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JP2007051258A - 樹脂組成物およびそれを用いたカバーレイフィルム、金属張積層板 - Google Patents

樹脂組成物およびそれを用いたカバーレイフィルム、金属張積層板 Download PDF

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JP2007051258A JP2005239215A JP2005239215A JP2007051258A JP 2007051258 A JP2007051258 A JP 2007051258A JP 2005239215 A JP2005239215 A JP 2005239215A JP 2005239215 A JP2005239215 A JP 2005239215A JP 2007051258 A JP2007051258 A JP 2007051258A
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Toshirou Komiyatani
壽郎 小宮谷
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Abstract

【課題】高屈曲性および耐折性に優れるフレキシブルプリント回路板を提供すること。
【解決手段】フレキシブルプリント回路板に用いる樹脂組成物であって、ビフェニルアラルキルエポキシ樹脂と、カルボン酸変性エチレンアクリルゴムと、を含有すること、また、上記カルボン酸変性エチレンアクリルゴムは、主鎖骨格中に下記化学式(I)、(II)および(III)で表される各構造単位を有することを特徴とする樹脂組成物である。
【化1】
Figure 2007051258

(但し、RおよびRは、それぞれ独立に、メチル基、エチル基またはプロピル基を示す。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、フレキシブルプリント回路板用に用いられる樹脂組成物、カバーレイフィルムおよび金属張積層板に関する。
フレキシブルプリント回路板は薄く、軽く、可とう性に優れることから、特に携帯電話、PDA、液晶ドライバーモジュールをはじめとしてモバイル機器を中心に利用されているが、近年、これら電子機器の高性能化、小型化に伴いフレキシブルプリント回路板への配線の微細化、高密度実装化、可とう性などがますます要求されてきている。
例えば、折畳み式の携帯電話に使用されるフレキシブルプリント回路板は、ヒンジ部分が常に屈曲されており、高屈曲性が求められる。
一方、ヒンジ部以外の筐体部分に対しては、フレキシブルプリント回路板を細かく折りたたんで筐体へ組み込む要求があり、折りたたみ性(耐折性)が求められている。
また、小型デジタル機器は高機能化に伴い、それに使われるフレキシブルプリント回路板は、片面、両面板から多層板になったり、電磁波シールド材や補強板を貼着したり、実装部品点数が多くなるため複数回の実装を行ったり、と繰り返し熱履歴を受けるため複数回の耐熱履歴性が求められている。
また、環境対応問題より鉛フリーはんだを用いる実装要求があり、これまでのはんだに比べ15〜20℃実装温度が高くなり、これに伴い高耐熱性、高寸法安定性が求められている。
さらに、難燃剤としてもハロゲンを含まないことが要求されている。これまでは難燃剤は臭素化エポキシ樹脂を使用するのが一般的であったが(例えば特許文献1、2)、燃焼時にダイオキシンの発生が懸念されるため、ハロゲンフリー材料が求められている。
このように、フレキシブルプリント回路板に対しては、高屈曲性(樹脂の高弾性率)と耐折性(樹脂の柔らかさ)という相反する特性の両立、また、耐熱性、耐熱履歴性、寸法安定性、ハロゲンフリーという多種様々な特性を備えるものが求められている。しかしながら、そのような高品質のフレキシブルプリント回路板は未だ実現されていない。
特開平4−197746号公報 特開平3−028285号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高屈曲性と耐折性を両立するフレキシブルプリント回路板用の樹脂組成物を提供することにある。
本発明によれば、フレキシブルプリント回路板に用いる樹脂組成物であって、ビフェニルアラルキルエポキシ樹脂と、カルボン酸変性エチレンアクリルゴムと、を含有することを特徴とする樹脂組成物が提供される。
また、本発明によれば、上記樹脂組成物を樹脂フィルムに塗工し乾燥して得られるカバーレイフィルムが提供される。
さらに、本発明によれば、上記樹脂組成物を樹脂フィルムに塗工し、金属箔と積層接着することにより得られるフレキシブルプリント回路板用の金属張積層板が提供される。
本発明の樹脂組成物を用いることにより、高屈曲性および耐折性に優れるフレキシブルプリント回路板が得られる。
以下、本発明の樹脂組成物、カバーレイフィルムおよび金属張積層板について詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物は、ポリイミドフィルムなどの樹脂フィルムの片面にワニスとして塗布、乾燥して接着剤層とし、カバーレイフィルムとして用いたり、樹脂フィルムの片面あるいは両面にワニスとして塗布、乾燥して接着剤層とし、金属箔を積層した後、接着剤層を加熱硬化することでフレキシブルプリント回路板用の金属張積層板として用いることができる。
以下、本発明の樹脂組成物を構成する各成分について説明する。
本発明に係る樹脂組成物は、ビフェニルアラルキルエポキシ樹脂を含む。ビフェニルアラルキルエポキシ樹脂はそのベンゼン環の多い分子骨格上、低吸水化の効果と難燃性の効果が得られる。ビフェニルアラルキルエポキシ樹脂の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物全体(無機フィラーを除く)の20重量%以上、50重量%以下が好ましく、30重量%以上、40重量%以下がより好ましい。含有量がこの範囲内にあると柔軟性を損なうことなく、難燃性を得ることができる。
ビフェニルアラルキルエポキシ樹脂としては、特に限定されないが、耐熱性のあるものが好ましく、燃えにくい骨格のものがより好ましい。
例えば以下に示すようなエポキシ樹脂が挙げられる。
Figure 2007051258
本発明に係る樹脂組成物は、カルボン酸変性エチレンアクリルゴムを含む。三元系共重合体樹脂は、ビフェニルアラルキルエポキシ樹脂との配合によりエポキシ樹脂の剛直な三次元的に硬化する分子骨格間に柔軟性を付与できる。さらにはカルボン酸変性基がエポキシ樹脂と化学的結合をするために耐熱性を落とさずに高屈曲性と耐折性を両立する。カルボン酸変性エチレンアクリルゴムとしては、主鎖骨格中に以下に示す構造単位(I)、(II)および(III)を有するものを用いることができる。
Figure 2007051258
(但し、RおよびRは、それぞれ独立に、メチル基、エチル基またはプロピル基を示す。)
カルボン酸変性エチレンアクリルゴムの含有量は5重量%以上、30重量%以下が好ましい。含有量がこの範囲内にあると耐熱性を損なうことなく良好な密着性および柔軟性が得られる。
また、カルボン酸変性エチレンアクリルゴムのムーニー粘度は20以下であることが好ましく、10以上、20以下がより好ましい。含有量がこの範囲内にあるとプレス成型時に不必要な部分への染み出しが抑えられ、一方で回路間の埋込み成型性を両立できる。
また、カルボン酸変性エチレンアクリルゴムのイオン性不純物は100ppm以下であることが望ましい。不純物量がこの範囲内にあると絶縁信頼性が良好となる。イオン性不純物としては、例えば塩素イオン、硫酸イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどが挙げられる。
本発明に係る樹脂組成物は、リン酸エステルアミドを含むことが好ましい。リン酸エステルアミドは、ハロゲンを含まない難燃剤として有効である。一般的なリン化合物であるリン酸エステルと比べ加水分解性が小さいことから耐吸湿半田耐熱性が向上し、耐マイグレーション性(絶縁信頼性)が低下しない特長がある。
リン酸エステルアミドのリン含有量は、5%以上、15%以下が好ましい。リン含有量がこの範囲内であれば、主剤の特性を大きく損なわずに難燃性を付与できる。
リン酸エステルアミドの含有量は、樹脂組成物全体の10重量%以上、20重量%以下が好ましい。含有量がこの範囲内にあると耐熱性を損なわずに難燃性を付与できる。
本発明に係る樹脂組成物は、硬化剤を含むことが好ましい。硬化剤としてはエポキシ樹脂を硬化させる一般的なものが使用できるが、ノボラック型フェノール樹脂や反応性エステル基を持つ樹脂、芳香族アミン、酸無水物が好ましい。
反応性エステル基を持つ樹脂を使用する場合は活性エステル当量が100以上、500以下のものが好ましい。当量がこの範囲内にあると、耐折性、屈曲性にくわえ、耐熱性、密着性も良好となる。
エステル基はカルボン酸化合物とフェノールとの縮合反応により得られるが特に本発明で用いられる反応性エステル基は硬化時に架橋できるように多価芳香族カルボン酸と多価フェノールの縮合反応からなる芳香族系エステル化合物が好ましい。例えばコハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、ピロメリット酸などの多価芳香族カルボン酸とハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノールフタリンなどの多価フェノール類からなる芳香族系エステル化合物などを挙げることができる。
芳香族アミンとしては、ジシアンジアミドやジアミノジフェニルスルホンなどが好ましく用いられる。これらの芳香族アミンを用いると、ポリイミド等の基材フィルムに対して優れた密着性が得られる。
本発明の樹脂組成物に対して、無機フィラーを添加してもよい。これにより、耐熱性、弾性率および難燃性を向上させることが出来る。無機フィラーとしては、水酸化アルミニウム、溶融シリカ、炭酸カルシウム、アルミナ、マイカ、タルク、ホワイトカーボンなどが好ましい。これらの中で、水酸化アルミニウムがより好ましい。
無機フィラーの平均粒子径は、たとえば0.1μm以上、10μm以下とする。平均粒子径がこの範囲内にあると良好なワニス粘度が得られる。
樹脂組成物へ添加する無機フィラーの量は、樹脂組成物全体に対して、10重量%以上、40重量%以下が好ましく、20重量%以上、30重量%以下がより好ましい。含有量がこの範囲内にあると耐折性を落とさずに耐ヒンジ性と耐熱性の効果を得ることができ、更に限定した範囲内にあると、高屈曲性の効果に必要な弾性率が得られる。
本発明の樹脂組成物は、上記以外の成分を含んでいても良い。たとえば、銅はくやプリント回路板との密着力の向上、耐湿性の向上のためにエポキシシラン等のシランカップリング剤あるいはチタネート系カップリング剤、消泡剤などの添加剤を含んでいてもよい。
次に、本発明に係るカバーレイフィルムについて説明する。
本発明のカバーレイフィルムは、上記の樹脂組成物を所定の溶剤に、所定の濃度で溶解したワニスを樹脂フィルムに塗工後80℃以上150℃以下の乾燥を行って作製する。乾燥後の樹脂組成物の厚みについては、用途によって10μm以上100μm以下の範囲になるように塗工する。カバーレイフィルムの場合は乾燥後にその樹脂組成物面にポリエチレンテレフタレートやポリエチレン、ポリプロピレンなどのフィルムを異物混入防止などの理由で離型フィルムとして使用してもよい。
ワニスに用いられる溶剤としては、樹脂組成物に対し良好な溶解性を持つものを選択することが好ましい。例えば、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン、n−ヘキサン、メタノール、エタノール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセロソルブ、メトキシプロパノール、シクロヘキサノン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのうち一種または二種以上の混合系を使用することが可能である。
樹脂フィルムとしては、例えばポリイミド樹脂フィルム、ポリエーテルイミド樹脂フィルム、ポリアミドイミド樹脂フィルム等のポリイミド系樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム等のポリアミド系樹脂フィルム、ポリエステル樹脂フィルム等のポリエステル系樹脂フィルムが挙げられる。このうち、弾性率と耐熱性を向上させる観点から、特にポリイミド系樹脂フィルムが好ましく用いられる。
樹脂フィルムの厚さは、特に限定されないが、5μm以上50μm以下が好ましく、特に5μm以上25μm以下が好ましい。厚さがこの範囲内であると、特に屈曲性に優れる。
次に本発明に係る金属張積層板について説明する。
本発明に係る金属張積層板は、基材の片面または両面にワニスを塗工し乾燥後、熱圧着ロールなどによって金属箔を樹脂組成物面に積層して作製される。
前記金属箔を構成する金属としては、例えば銅および銅系合金、アルミおよびアルミ系合金、鉄および鉄系合金等が挙げられ、銅がより好ましい。
また、基材としては、絶縁性フィルムなどが挙げられ、樹脂フィルムとしては、例えばポリイミド樹脂フィルム、ポリエーテルイミド樹脂フィルム、ポリアミドイミド樹脂フィルム等のポリイミド系樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム等のポリアミド系樹脂フィルム、ポリエステル樹脂フィルム等のポリエステル系樹脂フィルムが挙げられる。このうち、弾性率と耐熱性を向上させる観点から、特にポリイミド系樹脂フィルムが好ましく用いられる。
ワニスに用いる溶剤としては、前述したカバーレイフィルムに用いた溶剤と同様のものを適宜選択すればよい。
以下、本発明を実施例及び比較例により説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
樹脂組成分として、ビフェニルアラルキルエポキシ樹脂(エポキシ当量280、日本化薬製NC−3000)50重量部、
主鎖骨格中に前述の構造単位(I)、(II)および(III)のすべてを含むカルボン酸変性エチレンアクリルゴム(三井デュポンポリケミカル製 Vamac−G)12重量部、
1分子中に10%のリンを含有するリン酸エステルアミドが20重量部、
硬化剤としてノボラックフェノール樹脂(住友ベークライト製PR−53647)を18重量部、および
シランカップリング剤0.5重量部
をMEK及びブチルセロソルブとの混合溶剤に樹脂固形分が50%となるように溶解した。
この配合物ワニスを厚み25μmのポリイミドフィルムの片面に樹脂組成物の厚みが乾燥後、10μmとなるようにコンマロールコーターで塗工、120℃5分+150℃5分で乾燥し、次いで圧延銅箔(福田金属箔工業製 18μm厚)を150℃で熱ロールによってラミネート後、反対面にも同様にワニスを塗工、乾燥、圧延銅箔をラミネートした。このものを180℃1時間硬化してフレキシブルプリント回路板用の銅張積層板を得た。
これを通常の回路作製工程(穴あけ、メッキ、DFRラミネート、露光・現像、エッチング、DFR剥離)にて所定の回路を作製し評価用基板を得た。
さらには同配合物ワニスを厚み12.5μmのポリイミドフィルムの片面に樹脂組成物の厚みが乾燥後、25μmとなるようにコンマロールコーターで塗工、120℃5分+150℃5分で乾燥しカバーレイフィルムを得た。このカバーレイフィルムの所定位置に開孔部を設け、先に作製した評価用基板の両面の所定位置に160℃1時間の真空プレスにて貼り付けて評価用のフレキシブルプリント回路板を作製した。
(実施例2)
実施例1の、硬化剤のノボラックフェノール樹脂にかえて、酸無水物として無水トリメリット酸を当量比(1:0.9)と硬化促進剤としてトリフェニルホスフィンを1phrとなるよう配合した以外は実施例1と同様にして、フレキシブルプリント回路板用の銅張積層板とカバーレイフィルムを得て、評価用のフレキシブルプリント回路板を作製した。
(実施例3)
実施例1において、硬化剤としてノボラックフェノール樹脂にかえてジアミノジフェニルスルホン(三井化学製 3,3−DAS)を同当量比(1:1)となるよう配合した以外は実施例1と同様にしてフレキシブルプリント回路板用の銅張積層板とカバーレイフィルムを得て、評価用のフレキシブルプリント回路板を作製した。
(実施例4)
樹脂組成分としてビフェニルアラルキルエポキシ樹脂(エポキシ当量280、日本化薬製NC−3000)20重量部、カルボン酸変性エチレンアクリルゴム(三井デュポンポリケミカル製 Vamac−G)が30重量部、1分子中に10%のリンを含有するリン酸エステルアミドが40重量部と硬化剤としてジアミノジフェニルスルホン(三井化学製 3,3−DAS)を9重量部、およびシランカップリング剤0.5重量部をMEK及びブチルセロソルブとの混合溶剤に樹脂固形分が50%となるように溶解した。
以下、この配合物ワニスを実施例1と同様にしてフレキシブルプリント回路板用の銅張積層板とカバーレイフィルムを得て、評価用のフレキシブルプリント回路板を作製した。
(実施例5)
実施例1のワニスに、無機フィラーとして水酸化アルミ(平均粒子径1μm 日本軽金属社製B1403)を、ワニス中の樹脂固形分100重量部に対して、30重量部を添加し混錬機で分散させこの配合物ワニスを実施例1と同様にしてフレキシブルプリント回路板用の銅張積層板とカバーレイフィルムを得て、評価用のフレキシブルプリント回路板を作製した。
(比較例1)
実施例1のビフェニルアラルキルエポキシ樹脂を市販のビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量185)44.5重量部に、硬化剤としてノボラックフェノール樹脂(住友ベークライト製PR−53647)を当量比が1:1となるように23.5重量部とした以外は実施例1と同様にしてフレキシブルプリント回路板用の銅張積層板とカバーレイフィルムを得て、評価用のフレキシブルプリント回路板を作製した。
(比較例2)
実施例1のカルボン酸変性エチレンアクリルゴムを一般的な市販のアクリルゴム(ムーニー粘度0、ガラス転移点−10℃)に変更した以外は実施例1と同様にしてフレキシブルプリント回路板用の銅張積層板とカバーレイフィルムを得て、評価用のフレキシブルプリント回路板を作製した。
(比較例3)
実施例1のビフェニルアラルキルエポキシ樹脂を市販のビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量185)52重量部として当量比が1:1となるように硬化剤としてノボラックフェノール樹脂(住友ベークライト製PR−53647)を28重量部配合し、さらにはカルボン酸変性エチレンアクリルゴムを無配合とした以外は実施例1と同様にしてフレキシブルプリント回路板用の銅張積層板とカバーレイフィルムを得て、評価用のフレキシブルプリント回路板を作製した。
このようにして得られたフレキシブルプリント回路板の打抜き性、成形性、吸湿半田耐熱性、密着力、電気絶縁性、屈曲性、耐折性、難燃性を測定し、その結果を表1に示す。実施例記載のものはいずれも各項目の評価結果に優れ、性能のバランスに優れるものであった。
Figure 2007051258
*打抜き性
積層する前にカバーレイフィルムをビクにより打ち抜き、その端面を観察し、粉落ちがなかったものを○、粉落ちが発生したものを×とした。
*成形性
測定用端子を露出させる為に打ち抜いたカバーレイフィルム端部からの最大染み出し量が0.2mm以下で且つ回路間などの埋め込み不良によるボイドが無いかを観察しボイドの無かったものを○とした。
*吸湿半田耐熱性
JIS規格C5016−10.3に順ずる。フクレ、剥がれのなかったものを○とした。
*密着力
JIS規格C5016−8.1に順ずる。密着力が1.0N/mm以上を◎、0.6N/mm以上1.0N/mm未満を○、0.4N/mm以上0.6N/mm未満を△、0.4N/mm未満を×とした。
*電気絶縁性
回路幅及び回路間幅をそれぞれ40μmとした櫛型パターンを用い、初期状態および65℃90%50V1000時間処理後の絶縁抵抗値を測定した。初期値、処理後共に絶縁抵抗値が1010以上あったものを○とした。
*屈曲性
IPC法に準じる。R=2mm、1000rpm、ストローク15mmで屈曲回数が1千万回以上のものを◎、500万回以上1千万回未満のものを○、10万回以上500万回未満のものを△、10万回に満たなかったものを×とした。
*耐折性
幅1cmに回路幅及び回路間幅をそれぞれ100μmとした両面板を回路に対して直交方向に180°折り曲げては開き、再度同じ部位を折り曲げては開く。これを繰返し行い、導通抵抗値の変化率が初期値に比べ1%未満を◎、1%以上5%未満を○、5%以上10%未満を△、10%以上を×とした。
*難燃性
UL法に基づき評価した。V−0もしくはVTM−0を◎、V−1もしくはVTM−1を○、それ以下を×とした。

Claims (13)

  1. フレキシブルプリント回路板に用いる樹脂組成物であって、
    ビフェニルアラルキルエポキシ樹脂と、カルボン酸変性エチレンアクリルゴムと、を含有することを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記カルボン酸変性エチレンアクリルゴムは、主鎖骨格中に下記化学式(I)、(II)、および(III)で表される各構造単位を有する化合物である、請求項1に記載の樹脂組成物。
    Figure 2007051258
    (但し、RおよびRは、それぞれ独立に、メチル基、エチル基またはプロピル基を示す。)
  3. リン酸エステルアミドをさらに含む請求項1に記載の樹脂組成物。
  4. 硬化剤をさらに含む請求項1に記載の樹脂組成物。
  5. 前記硬化剤は、ノボラックフェノール樹脂である請求項4に記載の樹脂組成物。
  6. 前記硬化剤は、反応性エステル基を持つ樹脂である請求項4に記載の樹脂組成物。
  7. 前記硬化剤は、芳香族アミンである請求項4に記載の樹脂組成物。
  8. 前記硬化剤は、酸無水物である請求項4に記載の樹脂組成物。
  9. 樹脂組成物全体に対する前記ビフェニルアラルキルエポキシ樹脂および前記カルボン酸変性エチレンアクリルゴムの含有量が、それぞれ、20重量%以上50重量%以下、5重量%以上30重量%以下である、請求項1ないし8のいずれかに記載の樹脂組成物。
  10. 無機フィラーをさらに含む請求項1ないし9のいずれかに記載の樹脂組成物。
  11. 前記無機フィラーが、水酸化アルミニウムである請求項10に記載の樹脂組成物。
  12. 請求項1ないし11のいずれかに記載の樹脂組成物を樹脂フィルムに塗工し乾燥して得られるカバーレイフィルム。
  13. 請求項1ないし11のいずれかに記載の樹脂組成物を樹脂フィルムに塗工し、金属箔と積層接着することにより得られるフレキシブルプリント回路板用の金属張積層板。
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