JP2007051236A - シリコーンエマルジョン組成物及び木材の処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 (A)1分子中にケイ素原子に結合するヒドロキシル基を2個含有するオルガノポリシロキサン100質量部
(B)アミノ基含有オルガノキシシランと酸無水物との反応生成物0.5〜20質量部
(C)エポキシ基含有オルガノキシシラン及び/又はその部分加水分解物0〜20質量部
(D)コロイダルシリカ及び/又はポリシルセスキオキサン0〜50質量部
(E)硬化触媒0〜10質量部
からなる成分が水中に乳化分散されたシリコーンエマルジョンに、(F)ホウ素系化合物を上記シリコーンエマルジョンの固形分100質量部に対して0.1〜300質量部の割合で添加混合してなるシリコーンエマルジョン組成物。
【効果】 本発明によれば、1度の処理で、木質感を損なうことなく、木材に良好な撥水性、吸水防止性、寸法安定性、防腐性、防白蟻性を付与でき、その防腐・防白蟻性付与剤の水による溶脱性をも改良可能である。
【選択図】 なし
(B)アミノ基含有オルガノキシシランと酸無水物との反応生成物0.5〜20質量部
(C)エポキシ基含有オルガノキシシラン及び/又はその部分加水分解物0〜20質量部
(D)コロイダルシリカ及び/又はポリシルセスキオキサン0〜50質量部
(E)硬化触媒0〜10質量部
からなる成分が水中に乳化分散されたシリコーンエマルジョンに、(F)ホウ素系化合物を上記シリコーンエマルジョンの固形分100質量部に対して0.1〜300質量部の割合で添加混合してなるシリコーンエマルジョン組成物。
【効果】 本発明によれば、1度の処理で、木質感を損なうことなく、木材に良好な撥水性、吸水防止性、寸法安定性、防腐性、防白蟻性を付与でき、その防腐・防白蟻性付与剤の水による溶脱性をも改良可能である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、架橋してゴム質の被膜を形成するシリコーンエマルジョン組成物に、防腐性・防白蟻性付与可能なホウ素系化合物を添加混合したシリコーンエマルジョン組成物であり、これを木材類に処理することにより、1度の処理で、木質感を損なうことなく、木材に良好な撥水性、吸水防止性、寸法安定性、防腐性、防白蟻性を付与可能であり、その防腐・防白蟻性付与剤の水による溶脱性をも改良可能な、保存安定性にも優れたシリコーンエマルジョン組成物に関する。また本発明は、この組成物を用いて木材を処理する方法に関する。
建築材や工芸品等の材料として広く用いられている木材の耐水性、寸法安定性、耐汚染性、耐火性、耐腐朽性、耐ひび割れ性及び耐摩耗性等の諸性質を改良する目的で、木材に様々な高分子化合物や低分子化合物、薬剤、無機物質等の処理剤を塗布又は含浸させることが行われている。
このうち、塗料や樹脂の改質剤として撥水性、耐汚染性に実績のあるシリコーンを木材に応用しようとする試みが数多くなされている。例えば、特開昭56−4408号公報(特許文献1)には、比較的高粘度のシリコーンジオール100質量部に0.1〜50質量部の架橋剤を加えたものを、木材の表面に塗布し、硬化させる方法が開示されている。しかし、この方法は、木材表面の木質感が損なわれる上、木材が現実に様々な用途に使用される過程で、表面の塗膜に少しでも傷がつくと、木質内部を保護する効果は消失してしまうという塗料に共通した欠点を有している。また、例えば内部に難燃剤や防白蟻剤などに使用されるリン酸やホウ酸などの無機塩を注入した木材に上記処理を行っても、雨水などにより簡単にその無機塩が溶脱してしまうという欠点があった。
これに対して、特開昭63−265601号公報(特許文献2)には、珪素アルコキシドを用いたゾル−ゲル法を木材に応用し、木材の細胞壁内部でシリコーンポリマーを生成させる改質木材の製造方法が開示されている。この方法では、木材中にシリコーンポリマーを生成させることができるので、表面の木質感が損なわれない上、木材表面に傷がついても効果が持続するという長所があるが、モノマーの反応性が低いため、塩酸や有機金属化合物等の触媒によって硬化促進させるという方法を採らざるを得ないもので、製造に手間やコストがかかり、触媒によって木材自体が劣化してしまうという問題点があった。
また、この触媒反応によって生成するシリコーンポリマーは、木材の細胞内腔を充填する形で生成するため、吸水防止にはある程度効果が出ても、寸法安定性を向上させる効果は弱かった。
シリコーン以外のものとしては、木材の干割れ防止処理剤として、SBRラテックスを木材表面に塗布する方法が、特開昭54−110234号公報(特許文献3)に記載されているが、経時安定性が悪く、ラテックス皮膜が屋外暴露の際、劣化を起こし、薬剤の溶脱防止効果が得られない。
また、木材ひび割れ防止塗料として、SBRラテックスもしくはNBRラテックスとポリアルキレンオキサイド基を有する化合物とを含む塗料を、木材表面に塗布する方法が特開昭60−255866号公報(特許文献4)に記載されているが、ポリアルキレンオキサイド基を有する化合物は親水性化合物であり、長年風雨にさらされるとやはり溶脱し、良好な効果が得られない。
低揮発性オリゴマーと水とのエマルジョンによる木材処理剤が、特開昭55−118044号公報(特許文献5)に、また、水溶性改質剤及びエマルジョンによる木材処理剤が、特開平5−69412号公報(特許文献6)に記載されているが、低揮発性オリゴマー、水溶性改質剤は、いずれも親水性化合物であり、経時で溶脱して十分な効果が得られない。更には、木材内部に含浸してから硬化し、薬剤の溶脱を防止し、木の収縮を抑制する水溶性充填硬化剤からなる木材加工剤が、特開平4−307204号公報(特許文献7)に記載されているが、水溶性充填硬化剤がユリヤ/ホルマリン等の揮発性原料であるため作業環境に考慮を払う必要があり、また水溶性のために溶脱防止効果も不十分である。
上記とは別に、細胞膜中の結合水をポリエチレングリコールのような水溶性溶剤で置換することも行われている。しかし、この置換された溶剤は、長時間経つと水溶性溶剤のため溶脱が生じる。
更に、上記技術では、防腐・防白蟻剤などを先に木材中に注入したものに対しての表面処理剤であり、どうしても作業上最低2度の手間がかかり、煩雑になることや、コストの面でも不利であることが指摘される。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、1度の処理で撥水性、吸水防止性、寸法安定性、及び防腐性、防白蟻性を付与でき、その防腐・防白蟻薬剤の溶脱防止等に優れた組成物、及びこの組成物を用いて木材を処理する方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、下記(A)〜(E)成分からなる、架橋してゴム質の被膜を形成するシリコーンエマルジョンの固形分100質量部に、(F)ホウ素系化合物0.1〜300質量部を添加混合することにより、得られるシリコーンエマルジョン組成物が、意外なことに上手く(F)成分を安定的に混合でき、更に1度の処理で撥水性、吸水防止性、寸法安定性、及び防腐性、防白蟻性を付与でき、その防腐・防白蟻薬剤の溶脱防止等に優れることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、
(A)1分子中にケイ素原子に結合するヒドロキシル基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)アミノ基含有オルガノキシシランと酸無水物との反応生成物:0.5〜20質量部、
(C)エポキシ基含有オルガノキシシラン及び/又はその部分加水分解物:0〜20質量部、
(D)コロイダルシリカ及び/又はポリシルセスキオキサン:0〜50質量部、
(E)硬化触媒:0〜10質量部
からなる成分が水中に乳化分散されたシリコーンエマルジョンに、(F)ホウ素系化合物を上記シリコーンエマルジョンの固形分100質量部に対して0.1〜300質量部の割合で添加混合してなることを特徴とするシリコーンエマルジョン組成物、及びこの組成物を木材に表面処理、浸漬処理又は減圧もしくは加圧注入処理することを特徴とする木材の処理方法を提供する。
(A)1分子中にケイ素原子に結合するヒドロキシル基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)アミノ基含有オルガノキシシランと酸無水物との反応生成物:0.5〜20質量部、
(C)エポキシ基含有オルガノキシシラン及び/又はその部分加水分解物:0〜20質量部、
(D)コロイダルシリカ及び/又はポリシルセスキオキサン:0〜50質量部、
(E)硬化触媒:0〜10質量部
からなる成分が水中に乳化分散されたシリコーンエマルジョンに、(F)ホウ素系化合物を上記シリコーンエマルジョンの固形分100質量部に対して0.1〜300質量部の割合で添加混合してなることを特徴とするシリコーンエマルジョン組成物、及びこの組成物を木材に表面処理、浸漬処理又は減圧もしくは加圧注入処理することを特徴とする木材の処理方法を提供する。
本発明によれば、特定のシリコーンエマルジョン組成物を木材に処理することにより、1度の処理で、木質感を損なうことなく、木材に良好な撥水性、吸水防止性、寸法安定性、防腐性、防白蟻性を付与可能であり、その防腐・防白蟻性付与剤の水による溶脱性をも改良可能な効果を有する。
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、1分子中にケイ素原子に結合するヒドロキシル基を少なくとも2個含有するものであり、下記一般式で示されるものが好ましい。
[ここで、Rは同一又は異種の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基、Xは同一又は異種の炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜20のアルコキシ基又はヒドロキシル基、YはX又は−[O−Si(X)2]c−Xで示される同一又は異種の基で、X及びY中の少なくとも2個はヒドロキシル基である。aは0〜1,000の正数、bは100〜10,000の正数、cは1〜1,000の正数である。]
[ここで、Rは同一又は異種の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基、Xは同一又は異種の炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜20のアルコキシ基又はヒドロキシル基、YはX又は−[O−Si(X)2]c−Xで示される同一又は異種の基で、X及びY中の少なくとも2個はヒドロキシル基である。aは0〜1,000の正数、bは100〜10,000の正数、cは1〜1,000の正数である。]
ここで、Rは同一又は異種の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基であり、具体的にはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、フェニル、トリル、ナフチル基などが挙げられるが、好ましくはメチル基である。Xは同一又は異種の炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜20のアルコキシ基又はヒドロキシル基であり、具体的には、ヒドロキシル基以外に、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、フェニル、トリル、ナフチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、デシルオキシ、テトラデシルオキシ基などが挙げられる。YはX又は−[O−Si(X)2]c−Xで示される同一又は異種の基であり、aは1,000より大きくなると得られる皮膜の強度が不十分なものとなるので、0〜1,000の正数、好ましくは0〜200の正数とされ、bは100未満では皮膜の柔軟性が乏しいものとなり、10,000より大きいとその引裂き強度が低下するので、100〜10,000の正数、好ましくは1,000〜5,000の正数とされ、cは1〜1,000の正数とされる。また、架橋性の面から1分子中に少なくとも2個以上のヒドロキシ基を有する必要がある。
このようなオルガノポリシロキサンは、公知の方法によって合成することができる。例えば、金属水酸化物のような触媒存在下にオクタメチルシクロテトラシロキサン等の環状シロキサンとα,ω−ジヒドロキシシロキサンオリゴマー等を平衡化反応させることにより得られる。また、この(A)成分はエマルジョンの形態で使用されることが好ましいので、このものは公知の乳化重合法でエマルジョンとすればよく、従ってこれはあらかじめ環状シロキサンあるいはα,ω−ジヒドロキシシロキサンオリゴマー、α,ω−ジアルコキシシロキサンオリゴマー、アルコキシシラン等をアニオン系界面活性剤あるいはカチオン系界面活性剤を用いて水中に乳化分散させた後、必要に応じて酸、アルカリ性物質等の触媒を添加して重合反応を行うことにより容易に合成することができる。
ここで、上記アニオン系界面活性剤あるいはカチオン系界面活性剤としては、特に制限はないが、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、アルキルアミン塩酸塩、アルキルアミン酢酸塩などが例示される。この使用量としては、シロキサン量の0.1〜20質量%程度である。
また、酸、アルカリ性物質等の触媒としては、硫酸、塩酸、リン酸、酢酸、ギ酸、乳酸、トリフロロ酢酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニアなどが例示され、これらは触媒量とすることができる。なお、界面活性剤としてアルキルベンゼンスルホン酸、アルキル硫酸、アルキルリン酸などの酸性物質を使用する場合には、触媒を用いる必要はない。
(B)成分であるアミノ基含有オルガノキシシランと酸無水物との反応生成物は、シリコーン皮膜と基材である木材との密着性を向上させるための成分であり、アミノ基含有アルコキシシランとジカルボン酸無水物とを反応させたものであることが好ましい。
ここで、原料であるアミノ基含有アルコキシシランは、下記一般式:
A(R)gSi(OR)3-g
[式中、Rは前記と同じ、Aは式−R1(NHR1)hNHR2(式中、R1は同一又は異種の炭素数1〜6の2価炭化水素基、R2はR又は水素原子、hは0〜6の整数である)で表されるアミノ含有基、gは0、1又は2である。]
で表されるものを用いることができ、具体的には下記のものが挙げられる。
(C2H5O)3SiC3H6NH2、 (C2H5O)2(CH3)SiC3H6NH2、
(CH3O)3SiC3H6NH2、 (CH3O)2(CH3)SiC3H6NH2、
(CH3O)3SiC3H6NHC2H4NH2、
(CH3O)2(CH3)SiC3H6NHC2H4NH2
A(R)gSi(OR)3-g
[式中、Rは前記と同じ、Aは式−R1(NHR1)hNHR2(式中、R1は同一又は異種の炭素数1〜6の2価炭化水素基、R2はR又は水素原子、hは0〜6の整数である)で表されるアミノ含有基、gは0、1又は2である。]
で表されるものを用いることができ、具体的には下記のものが挙げられる。
(C2H5O)3SiC3H6NH2、 (C2H5O)2(CH3)SiC3H6NH2、
(CH3O)3SiC3H6NH2、 (CH3O)2(CH3)SiC3H6NH2、
(CH3O)3SiC3H6NHC2H4NH2、
(CH3O)2(CH3)SiC3H6NHC2H4NH2
上記アミノ基含有オルガノキシシランと反応させるためのジカルボン酸無水物としては、例えば、マレイン酸無水物、フタル酸無水物、コハク酸無水物、メチルコハク酸無水物、グルタル酸無水物、イタコン酸無水物等を挙げることができる。これらの中でもマレイン酸無水物が好ましい。
アミノ基含有オルガノキシシランと酸無水物との反応は、アミノ基/酸無水物(モル比)が0.5〜2、特に0.8〜1.5となるような上記両者の配合比により、必要に応じて親水性有機溶剤中で室温あるいは加温下に混合することで容易に実施することができる。この時の親水性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、アセトニトリル、テトラヒドロフランなどが例示される。また、親水性有機溶剤の使用量としては、反応生成物量の0〜100質量%程度である。
(B)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して0.5〜20質量部であり、0.5質量部より少ない場合には木材との密着性効果が弱くなり、20質量部より多い場合には皮膜が硬くて脆いものとなる。より好ましくは1〜10質量部である。
なお、上述したように、親水性有機溶剤を用いてアミノ基含有オルガノキシシランと酸無水物との反応を行った場合、(B)成分は上記反応液をそのまま用いても良いし、溶剤を除いてから用いても良い。
なお、上述したように、親水性有機溶剤を用いてアミノ基含有オルガノキシシランと酸無水物との反応を行った場合、(B)成分は上記反応液をそのまま用いても良いし、溶剤を除いてから用いても良い。
(C)成分であるエポキシ基含有オルガノキシシラン及び/又はその部分加水分解物は、シリコーン皮膜と基材との密着性を向上させるための成分であり、エポキシ基含有オルガノキシシランとして、具体的には、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメトキシメチルシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシメチルシランなどが挙げられる。
(C)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して0〜20質量部であり、20質量部より多い場合には皮膜が硬くて脆いものとなる。好ましくは0〜10質量部である。配合する場合は1質量部以上であることが好ましい。
(D)成分であるコロイダルシリカ及び/又はポリシルセスキオキサンは、皮膜補強剤として添加するものであり、具体的には、コロイダルシリカ、トリメトキシメチルシランの加水分解縮合物であるポリメチルシルセスキオキサン等が挙げられる。
コロイダルシリカとしては、市販のものを使用することも可能で、その種類に制限はないが、例えば平均粒径が5〜50nmで、ナトリウム、アンモニウム、アルミニウムなどで安定化したものでよく、具体的には、スノーテックス(日産化学社製)、ルドックス(デュポン社製)、シリカドール(日本化学工業社製)、アデライトAT(旭電化工業社製)、カタロイドS(触媒化成工業社製)などの市販品が挙げられる。
ポリメチルシルセスキオキサンとしては、界面活性剤水溶液に縮合触媒として硫酸などの酸、又は水酸化カリウム等のアルカリ化合物を添加し、更にトリメトキシメチルシランを滴下、攪拌することにより得られたポリメチルシルセスキオキサンを含有した乳化物を用いることができる。この際、ポリシルセスキオキサンの架橋度を調整するためにアルコキシトリアルキルシラン、ジアルコキシジアルキルシラン、テトラアルコキシシランなどを添加することは差し支えない。また、ポリシルセスキオキサンの反応性を高めるためにビニルシラン、エポキシシラン、アクリルシラン、メタクリルシランなどを添加することも差し支えない。
なお、(D)成分の配合量は(A)成分100質量部に対して0〜50質量部であり、50質量部より多い場合にはシリコーン皮膜が硬くて脆いものとなる。好ましくは0〜30質量部であり、配合する場合10質量部以上とすることが好ましい。
また、上記(D)成分の平均粒子径は2〜200nm、特に5〜100nmが好適である。本発明において、平均粒子径は、BET法により測定した値である。
(E)成分である硬化触媒は、本発明の組成物の成分を縮合反応により、素早く架橋硬化させるために配合するものであり、具体的には、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジオクテート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジバーサテート、ジオクチルスズジアセテート、ジブチルスズビスオレイルマレート、オクチル酸スズ、ステアリン酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、酢酸亜鉛、オクチル酸鉄等の有機酸金属塩、n−ヘキシルアミン、グアニジン等のアミン化合物などを挙げることができる。
なお、これらの硬化触媒は、水溶性である場合を除き、予め界面活性剤を用いて水中に乳化分散したエマルジョンの形態にしておくことが望ましい。
なお、これらの硬化触媒は、水溶性である場合を除き、予め界面活性剤を用いて水中に乳化分散したエマルジョンの形態にしておくことが望ましい。
この(E)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して0〜10質量部であり、10質量部を超えると不揮発分として皮膜中に残存する触媒成分が皮膜特性を阻害する。好ましい範囲は0〜5質量部であり、配合する場合0.5質量部以上とすることが好ましい。
本発明のエマルジョン組成物のコーティング被膜の特性を更に向上させるために、本発明を逸脱しない範囲でシランカップリング剤やシリコーン樹脂、シリコーンオイル、シリコーン樹脂パウダー等を添加配合することは任意である。シランカップリング剤としては、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、メルカプト基、カルボキシル基、シアノ基等を含有する各種のものが挙げられる。シリコーン樹脂としては、トリアルキルシロキシポリシリケートなどが挙げられ、シリコーンオイルとしては、α,ω−ジヒドロキシアルキルポリシロキサン、アルキルポリシロキサンなど、シリコーン樹脂パウダーとしては、シリコーンレジンパウダー、シリコーンゴムパウダーなどが挙げられる。
本発明においては、上記で得られたシリコーンエマルジョンの固形分100質量部に対し、(F)ホウ素系化合物を0.1〜300質量部混合添加する。(F)成分であるホウ素系化合物は、木材に防腐性、防白蟻性を付与する成分である。
ホウ素系化合物としては、ホウ酸、硼砂、Tim−borと呼ばれるU.S.Borax社のホウ酸塩化合物(Na2B8O13・4H2O)、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリプロピル、ホウ酸トリブチル等のホウ酸トリアルキルなどが挙げられるが、硼砂、Tim−borなどのホウ酸塩が特に好ましい。
(F)ホウ素系化合物の配合量は、上記シリコーンエマルジョンの固形分100質量部に対し、0.1〜300質量部、好ましくは100〜300質量部である。(F)成分が0.1質量部未満であると防腐性、防白蟻性が弱くなる。またこの量が300質量部を超える量ではエマルジョンの安定性が悪くなる。
シリコーンエマルジョンと(F)成分の混合方法は、(F)成分を水に溶解させた水溶液の形で、シリコーンエマルジョンに混合添加するのが好ましい。この場合、(F)成分を溶解させる水量としては、(F)成分濃度が10質量%以上となるような水量とすることが好ましい。
また、本発明のシリコーンエマルジョン組成物に、各種の増粘剤、顔料、染料、浸透剤、帯電防止剤、消泡剤、難燃剤、抗菌剤、撥水剤などを適宜配合することは任意である。
本発明のシリコーンエマルジョン組成物が処理可能な木材については特に制限が無く、各種の木材類、例えば無垢材、合板、単板積層板、LVL、パーチクルボード材などである。
更に、本発明のシリコーンエマルジョン被膜は、吸水防止性、ゴム質であるため基材への追随性が良好であるので、クラックなども起こりずらく、雨水などの水による防腐・防白蟻剤の溶脱防止効果を付与することが可能となる。
また、このシリコーンエマルジョン組成物を塗工する方法についても特に制限はなく、刷毛塗り、ロールコート、スプレー塗布などの表面処理や浸漬処理、減圧・加圧注入処理等の公知の方法により行うことができる。その後、常温で乾燥させることにより硬化皮膜が形成される。加熱することにより硬化が促進され、処理時間が短縮される。硬化皮膜はゴム質を有するものである。
以下、製造例、実施例及び使用例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において、部及び%はそれぞれ質量部と質量%を示し、粘度は回転粘度計により測定した値を示す。
[製造例1]
オクタメチルシクロテトラシロキサン498g、トリエトキシフェニルシラン2g、10%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液50g及び10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液50gを2リットルポリエチレン製ビーカーに仕込み、ホモミキサーで均一に乳化した後、水400gを徐々に加えて希釈し、圧力300kg/cm2で高圧ホモジナイザーに2回通し、均一な白色エマルジョンを得た。このエマルジョンを攪拌装置、温度計、還流冷却器の付いた2リットルガラスフラスコに移し、50℃で24時間重合反応を行った後、10℃で24時間熟成してから10%炭酸ナトリウム水溶液12gでpH6.2に中和した。このエマルジョンは105℃で3時間乾燥後の不揮発分が45.4%で、エマルジョン中のオルガノポリシロキサンは非流動性の軟ゲル状のものであり、平均組成が[(CH3)2SiO2/2]/[(C6H5)SiO3/2]=100/0.1(モル比)で表される末端が水酸基封鎖されたものであった。このようにして(A)成分を44.4%含有するエマルジョン「A−1」を得た。
オクタメチルシクロテトラシロキサン498g、トリエトキシフェニルシラン2g、10%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液50g及び10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液50gを2リットルポリエチレン製ビーカーに仕込み、ホモミキサーで均一に乳化した後、水400gを徐々に加えて希釈し、圧力300kg/cm2で高圧ホモジナイザーに2回通し、均一な白色エマルジョンを得た。このエマルジョンを攪拌装置、温度計、還流冷却器の付いた2リットルガラスフラスコに移し、50℃で24時間重合反応を行った後、10℃で24時間熟成してから10%炭酸ナトリウム水溶液12gでpH6.2に中和した。このエマルジョンは105℃で3時間乾燥後の不揮発分が45.4%で、エマルジョン中のオルガノポリシロキサンは非流動性の軟ゲル状のものであり、平均組成が[(CH3)2SiO2/2]/[(C6H5)SiO3/2]=100/0.1(モル比)で表される末端が水酸基封鎖されたものであった。このようにして(A)成分を44.4%含有するエマルジョン「A−1」を得た。
[製造例2]
オクタメチルシクロテトラシロキサン500g、10%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液50g及び10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液50gを2リットルポリエチレン製ビーカーに仕込み、ホモミキサーで均一に乳化した後、水400gを徐々に加えて希釈し、圧力300kg/cm2で高圧ホモジナイザーに2回通し、均一な白色エマルジョンを得た。このエマルジョンを攪拌装置、温度計、還流冷却器の付いた2リットルガラスフラスコに移し、50℃で24時間重合反応を行った後、10℃で24時間熟成してから10%炭酸ナトリウム水溶液12gでpH6.2に中和した。このエマルジョンは105℃で3時間乾燥後の不揮発分が45.5%で、エマルジョン中のオルガノポリシロキサンはHO−[(CH3)2SiO]n−Hで示され、粘度1,000Pa・s以上の生ゴム状のものであった。このようにして(A)成分を44.5%含有するエマルジョン「A−2」を得た。
オクタメチルシクロテトラシロキサン500g、10%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液50g及び10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液50gを2リットルポリエチレン製ビーカーに仕込み、ホモミキサーで均一に乳化した後、水400gを徐々に加えて希釈し、圧力300kg/cm2で高圧ホモジナイザーに2回通し、均一な白色エマルジョンを得た。このエマルジョンを攪拌装置、温度計、還流冷却器の付いた2リットルガラスフラスコに移し、50℃で24時間重合反応を行った後、10℃で24時間熟成してから10%炭酸ナトリウム水溶液12gでpH6.2に中和した。このエマルジョンは105℃で3時間乾燥後の不揮発分が45.5%で、エマルジョン中のオルガノポリシロキサンはHO−[(CH3)2SiO]n−Hで示され、粘度1,000Pa・s以上の生ゴム状のものであった。このようにして(A)成分を44.5%含有するエマルジョン「A−2」を得た。
[製造例3]
マレイン酸無水物154gをエタノール500gに溶解した後、3−アミノプロピルトリエトキシシラン346gを室温下、1時間で滴下し、更に80℃でエタノール還流下、24時間反応を行い、淡黄色透明な(B)成分を50%含有する溶液「B−1」を得た。この溶液は、105℃で3時間乾燥後の不揮発分が45.1%であり、溶液中の反応生成物は、IR、GC、NMR、GCMS等の機器分析を行ったところ約60%が下記式で示されるものの混合物であり、残りの約40%がそれらから誘導されたオリゴマーであった。
(C2H5O)3SiC3H6−NHCO−CH=CHCOOH、
(C2H5O)3SiC3H6NH3 +-OCOCH=CHCOOC2H5
マレイン酸無水物154gをエタノール500gに溶解した後、3−アミノプロピルトリエトキシシラン346gを室温下、1時間で滴下し、更に80℃でエタノール還流下、24時間反応を行い、淡黄色透明な(B)成分を50%含有する溶液「B−1」を得た。この溶液は、105℃で3時間乾燥後の不揮発分が45.1%であり、溶液中の反応生成物は、IR、GC、NMR、GCMS等の機器分析を行ったところ約60%が下記式で示されるものの混合物であり、残りの約40%がそれらから誘導されたオリゴマーであった。
(C2H5O)3SiC3H6−NHCO−CH=CHCOOH、
(C2H5O)3SiC3H6NH3 +-OCOCH=CHCOOC2H5
[製造例4]
ジオクチルスズジラウレート300gとポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO10モル付加物)50gを2リットルポリエチレン製ビーカーに仕込み、ホモミキサーで均一に混合した後、水650gを徐々に加えて水中に乳化分散させ、ついで圧力300kg/cm2で高圧ホモジナイザーに2回通し、(E)成分を30%含有するエマルジョン「E−1」を得た。
ジオクチルスズジラウレート300gとポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO10モル付加物)50gを2リットルポリエチレン製ビーカーに仕込み、ホモミキサーで均一に混合した後、水650gを徐々に加えて水中に乳化分散させ、ついで圧力300kg/cm2で高圧ホモジナイザーに2回通し、(E)成分を30%含有するエマルジョン「E−1」を得た。
[製造例5]
U.S.Borax社のTim−borと呼ばれるホウ酸塩化合物(Na2B8O13・4H2O)を15g、イオン交換水85gを混合溶解させ、(F)成分のホウ酸塩化合物の15%の水溶液を得た。
U.S.Borax社のTim−borと呼ばれるホウ酸塩化合物(Na2B8O13・4H2O)を15g、イオン交換水85gを混合溶解させ、(F)成分のホウ酸塩化合物の15%の水溶液を得た。
表1に示す純分配合組成で、(C)成分としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン「C−1」、(D)成分としてコロイダルシリカ(日産化学社製スノーテックスC:有効成分20%)「D−1」を用いて各シリコーンエマルジョンを得た。このシリコーンエマルジョン500gに、攪拌下でカルボキシメチルセルロース(第一工業製薬社製「セロゲンF−SA」)を4g添加し、25℃における粘度を15Pa・sとして各種シリコーンエマルジョン1〜7を得た。
[実施例1〜7]
表1で得られたシリコーンエマルジョンに(F)成分を添加混合し、本発明のシリコーンエマルジョン組成物1〜7を作製した。その配合組成を表2に示す。また、室温で3ヶ月放置後の液の安定性を下記基準で評価し、この結果も表2に示す。
《安定性》
○:外観変化なし、 △:やや分離傾向あり、 ×:沈殿、分離あり
表1で得られたシリコーンエマルジョンに(F)成分を添加混合し、本発明のシリコーンエマルジョン組成物1〜7を作製した。その配合組成を表2に示す。また、室温で3ヶ月放置後の液の安定性を下記基準で評価し、この結果も表2に示す。
《安定性》
○:外観変化なし、 △:やや分離傾向あり、 ×:沈殿、分離あり
[使用例1]
縦1.4cm×横3cm×長さ3cm(木口面が1.4×3cm)の杉辺材(気乾材)3個を常温常圧下で上記シリコーンエマルジョン組成物1に10分間浸漬処理し、25℃で7日間乾燥させ、改質木材を得た。これら試験片を用いて下記の吸水試験を実施した。その結果を表3に示す。
縦1.4cm×横3cm×長さ3cm(木口面が1.4×3cm)の杉辺材(気乾材)3個を常温常圧下で上記シリコーンエマルジョン組成物1に10分間浸漬処理し、25℃で7日間乾燥させ、改質木材を得た。これら試験片を用いて下記の吸水試験を実施した。その結果を表3に示す。
<吸水試験>
得られた試験片を水中に全面浸漬し、24時間後に取り出して下記計算式(1)で吸水率を測定し、3つの試験片の平均値をもって吸水率とした。
吸水率=(W−Wo)/Wo×100(%)・・・(1)
Wo:水浸漬前の試験片の質量(g)
W :水浸漬完了直後の試験片の質量(g)
得られた試験片を水中に全面浸漬し、24時間後に取り出して下記計算式(1)で吸水率を測定し、3つの試験片の平均値をもって吸水率とした。
吸水率=(W−Wo)/Wo×100(%)・・・(1)
Wo:水浸漬前の試験片の質量(g)
W :水浸漬完了直後の試験片の質量(g)
[使用例2〜7]
使用例1と同様に各種シリコーンエマルジョン組成物2〜7を使用し、同様に吸水試験を行った。その結果を表3に示す。
使用例1と同様に各種シリコーンエマルジョン組成物2〜7を使用し、同様に吸水試験を行った。その結果を表3に示す。
[比較使用例1]
実施例1と同様、同寸法の無処理の杉辺材3個を使用して吸水率試験を行った。その結果を表3に示す。
実施例1と同様、同寸法の無処理の杉辺材3個を使用して吸水率試験を行った。その結果を表3に示す。
[比較使用例2]
(F)成分として用いたホウ酸塩の15%水溶液を使用して使用例1と同じ方法で試験片を作製し、吸水率試験を行った。その結果を表3に示す。
(F)成分として用いたホウ酸塩の15%水溶液を使用して使用例1と同じ方法で試験片を作製し、吸水率試験を行った。その結果を表3に示す。
[比較使用例3]
温度計、撹拌装置、還流冷却器及び滴下ロートを備えた反応容器に反応型乳化剤(アデカリアソープSE−10N、旭電化工業(株)製)2.0gと水342.1gを加え、温度を75℃に昇温した。一方、水244.5gに、反応型乳化剤(アデカリアソープSE−10N)2.0gを加えて溶解し、これにアクリル酸2−エチルヘキシル230g、スチレン230g、グリシジルメタクリレート19g及びメタクリル酸12.5gの不飽和モノマー混合物を添加撹拌し、よく乳化してからこれを滴下ロートに入れた。次に、このモノマー混合物の5%を反応容器に移し、重合開始剤として0.5gの過硫酸カリウムを加えて80℃に昇温してから10分保持した後、残りのモノマー混合物の乳化物と3%の過硫酸カリウム水溶液50.0gとを3時間かけて反応容器に均一滴下した。滴下終了後、80℃で1時間熟成反応を行った後、室温に冷却し、アンモニア水3.5gを加えて中和し、固形分濃度が45%のエマルジョン8を得た。このエマルジョン8 100部に(F)成分であるホウ酸塩の15%水溶液を300部添加混合した。しかし、混合後、沈降物が発生した。
温度計、撹拌装置、還流冷却器及び滴下ロートを備えた反応容器に反応型乳化剤(アデカリアソープSE−10N、旭電化工業(株)製)2.0gと水342.1gを加え、温度を75℃に昇温した。一方、水244.5gに、反応型乳化剤(アデカリアソープSE−10N)2.0gを加えて溶解し、これにアクリル酸2−エチルヘキシル230g、スチレン230g、グリシジルメタクリレート19g及びメタクリル酸12.5gの不飽和モノマー混合物を添加撹拌し、よく乳化してからこれを滴下ロートに入れた。次に、このモノマー混合物の5%を反応容器に移し、重合開始剤として0.5gの過硫酸カリウムを加えて80℃に昇温してから10分保持した後、残りのモノマー混合物の乳化物と3%の過硫酸カリウム水溶液50.0gとを3時間かけて反応容器に均一滴下した。滴下終了後、80℃で1時間熟成反応を行った後、室温に冷却し、アンモニア水3.5gを加えて中和し、固形分濃度が45%のエマルジョン8を得た。このエマルジョン8 100部に(F)成分であるホウ酸塩の15%水溶液を300部添加混合した。しかし、混合後、沈降物が発生した。
[使用例8]
木口面20×20mm、高さ10mm寸法の二方まさの杉辺材試験片9個を減圧下で上記実施例1のシリコーンエマルジョン組成物1を更にイオン交換水で10倍に希釈した溶液に2時間減圧下で浸漬処理し、その後25℃で7日間乾燥させて試験片を得た。
これら試験片を下記のJIS K1571と同様な溶脱試験を実施した。溶脱試験後の試験片中のB量を下記の方法で測定し、ホウ酸塩の残存率を測定した。その結果を表4に示す。
木口面20×20mm、高さ10mm寸法の二方まさの杉辺材試験片9個を減圧下で上記実施例1のシリコーンエマルジョン組成物1を更にイオン交換水で10倍に希釈した溶液に2時間減圧下で浸漬処理し、その後25℃で7日間乾燥させて試験片を得た。
これら試験片を下記のJIS K1571と同様な溶脱試験を実施した。溶脱試験後の試験片中のB量を下記の方法で測定し、ホウ酸塩の残存率を測定した。その結果を表4に示す。
<溶脱試験>
各試験片9個を1組として、500mlビーカーに入れ、試験体容積の10倍量の脱イオン水を加え、試験体を水面下に沈める。マグネチックスターラーを用い、温度25℃で回転子を毎分400〜450回転させ、8時間攪拌し、溶脱した後、直ちに軽く試験体表面の水切りを行う。続いて温度60℃の循環式乾燥器中に16時間静置し、揮発分を揮発させる。以上の操作を交互に10回繰り返す。
各試験片9個を1組として、500mlビーカーに入れ、試験体容積の10倍量の脱イオン水を加え、試験体を水面下に沈める。マグネチックスターラーを用い、温度25℃で回転子を毎分400〜450回転させ、8時間攪拌し、溶脱した後、直ちに軽く試験体表面の水切りを行う。続いて温度60℃の循環式乾燥器中に16時間静置し、揮発分を揮発させる。以上の操作を交互に10回繰り返す。
<試験片中のホウ酸塩残存量(B量)測定方法>
木材試験片をテフロンビーカーに入れ、3%硝酸水を50ml加えてホットプレート(200℃)で2時間加熱する。冷却後、水を加え50mlに定容する。この操作を5回繰り返し、それぞれのB量をICP分析装置により測定し、その合計量を木材中のホウ酸塩残存量とする。残存量はサンプル9個の平均値をもって残存量とする。
木材試験片をテフロンビーカーに入れ、3%硝酸水を50ml加えてホットプレート(200℃)で2時間加熱する。冷却後、水を加え50mlに定容する。この操作を5回繰り返し、それぞれのB量をICP分析装置により測定し、その合計量を木材中のホウ酸塩残存量とする。残存量はサンプル9個の平均値をもって残存量とする。
[使用例9〜14]
使用例8と同様に各種のシリコーンエマルジョン組成物2〜7をイオン交換水で10倍希釈した溶液を用いて、同様に溶脱試験及びホウ酸塩残存量測定を行った。その結果を表4に示す。
使用例8と同様に各種のシリコーンエマルジョン組成物2〜7をイオン交換水で10倍希釈した溶液を用いて、同様に溶脱試験及びホウ酸塩残存量測定を行った。その結果を表4に示す。
[比較使用例4]
使用例8と同様に(F)成分として用いたホウ酸塩の15%水溶液を使用し、同様に溶脱試験及びホウ酸塩残存量測定を行った。その結果を表4に示す。
使用例8と同様に(F)成分として用いたホウ酸塩の15%水溶液を使用し、同様に溶脱試験及びホウ酸塩残存量測定を行った。その結果を表4に示す。
Claims (3)
- (A)1分子中にケイ素原子に結合するヒドロキシル基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)アミノ基含有オルガノキシシランと酸無水物との反応生成物:0.5〜20質量部、
(C)エポキシ基含有オルガノキシシラン及び/又はその部分加水分解物:0〜20質量部、
(D)コロイダルシリカ及び/又はポリシルセスキオキサン:0〜50質量部、
(E)硬化触媒:0〜10質量部
からなる成分が水中に乳化分散されたシリコーンエマルジョンに、(F)ホウ素系化合物を上記シリコーンエマルジョンの固形分100質量部に対して0.1〜300質量部の割合で添加混合してなることを特徴とするシリコーンエマルジョン組成物。 - (F)ホウ素系化合物が、ホウ酸塩化合物であることを特徴とする請求項1記載のシリコーンエマルジョン組成物。
- 請求項1又は2記載のシリコーンエマルジョン組成物を木材に表面処理、浸漬処理又は減圧もしくは加圧注入処理することを特徴とする木材の処理方法。
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