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JP2007085328A - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

内燃機関の可変動弁装置 Download PDF

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JP2007085328A JP2005348332A JP2005348332A JP2007085328A JP 2007085328 A JP2007085328 A JP 2007085328A JP 2005348332 A JP2005348332 A JP 2005348332A JP 2005348332 A JP2005348332 A JP 2005348332A JP 2007085328 A JP2007085328 A JP 2007085328A
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高志 河崎
Hiroyuki Kanemoto
宏行 鐘本
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】位置カウンタのカウンタ値におけるモータの実際の回転角に対応する値からのずれを無くすべく当該カウンタ値を補正するとき、内燃機関にトルクショックが生じるのを抑制する。
【解決手段】位置カウンタPのカウンタ値がブラシレスモータの実際の回転角に対応する値からずれたときには、その際のずれ量が補正値ΔPとして設定され、当該補正値ΔP分の補正が位置カウンタPのカウンタ値に対して徐々に加えられる。従って、カウンタ値に基づき検出されるバルブ特性が目標とする特性に制御されている状態にあって、上記補正がカウンタ値に加えられても、同カウンタ値が実際のモータ回転角に対応する値に向けて急変するという現象は生じない。仮に、上記補正が徐々に行われないと、補正直後に検出されるバルブ特性が目標の特性から大きくずれ、検出されるバルブ特性を目標の特性に制御する際にバルブ特性が急変してトルクショックが生じる。
【選択図】図9

Description

本発明は、内燃機関の可変動弁装置に関するものである。
従来より、内燃機関の可変動弁装置として、吸気バルブのバルブ特性を可変とするバルブリフト可変機構を備え、同機構の駆動をモータの所定回転角範囲内での回転駆動を通じて行うものが知られている。こうした可変動弁装置において、吸気バルブのバルブ特性を精密に制御するには、実際のバルブ特性を正確に検出し、それが目標とする特性となるようモータの回転駆動を通じてバルブリフト可変機構を駆動制御することが重要になる。
ここで、吸気バルブの実際のバルブ特性を検出する方法としては、次のような方法を採用することができる。すなわち、モータの回転に伴いパルス信号を出力する位置センサを設け、その位置センサからのパルス信号のエッジを位置カウンタによって計数し、同位置カウンタのカウンタ値を用いて吸気バルブの実際のバルブ特性を検出する。この方法によれば、位置カウンタのカウンタ値が上記所定の回転角範囲内におけるモータの実際の回転角、言い換えれば実際のバルブ特性に対応した値となり、その位置カウンタのカウンタ値に基づき実際のバルブ特性を検出することができる。
また、実際のバルブ特性を目標の特性とするための制御としては、特許文献1に示されるフィードバック制御を採用することができる。同制御を採用することにより、実際のバルブ特性と目標の特性との偏差を減少させるようにバルブリフト可変機構の駆動制御が行われ、実際のバルブ特性が目標の特性とされるようになる。
特開平10−266877公報
ところで、上記位置センサからのパルス信号のエッジを計数する位置カウンタのカウンタ値は、常にモータの実際の回転角に対応しているとは限らず、その実際の回転角に対応した値からずれることがある。例えば、位置センサから出力される信号にノイズが発生すると、そのノイズのエッジと位置センサからのパルス信号のエッジとを見分けることができず、ノイズのエッジをパルス信号のエッジと誤認し、パルス信号のエッジを計数する位置カウンタのカウンタ値がモータの実際の回転角に対応した値からずれる。この場合、位置カウンタのカウンタ値に基づき検出される吸気バルブのバルブ特性が不正確になり、その検出されたバルブ特性が目標の特性となるようモータ(バルブリフト可変機構)を駆動したとき、実際のバルブ特性が目標の特性からずれてしまい、機関運転に悪影響を及ぼすおそれがある。
こうした不具合を抑制するために、上記位置カウンタのカウンタ値における実際のモータの回転角に対応する値からのずれ量を求め、そのずれ量に対応する分の補正を当該カウンタ値に加えて、そのカウンタ値を実際のモータ回転角に対応する値へと戻すことが考えられる。ただし、カウンタ値に基づき検出されるバルブ特性が目標とする特性にされているとき、上記ずれ量に対応する分の補正がカウンタ値に加えられると、同カウンタ値を実際のモータ回転角に対応する値に修正することはできるものの、同カウンタ値に基づき検出されるバルブ特性は目標とする特性からずれることになる。このように、検出されるバルブ特性が目標の特性からずれると、バルブリフト可変機構の駆動制御を通じて上記検出されるバルブ特性(実際のバルブ特性)が目標の特性に向けて急変させられ、それに伴い内燃機関の吸入空気量が急変してトルクショックが生じるおそれがある。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、位置カウンタのカウンタ値におけるモータの実際の回転角に対応する値からのずれを無くすべく、位置カウンタのカウンタ値を補正するとき、内燃機関にトルクショックが生じるのを抑制することのできる内燃機関の可変動弁装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、吸気バルブのバルブ特性を可変とするバルブリフト可変機構と、同機構を駆動すべく所定の回転角範囲内での回転駆動が行われるモータと、同モータの回転に伴いパルス信号を出力する位置センサとを備え、その位置センサからのパルス信号のエッジを計数する位置カウンタのカウンタ値に基づき前記吸気バルブの実際のバルブ特性を検出し、その検出されたバルブ特性が目標とする特性となるよう前記モータを駆動する内燃機関の可変動弁装置において、前記位置カウンタのカウンタ値が前記モータの実際の回転角に対応する値からずれているとき、その値に対する前記カウンタ値のずれ量を算出する算出手段と、前記ずれ量を補正値として設定し、その補正値分の補正を前記位置カウンタのカウンタ値に対し徐々に加える補正手段とを備えた。
カウンタ値に基づき検出されるバルブ特性が目標の特性とされているとき、位置カウンタのカウンタ値におけるモータの実際の回転角に対応する値からのずれを無くすための当該カウンタ値の補正が行われると、次のような不具合が生じるおそれがある。すなわち、上記補正によりカウンタ値が実際のモータ回転角に対応する値へと変化させられるとき、同カウンタ値に基づき検出されるバルブ特性は目標の特性からずれることになる。このように、当該検出されるバルブ特性が目標の特性からずれると、バルブリフト可変機構の駆動制御を通じて上記検出されるバルブ特性(実際のバルブ特性)が目標の特性に向けて急変させられ、それに伴い内燃機関の吸入空気量が急変してトルクショックが生じる。しかし、上記位置カウンタのカウンタ値の補正については、当該カウンタ値におけるモータの実際の回転角に対応する値からのずれ量を補正値として設定し、同補正値分の補正を上記カウンタ値に徐々に加えることによって行われるため、補正開始後の位置カウンタのカウンタ値に基づき検出されるバルブ特性が目標の特性から急にずれることはない。従って、当該補正開始後、検出されるバルブ特性を目標の特性とすべくバルブリフト可変機構を駆動制御したとき、バルブ特性が目標の特性に向けて急変することは抑制され、その急変に伴い内燃機関の吸入空気量が急変してトルクショックが生じるのを抑制することができる。
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明において、前記補正手段は、前記位置カウンタのカウンタ値に対し補正を加える際、その補正後のバルブ特性の変化が内燃機関の吸入空気量減少側になされるときには、前記補正後のバルブ特性の変化が内燃機関の吸入空気量増大側になされるときに比べて、前記補正を加える際の補正速度を大とするものとした。
補正手段による補正後には、位置カウンタのカウンタ値に基づき検出される吸気バルブのバルブ特性が目標とする特性からずれる。このため、そのずれをなくすべくバルブリフト可変機構が駆動制御され、上記検出されるバルブ特性(実際のバルブ特性)が目標の特性に向けて変化させられる。
ここで、補正手段による補正後にバルブ特性を目標の特性に変化させる際、その変化が内燃機関の吸入空気量増加側になされるときには、その吸入空気量の増加側への急変に伴う機関出力の急上昇が機関運転性の悪化を招くことになりやすい。これに対し、上記バルブ特性の目標の特性への変化が吸入空気量減少側になされるときには、その吸入空気量の減少側への急変に伴う機関出力の低下が機関運転性の悪化を招くことにはなりにくい。
仮に、上記バルブ特性の目標の特性への変化が吸入空気量増加側になされるときに合わせて、その際の吸入空気量の増加側への急変を抑えるべく、補正手段による補正の補正速度を設定したとすると、次のような不具合が生じる。すなわち、上記バルブ特性の目標の特性への変化が吸入空気量減少側になされるとき、補正手段による補正の補正速度を大としても機関運転性に悪影響がないのにも拘わらず、上記補正速度が低く抑えられてバルブ特性を速やかに目標の特性とすることができなくなる。
しかし、上記構成によれば、上記バルブ特性の目標の特性への変化が吸入空気量増加側になされるときには補正手段による補正の補正速度が小とされて機関運転性の悪化が抑制され、上記バルブ特性の目標の特性への変化が吸入空気量減少側になされるときには補正手段による補正の補正速度が大とされてバルブ特性が速やかに目標の特性となるようにされる。従って、補正手段による補正が加えられた後にバルブ特性(実際のバルブ特性)を目標の特性に向けて変化させる際、機関運転性能が悪化するのを抑制しつつ、バルブ特性を可能な限り速やかに目標の特性とすることができる。
請求項3記載の発明では、請求項1記載の発明において、前記補正手段は、前記位置カウンタのカウンタ値に対し補正を加える際、そのときのバルブ特性が内燃機関の吸入空気量を大とする特性であるときには、前記バルブ特性が内燃機関の吸入空気量を小とする特性であるときに比べて、前記補正を加える際の補正速度を大とするものとした。
補正手段による補正後には、位置カウンタのカウンタ値に基づき検出される吸気バルブのバルブ特性が目標とする特性からずれる。このため、そのずれをなくすべくバルブリフト可変機構が駆動制御され、上記検出されるバルブ特性(実際のバルブ特性)が目標の特性に向けて変化させられる。
ここで、補正手段による補正後にバルブ特性を目標の特性に変化させる際、そのときのバルブ特性が内燃機関の吸入空気量を大とする特性であり、内燃機関の吸入空気量が大となっているときには、上記バルブ特性の変化による吸入空気量の変化が機関出力に影響を与えにくく機関運転性の悪化を招くことにはなりにくい。これは、内燃機関の吸入空気量が大となっているときには、その吸入空気量の大きさに対する上記バルブ特性の変化による吸入空気量の変化量の大きさの比率が小となるためである。一方、補正手段による補正後にバルブ特性を目標の特性に変化させる際、そのときのバルブ特性が内燃機関の吸入空気量を小とする特性であり、内燃機関の吸入空気量が小となっているときには、上記バルブ特性の変化による吸入空気量の変化が機関出力に影響を与えやすく機関運転性の悪化を招くことになりやすい。これは、内燃機関の吸入空気量が小となっているときには、その吸入空気量の大きさに対する上記バルブ特性の変化による吸入空気量の変化量の大きさの比率が大となるためである。
仮に、補正手段による補正後にバルブ特性を目標の特性に変化させる際、そのときのバルブ特性が内燃機関の吸入空気量を小とする特性であるとの想定のもと、上記バルブ特性の変化に伴う吸入空気量の急変を抑えるべく、上記補正手段による補正の補正速度を設定したとすると、次のような不具合が生じる。すなわち、補正手段による補正後にバルブ特性を目標の特性に変化させる際、そのときのバルブ特性が内燃機関の吸入空気量を大とする特性であるとき、補正手段による補正の速度を大としても機関運転に悪影響がないのにも拘わらず、上記補正速度が低く抑えられてバルブ特性を速やかに目標の特性とすることができなくなる。
しかし、上記構成によれば、補正手段による補正後にバルブ特性を目標の特性に変化させる際、そのときのバルブ特性が内燃機関の吸入空気量を小とする特性であるときには補正手段による補正の補正速度が小とされて機関運転性の悪化が抑制され、上記バルブ特性が吸入空気量を大とする特性であるときには補正手段による補正の補正速度が大とされてバルブ特性が速やかに目標の特性となるようにされる。従って、補正手段による補正が加えられた後にバルブ特性(実際のバルブ特性)を目標の特性に向けて変化させる際、機関運転性能が悪化するのを抑制しつつ、バルブ特性を可能な限り速やかに目標の特性とすることができる。
請求項4記載の発明では、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、前記モータは、その回転時に同モータに設けられた複数の電気角センサから位相をずらして出力されるパルス信号の出力パターンに基づき通電相を切り換えることで駆動されるブラシレスモータであり、前記位置センサは、各電気角センサからのパルス信号のエッジ間隔よりも短いエッジ間隔のパルス信号を出力するものであり、前記算出手段は、各電気角センサから出力されるパルス信号のエッジ発生毎に、今回のエッジ発生時における位置カウンタのカウンタ値Pi と前回のエッジ発生時における位置カウンタのカウンタ値Pi-1 との差(Pi −Pi-1 )を算出し、前記差(Pi −Pi-1 )の正常時の値である正常値に対する当該差(Pi −Pi-1 )のずれ量を、前記位置カウンタのカウンタ値における前記モータの実際の回転角に対応する値からのずれ量とすることを要旨とした。
上記構成によれば、位置カウンタのカウンタ値がモータの実際の回転角に対応した値からずれると、そのずれが差(Pi −Pi-1 )に反映される。すなわち、そのずれの分だけ上記差(Pi −Pi-1 )が正常値からずれることになる。従って、正常値に対する上記差(Pi −Pi-1 )のずれ量を、位置カウンタのカウンタ値におけるモータの実際の回転角に対応する値からのずれ量として用いることができる。また、このずれ量を求めるための上記差(Pi −Pi-1 )を算出するのには、モータの駆動に用いられる電気角センサがあればよく、新たなセンサ等を設ける必要がない。
請求項5記載の発明では、請求項4記載の発明において、前記算出手段は、前記モータの回転状態が正回転中、逆回転中、及び正逆回転反転中のうちのいずれであるかを判断し、前記各電気角センサから出力されるパルス信号のエッジ間において前記位置センサから出力されるパルス信号のエッジ数の適正値が「n」であるとすると、前記正常値をモータ正回転中であれば「n」に設定し、モータ逆回転中であれば「−n」に設定し、モータ正逆回転反転中であれば「0」に設定するものとした。
位置カウンタのカウンタ値は、ブラシレスモータの正回転時に位置センサからのパルス信号のエッジ毎に「1」ずつ増加してゆき、ブラシレスモータの逆回転時には位置センサからのパルス信号のエッジ毎に「1」ずつ減少してゆく。このため、位置カウンタのカウンタ値が正常であるとき、差(Pi −Pi-1 )は、モータ正回転中であれば上記エッジ数nに対応して「n」となり、モータ逆回転中であれば「−n」となり、ブラシレスモータの正逆回転反転中であれば「0」となる。上記構成によれば、正常値がブラシレスモータの回転状態に応じて「n」、「−n」、及び「0」の間で切り換えられるため、その正常値に対する差(Pi −Pi-1 )のずれ量をモータ回転状態に関わらず適切に算出することができる。
請求項6記載の発明では、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発明において、前記補正手段は、所定間隔毎に前記補正値よりも小さい所定値ずつ位置カウンタのカウンタ値を補正することで、前記補正値分の補正を当該カウンタ値に対し徐々に加えるものとした。
上記構成によれば、補正手段による位置カウンタのカウンタ値の補正は、所定間隔毎に所定値ずつ当該カウンタ値を補正するという態様で行われるため、上記補正値分の補正を同カウンタ値に対して徐々に加えることが的確に行われるようになる。
請求項7記載の発明では、請求項6記載の発明において、前記所定間隔と前記所定値との少なくとも一方は、内燃機関の吸入空気量の急変を招くことのない値に設定されていることを要旨とした。
上記構成によれば、補正値分の補正を位置カウンタのカウンタ値に徐々に加える際、その補正態様が内燃機関の吸入空気量の急変を招くことのない態様となる。従って、その吸入空気量の急変に起因して内燃機関にトルクショックが生じるのを的確に抑制することができる。
請求項8記載の発明では、請求項6記載の発明において、前記補正手段は、前記所定間隔毎に前記所定値ずつ位置カウンタのカウンタ値を補正する際、その補正後のバルブ特性の変化が内燃機関の吸入空気量減少側になされるときには、前記補正後のバルブ特性の変化が内燃機関の吸入空気量増大側になされるときに比べて、前記所定間隔を小とするものとした。
補正手段による補正後には、位置カウンタのカウンタ値に基づき検出される吸気バルブのバルブ特性が目標とする特性からずれる。このため、そのずれをなくすべくバルブリフト可変機構が駆動制御され、上記検出されるバルブ特性(実際のバルブ特性)が目標の特性に向けて変化させられる。上記構成によれば、上記バルブ特性の目標の特性への変化が吸入空気量減少側になされるときには、所定値ずつ位置カウンタのカウンタ値を補正する際の間隔が小とされるため、補正手段による補正の補正速度を的確に大とすることができる。一方、上記バルブ特性の目標の特性への変化が吸入空気量増加側になされるときには、所定値ずつ位置カウンタのカウンタ値を補正する際の間隔が大とされるため、補正手段による補正の補正速度を的確に小とすることができる。
請求項9記載の発明では、請求項6記載の発明において、前記補正手段は、前記所定間隔毎に前記所定値ずつ位置カウンタのカウンタ値を補正する際、その補正後のバルブ特性の変化が内燃機関の吸入空気量減少側になされるときには、前記補正後のバルブ特性の変化が内燃機関の吸入空気量増大側になされるときに比べて、前記所定値を大とするものとした。
補正手段による補正後には、位置カウンタのカウンタ値に基づき検出される吸気バルブのバルブ特性が目標とする特性からずれる。このため、そのずれをなくすべくバルブリフト可変機構が駆動制御され、上記検出されるバルブ特性(実際のバルブ特性)が目標の特性に向けて変化させられる。上記構成によれば、上記バルブ特性の目標の特性への変化が吸入空気量減少側になされるときには、所定間隔毎に位置カウンタのカウンタ値を所定値ずつ補正する際の同所定値が大とされるため、補正手段による補正の補正速度を的確に大とすることができる。一方、上記バルブ特性の目標の特性への変化が吸入空気量増加側になされるときには、所定間隔毎に位置カウンタのカウンタ値を所定値ずつ補正する際の同所定値が小とされるため、補正手段による補正の補正速度を的確に小とすることができる。
請求項10記載の発明では、請求項6記載の発明において、前記補正手段は、前記所定間隔毎に前記所定値ずつ位置カウンタのカウンタ値を補正する際、そのときのバルブ特性が内燃機関の吸入空気量を大とする特性であるときには、前記バルブ特性が内燃機関の吸入空気量を小とする特性であるときに比べて、前記所定間隔を小とするものとした。 補正手段による補正後には、位置カウンタのカウンタ値に基づき検出される吸気バルブのバルブ特性が目標とする特性からずれる。このため、そのずれをなくすべくバルブリフト可変機構が駆動制御され、上記検出されるバルブ特性(実際のバルブ特性)が目標の特性に向けて変化させられる。上記構成によれば、補正手段による補正後にバルブ特性を目標の特性に変化させる際、そのときのバルブ特性が内燃機関の吸入空気量を大とする特性であるときには、所定値ずつ位置カウンタのカウンタ値を補正する際の間隔が小とされるため、補正手段による補正の補正速度を的確に大とすることができる。一方、補正手段による補正後にバルブ特性を目標の特性に変化させる際、そのときのバルブ特性が内燃機関の吸入空気量を小とする特性であるときには、所定値ずつ位置カウンタのカウンタ値を補正する際の間隔が大とされるため、補正手段による補正の補正速度を的確に小とすることができる。
請求項11記載の発明では、請求項6記載の発明において、前記補正手段は、前記所定間隔毎に前記所定値ずつ位置カウンタのカウンタ値を補正する際、そのときのバルブ特性が内燃機関の吸入空気量を大とする特性であるときには、前記バルブ特性が内燃機関の吸入空気量を小とする特性であるときに比べて、前記所定値を大とするものとした。
補正手段による補正後には、位置カウンタのカウンタ値に基づき検出される吸気バルブのバルブ特性が目標とする特性からずれる。このため、そのずれをなくすべくバルブリフト可変機構が駆動制御され、上記検出されるバルブ特性(実際のバルブ特性)が目標の特性に向けて変化させられる。上記構成によれば、補正手段による補正後にバルブ特性を目標の特性に変化させる際、そのときのバルブ特性が内燃機関の吸入空気量を大とする特性であるときには、所定間隔毎に位置カウンタのカウンタ値を所定値ずつ補正する際の同所定値が大とされるため、補正手段による補正の補正速度を的確に大とすることができる。一方、補正手段による補正後にバルブ特性を目標の特性に変化させる際、そのときのバルブ特性が内燃機関の吸入空気量を小とする特性であるときには、所定間隔毎に位置カウンタのカウンタ値を所定値ずつ補正する際の同所定値が小とされるため、補正手段による補正の補正速度を的確に小とすることができる。
[第1実施形態]
以下、本発明を自動車用エンジンの可変動弁装置に具体化した第1実施形態を図1〜図12に従って説明する。
図1は、エンジン1における所定気筒のシリンダヘッド2周りの構造を示す拡大断面図である。このエンジン1においては、シリンダヘッド2、シリンダブロック3、及びピストン5によって燃焼室6が区画され、燃焼室6には吸気通路7及び排気通路8が接続されている。そして、吸気通路7と燃焼室6との間は吸気バルブ9の開閉動作によって連通・遮断され、排気通路8と燃焼室6との間は排気バルブ10の開閉動作によって連通・遮断されるようになる。
シリンダヘッド2には、吸気バルブ9及び排気バルブ10を駆動するための吸気カムシャフト11及び排気カムシャフト12が設けられている。これら吸気カムシャフト11及び排気カムシャフト12は、エンジン1のクランクシャフトからの回転伝達によって回転するようになっている。また、吸気カムシャフト11及び排気カムシャフト12には、それぞれ吸気カム11a及び排気カム12aが設けられている。そして、これら吸気カム11a及び排気カム12aの吸気カムシャフト11及び排気カムシャフト12との一体回転を通じて、吸気バルブ9及び排気バルブ10が開閉動作するようになっている。
また、エンジン1には、吸気バルブ9及び排気バルブ10といった機関バルブのバルブ特性を可変とするバルブリフト可変機構として、吸気バルブ9の最大リフト量及び吸気カム11aの作用角を可変とするバルブリフト可変機構14が吸気カム11aと吸気バルブ9との間に設けられている。このバルブリフト可変機構14の駆動を通じて、例えば吸入空気量を多く必要とするエンジン運転状態になるほど、最大リフト量及び作用角が大となるよう制御される。これは最大リフト量及び作用角を大とするほど、吸気通路7から燃焼室6への空気の吸入が効率よく行われ、上述した吸入空気量に関する要求を満たすことが可能なためである。
次に、バルブリフト可変機構14の詳細な構造について説明する。
バルブリフト可変機構14は、回転する吸気カム11aにより押されて上記吸気カムシャフト11と平行に延びるロッカシャフト15及びコントロールシャフト16の軸線を中心に揺動する入力アーム17と、この入力アーム17の揺動に基づき上記軸線を中心に揺動する出力アーム18とを備えている。入力アーム17については、ローラ19が回転可能に取り付けられるとともに、そのローラ19が吸気カム11aに押しつけられるようコイルスプリング20によって吸気カム11a側に付勢されている。また、出力アーム18は、その揺動時にロッカアーム21に押しつけられ、同ロッカアーム21を介して吸気バルブ9をリフトさせる。
このロッカアーム21の基端部はラッシュアジャスタ22によって支持され、同ロッカアーム21の先端部は吸気バルブ9に接触している。また、ロッカアーム21は吸気バルブ9のバルブスプリング24によって出力アーム18側に付勢され、これによりロッカアーム21の基端部と先端部との間に回転可能に支持されたローラ23が出力アーム18に押しつけられている。従って、吸気カム11aの回転に基づき入力アーム17及び出力アーム18が揺動すると、出力アーム18がロッカアーム21を介して吸気バルブ9をリフトさせ、吸気バルブ9の開閉動作が行われるようになる。
バルブリフト可変機構14では、パイプ状のロッカシャフト15内に配置されたコントロールシャフト16を軸方向に変位させることで、入力アーム17と出力アーム18との揺動方向についての相対位置を変更することが可能となっている。このように、入力アーム17と出力アーム18との揺動方向についての相対位置を変更すると、上記吸気バルブ9の最大リフト量、及び吸気カム11aの吸気バルブ9に対する作用角が可変とされる。即ち、入力アーム17と出力アーム18とを揺動方向について互いに接近させるほど、吸気バルブ9の最大リフト量及び吸気カム11aの作用角は小となってゆく。逆に、入力アーム17と出力アーム18とを揺動方向について互いに離間させるほど、吸気バルブ9の最大リフト量及び吸気カム11aの作用角は大となってゆく。
次に、バルブリフト可変機構14を駆動すべく上記コントロールシャフト16を軸方向に変位させるための駆動機構、及び、その駆動機構を駆動制御する制御装置について、図2を参照して説明する。
同図に示されるように、コントロールシャフト16の基端部(図中右端部)には、ブラシレスモータ47が変換機構48を介して連結されている。この変換機構48は、ブラシレスモータ47の回転運動をコントロールシャフト16の軸方向への直線運動に変換するためのものである。そして、上記ブラシレスモータ47の所定の回転角範囲内での回転駆動、例えば同モータ47の10回転分の回転角範囲(0〜3600°)内での回転駆動を通じて、コントロールシャフト16が軸方向に変位させられ、バルブリフト可変機構14が駆動されることとなる。
ちなみに、ブラシレスモータ47を逆回転させると、コントロールシャフト16は先端(図中左端)側に変位し、入力アーム17と出力アーム18との揺動方向についての相対位置が互いに接近するように変更される。また、ブラシレスモータ47を正回転させると、コントロールシャフト16は基端(図中右端)側に変位し、入力アーム17と出力アーム18との揺動方向についての相対位置が互いに離間するように変更される。こうしたブラシレスモータ47の回転駆動による入力アーム17及び出力アーム18の揺動方向についての相対位置の変更を通じて、吸気カム11aの回転により出力アーム18が揺動したときの吸気バルブ9の最大リフト量、及び吸気カム11aの作用角が可変とされる。
ブラシレスモータ47には、三つの電気角センサS1〜S3、及び二つの位置センサS4,S5が設けられている。
三つの電気角センサS1〜S3は、ブラシレスモータ47の回転時、同モータ47のロータと一体回転する4極の多極マグネットの磁気に応じて、図3(a)〜(c)に示されるようなパルス状の信号、すなわちハイ信号「H」とロー信号「L」とを交互に出力するものである。また、各電気角センサS1〜S3からのパルス信号は、互いに位相をずらした状態で出力されるようになっている。すなわち、こうしたパルス信号の波形が得られるよう、上記ロータに対する各電気角センサS1〜S3の周方向位置が定められている。なお、各電気角センサS1〜S3のうちの一つのセンサから出力されるパルス信号のエッジは、ブラシレスモータ47の45°回転毎に発生している。また、上記一つのセンサからのパルス信号は、他のセンサからのパルス信号に対し、ブラシレスモータ47の30°回転分だけ進み側及び遅れ側に位相をずらした状態となっている。
二つの位置センサS4,S5は、ブラシレスモータ47の回転時、同モータ47のロータと一体回転する48極の多極マグネットの磁気に応じて、図3(d)及び(e)に示されるようなパルス状の信号、すなわちハイ信号「H」とロー信号「L」とを交互に出力するものである。また、各位置センサS4,S5からのパルス信号は、互いに位相をずらした状態で出力されるようになっており、モータ正回転時には位置センサS4からのパルス信号の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジがそれぞれ、位置センサS4からのパルス信号の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジよりも先に生じる。すなわち、こうしたパルス信号の波形が得られるよう、上記ロータに対する各位置センサS4,S5の周方向位置が定められている。なお、各位置センサS4,S5の内の一方のセンサから出力されるパルス信号のエッジは、ブラシレスモータ47の7.5°回転毎に発生している。また、上記一方のセンサからのパルス信号は、他方のセンサからのパルス信号に対し、ブラシレスモータ47の3.75°回転分だけ位相をずらした状態となっている。
従って、電気角センサS1〜S3からのパルス信号のエッジ間隔が15°であるのに対し、位置センサS4,S5からのパルス信号のエッジ間隔は3.75°と上記15°というエッジ間隔よりも短くなっている。更に、電気角センサS1〜S3からのパルス信号のエッジ発生から次回のエッジ発生までには、位置センサS4,S5からのパルス信号のエッジが4回発生するようになっている。
バルブリフト可変機構14を駆動制御すべくブラシレスモータ47を回転駆動する可変動弁装置は、吸気バルブ9の最大リフト量及び吸気カム11aの作用角といった吸気バルブ9のバルブ特性の制御など、エンジン1の各種制御を行う電子制御装置50(図2)を備えている。この電子制御装置50は、上記各種制御にかかる演算処理を実行するCPU、その制御に必要なプログラムやデータの記憶されたROM、CPUの演算結果が一時的に記憶されるRAM、外部との間で信号を入・出力するための入・出力ポート等を備えて構成されている。
電子制御装置50の入力ポートには、上述した電気角センサS1〜S3及び位置センサS4,S5が接続されるほか、更に以下のセンサを含む各種センサが接続されている。
・自動車の運転者によって踏み込み操作されるアクセルペダルの踏み込み量(アクセル踏込量)を検出するアクセルポジションセンサ51。
・エンジン1の吸気通路7に設けられたスロットルバルブの開度(スロットル開度)を検出するスロットルポジションセンサ52。
・上記吸気通路7を介して燃焼室6に吸入される空気の量を検出するエアフローメータ53。
・エンジン1の出力軸の回転に対応する信号を出力してエンジン回転速度の検出等に用いられるクランクポジションセンサ54。
・自動車の運転者により切り換え操作され、現在の切換位置に対応した信号を出力するイグニッションスイッチ55。
また、電子制御装置50の出力ポートには、ブラシレスモータ47の駆動回路等が接続されている。電子制御装置50は、上記各種センサから入力した検出信号に基づきエンジン運転状態を把握する。そして、その把握したエンジン運転状態に基づきブラシレスモータ47を駆動してコントロールシャフト16を軸方向に変位させることで、バルブリフト可変機構14が駆動されて吸気バルブ9のバルブ特性制御が行われる。なお、ブラシレスモータ47の駆動は、各電気角センサS1〜S3から出力される同モータ47の回転時のパルス信号の出力パターンに応じて、ブラシレスモータ47の通電相を切り換えることによって行われる。
吸気バルブ9のバルブ特性、すなわち吸気バルブ9の最大リフト量及び吸気カム11aの作用角を精密に制御するには、実際の最大リフト量及び作用角を正確に検出し、それらが目標とする最大リフト量及び作用角となるよう、ブラシレスモータ47の回転駆動を通じてバルブリフト可変機構14を駆動制御することが重要になる。ここで、上記最大リフト量及び作用角は、コントロールシャフト16の軸方向位置、言い換えればブラシレスモータ47の上記所定回転角範囲内での回転角に対応したものとなる。従って、ブラシレスモータ47の回転角を正確に検出することにより、実際の最大リフト量及び作用角を正確に検出することができるようになる。
以下、実際の最大バルブリフト量及び作用角を検出するためのブラシレスモータ47の回転角の検出手順について、図3のタイミングチャート及び図4のフローチャートを併せ参照して説明する。
図3において、(a)〜(e)は、ブラシレスモータ47の回転時における同モータ47の回転角変化に対し、各センサS1〜S5からパルス信号がどのように出力されるかを示す波形図である。また、(f)〜(h)ではそれぞれ、ブラシレスモータ47の回転時における同モータ47の回転角の変化に対し、電気角カウンタE、位置カウンタP、及びストロークカウンタSのカウンタ値がどのように推移するかを示している。
なお、上記電気角カウンタEは、ブラシレスモータ47を駆動すべく同モータ47の通電相を切り換える際に用いられるものである。また、上記位置カウンタPは、エンジン1を運転開始する際のイグニッションスイッチ55のオン操作(イグニッションオン)後、ブラシレスモータ47の回転角がどれだけ変化したかを表すものである。更に、上記ストロークカウンタSは、ブラシレスモータ47の上記所定回転角範囲(10回転分)において、コントロールシャフト16の最も先端側に変位させたときのブラシレスモータ47の回転角を基準(0°)とした同モータ47の回転角を表すものである。
図4は、上記電気角カウンタE、位置カウンタP、及びストロークカウンタSのカウンタ値を変化させるためのカウント処理ルーチンを示すフローチャートである。同ルーチンは、電子制御装置50を通じて、位置センサS4,S5からのパルス信号のエッジ間隔に対応する時間間隔よりも短い間隔をもって周期的に実行される。
同ルーチンにおいては、まず図3(a)〜(c)に示される各電気角センサS1〜S3からのパルス信号の出力パターンに基づき、図3(f)に示されるように電気角カウンタEのカウンタ値を変化させる(S101)。
より詳しくは、図5(a)に示されるように、各電気角センサS1〜S3から各々ハイ信号「H」とロー信号「L」とのいずれが出力されているかに応じて、電気角カウンタEのカウンタ値が「0」〜「5」の範囲内の連続した整数値のうちのいずれかが当てはめられる。その結果、ブラシレスモータ47の正回転時(図3中右向き)には、電気角センサS1〜S3からのパルス信号の出力パターンに応じて、「0」〜「5」の範囲内の連続した各整数値が「0」→「1」→「2」 →「3」→「4」→「5」→「0」といった順序で順方向に電気角カウンタEのカウンタ値として当てはめられる。また、ブラシレスモータ47の逆回転時(図3中左向き)には、電気角センサS1〜S3からのパルス信号の出力パターンに応じて、「0」〜「5」の範囲内の連続した各整数値が「5」→「4」→「3」 →「2」→「1」→「0」→「5」といった順序で逆方向に電気角カウンタEのカウンタ値として当てはめられる。なお、何らかの原因により、各電気角センサS1〜S3全てがハイ信号「H」を出力する場合、或いは、各電気角センサS1〜S3全てがロー信号「L」を出力する場合もあるが、これらの場合には異常状態である旨判断され、電気角カウンタEのカウンタ値がそのまま保持されることとなる。
そして、この電気角カウンタEのカウンタ値に基づき、ブラシレスモータ47の通電層を切り換えることで、同モータの正回転方向または逆回転方向への駆動が行われる。
続いて、各位置センサS4,S5からのパルス信号の出力パターンに基づき、同パルス信号のエッジ毎に位置カウンタPのカウンタ値を増減させる(図4のS102)。
詳しくは、図5(b)に示されるように、位置センサS4,S5のうち、一方のセンサからパルス信号の立ち上がりエッジと立ち下がりエッジとのいずれが生じているか、及び、他方のセンサからハイ信号「H」とロー信号「L」とのいずれが出力されているかに応じて、位置カウンタPのカウンタ値に対し「+1」と「−1」とのいずれかが加算される。なお、同図において、「↑」はパルス信号の立ち上がりエッジを表し、「↓」はパルス信号の立ち下がりエッジを表している。こうした処理を実行して得られる位置カウンタPのカウンタ値は、各位置センサS4,S5からのパルス信号のエッジを計数した値ということになる。
ここで、ブラシレスモータ47の正回転中であれば、位置カウンタPのカウンタ値は、図3(d)及び(e)に示される位置センサS4,S5からのパルス信号のエッジ毎に「1」ずつ加算されてゆき、図3(g)中の右方向に変化してゆく。また、ブラシレスモータ47の逆回転中であれば、位置カウンタPのカウンタ値は、上記エッジ毎に「1」ずつ減算されてゆき、図3(g)中の左方向に変化してゆく。なお、この位置カウンタPは、イグニッションスイッチ55のオフ操作(イグニッションオフ)がなされたとき、「0」にリセットされる。従って、位置カウンタPのカウンタ値は、イグニッションオン後にコントロールシャフト16が軸方向にどれだけ変位したかを表すものとなる。
そして、図3(g)に示されるように変化する位置カウンタPに応じて、図3(h)に示されるようにストロークカウンタSが変化させられるようになる。具体的には、位置カウンタPに対して学習値Prの正負を反転させた値(−Pr)を加算して得られる値がストロークカウンタSのカウンタ値として設定される(図4のS103)。なお、上記学習値Prは、コントロールシャフト16をその移動範囲における図2の左端(先端)側の変位端まで変位させたとき、すなわちブラシレスモータ47の回転角を上記所定の回転角範囲内における上記コントロールシャフト16の変位状態に対応する端まで変化させたときの位置カウンタPのカウンタ値に対応した値である。この学習値Prは、イグニッションオン後に所定の条件下で学習が行われて電子制御装置50の不揮発性メモリ56に記憶されるものである。従って、位置カウンタPのカウンタ値に学習値Prの正負を反転させた値を加算して得られる値であるストロークカウンタSのカウンタ値は、コントロールシャフト16の最も先端側に変位した状態を基準とする同シャフト16の軸方向位置を表すものということになる。このことは言い換えれば、ストロークカウンタSのカウンタ値が、ブラシレスモータ47の上記所定回転角範囲におけるコントロールシャフト16の上記変位状態に対応する端を基準とした同モータ47の回転角を表すものになるということである。
電子制御装置50は、上記ストロークカウンタSのカウンタ値に基づき、ブラシレスモータ47の回転角、言い換えれば吸気バルブ9の最大リフト量及び吸気カム11aの作用角を検出する。そして、電子制御装置50は、バルブリフト可変機構14を駆動して上記最大リフト量及び作用角を制御する際、上記のように検出された最大リフト量及び作用角が目標とする値となるよう、ブラシレスモータ47を回転駆動してバルブリフト可変機構14を駆動制御する。これにより、上記最大リフト量及び作用角といったバルブ特性を目標とする特性へと精密に制御することができるようになる。
ところで、位置カウンタPのカウンタ値は、常にブラシレスモータ47の実際の回転角に対応しているとは限らず、その実際の回転角に対応した値からずれることがある。例えば、位置センサS4,S5から出力される信号にノイズが発生すると、そのノイズのエッジと位置センサS4,S5からのパルス信号のエッジとを見分けることができず、ノイズのエッジをパルス信号のエッジと誤認し、パルス信号のエッジを計数する位置カウンタPのカウンタ値がブラシレスモータ47の実際の回転角と対応しなくなる。
以下、上記不具合発生の詳細について、モータ正回転中に上記ノイズが発生した場合、及び、モータ逆回転中に上記ノイズが発生した場合を例に、図6を参照して説明する。なお、図6において、(a)〜(e)は、ブラシレスモータ47の回転角の変化に対する位置センサS4,S5からのパルス信号の波形、電気角カウンタEのカウンタ値の推移、及び、位置カウンタPのカウンタ値の推移を表している。
ブラシレスモータ47の正回転中、例えば図6(a)に示されるように、位置センサS4からの信号にノイズが発生し、そのノイズが位置センサS5からのパルス信号の立ち下がりエッジと重なると、上記ノイズの発生しているタイミングa,b,cでの位置センサS4,S5からの信号の出力パターンは、図7(a)に示されるようなパターンとなる。その結果、タイミングa,b,cでそれぞれ位置カウンタPのカウンタ値に「−1」が加算され、図6(d)のタイミングa,b,cでは当該カウンタ値が破線で示されるように「1」ずつ減少してゆく。一方、仮に上記ノイズが発生していないとすれば、タイミングa,b,cではタイミングbで位置カウンタPのカウンタ値に「1」が加算されるだけとなるはずである。このため、上記ノイズが発生したときの位置カウンタPのカウンタ値は、タイミングc以降、ブラシレスモータ47の実際の回転角に対応する値(実線)に対し、二点鎖線で示されるように「4」だけ小さくなる。
ブラシレスモータ47の逆回転中、例えば図6(a)に示されるノイズが発生し、そのノイズが位置センサS5からのパルス信号の立ち上がりエッジと重なった場合にも、位置カウンタPのカウンタ値がブラシレスモータ47の実際の回転角に対応する値からずれることになる。すなわち、上記ノイズの発生しているタイミングc,b,aでの位置センサS4,S5からの信号の出力パターンが図7(b)に示されるようなパターンとなり、タイミングc,b,aでそれぞれ位置カウンタPのカウンタ値に「1」が加算され、図6(e)のタイミングc,b,aでは当該カウンタ値が破線で示されるように「1」ずつ増加してゆく。一方、仮に上記ノイズが発生していないとすれば、タイミングc,b,aではタイミングbで位置カウンタPのカウンタ値に「−1」が加算されるだけとなるはずである。このため、上記ノイズが発生したときの位置カウンタPのカウンタ値は、タイミングa以降、ブラシレスモータ47の実際の回転角に対応する値(実線)に対し、二点鎖線で示されるように「4」だけ大きくなる。
以上のように、位置センサS4,S5から出力される信号にノイズが発生し、そのノイズが位置センサS4,S5からのパルス信号のエッジと重なると、位置カウンタPのカウンタ値がブラシレスモータ47の実際の回転角と対応しなくなる。その結果、位置カウンタP(正確にはストロークカウンタS)のカウンタ値に基づき検出されるブラシレスモータ47の実際の回転角、言い換えれば最大リフト量及び作用角といったバルブ特性が不正確になる。従って、上記検出されたバルブ特性が目標とする特性となるようブラシレスモータ47(バルブリフト可変機構14)を駆動したとき、実際のバルブ特性が目標とする特性からずれてしまい、エンジン運転に悪影響に及ぼすおそれがある。より詳しくは、吸気バルブ9の実際のバルブ特性を目標の特性に制御できないことから、当該バルブ特性に基づくエンジン1の吸入空気量の正しい推定を行えなくなり、ひいては推定される吸入空気量に基づきエンジン1を運転制御する際にエンジン1のエミッション不良や加速不良を招くこととなる。
上述したノイズに起因する不具合の発生を抑制するためには、位置カウンタPのカウンタ値におけるブラシレスモータ47の実際の回転角に対応する値からのずれ量を求め、そのずれ量に対応する分の補正を当該カウンタ値に加えて、そのカウンタ値をブラシレスモータ47の実際の回転角に対応する値に戻すことが必要になる。
この実施形態では、ブラシレスモータ47の駆動に用いられる電気角センサS1〜S3からのパルス信号を利用して、位置カウンタPのカウンタ値におけるブラシレスモータ47の実際の回転角に対応する値からのずれ量を求め、そのずれ量に対応する補正を上記カウンタ値に加えるようにしている。より詳しくは、以下の[1]〜[3]の処理を実行することで、上述した位置カウンタPのカウンタ値の補正を行い、同カウンタ値をブラシレスモータ47の実際の回転角に対応する値に戻すようにしている。
[1]各電気角センサS1〜S3から出力されるパルス信号のエッジ発生毎に、今回のエッジ発生時における位置カウンタPのカウンタ値Pi と前回のエッジ発生時における位置カウンタPのカウンタ値Pi-1 との差(Pi −Pi-1 )を算出する。
[2]電気角カウンタEのカウンタ値の変化に基づきブラシレスモータ47の回転状態が正回転中、逆回転中、及び正逆回転反転中のうちのいずれであるかを判断する。より詳しくは、各電気角センサS1〜S3からのパルス信号の前回のエッジ発生時と今回のエッジ発生時とにおける各々の電気角カウンタEの変化方向に基づき、ブラシレスモータ47が正回転中、逆回転中、及び正逆回転反転中のいずれであるかを判断する。すなわち、図8に示されるように、前回のエッジ発生時と今回のエッジ発生時との電気角カウンタEの変化方向について、それらが共に順方向であればモータ正回転中である旨の判断を行い、それらが共に逆方向であればモータ逆回転中である旨の判断を行う。また、前回のエッジ発生時と今回のエッジ発生時との電気角カウンタEの変化方向が順方向と逆方向とで異なっていれば、モータ正逆回転反転中である旨の判断を行う。そして、ブラシレスモータ47の回転状態に応じて差(Pi −Pi-1 )の正常時の値である正常値Jを可変設定する。この正常値Jの可変設定では、電気角センサS1〜S3からのパルス信号のエッジ間において位置センサS4,S5から出力されるパルス信号のエッジ数の適正値「n(本実施形態では「4」)」に関係して、正常値Jがモータ正回転中であれば「n」とされ、モータ逆回転中であれば「−n」とされ、モータ正逆回転反転中であれば「0」とされる。
[3]上記正常値Jに対する差(Pi −Pi-1 )のずれ量「J−(Pi −Pi-1 )」を補正値ΔPとし、当該補正値ΔP分の補正を位置カウンタPのカウンタ値に加える。
この場合、上記ノイズの発生に起因して位置カウンタPのカウンタ値がブラシレスモータ47の実際の回転角に対応しなくなり、その実際の回転角に対応する値からずれた状態になると、上記差(Pi −Pi-1 )に位置カウンタPのカウンタ値における上記実際の回転角に対応する値からのずれが反映される。すなわち、そのずれの分だけ上記差(Pi −Pi-1 )が正常値Jからずれることになる。従って、上記[3]の処理で算出される補正値ΔP分の補正を位置カウンタPのカウンタ値に加えることで、そのカウンタ値におけるブラシレスモータ47の実際の回転角に対応する値からのずれを無くすことができる。このため、位置カウンタPのカウンタ値等に基づき検出されるバルブ特性が目標の特性となるようブラシレスモータ47(バルブリフト可変機構14)を駆動したとき、実際のバルブ特性が目標とする特性からずれてしまい、エンジン運転に悪影響を及ぼすという不具合を抑制することができる。また、補正値ΔPを求めるための差(Pi −Pi-1 )を算出するのには、ブラシレスモータ47の駆動に用いられる電気角センサS1〜S3があればよく、上記異常発生の検出のために新たなセンサ等を設ける必要はない。
次に、上述した補正値ΔPによる位置カウンタPのカウンタ値の補正の概要について、ブラシレスモータ47の正回転中及び逆回転中での上記補正を例に、図6を参照して説明する。
ブラシレスモータ47の正回転中、図6(a)に示されるようにノイズが発生すると、図6(d)に示されるように、位置カウンタPのカウンタ値がブラシレスモータ47の実際の回転角に対応する値(実線)に対し、二点鎖線で示されるように「4」だけ小さくなることは上述したとおりである。この場合、電気角カウンタEのカウンタ値が「2」から「3」に変化する電気角センサS1〜S3からのパルス信号のエッジ発生時、上記差(Pi −Pi-1 )が正常値J(=4)に対し「−4」だけずれた「0」になる。このことは、言い換えれば上記差(Pi −Pi-1 )が正常値J(=4)に対し上述したエッジ数n分だけずれていることを意味する。
そして、電気角カウンタEのカウンタ値が「2」から「3」に変化する電気角センサS1〜S3からのパルス信号のエッジ発生時、正常値J(=4)に対する差(Pi −Pi-1 )のずれ量「J−(Pi −Pi-1 )=4」を補正値ΔPとし、当該補正値ΔP分の補正が位置カウンタPのカウンタ値(二点鎖線)に加えられる。その結果、図6(d)に黒矢印で示されるように、位置カウンタPのカウンタ値がブラシレスモータ47の実際の回転角に対応する値(実線)へと変化する。これにより、位置カウンタPのカウンタ値における上記実際の回転角に対応する値(実線)からのずれが修正される。
ブラシレスモータ47の逆回転中、図6(a)に示されるようにノイズが発生すると、図6(e)に示されるように、位置カウンタPのカウンタ値がブラシレスモータ47の実際の回転角に対応する値(実線)に対し、二点鎖線で示されるように「4」だけ大きくなることも上述した。この場合、電気角カウンタEのカウンタ値が「3」から「2」に変化する電気角センサS1〜S3からのパルス信号のエッジ発生時、上記差(Pi −Pi-1 )が正常値J(=−4)に対し「4」だけずれた「0」になる。このことは、言い換えれば上記差(Pi −Pi-1 )が正常値J(=4)に対し上述したエッジ数n分だけずれていることを意味する。
そして、電気角カウンタEのカウンタ値が「2」から「1」に変化する電気角センサS1〜S3からのパルス信号のエッジ発生時、正常値J(=−4)に対する差(Pi −Pi-1 )のずれ量「J−(Pi −Pi-1 )=−4」を補正値ΔPとし、当該補正値ΔP分の補正が位置カウンタPのカウンタ値(二点鎖線)に加えられる。その結果、図6(e)に黒矢印で示されるように、位置カウンタPのカウンタ値がブラシレスモータ47の実際の回転角に対応する値(実線)へと変化する。これにより、位置カウンタPのカウンタ値における上記実際の回転角に対応する値(実線)からのずれが修正される。
ところで、位置カウンタPのカウンタ値等に基づき検出されるブラシレスモータ47の回転角、言い換えれば吸気バルブ9のバルブ特性が目標とする値(特性)とされているとき、図6(d)、(e)の黒矢印で示される上記補正値ΔP分の補正によりカウンタ値を実際のモータ回転角に対応する値へと変化させると、次のような問題が生じる。すなわち、同補正の直後には位置カウンタPのカウンタ値に基づき検出されるバルブ特性が目標の特性から大きくずれることになり、その検出されるバルブ特性を目標の特性にすべくブラシレスモータ47(バルブリフト可変機構14)を駆動制御するとき、バルブ特性が目標の特性に向けて急変させられる。その結果、エンジン1の吸入空気量が急変してトルクショックが生じるおそれがある。
そこで本実施形態では、上記[3]の処理として、補正値ΔP分の補正を位置カウンタPのカウンタ値に対し徐々に加える。より詳しくは、予め定められた間隔t毎に補正値ΔPの絶対値よりも小さい所定値hずつ位置カウンタPのカウンタ値を補正し、それを間隔t毎の所定値hの合計値が補正値ΔPの絶対値と等しくなるまで続ける。これにより、補正後の位置カウンタPのカウンタ値に基づき検出されるバルブ特性が目標の特性から急にずれるのを抑制することができる。従って、当該補正開始後、検出されるバルブ特性を目標の特性とすべくバルブリフト可変機構14を駆動制御するとき、バルブ特性が上述したように目標の特性へと急変することはなくなり、その急変に伴いエンジン1の吸入空気量が急変してトルクショックが生じるのを抑制することができるようになる。
次に、上記補正値ΔP分の補正を位置カウンタPのカウンタ値に加える際の補正手順の概要について、図9のタイミングチャートを参照して説明する。図9において、(a)〜(e)は、ブラシレスモータ47の回転角の変化に対する位置センサS4,S5からのパルス信号の波形、電気角カウンタEのカウンタ値の推移、及び、位置カウンタPのカウンタ値の推移を表している。
ブラシレスモータ47の正回転中、図9(a)に示されるようにノイズが発生すると、最初の電気角センサS1〜S3からのパルス信号のエッジ発生時、すなわち電気角カウンタEのカウンタ値を「2」から「3」に変化させるエッジの発生時、上述したずれ量「J−(Pi −Pi-1 )=4」が補正値ΔPとして設定される。その後、補正値ΔP分の補正が位置カウンタPのカウンタ値に徐々に加えられるよう、図9(d)の間隔t毎に黒矢印で示されるように所定値hずつ当該カウンタ値が増加側に補正される。また、このときはモータ正回転中であることから、位置センサS4,S5からのパルス信号のエッジ毎に、位置カウンタPのカウンタ値に「1」が加算されることになる。従って、上記補正値ΔP分の位置カウンタPの補正が開始された後には、そのカウンタ値が図9(d)に二点鎖線で示されるようにブラシレスモータ47の実際の回転角に対応する値(実線)に徐々に近づいてゆく。そして、間隔t毎に位置カウンタPのカウンタ値に加える所定値hの合計値が補正値ΔPの絶対値と等しくなったとき、当該カウンタ値がブラシレスモータ47の実際の回転角に対応した値と一致し、当該カウンタ値に対して補正値ΔP分の補正が加えられたことになる。
ブラシレスモータ47の逆回転中、図9(a)に示されるようにノイズが発生すると、最初の電気角センサS1〜S3からのパルス信号のエッジ発生時、すなわち電気角カウンタEのカウンタ値を「2」から「1」に変化させるエッジの発生時、上述したずれ量「J−(Pi −Pi-1 )=−4」が補正値ΔPとして設定される。その後、補正値ΔP分の補正が位置カウンタPのカウンタ値に徐々に加えられるよう、図9(e)に間隔t毎に黒矢印で示されるように所定値hずつ当該カウンタ値が減少側に補正される。また、このときはモータ逆回転中であることから、位置センサS4,S5からのパルス信号のエッジ毎に、位置カウンタPのカウンタ値に「−1」が加算されることになる。従って、上記補正値ΔP分の位置カウンタPの補正が開始された後には、そのカウンタ値が図9(e)に二点鎖線で示されるようにブラシレスモータ47の実際の回転角に対応する値(実線)に徐々に近づいてゆく。そして、間隔t毎に位置カウンタPのカウンタ値に加える所定値hの合計値が補正値ΔPの絶対値と等しくなったとき、当該カウンタ値がブラシレスモータ47の実際の回転角に対応した値と一致し、当該カウンタ値に対して補正値ΔP分の補正が加えられたことになる。
以上のように、補正値ΔP分の補正を位置カウンタPのカウンタ値に対し徐々に加えることで、補正開始後に位置カウンタPのカウンタ値に基づき検出されるバルブ特性が目標の特性からずれる際の当該バルブ特性の動きが緩やかになる。従って、上記補正開始後において、検出されるバルブ特性を目標の特性とすべくバルブリフト可変機構14を駆動するとき、検出されるバルブ特性が目標の特性へと急変することが抑制され、その急変に伴いエンジン1の吸入空気量が急変してトルクショックが生じることも抑制される。
このときのトルクショックの発生の可能性は、ずれ量「J−(Pi −Pi-1 )」の大きさと、補正値ΔP分の補正を位置カウンタPのカウンタ値に加えるのに要する時間Tとによって変わってくる。詳しくは、ずれ量「J−(Pi −Pi-1 )」の大きさが大であって且つ時間Tが短いほど上記トルクショックは発生しやすくなり、逆にずれ量「J−(Pi −Pi-1 )」の大きさが小であって且つ時間Tが長いほど上記トルクショックは発生しにくくなる。なお、時間Tが短いほどトルクショックが発生しやすくなるのは、時間Tが短いということは補正値ΔP分の補正を位置カウンタPのカウンタ値に徐々に加える際の補正態様が急なものということになり、上述したエンジン1の吸入空気量の急変度合いが大となるためである。
補正値ΔP分の補正を位置カウンタPのカウンタ値に対し徐々に加える際の補正態様は、上述した間隔tの長さ及び所定値hの大きさによって変わってくる。すなわち、間隔tが長くなるほど、且つ所定値hが小さくなるほど、補正値ΔP分の補正が位置カウンタPのカウンタ値に加えられるのが緩やかになる。この実施形態での間隔t及び所定値hについては、上記トルクショックが生じるほどのエンジン1の吸入空気量の急変を招くことのない値に設定されている。言い換えれば、上記ずれ量「J−(Pi −Pi-1 )」の大きさと時間Tの長さとの関係が図10のハッチングで示されるトルクショック発生領域に入らないよう、上記間隔t及び所定値hが設定されている。ちなみに、この実施形態では、間隔tとして位置センサS4,S5からのパルス信号の直近のエッジ間隔と等しい時間間隔が採用され、所定値hとしてずれ量「J−(Pi −Pi-1 )」の大きさ(「4」)よりも小さい「1」という値が採用されている。
次に、上記補正値ΔP分の補正を位置カウンタPのカウンタ値に加える際の補正手順の詳細について、位置カウンタ補正ルーチンを示す図11及び図12のフローチャートを参照して説明する。この位置カウンタ補正ルーチンは、電子制御装置50を通じて、位置センサS4,S5からのパルス信号のエッジ間隔に対応する時間間隔よりも短い間隔をもって周期的に実行される。
同ルーチンにおいては、まず補正値ΔP分の補正が位置カウンタPのカウンタ値に加えられている最中であるかどうかを判断するためのフラグFが「0(補正中でない)」であるか否かが判断される(図11のS201)。ここで肯定判定であれば、上記[1]の処理として、ステップS202〜S204の処理が実行される。すなわち、電気角センサS1〜S3からのパルス信号のエッジが発生したとき(S202:YES)、位置カウンタPのカウンタ値が電子制御装置50のメモリに記憶され(S203)、今回のエッジ発生時のカウンタ値Pi と前回のエッジ発生時のカウンタ値Pi-1 との差(Pi −Pi-1 )が算出される(S204)。
続いて、上記[2]の処理として、ステップS205〜S209の処理が実行される。すなわち、電気角センサS1〜S3からのパルス信号における前回のエッジ発生時と今回のエッジ発生時との電気角カウンタEの変化方向に基づきブラシレスモータ47の回転状態が判断され、その回転状態に応じて上記差(Pi −Pi-1 )の正常値Jが可変設定される。具体的には、正常値Jは、モータ正回転中(S205:YES)であれば「4」に設定され(S207)、モータ逆回転中(S206:YES)であれば「−4」に設定され(S208)、モータ正逆回転反転中(S205、S206で共にNO)であれば「0」に設定される(S209)。
その後、上記[3]の処理として、ステップS210(図11)〜S218(図12)の処理が実行される。ステップS210の処理は、正常値Jに対する上記差(Pi −Pi-1 )のずれ量「J−(Pi −Pi-1 )」を補正値ΔPとして設定するためのものである。また、ステップS211〜S218の処理は、補正値ΔPの正負に応じて位置カウンタPのカウンタ値が所定値hずつ加減算補正し、その加減算補正の実行毎に補正値ΔPに所定値h分を加算、或いは補正値ΔPから所定値h分を減算するためのものである。
ステップS211〜S218の一連の処理において、補正値ΔPが「0」よりも大、すなわち正の値であれば(S211:YES)、補正タイミングであること(S212:YES)を条件に、位置カウンタPのカウンタ値に所定値hが加算され(S213)、続いて補正値ΔPから所定値hが減算される(S214)。また、補正値ΔPが「0」よりも小、すなわち負の値であれば(S215)補正タイミングであること(S216:YES)を条件に、位置カウンタPのカウンタ値から所定値hが減算され(S217)、続いて補正値ΔPに所定値hが加算される(S216)。
上記ステップS212,S216での補正タイミングであるか否かの判断については、補正値ΔPの設定が行われてから間隔tがあいたとき、或いは前記所定値hの加算または減算が行われてから間隔tがあいたとき、上記補正タイミングである旨の判断がなされることとなる。従って、位置カウンタPのカウンタ値は間隔t毎に所定値hずつ加減算補正され、これにより当該カウンタ値がブラシレスモータ47の実際の回転角に対応する値に到達するまで当該値に向けて徐々に近づいてゆくことになる。
また、上述したように位置カウンタPのカウンタ値が所定値hだけ加算または減算されると、フラグFが「1(補正中)」に設定される(S219)。このようにフラグFが「1」に設定されると、次回のステップS201の処理では否定判定がなされ、ステップS211に進むことになる。また、位置カウンタPのカウンタ値が所定値hだけ加算または減算されると、それに合わせて補正値ΔPが所定値hだけ減算または加算されるため、位置カウンタPのカウンタ値に対する補正値ΔP分の補正が完了して当該カウンタ値がブラシレスモータ47の実際の回転角に対応する値と一致したときには、補正値ΔPが「0」に達することになる。こうして補正値ΔPが「0」になると(S220:YES)、フラグFが「0(補正中でない)」に戻される。
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)位置センサS4,S5からの信号でのノイズ発生等に起因して、位置カウンタPのカウンタ値がブラシレスモータ47の実際の回転角に対応する値からずれたときには、その際のずれ量が補正値ΔPとして設定され、当該補正値ΔP分の補正が位置カウンタPのカウンタ値に加えられる。これにより、位置カウンタPのカウンタ値におけるブラシレスモータ47の実際の回転角に対応する値からのずれを無くすことができる。ただし、位置カウンタPのカウンタ値に基づき検出されるバルブ特性が目標の特性に制御されている状態にあって、上記ずれを無くすための補正値ΔP分の補正が上記カウンタ値に加えられると、同カウンタ値が実際のモータ回転角に対応する値に変化することに伴い、同カウンタ値に基づき検出されるバルブ特性が目標とする特性からずれる。従って、補正値ΔPをそのまま位置カウンタPのカウンタ値に加えると、補正後のカウンタ値に基づき検出されるバルブ特性が目標の特性から大きくずれ、その検出されるバルブ特性を目標の特性とすべくバルブリフト可変機構14を駆動制御したとき、バルブ特性が目標の特性に向けて急変させられる。その結果、エンジン1の吸入空気量が急変してトルクショックが生じるおそれがある。しかし、上記ずれを無くすための補正については、位置カウンタPのカウンタ値に対し補正値ΔP分の補正を徐々に加えることによって実現されているため、補正開始後の位置カウンタPのカウンタ値に基づき検出されるバルブ特性が目標の特性から急にずれることはない。従って、当該補正開始後、検出されるバルブ特性を目標の特性とすべくバルブリフト可変機構14を駆動制御したとき、バルブ特性が目標の特性に向けて急変することは抑制され、その急変に伴いエンジン1の吸入空気量が急変してトルクショックが生じるのを抑制することができる。
(2)位置カウンタPのカウンタ値に対する補正値ΔP分の補正は、間隔t毎に補正値ΔPの絶対値よりも小さい所定値hずつ当該カウンタ値を補正するという態様で行われるため、上記補正値ΔP分の補正を同カウンタ値に対して徐々に加えることが的確に行われるようになる。
(3)間隔t及び所定値hについては、ずれ量「J−(Pi −Pi-1 )」の大きさと時間Tの長さとの関係が図10のハッチングで示されるトルクショック発生領域に入らない値、言い換えればトルクショックが生じるほどのエンジン1の吸入空気量の急変を招くことのない値に設定されている。このため、上述したように補正値ΔP分の補正を位置カウンタPのカウンタ値に徐々に加える際、その補正態様がエンジン1の吸入空気量の急変を招くことのない態様とすることができ、ひいては当該吸入空気量の急変によってエンジン1のトルクショックを招くのを的確に抑制することができるようになる。
(4)電気角センサS1〜S3からのパルス信号のエッジ発生毎に、前回のエッジ発生時の位置カウンタPのカウンタ値Pi-1 と今回のエッジ発生時の位置カウンタPのカウンタ値Pi との差(Pi −Pi-1 )が算出される。この差(Pi −Pi-1 )には、位置カウンタPのカウンタ値がブラシレスモータ47の実際の回転角に対応する値からずれた状態になったとき、当該ずれが反映されることとなる。すなわち、そのずれの分だけ上記差(Pi −Pi-1 )が正常値Jからずれることになる。従って、正常値Jに対する差(Pi −Pi-1 )のずれ量「J−(Pi −Pi-1 )」を、位置カウンタPのカウンタ値におけるブラシレスモータ47の実際の回転角に対応する値からのずれ量として用いることができる。また、上記ずれ量「J−(Pi −Pi-1 )」を算出するのには、ブラシレスモータ47の駆動に用いられる電気角センサS1〜S3があればよく、新たなセンサ等を設ける必要はない。
(5)位置カウンタPのカウンタ値は、ブラシレスモータ47の正回転中には位置センサS4,S5からのパルス信号のエッジ毎に「1」ずつ増加してゆき、ブラシレスモータ47の逆回転中には位置センサS4,S5からのパルス信号のエッジ毎に「1」ずつ減少してゆく。このため、位置カウンタPのカウンタ値が正常であるとき、上記差(Pi −Pi-1 )は、モータ正回転中であれば上記エッジ数n(=4)に対応して「4」となり、モータ逆回転中であれば「−4」となり、モータ正逆回転反転中であれば「0」となる。これに対応して、差(Pi −Pi-1 )の正常値Jがブラシレスモータ47の回転状態に応じて「4」、「−4」、及び「0」の間で切り換えられる。従って、その正常値Jに対する上記差(Pi −Pi-1 )のずれ量「J−(Pi −Pi-1 )」を、ブラシレスモータ47の回転状態に関わらず適切に算出することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について図13を参照して説明する。
この実施形態は、位置カウンタPのカウンタ値に補正値ΔP分の補正を徐々に加える際、その補正後の最大リフト量及び作用角の変化が増大側になされるか、或いは減少側になされるかに応じて、上記補正の際の補正速度を可変とするようにしたものである。
ここで、上記補正値ΔPが負の値であるときには、その補正値ΔP分の補正を位置カウンタPのカウンタ値に加えることで、位置カウンタPのカウンタ値が減少するとともにストロークカウンタSのカウンタ値が減少する。このため、ストロークカウンタSのカウンタ値に基づき検出される実際の最大リフト量及び作用角(バルブ特性)が、上記補正によって、目標とする最大リフト量及び作用角よりも減少側に変化する。従って、上記補正後には実際の最大リフト量及び作用角を目標の値とすべくバルブリフト可変機構14が駆動され、実際の最大リフト量及び作用角が目標の値に向けて増加側、言い換えればエンジン1の吸入空気量を増加させる側に変化することとなる。このように上記補正後に実際の最大リフト量及び作用角を目標の値へと変化させる際、その変化がエンジン1の吸入空気量増加側になされるときには、その吸入空気量の増加側への急変に伴うエンジン出力の急上昇がエンジン運転性の悪化を招くことになりやすい。
これに対し、上記補正値ΔPが正の値であるときには、その補正値ΔP分の補正を位置カウンタPのカウンタ値に加えることで、位置カウンタPのカウンタ値が増加するとともにストロークカウンタSのカウンタ値が増加する。このため、ストロークカウンタSのカウンタ値に基づき検出される実際の最大リフト量及び作用角(バルブ特性)が、上記補正によって、目標とする最大リフト量及び作用角よりも増加側に変化する。従って、上記補正後には実際の最大リフト量及び作用角を目標の値とすべくバルブリフト可変機構14が駆動され、実際の最大リフト量及び作用角が目標の値に向けて減少側、言い換えればエンジン1の吸入空気量を減少させる側に変化することとなる。このように上記補正後に実際の最大リフト量及び作用角を目標の値へと変化させる際、その変化がエンジン1の吸入空気量減少側になされるときには、その吸入空気量の増加側への変化に伴うエンジン出力の低下がエンジン運転性の悪化を招くことにはなりにくい。
仮に、上記補正後における実際の最大リフト量及び作用角の目標の値への変化が増大側(吸入空気量増加側)になされるときに合わせて、吸入空気量の急変を抑えるべく、上記補正値ΔP分の補正を位置カウンタPのカウンタ値に徐々に加える際の補正速度を設定したとすると、次のような不具合が生じる。すなわち、上記補正後における実際の最大リフト量及び作用角の目標の値への変化が減少側(吸入空気量減少側)になされるとき、上記補正値ΔP分の補正を位置カウンタPのカウンタ値に徐々に加える際の補正速度を大としてもエンジン運転性に悪影響がないのにも拘わらず、上記補正速度が低く抑えられる。その結果、実際の最大リフト量及び作用角(バルブ特性)を速やかに目標の値とすることができなくなる。
そこで本実施形態では、上記補正後に実際の最大リフト量及び作用角が減少側(吸入空気量減少側)に変化するときには、上記補正後に実際の最大リフト量及び作用角が増加側(吸入空気量増加側)に変化するときに比べて、上記補正を加える際の補正速度を大とする。
こうした補正速度については、補正値ΔP分の補正を位置カウンタPのカウンタ値に徐々に加えるべく、間隔t毎に所定値h分の補正を位置カウンタPのカウンタ値に加える際、それら間隔t及び所定値hを変更することによって可変とすることが可能になる。従って、この実施形態では、補正値ΔP分の補正を位置カウンタPのカウンタ値に加えた後の実際の最大リフト量及び作用角の目標値への変化が増加側になされるのか、あるいは減少側になされるのかに応じて、間隔t及び所定値hが可変設定される。
具体的には、上記補正値ΔPが負の値であって、その補正値ΔP分の補正を位置カウンタPのカウンタ値に加えた後、実際の最大リフト量及び作用角が目標の値に向けて増加側(吸入空気量増加側)に変化するときには、間隔tが「t1」に設定されるとともに所定値hが「h1」に設定される。なお、上記「t1」及び「h1」という値については、上記補正値ΔP分の補正を位置カウンタPのカウンタ値に徐々に加える際の補正速度が、同補正後に実際の最大リフト量及び作用角を目標とする値へと増加させる際にエンジン運転性の悪化を招くことのない速度となるように設定される。例えば、上記「t1」という値については、第1実施形態における間隔tと等しい値、すなわち位置センサS4,S5からのパルス信号の直近のエッジ間隔と等しい時間間隔が採用される。また、上記「h1」という値については、第1実施形態における所定値hと等しい値、すなわち「1」という値が採用される。
一方、上記補正値ΔPが正の値であって、その補正値ΔP分の補正を位置カウンタPのカウンタ値に加えた後、実際の最大リフト量及び作用角が目標の値に向けて減少側(吸入空気量減少側)に変化するときには、間隔tが「t2」に設定されるとともに所定値hが「h2」に設定される。なお、上記「t2」及び「h2」という値については、上記補正値ΔP分の補正を位置カウンタPのカウンタ値に徐々に加える際の補正速度が、間隔tを「t1」とするとともに所定値hを「h1」とした場合よりも速くなるよう設定される。例えば上記「t2」が「t1」よりも小とされ、上記「h2」が上記「h1」よりも大とされる。更に、上記「t2」及び「h2」という値については、上記補正値ΔP分の補正を位置カウンタPのカウンタ値に徐々に加える際の補正速度が、上記補正後に実際の最大リフト量及び作用角を目標とする値へと増加させる際にエンジン運転性の悪化を招くことのない速度となるようにも設定される。
このように、間隔t及び所定値hを可変設定することで、補正値ΔP分の補正を位置カウンタPのカウンタ値に徐々に加える際、同補正後に実際の最大リフト量及び作用角が増加側(吸入空気量増加側)に変化するときには、上記補正を加える際の補正速度が小とされてエンジン運転性の悪化が抑制される。一方、補正値ΔP分の補正を位置カウンタPのカウンタ値に徐々に加える際、同補正後に実際の最大リフト量及び作用角が減少側(吸入空気量減少側)に変化するときには、上記補正を加える際の補正速度が大とされて実際の最大リフト量及び作用角が速やかに目標の値となるようにされる。従って、補正値ΔP分の補正が位置カウンタPのカウンタ値に徐々に加えられた後、実際の最大リフト量及び作用角を目標の値に変化させる際、エンジン運転性が悪化するのを抑制しつつ、実際の最大リフト量及び作用角を可能な限り速やかに目標の値とすることができる。
図13は、上述した間隔t及び所定値hの可変設定を実行するための補正速度設定ルーチンを示すフローチャートである。この補正速度設定ルーチンは、電子制御装置50を通じて、例えば所定時間毎の時間割り込みにて周期的に実行される。
同ルーチンにおいては、補正値ΔPが正の値であることを条件に(S301:YES)、上述した「t2」という値が間隔tに設定され(S302)、更に上述した「h2」という値が所定値hに設定される(S303)。一方、補正値ΔPが正の値ではないときには(S301:NO)、同補正値ΔPが負の値であることを条件に(S304:YES)、上述した「t1」という値が間隔tに設定され(S305)、更に上述した「h1」という値が所定値hに設定される(S306)。
以上詳述した本実施形態によれば、第1実施形態の(1)〜(5)に示した効果に加え、以下に示す効果が得られるようになる。
(6)補正値ΔP分の補正を位置カウンタPのカウンタ値に徐々に加える際、同補正後に実際の最大リフト量及び作用角が増加側(吸入空気量増加側)に変化するときには、上記補正を加える際の補正速度が小とされてエンジン運転性の悪化が抑制される。一方、補正値ΔP分の補正を位置カウンタPのカウンタ値に徐々に加える際、同補正後に実際の最大リフト量及び作用角が減少側(吸入空気量減少側)に変化するときには、上記補正を加える際の補正速度が上記よりも大とされて実際の最大リフト量及び作用角が速やかに目標の値となるようにされる。従って、補正値ΔP分の補正が位置カウンタPのカウンタ値に徐々に加えられた後、実際の最大リフト量及び作用角を目標の値に変化させる際、エンジン運転性が悪化するのを抑制しつつ、実際の最大リフト量及び作用角を可能な限り速やかに目標の値とすることができる。
(7)補正値ΔP分の補正を位置カウンタPのカウンタ値に徐々に加えるべく、間隔t毎に所定値hずつ同カウンタ値を補正する際、同補正後に実際の最大リフト量及び作用角が増加側(吸入空気量増加側)に変化するときには、間隔tが「t1」に設定されるとともに所定値hが「h1」に設定される。これにより、上記補正の際の補正速度を的確に小とすることができる。一方、補正値ΔP分の補正を位置カウンタPのカウンタ値に徐々に加えるべく、間隔t毎に所定値hずつ同カウンタ値を補正する際、同補正後に実際の最大リフト量及び作用角が減少側(吸入空気量減少側)に変化するときには、間隔tが「t2」に設定されるとともに所定値hが「h2」に設定される。このときの「t2」という値は上述した「t1」という値よりも小とされ、「h2」という値は上述した「h1」という値よりも大とされる。従って、上記補正の際の補正速度を的確に上記よりも大とすることができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について図14及び図15を参照して説明する。
この実施形態は、位置カウンタPのカウンタ値に補正値ΔP分の補正を徐々に加える際、そのときの最大リフト及び作用角が大であるか、或いは小であるかに対応して、上記補正の際の補正速度を可変とするようにしたものである。
ここで、上記補正値ΔP分の補正を位置カウンタPのカウンタ値に加えると、位置カウンタPのカウンタ値が変化するとともにストロークカウンタSのカウンタ値が変化する。このため、ストロークカウンタSのカウンタ値に基づき検出される実際の最大リフト量及び作用角(バルブ特性)が、上記補正によって、目標とする最大リフト量及び作用角からずれる。従って、上記補正後には実際の最大リフト量及び作用角を目標の値とすべくバルブリフト可変機構14が駆動され、実際の最大リフト量及び作用角が目標の値に向けて変化することとなる。
このように実際の最大リフト量及び作用角が目標の値に向けて変化する際、それら最大リフト量及び作用角が大となっているとき、言い換えればエンジン1の吸入空気量が大となっているときには、上記最大リフト量及び作用角における目標の値への変化がエンジン出力に影響を与えにくくエンジン運転性の悪化を招くことにはなりにくい。これは、エンジン1の吸入空気量が大となっているときには、その吸入空気量の大きさに対する上記最大リフト量及び作用角の変化による吸入空気量の変化量の大きさの比率が小となるためである。
一方、上記のように実際の最大リフト量及び作用角が目標の値に向けて変化する際、それら最大リフト量及び作用角が小となっているとき、言い換えればエンジン1の吸入空気量が小となっているときには、上記最大リフト量及び作用角における目標の値への変化がエンジン出力に影響を与えやすくエンジン運転性の悪化を招くことになりやすい。これは、エンジン1の吸入空気量が小となっているときには、その吸入空気量の大きさに対する上記最大リフト量及び作用角の変化による吸入空気量の変化量の大きさの比率が大となるためである。
仮に、上記のように実際の最大リフト量及び作用角が目標の値に向けて変化する際、それら最大リフト量及び作用角が小(吸入空気量小)であるとの想定のもと、吸入空気量の急変を抑えるべく、上記補正値ΔP分の補正を位置カウンタPのカウンタ値に徐々に加える際の補正速度を設定したとすると、次のような不具合が生じる。すなわち、実際の最大リフト量及び作用角が目標の値に向けて変化する際、それら最大リフト量及び作用角が大(吸入空気量大)であるときには、上記補正の際の補正速度を大としてもエンジン運転性に悪影響がないのにも拘わらず、上記補正速度が低く抑えられる。その結果、実際の最大リフト量及び作用角(バルブ特性)を速やかに目標の値とすることができなくなる。
そこで本実施形態では、上記補正値ΔP分の補正が位置カウンタPに加えられるとき、ストロークカウンタSのカウンタ値が小であって実際の最大リフト量及び作用角が小(吸入空気量小)であれば、当該カウンタ値が大であって実際の最大リフト量及び作用角が大(吸入空気量大)である場合に比べて、上記補正を加える際の補正速度を大とする。
こうした補正速度については、補正値ΔP分の補正を位置カウンタPのカウンタ値に徐々に加えるべく、間隔t毎に所定値h分の補正を位置カウンタPのカウンタ値に加える際、それら間隔t及び所定値hを変更することによって可変とすることが可能になる。従って、この実施形態では、補正値ΔP分の補正を位置カウンタPのカウンタ値に加えるとき、ストロークカウンタSのカウンタ値、すなわち実際の最大リフト量及び作用角(吸入空気量)が小であるのか、或いは大であるのかに応じて、図14(a)及び(b)に示されるように、間隔t及び所定値hが可変設定される。
具体的には、ストロークカウンタSのカウンタ値がその変化範囲全体の中間値Mよりも小さく、エンジン1の吸入空気量が小であるときには、間隔tが「t3」に設定されるとともに所定値hが「h3」に設定される。なお、上記「t3」及び「h3」という値については、吸入空気量が小である状況のもとで、上記補正値ΔP分の補正を位置カウンタPのカウンタ値に徐々に加える際の補正速度が、同補正後に実際の最大リフト量及び作用角を目標とする値に変化させる際にエンジン運転性の悪化を招くことのない速度となるように設定される。例えば、上記「t3」という値については、第1実施形態における間隔tと等しい値、すなわち位置センサS4,S5からのパルス信号の直近のエッジ間隔と等しい時間間隔が採用される。また、上記「h3」という値については、第1実施形態における所定値hと等しい値、すなわち「1」という値が採用される。
一方、ストロークカウンタSのカウンタ値が上記中間値M以上であり、エンジン1の吸入空気量が大であるときには、間隔tが「t4」に設定されるとともに所定値hが「h4」に設定される。なお、上記「t4」及び「h4」という値については、上述した状況下で、上記補正値ΔP分の補正を位置カウンタPのカウンタ値に徐々に加える際の補正速度が、間隔tを「t3」とするとともに所定値hを「h3」とした場合よりも速くなるよう設定される。例えば上記「t4」が「t3」よりも小とされ、上記「h4」が上記「h3」よりも大とされる。更に、上記「t4」及び「h4」という値については、上記補正値ΔP分の補正を位置カウンタPのカウンタ値に徐々に加える際の補正速度が、上記補正後に実際の最大リフト量及び作用角を目標とする値へと増加させる際にエンジン運転性の悪化を招くことのない速度となるようにも設定される。
このように、間隔t及び所定値hを可変設定することで、補正値ΔP分の補正を位置カウンタPのカウンタ値に徐々に加える際、そのときのエンジン1の吸入空気量が小であれば、上記補正を加える際の補正速度が小とされてエンジン運転性の悪化が抑制される。一方、補正値ΔP分の補正を位置カウンタPのカウンタ値に徐々に加える際、そのときのエンジン1の吸入空気量が大であれば、上記補正を加える際の補正速度が大とされて実際の最大リフト量及び作用角が速やかに目標の値となるようにされる。従って、補正値ΔP分の補正が位置カウンタPのカウンタ値に徐々に加えられた後、実際の最大リフト量及び作用角を目標の値に変化させる際、エンジン運転性が悪化するのを抑制しつつ、実際の最大リフト量及び作用角を可能な限り速やかに目標の値とすることができる。
図15は、上述した間隔t及び所定値hの可変設定を実行するための補正速度設定ルーチンを示すフローチャートである。この補正速度設定ルーチンは、電子制御装置50を通じて、例えば所定時間毎の時間割り込みにて周期的に実行される。
同ルーチンにおいては、補正値ΔPが「0」でないとき(S401:YES)、ストロークカウンタSのカウンタ値が大であること、より詳しくは同カウンタ値が中間値Mよりも大であることを条件に(S402:YES)、上述した「t4」という値が間隔tに設定され(S403)、更に上述した「h4」という値が所定値hに設定される(S404)。一方、ステップS402で否定判定がなされたときには、ストロークカウンタSのカウンタ値が小であること、より詳しくは同カウンタ値が中間値Mよりも小であることを条件に(S405:NO)、上述した「t3」という値が間隔tに設定され(S406)、更に上述した「h3」という値が所定値hに設定される(S407)。
以上詳述した本実施形態によれば、第1実施形態の(1)〜(5)に示した効果に加え、以下に示す効果が得られるようになる。
(8)補正値ΔP分の補正を位置カウンタPのカウンタ値に徐々に加える際、そのときのエンジン1の吸入空気量が小であれば、上記補正を加える際の補正速度が小とされてエンジン運転性の悪化が抑制される。一方、補正値ΔP分の補正を位置カウンタPのカウンタ値に徐々に加える際、そのときのエンジン1の吸入空気量が大であれば、上記補正を加える際の補正速度が上記よりも大とされて実際の最大リフト量及び作用角が速やかに目標の値となるようにされる。従って、補正値ΔP分の補正が位置カウンタPのカウンタ値に徐々に加えられた後、実際の最大リフト量及び作用角を目標の値に変化させる際、エンジン運転性が悪化するのを抑制しつつ、実際の最大リフト量及び作用角を可能な限り速やかに目標の値とすることができる。
(9)補正値ΔP分の補正を位置カウンタPのカウンタ値に徐々に加えるべく、間隔t毎に所定値hずつ同カウンタ値を補正する際、そのときのエンジン1の吸入空気量が小であれば、間隔tが「t3」に設定されるとともに所定値hが「h3」に設定される。これにより、上記補正の際の補正速度を的確に小とすることができる。一方、補正値ΔP分の補正を位置カウンタPのカウンタ値に徐々に加えるべく、間隔t毎に所定値hずつ同カウンタ値を補正する際、そのときのエンジン1の吸入空気量が大であれば、間隔tが「t4」に設定されるとともに所定値hが「h4」に設定される。このときの「t4」という値は上述した「t3」という値よりも小とされ、「h4」という値は上述した「h3」という値よりも大とされる。従って、上記補正の際の補正速度を的確に上記よりも大とすることができる。
[その他の実施形態]
なお、上記各実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・間隔tとして、位置センサS4,S5からのパルス信号の直近のエッジ間隔と等しい時間間隔を採用したが、本発明はこれに限定されない。例えば、間隔tとして、位置センサS4,S5からのパルス信号のエッジ間隔をそのまま用いたり、実験等により求められた最適な一定の時間間隔を用いたりしてもよい。
・所定値hとして、「1」という値を例示したが、この値をずれ量「J−(Pi −Pi-1 )」の大きさよりも小さい整数値に適宜変更してもよい。
・間隔tと所定値hとの両方の設定を通じてエンジン1の吸入空気量の急変を招かないようにしたが、それらのうちの一方のみの設定を通じて上記急変を招かないようにすることも可能である。
・電気角センサ数の変更や同センサの検出対象である多極マグネットの極数の変更を通じて、各電気角センサからのパルス信号のエッジ間隔を変更することも可能である。
・位置センサ数の変更や同センサの検出対象である多極マグネットの極数の変更を通じて各位置センサからのパルス信号のエッジ間隔を変更することも可能である。
・本実施形態では、電気角センサS1〜S3からのパルス信号のエッジ間において位置センサS4,S5から出力されるパルス信号のエッジ数の適正値「n」を「4」に設定したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、エッジ数nについては、ブラシレスモータ47の回転角検出精度を確保し得る位置センサS4,S5からのパルス信号のエッジ間隔に対応する値であればよく、「2」以上の整数値に適宜変更可能である。このようにエッジ数nを変更する際には、位置カウンタの数や位置、及び、それら位置センサの検出対象である多極マグネットの極数が適宜変更されることとなる。
・ブラシレスモータ47と一体回転する多極マグネットの磁気に応じてパルス信号を出力する位置センサS4,S5を設ける代わりに、ブラシレスモータ47の回転に伴いパルス信号を出力する他のセンサ、例えば光学式のセンサを設けることも考えられる。この場合、ブラシレスモータ47と一体回転するスリット付円板の厚さ方向側方にそれぞれ発光素子と受光素子を備える光学式のセンサを周方向に複数設け、ブラシレスモータ47の回転時に当該各センサからパルス信号を出力させるようにすることが考えられる。この場合の各センサからのパルス信号の出力パターンについては、スリット付円板におけるスリットのパターン、及び、光学式のセンサの数や位置によって調整される。
・上記各実施形態では、ブラシレスモータ47の回転運動をコントロールシャフト16の軸方向への運動に変換し、そのコントロールシャフト16の軸方向変位を通じて駆動されるバルブリフト可変機構を例示したが、本発明のバルブリフト可変機構はこれに限定されない。例えば、ブラシレスモータ47の回転運動を直接的に受けて駆動されるバルブリフト可変機構を採用することも可能である。
・差(Pi −Pi-1 )の正常値Jに対するずれ量を、位置カウンタPのカウンタ値におけるブラシレスモータ47の実際の回転角に対応する値からのずれ量として求めたが、本発明はこれに限定されない。例えば、ブラシレスモータ47の実際の回転角を検出するリニアセンサ等を別途設け、そのセンサによって検出される回転角に対する位置カウンタPのカウンタ値等に基づき検出される回転角のずれ量を求める。そして、当該ずれ量に基づき位置カウンタPのカウンタ値におけるブラシレスモータ47の実際の回転角に対応する値からのずれ量を算出するようにしてもよい。この場合、バルブリフト可変機構14を駆動するモータとして、ブラシレスモータ47以外のモータを用いることが可能になる。
・第3実施形態において、補正値ΔP分の補正を位置カウンタPのカウンタ値に加える際の補正速度を、間隔tと所定値hとの一方の可変により実現するようにしてもよい。
・第3実施形態において、ストロークカウンタSのカウンタ値(吸入空気量に対応)の大きさに応じて、間隔t及び所定値hの大きさをそれぞれ例えば図16(a)及び(b)に示されるように三段階に変化させてもよい。この場合、ストロークカウンタSのカウンタ値がM1未満であるときには、間隔tが「t5」に設定されるとともに、所定値hが「h5」に設定される。そして、同カウンタ値がM1以上で且つM2未満であるときには、間隔tが上記「t5」よりも小さい「t6」に設定されるとともに、所定値hが「h5」よりも大きい差「h6」に設定される。更に、同カウンタ値がM2以上であるときには、間隔tが「t6」よりも小さい「t7」に設定されるとともに、所定値hが「h6」よりも大きい「h7」に設定される。これにより、補正値ΔP分の補正が位置カウンタPのカウンタ値に徐々に加えられた後、実際の最大リフト量及び作用角を目標の値に変化させる際、エンジン運転性が悪化するのを抑制しつつ、実際の最大リフト量及び作用角を可能な限り速やかに目標の値とすることができるという上記(8)の効果を、一層効果的なものとすることができる。
・上記「t5」、「t7」、「h5」、及び「h7」という値を、ストロークカウンタSのカウンタ値に応じて例えば図17(a)及び(b)に示されるように可変設定してもよい。この場合、「t5」という値についてはストロークカウンタSのカウンタ値が小となるほど大とされ、「t7」という値については同カウンタ値が大となるほど小とされる。また、「h5」という値については同カウンタ値が小となるほど小とされ、「h7」という値については同カウンタ値が大となるほど大とされる。これにより、上記よりも更に優れた効果を得ることができる。
・間隔t及び所定値hをストロークカウンタSのカウンタ値の変化に対し図18(a)及び(b)に示されるようにリニアに変化させてもよい。この場合、ストロークカウンタSのカウンタ値が「0」から大きくなってゆくほど、間隔tが小とされるとともに所定値hが大とされる。これにより、上記よりも更に優れた効果を得ることができる。
第1実施形態のバルブリフト可変機構が適用されるエンジンのシリンダヘッド周りの構造を示す拡大断面図。 上記バルブリフト可変機構を駆動すべくコントロールシャフトを軸方向に変位させるための駆動機構、及び、その駆動機構を駆動制御する制御装置を示す略図。 (a)〜(h)は、ブラシレスモータの回転角の変化に対する電気角センサS1〜S3のパルス信号の波形、位置センサS4,S5のパルス信号の波形、電気角カウンタEのカウンタ値の推移、位置カウンタPのカウンタ値の推移、及び、ストロークカウンタSのカウンタ値の推移を示すタイミングチャート。 電気角カウンタE、位置カウンタP、及びストロークカウンタSのカウンタ値を変化させる手順を示すフローチャート。 (a)は電気角センサS1〜S3からの信号に応じて変化する電気角カウンタEのカウンタ値の変化態様を示す表、(b)は位置センサS4,S5からの信号に応じた位置カウンタPのカウンタ値の加減算態様を示す表。 (a)〜(e)は、ブラシレスモータ47の回転角の変化に対する位置センサS4,S5からのパルス信号の波形、電気角カウンタEのカウンタ値の推移、及び、位置カウンタPのカウンタ値の推移を示すタイミングチャート。 (a)は図6(d)のタイミングa,b,cでの位置センサS4,S5からの信号に応じた位置カウンタPのカウンタ値の加減算態様を示す表、(b)は図6(e)のタイミングc,b,aでの位置センサS4,S5からの信号に応じた位置カウンタPのカウンタ値の加減算態様を示す表。 電気角センサS1〜S3からのパルス信号における前回のエッジ発生時と今回のエッジ発生時との電気角カウンタEの変化方向と、ブラシレスモータの回転状態との関係を示す表。 (a)〜(e)は、ブラシレスモータ47の回転角の変化に対する位置センサS4,S5からのパルス信号の波形、電気角カウンタEのカウンタ値の推移、及び、位置カウンタPのカウンタ値の推移を示すタイミングチャート。 ずれ量「J−(Pi −Pi-1 )」の大きさと、補正値ΔP分の補正を位置カウンタPに加えるのに要する時間Tとが、エンジンにおけるトルクショックの発生にどのように関係しているかを示す説明図。 位置カウンタPのカウンタ値が正しい値からずれたときに当該カウンタ値を正しい値に戻すための補正手順を示すフローチャート。 位置カウンタPのカウンタ値が正しい値からずれたときに当該カウンタ値を正しい値に戻すための補正手順を示すフローチャート。 第2実施形態における補正速度の可変設定を実行する手順を示すフローチャート。 (a)及び(b)は、ストロークカウンタSの変化に伴う間隔t及び所定値hの変化態様を示すグラフ。 第3実施形態における補正速度の可変設定を実行する手順を示すフローチャート。 (a)及び(b)は、ストロークカウンタSの変化に伴う間隔t及び所定値hの変化態様の他の例を示すグラフ。 (a)及び(b)は、ストロークカウンタSの変化に伴う間隔t及び所定値hの変化態様の他の例を示すグラフ。 (a)及び(b)は、ストロークカウンタSの変化に伴う間隔t及び所定値hの変化態様の他の例を示すグラフ。
符号の説明
1…エンジン、2…シリンダヘッド、3…シリンダブロック、5…ピストン、6…燃焼室、7…吸気通路、8…排気通路、9…吸気バルブ、10…排気バルブ、11…吸気カムシャフト、11a…吸気カム、12…排気カムシャフト、12a…排気カム、14…バルブリフト可変機構、15…ロッカシャフト、16…コントロールシャフト、17…入力アーム、18…出力アーム、19…ローラ、20…コイルスプリング、21…ロッカアーム、22…ラッシュアジャスタ、23… ローラ、24…バルブスプリング、47…ブラシレスモータ、48…変換機構、50…電子制御装置(算出手段、補正手段)、51…アクセルポジションセンサ、52…スロットルポジションセンサ、53…エアフローメータ、54…クランクポジションセンサ、55…イグニッションスイッチ、56…不揮発性メモリ、S1〜S3…電気角センサ、S4,S5…位置センサ。

Claims (11)

  1. 吸気バルブのバルブ特性を可変とするバルブリフト可変機構と、同機構を駆動すべく所定の回転角範囲内での回転駆動が行われるモータと、同モータの回転に伴いパルス信号を出力する位置センサとを備え、その位置センサからのパルス信号のエッジを計数する位置カウンタのカウンタ値に基づき前記吸気バルブの実際のバルブ特性を検出し、その検出されたバルブ特性が目標とする特性となるよう前記モータを駆動する内燃機関の可変動弁装置において、
    前記位置カウンタのカウンタ値が前記モータの実際の回転角に対応する値からずれているとき、その値に対する前記カウンタ値のずれ量を算出する算出手段と、
    前記ずれ量を補正値として設定し、その補正値分の補正を前記位置カウンタのカウンタ値に対し徐々に加える補正手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  2. 前記補正手段は、前記位置カウンタのカウンタ値に対し補正を加える際、その補正後のバルブ特性の変化が内燃機関の吸入空気量減少側になされるときには、前記補正後のバルブ特性の変化が内燃機関の吸入空気量増大側になされるときに比べて、前記補正を加える際の補正速度を大とする
    請求項1記載の内燃機関の可変動弁装置。
  3. 前記補正手段は、前記位置カウンタのカウンタ値に対し補正を加える際、そのときのバルブ特性が内燃機関の吸入空気量を大とする特性であるときには、前記バルブ特性が内燃機関の吸入空気量を小とする特性であるときに比べて、前記補正を加える際の補正速度を大とする
    請求項1記載の内燃機関の可変動弁装置。
  4. 前記モータは、その回転時に同モータに設けられた複数の電気角センサから位相をずらして出力されるパルス信号の出力パターンに基づき通電相を切り換えることで駆動されるブラシレスモータであり、
    前記位置センサは、各電気角センサからパルス信号のエッジ間隔よりも短いエッジ間隔のパルス信号を出力するものであり、
    前記算出手段は、各電気角センサから出力されるパルス信号のエッジ発生毎に、今回のエッジ発生時における位置カウンタのカウンタ値Pi と前回のエッジ発生時における位置カウンタのカウンタ値Pi-1 との差(Pi −Pi-1 )を算出し、前記差(Pi −Pi-1 )の正常時の値である正常値に対する当該差(Pi −Pi-1 )のずれ量を、前記位置カウンタのカウンタ値における前記モータの実際の回転角に対応する値からのずれ量とする
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  5. 前記算出手段は、前記モータの回転状態が正回転中、逆回転中、及び正逆回転反転中のうちのいずれであるかを判断し、前記各電気角センサから出力されるパルス信号のエッジ間において前記位置センサから出力されるパルス信号のエッジ数の適正値が「n」であるとすると、前記正常値をモータ正回転中であれば「n」に設定し、モータ逆回転中であれば「−n」に設定し、モータ正逆回転反転中であれば「0」に設定する
    請求項4記載の内燃機関の可変動弁装置。
  6. 前記補正手段は、所定間隔毎に前記補正値よりも小さい所定値ずつ位置カウンタのカウンタ値を補正することで、前記補正値分の補正を当該カウンタ値に対し徐々に加えるものである
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  7. 前記所定間隔と前記所定値との少なくとも一方は、内燃機関の吸入空気量の急変を招くことのない値に設定されている
    請求項6記載の内燃機関の可変動弁装置。
  8. 前記補正手段は、前記所定間隔毎に前記所定値ずつ位置カウンタのカウンタ値を補正する際、その補正後のバルブ特性の変化が内燃機関の吸入空気量減少側になされるときには、前記補正後のバルブ特性の変化が内燃機関の吸入空気量増大側になされるときに比べて、前記所定間隔を小とする
    請求項6記載の内燃機関の可変動弁装置。
  9. 前記補正手段は、前記所定間隔毎に前記所定値ずつ位置カウンタのカウンタ値を補正する際、その補正後のバルブ特性の変化が内燃機関の吸入空気量減少側になされるときには、前記補正後のバルブ特性の変化が内燃機関の吸入空気量増大側になされるときに比べて、前記所定値を大とする
    請求項6記載の内燃機関の可変動弁装置。
  10. 前記補正手段は、前記所定間隔毎に前記所定値ずつ位置カウンタのカウンタ値を補正する際、そのときのバルブ特性が内燃機関の吸入空気量を大とする特性であるときには、前記バルブ特性が内燃機関の吸入空気量を小とする特性であるときに比べて、前記所定間隔を小とする
    請求項6記載の内燃機関の可変動弁装置。
  11. 前記補正手段は、前記所定間隔毎に前記所定値ずつ位置カウンタのカウンタ値を補正する際、そのときのバルブ特性が内燃機関の吸入空気量を大とする特性であるときには、前記バルブ特性が内燃機関の吸入空気量を小とする特性であるときに比べて、前記所定値を大とする
    請求項6記載の内燃機関の可変動弁装置。
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