JP2006311012A - Sipプロキシサーバ - Google Patents
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Abstract
【課題】管轄するLAN内のSIP通信装置の事情によりデータを受信することができなかった場合に、サーバ自身で発呼側からデータを代行受信し、これにより発呼側ユーザの再送信の負担を無くし、代行受信したデータを被呼側SIP通信装置の都合等に合わせて提供することを可能とするSIPプロキシサーバを提供すること。
【解決手段】本発明に係るSIPプロキシサーバ1は、管轄するLAN2内のSIP通信装置4宛にLAN2外の装置30から「INVITE」を受信した場合に、その宛先のSIP通信装置4に代行してセッションを確立してデータを受信し、受信した前記データを宛先のSIP通信装置4へ送信せずに記憶保持し、その後所定の条件を満たしたとき、前記記憶保持したデータを宛先のSIP通信装置4へ送信する。
【選択図】図7
【解決手段】本発明に係るSIPプロキシサーバ1は、管轄するLAN2内のSIP通信装置4宛にLAN2外の装置30から「INVITE」を受信した場合に、その宛先のSIP通信装置4に代行してセッションを確立してデータを受信し、受信した前記データを宛先のSIP通信装置4へ送信せずに記憶保持し、その後所定の条件を満たしたとき、前記記憶保持したデータを宛先のSIP通信装置4へ送信する。
【選択図】図7
Description
本発明は、SIP(Session Initiation Protocol)プロキシサーバに関し、詳しくは、SIPプロキシサーバが管轄するネットワークエリア内のSIP通信装置宛のSIPメッセージをネットワークエリア外から受信した場合に、当該SIPメッセージを前記SIP通信装置に転送したり、前記SIP通信装置に成り代わってSIPメッセージを発呼側へ返信するSIPプロキシサーバに関する。
近年、SIPメッセージをやり取りしてメディアセッションを確立した上で、画像データ等のデータ通信を行う通信装置(以下「SIP通信装置」という。)が提案されている(例えば、特許文献1乃至3を参照。)。SIP通信装置間でのSIPメッセージの転送は、SIPプロキシサーバ(例えば、特許文献1乃至3のSIPサーバ)によって行われる。SIP通信装置をLANに設置し、前記SIPプロキシサーバを、例えば特許文献4に開示されているようなリバースプロキシサーバ(201)のように、LANを出入りするパケットの監視できる所に設置して、LAN内外の通信についてアクセス制御を行うことができる。例えば、LAN外からLAN内への不正なアクセスやLAN内からLAN外の特定のアドレスへのアクセスを禁止したり、LANを出入りするパケットの転送優先度を制御することができる。
ところで、LAN外のSIP通信装置からLAN内のSIP通信装置へ通信開始要求の呼び出しがあったときに、被呼側SIP通信装置が他のSIP通信装置と通信中であったり、宛先SIP通信装置にエラーが発生しているなどの事情がある場合は、双方のSIP通信装置間でセッションを確立してデータ通信を行うことができない。このような場合、発呼側ユーザは、煩わしくても、時間をおいて再度データの送信操作を行わなければならない。一方、被呼側SIP通信装置は、他の相手との通信が終了し或いはエラーが回復して、データを受信できる状態になっても、発呼側SIP通信装置が再送信するまでデータを受信することができない。つまり、エラー等により当初受信できなかったデータをエラー等が回復した後に迅速に取得することができないという問題があった。
また、データ通信は発呼側から送出される通信開始要求により始まるため、被呼側SIP通信装置のユーザは、データの受信時期を自己の都合に合わせることができないという問題がある。例えば、被呼側ユーザが不在のときに、被呼側SIP通信装置が機密文書の画像データを受信しこれを自動的に印字すると、それを第三者に見られるおそれがある。もし、被呼側ユーザの都合に合わせて画像データを受信することができれば、そのような問題は解消されるが、そのような機能を持ったSIP通信装置は未だ提案されていない。
また、従来より被呼側SIP通信装置において、代行受信先を発呼側に通知して他の装置で代行受信することは可能であったが、代行受信先を発呼側に通知することなくサーバ自身で代行受信を行い、ネットワーク単位で代行受信の一元化を図ったものは未だ提案されていない。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、管轄するネットワークエリア内のSIP通信装置の事情によりデータを受信することができなかった場合に、サーバ自身で発呼側からデータを代行受信し、これにより発呼側ユーザの再送信の負担を無くし、代行受信したデータを被呼側SIP通信装置の都合等に合わせて提供することを可能とするSIPプロキシサーバを提供することを目的とする。また、ネットワーク単位で代行受信データの一元管理を可能とするSIPプロキシサーバを提供することをも目的とする。
請求項1記載のSIPプロキシサーバは、管轄するネットワークエリア内のSIP通信装置宛に前記ネットワークエリア外から通信開始要求を受信した場合に、その宛先のSIP通信装置に代行してセッションを確立し、データを受信する受信手段と、受信した前記データを前記宛先のSIP通信装置へ送信せずに記憶保持する記憶保持手段と、その後所定の条件を満たしたとき、前記記憶保持したデータを前記宛先のSIP通信装置へ送信する送信手段と、を備えることを特徴としている。
請求項2記載のSIPプロキシサーバは、請求項1記載のSIPプロキシサーバにおいて、前記ネットワークエリア内のSIP通信装置に関連付けて代行受信機能の有効無効を登録する登録手段を備え、前記受信手段による前記受信及び前記記憶保持手段による前記記憶保持は、前記宛先のSIP通信装置の代行受信機能の登録が有効である場合に行われることを特徴としている。
請求項3記載のSIPプロキシサーバは、請求項1記載のSIPプロキシサーバにおいて、管轄するネットワークエリア内のSIP通信装置宛に前記ネットワークエリア外から通信開始要求を受信した場合に、その宛先のSIP通信装置がデータを受信できる状態にあるか否かを判定する要求受信時判定手段を備え、前記受信手段による前記受信及び前記記憶保持手段による前記記憶保持は、前記要求受信時判定手段により前記宛先のSIP通信装置がデータを受信できる状態にあると判定された場合に行われることを特徴としている。
請求項4記載のSIPプロキシサーバは、請求項3記載のSIPプロキシサーバにおいて、前記受信手段による前記受信及び前記記憶保持手段による前記記憶保持が行われた後に、前記宛先のSIP通信装置がデータを受信できる状態にあるか否かを判定する記憶保持後判定手段を備え、前記所定の条件は、前記記憶保持後判定手段によって、前記宛先のSIP通信装置がデータを受信できる状態にあると判定された場合に満たされるものであることを特徴としている。
請求項1記載のSIPプロキシサーバによれば、管轄するネットワークエリア内のSIP通信装置宛に通信開始要求があり、その宛先のSIP通信装置がデータ通信を行うことができなかった場合でも、発呼側ユーザに再送信の負担を掛けることなく、宛先SIP通信装置に当初転送することができなかったデータを転送することができる。また、SIPリダイレクトメッセージなどを使用することなく、SIPプロキシサーバによって代行受信が行われるため、代行受信するために必要な装置を別途容易する必要がない。また、迅速且つ的確な代行受信も可能となる。さらに、本発明に係るSIPプロキシサーバは、ネットワークエリア内の全てのSIP通信装置宛の通信開始要求に対する代行受信を行うので、ネットワーク単位での代行受信蓄積データの一元的な管理も可能となる。
請求項2記載のSIPプロキシサーバによれば、管轄するネットワークエリア内の各SIP通信装置のユーザは、SIPプロキシサーバにおいて代行受信機能を有効にしておくことで、常に、当該SIP通信装置宛のデータをSIPプロキシサーバ1に代行受信させることができ、代行受信されたデータを当該SIP通信装置のユーザの都合のよいときに取り出すことができる。
請求項3記載のSIPプロキシサーバによれば、管轄するネットワークエリア内のSIP通信装置において、エラーが発生するなど、データ通信をすることができない事情がある場合に、前記した効果が得られる。
請求項4記載のSIPプロキシサーバによれば、管轄するネットワークエリア内のSIP通信装置において、エラーが発生するなど、データ通信をすることができない事情があった場合、その後、当該事情が解消されると当初SIP通信装置に転送することができなかったデータが自動的に転送されるので、SIP通信装置のユーザは、当該事情が解消した後に迅速にデータを取得できる。
従来技術として、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)、POP(Post Office Protocol)などの蓄積交換型のメールシステムがある。POPクライアントは、都合のよいときにPOPサーバに蓄積されたメールを受信できるが、かかる利点と本発明による利点とが似ている。しかし、POPでは、サーバはクライアントの状態に関知しないが、本発明は、SIPのレジスタ機能ないしプレゼンス機能を拡張することにより、例えば、サーバからクライアントのデータ受信可否状態やクライアントの通信数(マルチ通信あるいは並列通信)の状態などを管理することを可能としたものであり、これにより、本発明に係るSIPプロキシサーバにおいて、クライアントの状況に応じた効果的な代行受信機能を利用することができる。
従来技術として、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)、POP(Post Office Protocol)などの蓄積交換型のメールシステムがある。POPクライアントは、都合のよいときにPOPサーバに蓄積されたメールを受信できるが、かかる利点と本発明による利点とが似ている。しかし、POPでは、サーバはクライアントの状態に関知しないが、本発明は、SIPのレジスタ機能ないしプレゼンス機能を拡張することにより、例えば、サーバからクライアントのデータ受信可否状態やクライアントの通信数(マルチ通信あるいは並列通信)の状態などを管理することを可能としたものであり、これにより、本発明に係るSIPプロキシサーバにおいて、クライアントの状況に応じた効果的な代行受信機能を利用することができる。
以下、本発明の実施の形態に係るSIPプロキシサーバについて説明する。図1に本発明の実施の形態に係るSIPプロキシサーバ1が管轄するLAN2内の構成例を示す。LAN2には、SIPプロキシサーバ1のほかに、複数のSIP通信装置4が接続されている。SIPプロキシサーバ1は、ルータ3と直接接続されており、LAN2外(インターネット)からルータ3を通じてLAN2内に入る全てのパケットを監視できるように接続されている。LAN2内に接続されているSIP通信装置4は、SIPによりメディアセッションを確立した上で画像データ等のデータ通信を行うSIP通信機能、受信画像データを印字出力する機能等を有する。
SIPプロキシサーバ1は、図2に示すように、制御部5、通信部6、テーブル記憶部7、操作部8、表示部9、補助記憶装置10等を備える。制御部5は、図示しないCPU(中央処理装置)、ROM(リードオンリーメモリー)、RAM(ランダムアクセスメモリー)等で構成され、ROMに格納された制御プログラムに基づいてCPUが発行する命令にしたがって、SIPプロキシサーバ1を構成する各部の動作を制御する。通信部6は、NIC(ネットワークインタフェースカード)を備え、LAN2内に接続されたSIP通信装置4及びルータ3との通信を行う。
テーブル記憶部7は、例えば図3に示すようなテーブルTを記憶している。テーブルTは、「装置ドメイン名」欄、「装置アドレス」欄、「最終更新」欄、「状態」欄、「代行受信有効/無効」欄、「代行受信蓄積件数」欄及び「通信数」欄を有し、各欄の同一レコードに格納された情報が各SIP通信装置4の情報として関連付けられる。テーブルTは、SIPプロキシサーバ1の表示部9に表示させることができるようになっている。「装置ドメイン名」欄、「装置アドレス」欄、「代行受信有効/無効」欄に格納される情報は、操作部8等における所定操作により登録することができるようになっている。
「装置ドメイン名」欄には、LAN4内の各SIP通信装置4のドメイン名が格納されている。「装置アドレス」欄には、LAN4内の各SIP通信装置4のIPアドレスが格納されている。「最終更新」欄には、各レコードの情報が更新された日時を示す情報が格納されている。「状態」欄には、LAN4内の各SIP通信装置4の稼動状態を示す情報が格納されている。前記稼動状態を示す情報としては、当該SIP通信装置4が正常に通信中又は待機中の状態にあることを示す情報「正常」又は当該SIP通信装置4がエラーの発生、電源断などにより通信を行うことが出来ない状態にあることを示す情報「異常」が格納される。
「代行受信有効/無効」欄には、LAN4内の各SIP通信装置4ごとに、後に詳述する代行受信機能を有効にするか無効にするかの設定が登録される。テーブルTにおいては、代行受信機能を有効にする場合、その旨を指定する情報である「有効」が登録され、代行受信機能を無効にする場合、その旨を指定する情報である「無効」が登録される。
「代行受信蓄積件数」欄には、SIPプロキシサーバ1が代行受信機能により受信した代行受信の件数が格納される。「通信数」欄には、LAN2外のSIP通信装置30とLAN2内のSIP通信装置4との間で確立されている通信数が格納される。SIPプロキシサーバ1は、LAN2内外のSIP通信装置間でのセッションの確立及び切断を監視しており、確立又は切断がされる毎にLAN2内の当該SIP通信装置4に関連付けられた「通信数」欄の通信数を更新する。
操作部8は、キーボード、マウス等の入力装置で構成される。表示部9は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)からなり、SIPプロキシサーバ1が保有する情報、例えば前記テーブル記憶部7に格納されたテーブルT、機器設定情報等を表示する。補助記憶装置10は、ハードディスク装置などで構成され、代行受信された画像データ等のデータはここに蓄積される。
LAN2内のSIP通信装置4は、データを受信することができない事情が発生した場合に、その旨をLAN2を通じてSIPプロキシサーバ1へ通知する機能を有する。前記事情が発生した場合とは、例えばSIP通信に関する通信エラーが発生した場合、大量の印刷ジョブが生じたことにより印刷画像を処理するためにメモリの大半の領域を予約確保し、これにより画像データを受信することが困難な場合、画像データ印字するための記録用紙切れや記録用紙のジャムの発生した場合等である。SIP通信装置4は、前記事情が解消した場合もその旨をSIPプロキシサーバ1へ通知する。以下、SIP通信装置4が行う上記通知を「状態変更通知」ともいう。なお、データを受信することができない事情は、これらに限定されず、種々の事情をSIPプロキシサーバ1への前記通知の対象とすることができる。また、LAN2を通じて行う通知に際して使用する通信プロトコルはSIPに限定されない。SIPプロキシサーバ1は、上記のようにしてLAN2内のSIP通信装置4からデータを受信することができない旨の通知を受けると、テーブルTの「状態」欄に「切断」を登録し、その後、前記事情が解消した旨の通知をSIP通信装置4から受けたときに、「状態」欄の「切断」を「正常」に変更登録する。なお、前記したSIP通信装置4からSIPプロキシサーバ1に対するSIP通信装置4の状態等の通知は、例えば、SIPのレジスタ機能やプレゼンス機能を拡張することで実現することができる。
つぎに、SIP通信装置4の構成例を図4に示す。SIP通信装置4は、CPU(中央処理装置)21、ROM(リードオンリーメモリー)22、RAM(ランダムアクセスメモリー)23、画像メモリ24、モデム25、NCU26、コーデック27、読取部28、記録部29、表示部30、操作部31、LANインタフェース32を備え、各部21乃至32はバス33によって接続されている。なお、SIPによりメディアセッションを確立して画像データを送受信するために必要なプロトコル、例えばRTP(Real-time Transport Protocol)、SDP(Session Description Protocol)なども実装している。
CPU21は、ROM22に格納された制御プログラムに従って、このSIP通信装置4を構成する各部を制御する制御手段として機能する。RAM23は、CPU21の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
画像メモリ24は、コーデック27によって圧縮符号化された受信画像データ等を格納する。画像メモリ24の所定割合以上が大量の印刷ジョブが生じたことにより予約確保された場合、CPU2は、データを受信することができない事情が発生したものとみなして、その旨をSIPプロキシサーバ1へ通知する。
モデム25は、例えばITU−T(国際電気通信連合)の勧告V.34規格又はこれと同様のものに従った送受信データの変調及び復調を行う。NCU26は、PSTN(公衆交換電話網)34との回線の閉結及び開放の動作を行う回線網制御装置であり、G3ファクシミリ通信時にモデム26をPSTN34と接続する。コーデック27は、ファクシミリ送信等に際して、画像データを所定方式に従って圧縮符号化し、また、受信画像データ等を所定方式に従って復号する。読取部28は、原稿の画像データを読取るものであり、例えば、CCDカラーラインセンサ、A/Dコンバータ、画像処理回路等で構成される。
記録部29は、受信画像データ、読取画像データ等を記録紙上に記録する。記録部29には、記録紙のジャムを検出するジャム検出部29aが設けられており、ジャム検出部29aは、ジャムを検出すると、その旨をCPU2に通知する。また、給紙カセット、手差しトレイ等における記録紙の有無を検出する記録紙有無検出部10bが設けられている。記録紙有無検出部10bは、記録紙の有無をCPU2に通知する。なお、CPU2は、記録紙切れ、記録紙のジャムを検出すると、データを受信することができない事情が発生したものとみなして、その旨をSIPプロキシサーバ1へ通知する。
表示部30は、例えば操作部31に並設されたLCD(Liquid Crystal Display)からなり、各種の画面情報を表示する。操作部31は、スタートキー、文字入力キー、ファンクションキーなど各種の操作キーを具備し、オペレータによる各種の操作は、この操作部31において行われる。LANインタフェース32は、SIP通信装置4とLAN2とを接続するインターフェースであり、これを通じてSIP通信装置4は、同じくLAN2に接続されたSIPプロキシサーバ1と通信を行う。
上記構成を備えるSIP通信装置は、データを受信することができない事情が発生した場合に、その旨をSIPプロキシサーバ1へ通知する機能のほか、その操作部31等のユーザによる所定操作により、SIPプロキシサーバ1が後述する代行受信機能により、当該SIP通信装置4に代行受信して受信したデータが蓄積されているか否かを問合せ、蓄積されている場合にそのデータを要求し、受信する機能を有する。
以下、SIPプロキシサーバ1がLAN2外からLAN2内のSIP通信装置4宛の通信開始要求メッセージ、例えば「INVITE」メッセージを受信したときに実行する処理動作について図5のフローチャート並びに図6及び図7のシーケンス図に基づいて説明する。
SIPプロキシサーバ1は、LAN2外からLAN2内のSIP通信装置4宛ての「INVITE」メッセージを受信すると(S1:YES)、「INVITE」メッセージ内に記述されている宛先情報(ドメイン名、IPアドレスなど)からLAN2内の宛先となっているSIP通信装置4を特定する。そして、特定したSIP通信装置4がデータを受信できる状態にあるか否かを判定する。具体的には、SIPプロキシサーバ1は、テーブルTにおいて、特定したSIP通信装置4のドメイン名、IPアドレス等に関連付けられている「状態」欄に「正常」が格納されており(S2:YES)、当該SIP通信装置4がSIP通信を行っていない場合は(S3:NO)、当該SIP通信装置4がデータを受信できる状態にあると判定する。また、SIPプロキシサーバ1は、テーブルTにおいて、特定したSIP通信装置4のドメイン名、IPアドレス等に関連付けられている「状態」欄に「正常」が格納されており(S2:YES)、当該SIP通信装置4がSIPによる通信を行っている場合であっても(S3:YES)、当該SIP通信装置4のドメイン名、IPアドレス等に関連付けられている「通信数」欄に格納されている通信数が所定値未満であれば(S4:YES)、当該SIP通信装置4がデータを受信できる状態にあると判定する。
一方、S2において「状態」欄に「異常」が格納されている場合(S2:NO)、及び、S3において当該SIP通信装置4がSIP通信を行っている場合であって(S3:YES)、S4において「通信数」欄に格納されている通信数が所定値以上である場合(S4:NO)は、当該SIP通信装置4がデータを受信できる状態にあると判定する。
SIP通信装置4がデータを受信できる状態にあると判定した場合(S3:NO又はS4:YES)、テーブルTにおいて、特定したSIP通信装置4のドメイン名、IPアドレス等に関連付けられている「代行受信有効/無効」欄に格納されている情報に基づいて、当該SIP通信装置4について代行受信機能が有効になっているか否かを判断する(S5)。代行受信機能が無効になっている場合は(S5:NO)、宛先SIP通信装置4へ送信開始要求である「INVITE」メッセージを転送する(S6、T1)。
「INVITE」メッセージの転送後は、図6に示すように、SIPプロキシサーバ1は、宛先SIP通信装置4から返信される応答メッセージ「200 OK」を受信して発呼側SIP通信装置30へ転送し(T2)、その後、発呼側SIP通信装置30から送出された「ACK」を受信して宛先SIP通信装置4へ転送する(T3)。そして、メディアセッションが発呼側SIP通信装置30と被呼側SIP通信装置4との間で確立され、メディアセッション上で、画像データ等のデータ通信が行われる(S7)。SIPプロキシサーバ1は、両SIP通信装置4、30間で通信が開始された場合、テーブルTにおいて当該SIP通信装置4に関連つけられている通信数を1増加したものに更新する(S8)。その後、発呼側SIP通信装置30と被呼側SIP通信装置4との間でSIPプロキシサーバ1を介して授受されると(T4、T5)、メディアセッションが切断され、上記通信が終了したものと判断される(S9:YES)。通信終了と判断した後は、テーブルTにおいて当該SIP通信装置4に関連付けられている通信数を1減少させたものに更新する(S10)。
一方、SIPプロキシサーバ1が、SIP通信装置4がデータを受信できる状態にあると判定した場合(S2:NO又はS4:NO)、又は、データを受信できる状態にあると判断したものの、S5において、当該SIP通信装置4について代行受信機が有効になっていると判断した場合は(S5:YES)、以下に説明する代行通信機能を実行する。すなわち、SIPプロキシサーバ1は、宛先SIP通信装置4へ送信開始要求である「INVITE」メッセージを転送せず、SIPプロキシサーバ1が宛先SIP通信装置4に代行してメディアセッションを確立し、メディアセッション上でデータを受信するためのやり取りを行う。ここでのやり取りは、被呼側SIP通信装置4から受信したSIPメッセージの転送ではなく、SIPプロキシサーバが自発的に生成したSIPメッセージを送信することにより行われる。具体的には、図7に示すように、SIPプロキシサーバ1は、まず、宛先SIP通信装置4に代行して応答メッセージ「200 OK」を発呼側SIP通信装置30へ返信する(S11、T12)。次いで、発呼側SIP通信装置30から「ACK」を受信した後(T13)、発呼側SIP通信装置30とSIPプロキシサーバ1の間でメディアセッションを確立した上で、SIPプロキシサーバ1は、例えば画像データ等のデータを受信する(S12)。そして、SIPプロキシサーバ1は、受信したデータと宛先SIP通信装置4の宛先情報とを関連付けてSIPプロキシサーバ1の補助記憶装置10へ記憶保持する。
SIPプロキシサーバ1は、前記記憶保持したデータを、所定の条件が満たされたときに、宛先SIP通信装置4へ送信する。本実施の形態では、所定の条件は、SIPプロキシサーバ1が、宛先SIP通信装置4がデータを受信できる状態になったと判定した場合又は宛先SIP通信装置4より蓄積データの受信要求があった場合に満たされる。勿論これら以外の条件を所定の条件として設定できるようにしてもよい。したがって、本実施の形態に係るSIPプロキシサーバ1は、代行受信したデータを記憶保持した後、前記宛先SIP通信装置4から蓄積データの受信要求があったか否かを判定し(S13)、受信要求がなかったと判定した場合(S13:NO)、宛先SIP通信装置4がデータを受信できる状態になっているか否かを前記テーブルTの「状態」欄、「通信数」欄等の情報に基づいて判定する(S14)。該ステップでは、S1で「INIVITE」メッセージの受信後、SIP通信装置4からの状態変更通知により、SIPプロキシサーバ1が「状態」欄の情報を「切断」から「正常」に変更した場合や、「通信数」欄の情報を所定値(例えば5)以上の値から所定値未満の値に変更した場合に、宛先SIP通信装置4がデータを受信できる状態になったと判定する(S14:YES)。一方、S1で「INIVITE」メッセージの受信後、「状態」欄、「通信数」欄等の変更がない場合や、「状態」欄、「通信数」欄等の変更があっても、「状態」欄の情報が「正常」から「切断」に変更された場合や「通信数」欄の情報が値が所定値(例えば5)未満の値から所定値以上の値に変更され或いは所定値以上の値のままである場合には、宛先SIP通信装置4がデータを受信できない状態であると判定する(S14:NO)。また、S5で代行受信機能が有効であると判別してS11、S12の処理を実行し、S13で宛先SIP通信装置4より蓄積データの受信要求がなかったと判別した場合には、強制的に宛先SIP通信装置4がデータを受信できない状態であると判定するようになっている(S14:NO)。S13、S14において否定判定をした場合は、肯定判定が得られるまで繰返しそれらの判定を行う。
前記SIP通信装置4から蓄積データの受信要求があった場合(S13:YES)又は、前記宛先SIP通信装置4がデータを受信できる状態になったと判定した場合(S14:YES)、図7に示すように、当該宛先SIP通信装置4へ通信開始要求「INVITE」を送信し(S15、T16)、応答メッセージ「200 OK」の受信(T17)、「ACK」の送信後(T18)、前記宛先SIP通信装置4との間でメディアセッションを確立して、代行受信して蓄積保持している宛先SIP通信装置4宛のデータを当該SIP通信装置4へ送信する(S16)。データ送信完了後、セッション終了要求メッセージ「BYE」の送信(T19)、応答メッセージ「200 OK」の受信をして(T20)、メディアセッションを終了する。S16の送信処理においてエラーが発生した場合は(S17:YES)、処理をS13に戻す。送信エラーが発生しなかった場合は(S17:NO)、さらに、代行受信した前記宛先SIP通信装置4宛の別のデータが蓄積保持されているか否かを判断し、蓄積保持されている場合には(S18:YES)、前記S15へ処理を戻して当該蓄積保持されているデータについてS15乃至S17の処理動作を実行する。S17において、代行受信した前記宛先SIP通信装置4宛の別のデータが蓄積保持されていないと判断した場合は(S18:NO)、一連の処理動作を終了する。
以上の説明から明らかなように、本発明の実施の形態に係るSIPプロキシサーバ1によれば、LAN2外からLAN2内のSIP通信装置4宛の通信開始要求を受信したとき、その宛先のSIP通信装置4に代行してセッションを確立し、データを受信することができるので、その宛先のSIP通信装置4にデータ通信を行うことができない事情があっても、発呼側ユーザに再送信の負担を掛けずに宛先SIP通信装置4は、当初受信できなかったデータを受信することができる。また、宛先SIP通信装置4がデータを受信できるようになったときは、発呼側SIP通信装置の再送信が行われなくても、直ちに当初受信できなかったデータを受信することができるので、通信の効率化が図られる。
また、SIP通信装置4のユーザは、SIPプロキシサーバにおいて代行受信機能を有効にしておくことで、常に、当該SIP通信装置4宛のデータをSIPプロキシサーバ1により代行受信させることができ、当該SIP通信装置4のユーザの都合のよいときに、代行受信されたデータを取り出すことができる。このことによって、例えば、SIP通信装置4のユーザが不在のときに、機密文書の画像データが当該SIP通信装置により受信され印字出力されて、第三者に見られるといった問題が解消される。
また、LAN2内の全てのSIP通信装置4についての代行受信はSIPプロキシサーバ1において行われ、代行受信を行うか否かの判別基準となる通信数、代行受信の有効無効等の設定もSIPプロキシサーバ1おいて行われるため、LAN2内の全てのSIP通信装置4についての代行受信データは、SIPプロキシサーバ1において一元管理することが可能となる。これにより、代行受信データ等の管理負担の軽減等が図られる。
以上説明した本発明の実施の形態においては、SIPプロキシサーバ1が管轄するネットワークエリアとして1つのLAN2を例に挙げて説明したが、SIPプロキシサーバ1がSIPメッセージの転送等を管轄するネットワークのエリア内であれば、ネットワークの形態はこれに限定されない。例えばSIPプロキシサーバが複数のLANを管轄するものであれば、SIPプロキシサーバ1が管轄するネットワークエリアは、当該複数のLANとなる。
また、本実施の形態に係るSIPプロキシサーバ1は、代行受信するか否かを、宛先のSIP通信装置4がデータを受信できる状態にあるか否か、宛先のSIP通信装置4について代行受信機能が有効になっているか否かに基づいて決定しているが、ユーザ等の使用目的等に応じて、これらの判定を行わずに常に代行受信を行ったり、前記何れか一方の判定を省略することも可能である。例えば、宛先のSIP通信装置4の状態や代行受信機能の有効無効にかかわらずSIPプロキシサーバ1に常に代行受信を実行させるようにするためには、LAN2外から通信開始要求を受信した後(S1:YES)、S2乃至S10の処理動作を省略して、S11乃至S17の処理動作を実行させるようにすればよい。
本発明は、例えば、LANに接続されたSIP通信装置のSIPプロキシサーバに適用することができる。
T テーブル
1 SIPプロキシサーバ
2 LAN(ネットワークエリア)
4 LAN内のSIP通信装置
5 制御部
7 テーブル記憶部
30 LAN外のSIP通信装置
1 SIPプロキシサーバ
2 LAN(ネットワークエリア)
4 LAN内のSIP通信装置
5 制御部
7 テーブル記憶部
30 LAN外のSIP通信装置
Claims (4)
- 管轄するネットワークエリア内のSIP通信装置宛に前記ネットワークエリア外から通信開始要求を受信した場合に、その宛先のSIP通信装置に代行してセッションを確立し、データを受信する受信手段と、受信した前記データを前記宛先のSIP通信装置へ送信せずに記憶保持する記憶保持手段と、その後所定の条件を満たしたとき、前記記憶保持したデータを前記宛先のSIP通信装置へ送信する送信手段と、を備えることを特徴とするSIPプロキシサーバ。
- 前記ネットワークエリア内のSIP通信装置に関連付けて代行受信機能の有効無効を登録する登録手段を備え、
前記受信手段による前記受信及び前記記憶保持手段による前記記憶保持は、前記宛先のSIP通信装置の代行受信機能の登録が有効である場合に行われることを特徴とする請求項1記載のSIPプロキシサーバ。 - 管轄するネットワークエリア内のSIP通信装置宛に前記ネットワークエリア外から通信開始要求を受信した場合に、その宛先のSIP通信装置がデータを受信できる状態にあるか否かを判定する要求受信時判定手段を備え、
前記受信手段による前記受信及び前記記憶保持手段による前記記憶保持は、前記要求受信時判定手段により前記宛先のSIP通信装置がデータを受信できる状態にあると判定された場合に行われることを特徴とする請求項1記載のSIPプロキシサーバ。 - 前記受信手段による前記受信及び前記記憶保持手段による前記記憶保持が行われた後に、前記宛先のSIP通信装置がデータを受信できる状態にあるか否かを判定する記憶保持後判定手段を備え、
前記所定の条件は、前記記憶保持後判定手段によって、前記宛先のSIP通信装置がデータを受信できる状態にあると判定された場合に満たされるものであることを特徴とする請求項3記載のSIPプロキシサーバ。
Priority Applications (1)
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JP2005128941A JP2006311012A (ja) | 2005-04-27 | 2005-04-27 | Sipプロキシサーバ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005128941A JP2006311012A (ja) | 2005-04-27 | 2005-04-27 | Sipプロキシサーバ |
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JP2008136140A (ja) * | 2006-11-29 | 2008-06-12 | Softbank Mobile Corp | 通信中継装置、通信制御装置、通信方法、通信プログラム、および通信システム |
JP2009044419A (ja) * | 2007-08-08 | 2009-02-26 | Funai Electric Co Ltd | Sipサーバ、その制御方法、およびip電話システム |
JP2009193538A (ja) * | 2008-02-18 | 2009-08-27 | Seiko Epson Corp | コンテンツ伝送システム及び印刷装置特定方法 |
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2005
- 2005-04-27 JP JP2005128941A patent/JP2006311012A/ja active Pending
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