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JP2006307298A - 窒化物膜及びその成膜方法 - Google Patents

窒化物膜及びその成膜方法 Download PDF

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JP2006307298A JP2005133413A JP2005133413A JP2006307298A JP 2006307298 A JP2006307298 A JP 2006307298A JP 2005133413 A JP2005133413 A JP 2005133413A JP 2005133413 A JP2005133413 A JP 2005133413A JP 2006307298 A JP2006307298 A JP 2006307298A
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昌宏 福本
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【課題】 窒化物含有率が高く、かつ、厚くて緻密な窒化物膜と、そのような窒化物膜を基材上に容易に形成できる成膜方法とを提供すること。
【解決手段】 本発明の窒化物膜の成膜方法では、溶射原料である金属元素又は非金属元素の粉末とその元素の窒化物の粉末とから実質的に構成される混合物が溶射することによって窒化物膜を得るので、元素粉末の窒化反応に伴う結晶成長による凝集が、窒化物粉末の存在によって抑制され、その結果として、緻密な厚膜を容易に得ることができる。また、窒化物粉末を予め混合しておくことにより、窒化物含有量を増大できると共に、相対的に未反応の元素粉末の割合を低減できるために、結果的に、窒化物含有率の高い厚膜を得ることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、窒化物含有率が高く、かつ、厚くて緻密な窒化物膜と、そのような窒化物膜を基材上に容易に形成できる成膜方法とに関する。
窒化物は種々の優れた特性から様々な分野で利用されている。例えば、窒化アルミニウムは、熱伝導性がアルミナに比べて約10倍優れているので、従来から半導体製造装置におけるヒーターの均熱版や放熱基板などに用いられている。
また、この窒化アルミニウムは絶縁性を有すると共に、ハロゲン系のプラズマに対して高い耐食性を有するので、例えば、特開平05−251365号公報(特許文献1)に記載されるように、半導体製造装置においてはプラズマ耐性部材としても用いることができる。
一方で、窒化アルミニウム以外の窒化物も何らかの優れた特性を有している。例えば、窒化珪素は耐熱衝撃性などの点において優れ、窒化チタンは耐摩耗性などの点において優れ、窒化鉄は磁気特性などの点において優れている。
近年、上記のように優れた性質を有する窒化物をより幅広く利用する目的で、金属やセラミックスなどの基材の上に、窒化物含有率が高く(窒化物純度の高い)、かつ、耐久性の点から厚い窒化物膜を形成する(成膜する)技術への要望が高まっている。
一般的には、窒化物純度の高いの窒化物膜を得るためにPVD法(物理蒸着法)やCVD法(化学蒸着法)が用いられている。しかし、これらの方法は、窒化物純度の高い窒化物膜を得ることができるが、得られるのは薄膜であり、耐久性の点において不十分なものであった。
金属やセラミックスなどの基材上に厚膜を高速で成膜するのに適した方法の1つとして溶射法が知られている。この溶射法は、溶射原料を融解し、その融解された溶射原料を高速で基材に吹き付けて堆積させることによって成膜する方法である。
しかし、窒化物膜形成のために溶射法を適用した場合、窒化物の多くが、融点よりも低い分解温度を有するために、溶射時に窒化物の分解が生じ、結果として、窒化物膜の形成が困難であるという一般的な問題があった。
そこで、そのような問題を解決するため技術がいくつか提案されており、例えば、特開平06−49617号公報(特許文献2)には、結合助剤(バインダー)として機能する酸化物などを窒化珪素に混合したものを溶射原料とする溶射法によって窒化珪素を含む膜を成膜することができることが記載されている。
また、特開2004−83929号公報(特許文献3)には、溶射原料をアルミニウム粉末とし、そのアルミニウム粉末を、窒素を含む熱プラズマ中に供給することによって、基材上に窒化アルミニウム膜を形成する方法が記載されている。
特開平05−251365号公報 特開平06−49617号公報 特開2004−83929号公報
しかしながら、特許文献2に記載される溶射膜は、溶射原料に酸化物などの添加物を含むので、当然、膜における窒化物(窒化珪素)含有率は低い。よって、窒化物含有率の高さを要求される状況下では、例え、厚膜が得られようとも、このような窒化物含有率の低さは重大な問題点であった。
一方、特許文献3に記載される方法により窒化アルミニウム膜を成膜した場合には、窒化物(窒化アルミニウム)含有率の比較的高い窒化物膜が得られるが、未反応のアルミニウムが膜中に混入するために、その窒化物含有率の高さはまだまだ不十分な高さであるという問題点があった。
また、この特許文献3に記載される方法を用いた場合、窒素を含む熱プラズマ中におけるアルミニウム粉末が窒化反応に伴う結晶成長により凝集体を形成し易いという問題点があった。よって、この方法によって得られた窒化物膜は、厚膜ではあるが、一見にして凝集体の形成を確認できる粗膜であり、わずかな摩擦によっても剥離してしまうという問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、窒化物含有率が高く、かつ、厚くて緻密な窒化物膜と、そのような窒化物膜を基材上に容易に形成できる成膜方法とを提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載の窒化物膜は、金属元素又は非金属元素の粉末とその元素の窒化物の粉末とから実質的に構成される混合物を溶射原料として用いる溶射法により成膜され、その膜厚が1μm以上、かつ、3mm以下であると共に、前記窒化物の含有率が25mol%(モル%)以上、かつ、100mol%以下である。
なお、特許請求の範囲及び以下の説明において、用語「窒化物膜」は、窒化物を主成分として含有する膜を意図し、窒化物のみで形成される膜であることを意図するものではない。
請求項2記載の成膜方法は、金属又は非金属元素の窒化物を含む窒化物膜を溶射法によって基材上に形成する方法であって、この方法では、窒素を含む熱プラズマを発生させ、その窒素を含む熱プラズマ中に、金属元素又は非金属元素の粉末とその元素の窒化物の粉末とから実質的に構成される混合物を溶射原料として供給することによって該混合物を溶射し、該基材上に前記窒化物膜を形成する。
請求項3記載の成膜方法は、請求項2記載の成膜方法において、前記溶射は、熱プラズマを、前記基材上に形成された窒化物膜の表面と接触させつつ行う。
請求項4記載の成膜方法は、請求項3記載の成膜方法において、前記熱プラズマと前記窒化物膜の表面との接触部分の温度は、前記窒化物の分解温度以下又は分解温度未満である。
請求項5記載の成膜方法は、請求項3又は4記載の成膜方法において、前記熱プラズマと前記窒化物膜の表面との接触部分の温度は、前記金属元素又は非金属元素の融点以上又は融点を超える。
請求項6記載の成膜方法は、請求項2から5のいずれかに記載の成膜方法において、前記基材上に形成された窒化物膜を前記熱プラズマにさらに接触させる。
請求項7記載の成膜方法は、請求項2から6のいずれかに記載の成膜方法において、前記金属元素又は非金属元素の粉末及びその元素の窒化物の粉末の粒径は、0.1μm以上、かつ、200μm以下である。
請求項1記載の窒化物膜によれば、溶射法の溶射原料として、金属元素又は非金属元素の粉末とその元素の窒化物の粉末とから実質的に構成される混合物を用いるので、金属元素又は非金属元素の粉末が窒化反応に伴う結晶成長によって凝集することが抑制されるために膜が緻密であると共に、未反応の金属元素又は非金属元素の混入が抑制されるために膜中の窒化物含有率の高いという効果がある。
また、その膜厚が1μm以上であるので、摩耗などに対する耐久性に優れるという効果がある。一方で、膜厚が3mm以下であるので、市場では需要が高く、経済的であるという効果がある。
さらに、溶射法により成膜された膜であるので、摩耗などに対する耐久性に優れる1μm以上の膜厚を有する膜が得られるという効果がある。
加えて、膜における窒化物含有率が25mol%以上、かつ、100mol%以下と高いので、窒化物が示す優れた特性を有効に発現し得るという効果がある。
請求項2記載の成膜方法によれば、溶射原料である金属元素又は非金属元素の粉末とその元素の窒化物の粉末とから実質的に構成される混合物が溶射され、それによって該基材上に窒化物膜が形成される。
従って、金属元素又は非金属元素の粉末(以下、必要に応じて「元素粉末」と称することがある)とその元素の窒化物の粉末(以下、必要に応じて「窒化物粉末」と称することがある)とから実質的に構成される混合物を溶射材料とするので、窒化物粉末の存在によって、元素粉末の窒化反応に伴う結晶成長による凝集体の形成が抑制され、その結果として、緻密な厚膜を容易に得ることができるという効果がある。
また、窒化物粉末を予め混合しておくことにより、窒化物含有量を増大できると共に、相対的に未反応の元素粉末の割合を低減できるために、結果的に、窒化物含有率の高い厚膜を得ることができるという効果がある。
請求項3記載の成膜方法は、請求項2記載の成膜方法の奏する効果に加えて、熱プラズマと基材上に形成された窒化物膜の表面とを接触させつつ溶射を行うので、基材上に形成された窒化物膜中に含まれる元素の窒化が促進され、その結果として、窒化物膜中の窒化物含有率が増加すると共に、緻密性を向上させることができるという効果がある。
請求項4記載の成膜方法によれば、請求項3記載の成膜方法の奏する効果に加えて、熱プラズマと窒化物膜の表面との接触部分において、その温度を窒化物の分解温度以下又は分解温度未満とするので、元素粉末の窒化反応により生成された窒化物の分解が抑制され、その結果、窒化物含有率が高く緻密な窒化物膜を基材上に形成させることができるという効果がある。また、形成された窒化物膜の表面をさらに熱プラズマと接触させた場合に、膜中の窒化物の分解を抑制できるという効果もある。
請求項5記載の成膜方法によれば、請求項3又は4記載の成膜方法の奏する効果に加えて、熱プラズマと窒化物膜の表面との接触部分において、その温度を溶射原料に含まれる金属元素又は非金属元素の融点以上又は融点を超えるようにするので、基材の表面又は窒化物膜の表面において元素粉末が確実に溶融される。その結果、窒化反応を確実に進行させることができるので、窒化物含有率が高く緻密な窒化物膜を得ることができるという効果がある。また、形成された窒化物膜の表面をさらに熱プラズマと接触させた場合に、膜中に残存する未反応の金属元素又は非金属元素の窒化を促進できるという効果もある。
請求項6記載の成膜方法によれば、請求項2から5のいずれかに記載の成膜方法の奏する効果に加えて、基材上に形成された窒化物膜が、さらに、熱プラズマと接触されるので、膜中に残存する未反応の金属元素又は非金属元素が窒化され、その結果、より窒化物含有率の高い窒化物膜を得ることができるという効果がある。
請求項7記載の成膜方法によれば、請求項2から6のいずれかに記載の成膜方法の奏する効果に加えて、溶射原料である混合物に含まれる元素粉末(金属元素又は非金属元素の粉末)及び窒化物粉末(その元素の窒化物の粉末)の粒径が200μm以下とされるので、熱プラズマとの反応性が高く、その結果、窒化物含有率が高く緻密な窒化物膜を得ることができるという効果がある。
一方で、元素粉末及び窒化物粉末の粒径が0.1μm以上とされるので、溶射原料の流動性に優れるため、簡易な溶射原料供給器を用いたとしても、容易に窒化物膜を形成させることができるという効果がある。
以下に本発明を詳細に説明する。
[窒化物膜]
本発明の窒化物膜は、溶射法(特にプラズマ溶射法)により得られる膜であり、窒化物含有率の高い窒化物膜を得るために一般的に用いられているPVD法やCVD法などでは得ることができなかった厚い膜厚を有するものである。
ここで、本発明の窒化物膜の膜厚は、約1μm以上、かつ、約3mm以下であることが好ましく、約100μm以上、かつ、約1mm以下であることがより好ましい。なお、窒化物膜の膜厚が約1μm未満であると、膜が薄くて摩耗などに対する耐久性が不十分である。一方で、膜厚が約3mmを超える窒化物膜は、本発明の窒化物膜を利用する技術領域では一般的に要求されない上に、経済的ではない。
また、本発明の窒化物膜は、溶射法において、金属元素又は非金属元素の粉末とその元素の窒化物の粉末とから実質的に構成される混合物を溶射原料とするので、詳細は後述するが、溶射原料を元素粉末(アルミニウム粉末)のみとした場合(特許文献3の方法)では得ることができなかった緻密さを有する。なお、本発明の窒化物膜は、その緻密さを規定するための密度の値を特に限定するものではないが、空孔を有さない程度に緻密な膜であることが好ましく、空孔を有さない膜であることがより好ましい。
また、詳細は後述するが、金属元素又は非金属元素の粉末とその元素の窒化物の粉末とから実質的に構成される混合物を溶射原料とするために、本発明の窒化物膜は窒化物含有率が高い。
ここで、本発明の窒化物膜において、その窒化物含有率は、約25mol%以上、かつ、約100mol%以下であることが好ましく、これによって、膜に含まれる窒化物の優れた特性(例えば、窒化アルミニウムであれば熱伝導性や絶縁性や耐腐食性)を有効に活用することができる。また、より好ましい窒化物含有率は、約40mol以上、かつ、約100mol%以下であり、さらにより好ましくは、約90mol以上、かつ、約100mol%以下である。
本発明の窒化物膜を構成する窒化物としては、例えば、窒化アルミニウム、窒化チタン、窒化クロム、窒化珪素、窒化鉄などが挙げられる。なお、本発明の窒化物膜が例えば窒化アルミニウム膜であるとした場合には、金属元素粉末としてのアルミニウム粉末と、その元素粉末の窒化物の粉末である窒化アルミニウム粉末とから実質的に構成される混合物が溶射原料として用いられることになる。一方で、例えば、本発明の窒化物膜を窒化珪素膜とした場合には、非金属元素粉末としての珪素粉末と、その元素粉末の窒化物の粉末である窒化珪素粉末とから実質的に構成される混合物が溶射原料として用いられる。
また、本発明の窒化物膜における窒化物以外の成分は、その構成元素のみである。即ち、本発明の窒化物膜は、溶射原料と反応性プラズマとの反応によって生じる窒化物と、その溶射原料に由来する成分(金属元素又は非金属元素自体やその酸化物など)のみを含む膜であり、例えば、特許文献2に記載される溶射膜に含まれる結合助剤のような添加剤に起因する異種成分を含まない膜である。その結果として、本発明の窒化物膜における窒化物含有率を高めることができるため、膜に含まれる窒化物の優れた特性を有効に活用することができるのである。
[成膜方法]
本発明の窒化物膜の成膜方法は、熱プラズマを利用する溶射法を用いて基材上に窒化物膜を形成する方法である。ここで、図1及び図2を参照しつつ本発明の成膜方法について説明する。
図1は、本発明の窒化物膜を基材上に形成する装置の一例として、減圧下で基材101上に溶射原料のプラズマ溶射を行う装置100を示す模式図である。
図1に示すように、装置100は、その内部に基材101を保持する基材ホルダ102等が設置された真空槽103と、その真空槽103の上方に隣接して設置され、その内部において熱プラズマ104を発生させる石英管113とから構成される。
石英管113には、プラズマガスライン109aが連通されており、このプラズマガスライン109aを介して、熱プラズマ104の発生源となる後述するプラズマガス109が石英管113内へ導入される。
ここで、石英管113の周囲には高周波コイル110が設置されており、この高周波コイル110に高周波を印加することによって、石英管113内部へ導入されたプラズマガス109から熱プラズマ104を発生させる。
また、石英管113には、シースガスライン108aが連通されており、このシースガスラインを介して、熱プラズマ104の発生時に石英管113を保護するためのアルゴンガスなどのシースガス108が導入される。
さらに、石英管113には、溶射原料供給ライン112bが連通されている。そして、この溶射原料供給ライン112bの他端には、溶射原料(非図示:後述する図2における溶射原料Mに相当するもの)の入った溶射原料供給器111が設置されている。この溶射原料供給器111にキャリアガス112を導入管112aを通じて導入することによって、溶射原料供給ライン112bを介して、溶射原料(非図示)が石英管113に供給される。
石英管113aに供給された溶射原料は、熱プラズマ104により溶融され、熱プラズマ104の気流によって、真空槽103内部に設置された基材ホルダ102上に保持された基材101上に吹き付けられ、その結果として、本発明では窒化物膜である溶射膜116(以下、必要に応じて「窒化物膜116」と称することがある)が基材101上に形成される。
また、図1に示す装置100は、上記したように減圧下でプラズマ溶射を行う装置であるため、真空槽103には、その内部を減圧するロータリーポンプ107が連結されている。
ここで、装置100で行われる減圧プラズマ溶射における圧力条件としては、ロータリーポンプ107によって装置100内を0.5Torr以下に減圧しておいてから、プラズマガス109及びシースガス108を装置100内に導入し、20〜150Torrの圧力として溶射膜100を成膜することなどが例示される。
なお、本発明の窒化物膜を得るためのプラズマ溶射における圧力条件は特に限定されるものではなく、図1を参照しつつ上記した減圧プラズマ溶射であってもよいし、次に図2を参照しつつ説明する常圧(大気圧)でのプラズマ溶射であってもよいし、加圧プラズマ溶射であってもよい。
図2は、本発明の窒化物膜を基材上に形成する装置の別の例として、常圧(大気圧)で基材25上に溶射原料のプラズマ溶射を行う装置200を示す模式図である。なお、図2に示す装置200において、上記した装置100(図1参照)と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図2に示すように、装置200は、常圧で熱プラズマを発生させる部位として、カソード20と、アノード21と、これらのカソード20とアノード21との間に電圧を印加するための電源27と、プラズマガス109を供給するためのプラズマガスライン109aと、非図示のキャリアガス(図1におけるキャリアガス112に相当するもの)によって非図示の原料供給器(図1における原料供給器111に相当するもの)から溶射原料Mを供給するための溶射原料供給ライン112bとを備えると共に、基材25を保持する基材ホルダ(非図示)を備えて構成される。
装置200では、常圧において、熱プラズマ104の発生源となる後述するプラズマガス109が、プラズマガスライン109aを介して導入し、カソード20とアノード21との間に電圧を印加することにより直流アークで熱プラズマ104を発生させる。
なお、この装置200では熱プラズマ104の発生方法を直流アークとした。一方で、図1を参照しつつ上記した装置100では、高周波によって熱プラズマ104を発生させた。このように、熱プラズマ104の発生方法は特に限定されるものではなく、この装置200における熱プラズマ104の発生方法である直流アークや、装置100(図1参照)における熱プラズマ104の発生方法である高周波以外にも、交流アークなどを利用することができる。
上記のように熱プラズマ104を発生する一方で、溶射原料供給ライン112bから溶射原料Mを供給すると、熱プラズマ104によって溶融された溶射原料Mが基材101上に吹き付けられ、その結果として、本発明では窒化物膜である溶射膜116(窒化物膜116)が基材101上に形成される。
ここで、本発明の窒化物膜を得るための溶射原料(溶射原料M)は、金属元素又は非金属元素の粉末とその元素の窒化物とから実質的に構成される混合物である。本発明の窒化物膜を得るために使用できる金属元素又は非金属元素の粉末としては、アルミニウム、チタン、クロム、珪素、鉄などの粉末が挙げられる。
一方で、金属元素又は非金属元素の窒化物の粉末としては、上記列挙した元素の窒化物である、窒化アルミニウム、窒化チタン、窒化クロム、窒化珪素、窒化鉄などの粉末を用いることができる。
溶射原料として、元素粉末にその元素の窒化物粉末を予め混合しておくことにより、窒化物含有量を増大できると共に、相対的に未反応の元素粉末の割合を低減できるために、結果的に、窒化物含有率の高い窒化物膜を得ることができる。
また、窒化物粉末の存在により、溶射時における元素粉末の窒化反応に伴う結晶成長による凝集が抑制されるので、緻密な窒化物膜116を得ることができる。なお、本発明の成膜方法によれば、従来行われていたアルミニウム粉末のみを溶射原料とする方法(特許文献3に記載される方法)に比べ、容易に緻密な膜を形成することができる。
なお、溶射原料となる混合物中における元素粉末と窒化物粉末との好ましい混合比は、プラズマガス109の流量や供給電力などの各種ファクターに依存して変化するが、広い範囲の混合比(例えば、元素粉末:窒化物粉末(重量比)=約2:約8〜約8:約2)において、窒化物含有量が高くかつ緻密な厚膜を形成することができる。
元素粉末と窒化物粉末との混合方法としては、2種類の粉末を1つの容器にいれて単純に混合する単純混合や、メカニカルアロイング法などの機械的混合などの混合法を用いることができる。ここで、単純混合は、混合が容易であるという利点があり、機械的混合は、粉末の角が取れて丸くなるために、溶射原料の供給が容易になるという利点がある。特に、メカニカルアロイング法による混合は、比重及び融点などが全く異なる2種類の粉末を均質に混合することができるので好ましい。
本発明の成膜方法では、溶射原料となる混合物における元素粉末及び窒化物粉末の粒径は、約0.1μm以上、かつ、約200μm以下であることが好ましく、約1μm以上、かつ、約200μm以下であることがより好ましい。なお、この「粒径」として平均粒径を利用することができ、その場合には、粒径を一般的な光透過型の粒度分布測定装置などにより測定することができる。
元素粉末及び窒化物粉末の粒径が約0.1μm未満になると、溶射原料供給器111の構造を工夫するなどしても溶射材料を装置100へ供給することが困難になるので、窒化物膜116の形成そのものが不可能となる。一方で、元素粉末及び窒化物粉末の粒径が約200μmを超えると、溶射原料と熱プラズマ104との反応性が悪くなり、その結果として、窒化物含有率の低下及び粗い窒化物膜が形成されてしまう。
ここで、溶射原料を装置100(石英管113)に供給する際の供給速度は一定であることが好ましい。溶射原料の供給速度を一定にすることによって、熱プラズマ中における元素粉末の窒化反応性を均一にすることができ、その結果、緻密な窒化物膜116を形成できると共に、均一な厚さの窒化物膜116を形成することができる。
なお、本発明の成膜方法により、窒化物膜116によって被覆される基材101は、特に限定されるものではなく、ステンレスや炭素鋼などの金属基材、グラファイト基材、石英基材、セラミックス基材などの種々の基材を用いることができる。この基材101は、本発明の成膜方法により形成される窒化物膜116との密着性を高めるために、溶射前に、その表面をブラスト法などによって予め粗面化しておくことが好ましい。
また、本発明の成膜方法では、熱プラズマ104中において元素粉末を窒化反応に供するために、熱プラズマ104には、窒素原子含有ガス(例えば、窒素ガスやアンモニウムガスなど)が含まれることが必須である。従って、プラズマガス109は少なくとも必須成分として窒素ガスやアンモニウムガス等の窒素原子含有ガスを含む。
プラズマガス109には、必須成分である窒素原子含有ガス以外のガスとの混合ガスであってもよい。例えば、熱プラズマ104の安定性を向上させる作用のあるガス(例えば、アルゴンガスなど)を窒素ガスに混合してもよい。
プラズマガス109に窒素含有ガス以外に混合するガスとしては、水素ガスが特に好ましい。プラズマガス109に水素ガスを混合することによって、生成された窒化物膜116中に含まれる元素(金属元素又は非金属元素)の表面に被覆された酸化物膜を除去することができる。よって、窒化物膜116に熱プラズマ104を接触させた場合に、窒化物膜116中の元素が窒化されやすくなり、その結果として、窒化物膜116中の窒化物含有率の増加を促進させることができる。
ここで、基材101上に窒化物膜116をする場合、窒素を含む熱プラズマ104を、窒化物膜116の表面に接触させつつ溶射を行うことが好ましい。窒素を含む熱プラズマ104と窒化物膜116の表面とを接触させつつ溶射を行うことによって、基材101上に形成された窒化物膜116中に含まれる元素(金属元素又は非金属元素)の窒化が促進され、その結果として、窒化物膜116中の窒化物含有率が増加すると共に、緻密性を向上させることができる。
なお、窒化物膜116の表面と熱プラズマ104とを接触させる場合には、窒化物膜116の表面に、熱プラズマ104におけるプラズマ密度が高く活性の高い高輝な部分を少なくとも接触させることがより好ましい。熱プラズマ104の高輝な部分が窒化物膜116の表面に接触されることによって、元素の窒化を特に促進できる。
熱プラズマ104と窒化物膜116の表面とを接触させつつ溶射するためには、サングラス越しの目視観察によって熱プラズマ104の状態を確認しながら、熱プラズマ104の出口と基材101の表面との距離L(以下、この距離を「溶射距離L」と称する)を調整すればよい。なお、熱プラズマ104における高輝な部分とその周辺の低輝な部分との区別もまた、サングラス越しの目視観察によって確認することができるので、熱プラズマ104の高輝な部分と窒化物膜116の表面とを接触させる場合にもまた、溶射距離Lをサングラス越しに目視観察を行いつつ調整することができる。
溶射距離Lの調整は、例えば、図1に示すように、基材ホルダ102を下方から支持する台座の一部として、高さ調整可能なスペーサ105を設け、そのスペーサ105の高さを適宜変更することによって行うことができる。なお、図1に示す装置100における溶射距離Lは、熱プラズマ104の出口と基材101の表面との距離である。
溶射距離Lは可能な限り短い方が、溶射膜116の表面に対し、熱プラズマ104を十分に接触させることができるので好ましい。
ここで、例えば、減圧プラズマ溶射を行う装置100(図1参照)の場合、溶射距離Lは、約10mm〜100mm程度であることが好ましく、約20mm〜60mm程度とすることがより好ましい。
一方で、常圧でのプラズマ溶射を行う装置200(図2参照)の場合、溶射距離Lは、熱プラズマ104が基材101に接触する又は接触しないにかかわらず、約10mm〜300mm程度であることが好ましく、約20mm〜200mm程度とすることがより好ましい。
しかし、好ましい溶射距離Lは、熱プラズマ104の発生方法やプラズマの条件や材料などの各種ファクターに応じて変化し得るので、本発明の成膜方法では、溶射距離Lは上記範囲に特に限定されるものではない。
窒素を含む熱プラズマ104を窒化物膜116の表面に接触させつつ溶射を行う場合、熱プラズマ104と成膜中の窒化物膜116の表面との接触部分において、窒化物膜116を構成する窒化物の分解温度以下又は分解温度未満の温度であることが好ましい。
このように、熱プラズマ104と成膜中の窒化物膜116の表面との接触部分における温度を、窒化物膜116を構成する窒化物の分解温度以下又は分解温度未満とすることによって、溶射による成膜中の窒化物、即ち、元素粉末の窒化反応により生成された窒化物の分解を抑制することができる。その結果として、窒化物含有率が高く緻密な窒化物膜116を得ることができる。
また、成膜中の窒化物の分解を抑制するという点から、熱プラズマ104と成膜中の窒化物膜116の表面との接触部分だけでなく、基材101上に形成された窒化物膜116全体にわたって、その温度が窒化物の分解温度以下又は分解温度未満であることが好ましい。
一方で、窒素を含む熱プラズマ104を窒化物膜116の表面に接触させつつ溶射を行う際には、熱プラズマ104と成膜中の窒化物膜116の表面との接触部分において、溶射原料Mに含まれる金属元素又は非金属元素の融点以上又は融点を超える温度であることが好ましい。
このように、熱プラズマ104と成膜中の窒化物膜116の表面との接触部分における温度を、溶射原料Mに含まれる金属元素又は非金属元素の融点以上又は融点を超えるようにすることによって、溶射による成膜中の元素粉末を確実に溶融させることができる。なお、元素の融点以下の固相状態で窒化反応が進む窒化物(例えば、窒化チタン)も一部存在するが、多くの窒化物膜に対しては、上記のように元素粉末を確実に溶融させることによって窒化反応を確実に進行させることができるので、窒化物含有率が高く緻密な窒化物膜116を得ることができるので有効である。
また、成膜中に金属元素又は非金属元素の溶融を促進するという点から、熱プラズマ104と成膜中の窒化物膜116の表面との接触部分だけでなく、基材101上に形成された窒化物膜116全体にわたって、その温度が溶射原料Mに含まれる金属元素又は非金属元素の融点以上又は融点を超えることがより好ましい。
なお、窒化物膜116を構成する窒化物の分解温度が、溶射原料に含まれる金属元素又は非金属元素の融点以下又は融点より低い場合には、基材ホルダー102に冷却機能を持たせ、少なくとも基材101の表面の温度を窒化物の分解温度以下にすることが好ましい。
上記した本発明の成膜方法によって基材101上に形成された窒化物膜116を、熱プラズマ104にさらに接触させてもよい。即ち、窒素を含む熱プラズマ104中に溶射原料Mを供給しつつ基材101上に窒化物膜116を形成した後、溶射原料Mを供給しない状態で、形成された窒化物膜116を熱プラズマ104にさらに接触させてもよい。
このように、基材101上に形成された窒化物膜116に、窒素を含む熱プラズマ104をさらに接触させることにより、窒化物116中に残存する未反応の金属元素又は非金属元素を窒化反応に供することができ、その結果、窒化物膜116における窒化物含有率をより向上させることができる。この場合、熱プラズマ104における高輝な部分を少なくとも接触させると、元素の窒化が特に促進されるので、より好ましい。
なお、窒化物膜116をさらに熱プラズマ104に接触させる場合、上記した通り、窒化物膜116に含まれる窒化物の分解を抑制するという点から、熱プラズマ104と窒化物膜116の表面との接触部分において、窒化物膜116を構成する窒化物の分解温度以下又は分解温度未満の温度であることが好ましい。
同様に、上記した通り、金属元素又は非金属元素の溶融を促進することによって窒化反応を促進するという点から、熱プラズマ104と窒化物膜116の表面との接触部分の温度が、溶射原料Mに含まれる金属元素又は非金属元素の融点以上又は融点を超えることが好ましい。
ここで、本発明の成膜方法により得られる窒化物膜116は、複数の溶射膜の堆積によって成膜されるものであってもよい。その場合、上記した本発明の成膜方法によって一層の溶射膜116を形成した後に、その表面を、溶射原料Mを供給しない状態で熱プラズマ104にさらに接触させて、窒化物膜116中に残存する未反応の金属元素又は非金属元素を窒化させてから、次の窒化物膜116の層を堆積させることが好ましい。
このように、各層の窒化物膜116の表面を、それぞれ、熱プラズマ104にさらに接触させることによって、窒化物含有率の極めて高い窒化物膜116の厚膜を得ることができる。
あるいは、複数の窒化物膜116を堆積した後に、仕上げとして、その堆積された窒化物膜116の表面を、溶射原料Mを供給しない状態で熱プラズマ104にさらに接触させてもよい。
また、窒化物膜116を複数の溶射膜の堆積によって得る場合に、所謂「プラズマ−レーザハイブリッド溶射」を適用してもよい。即ち、装置100や装置200などのプラズマ溶射を行うための装置と高出力レーザを照射可能な装置とを組合わせて、一層毎に、溶射膜116の形成を行いつつ又は形成後に、形成された溶射膜116に対し、窒素ガスを用いたレーザ照射を行って、窒化物膜116の層を堆積させていくようにしてもよい。このように、形成された溶射膜116に対し、窒素ガスを用いたレーザ照射を行うことによって、窒化物膜116中に残存する未反応の金属元素又は非金属元素が溶融し、各層の密着性の向上、膜の緻密化、及び反応性の向上を図ることができる。なお、この場合、レーザ照射部の温度が、窒化物の分解温度以下又は分解温度未満の温度であることが好ましく、また、金属元素又は非金属の融点以上又は融点を超えることが好ましい。
なお、本発明の成膜方法では、溶射時において、基材101は、その位置が固定されていても、その位置が前後左右に移動されてもよい。溶射時に基材101を前後左右に移動させることにより、基材101全体に熱プラズマ104を照射できると共に、均一な溶射及び加熱ができるので、均一な窒化物膜116を基材101上に形成することができる。
以上説明したように、本発明の成膜方法によれば、金属元素又は非金属元素の粉末およびその元素の窒化物粉末からなる混合粉末を溶射原料とし、その溶射原料を窒素を含む熱プラズマ中に投入することによってプラズマ溶射を行うことにより、基材上に窒化物含有率が高くかつ緻密な上に厚い窒化物膜が得られる。
また、本発明の窒化物膜は、金属元素又は非金属元素の粉末およびその元素の窒化物粉末からなる混合粉末を溶射原料とするプラズマ溶射によって得られた膜であるので、窒化物含有率が高くかつ緻密な上に厚い膜である。そのため、窒化物が示す優れた特性を有効に発現し得ると共に、耐久性に優れている。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に基づいて限定されるものではない。
[実施例1]
図1に示した装置100を用いて、基材101としての石英基材上に、窒化物膜116として窒化アルミニウム溶射膜を成膜した。
まず、ブラスト処理により表面を粗面化した20mm角の石英基材101を、真空槽103内の水冷式基材ホルダ102に装着した。溶射距離Lを60mmに予め調整した後、ロータリーポンプ107により0.5Torr以下まで真空引きした。
次いで、シースガス108及びプラズマガス109を導入し、圧力を60Torrとした。ここで、シースガス108及びプラズマガス109を導入する際、シースガス108としてのアルゴンガスの流量は10L/分であり、プラズマガス109としてのアルゴンガスの流量は10L/分であり、同じくプラズマガス109としての窒素ガスの流量は1L/分であった。
シースガス108及びプラズマガス109の導入によって圧力を60Torrとした後、高周波コイル110に5kWの電力の高周波を印加して熱プラズマ104を発生させた。この条件で発生した熱プラズマ104は、石英基材101上に形成される溶射膜116に十分接触するものであった。
次いで、基材ホルダ102上の石英基材101に熱プラズマ104を照射した。この場合、水冷式の基材ホルダ102によって石英基材101は裏面から冷却されているので、予熱は行わなかった。
次いで、粉末供給器111としてテクノサーブ社製の微粉末供給器を用い、キャリアガス112としてアルゴンガスを1L/分の流量で導入することによって、アルミニウム/窒化アルミニウム混合粉末を約1g/分で熱プラズマ104中に供給した。ここで、アルミニウム/窒化アルミニウム混合粉末は、平均粒径3μm程度のアルミニウム粉末および窒化アルミニウム粉末を重量比1:1で単純混合したものである。
そして、上記条件で熱プラズマ104を移動させながら石英基材101上に溶射を繰り返し、10層の窒化物アルミニウム膜116の層を堆積させた。
得られた窒化アルミニウム膜116は、厚さ200μmであり、凝集体の形成は確認されなかった。また、得られた窒化アルミニウム膜116の組成を蛍光X線法により分析したところ、窒化アルミニウムが約75モル%含まれていた。また、X線回折による分析結果は、窒化アルミニウムのピークが主体であり、アルミニウムのピークも含むものであった。また、得られた窒化アルミニウム膜116の断面をSEM観察した結果、膜組織は緻密であった。
[実施例2]
溶射原料であるアルミニウム/窒化アルミニウム混合粉末におけるアルミニウムと窒化アルミニウムとの混合比を2:8(重量比)とした以外は、実施例1と同様の条件で窒化アルミニウム膜116を作製した。
得られた窒化アルミニウム膜116は、厚さ300μmであり、凝集体の形成は確認されなかった。また、得られた窒化アルミニウム膜116の組成を蛍光X線法により分析したところ、窒化アルミニウムが約94モル%含まれていた。また、X線回折による分析結果は、ほとんど窒化アルミニウムのピークであった。また、得られた窒化アルミニウム膜116の断面をSEM観察した結果、膜組織は緻密であった。
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
本発明の窒化物膜を基材上に形成する装置の一例として、減圧下で基材上に溶射原料のプラズマ溶射を行う装置を示す模式図である。 本発明の窒化物膜を基材上に形成する装置の一例として、常圧で基材上に溶射原料のプラズマ溶射を行う装置を示す模式図である。
符号の説明
101 基材
104 熱プラズマ
116 溶射膜(窒化物膜)

Claims (7)

  1. 金属元素又は非金属元素の粉末とその元素の窒化物の粉末とから実質的に構成される混合物を溶射原料として用いる溶射法により成膜され、その膜厚が1μm以上、かつ、3mm以下であると共に、前記窒化物の含有率が25mol%以上、かつ、100mol%以下である窒化物膜。
  2. 金属又は非金属元素の窒化物を含む窒化物膜を溶射法によって基材上に形成する成膜方法において、
    窒素を含む熱プラズマを発生させ、その窒素を含む熱プラズマ中に、金属元素又は非金属元素の粉末とその元素の窒化物の粉末とから実質的に構成される混合物を溶射原料として供給することによって該混合物を溶射し、該基材上に前記窒化物膜を形成する成膜方法。
  3. 前記溶射は、熱プラズマを、前記基材上に形成された窒化物膜の表面と接触させつつ行うことを特徴とする請求項2記載の成膜方法。
  4. 前記熱プラズマと前記窒化物膜の表面との接触部分の温度は、前記窒化物の分解温度以下又は分解温度未満であることを特徴とする請求項3記載の成膜方法。
  5. 前記熱プラズマと前記窒化物膜の表面との接触部分の温度は、前記金属元素又は非金属元素の融点以上又は融点を超えることを特徴とする請求項3又は4記載の成膜方法。
  6. 前記基材上に形成された窒化物膜を前記熱プラズマにさらに接触させることを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載の成膜方法。
  7. 前記金属元素又は非金属元素の粉末及びその元素の窒化物の粉末の粒径は、0.1μm以上、かつ、200μm以下であることを特徴とする請求項2から6のいずれかに記載の成膜方法。







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