダマンタンカルボキサミド、2−アダマンタンカルボキサミド、n−ノニルカルボキサミド、n−ドデシルカルボキサミド、n−ペンタカルボキサミド、n−ヘキサデシルカルボキサミドなどが例示できる。カルバモイル基としては、好ましくは炭素数が1ないし20、さらに好ましくは炭素数が1ないし16、特に好ましくは、炭素数が1ないし12であり、例えば、メチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、n−プロピルカルバモイル、イソプロピルカルバモイル、n−ブチルカルバモイル、t−ブチルカルバモイル、iso−ブチルカルバモイル、sec−ブチルカルバモイル、n−ペンチルカルバモイル、t−アミルカルバモイル、n−ヘキシルカルバモイル、シクロヘキシルカルバモイル、2−エチルヘキシルカルバモイル、2−エチルブチルカルバモイル、t−オクチルカルバモイル、n−ヘプチルカルバモイル、n−オクチルカルバモイル、1−アダマンタンカルバモイル、2−アダマンタンカルバモイル、n−デシルカルバモイル、n−ドデシルカルバモイル、n−テトラデシルカルバモイル、n−ヘキサデシルカルバモイルなどが例示できる。Y21-22は互いに連結して環を形成してもよい。Y21-22はさらに置換基を有していてもよく、例としては前記のR11-13に置換していてもよい基を挙げることができる。
一般式(4)〜(12)の化合物について説明する。
Figure 2007093918
一般式(4)〜(12)において、Y31-70はそれぞれ独立に、エステル基、アルコキシカルボニル基、アミド基、カルバモイル基またはヒドロキシ基を表す。エステル基としては、好ましくは炭素数が1ないし20、さらに好ましくは炭素数が1ないし16、特に好ましくは、炭素数が1ないし12のエステル基が挙げられ、例えば、アセトキシ、エチルカルボニルオキシ、プロピルカルボニルオキシ、n−ブチルカルボニルオキシ、iso−ブチルカルボニルオキシ、t−ブチルカルボニルオキシ、sec−ブチルカルボニルオキシ、n−ペンチルカルボニルオキシ、t−アミルカルボニルオキシ、n−ヘキシルカルボニルオキシ、シクロヘキシルカルボニルオキシ、1−エチルペンチルカルボニルオキシ、n−ヘプチルカルボニルオキシ、n−ノニルカルボニルオキシ、n−ウンデシルカルボニルオキシ、ベンジルカルボニルオキシ、1−ナフタレンカルボニルオキシ、2−ナフタレンカルボニルオキシ、1−アダマンタンカルボニルオキシなどが挙げられる。アルコキシカルボニル基としては、好ましくは炭素数が1ないし20、さらに好ましくは炭素数が1ないし16、特に好ましくは、炭素数が1ないし12のアルコキシカルボニル基が挙げられ、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロピルオキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、iso−ブチルオキシカルボニル、sec−ブチルオキシカルボニル、n−ペンチルオキシカルボニル、t−アミルオキシカルボニル、n−ヘキシルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニルなど、1−エチルプロピルオキシカルボニル、n−オクチルオキシカルボニル、3,7−ジメチル−3−オクチルオキシカルボニル、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシカルボニル、4−t−ブチルシクロヘキシルオキシカルボニル、2,4−ジメチルペンチル−3−オキシカルボニル、1−アダマンタンオキシカルボニル、2−アダマンタンオキシカルボニル、ジシクロペンタジエニルオキシカルボニル、n−デシルオキシカルボニル、n−ドデシルオキシカルボニル、n−テトラデシルオキシカルボニル、n−ヘキサデシルオキシカルボニルなどが挙げられる。アミド基としては、好ましくは炭素数が1ないし20、さらに好ましくは炭素数が1ないし16、特に好ましくは、炭素数が1ないし12のアミド基が挙げられ、例えば、アセタミド、エチルカルボキサミド、n−プロピルカルボキサミド、イソプロピルカルボキサミド、n−ブチルカルボキサミド、t−ブチルカルボキサミド、iso−ブチルカルボキサミド、sec−ブチルカルボキサミド、n−ペンチルカルボキサミド、t−アミルカルボキサミド、n−ヘキシルカルボキサミド、シクロヘキシルカルボキサミド、1−エチルペンチルカルボキサミド、1−エチルプロピルカルボキサミド、n−ヘプチルカルボキサミド、n−オクチルカルボキサミド、1−アダマンタンカルボキサミド、2−アダマンタンカルボキサミド、n−ノニルカルボキサミド、n−ドデシルカルボキサミド、n−ペンタカルボキサミド、n−ヘキサデシルカルボキサミドなどが挙げられる。カルバモイル基としては、好ましくは炭素数が1ないし20、さらに好ましくは炭素数が1ないし16、特に好ましくは、炭素数が1ないし12のカルバモイル基が挙げられ、例えば、メチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、n−プロピルカルバモイル、イソプロピルカルバモイル、n−ブチルカルバモイル、t−ブチルカルバモイル、iso−ブチルカルバモイル、sec−ブチルカルバモイル、n−ペンチルカルバモイル、t−アミルカルバモイル、n−ヘキシルカルバモイル、シクロヘキシルカルバモイル、2−エチルヘキシルカルバモイル、2−エチルブチルカルバモイル、t−オクチルカルバモイル、n−ヘプチルカルバモイル、n−オクチルカルバモイル、1−アダマンタンカルバモイル、2−アダマンタンカルバモイル、n−デシルカルバモイル、n−ドデシルカルバモイル、n−テトラデシルカルバモイル、n−ヘキサデシルカルバモイルなどが挙げられる。Y31-70はさらに置換基を有していてもよく、例としては前記のR11-13に置換していてもよい基を挙げることができる。
31-43はそれぞれ独立に水素原子または、好ましくは炭素数が1ないし20、さらに好ましくは炭素数が1ないし16、特に好ましくは、炭素数が1ないし12である脂肪族基を表す。ここで、脂肪族基とは、好ましくは脂肪族炭化水素基であり、さらに好ましくは、アルキル基(鎖状、分岐状および環状のアルキル基を含む。)、アルケニル基またはアルキニル基である。アルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、t−アミル、n−ヘキシル、n−オクチル、デシル、ドデシル、エイコシル、2−エチルヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、2,6−ジメチルシクロヘキシル、4−t−ブチルシクロヘキシル、シクロペンチル、1−アダマンチル、2−アダマンチル、ビシクロ[2.2.2]オクタン−3−イルなどが挙げられ、アルケニル基としては、例えば、ビニル、アリール、プレニル、ゲラニル、オレイル、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イルなどが挙げられ、アルキニル基としては、例えば、エチニル、プロパルギルなどを挙げることができる。V31-43はさらに置換基を有していてもよく、例としては前記のR11-13に置換していてもよい基を挙げることができる。
31-77はそれぞれ独立に、原子数0ないし40かつ、炭素数0ないし20の2価の飽和の連結基を表す。ここで、L31-77の原子数が0であるということは、連結基の両端にある基が直接に単結合を形成していることを意味する。L31-77の好ましい例としては、アルキレン基(例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、メチルエチレン、エチルエチレンなど)、環式の2価の基(例えば、cis−1,4−シクロヘキシレン、trans−1,4−シクロヘキシレン、1,3−シクロペンチリデンなど)、エーテル、チオエーテル、エステル、アミド、スルホン、スルホキシド、スルフィド、スルホンアミド、ウレイレン、チオウレイレンなどを挙げることができる。これらの2価の基は互いに結合して二価の複合基を形成してもよく、複合置換基の例としては、−(CH22O(CH22−、−(CH22O(CH22O(CH2)−、−(CH22S(CH22−、−(CH222C(CH22−などを挙げることができる。L31-77は、さらに置換基を有していてもよく、置換基の例としては、前記のR11-13に置換していてもよい基を挙げることができる。
一般式(4)〜(12)においてY31-70、V31-43およびL31-77の組み合わせにより形成される化合物の好ましい例としては、クエン酸エステル(例えば、O−アセチルクエン酸トリエチル、O−アセチルクエン酸トリブチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、O−アセチルクエン酸トリ(エチルオキシカルボニルメチレン)エステルなど)、オレイン酸エステル(例えば、オレイン酸エチル、オレイン酸ブチル、オレイン酸2−エチルヘキシル、オレイン酸フェニル、オレイン酸シクロヘキシル、オレイン酸オクチルなど)、リシノール酸エステル(例えばリシノール酸メチルアセチルなど)、セバシン酸エステル(例えばセバシン酸ジブチルなど)、グリセリンのカルボン酸エステル(例えば、トリアセチン、トリブチリンなど)、グリコール酸エステル(例えば、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、メチルフタリルメチルグリコレート、プロピルフタリルプロピルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、オクチルフタリルオクチルグリコレートなど)、ペンタエリスリトールのカルボン酸エステル(例えば、ペンタエリスリトールテトラアセテート、ペンタエリスリトールテトラブチレートなど)、ジペンタエリスリトールのカルボン酸エステル(例えば、ジペンタエリスリトールヘキサアセテート、ジペンタエリスリトールヘキサブチレート、ジペンタエリスリトールテトラアセテートなど)、トリメチロールプロパンのカルボン酸エステル類(トリメチロールプロパントリアセテート、トリメチロールプロパンジアセテートモノプロピオネート、トリメチロールプロパントリプロピオネート、トリメチロールプロパントリブチレート、トリメチロールプロパントリピバロエート、トリメチロールプロパントリ(t−ブチルアセテート)、トリメチロールプロパンジ2−エチルヘキサネート、トリメチロールプロパンテトラ2−エチルヘキサネート、トリメチロールプロパンジアセテートモノオクタネート、トリメチロールプロパントリオクタネート、トリメチロールプロパントリ(シクロヘキサンカルボキシレート)など)、特開平11−246704号公報に記載のグリセロールエステル類、特開2000−63560号公報に記載のジグリセロールエステル類、特開平11−92574号公報に記載のクエン酸エステル類、ピロリドンカルボン酸エステル類(2−ピロリドン−5−カルボン酸メチル、2−ピロリドン−5−カルボン酸エチル、2−ピロリドン−5−カルボン酸ブチル、2−ピロリドン−5−カルボン酸2−エチルヘキシル)、シクロヘキサンジカルボン酸エステル(cis−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジブチル、trans−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジブチル、cis−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジブチル、trans−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジブチルなど)、キシリトールカルボン酸エステル(キシリトールペンタアセテート、キシリトールテトラアセテート、キシリトールペンタプロピオネートなど)などが挙げられる。
以下に本発明の一般式(1)ないし(12)で表される化合物の具体例を挙げる。表記載あるいは括弧内に記載のlogPの値は、Crippen's fragmentation法( J.Chem.Inf.Comput.Sci.,27,21(1987).)により求めたものである。
Figure 2007093918
Figure 2007093918
Figure 2007093918
Figure 2007093918
Figure 2007093918
Figure 2007093918
Figure 2007093918
Figure 2007093918
Figure 2007093918
Figure 2007093918
一般式(13)および(14)の化合物について説明する。
Figure 2007093918
Figure 2007093918
上記一般式(13)において、R21はアルキル基またはアリール基を表し、R 22 およびR 23 は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。また、R21、R22およびR23の炭素原子数の総和が10以上であることが特に好ましい。また、一般式(14)中、R24およびR25は、それぞれ独立に、アルキル基またはアリール基を表す。また、R24およびR25の炭素原子数の総和は10以上であり、各々、アルキル基およびアリール基は置換基を有していてもよい。置換基としてはフッ素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、スルホン基およびスルホンアミド基が好ましく、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、スルホン基およびスルホンアミド基が特に好ましい。また、アルキル基は直鎖であっても、分岐であっても、環状であってもよく、炭素原子数1乃至25のものが好ましく、6乃至25のものがより好ましく、6乃至20のもの(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、アミル、イソアミル、t−アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、ビシクロオクチル、ノニル、アダマンチル、デシル、t−オクチル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、ジデシル)が特に好ましい。アリール基としては炭素原子数が6乃至30のものが好ましく、6乃至24のもの(例えば、フェニル、ビフェニル、テルフェニル、ナフチル、ビナフチル、トリフェニルフェニル)が特に好ましい。
一般式(13)または一般式(14)で表される化合物の好ましい具体例を下記に示す。
Figure 2007093918
Figure 2007093918
Figure 2007093918
一般式(15)の化合物について説明する。
Figure 2007093918
上記一般式(15)において、R31、R32およびR33は、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数が1乃至5のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、アミル、イソアミル)であることが好ましく、R31、R32およびR33の少なくとも1つ以上が炭素原子数1乃至3のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル)であることが特に好ましい。Xは、単結合、−O−、−CO−、アルキレン基(好ましくは炭素原子数1〜6、より好ましくは1〜3のもの、例えばメチレン、エチレン、プロピレン)またはアリーレン基(好ましくは炭素原子数6〜24、より好ましくは6〜12のアリーレン基。例えば、フェニレン、ビフェニレン、ナフチレン)から選ばれる1種以上の基から形成される2価の連結基であることが好ましく、−O−、アルキレン基またはアリーレン基から選ばれる1種以上の基から形成される2価の連結基であることが特に好ましい。Yは、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素原子数2〜25、より好ましくは2〜20のアルキル基。例えば、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、t−オクチル、ドデシル、シクロヘキシル、ジシクロヘキシル、アダマンチル)、アリール基(好ましくは炭素原子数6〜24、より好ましくは6〜18のもの。例えば、フェニル、ビフェニル、テルフェニル、ナフチル)またはアラルキル基(好ましくは炭素原子数7〜30、より好ましくは7〜20のアラルキル基。例えば、ベンジル、クレジル、t−ブチルフェニル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル)であることが好ましく、アルキル基、アリール基またはアラルキル基であることが特に好ましい。−X−Yの組み合わせとしては、−X−Yの総炭素数が0乃至40であることが好ましく、1乃至30であることがさらに好ましく、1乃至25であることが最も好ましい。
一般式(14)で表される化合物の好ましい具体例を下記に示す。
Figure 2007093918
Figure 2007093918
一般式(16)の化合物について説明する。
Figure 2007093918
一般式(16)においてQ1、Q2およびQ3はそれぞれ独立に5ないし6員環を表し、炭化水素環でもヘテロ環でもよく、また、これらは単環であってもよいし、更に他の環と縮合環を形成してもよい。炭化水素環として好ましくは、置換または無置換のシクロヘキサン環、置換または無置換のシクロペンタン環、芳香族炭化水素環であり、より好ましくは芳香族炭化水素環である。へテロ環として好ましくは5ないし6員環の酸素原子、窒素原子あるいは硫黄原子のうち少なくとも1つを含む環である。へテロ環としてより好ましくは酸素原子、窒素原子あるいは硫黄原子のうち少なくとも1つを含む芳香族ヘテロ環である。Q1、Q2およびQ3として好ましくは芳香族炭化水素環または芳香族へテロ環である。芳香族炭化水素環として好ましくは(好ましくは炭素数6〜30の単環または二環の芳香族炭化水素環(例えばベンゼン環、ナフタレン環などが挙げられる。)であり、より好ましくは炭素数6〜20の芳香族炭化水素環、更に好ましくは炭素数6〜12の芳香族炭化水素環である。)更に好ましくはベンゼン環である。
芳香族ヘテロ環として好ましくは酸素原子、窒素原子あるいは硫黄原子を含む芳香族ヘテロ環である。ヘテロ環の具体例としては、例えば、フラン、ピロール、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、インドール、インダゾール、プリン、チアゾリン、チアゾール、チアジアゾール、オキサゾリン、オキサゾール、オキサジアゾール、キノリン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、アクリジン フェナントロリン、フェナジン、テトラゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、ベンゾトリアゾール、テトラザインデンなどが挙げられる。芳香族ヘテロ環として好ましくは、ピリジン、トリアジン、キノリンである。
1、Q2およびQ3としてより好ましくは芳香族炭化水素環であり、さらに好ましくはベンゼン環である。
またQ1、Q2およびQ3は置換基を有してもよく、置換基としては後述の置換基Tが挙げられる。
XはB、C−R(Rは水素原子または置換基を表す。)、N、P、P=Oを表し、Xとして好ましくはB、C―R(Rとして好ましくはアリール基、置換又は未置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、カルボキシル基であり、より好ましくはアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくはアルコキシ基、ヒドロキシ基であり、特に好ましくはヒドロキシ基である。)、Nであり、Xとしてより好ましくはC−R、Nであり、特に好ましくはC−Rである。
一般式(16)で表される化合物として好ましくは下記一般式(17)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2007093918
(式中、X2はB、C−R(Rは水素原子または置換基を表す。)、Nを表す。R111、R112、R113、R114、R115、R121、R122、R123、R124、R125、R131、R132、R133、R134ないしR135は水素原子または置換基を表す。)
XはB、C−R(Rは水素原子または置換基を表す。)、N、P、P=Oを表しXとして好ましくはB、C―R(Rとして好ましくはアリール基、置換又は未置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、カルボキシル基であり、より好ましくはアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくはアルコキシ基、ヒドロキシ基であり、特に好ましくはヒドロキシ基である。)、N、P=Oであり、更に好ましくはC―R、Nであり、特に好ましくはC―Rである。
111、R112、R113、R114、R115、R121、R122、R123、R124、R125、R131、R132、R133、R134ないしR135は水素原子または置換基を表し、置換基としては後述の置換基Tが適用できる。R111、R112、R113、R114、R115、R121、R122、R123、R124、R125、R131、R132、R133、R134ないしR135として好ましくはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換又は未置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホニル基、スルフィニル基、ウレイド基、リン酸アミド基、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、ピペリジル、モルホリノ、ベンゾオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリルなどが挙げられる。)、シリル基であり、より好ましくはアルキル基、アリール基、置換または無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基であり、更に好ましくはアルキル基、アリール基、アルコキシ基である。
これらの置換基は更に置換されてもよい。また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに連結して環を形成してもよい。
以下に前述の置換基Tについて説明する。置換基Tとしては例えばアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばビニル、アリール、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチルなどが挙げられる。)、置換又は未置換のアミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、ピペリジル、モルホリノ、ベンゾオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリルなどが挙げられる。)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは、炭素数3〜24であり、例えば、トリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに連結して環を形成してもよい。
以下に一般式(16)で表される化合物に関して以下に具体例をあげる。
Figure 2007093918
Figure 2007093918
Figure 2007093918
Figure 2007093918
Figure 2007093918
Figure 2007093918
Figure 2007093918
(波長分散調整剤)
波長分散調製剤はセルロースアシレートフィルムの波長分散を低下させるために添加される。波長分散調製剤としては200〜400nmの紫外領域に吸収を持ち、フィルムの|Re(400)−Re(700)|および|Rth(400)−Rth(700)|を低下させる化合物が好ましい。
セルロースアシレートフィルムのRe、Rthの値は一般に短波長側よりも長波長側が大きい波長分散特性となる。したがって相対的に小さい短波長側のRe、Rthを大きくすることによって波長分散を平滑にすることが要求される。一方200〜400nmの紫外領域に吸収を持つ化合物は短波長側よりも長波長側の吸光度が大きい波長分散特性をもつ。この化合物自身がセルロースアシレートフィルム内部で等方的に存在していれば、化合物自身の複屈折性、ひいてはRe、Rthの波長分散は吸光度の波長分散と同様に短波長側が大きいと想定される。
したがって上述したような、200〜400nmの紫外領域に吸収を持ち、化合物自身のRe、Rthの波長分散が短波長側が大きいと想定されるものを用いることによって、セルロースアシレートフィルムのRe、Rthの波長分散を調製することができる。このためには波長分散を調整する化合物はセルロースアシレートに十分均一に相溶することが要求される。
さらに、波長分散調整剤は、セルロースアシレートフィルム作製のドープ流延、乾燥の過程で揮散しないことが好ましい。従って波長分散調整剤としては、揮散性の観点から分子量が250〜1000である化合物が好ましく、260〜800である化合物がより好ましく、270〜800である化合物がさらに好ましく、300〜800である化合物が特に好ましい。これらの分子量の範囲であれば、特定のモノマー構造の化合物でもよいし、そのモノマーユニットが複数結合したオリゴマー構造、またはポリマー構造の化合物でもよい。
波長分散調整剤の添加量は、セルロースアシレートの0.01ないし30重量%であることが好ましく、0.1ないし20重量%であることがより好ましく、0.2ないし10重量%であることが特に好ましい。
また、これら波長分散調整剤は、単独で用いても、2種以上化合物を任意の比で混合して用いてもよい。波長分散調整剤を添加する時期はドープ作製工程中の何れであってもよく、ドープ調製工程の最後に行ってもよい。
好ましく用いられる波長分散調整剤の具体例としては、例えばベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、オキシベンゾフェノン系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ニッケル錯塩系化合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ベンゾトリアゾール系化合物としては一般式(18)で示される化合物が好ましい例として挙げられる。
一般式(18)
11−Q12−OH
(式中、Q1は含窒素芳香族ヘテロ環Q2は芳香族環を表す。)
11は含窒素方向芳香族へテロ環をあらわし、好ましくは5乃至7員の含窒素芳香族ヘテロ環であり、より好ましくは5ないし6員の含窒素芳香族ヘテロ環であり、例えば、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、セレナゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾチアゾール、ベンズオキサゾール、ベンゾセレナゾール、チアジアゾール、オキサジアゾール、ナフトチアゾール、ナフトオキサゾール、アザベンズイミダゾール、プリン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、トリアザインデン、テトラザインデン等があげられ、更に好ましくは、5員の含窒素芳香族ヘテロ環であり、具体的にはイミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾチアゾール、ベンズオキサゾール、チアジアゾール、オキサジアゾールが好ましく、特に好ましくは、ベンゾトリアゾールである。
11で表される含窒素芳香族ヘテロ環は更に置換基を有してもよく、置換基としては前述の置換基Tが適用できる。また、置換基が複数ある場合にはそれぞれが縮環して更に環を形成してもよい。
12で表される芳香族環は芳香族炭化水素環でも芳香族ヘテロ環でもよい。また、これらは単環であってもよいし、更に他の環と縮合環を形成してもよい。
芳香族炭化水素環として好ましくは(好ましくは炭素数6〜30の単環または二環の芳香族炭化水素環(例えばベンゼン環、ナフタレン環などが挙げられる。)であり、より好ましくは炭素数6〜20の芳香族炭化水素環、更に好ましくは炭素数6〜12の芳香族炭化水素環である。)更に好ましくはベンゼン環である。
芳香族ヘテロ環として好ましくは窒素原子あるいは硫黄原子を含む芳香族ヘテロ環である。ヘテロ環の具体例としては、例えば、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、インドール、インダゾール、プリン、チアゾリン、チアゾール、チアジアゾール、オキサゾリン、オキサゾール、オキサジアゾール、キノリン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、アクリジン フェナントロリン、フェナジン、テトラゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、ベンゾトリアゾール、テトラザインデンなどが挙げられる。芳香族ヘテロ環として好ましくは、ピリジン、トリアジン、キノリンである。
12であらわされる芳香族環として好ましくは芳香族炭化水素環であり、より好ましくはナフタレン環、ベンゼン環であり、特に好ましくはベンゼン環である。Q12は更に置換基を有してもよく、前述の置換基Tが好ましい。
一般式(18)で表される化合物として好ましくは下記一般式(18−A)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2007093918
(式中、R201、R202、R203、R204、R205、R206、R207、およびR208はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
201、R202、R203、R204、R205、R206、R207、およびR208はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、置換基としては前述の置換基Tが適用できる。またこれらの置換基は更に別の置換基によって置換されてもよく、置換基同士が縮環して環構造を形成してもよい。
1およびR3として好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換または無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくは水素原子、炭素1〜12アルキル基であり、特に好ましくは炭素数1〜12のアルキル基(好ましくは炭素数4〜12)である。
202、およびR204として好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換または無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくは水素原子、炭素1〜12アルキル基であり、特に好ましくは水素原子、メチル基であり、最も好ましくは水素原子である。
205およびR208として好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換または無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくは水素原子、炭素1〜12アルキル基であり、特に好ましくは水素原子、メチル基であり、最も好ましくは水素原子である。
206およびR207として好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換または無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくは水素原子、ハロゲン原子であり、特に好ましくは水素原子、塩素原子である。
さらに、一般式(18)で表される化合物としてより好ましくは下記一般式(18−B)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2007093918
(式中、R211、R213、R216およびR217は、それぞれ一般式(18−A)におけるR201、R203、R206およびR207と同義であり、また好ましい範囲も同様である。)
以下に一般式(18)で表される化合物の具体例を挙げる。
Figure 2007093918
Figure 2007093918
波長分散調整剤のひとつであるベンゾフェノン系化合物としては一般式(19)で示される化合物が好ましい例として挙げられる。
Figure 2007093918
(式中、Q21およびQ22はそれぞれ独立に芳香族環を表す。XはNR(Rは水素原子または置換基を表す。)、酸素原子または硫黄原子を表す。)
21およびQ22で表される芳香族環は芳香族炭化水素環でも芳香族ヘテロ環でもよい。また、これらは単環であってもよいし、更に他の環と縮合環を形成してもよい。
21およびQ22で表される芳香族炭化水素環として好ましくは(好ましくは炭素数6〜30の単環または二環の芳香族炭化水素環(例えばベンゼン環、ナフタレン環などが挙げられる。)であり、より好ましくは炭素数6〜20の芳香族炭化水素環、更に好ましくは炭素数6〜12の芳香族炭化水素環である。)更に好ましくはベンゼン環である。
21およびQ22で表される芳香族ヘテロ環として好ましくは酸素原子、窒素原子あるいは硫黄原子のどれかひとつを少なくとも1つ含む芳香族ヘテロ環である。ヘテロ環の具体例としては、例えば、フラン、ピロール、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、インドール、インダゾール、プリン、チアゾリン、チアゾール、チアジアゾール、オキサゾリン、オキサゾール、オキサジアゾール、キノリン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、アクリジン フェナントロリン、フェナジン、テトラゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、ベンゾトリアゾール、テトラザインデンなどが挙げられる。芳香族ヘテロ環として好ましくは、ピリジン、トリアジン、キノリンである。
21およびQ22であらわされる芳香族環として好ましくは芳香族炭化水素環であり、より好ましくは炭素数6〜10の芳香族炭化水素環であり、更に好ましくは置換または無置換のベンゼン環である。
21およびQ22は更に置換基を有してもよく、前述の置換基Tが好ましいが、置換基にカルボン酸やスルホン酸、4級アンモニウム塩を含むことはない。また、可能な場合には置換基同士が連結して環構造を形成してもよい。
XはNR(Rは水素原子または置換基を表す。置換基としては後述の置換基Tが適用できる。)、酸素原子または硫黄原子を表し、Xとして好ましくは、NR(Rとして好ましくはアシル基、スルホニル基であり、これらの置換基は更に置換してもよい。)、またはOであり、特に好ましくはOである。
一般式(19)で表される化合物として好ましくは下記一般式(19−A)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2007093918
(式中、R221、R222、R223、R224、R225、R226、R227、R228、およびR229はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
221、R222、R223、R224、R225、R226、R227、R228、およびR229はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、置換基ととしては前述の置換基Tが適用できる。またこれらの置換基は更に別の置換基によって置換されてもよく、置換基同士が縮環して環構造を形成してもよい。
221、R223、R224、R225、R226、R228およびR229として好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換または無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくは水素原子、炭素1〜12アルキル基であり、特に好ましくは水素原子、メチル基であり、最も好ましくは水素原子である。
222として好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換または無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、より好ましくは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数0〜20のアミノ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12アリールオキシ基、ヒドロキシ基であり、更に好ましくは炭素数1〜20のアルコキシ基であり、特に好ましくは炭素数1〜12のアルコキシ基である。
227として好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換または無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、より好ましくは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数0〜20のアミノ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12アリールオキシ基、ヒドロキシ基であり、更に好ましくは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基(好ましくは炭素数1〜12、より好ましくは炭素数1〜8、更に好ましくはメチル基)であり、特に好ましくはメチル基、水素原子である。
一般式(19)で表される化合物としてより好ましくは下記一般式(19−B)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2007093918
(式中、R230は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアルキニル基、置換または無置換のアリール基を表す。)
230は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアルキニル基、置換または無置換のアリール基を表し、置換基としては前述の置換基Tが適用できる。
230として好ましくは置換または無置換のアルキル基であり、より好ましくは炭素数5〜20置換または無置換のアルキル基であり、更に好ましくは炭素数5〜12の置換または無置換のアルキル基(n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、ベンジル基、などが挙げられる。)であり、特に好ましくは、炭素数6〜12の置換または無置換のアルキル基(2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、ベンジル基)である。
一般式(19)で表される化合物は特開平11−12219号公報記載の公知の方法により合成できる。
以下に一般式(19)で表される化合物の具体例を挙げる。
Figure 2007093918
Figure 2007093918
Figure 2007093918
(可塑剤、劣化防止剤、微粒子、剥離剤)
上記の光学的に異方性を低下する化合物、波長分散調整剤の他に、セルロースアシレートフィルムには、各調製工程において用途に応じた種々の添加剤(例えば、可塑剤、紫外線防止剤、劣化防止剤、微粒子、剥離剤、赤外吸収剤、など)を加えることができ、それらは固体でもよく油状物でもよい。すなわち、その融点や沸点において特に限定されるものではない。例えば20℃以下と20℃以上の紫外線吸収材料の混合や、同様に可塑剤の混合などであり、例えば特開平2001−151901号公報などに記載されている。さらにまた、赤外吸収染料としては例えば特開平2001−194522号公報に記載されている。またその添加する時期はドープ作製工程において何れで添加してもよいが、ドープ調製工程の最後の調製工程に添加剤を添加し調製する工程を加えて行ってもよい。更にまた、各素材の添加量は機能が発現する限りにおいて特に限定されない。また、セルロースアシレートフィルムが多層から形成される場合、各層の添加物の種類や添加量が異なってもよい。例えば特開平2001−151902号公報などに記載されているが、これらは従来から知られている技術である。これらの詳細は、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて16頁〜22頁に詳細に記載されている素材が好ましく用いられる。
(セルロースアシレート溶液の有機溶媒)
セルロースアシレートフィルムの製造は、ソルベントキャスト法により行うことが好ましい。該方法においてはセルロースアシレートを有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフィルムが製造される。この際の主溶媒となる有機溶媒としては、炭素原子数が3〜12のエステル、ケトン、エーテル、および炭素原子数が1〜7のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶媒が好ましい。エステル、ケトンおよび、エーテルは、環状構造を有していてもよい。エステル、ケトンおよびエーテルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを二つ以上有する化合物も、主溶媒として用いることができ、たとえばアルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。二種類以上の官能基を有する主溶媒の場合、その炭素原子数はいずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。また、塩素系のハロゲン化炭化水素を主溶媒としてもよいし、発明協会公開技報2001−1745(12頁〜16頁)に記載されているように、非塩素系溶媒を主溶媒としてもよく、セルロースアシレート溶液の有機溶媒は特に限定されるものではない。
その他、セルロースアシレート溶液及びフィルムについての溶媒は、その溶解方法も含め以下の特許に開示されており、好ましい態様である。それらは、例えば、特開2000−95876号、特開平12−95877号、特開平10−324774号、特開平8−152514号、特開平10−330538号、特開平9−95538号、特開平9−95557号、特開平10−235664号、特開平12−63534号、特開平11−21379号、特開平10−182853号、特開平10−278056号、特開平10−279702号、特開平10−323853号、特開平10−237186号、特開平11−60807号、特開平11−152342号、特開平11−292988号、特開平11−60752号、特開平11−60752号の各公報などに記載されている。これらの特許によるとセルロースアシレートに好ましい溶媒だけでなく、その溶液物性や共存させる共存物質についても記載があり、好ましい態様である。
(硬膜)
次に、本発明の光学ローパスフィルターが有する液晶化合物の硬膜について説明する。
本発明の光学ローパスフィルターが有する液晶化合物の硬膜は数式(1):
Re(450)/Re(650)<1.25
(数式中、Re(λ)は波長λnmにおける面内レターデーション値(単位:nm)である。)
を満たすことを特徴とする。Re(450)/Re(650)は1.20以下であることがさらに好ましく、1.15以下であることが最も好ましい。
硬膜は、後述の添加剤などの他の成分を含んでいてもよい液晶化合物を含む組成物を硬化させて形成される。
(液晶化合物)
以下、本発明の光学ローパスフィルターに含まれる液晶化合物について説明する。
(棒状液晶化合物)
棒状液晶化合物の例には、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が含まれる。以上のような低分子液晶化合物だけではなく、高分子液晶化合物も用いることができる。
硬膜において、棒状液晶性分子は配向状態で固定されているのが好ましく、重合反応により固定されているのが最も好ましい。本発明に使用可能な重合性棒状液晶化合物の例には、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許4683327号、同5622648号、同5770107号各明細書、国際公開WO95/22586号、同95/24455号、同97/00600号、同98/23580号、同98/52905号各公報、特開平1−272551号、同6−16616号、同7−110469号、同11−80081号、および特開2001−328973号などの各公報に記載の化合物が含まれる。
(ディスコティック液晶化合物)
ディスコティック液晶化合物には、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載されているベンゼン誘導体、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、Physics Lett,A,78巻、82頁(1990)に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載されたシクロヘキサン誘導体およびJ.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Commun.,1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルが含まれる。
前記ディスコティック液晶化合物には、分子中心の母核に対して、直鎖のアルキル基、アルコキシ基または置換ベンゾイルオキシ基が母核の側鎖として放射線状に置換した構造の、液晶性を示す化合物も含まれる。分子または分子の集合体が、回転対称性を有し、一定の配向を付与できる化合物であることが好ましい。
ディスコティック液晶化合物から硬膜を形成した場合、最終的に硬膜に含まれる化合物は、もはや液晶性を示す必要はない。例えば、低分子のディスコティック液晶化合物が熱または光で反応する基を有しており、熱または光によって該基が反応して、重合または架橋し、高分子量化することによって硬膜が形成される場合などは、硬膜に含まれる化合物は、もはや液晶性を失っていてもよい。ディスコティック液晶化合物の好ましい例は、特開平8−50206号公報に記載されている。また、ディスコティック液晶化合物の重合については、特開平8−27284号公報に記載がある。
ディスコティック液晶化合物を重合により固定するためには、ディスコティック液晶化合物の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させる必要がある。ただし、円盤状コアに重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる。そこで、円盤状コアと重合性基との間に、連結基を導入する。従って、重合性基を有するディスコティック液晶化合物は、下記式(DI)で表わされる化合物であることが好ましい。
Figure 2007093918
一般式(DI)中、Y11、Y12およびY13は、それぞれ独立にメチンまたは窒素原子を表す。
11、Y12およびY13がメチンの場合、メチンの水素原子は置換基によって置換されていてもよい。ここで、メチンとは、メタンから水素原子を3個除いて得られる原子団をいう。
メチンの炭素原子が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン原子およびシアノ基を好ましい例として挙げることができる。これらの置換基の中では、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子およびシアノ基がさらに好ましく、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数2〜12アルコキシカルボニル基、炭素数2〜12アシルオキシ基、ハロゲン原子およびシアノ基が最も好ましい。
11、Y12およびY13は、いずれもメチンであることがより好ましく、メチンは無置換であることが最も好ましい。
一般式(DI)中、L1、L2およびL3は、それぞれ独立に単結合または二価の連結基を表す。L1、L2およびL3が二価の連結基の場合、それぞれ独立に、−O−、−S−、−C(=O)−、−NR7−、−CH=CH−、−C≡C−、二価の環状基およびこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。上記R7は炭素原子数1〜7のアルキル基または水素原子であり、炭素原子数1〜4のアルキル基または水素原子であることが好ましく、メチル基、エチル基または水素原子であることがさらに好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
1、L2およびL3における二価の環状基とは、少なくとも1種類の環状構造を有する二価の連結基(以下、環状基と呼ぶことがある)である。環状基は5員環、6員環、または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましく、6員環であることが最も好ましい。環状基に含まれる環は、縮合環であってもよい。ただし、縮合環よりも単環であることがより好ましい。また、環状基に含まれる環は、芳香族環、脂肪族環、および複素環のいずれでもよい。芳香族環としては、ベンゼン環およびナフタレン環が好ましい例として挙げられる。脂肪族環としては、シクロヘキサン環が好ましい例として挙げられる。複素環としては、ピリジン環およびピリミジン環が好ましい例として挙げられる。環状基は、芳香族環および複素環がより好ましい。なお、本発明における2価の環状基は、環状構造のみ(但し、置換基を含む)からなる2価の連結基であることがより好ましい。
1、L2およびL3で表される二価の環状基のうち、ベンゼン環を有する環状基としては、1,4−フェニレン基が好ましい。ナフタレン環を有する環状基としては、ナフタレン−1,5−ジイル基およびナフタレン−2,6−ジイル基が好ましい。シクロヘキサン環を有する環状基としては1,4−シクロへキシレン基であることが好ましい。ピリジン環を有する環状基としてはピリジン−2,5−ジイル基が好ましい。ピリミジン環を有する環状基としては、ピリミジン−2,5−ジイル基が好ましい。
1、L2およびL3で表される二価の環状基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、炭素原子数が2〜16アルキニル基、炭素原子数1〜16のハロゲン置換アルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアシル基、炭素原子数1〜16のアルキルチオ基、炭素原子数2〜16のアシルオキシ基、炭素原子数2〜16のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜16のアルキル基で置換されたカルバモイル基および炭素原子数2〜16のアシルアミノ基が含まれる。
1、L2およびL3としては、単結合、*−O−CO−、*−CO−O−、*−CH=CH−、*−C≡C−、*−二価の環状基−、*−O−CO−二価の環状基−、*−CO−O−二価の環状基−、*−CH=CH−二価の環状基−、*−C≡C−二価の環状基−、*−二価の環状基−O−CO−、*−二価の環状基−CO−O−、*−二価の環状基−CH=CH−および*−二価の環状基−C≡C−が好ましい。特に、単結合、*−CH=CH−、*−C≡C−、*−二価の環状基−O−CO−、*−CH=CH−二価の環状基−および*−C≡C−二価の環状基−が好ましく、単結合が最も好ましい。ここで、*は一般式(DI)中のY11、Y12およびY13を含む6員環側に結合する位置を表す。
1、H2およびH3は、それぞれ独立に下記一般式(DI−A)または下記一般式(DI−B)を表す。
Figure 2007093918
一般式(DI−A)中、YA1およびYA2は、それぞれ独立にメチンまたは窒素原子を表す。YA1およびYA2は、少なくとも一方が窒素原子であることが好ましく、両方が、窒素原子であることがより好ましい。XAは、酸素原子、硫黄原子、メチレンまたはイミノを表し、酸素原子が好ましい。*は上記一般式(DI)におけるL1〜L3側と結合する位置を表し、**は上記一般式(DI)におけるR1〜R3側と結合する位置を表す。ここで、イミノは、−NH−で表されるものをいう。
Figure 2007093918
一般式(DI−B)中、YB1およびYB2は、それぞれ独立にメチンまたは窒素原子を表す。YB1およびYB2は、少なくとも一方が窒素原子であることが好ましく、両方が、窒素原子であることがより好ましい。XBは、酸素原子、硫黄原子、メチレンまたはイミノを表し、酸素原子が好ましい。*は上記一般式(DI)におけるL1〜L3側と結合する位置を表し、**は上記一般式(DI)におけるR1〜R3側と結合する位置を表す。
1、R2およびR3は、それぞれ独立に下記一般式(DI−R)を表す。
一般式(DI−R)
*−(−L21−Q102)n1−L22−L23−Q101
一般式(DI−R)中、*は一般式(DI)におけるH1〜H3側と結合する位置を表す。
21は単結合または二価の連結基である。L21が二価の連結基の場合、−O−、−S−、−C(=O)−、−NR7−、−CH=CH−および−C≡C−ならびにこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。上記R7は炭素原子数1〜7のアルキル基または水素原子であり、炭素原子数1〜4のアルキル基または水素原子であることが好ましく、メチル基、エチル基または水素原子であることがさらに好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
21は単結合、ならびに、***−O−CO−、***−CO−O−、***−CH=CH−および***−C≡C−(ここで、***は一般式(DI−R)中の*側を表す)のいずれかが好ましく、単結合がより好ましい。
102は少なくとも1種類の環状構造を有する二価の基(環状基)を表す。このような環状基としては、5員環、6員環、または7員環を有する環状基が好ましく、5員環または6員環を有する環状基がより好ましく、6員環を有する環状基がさらに好ましい。上記環状基に含まれる環状構造は、縮合環であってもよい。ただし、縮合環よりも単環であることがより好ましい。また、環状基に含まれる環は、芳香族環、脂肪族環、および複素環のいずれでもよい。芳香族環としては、ベンゼン環およびナフタレン環が好ましい例として挙げられる。脂肪族環としては、シクロヘキサン環が好ましい例として挙げられる。複素環としては、ピリジン環およびピリミジン環が好ましい例として挙げられる。
上記Q102のうち、ベンゼン環を有する環状基としては、1,4−フェニレン基が好ましい。ナフタレン環を有する環状基としては、ナフタレン−1,5−ジイル基およびナフタレン−2,6−ジイル基が好ましい。シクロヘキサン環を有する環状基としては1,4−シクロへキシレン基であることが好ましい。ピリジン環を有する環状基としてはピリジン−2,5−ジイル基が好ましい。ピリミジン環を有する環状基としては、ピリミジン−2,5−ジイル基が好ましい。これらの中でも、特に、1,4−フェニレン基および1,4−シクロへキシレン基が好ましい。
102は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、炭素原子数2〜16のアルキニル基、炭素原子数1〜16のハロゲンで置換されたアルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアシル基、炭素原子数1〜16のアルキルチオ基、炭素原子数2〜16のアシルオキシ基、炭素原子数2〜16のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜16のアルキル置換カルバモイル基および炭素原子数2〜16のアシルアミノ基が含まれる。これらの中でも、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲンで置換されたアルキル基が好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のハロゲンで置換されたアルキル基がより好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜3のアルキル基、トリフルオロメチル基がさらに好ましい。
n1は、0〜4の整数を表す。n1としては、1〜3の整数が好ましく、1もしくは2がさらに好ましい。
22は、**−O−、**−O−CO−、**−CO−O−、**−O−CO−O−、**−S−、*−N(R)−、**−CH2−、**−CH=CH−または**−C≡C−を表し、**はQ102側と結合する位置を表す。
22は、好ましくは、**−O−、**−O−CO−、**−CO−O−、**−O−CO−O−、**−CH2−、**−CH=CH−、**−C≡C−であり、より好ましくは、**−O−、**−O−CO−、**−O−CO−O−、**−CH2−である。
23は、−O−、−S−、−C(=O)−、−NH−、−CH2−、−CH=CH−および−C≡C−ならびにこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表す。ここで、−NH−、−CH2−、−CH=CH−の水素原子は、置換基で置換されていてもよい。このような置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲンで置換されたアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭素原子数2〜6のアシル基、炭素原子数1〜6のアルキルチオ基、炭素原子数2〜6のアシルオキシ基、炭素原子数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜6のアルキルで置換されたカルバモイル基および炭素原子数2〜6のアシルアミノ基が好ましい例として挙げられ、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基がより好ましい。
23は、−O−、−C(=O)−、−CH2−、−CH=CH−および−C≡C−ならびにこれらの組み合わせからなる群より選ばれることが好ましい。L23は、炭素原子を1〜20個含有することが好ましく、炭素原子を2〜14個を含有することがより好ましい。さらに、L23は、−CH2−を1〜16個含有することが好ましく、−CH2−を2〜12個含有することがさらに好ましい。
101は重合性基または水素原子を表す。本発明で用いる液晶化合物を、特性が熱により変化しないことが好ましい光学ローパスフィルター等に用いる場合には、Q1は重合性基であることが好ましい。重合反応は、付加重合(開環重合を含む)または縮合重合であることが好ましい。すなわち、重合性基は、付加重合反応または縮合重合反応が可能な官能基であることが好ましい。以下に重合性基の例を示す。
Figure 2007093918
さらに、重合性基は付加重合反応が可能な官能基であることが特に好ましい。そのような重合性基としては、重合性エチレン性不飽和基または開環重合性基が好ましい。
重合性エチレン性不飽和基の例としては、下記の式(M−1)〜(M−6)が挙げられる。
Figure 2007093918
式(M−3)、(M−4)中、Rは水素原子またはアルキル基を表し、水素原子またはメチル基が好ましい。
上記式(M−1)〜(M−6)の中、(M−1)または(M−2)が好ましく、(M−1)がより好ましい。
開環重合性基は、環状エーテル基が好ましく、エポキシ基またはオキセタニル基がより好ましく、エポキシ基が最も好ましい。
本発明で用いる液晶化合物としては、下記一般式(DII)で表される液晶化合物が特に好ましい。
Figure 2007093918
一般式(DII)中、Y31、Y32およびY33は、それぞれ独立にメチンまたは窒素原子を表し、一般式(DI)中の、Y11、Y12およびY13と同義であり、好ましい範囲も同義である。
一般式(DII)中、R231、R232およびR233は、それぞれ独立に下記一般式(DII−R)を表す。
Figure 2007093918
一般式(DII−R)中、A31およびA32は、それぞれ独立にメチレンメチンまたは窒素原子を表し、少なくとも一方が窒素原子であることが好ましく、両方が窒素原子であることがさらに好ましい。X3は酸素原子、硫黄原子、メチレンまたはイミノを表し、酸素原子が好ましい。
31は、6員環状構造を有する二価の連結基(以下、6員環環状基と呼ぶことがある)を表す。6員環は、縮合環であってもよい。ただし、縮合環よりも単環であることがより好ましい。また、6員環環状基に含まれる環は、芳香族環、脂肪族環、および複素環のいずれでもよい。芳香族環としては、ベンゼン環およびナフタレン環が好ましい例として挙げられる。脂肪族環としては、シクロヘキサン環が好ましい例として挙げられる。複素環としては、ピリジン環およびピリミジン環が好ましい例として挙げられる。
31のうち、ベンゼン環を有する6員環環状基としては、1,4−フェニレン基が好ましい。ナフタレン環を有する環状構造としては、ナフタレン−1,5−ジイル基およびナフタレン−2,6−ジイル基が好ましい。シクロヘキサン環を有する環状構造としては1,4−シクロへキシレン基であることが好ましい。ピリジン環を有する環状構造としてはピリジン−2,5−ジイル基が好ましい。ピリミジン環を有する環状構造としては、ピリミジン−2,5−ジイル基が好ましい。これらの中でも、特に、1,4−フェニレン基および1,4−シクロへキシレン基がより好ましい。
31の環状構造は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、炭素原子数2〜16のアルキニル基、炭素原子数1〜16のハロゲン原子で置換されたアルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアシル基、炭素原子数1〜16のアルキルチオ基、炭素原子数2〜16のアシルオキシ基、炭素原子数2〜16のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜16のアルキル置換カルバモイル基および炭素原子数2〜16のアシルアミノ基が含まれる。6員環環状基の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲン原子で置換されたアルキル基が好ましく、さらに、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のハロゲン原子で置換されたアルキル基が好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜3のアルキル基、トリフルオロメチル基がより好ましい。
n3は、1〜3の整数を表し、1もしくは2が好ましい。
31は、*−O−、*−O−CO−、*−CO−O−、*−O−CO−O−、*−S−、*−N(R)−、*−CH2−、*−CH=CH−または*−C≡C−を表し、*はQ31側と結合する位置を表し、具体的には、一般式(DI−R)中のL22と同義であり、好ましい範囲も同義である。
32は、−O−、−S−、−C(=O)−、−NH−、−CH2−、−CH=CH−および−C≡C−ならびにこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表し、具体的には、一般式(DI−R)中のL23と同義であり、好ましい範囲も同義である。
一般式(DII−R)中のQ32は、重合性基または水素原子を表す。
以下に、一般式(DI)ないし(DII)で表される液晶化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2007093918
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本発明で用いる液晶化合物としては、良好なモノドメイン性を示す液晶相を発現する液晶化合物が望ましい。モノドメイン性が良好な液晶化合物を用いることにより、該液晶化合物を含む硬膜の構造がポリドメインとなりドメイン同士の境界に配向欠陥が生じ、光を散乱するようになるのを効果的に防ぐことができる。さらに、良好なモノドメイン性を示す液晶化合物を用いることにより、硬膜がより高い光透過率を有するため好ましい。
本発明のローパスフィルターに含まれる硬膜において液晶化合物が発現する液晶相としては、カラムナー相およびディスコティックネマチック相(ND相)を挙げることができる。これらの液晶相の中では、良好なモノドメイン性を示し、かつ、液晶分子のダイレクターの角度が膜厚方向で連続的に変化する配向が可能なディスコティックネマチック相(ND相)が最も好ましい。
本発明で用いる液晶化合物の屈折率異方性は0.1以上であることが好ましく、0.15以上であることがより好ましい。
本発明で用いる液晶化合物の硬膜は異方性の波長分散性が小さいほどよい。具体的には液晶化合物の硬膜が発現する位相差をRe(λ)としたとき、Re(450)/Re(650)が1.25以下であることが好ましく、1.20以下であることがさらに好ましく、1.15以下であることが最も好ましい。
本明細書において、液晶分子のダイレクターの界面の法線方向に対する角度が、膜厚方向で連続的に変化するとは、液晶化合物の物理的な対称軸と支持体の面との角度、すなわち傾斜角が、液晶化合物の硬膜の深さ(すなわち、(透明)支持体に垂直な)方向でかつ空気界面又は他方の基板表面からの距離の増加と共に増加または減少していることを示す。また、各部位で揺らぎを持ちつつ、全体としては膜厚方向で連続的に変化するように配向されているものも含まれる。さらに、傾斜角の変化としては、連続的増加、連続的減少、間欠的増加、間欠的減少、連続的増加と連続的減少を含む変化、または、増加および減少を含む間欠的変化が可能である。間欠的変化は、厚さ方向の途中で傾斜角が変化しない領域を含んでいる。角度が変化しない領域を含んでいても、全体として増加または減少していればよい。つまり、液晶分子のダイレクターが界面の法線方向に対して一定の角度で傾斜している領域で、その角度が異なる液晶化合物の硬膜が、2枚以上積層されているものも含まれる。
一般に、液晶化合物の物理的な対称軸の平均方向は、液晶化合物あるいは配向膜の材料を選択することにより、またはラビング処理方法を選択することにより、調整することができる。また、表面側(空気側)の液晶化合物の物理的な対称軸方向は、一般に液晶化合物あるいは液晶化合物と共に使用する添加剤の種類を選択することにより調整することができる。
液晶化合物と共に使用する添加剤の例としては、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマー、ポリマーおよび低分子化合物などを挙げることができる。長軸の配向方向の変化の程度も、上記と同様に、液晶化合物と添加剤との選択により調整できる。
液晶化合物と共に使用する可塑剤、重合性モノマーとしては、本発明の液晶化合物と相溶性を有し、ディスコティック液晶化合物の傾斜角の変化を与えられるか、あるいは配向を阻害しないものが採用される。
本発明で用いる液晶化合物としては、液晶相を20℃〜300℃、さらに好ましくは40℃〜280℃、最も好ましくは60℃〜250℃の範囲で発現する液晶化合物が好ましい。ここで20℃〜300℃で液晶相を発現するとは、液晶温度範囲が20℃をまたぐ場合(具体的に例えば、10℃〜22℃)や、300℃をまたぐ場合(具体的に例えば、298℃〜310℃)も含む趣旨である。40℃〜280℃と60℃〜250℃に関しても同様である。
界面活性剤は、フッ素系化合物が好ましい。界面活性剤の例としては、特開2001−330725号公報に記載の界面活性剤が挙げられる。
ポリマーおよび低分子化合物は、液晶化合物の傾斜角に変化を与えることが好ましい。
ポリマーは、セルロースエステルが好ましい。セルロースエステルとしては、特開2000−155216号公報の段落番号0178に記載のものが挙げられる。液晶化合物の配向を阻害しないようにポリマーの添加量は、液晶化合物に対して0.1〜10質量%であることが好ましく、0.1〜8質量%であることがさらに好ましい。
硬膜は、液晶化合物および必要に応じて後述の重合性開始剤や任意の成分を含む組成物からなる塗布液を、配向膜の上に塗布することで形成できる。 塗布液の調製に使用する溶媒は、有機溶媒が好ましい。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラクロロエタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライドおよびケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
塗布液の塗布は、公知の方法(例、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。
また、基板間に硬膜を作製する場合は、以下のような方法を用いることができる。上記と同様の塗布方法により一方の透明基板上の配向膜上に液晶化合物を塗布し、塗布液の溶媒が揮発した後に、もう一方の基板を上面から載せ、液晶化合物を配向させるために加熱を行う。加熱によって液晶の配向が完了した後に次に示す方法により配向を固定化することができる。
硬膜の厚さは、3〜1000μmであることが好ましく、3〜100μmであることがより好ましく、3〜10μmであることがさらに好ましく、5〜10μmであることが最も好ましい。
配向させた液晶化合物を、配向状態を維持して固定することができる。固定化は、重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。
光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)が含まれる。
光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%の範囲にあることが好ましく、0.5〜5質量%の範囲にあることがさらに好ましい。
液晶性分子の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2〜50J/cm2が好ましく、20〜5000mJ/cm2がさらに好ましく、100〜800mJ/cm2が最も好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。
保護層を、液晶化合物の硬膜の上に設けてもよい。
(配向膜)
配向膜は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、あるいはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で設けることができる。さらに、電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。
配向膜は、ポリマーのラビング処理により形成することが好ましい。配向膜に使用するポリマーは、原則として、液晶性分子を配向させる機能のある分子構造を有する。
配向膜に用いるポリマーには、液晶性分子を配向させる機能に加えて、液晶性分子の配向を固定する機能を有することが好ましい。例えば、架橋性官能基(例、二重結合)を有する側鎖をポリマーの主鎖に結合させるか、あるいは、液晶性分子を配向させる機能を有する架橋性官能基をポリマーの側鎖に導入することが好ましい。
配向膜に使用されるポリマーは、それ自体架橋可能であるか、あるいは架橋剤の使用により架橋可能になることが好ましい。架橋可能なポリマーについては、特開平8−338913号公報の段落番号0022に記載がある。架橋可能なポリマーの例には、ポリメタクリレート、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、ポリエステル、ポリイミド、ポリ酢酸ビニル、カルボキシメチルセルロース、ポリカーボネートおよびこれらの共重合体が含まれる。
シランカップリング剤をポリマーとして用いることもできる。水溶性ポリマー(例、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール)が好ましく、ゼラチン、ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールがさらに好ましく、ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールが最も好ましい。重合度が異なるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールを2種類以上併用することが特に好ましい。
ポリビニルアルコールの鹸化度は、70〜100%が好ましく、80〜100%がさらに好ましい。ポリビニルアルコールの重合度は、100〜5000であることが好ましい。
液晶性分子を配向させる機能を有する側鎖は、一般に疎水性基を官能基として有する。具体的な官能基の種類は、液晶性分子の種類および必要とする配向状態に応じて決定する。
変性ポリビニルアルコールの変性基は、共重合変性、連鎖移動変性またはブロック重合変性により導入できる。変性基の例は、親水性基(例、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、アミノ、アンモニオ、アミド、チオール)、炭素原子数10〜100の炭化水素基、フッ素原子置換の炭化水素基、アルキルチオ基、重合性基(例、不飽和重合性基、エポキシ基、アジリニジル基)、アルコキシシリル基(トリアルコキシシリル、ジアルコキシシリル、モノアルコキシシリル)を含む。
変性ポリビニルアルコールについては、特開2000−155216号、同2002−62426号の各公報に記載がある。
架橋性官能基を有する側鎖を配向膜ポリマーの主鎖に結合させるか、あるいは、液晶性分子を配向させる機能を有する側鎖に架橋性官能基を導入すると、配向膜のポリマーと硬膜に含まれる多官能モノマーとを共重合させることができる。その結果、多官能モノマーと多官能モノマーとの間だけではなく、配向膜ポリマーと配向膜ポリマーとの間、そして多官能モノマーと配向膜ポリマーとの間も共有結合で強固に結合される。従って、架橋性官能基を配向膜ポリマーに導入することで、光学ローパスフィルターの強度を著しく改善することができる。
配向膜ポリマーの架橋性官能基については、多官能モノマーと同様に、重合性基が好ましい架橋性官能基は、特開2000−155216号公報の段落番号0080〜0100に記載がある。
配向膜ポリマーは、架橋性官能基とは別に、架橋剤を用いて架橋させることもできる。架橋剤は、アルデヒド、N−メチロール化合物、ジオキサン誘導体、カルボキシル基を活性化することにより作用する化合物、活性ビニル化合物、活性ハロゲン化合物、イソオキサゾールおよびジアルデヒド澱粉を含む。二種類以上の架橋剤を併用してもよい。架橋剤については、特開2002−62426号公報に記載がある。反応活性の高いアルデヒド、特にグルタルアルデヒドが好ましい。
架橋剤の添加量は、ポリマーに対して0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜15質量%がさらに好ましい。配向膜に残存する未反応の架橋剤の量は、1.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがさらに好ましい。架橋剤の残留量を削減することで、光学ローパスフィルターを長時間使用する場合、あるいは高温高湿の雰囲気下に長期間放置する場合でも、レチキュレーション発生のない充分な耐久性が得られる。
配向膜は、上記ポリマーおよび架橋剤を含む塗布液を、透明支持体上に塗布した後、加熱乾燥し(架橋させ)、ラビング処理することにより形成できる。架橋反応は、透明支持体上に塗布した後に行う。ポリビニルアルコールのような水溶性ポリマーを配向膜形成材料として用いる場合には、塗布液は消泡作用のある有機溶媒(例、メタノール)と水の混合溶媒とすることが好ましい。水とメタノールの混合溶媒の場合、溶媒全体に対してメタノールが1質量%以上含まれることが好ましく、9質量%以上含まれることがさらに好ましい。有機溶媒を加えることで、泡の発生が抑えられ、配向膜および硬膜の表面の欠陥が著しく減少する。
配向膜の塗布方法は、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法が好ましい。特にワイヤーバーコーティング法が好ましい。
乾燥後の膜厚は0.1〜10μmが好ましい。
加熱乾燥は、20〜110℃で行うことができる。充分な架橋を形成するためには60〜100℃が好ましく、80〜100℃がさらに好ましい。乾燥時間は1分〜36時間で行うことができる。好ましくは1〜30分である。pHは、使用する架橋剤に最適な値に設定することが好ましい。グルタルアルデヒドを使用する場合、好ましいpHは4.5〜5.5である。
配向膜は、表面をラビング処理することにより得ることができる。
ラビング処理は、LCDの液晶配向処理工程として広く採用されている処理方法と同様である。すなわち、配向膜の表面を、紙やガーゼ、フェルト、ゴムあるいはナイロン、ポリエステル繊維を用いて一定方向に擦ることにより、配向を得る。一般には、長さおよび太さが均一な繊維を平均的に植毛した布を用いて、数回程度ラビングを行う。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、割合、操作などは本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に制限されるものではない。
(実施例1)
(透明支持体の作製)
攪拌羽根を有する4Lのステンレス製溶解タンクに溶媒混合溶液を入れ、該溶液によく攪拌・分散しつつ、セルローストリアセテート粉体(フレーク)を徐々に添加し、全体が2kgになるように仕込んだ。さらに光学的異方性を低下する化合物および波長分散を制御する化合物を加え下記の組成のドープを作製した。
<透明支持体形成溶液組成>
・セルローストリアセテート(置換度2.82、粘度平均重合度320、含水率0.4質量%、メチレンクロライド溶液中6質量%の粘度 305mPa・s、平均粒子径1.5mmであって標準偏差0.5mmである粉体) 17.0質量部
・メチレンクロライド 70.5質量部
・メタノール 10.5質量部
・異方性低下剤(E−1) 2.0質量部
・波長分散調整剤(UV−3) 0.8質量部
上記ドープをガラス板上に流延し、残留溶剤量が35質量%のフィルムをガラス板から剥離した後、130℃で45秒間乾燥させ透明支持体としてのセルロースアシレートフィルムを作製した。作製された透明支持体の残留溶剤量は0.2質量%であり、膜厚は80μmであった。
(光学特性の測定)
作製した透明支持体について、COBRA 21ADHを用い、波長630nmの光でレタデーション値Re(630)を測定したところ0.8nmであった。また面内の遅相軸をあおり軸として±40°あおった時のレタデーション値Re(40°)およびRe(−40°)を測定した。これらの実測結果からエリプソメータが算出するRth(630nm)は8.5nmであった。同様の手法を用いて、|Re(400)−Re(700)|、|Rth(400)−Rth(700)|を求めたところ、それぞれ、5nm、4nmであった。
(配向膜の形成)
作製した透明支持体の一方の面に、下記の組成の配向膜塗布液を#14のワイヤーバーコーターで24ml/m2塗布した。60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥した。
次に、透明支持体の流延方向に、形成した膜にラビング処理を実施した。
<配向膜塗布液組成>
下記の変性ポリビニルアルコール 10質量部
水 371質量部
メタノール 119質量部
グルタルアルデヒド(架橋剤) 0.5質量部
Figure 2007093918
(実施例2)
(光学ローパスフィルターの作製)
100.0質量部のメチルエチルケトンに、上記のディスコティック液晶化合物D−89 100質量部、下記に示す空気界面配向制御剤V−(1)を0.4質量部、セルロースアセテートブチレート(CAB531−1、イーストマンケミカル社製)1.5質量部、光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製)3質量部、増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)1質量部を溶解して塗布液を調製した。実施例1で作製した配向膜上に該塗布液を、#10のワイヤーバーで塗布した。これを金属の枠に貼り付けて、95℃の恒温槽中で5分間加熱し、ディスコティック化合物を配向させた。次に、80℃で120W/cm高圧水銀灯を用いて、1分間紫外線照射しディスコティック化合物を重合させた。その後、室温まで放冷した。このようにして、硬膜1を形成し、光学ローパスフィルター1を作製した。
Figure 2007093918
上記工程で得られた光学ローパスフィルター1を解像度チャートと顕微鏡の対物レンズとの間に置き、チャート像を透過顕微鏡で観察したところ、はっきりとした二重像が観察された。上記の二重像は、上記顕微鏡に、液晶が配向した方向若しくは該方向に直交する方向に偏光板を挿入したところ、一重像になったので、これにより、2つの像は常光像と異常光像であることが確認できた。それぞれの像の間隔を測定したところ、約1μmであった。また、上記工程により形成した硬膜1の厚みは約6.6μmであった。
ガラス上に配向膜を作製し、その配向膜上に上記の方法で硬膜1を形成し、COBRA 21ADHを用いて波長450nmと650nmの光でレタデーションを測定したところ、Re(450)/Re(650)は1.15であった。
(比較例1)
100質量部のメチルエチルケトンに、下記に示す液晶化合物100質量部、光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製)3質量部、増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)1質量部を溶解して塗布液を調製した。実施例1で作製した配向膜上に該塗布液を、#10のワイヤーバーで塗布した。その後乾燥し、45℃の恒温槽中で5分間熱処理した後、40℃で120W/cm高圧水銀灯を用いて、1分間紫外線照射し液晶化合物を重合させた。その後、室温まで放冷した。このようにして、硬膜2を形成し、光学ローパスフィルター2を作製した。
上記工程で得られた光学ローパスフィルター2を解像度チャートと顕微鏡の対物レンズとの間に置き、チャート像を透過顕微鏡で観察したところ、二重像が観察された。上記の二重像は、上記顕微鏡に、液晶が配向した方向若しくは該方向に直交する方向に偏光板を挿入したところ、一重像になったので、これにより、2つの像は常光像と異常光像であることが確認できた。それぞれの像の間隔を測定したところ、約0.6μmであった。しかしながら異常光像は光の波長によって変位が異なり、ぼやけた像となり、色付きが観察された。また、上記工程により形成した硬膜2の厚みは約7.6μmであった。
ガラス上に配向膜を作製し、その配向膜上に上記の方法で硬膜2を形成し、COBRA 21ADHを用いて波長450nmと650nmの光でレタデーションを測定したところ、Re(450)/Re(650)は1.26であった。
Figure 2007093918
上記工程で得られた光学ローパスフィルター2を解像度チャートと顕微鏡の対物レンズとの間に置き、チャート像を透過顕微鏡で観察したところ、二重像が観察された。上記の二重像は、上記顕微鏡に、液晶が配向した方向若しくは該方向に直交する方向に偏光板を挿入したところ、一重像になったので、これにより、2つの像は常光像と異常光像であることが確認できた。それぞれの像の間隔を測定したところ、約0.7μmであった。しかしながら異常光像は光の波長によって変位が異なり、ぼやけた像となり、色付きが観察された。また、上記工程により形成した硬膜2の厚みは約6.6μmであった。
ガラス上に配向膜を作製し、その配向膜上に上記の方法で硬膜2を形成し、COBRA 21ADHを用いて波長450nmと650nmの光でレタデーションを測定したところ、Re(450)/Re(650)は1.27であった。
本発明の実施の形態に係る光学ローパスフィルターの構造を示した説明図である。 従来から使用されている水晶製の光学ローパスフィルターの光学特性を示すための説明図である。
符号の説明
1−基板
2−液晶分子
3−硬膜

Claims (7)

  1. 液晶化合物を含む組成物を硬化させて形成された硬膜を含む光学ローパスフィルターであって、該硬膜中においてダイレクターの界面の法線方向に対する角度が膜厚方向で連続的に変化した状態に液晶化合物の分子が固定され、かつ該硬膜が下記の数式(1)を満足する光学特性を有する光学ローパスフィルター。
    数式(1) Re(450)/Re(650)<1.25
    (数式中、Re(λ)は波長λnmにおける面内レタデーション値(単位:nm)である。)
  2. 前記液晶化合物がディスコティック液晶化合物である請求項1に記載の光学ローパスフィルター。
  3. 前記液晶化合物が下記式(DI)で表わされるディスコティック液晶化合物である請求項1に記載の光学ローパスフィルター。
    Figure 2007093918
    式中、
    11、Y12およびY13は、それぞれ独立に置換されていてもよいメチンまたは窒素原子を表し;
    1、L2およびL3は、それぞれ独立に単結合または二価の連結基を表し;
    1、H2およびH3は、それぞれ独立に一般式(DI−A):
    Figure 2007093918
    (一般式(DI−A)中、
    YA1およびYA2は、それぞれ独立にメチンまたは窒素原子を表し;
    XAは、酸素原子、硫黄原子、メチレンまたはイミノを表し;
    *は上記一般式(DI)におけるL1〜L3側と結合する位置を表し;
    ***は上記一般式(DI)におけるR1〜R3側と結合する位置を表す。)
    または一般式(DI−B):
    Figure 2007093918
    (一般式(DI−B)中、
    YB1およびYB2は、それぞれ独立にメチンまたは窒素原子を表し;
    XBは、酸素原子、硫黄原子、メチレンまたはイミノを表し;
    *は上記一般式(DI)におけるL1〜L3側と結合する位置を表し;
    ***は上記一般式(DI)におけるR1〜R3側と結合する位置を表す。)を表し;
    1、R2およびR3は、それぞれ独立に下記一般式(DI−R):
    一般式(DI−R)
    *−(−L21−Q2)n1−L22−L23−Q1
    (一般式(DI−R)中、
    *は一般式(DI)におけるH1〜H3側と結合する位置を表し;
    21は単結合または二価の連結基を表し;
    2は少なくとも1種類の環状構造を有する二価の基を表し;
    n1は、0〜4の整数を表し、L22は、**−O−、**−O−CO−、**−CO−O−、**−O−CO−O−、**−S−、*−N(R)−、**−CH2−、**−CH=CH−または**−C≡C−を表し、ここで、**はQ2側と結合する位置を表し;
    22は、好ましくは、**−O−、**−O−CO−、**−CO−O−、**−O−CO−O−、**−CH2−、**−CH=CH−、**−C≡C−を表し;
    23は、−O−、−S−、−C(=O)−、−NH−、−CH2−、−CH=CH−および−C≡C−ならびにこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表し;
    1は重合性基または水素原子を表す)
    を表す。
  4. 前記硬膜が透明基板上または透明基板間に配置されており、かつ膜厚が3μm以上10μm未満である請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学ローパスフィルター
  5. 前記透明基板がセルロースアシレートフィルムである請求項4に記載の光学ローパスフィルター。
  6. 前記透明基板におけるRe(λ)およびRth(λ)が、下記の数式(4)および(5)を満たす請求項4または5に記載の光学ローパスフィルター。
    数式(4) 0≦Re(630)≦10かつ|Rth(630)|≦25
    数式(5) |Re(400)−Re(700)|≦10かつ|Rth(400)−Rth(700)|≦35
    (数式中Re(λ)、Rth(λ)は各々、波長λにおける面内レタデーションおよび厚み方向のレタデーションを表す)
  7. 光学ローパスフィルターの製造方法であって、下記の工程(1)〜(3):
    (1)透明基板上に配向膜を形成する工程
    (2)工程(1)で得られた配向膜が形成された透明基板上に液晶化合物を含む組成物を塗布し、該液晶化合物をダイレクターの界面の法線方向に対する角度が膜厚方向で連続的に変化した状態に配向させる工程
    (3)工程(2)で得られた液晶化合物の配向を保ちつつ、該液晶化合物を重合させて厚さ3μm以上10μm未満の硬膜を形成する工程
    を含む光学ローパスフィルターの製造方法。
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