JP2006201502A - 位相差フィルム、偏光板、および液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 液晶表示装置に組み込んだときに視野角特性が優れている位相差フィルムを提供すること。
【解決手段】 下記式(III)および(IV)を満たすセルロースアシレートフィルムと、ねじれネマチック配向した液晶化合物を含む光学異方性層とを有する位相差フィルム。
式(III):0≦Re(590)≦10かつ|Rth(590)|≦25
式(IV):|Re(400)−Re(700)|≦10かつ|Rth(400)−Rth(700)|≦35
[Re(λ)は波長λnmにおける正面レターデーション値(単位:nm)、Rth(λ)は波長λnmにおける膜厚方向のレターデーション値(単位:nm)]
【選択図】 なし
【解決手段】 下記式(III)および(IV)を満たすセルロースアシレートフィルムと、ねじれネマチック配向した液晶化合物を含む光学異方性層とを有する位相差フィルム。
式(III):0≦Re(590)≦10かつ|Rth(590)|≦25
式(IV):|Re(400)−Re(700)|≦10かつ|Rth(400)−Rth(700)|≦35
[Re(λ)は波長λnmにおける正面レターデーション値(単位:nm)、Rth(λ)は波長λnmにおける膜厚方向のレターデーション値(単位:nm)]
【選択図】 なし
Description
本発明は液晶表示装置に有用なセルロースアシレートフィルムを用いた位相差フィルム、偏光板などの光学材料および液晶表示装置に関するものである。
従来、セルロースアシレートフィルムはその強靭性と難燃性とから写真用支持体や各種光学材料に用いられてきた。特に、近年は液晶表示装置用の光学透明フィルムとして多く用いられている。セルロースアシレートフィルムは、光学的に透明性が高いことと、光学的に等方性が高いことから、液晶表示装置のように偏光を取り扱う表示装置用の光学材料として優れており、これまで偏光子の保護フィルムや、斜め方向からの見た表示を良化(視野角補償)できる光学補償フィルムの支持体として用いられてきた。
液晶表示装置用の部材のひとつである偏光板には偏光子の少なくとも片側に偏光子の保護フィルムが貼合によって形成されている。一般的な偏光子は延伸されたポリビニルアルコール(PVA)系フィルムをヨウ素または二色性色素で染色することにより得られる。
多くの場合、偏光子の保護フィルムとしてはPVAに対して直接貼り合わせることが可能なセルロースアシレートフィルム、なかでもトリアセチルセルロースフィルムが用いられている。この偏光子の保護フィルムは、光学的等方性に優れることが重要であり、偏光子の保護フィルムの光学特性が偏光板の特性を大きく左右する。
多くの場合、偏光子の保護フィルムとしてはPVAに対して直接貼り合わせることが可能なセルロースアシレートフィルム、なかでもトリアセチルセルロースフィルムが用いられている。この偏光子の保護フィルムは、光学的等方性に優れることが重要であり、偏光子の保護フィルムの光学特性が偏光板の特性を大きく左右する。
最近、液晶表示装置がPC用モニターや携帯機器だけではなく、テレビ用途としても広く用いられるようになり、コントラストや色味の視野角特性の改善が以前にも増して強く要求されるようになってきている。この課題を改善するために、様々な光学補償フィルムが開示されている。
液晶表示装置は液晶セルの配向状態により、様々なモードが知られている。従来は、電圧が印加されていない状態で、セル内の液晶が概ね90°捩れた配向状態にあるTNモードが主流であった。この表示モードに電圧を印加した時の黒表示の視野角特性を改善した光学補償フィルムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。このような光学補償フィルムを用いると視野角特性は格段に向上するため、一般的に用いられている。しかし、このような光学補償フィルムであっても視野角特性は充分ではなく更なる改善が要求されている。
液晶表示装置は液晶セルの配向状態により、様々なモードが知られている。従来は、電圧が印加されていない状態で、セル内の液晶が概ね90°捩れた配向状態にあるTNモードが主流であった。この表示モードに電圧を印加した時の黒表示の視野角特性を改善した光学補償フィルムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。このような光学補償フィルムを用いると視野角特性は格段に向上するため、一般的に用いられている。しかし、このような光学補償フィルムであっても視野角特性は充分ではなく更なる改善が要求されている。
一方、TNモード以外にも、VAモードやIPSモードの液晶表示装置が知られている。しかしながらVAモードはTNモードと同様に視野角特性を改善するために光学補償フィルムを用いる必要があり、このような光学フィルムとしては、例えば、光学的に2軸性を有する高分子フィルムが用いられている。また、IPSモードはTNモードに比べて視野角特性に優れるが、それでも視野角方向のカラーシフトがあることが知られている。
視野角特性を改善するために、基材上にコレステリック相を示す液晶を塗布し、重合させた光学補償層が開示されている(例えば、特許文献2参照)。好ましく用いられる基材としては透明または半透明の無機質基板や高分子フィルムが挙げられているが、透明または半透明であること以外、特に限定はされていない。一般的に光学異方性層は高分子フィルム上に設けられ、液晶セルと偏光板の間に配置されることが多い。しかしながら、例示されている市販の高分子フィルム上にコレステリック相を示す液晶を塗布し液晶セルと偏光板の間に配置しても、視野角特性の改善効果が充分とはいえなかった。
特許第2587398号公報
特開平8−152518号公報
本発明の第1の課題は、液晶表示装置に組み込んだときに視野角特性が優れている位相差フィルム、およびこれを用いた偏光板を提供することである。
また、本発明の第2の課題は、視野角特性に優れた液晶表示装置を提供することである。
また、本発明の第2の課題は、視野角特性に優れた液晶表示装置を提供することである。
本発明の発明者らが鋭意検討した結果、充分な視野角特性の改善効果を得るためには、基板となる高分子フィルムの面内および厚み方向のレターデーションが可視光領域全てで限りなくゼロに近いことが必要であることが判明した。一般に高分子フィルムとしては、偏光板保護フィルム機能と光学異方性層の基板としての機能とを併用できるセルロースアセテートフィルム(例えば、富士写真フイルム(株)製、フジタックTD80UやTD80UL)が好ましく用いられる。しかし、このセルロースアセテートフィルムは面内のレターデーションはゼロに近いが、厚み方向のレターデーションが40〜50nmであることが知られている。このため、液晶セルの液晶に合わせて光学補償するために最も望ましい光学特性にすることが困難である。
また、一般に液晶セル内の液晶は短波長側の複屈折率が大きい波長分散であることが多い。しかし、上記のセルロースアセテートフィルムは短波長側の複屈折率が小さい波長分散を有していることも知られている。このため、厚み方向の光学補償の困難な特定波長の位相差を補償しても、他の波長では充分な光学補償をできず、結果的に色味変化が大きくなりやすい。
また、一般に液晶セル内の液晶は短波長側の複屈折率が大きい波長分散であることが多い。しかし、上記のセルロースアセテートフィルムは短波長側の複屈折率が小さい波長分散を有していることも知られている。このため、厚み方向の光学補償の困難な特定波長の位相差を補償しても、他の波長では充分な光学補償をできず、結果的に色味変化が大きくなりやすい。
本発明の発明者らは、フィルム中のセルロースアシレートが面内および膜厚方向に配向するのを抑制する化合物を用いて光学的異方性を十分に低下させ、ReがゼロかつRthがゼロに近くなるようにした。すなわち、光学的異方性(Re、Rth)が小さく実質的に光学的等方性であり、さらには光学的異方性(Re、Rth)の波長分散が小さいセルロースアシレートフィルムと、コレステリック相を示す液晶を含む光学異方性層とを有する位相差フィルムを提供することを考えた。
本発明の発明者らは、鋭意検討した結果、波長200〜400nmの紫外領域に吸収を持つことによりフィルムの着色を防止し、フィルムのRe(λ)およびRth(λ)の波長分散を制御できる化合物を用いることによって波長400nmと700nmとでのReおよびRthの差、|Re(400)−Re(700)|および|Rth(400)−Rth(700)|を小さくすることに成功した。
また本発明の発明者らは、鋭意検討した結果、セルロースアシレートのアシル置換度が2.80〜3.00と高いものを用いることによっても、前記課題の解決に寄与できることを見出した。
以下に記載するセルロースアシレートフィルムと光学異方性層とを有する位相差フィルム、偏光板、および、液晶表示装置により、本発明の課題を達成することができる。
(1)透明フィルムと、ねじれネマチック配向した液晶化合物を含む光学異方性層とを有する位相差フィルムであって、前記透明フィルムが、下記式(I)および(II)で定義されるRe(λ)およびRth(λ)が、下記式(III)および(IV)を満たすセルロースアシレートフィルムであることを特徴とする位相差フィルム。
式(I):Re(λ)=(nx−ny)×d
式(II):Rth(λ)={(nx+ny)/2−nz}×d
式(III):0≦Re(590)≦10かつ|Rth(590)|≦25
式(IV):|Re(400)−Re(700)|≦10かつ|Rth(400)−Rth(700)|≦35
[式(I)〜(IV)中、Re(λ)は、波長λnmにおける正面レターデーション値(単位:nm)であり、Rth(λ)は波長λnmにおける膜厚方向のレターデーション値(単位:nm)である。また、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率であり、nyはフィルム面内の進相軸方向の屈折率であり、nzはフィルムの厚み方向の屈折率である。dはフィルムの厚さである。]
式(I):Re(λ)=(nx−ny)×d
式(II):Rth(λ)={(nx+ny)/2−nz}×d
式(III):0≦Re(590)≦10かつ|Rth(590)|≦25
式(IV):|Re(400)−Re(700)|≦10かつ|Rth(400)−Rth(700)|≦35
[式(I)〜(IV)中、Re(λ)は、波長λnmにおける正面レターデーション値(単位:nm)であり、Rth(λ)は波長λnmにおける膜厚方向のレターデーション値(単位:nm)である。また、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率であり、nyはフィルム面内の進相軸方向の屈折率であり、nzはフィルムの厚み方向の屈折率である。dはフィルムの厚さである。]
(2)前記セルロースアシレートフィルムは、Re(λ)およびRth(λ)を低下させる化合物を少なくとも1種含有し、前記Rth(λ)が下記式(VII)および(VIII)を満たすことを特徴とする(1)に記載の位相差フィルム。
式(VII):(Rth(590)〔A〕−Rth(590)〔0〕)/A≦−1.0
式(VIII):0.01≦A≦30
〔式(VII)〜(VIII)中、Rth(590)〔A〕は、前記Re(λ)およびRth(λ)を低下させる化合物をA%含有したフィルムのRth(nm)であり、Rth(590)〔0〕は、前記Re(λ)およびRth(λ)を低下させる化合物を含有しないフィルムのRth(nm)である。また、Aは、フィルム原料ポリマーの質量を100としたときの前記Re(λ)およびRth(λ)を低下させる化合物の質量(%)である。〕
式(VII):(Rth(590)〔A〕−Rth(590)〔0〕)/A≦−1.0
式(VIII):0.01≦A≦30
〔式(VII)〜(VIII)中、Rth(590)〔A〕は、前記Re(λ)およびRth(λ)を低下させる化合物をA%含有したフィルムのRth(nm)であり、Rth(590)〔0〕は、前記Re(λ)およびRth(λ)を低下させる化合物を含有しないフィルムのRth(nm)である。また、Aは、フィルム原料ポリマーの質量を100としたときの前記Re(λ)およびRth(λ)を低下させる化合物の質量(%)である。〕
(3)前記セルロースアシレートフィルムのアシル置換度が2.80〜3.00であり、前記Re(λ)およびRth(λ)を低下させる化合物の少なくとも1種をセルロースアシレートの固形分に対して0.01〜30質量%含むことを特徴とする(2)に記載の位相差フィルム。
(4)前記Re(λ)およびRth(λ)を低下させる化合物は、オクタノール−水分配係数(LogP値)が0〜7の化合物であることを特徴とする(3に記載の位相差フィルム。
(5)前記セルロースアシレートフィルムは、|Re(400)−Re(700)|および|Rth(400)−Rth(700)|を低下させる化合物を少なくとも1種含み、前記|Re(400)−Re(700)|および|Rth(400)−Rth(700)|を低下させる化合物をセルロースアシレートの固形分に対して0.01〜30質量%含んでいることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1つに記載の位相差フィルム。
(6)前記セルロースアシレートフィルムの膜厚が10μm〜120μmであることを特徴とする(1〜5のいずれか1項に記載の位相差フィルム。
(7)前記液晶化合物がコレステリック液晶相を示し、ねじれネマチック配向した際の螺旋軸が前記透明フィルムの法線方向と略平行であり、前記液晶化合物の螺旋ピッチをP(μm)および前記光学異方性層の厚みをd(μm)とした場合、P≦d/3かつ0.3≦P≦0.8であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1つに記載の位相差フィルム。
(8)前記光学異方性層は、下記反復単位(I)および(II)を主たる構成単位として有する直鎖または環状の液晶オリゴマー(A)を1種類以上含有し、前記液晶オリゴマー(A)の1分子中の前記反復単位(I)および(II)の数をそれぞれnおよびn'とした場合、nおよびn'はそれぞれ独立して1〜20の整数であり、かつ、4≦n+n'≦21であり、更に、n:n'の比は20:1〜1:20であり、前記液晶オリゴマー(A)の反復単位(II)の末端基が重合していることを特徴とする(7)に記載の位相差フィルム。
〔前記反復単位(I)および(II)中、Aは下記連結基(III)または(IV)を表す。下記連結基(III)における−Si−O−は前記反復単位(I)または(II)の主鎖である。また、下記連結基(IV)における−C−CH2 −は前記反復単位(I)または(II)の主鎖であり、COO基は側鎖のR1またはR2以外の側鎖に位置する。前記反復単位(I)および/または(II)におけるAが連結基(III)の場合、R1およびR2はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基を表す。また、前記反復単位(I)および/または(II)におけるAが連結基(IV)の場合、R1およびR2はそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。
前記反復単位(I)および(II)中、kおよびk'は、それぞれ独立に2〜10の整数を表し、mおよびm'は、それぞれ独立に0または1を表す。Ar1、Ar2およびAr3は、それぞれ独立に、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2、5−ジイル基であり、L'は−CH2 −O−、−O−CH2 −、−COO−、−OCO−、−CH2 −CH2 −、−CH=N−、−N=CH−または下記連結基(A)を表す。p'は、0または1を表し、Rは光学活性基を表し、R'は水素または炭素数1〜5のアルキル基を表す。〕
前記反復単位(I)および(II)中、kおよびk'は、それぞれ独立に2〜10の整数を表し、mおよびm'は、それぞれ独立に0または1を表す。Ar1、Ar2およびAr3は、それぞれ独立に、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2、5−ジイル基であり、L'は−CH2 −O−、−O−CH2 −、−COO−、−OCO−、−CH2 −CH2 −、−CH=N−、−N=CH−または下記連結基(A)を表す。p'は、0または1を表し、Rは光学活性基を表し、R'は水素または炭素数1〜5のアルキル基を表す。〕
(9)前記光学異方性層が、前記液晶オリゴマー(A)と、重合性基を有する低分子化合物と、をそれぞれ1種類以上含有し、前記晶オリゴマー(A)の反復単位(II)の末端基および/または前記重合性基を有する低分子化合物が重合していることを特徴とする(8)に記載の位相差フィルム。
(10)前記光学異方性層が、前記液晶オリゴマー(A)と、重合性基を有する低分子化合物と、前記液晶オリゴマー(A)以外の液晶オリゴマー(B)と、をそれぞれ1種類以上含有し、前記液晶オリゴマー(B)が下記反復単位(V)および(VI)を主たる構成単位とする直鎖または環状の液晶オリゴマーであり、前記液晶オリゴマー(B)の1分子中の前記反復単位(V)および(VI)の数をそれぞれn''およびn''' とした場合、n''およびn''' はそれぞれ独立して0〜20の整数であり、かつ、4≦n''+n''' ≦21であり、前記液晶オリゴマー(A)の反復単位(II)の末端基および/または前記液晶オリゴマー(B)の反復単位(VI)の末端基が重合していることを特徴とする(8)に記載の位相差フィルム。
(前記反復単位(V)および(VI)中、A、R1、R2、k'、m'、p'、L'、Ar2、Ar3およびR’は反復単位(I)および(II)におけるものと同義である。k''は2〜10の整数を表し、m''は0または1を表す。Ar4 およびAr5 は、それぞれ独立して、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基であり、L''は−CH2 −O−、−O−CH2 −、−COO−、−OCO−、−CH2 −CH2 −、−CH=N−、−N=CH−または前記結合基(A)を表す。p''は0または1を表し、R''はハロゲン、シアノ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基、または、炭素数1〜10のアルキル基もしくは炭素数1〜10のアルコキシ基を有するベンゾイルオキシ基を表す。)
(11)前記光学異方性層が、前記液晶オリゴマー(A)と、重合性基を有する低分子化合物と、前記液晶オリゴマー(B)と、をそれぞれ1種類以上含有し、前記液晶オリゴマー(A)の反復単位(II)の末端基、前記液晶オリゴマー(B)の反復単位(VI)の末端基、および、重合性基を有する低分子化合物の少なくとも1つが重合していることを特徴とする(10)に記載の位相差フィルム。
(12)前記液晶オリゴマー(A)の反復単位(I)におけるRが、下記結合基(VII)または(VIII)を有することを特徴とする(8)〜(1)1のいずれか1つに記載の位相差フィルム。
(式中、R3は、水素原子または下記結合基(IX)を表す。)
(式中、R4は、水素原子またはメチル基を表す。R5 は水素原子またはR6を表す。R6は、直鎖または分岐を有する炭素数1〜20のアルキル基または直鎖または分岐を有する炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基を表す。R6が分岐している場合は不斉炭素を有していてもよい。)
(13)前記透明フィルム上に前記光学異方性層を形成し、ねじれネマチック配向の螺旋軸を前記透明フィルムの法線方向に略平行に配向した後、前記液晶化合物を重合させることを特徴とする(1)〜(12)のいずれか1つに記載の位相差フィルム。
(14)透明保護フィルム、偏光子、および、位相差フィルムがこの順に積層された偏光板であって、前記位相差フィルムが(1)〜(13)のいずれか1つに記載の位相差フィルムであることを特徴とする偏光板。
(15)前記透明保護フィルムの偏光子が積層される側とは反対側の表面にハードコート層、防眩層、反射防止層、帯電防止層、および、防汚層の少なくとも一層を設けたことを特徴とする(14)に記載の偏光板。
(16)電極を有する基板に挟持された液晶層からなる液晶セルの少なくとも一方に(14)または(15)に記載の偏光板を、光学異方性層が液晶セル側になるように配置したことを特徴とする液晶表示装置。
(17)負の誘電率異方性を有し、電圧無印加時に前記基板に対して略垂直に配向することを特徴とする(16)に記載の液晶表示装置。
(18)負の誘電率異方性を有し、電圧無印加時に基板に対して略垂直に配向した液晶層を含む液晶セルを有し、前記液晶セルの一方の側に位相差フィルムの光学異方性層が位置するように(14)または(15)に記載の偏光板が配置され、且つ、前記液晶セルの他方の側に少なくとも1枚の光学的に正の一軸性を有する位相差板および偏光板が配置されたことを特徴とする液晶表示装置。
(19)負の誘電率異方性を有し、前記光学的に正の一軸性を有する位相差板と隣接した前記偏光板の保護フィルムが、下記式(I)および(II)で定義されるRe(λ)およびRth(λ)が、下記式(III)および(IV)を満たすセルロースアシレートフィルムであることを特徴とする(18)に記載の液晶表示装置。
式(I):Re(λ)=(nx−ny)×d
式(II):Rth(λ)={(nx+ny)/2−nz}×d
式(III):0≦Re(590)≦10かつ|Rth(590)|≦25
式(IV):|Re(400)−Re(700)|≦10かつ|Rth(400)−Rth(700)|≦35
[式(I)〜(IV)中、Re(λ)は、波長λnmにおける正面レターデーション値(単位:nm)であり、Rth(λ)は波長λnmにおける膜厚方向のレターデーション値(単位:nm)である。また、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率であり、nyはフィルム面内の進相軸方向の屈折率であり、nzはフィルムの厚み方向の屈折率である。dはフィルムの厚さである。]
式(I):Re(λ)=(nx−ny)×d
式(II):Rth(λ)={(nx+ny)/2−nz}×d
式(III):0≦Re(590)≦10かつ|Rth(590)|≦25
式(IV):|Re(400)−Re(700)|≦10かつ|Rth(400)−Rth(700)|≦35
[式(I)〜(IV)中、Re(λ)は、波長λnmにおける正面レターデーション値(単位:nm)であり、Rth(λ)は波長λnmにおける膜厚方向のレターデーション値(単位:nm)である。また、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率であり、nyはフィルム面内の進相軸方向の屈折率であり、nzはフィルムの厚み方向の屈折率である。dはフィルムの厚さである。]
本発明によれば、光学的異方性(Re、Rth)が小さく実質的に光学的等方性であり、さらには光学的異方性(Re、Rth)の波長分散が小さいセルロースアシレートフィルムと、コレステリック相を示す液晶を含む光学異方性層とを有する位相差フィルム、およびこれを用いた偏光板、並びに、視野角特性に優れた液晶表示装置を提供することができる。
以下に本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明の位相差フィルムは、透明フィルムと、ねじれネマチック配向した液晶化合物を含む光学異方性層とを有する位相差フィルムであって、前記透明フィルムが、下記式(I)および(II)で定義されるRe(λ)およびRth(λ)が、下記式(III)および(IV)を満たすセルロースアシレートフィルムであることを特徴とする。
式(I):Re(λ)=(nx−ny)×d
式(II):Rth(λ)={(nx+ny)/2−nz}×d
式(III):0≦Re(590)≦10かつ|Rth(590)|≦25
式(IV):|Re(400)−Re(700)|≦10かつ|Rth(400)−Rth(700)|≦35
[式(I)〜(IV)中、Re(λ)は、波長λnmにおける正面レターデーション値(単位:nm)であり、Rth(λ)は波長λnmにおける膜厚方向のレターデーション値(単位:nm)である。また、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率であり、nyはフィルム面内の進相軸方向の屈折率であり、nzはフィルムの厚み方向の屈折率である。dはフィルムの厚さである。]
式(I):Re(λ)=(nx−ny)×d
式(II):Rth(λ)={(nx+ny)/2−nz}×d
式(III):0≦Re(590)≦10かつ|Rth(590)|≦25
式(IV):|Re(400)−Re(700)|≦10かつ|Rth(400)−Rth(700)|≦35
[式(I)〜(IV)中、Re(λ)は、波長λnmにおける正面レターデーション値(単位:nm)であり、Rth(λ)は波長λnmにおける膜厚方向のレターデーション値(単位:nm)である。また、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率であり、nyはフィルム面内の進相軸方向の屈折率であり、nzはフィルムの厚み方向の屈折率である。dはフィルムの厚さである。]
前記セルロースアシレートフィルムが式(III)を満たさない場合は、液晶セルに最適な光学補償が難しく色みの視野角特性を良化させることができない。また、式(IV)を満たさない場合は、光学補償ができない波長領域が発生し、着色しやすく、色みの視野角依存性も大きくなりやすい。
[位相差フィルムの構成]
本発明の位相差フィルムは、少なくとも、1枚の透明フィルム(セルロースアシレートフィルム)と、ねじれネマチック配向した液晶化合物を含む光学異方性層とを有する。以下に好ましい実施の詳細を示す。
本発明の位相差フィルムは、少なくとも、1枚の透明フィルム(セルロースアシレートフィルム)と、ねじれネマチック配向した液晶化合物を含む光学異方性層とを有する。以下に好ましい実施の詳細を示す。
[セルロースアシレート原料]
本発明に用いられるセルロースアシレートフィルムのセルロース原料としては、綿花リンタや木材パルプ(広葉樹パルプ,針葉樹パルプ)などがあり、何れのセルロース原料から得られるセルロースアシレートでも使用できる。また、場合により混合して使用してもよい。これらの原料セルロースについての詳細な記載は、例えばプラスチック材料講座(17)繊維素系樹脂(丸澤、宇田著、日刊工業新聞社、1970年発行)や発明協会公開技報2001−1745(7頁〜8頁)に記載のセルロースを用いることができ、本発明の位相差フィルムに対しては特に限定されるものではない。
本発明に用いられるセルロースアシレートフィルムのセルロース原料としては、綿花リンタや木材パルプ(広葉樹パルプ,針葉樹パルプ)などがあり、何れのセルロース原料から得られるセルロースアシレートでも使用できる。また、場合により混合して使用してもよい。これらの原料セルロースについての詳細な記載は、例えばプラスチック材料講座(17)繊維素系樹脂(丸澤、宇田著、日刊工業新聞社、1970年発行)や発明協会公開技報2001−1745(7頁〜8頁)に記載のセルロースを用いることができ、本発明の位相差フィルムに対しては特に限定されるものではない。
[セルロースアシレートの置換度]
次に本発明における透明フィルムに用いられるセルロースアシレートについて説明する。セルロースアシレートはセルロースの水酸基がアシル化されたもので、その置換基はアシル基の炭素原子数が2のアセチル基から炭素原子数が22のものまでいずれも用いることができる。本発明に用いられるセルロースアシレートにおいて、セルロースの水酸基への置換度については特に限定されない。また、本発明におけるセルロースアシレートの置換度は、セルロースの水酸基に置換する酢酸および/または炭素原子数3〜22の脂肪酸の結合度を測定し、該測定値に基づく計算によって得ることができる。測定方法としては、ASTMのD−817−91に準じて実施することが出来る。セルロースの水酸基が100%置換されたときの置換度は3である。
次に本発明における透明フィルムに用いられるセルロースアシレートについて説明する。セルロースアシレートはセルロースの水酸基がアシル化されたもので、その置換基はアシル基の炭素原子数が2のアセチル基から炭素原子数が22のものまでいずれも用いることができる。本発明に用いられるセルロースアシレートにおいて、セルロースの水酸基への置換度については特に限定されない。また、本発明におけるセルロースアシレートの置換度は、セルロースの水酸基に置換する酢酸および/または炭素原子数3〜22の脂肪酸の結合度を測定し、該測定値に基づく計算によって得ることができる。測定方法としては、ASTMのD−817−91に準じて実施することが出来る。セルロースの水酸基が100%置換されたときの置換度は3である。
上述のように本発明に用いるセルロースアシレートにおいて、セルロースの水酸基への置換度については特に限定されないが、セルロースの水酸基へのアシル置換度は2.80〜3.00であることが好ましい。
セルロースの水酸基に置換する酢酸および/または炭素原子数3〜22の脂肪酸のうち、炭素数2〜22のアシル基としては、脂肪族基でもアリル基でもよく、特に限定されず、単一でも2種類以上の混合物でもよい。前記炭素数2〜22のアシル基としては、例えば、セルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステルあるいは芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステルなどが挙げられ、それぞれさらに置換された基を有していてもよい。好ましいアシル基としては、アセチル、プロピオニル、ブタノイル、へプタノイル、ヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、iso−ブタノイル、t−ブタノイル、シクロヘキサンカルボニル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイルなどを挙げることができ、これらの中でも、アセチル、プロピオニル、ブタノイル、ドデカノイル、オクタデカノイル、t−ブタノイル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイルなどが好ましく、アセチル、プロピオニル、ブタノイルがより好ましい。
本発明者が鋭意検討した結果、上述のセルロースの水酸基に置換するアシル置換基のうちで、該アシル置換基が、実質的にアセチル基/プロピオニル基/ブタノイル基の少なくとも2種類からなる場合においては、その全置換度が2.80〜3.00の場合にセルロースアシレートフィルムの光学異方性が低下できることがわかった。このため、より好ましいアシル置換度は2.60〜3.00であり、さらに好ましくは2.65〜3.00である。
[セルロースアシレートの重合度]
本発明で好ましく用いられるセルロースアシレートの重合度は、粘度平均重合度で180〜700であり、セルロースアセテートにおいては、180〜550がより好ましく、180〜400が更に好ましく、180〜350が特に好ましい。重合度が高すぎるとセルロースアシレートのドープ溶液の粘度が高くなり、流延によりフィルム作製が困難になる場合がある。また、重合度が低すぎると作製したフィルムの強度が低下してしまう場合がある。前記粘度平均重合度は、宇田らの極限粘度法(宇田和夫、斉藤秀夫、繊維学会誌、第18巻第1号、105〜120頁、1962年)により測定できる。特開平9−95538に詳細に記載されている。
また、本発明で好ましく用いられるセルロースアシレートの分子量分布はゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって評価され、その多分散性指数Mw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)が小さく、分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.0〜3.0であることが好ましく、1.0〜2.0であることがさらに好ましく、1.0〜1.6であることが最も好ましい。
本発明で好ましく用いられるセルロースアシレートの重合度は、粘度平均重合度で180〜700であり、セルロースアセテートにおいては、180〜550がより好ましく、180〜400が更に好ましく、180〜350が特に好ましい。重合度が高すぎるとセルロースアシレートのドープ溶液の粘度が高くなり、流延によりフィルム作製が困難になる場合がある。また、重合度が低すぎると作製したフィルムの強度が低下してしまう場合がある。前記粘度平均重合度は、宇田らの極限粘度法(宇田和夫、斉藤秀夫、繊維学会誌、第18巻第1号、105〜120頁、1962年)により測定できる。特開平9−95538に詳細に記載されている。
また、本発明で好ましく用いられるセルロースアシレートの分子量分布はゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって評価され、その多分散性指数Mw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)が小さく、分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.0〜3.0であることが好ましく、1.0〜2.0であることがさらに好ましく、1.0〜1.6であることが最も好ましい。
セルロースアシレート中の低分子成分が除去されると、平均分子量(重合度)が高くなるが、粘度は通常のセルロースアシレートよりも低くなるため有用である。低分子成分の少ないセルロースアシレートは、例えば、通常の方法で合成したセルロースアシレートから低分子成分を除去することにより得ることができる。前記低分子成分の除去は、セルロースアシレートを適当な有機溶媒で洗浄することにより実施できる。なお、低分子成分の少ないセルロースアシレートを製造する場合、酢化反応における硫酸触媒量を、セルロース100質量部に対して0.5〜25質量部に調整することが好ましい。前記硫酸触媒の量を前記範囲にすると、分子量部分布の点でも好ましい(分子量分布の均一な)セルロースアシレートを合成することができる。本発明におけるセルロースアシレートフィルムの製造時に使用される際には、セルロースアシレートの含水率は2質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは1質量%以下であり、0.7質量%以下の含水率を有することが特に好ましい。
一般に、セルロースアシレートは、水を含有しており、その含水量は2.5〜5質量%であることが知られている。本発明において、セルロースアシレートの含水率を上述の範囲にするためには、セルロースアシレートを乾燥することが必要であり、その乾燥方法は目的とする含水率を得ることができれば特に限定されない。本発明に用いられるセルロースアシレートについて、その原料綿や合成方法は発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて7頁〜12頁に詳細に記載されている。
一般に、セルロースアシレートは、水を含有しており、その含水量は2.5〜5質量%であることが知られている。本発明において、セルロースアシレートの含水率を上述の範囲にするためには、セルロースアシレートを乾燥することが必要であり、その乾燥方法は目的とする含水率を得ることができれば特に限定されない。本発明に用いられるセルロースアシレートについて、その原料綿や合成方法は発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて7頁〜12頁に詳細に記載されている。
本発明に用いられるセルロースアシレートは、置換基、置換度、重合度、分子量分布など前述した範囲であれば、単一あるいは異なる2種類以上のセルロースアシレートを混合して用いることができる。
[セルロースアシレートへの添加剤]
本発明におけるセルロースアシレートフィルムを作製するためのセルロースアシレート溶液には、各調製工程において用途に応じた種々の添加剤(例えば、光学的異方性を低下する化合物、波長分散調整剤、紫外線防止剤、可塑剤、劣化防止剤、微粒子、光学特性調整剤など)を加えることができる。またその添加時期はドープ調製工程において何れでも添加してもよいが、ドープ調製工程の最後の調製工程に添加剤を添加し調製する工程を加えて行ってもよい。
以下に添加剤の詳細について示す。
本発明におけるセルロースアシレートフィルムを作製するためのセルロースアシレート溶液には、各調製工程において用途に応じた種々の添加剤(例えば、光学的異方性を低下する化合物、波長分散調整剤、紫外線防止剤、可塑剤、劣化防止剤、微粒子、光学特性調整剤など)を加えることができる。またその添加時期はドープ調製工程において何れでも添加してもよいが、ドープ調製工程の最後の調製工程に添加剤を添加し調製する工程を加えて行ってもよい。
以下に添加剤の詳細について示す。
(セルロースアシレートフィルムの光学的異方性(Re(λ)およびRth(λ))を低下させる化合物)
本発明の位相差フィルムは、更に後述のRe(λ)およびRth(λ)を低下させる化合物(レターデーション低下化合物)を少なくとも1種含有し、且つ、前記Rth(λ)が下記式(VII)および(VIII)を満たすことが好ましい。
本発明の位相差フィルムは、更に後述のRe(λ)およびRth(λ)を低下させる化合物(レターデーション低下化合物)を少なくとも1種含有し、且つ、前記Rth(λ)が下記式(VII)および(VIII)を満たすことが好ましい。
式(VII):(Rth(590)〔A〕−Rth(590)〔0〕)/A≦−1.0
式(VIII):0.01≦A≦30
式(VIII):0.01≦A≦30
前記式(VII)〜(VIII)中、「Rth(590)〔A〕」は、前記レターデーション低下化合物をA%含有したフィルムのRth(nm)であり、「Rth(590)〔0〕」は、前記レターデーション低下化合物を含有しないフィルムのRth(nm)である。また、「A」は、フィルム原料ポリマーの質量を100としたときの前記レターデーション低下化合物の質量(%)である。
前記式(VII)および(VIII)はそれぞれ、下記式(VIIa)および(VIII a)であることが好ましく、下記式(VIIb)および(VIII b)であることが更に好ましい。
式(VIIa):(Rth(λ)〔A〕−Rth(λ)〔A〕)/A≦−2.0
式(VIII a):0.05≦A≦25
式(VIII a):0.05≦A≦25
式(VIIb):(Rth(λ)〔A〕−Rth(λ)〔A〕)/A≦−3.0
式(VIII b):0.1≦A≦20
式(VIII b):0.1≦A≦20
本発明の発明者らは、鋭意検討した結果、フィルム中のセルロースアシレートが面内および膜厚方向のレターデーションを低下させる(面内および膜厚方向に配向するのを抑制する)化合物を用いて光学的異方性を十分に低下させ、ReがゼロかつRthがゼロに近くなるようにした。このためにはレターデーション低下化合物はセルロースアシレートに十分に相溶し、化合物自身が棒状の構造や平面性の構造を持たないことが好ましい。具体的にはレターデーション低下化合物が芳香族基のような平面性の官能基を複数持っている場合、それらの官能基を同一平面ではなく、非平面に持つような構造が有利である。
(LogP値)
本発明に用いられるセルロースアシレートフィルムを作製するにあたっては、上述のようにフィルム中のセルロースアシレートが面内および膜厚方向に配向するのを抑制して光学異方性を低下させるレターデーション低下化合物としては、オクタノール−水分配係数(logP値)が0〜7である化合物が好ましい。前記logP値が7を超える化合物は、セルロースアシレートとの相溶性に乏しく、フィルムの白濁や粉吹きを生じやすい。また、前記logP値が0よりも小さな化合物は親水性が高いために、セルロースアセテートフィルムの耐水性を悪化させる場合がある。logP値としてさらに好ましい範囲は1〜6であり、特に好ましい範囲は1.5〜5である。
前記オクタノール−水分配係数(logP値)の測定は、JIS日本工業規格Z7260−107(2000)に記載のフラスコ浸透法により実施することができる。また、オクタノール−水分配係数(logP値)は実測に代わって、計算化学的手法あるいは経験的方法により見積もることも可能である。計算方法としては、Crippen's fragmentation法(J.Chem.Inf.Comput.Sci.,27,21(1987).)、Viswanadhan's fragmentation法(J.Chem.Inf.Comput.Sci.,29,163(1989).)、Broto's fragmentation法(Eur.J.Med.Chem.- Chim.Theor.,19,71(1984).)などが好ましく用いられるが、Crippen's fragmentation法(J.Chem.Inf.Comput.Sci.,27,21(1987).)がより好ましい。ある化合物のlogPの値が測定方法あるいは計算方法により異なる場合に、該化合物が本発明の範囲内であるかどうかは、Crippen's fragmentation法により判断することが好ましい。
本発明に用いられるセルロースアシレートフィルムを作製するにあたっては、上述のようにフィルム中のセルロースアシレートが面内および膜厚方向に配向するのを抑制して光学異方性を低下させるレターデーション低下化合物としては、オクタノール−水分配係数(logP値)が0〜7である化合物が好ましい。前記logP値が7を超える化合物は、セルロースアシレートとの相溶性に乏しく、フィルムの白濁や粉吹きを生じやすい。また、前記logP値が0よりも小さな化合物は親水性が高いために、セルロースアセテートフィルムの耐水性を悪化させる場合がある。logP値としてさらに好ましい範囲は1〜6であり、特に好ましい範囲は1.5〜5である。
前記オクタノール−水分配係数(logP値)の測定は、JIS日本工業規格Z7260−107(2000)に記載のフラスコ浸透法により実施することができる。また、オクタノール−水分配係数(logP値)は実測に代わって、計算化学的手法あるいは経験的方法により見積もることも可能である。計算方法としては、Crippen's fragmentation法(J.Chem.Inf.Comput.Sci.,27,21(1987).)、Viswanadhan's fragmentation法(J.Chem.Inf.Comput.Sci.,29,163(1989).)、Broto's fragmentation法(Eur.J.Med.Chem.- Chim.Theor.,19,71(1984).)などが好ましく用いられるが、Crippen's fragmentation法(J.Chem.Inf.Comput.Sci.,27,21(1987).)がより好ましい。ある化合物のlogPの値が測定方法あるいは計算方法により異なる場合に、該化合物が本発明の範囲内であるかどうかは、Crippen's fragmentation法により判断することが好ましい。
前記レターデーション低下化合物は、芳香族基を含有していてもよい。またレターデーション低下化合物の分子量としては、150〜3000であることが好ましく、170〜2000であることが好ましく、200〜1000であることが特に好ましい。これらの分子量の範囲であれば、特定のモノマー構造であってもよいし、そのモノマーユニットが複数結合したオリゴマー構造、ポリマー構造でもよい。
前記レターデーション低下化合物は、好ましくは、25℃で液体であるか、融点が25〜250℃の固体であり、さらに好ましくは、25℃で液体であるか、融点が25〜200℃の固体である。また前記レターデーション低下化合物は、セルロースアシレートフィルム作製のドープ流延、乾燥の過程で揮散しないことが好ましい。
前記レターデーション低下化合物の添加量は、セルロースアシレートの0.01〜30質量%であることが好ましく、1〜25質量%であることがより好ましく、5〜20質量%であることが特に好ましい。
前記レターデーション低下化合物は、単独で用いても、2種以上化合物を任意の比で混合して用いてもよい。レターデーション低下化合物を添加する時期はドープ作製工程中の何れであってもよく、ドープ調製工程の最後に行ってもよい。
前記レターデーション低下化合物は、好ましくは、25℃で液体であるか、融点が25〜250℃の固体であり、さらに好ましくは、25℃で液体であるか、融点が25〜200℃の固体である。また前記レターデーション低下化合物は、セルロースアシレートフィルム作製のドープ流延、乾燥の過程で揮散しないことが好ましい。
前記レターデーション低下化合物の添加量は、セルロースアシレートの0.01〜30質量%であることが好ましく、1〜25質量%であることがより好ましく、5〜20質量%であることが特に好ましい。
前記レターデーション低下化合物は、単独で用いても、2種以上化合物を任意の比で混合して用いてもよい。レターデーション低下化合物を添加する時期はドープ作製工程中の何れであってもよく、ドープ調製工程の最後に行ってもよい。
セルロースアシレートフィルムの少なくとも一方の側の表面から全膜厚の10%までの部分におけるレターデーション低下化合物の平均含有率が、該セルロースアシレートフィルムの厚み方向における中央部(全膜厚の50%の部分)における該化合物の平均含有率の80〜99%であることが好ましい。レターデーション低下化合物の存在量は、例えば、特開平8−57879号公報に記載の赤外吸収スペクトルを用いる方法などにより表面および中心部の化合物量を測定して求めることができる。
以下に本発明で好ましく用いられる、セルロースアシレートフィルムのレターデーション低下化合物の具体例(一般式(1)または(2)で表される化合物)を示すが、本発明はこれら化合物に限定されるものではない。
前記一般式(1)において、R11はアルキル基またはアリール基を表し、R12およびR13はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。また、R11、R12およびR13の炭素原子数の総和が10以上であることが特に好ましい。
前記R11〜R13は、置換基を有していてもよく、該置換基としてはフッ素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、スルホン基およびスルホンアミド基が好ましく、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、スルホン基およびスルホンアミド基が特に好ましい。
一般式(1)中、前記R11〜R13で表されるアルキル基は直鎖であっても、分岐であっても、環状であってもよい。該アルキルの炭素原子数は、1〜25のものが好ましく、6〜25のものがより好ましく、6〜20のものが特に好ましい。前記アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、アミル、イソアミル、t−アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、ビシクロオクチル、ノニル、アダマンチル、デシル、t−オクチル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、ジデシルなどが挙げられる。
一般式(1)中、前記R11〜R13で表されるアリール基としては、炭素原子数が6〜30のものが好ましく、6〜24のものが特に好ましい。該アリール基としては、例えば、フェニル、ビフェニル、テルフェニル、ナフチル、ビナフチル、トリフェニルフェニルなどが挙げられる。以下に、一般式(1)で表される化合物の好ましい例(化合物(101)〜(164))を示すが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
前記一般式(2)において、R31はアルキル基またはアリール基を表し、R32およびR33はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。ここで、アルキル基は直鎖であっても、分岐であっても、環状であってもよく、炭素原子数が1〜20のものが好ましく、1〜15のものがさらに好ましく、1〜12のものが最も好ましい。また、環状のアルキル基としては、シクロヘキシル基が特に好ましい。前記アリール基は炭素原子数が6〜36のものが好ましく、6〜24のものがより好ましい。
前記一般式(2)中、R31〜R33で表されるアルキル基およびアリール基は置換基を有していてもよい。該置換基としては、ハロゲン原子(例えば、塩素、臭素、フッ素およびヨウ素など)、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、スルホニルアミノ基、ヒドロキシ基、シアノ基、アミノ基、およびアシルアミノ基が好ましく、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、スルホニルアミノ基およびアシルアミノ基がさらに好ましく、アルキル基、アリール基、スルホニルアミノ基およびアシルアミノ基が特に好ましい。
以下に、一般式(2)で表される化合物の好ましい例(化合物301〜393)を下記に示すが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
(波長分散調整剤)
本発明におけるセルロースアシレートフィルムには、波長分散を低下させる化合物を含有することができる。前記波長分散を低下させる化合物について説明する。本発明に用いるセルロースアシレートフィルムのRthの波長分散を良化させるためには、下記式(iv)で表されるRthの波長分散ΔRth=|Rth(400)−Rth(700)|を低下させる化合物(以下、「波長分散調整剤」と称する場合がある。)を、下記式(v)、(vi)をみたす範囲で少なくとも一種含有することが好ましい。
式(iv):ΔRth=|Rth(400)−Rth(700)|
式(v):(ΔRth(B)−ΔRth(0))/B≦−2.0
式(vi):0.01≦B≦30
本発明におけるセルロースアシレートフィルムには、波長分散を低下させる化合物を含有することができる。前記波長分散を低下させる化合物について説明する。本発明に用いるセルロースアシレートフィルムのRthの波長分散を良化させるためには、下記式(iv)で表されるRthの波長分散ΔRth=|Rth(400)−Rth(700)|を低下させる化合物(以下、「波長分散調整剤」と称する場合がある。)を、下記式(v)、(vi)をみたす範囲で少なくとも一種含有することが好ましい。
式(iv):ΔRth=|Rth(400)−Rth(700)|
式(v):(ΔRth(B)−ΔRth(0))/B≦−2.0
式(vi):0.01≦B≦30
前記式(v)、(vi)は下記式(va)および(via)であることが好ましく、下記式(vb)および(vib)が更に好ましい。
式(va):(ΔRth(B)−ΔRth(0))/B≦−3.0
式(via):0.05≦B≦25
式(via):0.05≦B≦25
式(vb):(ΔRth(B)−ΔRth(0))/B≦−4.0
式(vib):0.1≦B≦20
であることがさらに好ましい。
式(vib):0.1≦B≦20
であることがさらに好ましい。
前記の波長分散調整剤は、200nm〜400nmの紫外領域に吸収を有することが好ましい。
一般に、セルロースアシレートフィルムのRe、Rthの値は短波長側よりも長波長側が大きい分散特性を有する。一方、200nm〜400nmの紫外領域に吸収を持つ化合物は短波長側よりも長波長側の吸光度が大きい波長分散特性をもつ。そのため、セルロースアシレートフィルムの短波長側のRe、Rthを適当な紫外吸収を有する化合物によって大きくすることによって波長分散を平滑にすることができる。
一般に、セルロースアシレートフィルムのRe、Rthの値は短波長側よりも長波長側が大きい分散特性を有する。一方、200nm〜400nmの紫外領域に吸収を持つ化合物は短波長側よりも長波長側の吸光度が大きい波長分散特性をもつ。そのため、セルロースアシレートフィルムの短波長側のRe、Rthを適当な紫外吸収を有する化合物によって大きくすることによって波長分散を平滑にすることができる。
波長分散の面内ばらつきは、光学性能のばらつき、特に色味の視野角特性に影響を与える。そのため、波長分散調整剤はセルロースアシレートに十分均一に相溶することが要求される。このような波長分散調整剤の紫外領域の吸収帯範囲は200nm〜400nmが好ましいが、220〜395nmがより好ましく、240〜390nmがさらに好ましい。
また、近年テレビやノートパソコン、モバイル型携帯端末などの液晶表示装置ではより少ない電力で輝度を高めるに、液晶表示装置に用いられる光学部材の透過率が優れたものが要求されている。その点においては、200〜400nmの紫外領域に吸収を持ち、フィルムの|Re(400)−Re(700)|および|Rth(400)−Rth(700)|を低下させる化合物をセルロースアシレートフィルムに添加する場合、分光透過率が優れている要求される。本発明におけるセルロースアシレートフィルムにおいては、波長380nmにおける分光透過率が45%〜95%であり、かつ波長350nmにおける分光透過率が10%以下であることが好ましい。
上述のような、本発明で好ましく用いられる波長分散調整剤は揮散性の観点から分子量が250〜1000であることが好ましく、より好ましくは260〜800であり、更に好ましくは270〜800であり、特に好ましくは300〜800である。これらの分子量の範囲であれば、特定のモノマー構造であってもよいし、そのモノマーユニットが複数結合したオリゴマー構造、ポリマー構造でもよい。
前記波長分散調整剤は、セルロースアシレートフィルム作製のドープ流延、乾燥の過程で揮散しないことが好ましい。
上述した本発明で好ましく用いられる波長分散調整剤の添加量は、セルロースアシレートの固形分に対して0.01〜30質量%であることが好ましく、0.1〜20質量%であることがより好ましく、0.2〜10質量%であることが特に好ましい。
またこれら波長分散調整剤は、単独で用いても、2種以上化合物を任意の比で混合して用いてもよい。
またこれら波長分散調整剤を添加する時期はドープ作製工程中の何れであってもよく、ドープ調製工程の最後に行ってもよい。
またこれら波長分散調整剤を添加する時期はドープ作製工程中の何れであってもよく、ドープ調製工程の最後に行ってもよい。
本発明に好ましく用いられる波長分散調整剤の具体例としては、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノ基を含む化合物、オキシベンゾフェノン系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ニッケル錯塩系化合物などが挙げられるが、本発明はこれら化合物だけに限定されるものではない。
前記波長分散調整剤として用いられる前記ベンゾトリアゾール系化合物としては下記一般式(3)で表される化合物が本発明の波長分散調整剤として好ましく用いられる。
一般式(3):Q1−Q2−OH
(式中、Q1は含窒素芳香族ヘテロ環を表し、Q2は芳香族環を表す。)
(式中、Q1は含窒素芳香族ヘテロ環を表し、Q2は芳香族環を表す。)
前記Q1は含窒素芳香族へテロ環を表し、好ましくは5〜7員の含窒素芳香族ヘテロ環であり、より好ましくは5〜6員の含窒素芳香族ヘテロ環である。前記含窒素芳香族ヘテロ環としては、例えば、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、セレナゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾチアゾール、ベンズオキサゾール、ベンゾセレナゾール、チアジアゾール、オキサジアゾール、ナフトチアゾール、ナフトオキサゾール、アザベンズイミダゾール、プリン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、トリアザインデン、テトラザインデン等が挙げられ、更に好ましくは、5員の含窒素芳香族ヘテロ環であり、具体的にはイミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾチアゾール、ベンズオキサゾール、チアジアゾール、オキサジアゾールが好ましく、特に好ましくはベンゾトリアゾールである。
Q1で表される含窒素芳香族ヘテロ環は更に置換基を有してもよく、該置換基としては後述の置換基Tが適用できる。また、置換基が複数ある場合にはそれぞれが縮環して更に環を形成してもよい。
Q1で表される含窒素芳香族ヘテロ環は更に置換基を有してもよく、該置換基としては後述の置換基Tが適用できる。また、置換基が複数ある場合にはそれぞれが縮環して更に環を形成してもよい。
前記Q2で表される芳香族環は芳香族炭化水素環でも芳香族ヘテロ環でもよい。また、これらは単環であってもよいし、更に他の環と縮合環を形成してもよい。
前記芳香族炭化水素環としては、炭素数6〜30の単環または二環の芳香族炭化水素環(例えばベンゼン環、ナフタレン環などが挙げられる。)が好ましく、より好ましくは炭素数6〜20の芳香族炭化水素環であり、更に好ましくは炭素数6〜12の芳香族炭化水素環であり、特に好ましくはベンゼン環である。
前記芳香族炭化水素環としては、炭素数6〜30の単環または二環の芳香族炭化水素環(例えばベンゼン環、ナフタレン環などが挙げられる。)が好ましく、より好ましくは炭素数6〜20の芳香族炭化水素環であり、更に好ましくは炭素数6〜12の芳香族炭化水素環であり、特に好ましくはベンゼン環である。
前記芳香族ヘテロ環としては、窒素原子あるいは硫黄原子を含む芳香族ヘテロ環が好ましい。前記ヘテロ環の具体例としては、例えば、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、インドール、インダゾール、プリン、チアゾリン、チアゾール、チアジアゾール、オキサゾリン、オキサゾール、オキサジアゾール、キノリン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、テトラゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、ベンゾトリアゾール、テトラザインデンなどが挙げられ、好ましくはピリジン、トリアジン、キノリンである。
Q2で表される芳香族環として好ましくは芳香族炭化水素環であり、より好ましくはナフタレン環、ベンゼン環であり、特に好ましくはベンゼン環である。Q2は更に置換基を有してもよく、該置換基としては後述の置換基Tが好ましい。
Q2で表される芳香族環として好ましくは芳香族炭化水素環であり、より好ましくはナフタレン環、ベンゼン環であり、特に好ましくはベンゼン環である。Q2は更に置換基を有してもよく、該置換基としては後述の置換基Tが好ましい。
上述の置換基Tとしては、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。);アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。);アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。);アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチルなどが挙げられる。);置換または未置換のアミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノなどが挙げられる。);アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシなどが挙げられる。);アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。);
アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。);アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。);アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。);アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。);アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。);アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。);アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。);スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。);
スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。);カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。);アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。);アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。);スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。);スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。);ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。);リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。);ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子);シアノ基;スルホ基;カルボキシル基;ニトロ基;ヒドロキサム酸基;スルフィノ基;ヒドラジノ基;イミノ基;ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、ピペリジル、モルホリノ、ベンゾオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリルなどが挙げられる。);シリル基(好ましくは、炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは、炭素数3〜24であり、例えば、トリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる)などが挙げられる。これらの置換基Tは更に置換基によって置換されてもよい。また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに連結して環を形成してもよい。
前記一般式(3)で表される化合物は、下記一般式(3−A)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(3−A)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、およびR9は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、該置換基としては前述の置換基Tが適用できる。またこれらの置換基は更に別の置換基によって置換されてもよく、置換基同士が縮環して環構造を形成してもよい。
R1およびR3として好ましくは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換または無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくは水素原子、炭素1〜12アルキル基であり、特に好ましくは炭素数1〜12のアルキル基(好ましくは炭素数4〜12)である。
R1およびR3として好ましくは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換または無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくは水素原子、炭素1〜12アルキル基であり、特に好ましくは炭素数1〜12のアルキル基(好ましくは炭素数4〜12)である。
一般式(3−A)中、R2およびR4として好ましくは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換または無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくは水素原子、炭素1〜12アルキル基であり、特に好ましくは水素原子、メチル基であり、最も好ましくは水素原子である。
一般式(3−A)中、R5およびR8として好ましくは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換または無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくは水素原子、炭素1〜12アルキル基であり、特に好ましくは水素原子、メチル基であり、最も好ましくは水素原子である。
一般式(3−A)中、R6およびR7として好ましくは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換または無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくは水素原子、ハロゲン原子であり、特に好ましくは水素原子、塩素原子である。
一般式(3)で表される化合物としてより好ましくは下記一般式(3−B)で表される化合物である。
以下に一般式(3−B)で表される化合物の具体例(化合物UV1〜UV23)を挙げるが、本発明は下記具体例に何ら限定されるものではない。
上述のベンゾトリアゾール系化合物(波長分散調整剤)の中でも、分子量が320以下のものを含まずにセルロースアシレートフィルムを作製した場合、保留性の点で好ましい。
また、本発明に用いられる波長分散調整剤のひとつであるベンゾフェノン系化合物としては、下記一般式(4)で表される化合物を好ましく用いることもできる。
一般式(4)中、Q1およびQ2で表される芳香族環は芳香族炭化水素環でも芳香族ヘテロ環でもよい。また、これらは単環であってもよいし、更に他の環と縮合環を形成してもよい。
前記芳香族炭化水素環としては、炭素数6〜30の単環または二環の芳香族炭化水素環(例えば、ベンゼン環、ナフタレン環などが挙げられる。)が好ましく、より好ましくは炭素数6〜20の芳香族炭化水素環であり、更に好ましくは炭素数6〜12の芳香族炭化水素環であり、特に好ましくはベンゼン環である。
前記芳香族ヘテロ環として好ましくは酸素原子、窒素原子あるいは硫黄原子のどれかひとつを少なくとも1つ含む芳香族ヘテロ環である。前記ヘテロ環の具体例としては、例えば、フラン、ピロール、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、インドール、インダゾール、プリン、チアゾリン、チアゾール、チアジアゾール、オキサゾリン、オキサゾール、オキサジアゾール、キノリン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、テトラゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、ベンゾトリアゾール、テトラザインデンなどが挙げられる。芳香族ヘテロ環として好ましくは、ピリジン、トリアジン、キノリンである。
前記芳香族炭化水素環としては、炭素数6〜30の単環または二環の芳香族炭化水素環(例えば、ベンゼン環、ナフタレン環などが挙げられる。)が好ましく、より好ましくは炭素数6〜20の芳香族炭化水素環であり、更に好ましくは炭素数6〜12の芳香族炭化水素環であり、特に好ましくはベンゼン環である。
前記芳香族ヘテロ環として好ましくは酸素原子、窒素原子あるいは硫黄原子のどれかひとつを少なくとも1つ含む芳香族ヘテロ環である。前記ヘテロ環の具体例としては、例えば、フラン、ピロール、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、インドール、インダゾール、プリン、チアゾリン、チアゾール、チアジアゾール、オキサゾリン、オキサゾール、オキサジアゾール、キノリン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、テトラゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、ベンゾトリアゾール、テトラザインデンなどが挙げられる。芳香族ヘテロ環として好ましくは、ピリジン、トリアジン、キノリンである。
一般式(4)におけるQ1およびQ2で表される芳香族環として好ましくは芳香族炭化水素環であり、より好ましくは炭素数6〜10の芳香族炭化水素環であり、更に好ましくは置換または無置換のベンゼン環である。
一般式(4)におけるQ1およびQ2は更に置換基を有してもよく、後述の置換基T1が好ましいが、置換基にカルボン酸やスルホン酸、4級アンモニウム塩を含むことはない。また、可能な場合には置換基同士が連結して環構造を形成してもよい。
一般式(4)におけるQ1およびQ2は更に置換基を有してもよく、後述の置換基T1が好ましいが、置換基にカルボン酸やスルホン酸、4級アンモニウム塩を含むことはない。また、可能な場合には置換基同士が連結して環構造を形成してもよい。
一般式(4)中、XはNR(Rは水素原子または置換基を表す。該置換基としては後述の置換基T1が適用できる。)、酸素原子または硫黄原子を表す。Xとして好ましくは、NR(Rとして好ましくはアシル基、スルホニル基であり、これらの置換基は更に置換してもよい。)、またはOであり、特に好ましくは0である。
前記置換基T1としては、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。);アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。);アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。);アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチルなどが挙げられる。);置換または未置換のアミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノなどが挙げられる。);アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシなどが挙げられる。);アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。);アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。);
アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。);アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。);アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。);アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。);アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。);アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。);スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。);スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。);
カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。);アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。);アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。);スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。);スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。);
ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。);リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。);ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子);シアノ基;スルホ基;カルボキシル基;ニトロ基;ヒドロキサム酸基;スルフィノ基;ヒドラジノ基;イミノ基;ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、ピペリジル、モルホリノ、ベンゾオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリルなどが挙げられる。);シリル基(好ましくは、炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは、炭素数3〜24であり、例えば、トリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに連結して環を形成してもよい。
前記一般式(4)で表される化合物としては、下記一般式(4−A)で表される化合物が好ましい。
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、およびR9はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、置換基としては前述の置換基T1が適用できる。またこれらの置換基は更に別の置換基によって置換されてもよく、置換基同士が縮環して環構造を形成してもよい。
R1、R3、R4、R5、R6、R8およびR9として好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換または無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくは水素原子、炭素1〜12アルキル基であり、特に好ましくは水素原子、メチル基であり、最も好ましくは水素原子である。
R2として好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換または無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数0〜20のアミノ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12アリールオキシ基、ヒドロキシ基であり、更に好ましくは炭素数1〜20のアルコキシ基であり、特に好ましくは炭素数1〜12のアルコキシ基である。
R7として好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換または無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、より好ましくは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数0〜20のアミノ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12アリールオキシ基、ヒドロキシ基であり、更に好ましくは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基(好ましくは炭素数1〜12、より好ましくは炭素数1〜8、更に好ましくはメチル基)であり、特に好ましくはメチル基、水素原子である。
一般式(4)で表される化合物としてより好ましくは、下記一般式(4−B)で表される化合物である。
一般式(4−B)中R10は、水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアルキニル基、置換または無置換のアリール基を表し、置換基としては前述の置換基Tが適用できる。
R10として好ましくは置換または無置換のアルキル基であり、より好ましくは炭素数5〜20の置換または無置換のアルキル基であり、更に好ましくは炭素数5〜12の置換または無置換のアルキル基(n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n-ドデシル基、ベンジル基、などが挙げられる。)であり、特に好ましくは、炭素数6〜12の置換または無置換のアルキル基(2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、ベンジル基)である。
R10として好ましくは置換または無置換のアルキル基であり、より好ましくは炭素数5〜20の置換または無置換のアルキル基であり、更に好ましくは炭素数5〜12の置換または無置換のアルキル基(n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n-ドデシル基、ベンジル基、などが挙げられる。)であり、特に好ましくは、炭素数6〜12の置換または無置換のアルキル基(2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、ベンジル基)である。
一般式(4)で表される化合物は特開平11−12219号公報記載の公知の方法により合成できる。
以下に一般式(4)で表される化合物の具体例(化合物UV−101〜UV−121)を挙げるが、本発明は下記具体例に何ら限定されるものではない。
以下に一般式(4)で表される化合物の具体例(化合物UV−101〜UV−121)を挙げるが、本発明は下記具体例に何ら限定されるものではない。
また本発明に用いられる波長分散調整剤のひとつであるシアノ基を含む化合物としては、一般式(5)で表される化合物が好ましく用いられる。
一般式(5)におけるQ1およびQ2で表される芳香族環は、芳香族炭化水素環でも芳香族ヘテロ環でもよい。また、これらは単環であってもよいし、更に他の環と縮合環を形成してもよい。
(微粒子)
本発明におけるセルロースアシレートフィルムには、マット剤として微粒子を加えることが好ましい。本発明に使用される微粒子としては、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成珪酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムおよびリン酸カルシウムを挙げることができる。微粒子はケイ素を含むものが、濁度が低くなる点で好ましく、特に二酸化珪素が好ましい。前記二酸化珪素の微粒子は、1次平均粒子径が20nm以下であり、かつ見かけ比重が70g/リットル以上であるものが好ましい。1次粒子の平均径が5nm〜16nmと小さいものがフィルムのヘイズを下げることができるためより好ましい。前記二酸化珪素の見かけ比重は90〜200g/リットル以上が更に好ましく、100〜200g/リットル以上が特に好ましい。見かけ比重は大きい程、高濃度の分散液を作ることが可能になり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。
本発明におけるセルロースアシレートフィルムには、マット剤として微粒子を加えることが好ましい。本発明に使用される微粒子としては、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成珪酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムおよびリン酸カルシウムを挙げることができる。微粒子はケイ素を含むものが、濁度が低くなる点で好ましく、特に二酸化珪素が好ましい。前記二酸化珪素の微粒子は、1次平均粒子径が20nm以下であり、かつ見かけ比重が70g/リットル以上であるものが好ましい。1次粒子の平均径が5nm〜16nmと小さいものがフィルムのヘイズを下げることができるためより好ましい。前記二酸化珪素の見かけ比重は90〜200g/リットル以上が更に好ましく、100〜200g/リットル以上が特に好ましい。見かけ比重は大きい程、高濃度の分散液を作ることが可能になり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。
これらの微粒子は、通常平均粒子径が0.1nm〜3.0μmの2次粒子を形成する。これらの微粒子はフィルム中で、1次粒子の凝集体として存在し、フィルム表面に0.1〜3.0μmの凹凸を形成させることができる。2次平均粒子径は0.2μm〜1.5μm以下が好ましく、0.4μm〜1.2μmがさらに好ましく、0.6μm〜1.1μmが最も好ましい。前記微粒子の1次および2次粒子径はフィルム中の粒子を走査型電子顕微鏡で観察し、粒子に外接する円の直径をもって粒径とした。また、場所を変えて粒子200個を観察し、その平均値をもって平均粒子径とした。
前記二酸化珪素の微粒子は、例えば、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上、日本アエロジル(株)製)などの市販品を使用することができる。酸化ジルコニウムの微粒子は、例えば、アエロジルR976およびR811(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
これらの中でアエロジル200V、アエロジルR972Vは、1次平均粒子径が20nm以下であり、かつ見かけ比重が70g/リットル以上である二酸化珪素の微粒子であり、光学フィルムの濁度を低く保ちながら、摩擦係数をさげる効果が大きいため特に好ましく用いることができる。
本発明において2次平均粒子径の小さな粒子を有するセルロースアシレートフィルムを得るために、微粒子の分散液を調製する際にいくつかの手法が考えられる。例えば、溶剤と微粒子とを撹拌混合した微粒子分散液をあらかじめ作製し、この微粒子分散液を別途用意した少量のセルロースアシレート溶液に加えて撹拌溶解し、さらにメインのセルロースアシレートドープ液と混合する方法がある。この方法は二酸化珪素微粒子の分散性がよく、二酸化珪素微粒子が更に再凝集しにくい点で好ましい調製方法である。ほかにも、溶剤に少量のセルロースエステルを加え、撹拌溶解した後、これに微粒子を加えて分散機で分散を行い、これを微粒子添加液とし、この微粒子添加液をインラインミキサーでドープ液と十分混合する方法も挙げられる。本発明はこれらの方法に限定されないが、二酸化珪素微粒子を溶剤などと混合して分散するときの二酸化珪素の濃度は5〜30質量%が好ましく、10〜25質量%が更に好ましく、15〜20質量%が最も好ましい。分散濃度が高い方が添加量に対する液濁度は低くなり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。最終的なセルロースアシレートのドープ溶液中でのマット剤の添加量は1m2あたり0.01〜1.0gが好ましく、0.03〜0.3gが更に好ましく、0.08〜0.16gが最も好ましい。
使用される溶剤は、低級アルコール類としては、好ましくはメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等が挙げられる。低級アルコール以外の溶媒は特に限定されないが、セルロースエステルの製膜時に用いられる溶剤を用いることが好ましい。
(可塑剤、劣化防止剤、剥離剤)
本発明におけるセルロースアシレートフィルムには、上述のレターデーション低下化合物、波長分散調整剤の他に、各調製工程において用途に応じた種々の添加剤(例えば、可塑剤、紫外線防止剤、劣化防止剤、剥離剤、赤外吸収剤、など)を加えることができ、それらは固体でもよく油状物でもよい。すなわち、これらの添加剤は、その融点や沸点において特に限定されるものではない。例えば20℃以下と20℃以上との紫外線吸収材料の混合や、同様に可塑剤の混合などであり、例えば特開2001−151901号公報などに記載されている。さらにまた、赤外吸収染料としては、例えば特開2001−194522号公報に記載されている。また添加剤を添加する時期はドープ作製工程において何れで添加してもよいが、ドープ調製工程の最後の調製工程に添加剤を添加し調製する工程を加えて行ってもよい。更にまた、各素材の添加量は機能が発現する限りにおいて特に限定されない。また、セルロースアシレートフィルムが多層で形成される場合、各層の添加物の種類や添加量が異なってもよい。これらの添加剤については、例えば特開2001−151902号公報などに記載されているが、これらは従来から知られている技術である。これらの詳細は、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて16頁〜22頁に詳細に記載されている素材が好ましく用いられる。
本発明におけるセルロースアシレートフィルムには、上述のレターデーション低下化合物、波長分散調整剤の他に、各調製工程において用途に応じた種々の添加剤(例えば、可塑剤、紫外線防止剤、劣化防止剤、剥離剤、赤外吸収剤、など)を加えることができ、それらは固体でもよく油状物でもよい。すなわち、これらの添加剤は、その融点や沸点において特に限定されるものではない。例えば20℃以下と20℃以上との紫外線吸収材料の混合や、同様に可塑剤の混合などであり、例えば特開2001−151901号公報などに記載されている。さらにまた、赤外吸収染料としては、例えば特開2001−194522号公報に記載されている。また添加剤を添加する時期はドープ作製工程において何れで添加してもよいが、ドープ調製工程の最後の調製工程に添加剤を添加し調製する工程を加えて行ってもよい。更にまた、各素材の添加量は機能が発現する限りにおいて特に限定されない。また、セルロースアシレートフィルムが多層で形成される場合、各層の添加物の種類や添加量が異なってもよい。これらの添加剤については、例えば特開2001−151902号公報などに記載されているが、これらは従来から知られている技術である。これらの詳細は、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて16頁〜22頁に詳細に記載されている素材が好ましく用いられる。
本発明に用いるセルロースアシレートフィルムにおいては、分子量が3000以下の化合物の総量は、セルロースアシレート質量に対して5〜45質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜40質量%であり、さらに好ましくは15〜30質量%である。これらの化合物としては上述したように、レターデーション低下化合物、波長分散調整剤、紫外線防止剤、可塑剤、劣化防止剤、微粒子、剥離剤、赤外吸収剤などであり、分子量としては3000以下が好ましく、2000以下がより好ましく、1000以下がさらに好ましい。これら化合物の総量が5質量%以下であると、セルロースアシレート単体の性質が出やすくなり、例えば、温度や湿度の変化に対して光学性能や物理的強度が変動しやすくなるなどの問題がある場合がある。また、これら化合物の総量が45%以上であると、セルロースアシレートフィルム中に化合物が相溶する限界を超え、フィルム表面に析出してフィルムが白濁する( フィルムからの泣き出し)などの問題が生じやすくなる場合がある。
[セルロースアシレート溶液の有機溶媒]
本発明では、ソルベントキャスト法によりセルロースアシレートフィルムを製造することが好ましく、セルロースアシレートを有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフィルムを製造することが好ましい。セルロースアシレートを溶解する有機溶媒の主溶媒として好ましくは、炭素原子数が3〜12のエステル、ケトン、エーテル、および炭素原子数が1〜7のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶媒が好ましい。エステル、ケトンおよび、エーテルは、環状構造を有していてもよい。エステル、ケトンおよびエーテルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを二つ以上有する化合物も、前記主溶媒として用いることができ、例えばアルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。二種類以上の官能基を有する主溶媒の場合、その炭素原子数はいずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。
本発明では、ソルベントキャスト法によりセルロースアシレートフィルムを製造することが好ましく、セルロースアシレートを有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフィルムを製造することが好ましい。セルロースアシレートを溶解する有機溶媒の主溶媒として好ましくは、炭素原子数が3〜12のエステル、ケトン、エーテル、および炭素原子数が1〜7のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶媒が好ましい。エステル、ケトンおよび、エーテルは、環状構造を有していてもよい。エステル、ケトンおよびエーテルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを二つ以上有する化合物も、前記主溶媒として用いることができ、例えばアルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。二種類以上の官能基を有する主溶媒の場合、その炭素原子数はいずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。
以上本発明におけるセルロースアシレートフィルムに対しては塩素系のハロゲン化炭化水素を主溶媒としてもよいし、発明協会公開技報2001−1745(12頁〜16頁)に記載されているように、非塩素系溶媒を主溶媒としてもよく、本発明におけるセルロースアシレートフィルムに対しては特に限定されるものではない。
その他、本発明に用いられるセルロースアシレート溶液およびフィルムについての溶媒は、その溶解方法も含め以下の文献に開示されており、好ましい態様も同様である。それらは、例えば、特開2000−95876号公報、特開平12−95877号公報、特開平10−324774号公報、特開平8−152514、特開平10−330538号公報、特開平9−95538号公報、特開平9−95557号公報、特開平10−235664号公報、特開平12−63534、特開平11−21379号公報、特開平10−182853号公報、特開平10−278056号公報、特開平10−279702号公報、特開平10−323853号公報、特開平10−237186号公報、特開平11−60807号公報、特開平11−152342号公報、特開平11−292988号公報、特開平11−60752号公報、特開平11−60752号公報などに記載されている。これらの文献によると本発明におけるセルロースアシレートに好ましい溶媒だけでなく、その溶液物性や共存させる共存物質についても記載があり、本発明においても好ましい態様である。
[セルロースアシレートフィルムの製造工程]
(溶解工程)
本発明におけるセルロースアシレート溶液(ドープ)の調製は、その溶解方法は特に限定されず、室温でもよくさらには冷却溶解法あるいは高温溶解方法、さらにはこれらの組み合わせで実施される。本発明におけるセルロースアシレート溶液の調製、さらには溶解工程に伴う溶液濃縮、ろ過の各工程に関しては、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて22頁〜25頁に詳細に記載されている製造工程が好ましく用いられる。
(溶解工程)
本発明におけるセルロースアシレート溶液(ドープ)の調製は、その溶解方法は特に限定されず、室温でもよくさらには冷却溶解法あるいは高温溶解方法、さらにはこれらの組み合わせで実施される。本発明におけるセルロースアシレート溶液の調製、さらには溶解工程に伴う溶液濃縮、ろ過の各工程に関しては、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて22頁〜25頁に詳細に記載されている製造工程が好ましく用いられる。
(流延、乾燥、巻き取り工程)
次に、本発明におけるセルロースアシレート溶液を用いたフィルムの製造方法について述べる。本発明におけるセルロースアシレートフィルムを製造する方法および設備は、従来セルローストリアセテートフィルム製造に供する溶液流延製膜方法および溶液流延製膜装置を用いることができる。溶解機(釜)から調製されたドープ(セルロースアシレート溶液)を貯蔵釜で一旦貯蔵し、ドープに含まれている泡を脱泡して最終調製をする。ドープをドープ排出口から、例えば回転数によって高精度に定量送液できる加圧型定量ギヤポンプを通して加圧型ダイに送り、ドープを加圧型ダイの口金(スリット)からエンドレスに走行している流延部の金属支持体の上に均一に流延され、金属支持体がほぼ一周した剥離点で、生乾きのドープ膜(ウェブとも呼ぶ)を金属支持体から剥離する。得られるウェブの両端をクリップで挟み、幅保持しながらテンターで搬送して乾燥し、続いて得られたフィルムを乾燥装置のロール群で機械的に搬送し乾燥を終了して巻き取り機でロール状に所定の長さに巻き取る。テンターとロール群の乾燥装置との組み合わせはその目的により変わる。本発明におけるセルロースアシレートフィルムの主な用途である、電子ディスプレイ用の光学部材である機能性保護膜やハロゲン化銀写真感光材料に用いる溶液流延製膜方法においては、溶液流延製膜装置の他に、下引層、帯電防止層、ハレーション防止層、保護層等のフィルムへの表面加工のために、塗布装置が付加されることが多い。これらについては、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて25頁〜30頁に詳細に記載されており、流延(共流延を含む)、金属支持体、乾燥、剥離などに分類され、本発明において好ましく用いることができる。
また、セルロースアシレートフィルムの厚さは10〜120μmが好ましく、20〜100μmがより好ましく、30〜90μmがさらに好ましい。
次に、本発明におけるセルロースアシレート溶液を用いたフィルムの製造方法について述べる。本発明におけるセルロースアシレートフィルムを製造する方法および設備は、従来セルローストリアセテートフィルム製造に供する溶液流延製膜方法および溶液流延製膜装置を用いることができる。溶解機(釜)から調製されたドープ(セルロースアシレート溶液)を貯蔵釜で一旦貯蔵し、ドープに含まれている泡を脱泡して最終調製をする。ドープをドープ排出口から、例えば回転数によって高精度に定量送液できる加圧型定量ギヤポンプを通して加圧型ダイに送り、ドープを加圧型ダイの口金(スリット)からエンドレスに走行している流延部の金属支持体の上に均一に流延され、金属支持体がほぼ一周した剥離点で、生乾きのドープ膜(ウェブとも呼ぶ)を金属支持体から剥離する。得られるウェブの両端をクリップで挟み、幅保持しながらテンターで搬送して乾燥し、続いて得られたフィルムを乾燥装置のロール群で機械的に搬送し乾燥を終了して巻き取り機でロール状に所定の長さに巻き取る。テンターとロール群の乾燥装置との組み合わせはその目的により変わる。本発明におけるセルロースアシレートフィルムの主な用途である、電子ディスプレイ用の光学部材である機能性保護膜やハロゲン化銀写真感光材料に用いる溶液流延製膜方法においては、溶液流延製膜装置の他に、下引層、帯電防止層、ハレーション防止層、保護層等のフィルムへの表面加工のために、塗布装置が付加されることが多い。これらについては、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて25頁〜30頁に詳細に記載されており、流延(共流延を含む)、金属支持体、乾燥、剥離などに分類され、本発明において好ましく用いることができる。
また、セルロースアシレートフィルムの厚さは10〜120μmが好ましく、20〜100μmがより好ましく、30〜90μmがさらに好ましい。
[セルロースアシレートフィルムの評価方法]
本発明におけるセルロースアシレートフィルムは以下の方法により評価した。
本発明におけるセルロースアシレートフィルムは以下の方法により評価した。
(面内のレターデーションRe(λ)、膜厚方向のレターデーションRth(λ))
試料30mm×40mmを、25℃、相対湿度60%で2時間調湿し、Re(λ)は自動複屈折計「KOBRA 21ADH」(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定した。また、Rth(λ)は前記Re(λ)と、面内の遅相軸を傾斜軸としてフィルム法線方向とを0°としてサンプルを10°ごとに50°まで傾斜させて波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値に基づき、平均屈折率の仮定値1.48および膜厚を入力して算出した。
試料30mm×40mmを、25℃、相対湿度60%で2時間調湿し、Re(λ)は自動複屈折計「KOBRA 21ADH」(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定した。また、Rth(λ)は前記Re(λ)と、面内の遅相軸を傾斜軸としてフィルム法線方向とを0°としてサンプルを10°ごとに50°まで傾斜させて波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値に基づき、平均屈折率の仮定値1.48および膜厚を入力して算出した。
(Re(λ)、Rth(λ)の波長分散測定)
試料30mm×40mmを、25℃、相対湿度60%で2時間調湿し、エリプソメーター「M−150」(日本分光(株)製)において波長780nm〜380nmの光をフィルム法線方向に入射させることにより各波長でのRe(λ)をもとめ、Re(λ)の波長分散を測定した。また、Rth(λ)の波長分散については、前記Re(λ)、面内の遅相軸を傾斜軸としてフィルム法線方向に対して+40°傾斜した方向から780nm〜380nmの波長の光を入射させて測定したレターデーション値、および面内の遅相軸を傾斜軸としてフィルム法線方向に対して−40°傾斜した方向から波長780〜380nmの光を入射させて測定したレターデーション値の計3つの方向で測定したレターデーション値を基に、平均屈折率の仮定値1.48および膜厚を入力して算出した。
試料30mm×40mmを、25℃、相対湿度60%で2時間調湿し、エリプソメーター「M−150」(日本分光(株)製)において波長780nm〜380nmの光をフィルム法線方向に入射させることにより各波長でのRe(λ)をもとめ、Re(λ)の波長分散を測定した。また、Rth(λ)の波長分散については、前記Re(λ)、面内の遅相軸を傾斜軸としてフィルム法線方向に対して+40°傾斜した方向から780nm〜380nmの波長の光を入射させて測定したレターデーション値、および面内の遅相軸を傾斜軸としてフィルム法線方向に対して−40°傾斜した方向から波長780〜380nmの光を入射させて測定したレターデーション値の計3つの方向で測定したレターデーション値を基に、平均屈折率の仮定値1.48および膜厚を入力して算出した。
[表面処理]
セルロースアシレートフィルムは、場合により表面処理を施し、セルロースアシレートフィルムと各機能層(例えば、下塗層およびバック層)との接着性を向上させることができる。前記表面処理としては、例えばグロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理、酸またはアルカリ処理を用いることができる。ここでいう「グロー放電処理」とは、プラズマ励起性気体存在下でフィルム表面にプラズマ処理を施す処理である。
前記グロー放電処理は、10-3〜20Torr(0.13〜2700Pa)の低圧ガス下でおこる低温プラズマ処理を含む。また、大気圧下でのプラズマ処理も好ましいグロー放電処理である。前記プラズマ励起性気体とは前記のような条件においてプラズマ励起される気体をいい、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、窒素、二酸化炭素、テトラフルオロメタンの様なフロン類およびそれらの混合物などが挙げられる。これらについては、詳細が発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて30頁〜32頁に詳細に記載されており、本発明において好ましく用いることができる。
セルロースアシレートフィルムは、場合により表面処理を施し、セルロースアシレートフィルムと各機能層(例えば、下塗層およびバック層)との接着性を向上させることができる。前記表面処理としては、例えばグロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理、酸またはアルカリ処理を用いることができる。ここでいう「グロー放電処理」とは、プラズマ励起性気体存在下でフィルム表面にプラズマ処理を施す処理である。
前記グロー放電処理は、10-3〜20Torr(0.13〜2700Pa)の低圧ガス下でおこる低温プラズマ処理を含む。また、大気圧下でのプラズマ処理も好ましいグロー放電処理である。前記プラズマ励起性気体とは前記のような条件においてプラズマ励起される気体をいい、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、窒素、二酸化炭素、テトラフルオロメタンの様なフロン類およびそれらの混合物などが挙げられる。これらについては、詳細が発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて30頁〜32頁に詳細に記載されており、本発明において好ましく用いることができる。
[鹸化処理によるフィルム表面の接触角]
本発明におけるセルロースアシレートフィルムを偏光板の透明保護フィルムとして用いる際の表面処理の有効な手段の1つとしてアルカリ鹸化処理が上げられる。この場合、アルカリ鹸化処理後のフィルム表面の接触角が55°以下であることが好ましい。より好ましくは50°以下であり、45°以下であることがさらに好ましい。接触角の評価法はアルカリ鹸化処理後のフィルム表面に直径3mmの水滴を落とし、フィルム表面と水滴のなす角をもとめる通常の手法によって親疎水性の評価として用いることができる。
本発明におけるセルロースアシレートフィルムを偏光板の透明保護フィルムとして用いる際の表面処理の有効な手段の1つとしてアルカリ鹸化処理が上げられる。この場合、アルカリ鹸化処理後のフィルム表面の接触角が55°以下であることが好ましい。より好ましくは50°以下であり、45°以下であることがさらに好ましい。接触角の評価法はアルカリ鹸化処理後のフィルム表面に直径3mmの水滴を落とし、フィルム表面と水滴のなす角をもとめる通常の手法によって親疎水性の評価として用いることができる。
〔光学異方性層〕
次に、本発明の位相差フィルムにおいて透明フィルム上に形成される光学異方性層について説明する。光学異方性層はねじれネマチック配向した液晶化合物からなり、該捩れネマチック配向した液晶化合物としては、コレステリック液晶相を示す液晶が好ましく用いられる。捩れネマチック配向した液晶化合物として特に好ましくは側鎖型液晶オリゴマーが用いられる。
次に、本発明の位相差フィルムにおいて透明フィルム上に形成される光学異方性層について説明する。光学異方性層はねじれネマチック配向した液晶化合物からなり、該捩れネマチック配向した液晶化合物としては、コレステリック液晶相を示す液晶が好ましく用いられる。捩れネマチック配向した液晶化合物として特に好ましくは側鎖型液晶オリゴマーが用いられる。
−液晶オリゴマー(A)−
本発明における光学異方性層に用いられる液晶化合物としては、下記反復単位(I)および(II)を主たる構成単位として有する直鎖または環状の液晶オリゴマー(A)であることが好ましい。前記液晶オリゴマー(A)は側鎖型液晶オリゴマーである。
本発明における光学異方性層に用いられる液晶化合物としては、下記反復単位(I)および(II)を主たる構成単位として有する直鎖または環状の液晶オリゴマー(A)であることが好ましい。前記液晶オリゴマー(A)は側鎖型液晶オリゴマーである。
前記反復単位(I)および(II)中、Aは下記連結基(III)または(IV)を表す。下記連結基(III)における−Si−O−は前記反復単位(I)または(II)の主鎖である。また、下記連結基(IV)における−C−CH2 −は前記反復単位(I)または(II)の主鎖であり、COO基は側鎖のR1またはR2以外の側鎖に位置する。
反復単位(I)および(II)においては、前記反復単位(I)および(II)におけるAが連結基(III)の場合、R1およびR2はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基を表す。また、前記反復単位(I)および(II)におけるAが連結基(IV)の場合、R1およびR2はそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。
前記反復単位(I)および(II)中、kおよびk'は、それぞれ独立に2〜10の整数を表し、mおよびm'は、それぞれ独立に0または1を表す。Ar1、Ar2およびAr3は、それぞれ独立に、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2、5−ジイル基であり、L'は−CH2 −O−、−O−CH2 −、−COO−、−OCO−、−CH2 −CH2 −、−CH=N−、−N=CH−または下記連結基(A)を表す。p'は、0または1を表し、Rは光学活性基を表し、R'は水素または炭素数1〜5のアルキル基を表す。
前記液晶オリゴマー(A)の骨格鎖としては、上述のようにポリ−1−アルキルアクリル酸エステル、ポリシロキサンなどが例示され、直鎖あるいは環状のものが利用できるが、液晶オリゴマーの化学的安定性の観点から、環状の構造が好ましい。ポリ−1−アルキルアクリル酸エステルではポリメタクリル酸エステルまたはポリアクリル酸エステルが好ましく、より好ましくはポリメタクリル酸エステルである。これらの中で、ポリシロキサン系の側鎖型液晶オリゴマーが好ましい。液晶性を与える基(以下、メソゲン基ということがある。)は屈曲鎖(以下、スペーサーということがある。)を介して、主鎖と結合したものが一般的に使用できる。
前記液晶オリゴマー(A)における液晶状態を示す上限の温度について特に制限はないが、基材との積層時の乾燥や配向処理のために、液晶相から等方相への転移温度(以下、「液晶相/等方相の転移温度」と称する場合がある。)が好ましくは200℃以下になるように、さらに好ましくは170℃以下となるように、特に好ましくは150℃以下となるようにスペーサーの長さやメソゲン基の種類、重合度を選択することが好ましい。これら液晶オリゴマーの結晶相またはガラス相と液晶相との転移温度については特に制限はなく、室温以下の転移温度でも使用できる。
前記反復単位(I)における「R」は液晶オリゴマーのコレステリック相の発現に寄与することから、光学活性基であることが必須であり、コレステリック相の安定化の観点から、下記結合基(VII)または(VIII)を有することが好ましい。
(式中、R4は、水素原子またはメチル基を表す。R5 は水素原子またはR6を表す。R6は、直鎖または分岐を有する炭素数1〜20のアルキル基または直鎖または分岐を有する炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基を表す。R6が分岐している場合は不斉炭素を有していてもよい。)
前記液晶オリゴマー(A)の1分子中の前記反復単位(I)および(II)の数をそれぞれnおよびn'とした場合、nおよびn'はそれぞれ独立して1〜20の整数であり、かつ、4≦n+n'≦21であり、更に、n:n'の比は20:1〜1:20であり、前記液晶オリゴマー(A)の反復単位(II)の末端基が重合していることが好ましい。
反復単位(II)における末端基は、液晶オリゴマーの配向を重合により固定する基である。反復単位(II)は、重合基として−OCO−C(R')=CH2 (R'は水素あるいは炭素数1〜5のアルキル基を表す)を有し、該重合基としては、アクリレート基、メタアクリレート基が例示される。これらの基の重合方法については特に制限はないが、ラジカル開始剤による光重合や熱重合が例示され、操作の簡便さや配向の固定の効率の観点から、光重合が好ましい。光重合の開始剤としては公知のものが利用できる。
本発明の位相差フィルムにおいては、可視光の選択反射によるフィルムの着色を避けるために、光学異方性層に含まれる液晶組成物のコレステリック相螺旋ピッチ長を0.3μm以下または0.8μm以上に調整する必要がある。液晶組成物のコレステリック相螺旋ピッチ長は、液晶オリゴマー(A)のメソゲンの構造によっても、反複単位(I)および(II)の比率を変化することによっても制御できる。
前記液晶オリゴマー(A)の合成方法としては特公昭63−41400号公報や特公昭63−47759号公報や特開平2−149544号公報に記載の方法が採用できる。例えばポリシロキサン鎖に該側鎖のメソゲン基を付加させる方法やメソゲン基を屈曲性のスペーサー基を介して有するアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルを重合する方法が例示されている。
−液晶オリゴマー(B)−
前記液晶組成物の螺旋ピッチ長を制御する別の方法としては、液晶オリゴマー(A)に、他の液晶オリゴマーや低分子化合物を混合する方法が挙げられる。オリゴマー(A)に他の液晶オリゴマーを混合する場合、該他の液晶オリゴマーとしては、前記液晶オリゴマー(A)以外の下記反復単位(V)および(VI)を主たる構成単位とするとする液晶オリゴマー(B)が挙げられる。
前記液晶組成物の螺旋ピッチ長を制御する別の方法としては、液晶オリゴマー(A)に、他の液晶オリゴマーや低分子化合物を混合する方法が挙げられる。オリゴマー(A)に他の液晶オリゴマーを混合する場合、該他の液晶オリゴマーとしては、前記液晶オリゴマー(A)以外の下記反復単位(V)および(VI)を主たる構成単位とするとする液晶オリゴマー(B)が挙げられる。
前記反復単位(V)および(VI)中、A、R1、R2、k'、m'、p'、L'、Ar2、Ar3およびR’は前記反復単位(I)および(II)におけるものと同義である。k''は2〜10の整数を表し、m''は0または1を表す。Ar4およびAr5は、それぞれ独立して、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基であり、L''は−CH2 −O−、−O−CH2 −、−COO−、−OCO−、−CH2 −CH2 −、−CH=N−、−N=CH−または前記結合基(A)を表す。p''は0または1を表し、R''はハロゲン、シアノ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基、または、炭素数1〜10のアルキル基もしくは炭素数1〜10のアルコキシ基を有するベンゾイルオキシ基を表す。
反復単位(VI)における末端基は液晶オリゴマーの配向を重合により固定する基である。重合基は上述のように、−OCO−C(R')=CH2 (R'は水素または炭素数1〜5のアルキル基を表す)であり、例えば、アクリレート基、メタクリレート基が例示される。これらの基の重合方法には特に制限はないが、ラジカル開始剤による光重合や熱重合が例示され、操作の簡便さや配向固定の効率の観点から、光重合が好ましい。光重合の開始剤としては公知のものが利用できる。
前記液晶オリゴマー(B)の1分子中の前記反復単位(V)および(VI)の数をそれぞれn''およびn''' とした場合、n''およびn''' はそれぞれ独立して0〜20の整数であり、かつ、4≦n''+n''' ≦21であり、前記液晶オリゴマー(A)の反復単位(II)の末端基および/または前記液晶オリゴマー(B)の反復単位(VI)の末端基が重合していることが好ましい。
液晶オリゴマー(B)の合成方法としては液晶オリゴマー(A)と同様の方法が採用できる。このようにして得られる液晶オリゴマー(B)はネマチック相を示すのものが好ましい。また、液晶オリゴマー(A)、または液晶オリゴマー(A)と(B)との混合物に低分子化合物を混合してコレステリック相螺旋ピッチ長を制御する場合、光学異方体フィルムの製造において液晶組成物を配向後重合させるため、重合後の相溶性が重要である。このため、用いる低分子化合物は重合性基を有しているものが好ましい。
−重合性基を有する低分子化合物−
また、光学異方性層には、前記液晶オリゴマーと共に重合性基を有する低分子化合物を添加することができる。前記重合性基を有する低分子化合物の構造としては、均一に混合するために、液晶相を示すものが好ましい。前記重合性基を有する低分子化合物としては、以下のような化合物が例示されるが、これらは本発明に用いることができる低分子化合物を限定するものではない。
また、光学異方性層には、前記液晶オリゴマーと共に重合性基を有する低分子化合物を添加することができる。前記重合性基を有する低分子化合物の構造としては、均一に混合するために、液晶相を示すものが好ましい。前記重合性基を有する低分子化合物としては、以下のような化合物が例示されるが、これらは本発明に用いることができる低分子化合物を限定するものではない。
また、前記重合性基を有する低分子化合物の添加量は、液晶組成物の0〜50質量%が好ましく、より好ましくは0〜40%である。前記重合性基を有する低分子化合物の添加量が50%を超えると、成膜性や配向の安定性が損なわれる可能性がある。
具体的な合性基を有する低分子化合物としては、例えば、特開平8−152518号公報に記載の化合物が好適に用いられる。
具体的な合性基を有する低分子化合物としては、例えば、特開平8−152518号公報に記載の化合物が好適に用いられる。
本発明においては、前記光学異方性層が、前記液晶オリゴマー(A)と、重合性基を有する低分子化合物と、をそれぞれ1種類以上含有し、前記晶オリゴマー(A)の反復単位(II)の末端基および/または前記重合性基を有する低分子化合物が重合していることが好ましい態様の一つである。
また、本発明としては、前記光学異方性層が、前記液晶オリゴマー(A)と、重合性基を有する低分子化合物と、前記液晶オリゴマー(B)と、をそれぞれ1種類以上含有し、前記液晶オリゴマー(A)の反復単位(II)の末端基、前記液晶オリゴマー(B)の反復単位(VI)の末端基、および、重合性基を有する低分子化合物の少なくとも1つが重合していることも好ましい。
前記液晶化合物は、前記透明フィルム上に前記光学異方性層を形成し、ねじれネマチック配向の螺旋軸を前記透明フィルムの法線方向に略平行に配向した後、前記液晶化合物を重合させることが好ましい。
(光学異方性層の形成)
本発明の位相差フィルムに設ける光学異方性層の液晶はねじれネマティック配向した際の螺旋軸が透明フィルムの法線方向と平行になるように配向させることが好ましい。配向制御の方法は特に制限は無く、例えばラビング法や磁場や電場などの外場による方法、光配向法など既知の方法を用いることができるが、ラビング法が特に好ましく用いられる。ラビング法を用いる場合にはセルロースアシレートフィルム上に配向膜を設けることが好ましい。
この際、前記液晶化合物の螺旋ピッチをP(μm)および前記光学異方性層の厚みをd(μm)とした場合、P≦d/3かつ0.3≦P≦0.8であることが好ましい。前記Pおよびdが前記の関係を満足すると、可視光の選択反射によるフィルムの着色を防ぐことができる。
本発明の位相差フィルムに設ける光学異方性層の液晶はねじれネマティック配向した際の螺旋軸が透明フィルムの法線方向と平行になるように配向させることが好ましい。配向制御の方法は特に制限は無く、例えばラビング法や磁場や電場などの外場による方法、光配向法など既知の方法を用いることができるが、ラビング法が特に好ましく用いられる。ラビング法を用いる場合にはセルロースアシレートフィルム上に配向膜を設けることが好ましい。
この際、前記液晶化合物の螺旋ピッチをP(μm)および前記光学異方性層の厚みをd(μm)とした場合、P≦d/3かつ0.3≦P≦0.8であることが好ましい。前記Pおよびdが前記の関係を満足すると、可視光の選択反射によるフィルムの着色を防ぐことができる。
光学異方性層を形成する方法は特に制限は無いが、例えば液晶を溶媒に溶解させて適当な粘度に調整した後、フィルム上に塗布し、加熱により液晶相を示す温度として充分な時間を保持して配向させ、紫外線を照射して末端基を重合させて配向状態を固定した後、冷却する方法が用いられる。以下に詳細に説明する。
−液晶塗布液−
塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラクロロエタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライドおよびケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。塗布液の塗布は、公知の方法(例、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。
塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラクロロエタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライドおよびケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。塗布液の塗布は、公知の方法(例、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。
−配向膜−
配向膜は、前記液晶性化合物の配向方向を規定する機能を有する。配向膜は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、あるいはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で、設けることができる。さらに、電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。配向膜は、ポリマーのラビング処理により形成することが好ましい。
配向膜は、前記液晶性化合物の配向方向を規定する機能を有する。配向膜は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、あるいはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で、設けることができる。さらに、電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。配向膜は、ポリマーのラビング処理により形成することが好ましい。
前記配向膜は、ポリマーのラビング処理により形成することが好ましい。ポリビニルアルコールが、好ましいポリマーである。疎水性基が結合している変性ポリビニルアルコールが特に好ましい。好ましい配向膜については国際公開WO01/88574号パンプレットの43頁24行〜49頁8行に記載がある。
−ラビング処理−
前記ラビング処理は、LCDの液晶配向処理工程として広く採用されている処理方法を利用することができる。即ち、配向膜の表面を、紙やガーゼ、フェルト、ゴムあるいはナイロン、ポリエステル繊維などを用いて一定方向に擦ることにより配向を得る方法を用いることができる。一般的には、長さおよび太さが均一な繊維を平均的に植毛した布などを用いて数回程度ラビングを行うことにより実施される。
前記ラビング処理は、LCDの液晶配向処理工程として広く採用されている処理方法を利用することができる。即ち、配向膜の表面を、紙やガーゼ、フェルト、ゴムあるいはナイロン、ポリエステル繊維などを用いて一定方向に擦ることにより配向を得る方法を用いることができる。一般的には、長さおよび太さが均一な繊維を平均的に植毛した布などを用いて数回程度ラビングを行うことにより実施される。
−液晶性化合物の配向状態の固定−
配向させた液晶化合物を、配向状態を維持して固定することができる。固定化は、重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。 光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含まれる。光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%の範囲にあることが好ましく、0.5〜5質量%の範囲にあることがさらに好ましい。液晶性化合物の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2 〜50J/cm2 の範囲にあることが好ましく、20〜5000mJ/cm2 の範囲にあることがより好ましく、100〜800mJ/cm2 の範囲にあることがさらに好ましい。また、光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。以上のように、セルロースアシレートフィルム上に光学異方性層を設けることにより本発明の位相差フィルムを作製することができる。
配向させた液晶化合物を、配向状態を維持して固定することができる。固定化は、重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。 光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含まれる。光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%の範囲にあることが好ましく、0.5〜5質量%の範囲にあることがさらに好ましい。液晶性化合物の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2 〜50J/cm2 の範囲にあることが好ましく、20〜5000mJ/cm2 の範囲にあることがより好ましく、100〜800mJ/cm2 の範囲にあることがさらに好ましい。また、光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。以上のように、セルロースアシレートフィルム上に光学異方性層を設けることにより本発明の位相差フィルムを作製することができる。
[偏光板]
本発明の位相差フィルムおよび本発明におけるセルロースアシレートフィルムの用途について説明する。
本発明の位相差フィルムは特に透明保護フィルム用として有用である。例えば、本発明の偏光板は、透明保護フィルムと偏光子と本発明の位相差フィルムとをこの順に積層することで構成することができる。本発明の位相差フィルムを透明保護フィルムとして用いる場合、偏光板の作製方法は特に限定されず、一般的な方法で作製することができる。得られたセルロースアシレートフィルムをアルカリ処理し、ポリビニルアルコールフィルムを沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の両面に完全ケン化ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法がある。アルカリ処理の代わりに特開平6−94915号、特開平6−118232号各公報に記載されているような易接着加工を施してもよい。
本発明の位相差フィルムおよび本発明におけるセルロースアシレートフィルムの用途について説明する。
本発明の位相差フィルムは特に透明保護フィルム用として有用である。例えば、本発明の偏光板は、透明保護フィルムと偏光子と本発明の位相差フィルムとをこの順に積層することで構成することができる。本発明の位相差フィルムを透明保護フィルムとして用いる場合、偏光板の作製方法は特に限定されず、一般的な方法で作製することができる。得られたセルロースアシレートフィルムをアルカリ処理し、ポリビニルアルコールフィルムを沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の両面に完全ケン化ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法がある。アルカリ処理の代わりに特開平6−94915号、特開平6−118232号各公報に記載されているような易接着加工を施してもよい。
透明保護フィルム処理面と偏光子とを貼り合わせるのに使用される接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアルコール系接着剤や、ブチルアクリレート等のビニル系ラテックス等が挙げられる。
偏光板は偏光子およびその両面を保護する透明保護フィルム(少なくとも1方は本発明の位相差フィルム)で構成されており、更に該偏光板の一方の面にプロテクトフィルムを、反対面にセパレートフィルムを貼合して構成される。プロテクトフィルムおよびセパレートフィルムは偏光板出荷時、製品検査時等において偏光板を保護する目的で用いられる。この場合、プロテクトフィルムは、偏光板の表面を保護する目的で貼合され、偏光板を液晶板へ貼合する面の反対面側に用いられる。また、セパレートフィルムは液晶板へ貼合する接着層をカバーする目的で用いられ、偏光板を液晶板へ貼合する面側に用いられる。
液晶表示装置には通常2枚の偏光板の間に液晶を含む基板が配置されているが、本発明の位相差フィルムを適用した偏光板保護フィルムはどの部位に配置しても優れた表示性が得られる。特に液晶表示装置の表示側最表面(透明フィルムの変更しが積層される側とは反対側の表面)の偏光板保護フィルムには(透明)ハードコート層、防眩層、反射防止層、帯電防止層および防汚層の少なくとも1層が設けられることが好ましい。
偏光板は偏光子およびその両面を保護する透明保護フィルム(少なくとも1方は本発明の位相差フィルム)で構成されており、更に該偏光板の一方の面にプロテクトフィルムを、反対面にセパレートフィルムを貼合して構成される。プロテクトフィルムおよびセパレートフィルムは偏光板出荷時、製品検査時等において偏光板を保護する目的で用いられる。この場合、プロテクトフィルムは、偏光板の表面を保護する目的で貼合され、偏光板を液晶板へ貼合する面の反対面側に用いられる。また、セパレートフィルムは液晶板へ貼合する接着層をカバーする目的で用いられ、偏光板を液晶板へ貼合する面側に用いられる。
液晶表示装置には通常2枚の偏光板の間に液晶を含む基板が配置されているが、本発明の位相差フィルムを適用した偏光板保護フィルムはどの部位に配置しても優れた表示性が得られる。特に液晶表示装置の表示側最表面(透明フィルムの変更しが積層される側とは反対側の表面)の偏光板保護フィルムには(透明)ハードコート層、防眩層、反射防止層、帯電防止層および防汚層の少なくとも1層が設けられることが好ましい。
(液晶表示装置の構成)
通常、セルロースアシレートフィルムを光学補償フィルムとして用いる場合は、偏光素子の透過軸と、セルロースアシレートフィルムからなる光学補償フィルムの遅相軸とをどのような角度で配置しても構わない。液晶表示装置は、二枚の電極基板の間に液晶を担持してなる液晶セル、その両側に配置された二枚の偏光素子、および該液晶セルと該偏光素子との間に少なくとも一枚の光学補償フィルムを配置した構成を有している。
液晶セルの液晶層は、通常は、二枚の基板の間にスペーサーを挟み込んで形成した空間に液晶を封入して形成する。透明電極層は、導電性物質を含む透明な膜として基板上に形成する。液晶セルには、さらにガスバリアー層、ハードコート層あるいは(透明電極層の接着に用いる)アンダーコート層(下塗り層)を設けてもよい。これらの層は、通常、基板上に設けられる。液晶セルの基板は、一般に50μm〜2mmの厚さを有する。
通常、セルロースアシレートフィルムを光学補償フィルムとして用いる場合は、偏光素子の透過軸と、セルロースアシレートフィルムからなる光学補償フィルムの遅相軸とをどのような角度で配置しても構わない。液晶表示装置は、二枚の電極基板の間に液晶を担持してなる液晶セル、その両側に配置された二枚の偏光素子、および該液晶セルと該偏光素子との間に少なくとも一枚の光学補償フィルムを配置した構成を有している。
液晶セルの液晶層は、通常は、二枚の基板の間にスペーサーを挟み込んで形成した空間に液晶を封入して形成する。透明電極層は、導電性物質を含む透明な膜として基板上に形成する。液晶セルには、さらにガスバリアー層、ハードコート層あるいは(透明電極層の接着に用いる)アンダーコート層(下塗り層)を設けてもよい。これらの層は、通常、基板上に設けられる。液晶セルの基板は、一般に50μm〜2mmの厚さを有する。
本発明の液晶表示装置は、電極を有する基板に挟持された液晶層からなる液晶セルの少なくとも一方に、本発明の位相差フィルムを用いた偏光板を、フィルムの光学異方性層が液晶セル側になるように配置することで構成することができる。
また、本発明の液晶表示装置における液晶層は、電圧無印加時に前記基板に対して略垂直に配向することが好ましい。また、本発明の液晶表示装置としては、電圧無印加時に基板に対して略垂直に配向した液晶層を含む液晶セルを有し、前記液晶セルの一方の側に位相差フィルムの光学異方性層が位置するように本発明の偏光板が配置され、且つ、前記液晶セルの他方の側に少なくとも1枚の光学的に正の一軸性を有する位相差板および偏光板が配置されることが好ましい。
更に、前記光学的に正の一軸性を有する位相差板と隣接した前記偏光板の保護フィルムとして、本発明の位相差フィルムを用いることも好ましい。
また、本発明の液晶表示装置における液晶層は、電圧無印加時に前記基板に対して略垂直に配向することが好ましい。また、本発明の液晶表示装置としては、電圧無印加時に基板に対して略垂直に配向した液晶層を含む液晶セルを有し、前記液晶セルの一方の側に位相差フィルムの光学異方性層が位置するように本発明の偏光板が配置され、且つ、前記液晶セルの他方の側に少なくとも1枚の光学的に正の一軸性を有する位相差板および偏光板が配置されることが好ましい。
更に、前記光学的に正の一軸性を有する位相差板と隣接した前記偏光板の保護フィルムとして、本発明の位相差フィルムを用いることも好ましい。
(液晶表示装置の種類)
本発明の位相差フィルムは、様々な表示モードの液晶セルに用いることができる。TN(Twisted Nematic)、IPS(In-Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti-ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、およびHAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モードが提案されている。また、前記表示モードを配向分割した表示モードも提案されている。本発明の位相差フィルムは、いずれの表示モードの液晶表示装置においても有効である。また、透過型、反射型、半透過型のいずれの液晶表示装置においても有効である。
本発明の位相差フィルムは、様々な表示モードの液晶セルに用いることができる。TN(Twisted Nematic)、IPS(In-Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti-ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、およびHAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モードが提案されている。また、前記表示モードを配向分割した表示モードも提案されている。本発明の位相差フィルムは、いずれの表示モードの液晶表示装置においても有効である。また、透過型、反射型、半透過型のいずれの液晶表示装置においても有効である。
(TN型液晶表示装置)
本発明の位相差フィルムを、TNモードの液晶セルを有するTN型液晶表示装置の光学補償シートとして用いることができる。TNモードの液晶セルとTN型液晶表示装置については、古くからよく知られている。TN型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、特開平3−9325号、特開平6−148429号、特開平8−50206号、特開平9−26572号の各公報に記載がある。また、モリ(Mori)他の論文(Jpn. J. Appl. Phys. Vol.36(1997)p.143や、Jpn. J. Appl. Phys. Vol.36(1997)p.1068)に記載がある。
本発明の位相差フィルムを、TNモードの液晶セルを有するTN型液晶表示装置の光学補償シートとして用いることができる。TNモードの液晶セルとTN型液晶表示装置については、古くからよく知られている。TN型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、特開平3−9325号、特開平6−148429号、特開平8−50206号、特開平9−26572号の各公報に記載がある。また、モリ(Mori)他の論文(Jpn. J. Appl. Phys. Vol.36(1997)p.143や、Jpn. J. Appl. Phys. Vol.36(1997)p.1068)に記載がある。
(STN型液晶表示装置)
本発明の位相差フィルムは、STNモードの液晶セルを有するSTN型液晶表示装置の光学補償シートとして用いることができる。一般的にSTN型液晶表示装置では、液晶セル中の棒状液晶性分子が90〜360度の範囲にねじられており、棒状液晶性分子の屈折率異方性(Δn)とセルギャップ(d)との積(Δnd)が300〜1500nmの範囲にある。STN型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、特開2000−105316号公報に記載がある。
本発明の位相差フィルムは、STNモードの液晶セルを有するSTN型液晶表示装置の光学補償シートとして用いることができる。一般的にSTN型液晶表示装置では、液晶セル中の棒状液晶性分子が90〜360度の範囲にねじられており、棒状液晶性分子の屈折率異方性(Δn)とセルギャップ(d)との積(Δnd)が300〜1500nmの範囲にある。STN型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、特開2000−105316号公報に記載がある。
(VA型液晶表示装置)
本発明におけるセルロースアシレートフィルムは、VAモードの液晶セルを有するVA型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として特に有利に用いられる。VA型液晶表示装置に用いる光学補償シートのReレターデーション値を0〜150nmとし、Rthレターデーション値を70〜400nmとすることが好ましい。Reレターデーション値は、20〜70nmであることが更に好ましい。VA型液晶表示装置に二枚の光学的異方性ポリマーフィルムを使用する場合、フィルムのRthレターデーション値は70〜250nmであることが好ましい。VA型液晶表示装置に一枚の光学的異方性ポリマーフィルムを使用する場合、フィルムのRthレターデーション値は150〜400nmであることが好ましい。VA型液晶表示装置は、例えば特開平10−123576号公報に記載されているような配向分割された方式であっても構わない。
本発明におけるセルロースアシレートフィルムは、VAモードの液晶セルを有するVA型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として特に有利に用いられる。VA型液晶表示装置に用いる光学補償シートのReレターデーション値を0〜150nmとし、Rthレターデーション値を70〜400nmとすることが好ましい。Reレターデーション値は、20〜70nmであることが更に好ましい。VA型液晶表示装置に二枚の光学的異方性ポリマーフィルムを使用する場合、フィルムのRthレターデーション値は70〜250nmであることが好ましい。VA型液晶表示装置に一枚の光学的異方性ポリマーフィルムを使用する場合、フィルムのRthレターデーション値は150〜400nmであることが好ましい。VA型液晶表示装置は、例えば特開平10−123576号公報に記載されているような配向分割された方式であっても構わない。
(IPS型液晶表示装置およびECB型液晶表示装置)
本発明におけるセルロースアシレートフィルムは、IPSモードおよびECBモードの液晶セルを有するIPS型液晶表示装置およびECB型液晶表示装置の光学補償シートの支持体、または偏光板の保護膜としても特に有利に用いられる。これらのモードは黒表示時に液晶材料が略平行に配向する態様であり、電圧無印加状態で液晶分子を基板面に対して平行配向させて、黒表示する。これらの態様において本発明におけるセルロースアシレートフィルムを用いた偏光板は色味の改善、視野角拡大、コントラストの良化に寄与する。この態様においては、液晶セルの上下の前記偏光板の保護膜のうち、液晶セルと偏光板との間に配置された保護膜(セル側の保護膜)に本発明におけるセルロースアシレートフィルムを用いた偏光板を少なくとも片側一方に用いることが好ましい。更に好ましくは、偏光板の保護膜と液晶セルの間に光学異方性層を配置し、配置された光学異方性層のリターデーションの値を、液晶層のΔn・dの値の2倍以下に設定するのが好ましい。
本発明におけるセルロースアシレートフィルムは、IPSモードおよびECBモードの液晶セルを有するIPS型液晶表示装置およびECB型液晶表示装置の光学補償シートの支持体、または偏光板の保護膜としても特に有利に用いられる。これらのモードは黒表示時に液晶材料が略平行に配向する態様であり、電圧無印加状態で液晶分子を基板面に対して平行配向させて、黒表示する。これらの態様において本発明におけるセルロースアシレートフィルムを用いた偏光板は色味の改善、視野角拡大、コントラストの良化に寄与する。この態様においては、液晶セルの上下の前記偏光板の保護膜のうち、液晶セルと偏光板との間に配置された保護膜(セル側の保護膜)に本発明におけるセルロースアシレートフィルムを用いた偏光板を少なくとも片側一方に用いることが好ましい。更に好ましくは、偏光板の保護膜と液晶セルの間に光学異方性層を配置し、配置された光学異方性層のリターデーションの値を、液晶層のΔn・dの値の2倍以下に設定するのが好ましい。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[製造例1]
(セルロースアシレート溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液Aを調製した。
(セルロースアシレート溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液Aを調製した。
〔セルロースアシレート溶液A組成〕
・酢化度2.94のセルロースアシレート 100.0質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 402.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 60.0質量部
・酢化度2.94のセルロースアシレート 100.0質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 402.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 60.0質量部
(マット剤溶液Aの調製)
平均粒径16nmのシリカ粒子(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製)20質量部と、メタノール80質量部とを30分間よく攪拌混合してシリカ粒子分散液とした。この分散液を下記の組成物とともに分散機に投入し、さらに30分以上攪拌して各成分を溶解し、マット剤溶液Aを調製した。
平均粒径16nmのシリカ粒子(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製)20質量部と、メタノール80質量部とを30分間よく攪拌混合してシリカ粒子分散液とした。この分散液を下記の組成物とともに分散機に投入し、さらに30分以上攪拌して各成分を溶解し、マット剤溶液Aを調製した。
〔マット剤溶液Aの組成〕
・平均粒径16nmのシリカ粒子分散液 10.0質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 76.3質量部
・メタノール(第2溶媒) 3.4質量部
・セルロースアシレート溶液A 10.3質量部
・平均粒径16nmのシリカ粒子分散液 10.0質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 76.3質量部
・メタノール(第2溶媒) 3.4質量部
・セルロースアシレート溶液A 10.3質量部
(添加剤溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。光学的異方性を低下する化合物および波長分散調整剤は下記の化合物を用いた。
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。光学的異方性を低下する化合物および波長分散調整剤は下記の化合物を用いた。
(添加剤溶液組成)
・下記レターデーション低下化合物 49.3質量部
・下記波長分散調整剤 7.6質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 58.4質量部
・メタノール(第2溶媒) 8.7質量部
・セルロースアシレート溶液A 12.8質量部
・下記レターデーション低下化合物 49.3質量部
・下記波長分散調整剤 7.6質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 58.4質量部
・メタノール(第2溶媒) 8.7質量部
・セルロースアシレート溶液A 12.8質量部
(セルロースアシレートフィルム1の作製)
前記セルロースアシレート溶液Aを94.6質量部と、マット剤溶液を1.3質量部と、添加剤溶液4.1質量部とをそれぞれ濾過後に混合し、バンド流延機を用いて流延した。前記組成でレターデーション低下化合物および波長分散調整剤のセルロースアシレートに対する質量比はそれぞれ11.7%、1.2%であった。残留溶剤量30%でフィルムをバンドから剥離し、135℃で20分間乾燥させセルロースアシレートフィルムを製造した。出来あがったセルロースアシレートフィルムの残留溶剤量は0.1%であり、フィルム幅は1340mm、膜厚は80μmであった。
前記セルロースアシレート溶液Aを94.6質量部と、マット剤溶液を1.3質量部と、添加剤溶液4.1質量部とをそれぞれ濾過後に混合し、バンド流延機を用いて流延した。前記組成でレターデーション低下化合物および波長分散調整剤のセルロースアシレートに対する質量比はそれぞれ11.7%、1.2%であった。残留溶剤量30%でフィルムをバンドから剥離し、135℃で20分間乾燥させセルロースアシレートフィルムを製造した。出来あがったセルロースアシレートフィルムの残留溶剤量は0.1%であり、フィルム幅は1340mm、膜厚は80μmであった。
[製造例2]
(セルロースアシレート溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液Bを調製した。
(セルロースアシレート溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液Bを調製した。
(セルロースアシレート溶液B組成)
・酢化度2.96のセルロースアシレート 100.0質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 402.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 60.0質量部
・酢化度2.96のセルロースアシレート 100.0質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 402.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 60.0質量部
(マット剤溶液Bの調製)
製造例1におけるマット剤溶液Aの調製において、セルロースアシレート溶液Aをセルロースアシレート溶液Bに変更した以外は同様にしてマット剤溶液Bを調製した。
製造例1におけるマット剤溶液Aの調製において、セルロースアシレート溶液Aをセルロースアシレート溶液Bに変更した以外は同様にしてマット剤溶液Bを調製した。
(添加剤溶液の調製)
下記組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。レターデーション低下化合物および波長分散調整剤は製造例1と同様の化合物を用いた。
下記組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。レターデーション低下化合物および波長分散調整剤は製造例1と同様の化合物を用いた。
〔添加剤溶液組成〕
・前記レターデーション低下化合物 48.5質量部
・前記波長分散調整剤 7.6質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 58.4質量部
・メタノール(第2溶媒) 8.7質量部
・セルロースアセテート溶液B 12.8質量部
・前記レターデーション低下化合物 48.5質量部
・前記波長分散調整剤 7.6質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 58.4質量部
・メタノール(第2溶媒) 8.7質量部
・セルロースアセテート溶液B 12.8質量部
(セルロースアシレートフィルム2の作製)
前記セルロースアセテート溶液Bを94.6質量部と、マット剤溶液を1.3質量部と、添加剤溶液4.1質量部とを、それぞれ濾過後に混合し、バンド流延機を用いて流延した。前記組成でレターデーション低下化合物および波長分散調整剤のセルロースアセテートに対する質量比はそれぞれ10.5%、1.2%であった。残留溶剤量30%でフィルムをバンドから剥離し、135℃で20分間乾燥させセルロースアセテートフィルムを製造した。出来あがったセルロースアセテートフィルムの残留溶剤量は0.2%であり、フィルム幅は1340mm、膜厚は80μmであった。
前記セルロースアセテート溶液Bを94.6質量部と、マット剤溶液を1.3質量部と、添加剤溶液4.1質量部とを、それぞれ濾過後に混合し、バンド流延機を用いて流延した。前記組成でレターデーション低下化合物および波長分散調整剤のセルロースアセテートに対する質量比はそれぞれ10.5%、1.2%であった。残留溶剤量30%でフィルムをバンドから剥離し、135℃で20分間乾燥させセルロースアセテートフィルムを製造した。出来あがったセルロースアセテートフィルムの残留溶剤量は0.2%であり、フィルム幅は1340mm、膜厚は80μmであった。
[製造例3]
(セルロースアシレート溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液Cを調製した。
(セルロースアシレート溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液Cを調製した。
〔セルロースアシレート溶液C組成〕
・酢化度2.86のセルロースアシレート 100.0質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 402.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 60.0質量部
・酢化度2.86のセルロースアシレート 100.0質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 402.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 60.0質量部
(マット剤溶液Cの調製)
製造例1におけるマット剤溶液Aの調製において、セルロースアシレート溶液Aをセルロースアシレート溶液Cに変更した以外は同様にしてマット剤溶液Bを調製した。
製造例1におけるマット剤溶液Aの調製において、セルロースアシレート溶液Aをセルロースアシレート溶液Cに変更した以外は同様にしてマット剤溶液Bを調製した。
(添加剤溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液を調製した。レターデーション低下化合物および波長分散調整剤は製造例1と同様の化合物を用いた。
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液を調製した。レターデーション低下化合物および波長分散調整剤は製造例1と同様の化合物を用いた。
〔添加剤溶液組成〕
・前記レターデーション低下化合物 54.0質量部
・前記波長分散調整剤 7.6質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 58.4質量部
・メタノール(第2溶媒) 8.7質量部
・セルロースアセテート溶液C 12.8質量部
・前記レターデーション低下化合物 54.0質量部
・前記波長分散調整剤 7.6質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 58.4質量部
・メタノール(第2溶媒) 8.7質量部
・セルロースアセテート溶液C 12.8質量部
(セルロースアシレートフィルム3の作製)
前記セルロースアセテート溶液Cを94.6質量部と、マット剤溶液を1.3質量部と、添加剤溶液4.1質量部とを、それぞれ濾過後に混合し、バンド流延機を用いて流延した。前記組成でレターデーション低下化合物および波長分散調整剤のセルロースアセテートに対する質量比はそれぞれ16.0%、1.2%であった。残留溶剤量30%でフィルムをバンドから剥離し、135℃で20分間乾燥させセルロースアセテートフィルムを製造した。出来あがったセルロースアセテートフィルムの残留溶剤量は0.1%であり、フィルム幅は1340mm、膜厚は80μmであった。
前記セルロースアセテート溶液Cを94.6質量部と、マット剤溶液を1.3質量部と、添加剤溶液4.1質量部とを、それぞれ濾過後に混合し、バンド流延機を用いて流延した。前記組成でレターデーション低下化合物および波長分散調整剤のセルロースアセテートに対する質量比はそれぞれ16.0%、1.2%であった。残留溶剤量30%でフィルムをバンドから剥離し、135℃で20分間乾燥させセルロースアセテートフィルムを製造した。出来あがったセルロースアセテートフィルムの残留溶剤量は0.1%であり、フィルム幅は1340mm、膜厚は80μmであった。
[製造例4]
(セルロースアシレートフィルム4の作製)
フィルム幅を1475mmにしたこと以外は製造例1と同様にしてセルロースアシレートフィルム4を作製した。膜厚は80μmであった。
(セルロースアシレートフィルム4の作製)
フィルム幅を1475mmにしたこと以外は製造例1と同様にしてセルロースアシレートフィルム4を作製した。膜厚は80μmであった。
[製造例5]
(セルロースアシレートフィルム5の作製)
フィルム幅を650mmにしたこと以外は製造例1と同様にしてセルロースアシレートフィルム5を作製した。膜厚は80μmであった。
(セルロースアシレートフィルム5の作製)
フィルム幅を650mmにしたこと以外は製造例1と同様にしてセルロースアシレートフィルム5を作製した。膜厚は80μmであった。
[製造例6]
(セルロースアシレートフィルム6の作製)
フィルムの膜厚を40μm、乾燥温度を130℃としたこと以外は製造例1と同様にしてセルロースアシレートフィルム6を作製した。
(セルロースアシレートフィルム6の作製)
フィルムの膜厚を40μm、乾燥温度を130℃としたこと以外は製造例1と同様にしてセルロースアシレートフィルム6を作製した。
[製造例7]
(セルロースアシレートフィルム7の作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液Dを調製した。この際、セルロースアシレートは全置換度2.85(アセチル置換度2.06+プロピニル置換度0.79)のものを用いた。
(セルロースアシレートフィルム7の作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液Dを調製した。この際、セルロースアシレートは全置換度2.85(アセチル置換度2.06+プロピニル置換度0.79)のものを用いた。
〔セルロースアシレート溶液D組成〕
・セルロースアシレート 100質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 300質量部
・メタノール(第2溶媒) 54質量部
・1−ブタノール(第3溶媒) 11質量部
・セルロースアシレート 100質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 300質量部
・メタノール(第2溶媒) 54質量部
・1−ブタノール(第3溶媒) 11質量部
(添加剤溶液の調製)
別のミキシングタンクに、下記の組成の化合物を投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、添加剤溶液を調製した。レターデーション低下化合物および波長分散調整剤は製造例1と同様の化合物を用いた。
別のミキシングタンクに、下記の組成の化合物を投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、添加剤溶液を調製した。レターデーション低下化合物および波長分散調整剤は製造例1と同様の化合物を用いた。
〔添加剤溶液組成〕
・前記レターデーション低下化合物 40質量部
・前記波長分散調整剤 4質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 82質量部
・メタノール(第2溶媒) 15質量部
・1−ブタノール(第3溶媒) 3質量部
・セルロースアセテート溶液D 12質量部
・前記レターデーション低下化合物 40質量部
・前記波長分散調整剤 4質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 82質量部
・メタノール(第2溶媒) 15質量部
・1−ブタノール(第3溶媒) 3質量部
・セルロースアセテート溶液D 12質量部
セルロースアシレート溶液Dの465質量部に、添加剤溶液を40質量部添加して厚み40μmのセルロースアシレートフィルム7を作製した。
《セルロースアシレートフィルムのRe(590)、Rth(590)測定》
得られたセルロースアシレートフィルム1〜7について、次のようにしてRe(590)、Rth(590)を求めた。即ち、最初にフィルムの長さ方向における任意の場所から、全幅×長さ800mmの大きさのフィルムを切り出し、次に幅方向30mm、長さ方向40mmの大きさのサンプルを全幅に渡り切り出した。幅方向の切り出しは、フィルム端の20mmの位置を最初のサンプルの端とし、サンプル間の間隔は5mmとして切り出した。
得られたサンプルを25℃、相対湿度60%の環境下で2時間調湿し、Re(λ)は自動複屈折計「KOBRA 21ADH」(王子計測機器(株)製)において波長590nmの光をフィルム法線方向に入射させて測定した。また、Rthは前記Reと、面内の遅相軸を傾斜軸としてフィルム法線方向を0°としてサンプルを10°ごとに50°まで傾斜させて光を入射させて測定したレターデーション値を基に、平均屈折率の仮定値1.48および膜厚を入力することにより、KOBRA内蔵のソフトプログラムが算出した値を採用した。
得られた幅方向全サンプルの値の平均値をRe(590)およびRth(590)として採用した。
得られたセルロースアシレートフィルム1〜7について、次のようにしてRe(590)、Rth(590)を求めた。即ち、最初にフィルムの長さ方向における任意の場所から、全幅×長さ800mmの大きさのフィルムを切り出し、次に幅方向30mm、長さ方向40mmの大きさのサンプルを全幅に渡り切り出した。幅方向の切り出しは、フィルム端の20mmの位置を最初のサンプルの端とし、サンプル間の間隔は5mmとして切り出した。
得られたサンプルを25℃、相対湿度60%の環境下で2時間調湿し、Re(λ)は自動複屈折計「KOBRA 21ADH」(王子計測機器(株)製)において波長590nmの光をフィルム法線方向に入射させて測定した。また、Rthは前記Reと、面内の遅相軸を傾斜軸としてフィルム法線方向を0°としてサンプルを10°ごとに50°まで傾斜させて光を入射させて測定したレターデーション値を基に、平均屈折率の仮定値1.48および膜厚を入力することにより、KOBRA内蔵のソフトプログラムが算出した値を採用した。
得られた幅方向全サンプルの値の平均値をRe(590)およびRth(590)として採用した。
(Re、Rthの波長分散測定)
Re(590)測定のために切り出したサンプルのうち、元のサンプルの中央部にあったサンプルを、25℃、相対湿度60%で2時間調湿し、エリプソメーターM−150(日本分光(株)製)において波長780nmから380nmの光をフィルム法線方向に入射させることによりReの波長分散を測定した。また、Rthの波長分散については、前記Re、面内の遅相軸を傾斜軸としてフィルム法線方向に対して+40°傾斜した方向から780〜380nmの波長の光を入射させて測定したレターデーション値、および面内の遅相軸を傾斜軸としてフィルム法線方向に対して−40°傾斜した方向から波長780〜380nmの光を入射させて測定したレターデーション値の計3つの方向で測定したレターデーション値を基に、平均屈折率の仮定値1.48および膜厚を入力して算出した。得られた結果を表1に示す。
Re(590)測定のために切り出したサンプルのうち、元のサンプルの中央部にあったサンプルを、25℃、相対湿度60%で2時間調湿し、エリプソメーターM−150(日本分光(株)製)において波長780nmから380nmの光をフィルム法線方向に入射させることによりReの波長分散を測定した。また、Rthの波長分散については、前記Re、面内の遅相軸を傾斜軸としてフィルム法線方向に対して+40°傾斜した方向から780〜380nmの波長の光を入射させて測定したレターデーション値、および面内の遅相軸を傾斜軸としてフィルム法線方向に対して−40°傾斜した方向から波長780〜380nmの光を入射させて測定したレターデーション値の計3つの方向で測定したレターデーション値を基に、平均屈折率の仮定値1.48および膜厚を入力して算出した。得られた結果を表1に示す。
[製造例8]
市販のセルロースアセテートフィルム(富士写真フイルム(株)製、フジタックTD80U)について、同様の光学性能評価を行った。得られた結果を表1に示す。
市販のセルロースアセテートフィルム(富士写真フイルム(株)製、フジタックTD80U)について、同様の光学性能評価を行った。得られた結果を表1に示す。
[実施例1]
[位相差フィルム1の作製]
(セルロースアシレートフィルム1の表面処理)
製造例1で作製したセルロースアシレートフィルム1の片側の面に、1.5mol/Lの水酸化カリウムのイソプロピルアルコール溶液を25ml/m2 塗布し、25℃で5秒間乾燥した。流水で10秒洗浄し、25℃の空気を吹き付けることでフィルムの表面を乾燥した。このようにして、セルロースアシレートフィルムの一方の表面のみをケン化した。
[位相差フィルム1の作製]
(セルロースアシレートフィルム1の表面処理)
製造例1で作製したセルロースアシレートフィルム1の片側の面に、1.5mol/Lの水酸化カリウムのイソプロピルアルコール溶液を25ml/m2 塗布し、25℃で5秒間乾燥した。流水で10秒洗浄し、25℃の空気を吹き付けることでフィルムの表面を乾燥した。このようにして、セルロースアシレートフィルムの一方の表面のみをケン化した。
(配向膜の形成)
セルロースアシレートフィルムのケン化処理面に、下記の組成の塗布液を#16のワイヤーバーコーターで28ml/m2 塗布した。60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥した。次に、セルロースアシレートフィルムの長手方向と平行な方向に、形成した膜にラビング処理を実施した。
セルロースアシレートフィルムのケン化処理面に、下記の組成の塗布液を#16のワイヤーバーコーターで28ml/m2 塗布した。60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥した。次に、セルロースアシレートフィルムの長手方向と平行な方向に、形成した膜にラビング処理を実施した。
〔配向膜塗布液組成〕
・下記変性ポリビニルアルコール 10質量部
・水 371質量部
・メタノール 119質量部
・グルタルアルデヒド(架橋剤) 0.5質量部
・下記変性ポリビニルアルコール 10質量部
・水 371質量部
・メタノール 119質量部
・グルタルアルデヒド(架橋剤) 0.5質量部
(光学異方性層の形成)
特開平8−152518号公報記載の方法と同様にして、下記ビニルモノマー(1)と(2)とを7:3の混合比でペンタメチルシクロペンタシロキサンと反応させ環状ペンタシロキサン液晶オリゴマーを得た。
特開平8−152518号公報記載の方法と同様にして、下記ビニルモノマー(1)と(2)とを7:3の混合比でペンタメチルシクロペンタシロキサンと反応させ環状ペンタシロキサン液晶オリゴマーを得た。
この液晶オリゴマーは、14℃〜114℃でコレステリック相を示した。また、この液晶オリゴマーとネマチック液晶との組成物の選択反射波長の測定値より外挿した結果、液晶オリゴマー単独の選択反射波長は280nmであった。この波長よりこの液晶オリゴマーのコレステリック相螺旋ピッチは0.2μmと計算される。また、特開平8−152518号公報に記載されているように、得られた液晶オリゴマーをトルエンに40%になるよう溶解し、さらに光重合開始剤としてイルガキュア―907(チバガイギー社製)を液晶オリゴマーに対して2.0質量%になるように混合した。
この溶液をラビング処理された配向膜層を有するセルロースアシレートフィルム1にワイヤーバーを用いて塗布した。次いで、この液晶オリゴマーフィルムを80℃で5分加熱した後、高圧水銀ランプを用いて紫外線を照射した。得られた液晶オリゴマー重合物フィルムの膜厚は6μmでコレステリック相螺旋ピッチの30倍であり、可視光の選択反射による着色は認められなかった。
この溶液をラビング処理された配向膜層を有するセルロースアシレートフィルム1にワイヤーバーを用いて塗布した。次いで、この液晶オリゴマーフィルムを80℃で5分加熱した後、高圧水銀ランプを用いて紫外線を照射した。得られた液晶オリゴマー重合物フィルムの膜厚は6μmでコレステリック相螺旋ピッチの30倍であり、可視光の選択反射による着色は認められなかった。
[実施例2]
[位相差フィルム2の作製]
実施例1におけるセルロースアシレートフィルム1をセルロースアシレ−トフィルム2に変えたこと以外は実施例1と同様にして位相差フィルム2を作製した。
[位相差フィルム2の作製]
実施例1におけるセルロースアシレートフィルム1をセルロースアシレ−トフィルム2に変えたこと以外は実施例1と同様にして位相差フィルム2を作製した。
[実施例3]
[位相差フィルム3の作製]
(セルロースアシレートフィルム3の表面処理)
製造例3で作製したセルロースアシレートフィルム3を、50℃に保持した1.5mol/Lの水酸化カリウムのイソプロピルアルコール溶液中に1.5分間浸した。取り出した後、25℃の水中で洗浄し、30℃で0.05mol/Lの硫酸を用いて中和した。再度、25℃の水中で洗浄した後、フィルムを取り出して25℃の空気を吹き付けることでフィルムの表面を乾燥した。このようにして、セルロースアシレートフィルム3の表面をケン化した。
[位相差フィルム3の作製]
(セルロースアシレートフィルム3の表面処理)
製造例3で作製したセルロースアシレートフィルム3を、50℃に保持した1.5mol/Lの水酸化カリウムのイソプロピルアルコール溶液中に1.5分間浸した。取り出した後、25℃の水中で洗浄し、30℃で0.05mol/Lの硫酸を用いて中和した。再度、25℃の水中で洗浄した後、フィルムを取り出して25℃の空気を吹き付けることでフィルムの表面を乾燥した。このようにして、セルロースアシレートフィルム3の表面をケン化した。
(配向膜の形成)
ケン化処理したセルロースアシレートフィルム3の片側に、実施例1と同様にして配向膜を設けてラビング処理を施した。
ケン化処理したセルロースアシレートフィルム3の片側に、実施例1と同様にして配向膜を設けてラビング処理を施した。
この液晶オリゴマーは20℃〜97℃でネマチック相を示した。得られた液晶オリゴマーと実施例1で用いた液晶オリゴマーとを5:95(質量比)で混合し、トルエンに固形分が30質量%になるよう溶解し、さらに光重合開始剤としてイルガキュア―907(チバガイギー社製)を液晶オリゴマーに対して2.0質量%になるように混合した。
この溶液をラビング処理した配向膜層を有するセルロースアシレ−トフィルム3の上にバーコート法を用いて塗布をした。得られた液晶オリゴマー層は偏光顕微鏡で観察した結果、コレステリック相を示していることが確認された。次いで、この液晶オリゴマー層が等方相となる温度から徐冷し、配向させた後、高圧水銀ランプを用いて紫外線を照射した。得られた光学異方性層の膜厚は3μmで可視光の選択反射による着色は認められなかった。
この溶液をラビング処理した配向膜層を有するセルロースアシレ−トフィルム3の上にバーコート法を用いて塗布をした。得られた液晶オリゴマー層は偏光顕微鏡で観察した結果、コレステリック相を示していることが確認された。次いで、この液晶オリゴマー層が等方相となる温度から徐冷し、配向させた後、高圧水銀ランプを用いて紫外線を照射した。得られた光学異方性層の膜厚は3μmで可視光の選択反射による着色は認められなかった。
[実施例4]
[位相差フィルム4の作製]
実施例3におけるセルロースアシレートフィルム3を、セルロースアシレ−トフィルム4に変えたこと以外は実施例3と同様にして位相差フィルム4を作製した。
[位相差フィルム4の作製]
実施例3におけるセルロースアシレートフィルム3を、セルロースアシレ−トフィルム4に変えたこと以外は実施例3と同様にして位相差フィルム4を作製した。
[実施例5]
[位相差フィルム5の作製]
(セルロースアシレートフィルム5の表面処理)
製造例5におけるセルロースアシレートフィルム5の片側の面に、2.0mol/Lの水酸化カリウムのイソプロピルアルコール溶液を25ml/m2 塗布し、25℃で5秒間乾燥した。流水で10秒洗浄し、25℃の空気を吹き付けることでフィルムの表面を乾燥した。このようにして、セルロースアシレートフィルム5の一方の表面のみをケン化した。
[位相差フィルム5の作製]
(セルロースアシレートフィルム5の表面処理)
製造例5におけるセルロースアシレートフィルム5の片側の面に、2.0mol/Lの水酸化カリウムのイソプロピルアルコール溶液を25ml/m2 塗布し、25℃で5秒間乾燥した。流水で10秒洗浄し、25℃の空気を吹き付けることでフィルムの表面を乾燥した。このようにして、セルロースアシレートフィルム5の一方の表面のみをケン化した。
(配向膜の形成)
セルロースアシレートフィルム5のケン化処理面に、実施例1と同様にして配向膜層を設け、ラビング処理を行った。
セルロースアシレートフィルム5のケン化処理面に、実施例1と同様にして配向膜層を設け、ラビング処理を行った。
(光学異方性層の形成)
特公昭63−41400号公報記載の方法と同様にして、実施例1で用いたビニルモノマー(2)および実施例3で用いたビニルモノマー(3)を1:1の比でペンタメチルシクロペンタシロキサンと反応させ環状ペンタシロキサン液晶オリゴマーを得た。この液晶オリゴマーは19℃〜118℃でスメクチック相を示した。
得られた液晶オリゴマーと実施例1で用いた液晶オリゴマーを10:90(質量比)で混合し、トルエンに固形分が30質量%になるよう溶解し、さらに光重合開始剤としてイルガキュア−907(チバガイギー社製)を液晶オリゴマーに対して2.0質量%になるように混合した。この溶液をバーコート法により塗布をした。得られた光学異方性層は偏光顕微鏡で観察した結果、コレステリック相を示していることが確認された。
次いで、この液晶オリゴマーが等方相となる温度から徐冷し、配向させた後、高圧水銀ランプを用いて紫外線を照射した。得られた液晶オリゴマー重合物フィルムの膜厚は4μmで可視光の選択反射による着色は認められなかった。
特公昭63−41400号公報記載の方法と同様にして、実施例1で用いたビニルモノマー(2)および実施例3で用いたビニルモノマー(3)を1:1の比でペンタメチルシクロペンタシロキサンと反応させ環状ペンタシロキサン液晶オリゴマーを得た。この液晶オリゴマーは19℃〜118℃でスメクチック相を示した。
得られた液晶オリゴマーと実施例1で用いた液晶オリゴマーを10:90(質量比)で混合し、トルエンに固形分が30質量%になるよう溶解し、さらに光重合開始剤としてイルガキュア−907(チバガイギー社製)を液晶オリゴマーに対して2.0質量%になるように混合した。この溶液をバーコート法により塗布をした。得られた光学異方性層は偏光顕微鏡で観察した結果、コレステリック相を示していることが確認された。
次いで、この液晶オリゴマーが等方相となる温度から徐冷し、配向させた後、高圧水銀ランプを用いて紫外線を照射した。得られた液晶オリゴマー重合物フィルムの膜厚は4μmで可視光の選択反射による着色は認められなかった。
[実施例6]
[位相差フィルム6の作製]
実施例5におけるセルロースアシレートフィルム5を、セルロースアシレ−トフィルム6に変えたこと以外は実施例5と同様にして位相差フィルム6を作製した。
[位相差フィルム6の作製]
実施例5におけるセルロースアシレートフィルム5を、セルロースアシレ−トフィルム6に変えたこと以外は実施例5と同様にして位相差フィルム6を作製した。
[実施例7]
[位相差フィルム7の作製]
実施例1におけるセルロースアシレートフィルム1をセルロースアシレ−トフィルム7に変えたこと以外は実施例1同様にして位相差フィルム7を作製した。
[位相差フィルム7の作製]
実施例1におけるセルロースアシレートフィルム1をセルロースアシレ−トフィルム7に変えたこと以外は実施例1同様にして位相差フィルム7を作製した。
[比較例1]
[位相差フィルム8の作製]
実施例1におけるセルロースアシレートフィルム1を市販のセルロースアセテートフィルム(富士写真フイルム(株)製、フジタックTD80UL)に変えたこと以外は実施例1と同様にして位相差フィルム8を作製した。
[位相差フィルム8の作製]
実施例1におけるセルロースアシレートフィルム1を市販のセルロースアセテートフィルム(富士写真フイルム(株)製、フジタックTD80UL)に変えたこと以外は実施例1と同様にして位相差フィルム8を作製した。
[実施例8]
(偏光板1〜8の作製)
実施例1で得た位相差フィルム1を、1.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液に、55℃で2分間浸漬した。室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.05mol/Lの硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。このようにして、セルロースアシレートフィルムの表面をケン化した。
次に厚さ80μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で連続して5倍に延伸し、乾燥して偏光子を得た。ポリビニルアルコール(クラレ製PVA−117H)3%水溶液を接着剤として、アルカリけん化処理した位相差フィルムを1枚用意して光学異方性層と反対側を偏光子と貼り合わせた。偏光子の他方の面にはケン化処理した市販のセルロースアセテートフィルムを同様に貼りあわせ偏光板を得た。
同様にして本発明の位相差フィルム2〜7、比較例1で作製した位相差フィルム8を用いた偏光板1〜8を作製した。本発明の位相差フィルム1〜7、比較例1の位相差フィルム8はいずれも延伸したポリビニルアルコールとの貼合性は十分であり、優れた偏光板加工適性を有していた。
(偏光板1〜8の作製)
実施例1で得た位相差フィルム1を、1.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液に、55℃で2分間浸漬した。室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.05mol/Lの硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。このようにして、セルロースアシレートフィルムの表面をケン化した。
次に厚さ80μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で連続して5倍に延伸し、乾燥して偏光子を得た。ポリビニルアルコール(クラレ製PVA−117H)3%水溶液を接着剤として、アルカリけん化処理した位相差フィルムを1枚用意して光学異方性層と反対側を偏光子と貼り合わせた。偏光子の他方の面にはケン化処理した市販のセルロースアセテートフィルムを同様に貼りあわせ偏光板を得た。
同様にして本発明の位相差フィルム2〜7、比較例1で作製した位相差フィルム8を用いた偏光板1〜8を作製した。本発明の位相差フィルム1〜7、比較例1の位相差フィルム8はいずれも延伸したポリビニルアルコールとの貼合性は十分であり、優れた偏光板加工適性を有していた。
[製造例9]
(偏光板9の作製)
デソライトKZ−7869(紫外線硬化性ハードコート組成物、72質量%、JSR(株)製)250gを62gのメチルエチルケトンと88gのシクロヘキサノンの混合溶媒に溶解し、ハードコート層塗布液を調製した。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.53であった。
(偏光板9の作製)
デソライトKZ−7869(紫外線硬化性ハードコート組成物、72質量%、JSR(株)製)250gを62gのメチルエチルケトンと88gのシクロヘキサノンの混合溶媒に溶解し、ハードコート層塗布液を調製した。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.53であった。
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)91g、デソライトKZ−7115、KZ−7161(ZrO2微粒子分散液、JSR(株)製)199gを52gのメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=54/46質量%の混合溶媒に溶解した。得られた溶液に光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)10gを加えた。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.61であった。さらにこの溶液に平均粒径2.0μmの架橋ポリスチレン粒子(SX−200H、綜研化学(株)製)20gを80gのメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=54/46質量%の混合溶媒に高速ディスパにて5000rpmで1時間攪拌分散した分散液29gを添加、攪拌した後、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して防眩層の塗布液を調製した。
市販のセルロースアセテートフィルム(富士写真フイルム(株)製)に、前記のハードコート層塗布液をバーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥の後、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ4μmのハードコート層を形成した。その上に、前記防眩層塗布液をバーコーターを用いて塗布し、窒素パージによって0.01%以下の酸素濃度雰囲気下において、120℃で乾燥の後、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ1.4μmの防眩性ハードコート層を形成した。
偏光子の片側に製造例1のセルロースアシレートフィルム1、他方の側にハードコート層および防眩層を設けたセルロースアセテートフィルムを貼りあわせて偏光板を作製した。さらにセルロースアシレートフィルム1の偏光子とは反対側に粘着シートを貼り、アートンフィルム(JSR社製)を一軸延伸した光学補償フィルムを貼合した。このようにして偏光板9を作製した。
[実施例9]
(液晶表示装置の作製)
垂直配向型液晶セルを使用した液晶表示装置(富士通(株)製)に設けられている一対の偏光板および一対の光学補償シートを剥がし、液晶セルを取り出した。
液晶セルの片側に偏光板1、他方に偏光板9を位相差フィルムが液晶セル側になるように配置し、液晶表示装置を作製した。同様にして、偏光板1の代わりに偏光板2〜7を用いて液晶表示装置を作製した。
このように作製した液晶表示装置の黒の色味について、極角60°における全方位角方向の変化(Δuv)を測定した。いずれの液晶表示装置もΔuvが0.05以下であり、色味変化が殆ど感じられなかった。
(液晶表示装置の作製)
垂直配向型液晶セルを使用した液晶表示装置(富士通(株)製)に設けられている一対の偏光板および一対の光学補償シートを剥がし、液晶セルを取り出した。
液晶セルの片側に偏光板1、他方に偏光板9を位相差フィルムが液晶セル側になるように配置し、液晶表示装置を作製した。同様にして、偏光板1の代わりに偏光板2〜7を用いて液晶表示装置を作製した。
このように作製した液晶表示装置の黒の色味について、極角60°における全方位角方向の変化(Δuv)を測定した。いずれの液晶表示装置もΔuvが0.05以下であり、色味変化が殆ど感じられなかった。
[比較例2]
(液晶表示装置の作製)
液晶セルの片側に偏光板1〜7のかわりに偏光板8を用いた以外は実施例9と同様にして液晶表示装置を作製した。液晶表示装置の黒の色味について極角60°における全方位角方向の変化(Δuv)を測定したところ、Δuvが0.12であり、色味変化があることが分かった。
(液晶表示装置の作製)
液晶セルの片側に偏光板1〜7のかわりに偏光板8を用いた以外は実施例9と同様にして液晶表示装置を作製した。液晶表示装置の黒の色味について極角60°における全方位角方向の変化(Δuv)を測定したところ、Δuvが0.12であり、色味変化があることが分かった。
本発明の位相差フィルムおよび偏光板は、液晶表示装置に組み込んだときに視野角特性が優れている。TNモード、VAモード、IPSモードの液晶表示装置のいずれに組み込んだ場合においても視野角特性が優れていることから、本発明の産業上の利用可能性は高い。
Claims (19)
- 透明フィルムと、ねじれネマチック配向した液晶化合物を含む光学異方性層とを有する位相差フィルムであって、前記透明フィルムが、下記式(I)および(II)で定義されるRe(λ)およびRth(λ)が、下記式(III)および(IV)を満たすセルロースアシレートフィルムであることを特徴とする位相差フィルム。
式(I):Re(λ)=(nx−ny)×d
式(II):Rth(λ)={(nx+ny)/2−nz}×d
式(III):0≦Re(590)≦10かつ|Rth(590)|≦25
式(IV):|Re(400)−Re(700)|≦10かつ|Rth(400)−Rth(700)|≦35
[式(I)〜(IV)中、Re(λ)は、波長λnmにおける正面レターデーション値(単位:nm)であり、Rth(λ)は波長λnmにおける膜厚方向のレターデーション値(単位:nm)である。また、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率であり、nyはフィルム面内の進相軸方向の屈折率であり、nzはフィルムの厚み方向の屈折率である。dはフィルムの厚さである。] - 前記セルロースアシレートフィルムは、Re(λ)およびRth(λ)を低下させる化合物を少なくとも1種含有し、前記Rth(λ)が下記式(VII)および(VIII)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の位相差フィルム。
式(VII):(Rth(590)〔A〕−Rth(590)〔0〕)/A≦−1.0
式(VIII):0.01≦A≦30
〔式(VII)〜(VIII)中、Rth(590)〔A〕は、前記Re(λ)およびRth(λ)を低下させる化合物をA%含有したフィルムのRth(nm)であり、Rth(590)〔0〕は、前記Re(λ)およびRth(λ)を低下させる化合物を含有しないフィルムのRth(nm)である。また、Aは、フィルム原料ポリマーの質量を100としたときの前記Re(λ)およびRth(λ)を低下させる化合物の質量(%)である。〕 - 前記セルロースアシレートフィルムのアシル置換度が2.80〜3.00であり、前記Re(λ)およびRth(λ)を低下させる化合物の少なくとも1種をセルロースアシレートの固形分に対して0.01〜30質量%含むことを特徴とする請求項2に記載の位相差フィルム。
- 前記Re(λ)およびRth(λ)を低下させる化合物は、オクタノール−水分配係数(LogP値)が0〜7の化合物であることを特徴とする請求項2または3に記載の位相差フィルム。
- 前記セルロースアシレートフィルムは、|Re(400)−Re(700)|および|Rth(400)−Rth(700)|を低下させる化合物を少なくとも1種含み、前記|Re(400)−Re(700)|および|Rth(400)−Rth(700)|を低下させる化合物をセルロースアシレートの固形分に対して0.01〜30質量%含んでいることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の位相差フィルム。
- 前記セルロースアシレートフィルムの膜厚が10μm〜120μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の位相差フィルム。
- 前記液晶化合物がコレステリック液晶相を示し、ねじれネマチック配向した際の螺旋軸が前記透明フィルムの法線方向と略平行であり、前記液晶化合物の螺旋ピッチをP(μm)および前記光学異方性層の厚みをd(μm)とした場合、P≦d/3かつ0.3≦P≦0.8であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の位相差フィルム。
- 前記光学異方性層は、下記反復単位(I)および(II)を主たる構成単位として有する直鎖または環状の液晶オリゴマー(A)を1種類以上含有し、前記液晶オリゴマー(A)の1分子中の前記反復単位(I)および(II)の数をそれぞれnおよびn'とした場合、nおよびn'はそれぞれ独立して1〜20の整数であり、かつ、4≦n+n'≦21であり、更に、n:n'の比は20:1〜1:20であり、前記液晶オリゴマー(A)の反復単位(II)の末端基が重合していることを特徴とする請求項7に記載の位相差フィルム。
前記反復単位(I)および(II)中、kおよびk'は、それぞれ独立に2〜10の整数を表し、mおよびm'は、それぞれ独立に0または1を表す。Ar1、Ar2およびAr3は、それぞれ独立に、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2、5−ジイル基であり、L'は−CH2 −O−、−O−CH2 −、−COO−、−OCO−、−CH2 −CH2 −、−CH=N−、−N=CH−または下記連結基(A)を表す。p'は、0または1を表し、Rは光学活性基を表し、R'は水素または炭素数1〜5のアルキル基を表す。〕
- 前記光学異方性層が、前記液晶オリゴマー(A)と、重合性基を有する低分子化合物と、をそれぞれ1種類以上含有し、前記晶オリゴマー(A)の反復単位(II)の末端基および/または前記重合性基を有する低分子化合物が重合していることを特徴とする請求項8に記載の位相差フィルム。
- 前記光学異方性層が、前記液晶オリゴマー(A)と、重合性基を有する低分子化合物と、前記液晶オリゴマー(A)以外の液晶オリゴマー(B)と、をそれぞれ1種類以上含有し、前記液晶オリゴマー(B)が下記反復単位(V)および(VI)を主たる構成単位とする直鎖または環状の液晶オリゴマーであり、前記液晶オリゴマー(B)の1分子中の前記反復単位(V)および(VI)の数をそれぞれn''およびn''' とした場合、n''およびn''' はそれぞれ独立して0〜20の整数であり、かつ、4≦n''+n''' ≦21であり、前記液晶オリゴマー(A)の反復単位(II)の末端基および/または前記液晶オリゴマー(B)の反復単位(VI)の末端基が重合していることを特徴とする請求項8に記載の位相差フィルム。
- 前記光学異方性層が、前記液晶オリゴマー(A)と、重合性基を有する低分子化合物と、前記液晶オリゴマー(B)と、をそれぞれ1種類以上含有し、前記液晶オリゴマー(A)の反復単位(II)の末端基、前記液晶オリゴマー(B)の反復単位(VI)の末端基、および、重合性基を有する低分子化合物の少なくとも1つが重合していることを特徴とする請求項10に記載の位相差フィルム。
- 前記透明フィルム上に前記光学異方性層を形成し、ねじれネマチック配向の螺旋軸を前記透明フィルムの法線方向に略平行に配向した後、前記液晶化合物を重合させることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の位相差フィルム。
- 透明保護フィルム、偏光子、および、位相差フィルムがこの順に積層された偏光板であって、前記位相差フィルムが請求項1〜13のいずれか1項に記載の位相差フィルムであることを特徴とする偏光板。
- 前記透明保護フィルムの偏光子が積層される側とは反対側の表面にハードコート層、防眩層、反射防止層、帯電防止層、および、防汚層の少なくとも一層を設けたことを特徴とする請求項14に記載の偏光板。
- 電極を有する基板に挟持された液晶層からなる液晶セルの少なくとも一方に請求項14または15に記載の偏光板を、光学異方性層が液晶セル側になるように配置したことを特徴とする液晶表示装置。
- 前記液晶層は、電圧無印加時に前記基板に対して略垂直に配向することを特徴とする請求項16に記載の液晶表示装置。
- 電圧無印加時に基板に対して略垂直に配向した液晶層を含む液晶セルを有し、前記液晶セルの一方の側に位相差フィルムの光学異方性層が位置するように請求項14または15に記載の偏光板が配置され、且つ、前記液晶セルの他方の側に少なくとも1枚の光学的に正の一軸性を有する位相差板および偏光板が配置されたことを特徴とする液晶表示装置。
- 前記光学的に正の一軸性を有する位相差板と隣接した前記偏光板の保護フィルムが、下記式(I)および(II)で定義されるRe(λ)およびRth(λ)が、下記式(III)および(IV)を満たすセルロースアシレートフィルムであることを特徴とする請求項18に記載の液晶表示装置。
式(I):Re(λ)=(nx−ny)×d
式(II):Rth(λ)={(nx+ny)/2−nz}×d
式(III):0≦Re(590)≦10かつ|Rth(590)|≦25
式(IV):|Re(400)−Re(700)|≦10かつ|Rth(400)−Rth(700)|≦35
[式(I)〜(IV)中、Re(λ)は、波長λnmにおける正面レターデーション値(単位:nm)であり、Rth(λ)は波長λnmにおける膜厚方向のレターデーション値(単位:nm)である。また、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率であり、nyはフィルム面内の進相軸方向の屈折率であり、nzはフィルムの厚み方向の屈折率である。dはフィルムの厚さである。]
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