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JP2006304551A - 状態判定システムおよび車両 - Google Patents

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JP2006304551A JP2005125442A JP2005125442A JP2006304551A JP 2006304551 A JP2006304551 A JP 2006304551A JP 2005125442 A JP2005125442 A JP 2005125442A JP 2005125442 A JP2005125442 A JP 2005125442A JP 2006304551 A JP2006304551 A JP 2006304551A
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Abstract

【課題】 電圧変換器の故障を正しく確実に判定することができる状態判定システムおよびそれを備える車両を提供する。
【解決手段】 システム回路は、高圧側バッテリ12と、低圧側の補機バッテリ24と、高圧側バッテリ12の電圧をより低い電圧に変換して補機バッテリ24に出力する機能を有し、機能が異常である場合には異常信号NODDで知らせるDC/DCコンバータ28とを備える。状態判定システムは、DC/DCコンバータ28と補機バッテリ24との間の接続を開閉可能なスイッチ26と、DC/DCコンバータ28から異常の報知があった場合には、スイッチ26の開閉状態を制御し補機バッテリ24の端子電圧を観測して電圧変換器が異常であるか否かを確認する制御部14とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、状態判定システムに関し、特にバッテリを含むシステム回路を搭載する車両において用いられる状態判定システムに関する。
近年、車輪駆動用のモータを搭載するハイブリッド自動車においては、モータ駆動用の100Vを超える高電圧を出力する高圧側バッテリと、制御装置やその他の負荷回路を駆動するための12Vを出力する低圧側バッテリとを搭載するものがある。このような車両では、高圧側バッテリの出力電圧をDC/DCコンバータを用いて14V程度まで降圧しその出力によって低圧側バッテリを充電する構成がとられているものがある。
特開2002−218646号公報(特許文献1)は、DC/DCコンバータに短絡検出器を設けてDC/DCコンバータの正常/異常を判定して制御ECU(電子制御ユニット)に連絡する構成が開示されている。
特開2002−218646号公報 特開平11−332001号公報 特開2001−45602号公報
しかしながら、DC/DCコンバータ側からECUに異常信号を出力したとしても、この異常信号を伝達する経路に異常が発生して誤報が生じている場合もある。
この場合の解決方法として、たとえば、DC/DCコンバータの異常信号が検出された後に、低圧側バッテリの電圧を監視してその電圧値が11V以下に低下したら充電されていないと判定してDC/DCコンバータが停止していることをECUに確認させることも考えられる。
しかしながら、補機用の低圧側バッテリが新品の場合にはDC/DCコンバータにより充電が行なわれていない場合においても電圧降下が遅いため、バッテリ端子電圧が11V以下になるのに時間がかかり、DC/DCコンバータの動作停止していることの確認が遅れてしまう。
また逆に、この方法では、補機用の低圧側バッテリが劣化している場合には監視している電圧降下が速すぎるため、端子電圧が11Vを通過して9.5V以下まで急激に降下してしまう。このような低電圧状態では、ECU自体の動作補償がされないため、異常検出は無視されて記録に残らない。
つまり、DC/DCコンバータの異常を確認する方法が、補機用の低圧側バッテリの状態が新品であるかまたは劣化しているかに影響されやすいという問題がある。
この発明は、電圧変換器の故障を正しく確実に判定することができる状態判定システムおよびそれを備える車両を提供することである。
この発明は、要約すると、システム回路の状態を判定する状態判定システムであって、システム回路は、高圧側バッテリと、低圧側バッテリと、高圧側バッテリからの第1の電圧を第1の電圧よりも低い第2の電圧に変換して低圧側バッテリに出力する機能を有し、機能が異常である場合には異常信号を出力する電圧変換器とを備える。状態判定システムは、電圧変換器と低圧側バッテリとの間の接続を開閉可能なスイッチと、異常信号を電圧変換器から受け取った場合には、スイッチの開閉状態を制御し低圧側バッテリの端子電圧を観測して電圧変換器が異常であるか否かを確認する制御部とを備える。
好ましくは、制御部は、電圧変換器が作動中においてスイッチを導通状態から非導通状態に変化させた時の前後で端子電圧の電圧変動が所定値未満であるときは異常信号が正しい内容を示すと判断し、端子電圧の電圧変動が所定値を超えるときには異常信号は誤報であると判断する。
この発明の他の局面に従うと、システム回路の状態を判定する状態判定システムであって、システム回路は、高圧側バッテリと、低圧側バッテリと、高圧側バッテリからの第1の電圧を第1の電圧よりも低い第2の電圧に変換して低圧側バッテリに出力する機能を有する電圧変換器とを備える。状態判定システムは、電圧変換器の動作を制御する制御部を備える。制御部は、低圧側バッテリの端子電圧を観測し端子電圧が所定電圧より低い場合には電圧変換器を稼動させて低圧側バッテリを充電した後に充電停止させて端子電圧を再観測して低圧側バッテリの劣化状態を判定する。
好ましくは、状態判定システムは、電圧変換器と低圧側バッテリとの間の接続を開閉可能なスイッチをさらに備える。制御部は、スイッチを非導通状態に制御することによって低圧側バッテリの充電停止を行なう。
好ましくは、制御部は、電圧変換器に対して動作停止信号を出力することによって低圧側バッテリの充電停止を行なう。
この発明は、さらに他の局面に従うと、上記いずれかの状態判定システムを搭載する車両である。
本発明によれば、バッテリの劣化状態に拘わらず確実な故障判定を早く行なうことができ、故障に対する修理等の対応も早期に行なうことができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、同一または相当部品には同一の符号を付してそれらについての説明は繰返さない。
図1は、本発明の実施の形態に係る車両1の構成を示す概略図である。
図1を参照して、車両1は、前輪20R,20Lと、後輪22R,22Lと、エンジン2と、プラネタリギヤ16と、デファレンシャルギヤ18と、ギヤ4,6とを含む。
車両1は、さらに、車両後方に配置されるバッテリ12と、バッテリ12の出力する直流電力を昇圧する昇圧ユニット32と、昇圧ユニット32との間で直流電力を授受するインバータ36と、プラネタリギヤ16を介してエンジン2の動力を受けて発電を行なうモータジェネレータMG1と、回転軸がプラネタリギヤ16に接続されるモータジェネレータMG2とを含む。
バッテリ12は、組電池であり、直列に接続された複数の電池ユニットB0〜Bnを含む。直流電源であるバッテリ12は、たとえば、ニッケル水素またはリチウムイオンなどの二次電池を用いることができる。バッテリ12は、直流電力を昇圧ユニット32に供給するとともに、昇圧ユニット32からの直流電力によって充電される。また、バッテリ12に代えて直流電力を昇圧ユニット32に供給する直流電源として燃料電池を用いても良い。
インバータ36は、モータジェネレータMG1,MG2に接続されモータに与える交流電力と昇圧ユニット32からの直流電力との変換を行なう。
プラネタリギヤ16は第1〜第3の回転軸を有する。第1の回転軸はエンジン2に接続され第2の回転軸はモータジェネレータMG1に接続され第3の回転軸はモータジェネレータMG2に接続される。
この第3の回転軸にはギヤ4が取付けられ、このギヤ4はギヤ6を駆動することによりデファレンシャルギヤ18に動力を伝達する。デファレンシャルギヤ18はギヤ6から受ける動力を前輪20R,20Lに伝達するとともに、ギヤ6,4を介して前輪20R,20Lの回転力をプラネタリギヤ16の第3の回転軸に伝達する。
プラネタリギヤ16はエンジン2,モータジェネレータMG1,MG2の間で動力を分割する役割を果たす。すなわちプラネタリギヤ16の3つの回転軸のうちの2つの回転軸の回転が定まれば残る1つの回転軸の回転は自ずと定められる。したがって、エンジン2を最も効率のよい領域で動作させつつ、モータジェネレータMG1の発電量を制御してモータジェネレータMG2を駆動させることにより車速の制御を行ない、全体としてエネルギ効率のよい自動車を実現している。
昇圧ユニット32はバッテリ12から受ける直流電圧を昇圧し、その昇圧された直流電圧をインバータ36に供給する。インバータ36は供給された直流電圧を交流電圧に変換してエンジン始動時にはモータジェネレータMG1を駆動制御する。また、エンジン始動後にはモータジェネレータMG1が発電した交流電力はインバータ36によって直流に変換されて昇圧ユニット32によってバッテリ12の充電に適切な電圧に変換されバッテリ12が充電される。
また、インバータ36はモータジェネレータMG2を駆動する。モータジェネレータMG2はエンジン2を補助して前輪20R,20Lを駆動する。制動時には、モータジェネレータMG2は回生運転を行ない、車輪の回転エネルギを電気エネルギに変換する。得られた電気エネルギは、インバータ36および昇圧ユニット32を経由してバッテリ12に戻される。
昇圧ユニット32とバッテリ12との間にはシステムメインリレー29,30が設けられ車両非運転時には高電圧が遮断される。
車両1は、さらに、システムメインリレー29,30と昇圧ユニットとの間から電力供給を受けてこれを降圧するDC/DCコンバータ28と、DC/DCコンバータ28の出力によって充電される補機バッテリ24とを含む。補機バッテリ24のプラス出力端子は制御部14および負荷回路40に対して電源電流を供給する。DC/DCコンバータ28と補機バッテリ24のプラス出力端子との間にはスイッチ26が設けられている。DC/DCコンバータ28は、制御部からの制御信号DCONに応じて動作および停止の制御が行なわれる。またDC/DCコンバータ28は、動作が正常か異常かを連絡するための異常信号NODDを制御部14に対して出力する。
図2は、図1に示した構成における補機バッテリ24を充電するシステム回路100を示したブロック図である。
図2を参照して、制御部14は中央処理装置(CPU)42と、不揮発メモリ44とを含む。CPU42はDC/DCコンバータ28に対して動作開始/停止を制御するための制御信号DCONと、スイッチ26の導通/非導通を制御するための信号RONとを出力する。またCPU42は、補機バッテリ24の端子電圧+Bを内蔵するA/Dコンバータで監視し、さらにDC/DCコンバータ28から送られてくる信号NODDによってDC/DCコンバータ28の異常を検知している。
ここでDC/DCコンバータ28の故障の種類について説明する。
まず第1には、DC/DCコンバータの本体故障がある。本体故障とは、DC/DCコンバータ28が補機バッテリ24に対して正しく電流が供給できない場合であり、このときDC/DCコンバータ28の出力端子は補機バッテリ24の電圧となる。この場合にDC/DCコンバータ28は信号NODDを出力する端子を6Vとして制御部14に対して異常を知らせる。
DC/DCコンバータ28の他の故障としては、信号NODDを伝達する信号線の結線異常が考えられる。たとえば信号線が断線したり、他の配線などを噛み込んでしまったりすることにより信号NODDのレベルが正しい電圧範囲にならないような故障である。
たとえばスイッチ26を設けない構成であっても、DC/DCコンバータ28の本体故障を正確に判定したければ信号NODDのレベルが6Vとなり、かつ、補機バッテリ24のプラス端子の電圧が11V以下に低下したことをさらに確認してDC/DCコンバータ28の本体故障とすることが考えられる。この方法であれば、信号NODDのレベルが異常であってもDC/DCコンバータ28が正常に動作している場合には補機バッテリ24に対する充電は正常に行なわれるので制御部14は誤ってDC/DCコンバータ28の本体故障を検知することはない。
しかしながら、補機バッテリ24の状態により本体故障の判定に到達するまでの時間が長くなったり短くなったりする。つまり補機バッテリ24の出力端の電圧は、バッテリが新品でかつ充電が十分な状態であって初めに13V付近にあるときには、判定レベルの11Vに低下していくまでには時間がかかってしまう。
逆に補機バッテリ24が劣化しており、充電も不十分である状態では、瞬時にレベルが低下してしまう。このようなバッテリ劣化時には、電圧が瞬時に低下してしまうとDC/DCコンバータ28の異常を不揮発メモリ44の記録に残すことができない場合も考えられる。すなわち、制御部14は、異常検出のすべての動作において、補機バッテリ24の端子間電圧が9.5V以下に低下すると、その後しばらくすると、異常検出を禁止してしまう。これは、そのような低電圧では、制御部14に入力される各信号の信頼性がなくなってしまうからである。
[実施の形態1]
実施の形態1では、図2の構成において、走行中にDC/DCコンバータ28から異常信号NODDが出力されると、この異常状態を確認するためにCPU42は信号RONによってスイッチ26を非導通状態に制御する。その結果、補機バッテリ24のプラス端子の電圧+Bが変化しない場合には充電はされていないと判定し、DC/DCコンバータ28が停止状態にあることを確認する。
一方、CPU42は電圧+Bがスイッチ26を導通状態から非導通状態に変化させる前後で高い電圧から低い電圧に変化した場合にはDC/DCコンバータ28から充電が行なわれていると判断する。
すなわち、実施の形態1に係る発明は、システム回路の状態を判定する状態判定システムであって、システム回路は、高圧側バッテリ12と、低圧側の補機バッテリ24と、高圧側バッテリ12の電圧をより低い電圧に変換して補機バッテリ24に出力する機能を有し、機能が異常である場合には異常信号NODDで知らせるDC/DCコンバータ28とを備える。状態判定システムは、DC/DCコンバータ28と補機バッテリ24との間の接続を開閉可能なスイッチ26と、DC/DCコンバータ28から異常の報知があった場合には、スイッチ26の開閉状態を制御し補機バッテリ24の端子電圧を観測して電圧変換器が異常であるか否かを確認する制御部14とを備える。
好ましくは、制御部14は、DC/DCコンバータ28が作動中においてスイッチ26を導通状態から非導通状態に変化させた時の前後で補機バッテリ24の端子電圧の電圧変動が所定値未満であるときは異常信号NODDが正しい内容を示すと判断し、端子電圧の電圧変動が所定値を超えるときには異常信号NODDは誤報であると判断する。
図3は、図2の制御部14で実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。この処理は、システム制御のメインルーチンから一定時間ごとまたは所定の条件が成立するごとに呼出されて実行される。
図2、図3を参照して、まず処理が開始されると、ステップS1においてCPU42はDC/DCコンバータ28において故障の仮検出があるか否かを判断する。すなわち信号NODDがオン状態(レベル6V)であるときには故障の仮検出がなされていると判断し、信号NODDがオフ状態(レベル3V)であるときにはDC/DCコンバータ28において故障の仮検出がなされていないと判断する。
故障の仮検出がされていない場合にはステップS11に進み制御は再びメインルーチンに移される。
一方、ステップS1において故障の仮検出があった場合にはステップS2に進む。ステップS2においてCPU42は、スイッチ26の接続状態における補機バッテリ24のプラス端子の電圧VBをメモリ電圧値VB(ON)として記憶する。
続いてステップS3において、CPU42は信号RONを用いてスイッチ26を導通状態から非導通状態に変化させる。そしてステップS4において再び補機バッテリ24のプラス端子の電圧VBを内蔵するA/D変換器で測定して、この値をメモリ電圧値VB(OFF)として記憶する。
補機バッテリ電圧は通常鉛蓄電池セルが6セル直列に接続された構造であり、充電状態がいくら良好でもその端子間電圧が13Vを超えることはない。つまりDC/DCコンバータが異常でない場合には、ステップS2においては13〜14.5Vが監視され、ステップS4においては13Vより小さい電圧が監視される。
そしてステップS5においてCPU42はメモリ電圧値VB(ON)からメモリ電圧値VB(OFF)を引いてこの値が所定値VT1よりも小さいか否かを判断する。VB(ON)−VB(OFF)<VT1が成立する場合にはステップS8に進み、成立しない場合にはステップS6に進む。
ステップS6では、DC/DCコンバータ28は充電動作を行なっており、信号NODDによる故障の仮検出は誤りであると判定される。そしてステップS7においてスイッチ26を再び導通状態にした後にステップS11に進み制御はメインルーチンに移される。
一方、ステップS5からステップS8に処理が進んだ場合には、ステップS8ではDC/DCコンバータ28の故障が現実に起っていると判断されてこの故障判定が確定される。そしてステップS9において、たとえば異常ランプの点灯などにより故障が運転者に報知される。またステップS10においてDC/DCコンバータ28の本体に対応するエラーコードが不揮発メモリ44に記録される。そして記録が終了するとステップS11に戻り処理はメインルーチンに移される。
図4は、実施の形態1の異常検出動作を説明するための動作波形図である。
図4を参照して、まず走行中において、時刻t1にDC/DCコンバータ28が出力する信号NODDのレベルが3Vから6Vに変化したとする。このときこの変化はCPU42が内蔵するA/Dコンバータによって検知される。このとき実際にDC/DCコンバータ28が出力機能停止状態、つまり故障や保護機能などによって出力の電流値が0Aの状態であれば補機バッテリ24の端子電圧は充電正常時の14Vから12Vに波形W2に示すように低下するはずである。
しかし、何らかのトラブルが発生して、信号NODDを出力する端子やまたは制御部14の内部または制御部と端子とを繋ぐ結線上に電圧が印加されて6V近辺の電圧がCPU42に検知されてしまう場合がある。この場合はDC/DCコンバータは正常であるので電圧VBは波形W1に示すようになる。そこで時刻t2において測定した電圧VBをメモリ電圧値VB(ON)として記憶し(図3のステップS2)、そして時刻t3においてスイッチ26を導通状態から非導通に変化させる(図3のステップS3)。
その後時刻t4において、DC/DCコンバータ28とは切離された補機バッテリ24のプラス端子の電圧を測定してこれをメモリ電圧値VB(OFF)として記憶する(図3のステップS4)。その後メモリ電圧値VB(ON)とメモリ電圧値VB(OFF)を比較することにより(図3のステップS5)DC/DCコンバータの本体故障であるか否かを判定することができる。
以上説明したように、実施の形態1においては、DC/DCコンバータ28から動作異常の仮判定が行なわれたときに実際にDC/DCコンバータの動作が停止しているか否かを短時間でかつ確実に判断することができる。したがって、バッテリの劣化状態に拘わらず確実な故障判定を早く行なうことができ、故障に対する修理等の対応も早期に行なうことができる。
[実施の形態2]
実施の形態1では、バッテリが劣化していない状態においてはDC/DCコンバータが検出した異常を制御部14が正しいか否かを短時間で判定することができた。しかし制御部14の電源供給をしている補機バッテリ24自身が劣化しており電圧が低くなっている場合にはこのような制御を行なうことができない。したがってバッテリの劣化は速やかに検出して必要があればバッテリの交換をしなければならない。
実施の形態2においては以下に説明するバッテリの劣化検出処理を実施の形態1と組合せて用いることにより、さらに確実にDC/DCコンバータの動作異常を検出することが可能となる。
実施の形態2に係る発明は、ある局面では、システム回路の状態を判定する状態判定システムであって、システム回路は、高圧側バッテリ12と、低圧側の補機バッテリ24と、高圧側バッテリ12の電圧をより低い電圧に変換して補機バッテリ24に出力する機能を有する電圧変換器とを備える。状態判定システムは、DC/DCコンバータ28の動作を制御する制御部14を備える。制御部14は、補機バッテリ24の端子電圧を観測し端子電圧が所定電圧より低い場合にはDC/DCコンバータ28を稼動させて補機バッテリ24を充電した後に充電停止させて端子電圧を再観測して補機バッテリ24の劣化状態を判定する。
好ましくは、状態判定システムは、DC/DCコンバータ28と補機バッテリ24との間の接続を開閉可能なスイッチ26をさらに備える。制御部14は、スイッチを非導通状態に制御することによって補機バッテリ24の充電停止を行なう。
図5は、実施の形態2においてバッテリの劣化チェックを行なう処理の制御構造を示したフローチャートである。この処理は、一定時間ごとまたは所定の条件が成立するごとにCPUのメインルーチンから呼出されて実行される。
図1、図5を参照して、まず処理が開始されると、ステップS21において走行前の起動時においてイグニッションキースイッチが押されたか否かが判断される。イグニッションキースイッチが押された状態すなわちIGオンである場合にはステップS22に進み、IGオンでない場合にはステップS36に進み処理はメインルーチンに戻される。
ステップS22に進んだ場合には、CPU42はバッテリ電圧VBを測定して、バッテリ電圧VBが11Vより小さいか否かが判断される。
VB<11Vではない場合にはバッテリは劣化していないと判断されステップS23に処理が進む。ステップS23では図1のシステムメインリレー29,30が所定のシーケンスで導通状態に制御される。そして、ステップS24に処理が進みDC/DCコンバータ28の動作が開始され、DC/DCコンバータ28は13V〜14.5Vの出力電圧を出力する。そしてステップS25に処理が進み、車両は走行可能状態すなわちReadyONのインジケータを点灯させた状態となり、処理はステップS36に進み制御がメインルーチンに戻される。
一方、ステップS22でVB<11Vであった場合には、処理はS26に進み、そしてステップS28において、CPU42はこのときのバッテリ電圧を初期電圧値VB0として記憶する。以降、補機バッテリ24の劣化チェックが実施される。まずステップS27において図1のシステムメインリレー29,30が所定のシーケンスで非導通状態から導通状態に制御される。
続いてステップS28において、DC/DCコンバータ28が稼動されDC/DCコンバータ28は13V〜14.5Vの電圧を出力する。
ステップS28の処理を実行してから数十秒後にCPU42はステップS29において、CPU42は信号RONを変化させスイッチ26を導通状態から非導通状態に変化させる。そしてステップS30において、CPU42は再びバッテリ電圧VBを内蔵するA/Dコンバータで計測してこの値をメモリ電圧値VB(OFF)として記憶する。
その後CPU42はメモリ電圧値VB(OFF)から初期電圧値VB0を差し引いてこの値が所定値のしきい値VT2より小さいか否かを判断する。
ステップS31においてVB(OFF)−VB0<VT2が成立しない場合には充電によりバッテリ電圧が上昇したと考えられるので、ステップS32に処理が進む。
ステップS32では、DC/DCコンバータ28による補機バッテリ24の充電が行なわれるようにスイッチ26を接続状態に戻す。そしてステップS33において走行可能状態を示すインジケータReadyONを点灯させる。ステップS33の処理が終了すると処理がステップS36に進み制御はメインルーチンに戻される。
一方ステップS31においてVB(OFF)−VB0<VT2が成立した場合には充電を行なっても補機バッテリ24の電圧は上昇しなかったと考えられるので補機バッテリ24が劣化した旨の表示を行なう。たとえば、この表示はカーナビゲーションの画面に「補機バッテリが劣化しています、交換をお勧めします。」という表示を行なう。そしてステップS35においてCPU42は、不揮発メモリ44に対して補機バッテリ劣化に対応するエラーコードを記憶させる。ステップS35の記憶処理が終了するとステップS36に処理が進み制御はメインルーチンに戻される。
図6は、実施の形態2で説明した補機バッテリの劣化チェック処理を説明するための動作波形図である。
図6を参照して、まず初期状態としては、車両が停止している状態であり、時刻t1において走行前の起動処理すなわちイグニッションスイッチをオフ状態からオン状態にする操作が行なわれる。このとき時刻t2においてバッテリ電圧VBのモニタが行なわれ、電圧範囲が11V以下の状態であれば補機バッテリ劣化チェックが実施される(図5のステップS22)。
劣化チェックの内容は、システムメインリレーのオン(図5のステップS26)、DC/DCコンバータの起動(図5のステップS27)が時刻t2〜t3の間で行なわれる。DC/DCコンバータの起動が行なわれた後には補機バッテリ24の端子電圧は14Vに上昇しこの間に補機バッテリに充電が行なわれる。このときの電圧をメモリ電圧値VB(ON)として記憶する(図5のステップS28)。充電開始から数十秒後の時刻t4において、スイッチ26をオン状態からオフ状態に制御すると、バッテリの劣化が正常範囲内であれば充電により12V程度にバッテリ電圧は復帰するが、劣化が著しい場合には再び9.5V程度に急激に低下してしまう。この電圧値を時刻t5においてメモリ電圧値VB(OFF)として記憶する(図5のステップS30)。
この値によってバッテリの劣化状態の程度を判定し(図5のステップS31)、波形W3に示すように劣化が軽症であれば走行可能状態となる(図5のステップS33)。
実施の形態2によれば、スイッチ26を追加することにより、電圧降下の遅い新品のバッテリでも故障判定が早くなり、故障に対する修理等の対応も早期に行なうことができる。さらに、走行前に補機バッテリの劣化チェックも行なうので、路上故障を減らすことができるという効果もある。
[実施の形態2の変形例]
図7は、実施の形態2の変形例において用いられるシステム回路100Aの構成を示したブロック図である。
図7に示したシステム回路100Aは、図2に示したシステム回路100の構成において、スイッチ26が取除かれてDC/DCコンバータ28のプラス端子と補機バッテリ24のプラス端子とが直結されている点が異なる。他の構成については図7の構成は図2で説明した構成と同じであるので説明は繰返さない。
実施の形態2の変形例では、DC/DCコンバータ28の充電停止をCPU42からの制御信号DCONで実行させる点が実施の形態2の場合と異なる。
図8は、実施の形態2の変形例で実行される制御構造を示したフローチャートである。
図8に示すフローチャートは、図5で説明したフローチャートにおいてステップS29の処理に代えてステップS29Aの処理を含む。
図8のステップS28においてDC/DCコンバータ28による補機バッテリ24の充電が開始され、その数十秒後にDC/DCコンバータ28から補機バッテリ24への充電動作を停止させるのであるが、ステップS29Aにおいては、CPU42は制御信号DCONを非活性化することによりDC/DCコンバータ28を停止させる。DC/DCコンバータ28は、停止時には出力ノードが開放状態となるものを使用する。これによりDC/DCコンバータ28の補機バッテリ24に接続されているプラス出力ノードは開放状態となるので、補機バッテリ24の開放電圧がステップS30で測定されて記録される。
他の部分については図8のフローチャートは図5のフローチャートで説明した処理と同様であるので説明は繰返さない。
図9は、実施の形態2の変形例での動作を示す動作波形図である。
図6では、時刻t4において、スイッチ26をオフ状態に制御することで充電動作を停止させたが、図9に示す動作では時刻t4においてDC/DCコンバータ28に対してCPU42が停止命令を送っている。これにより、図6の場合と同様に充電によって補機バッテリ24の機能が回復するか否かの判定を行っている。他の部分の制御については図9の動作波形図は、図6の動作波形図と同様であるので説明は繰返さない。
図7に示した構成においても、補機バッテリの劣化の判定は行なえる。なお、DC/DCコンバータ28からの異常信号NODDの仮判定の確認を行なうことはできないが、走行前にバッテリの劣化チェックを行なうことで路上故障を減らすことができる。
なお、実施の形態2およびその変形例においてバッテリ劣化の情報を記憶しておくことを述べた。この情報と異常信号NODDを用いれば、バッテリ電圧が低下したバッテリ劣化時においてもDC/DCコンバータの異常を検出することができる。
具体的には、補機バッテリの電圧が9.5V以下に低下した時は故障診断に使用する各信号値の信頼性がないので診断を行なわないようにしていた。しかし、異常信号NODDについては補機バッテリ24の電圧が6Vまで低下しても信頼できるようにDC/DCコンバータ28が構成されている。この場合はバッテリ劣化の情報が不揮発性メモリ44に記憶されていることを条件に異常信号NODDについては検出禁止を解除して、9.5V以下に補機バッテリ電圧が低下してもCPU42で異常信号NODDを観測してDC/DCコンバータの異常を診断することができる。
すなわち、予め低圧側バッテリの劣化状態を検出しておくことにより、低圧側バッテリが劣化している場合においても、DC/DCコンバータ停止のダイアグ動作を確保することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態に係る車両1の構成を示す概略図である。 図1に示した構成における補機バッテリ24を充電するシステム回路100を示したブロック図である。 図2の制御部14で実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 実施の形態1の異常検出動作を説明するための動作波形図である。 実施の形態2においてバッテリの劣化チェックを行なう処理の制御構造を示したフローチャートである。 実施の形態2で説明した補機バッテリの劣化チェック処理を説明するための動作波形図である。 実施の形態2の変形例において用いられるシステム回路100Aの構成を示したブロック図である。 実施の形態2の変形例で実行される制御構造を示したフローチャートである。 実施の形態2の変形例での動作を示す動作波形図である。
符号の説明
1 車両、2 エンジン、4,6 ギヤ、12 バッテリ、14 制御部、16 プラネタリギヤ、18 デファレンシャルギヤ、20R,20L 前輪、22R,22L 後輪、24 補機バッテリ、26 スイッチ、28 DC/DCコンバータ、29,30 システムメインリレー、32 昇圧ユニット、36 インバータ、40 負荷回路、42 CPU、44 不揮発メモリ、100,100A システム回路、B0〜Bn 電池ユニット、MG1,MG2 モータジェネレータ。

Claims (6)

  1. システム回路の状態を判定する状態判定システムであって、
    前記システム回路は、
    高圧側バッテリと、
    低圧側バッテリと、
    前記高圧側バッテリからの第1の電圧を前記第1の電圧よりも低い第2の電圧に変換して前記低圧側バッテリに出力する機能を有し、前記機能が異常である場合には異常信号を出力する電圧変換器とを備え、
    前記状態判定システムは、
    前記電圧変換器と前記低圧側バッテリとの間の接続を開閉可能なスイッチと、
    前記異常信号を前記電圧変換器から受け取った場合には、前記スイッチの開閉状態を制御し前記低圧側バッテリの端子電圧を観測して前記電圧変換器が異常であるか否かを確認する制御部とを備える、状態判定システム。
  2. 前記制御部は、前記電圧変換器が作動中において前記スイッチを導通状態から非導通状態に変化させた時の前後で前記端子電圧の電圧変動が所定値未満であるときは前記異常信号が正しい内容を示すと判断し、前記端子電圧の電圧変動が前記所定値を超えるときには前記異常信号は誤報であると判断する、請求項1に記載の状態判定システム。
  3. システム回路の状態を判定する状態判定システムであって、
    前記システム回路は、
    高圧側バッテリと、
    低圧側バッテリと、
    前記高圧側バッテリからの第1の電圧を前記第1の電圧よりも低い第2の電圧に変換して前記低圧側バッテリに出力する機能を有する電圧変換器とを備え、
    前記状態判定システムは、
    前記電圧変換器の動作を制御する制御部を備え、
    前記制御部は、前記低圧側バッテリの端子電圧を観測し前記端子電圧が所定電圧より低い場合には前記電圧変換器を稼動させて前記低圧側バッテリを充電した後に充電停止させて前記端子電圧を再観測して前記低圧側バッテリの劣化状態を判定する、状態判定システム。
  4. 前記状態判定システムは、
    前記電圧変換器と前記低圧側バッテリとの間の接続を開閉可能なスイッチをさらに備え、
    前記制御部は、前記スイッチを非導通状態に制御することによって前記低圧側バッテリの充電停止を行なう、請求項3に記載の状態判定システム。
  5. 前記制御部は、前記電圧変換器に対して動作停止信号を出力することによって前記低圧側バッテリの充電停止を行なう、請求項3に記載の状態判定システム。
  6. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の状態判定システムを搭載する車両。
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