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JP2006343606A - 共焦点顕微鏡 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ニポウディスク方式の共焦点顕微鏡に光刺激を行なう機能を付加し、ニポウディスク方式特有の高速な画像処理により、光刺激や蛍光褪色の反応をリアルタイムで観察できる共焦点顕微鏡を実現する。
【解決手段】 顕微鏡ユニットとニポウディスク方式の共焦点スキャナユニットから構成され、試料に照射される画像計測用光ビームの戻り蛍光を結像させた共焦点画像により前記試料の観察を行なう共焦点顕微鏡において、
前記共焦点スキャナユニットと一体に形成され、前記試料に刺激を与える刺激用光ビームのスポットを前記試料上に結像させる刺激用光ビーム出力手段を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、共焦点顕微鏡に関し、詳しくは、観察試料に対して光刺激を行なう機能を備えた共焦点顕微鏡に関するものである。
共焦点顕微鏡は、試料の収束光点を走査し、試料からの戻り蛍光を結像させて画像を得ることにより試料を観察するもので、生物やバイオテクノロジーなどの分野おける生きた細胞の生理反応観察や形態観察、あるいは半導体市場におけるLSIに表面観察などに使用されている。
図3は、従来の共焦点顕微鏡の一例を示した構成図である。図3において、共焦点スキャナユニット110は、顕微鏡ユニット120のポート122に接続されており、レーザ光111は、マイクロレンズディスク112のマイクロレンズ117により個別の光束に集光され、ダイクロイックミラー113を透過後、ピンホールディスク(以下、ニポウディスク)114の個々のピンホール116を通過し、顕微鏡ユニット120の対物レンズ121により、ステージ123上の試料140に集光される。
このレーザ光111の照射により試料140が蛍光する。試料140から出た戻り蛍光は、再び対物レンズ121を通り、ニポウディスク114の個々のピンホール上に集光される。個々のピンホールを通過した戻り蛍光は、ダイクロイックミラー113で反射され、リレーレンズ115を介してイメージセンサ131に結像される。
このような装置では、図示しないモータでマイクロレンズディスク112及びニポウディスク114を同軸で一定速度回転させており、この回転によるピンホール116の移動により試料140への集光点を走査している。
ニポウディスク114のピンホールが並んでいる表面と、試料140の被観察面と、イメージセンサ131の受光面とは互いに光学的に共役関係に配置されているので、イメージセンサ131には、試料140の光学的断面像、即ち共焦点画像が結像される。ニポウディスク方式の共焦点顕微鏡の詳細に関しては、特許文献1に開示されている。
このような共焦点顕微鏡を用いた画像計測では、細胞等の試料など対して光刺激を行ない、時間経過に対する状態変化(フォトアクチベーションやFRAP(fluorescence recovery after photobleaching)など)を観察したい要求がある。
フォトアクチベーションとは、例えば細胞の所定の部分に画像計測用レーザ光(画像計測用光ビーム)以外の刺激用光ビームのスポット光を照射し、その部分の蛍光色を変化させてマーキングする。このマーキングが時間経過により、細胞に広がっていく様子を観察するものである。
FRAP(蛍光褪色法)とは、蛍光タンパクを発現した細胞の蛍光を、刺激用光ビームの照射により部分的に褪色させ、細胞における蛍光褪色後のタンパク質の局在変化を観察するものである。
本発明が対象とするニポウディスク方式の共焦点顕微鏡に関連する先行技術文献としては特許文献1に記載されたものがある。
特開平5−60980号公報
しかしながら、上述の従来のニポウディスク方式の共焦点顕微鏡には、試料に光刺激を与えてその変化を観察する機能を備えたものがない。
本発明は、このような従来の共焦点顕微鏡が有していた問題を解決しようとするものであり、ニポウディスク方式の共焦点顕微鏡に光刺激を行なう機能を付加し、ニポウディスク方式特有の高速な画像処理により、光刺激や蛍光褪色の反応をリアルタイムで観察できる共焦点顕微鏡を実現することを目的とするものである。
このような課題を達成するために、本発明の構成は次の通りである。
(1)顕微鏡ユニットとニポウディスク方式の共焦点スキャナユニットから構成され、試料に照射される画像計測用光ビームの戻り蛍光を結像させた共焦点画像により前記試料の観察を行なう共焦点顕微鏡において、
前記共焦点スキャナユニットと一体に形成され、前記試料に刺激を与える刺激用光ビームのスポットを前記試料上に結像させる刺激用光ビーム出力手段を備えることを特徴とする共焦点顕微鏡。
(2)前記刺激用光ビーム出力手段は、前記スポットを前記試料上で走査して任意の形状で刺激を与える走査手段を備えることを特徴とする(1)に記載の共焦点顕微鏡。
(3)前記走査手段は、ガルバノミラースキャン機構であることを特徴とすることを特徴とする(2)に記載の共焦点顕微鏡。
(4)前記刺激用光ビーム出力手段は、前記画像計測用光ビームの途中に設けられてこの画像計測用光ビームを透過させると共に前記刺激用光ビームを反射させるダイクロイックミラーを備えることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の共焦点顕微鏡。
(5)前記刺激用光ビーム出力手段の光源は、発光ダイオードまたはレーザ光源であることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかに記載の共焦点顕微鏡。
(6)前記刺激用光ビーム出力手段は、その光源を前記共焦点スキャナユニット内に備えることを特徴とする(1)乃至(5)のいずれかに記載の共焦点顕微鏡。
(7)前記画像計測用光ビームの波長をλ1、前記刺激用光ビームの波長をλ2とするとき、λ1>λ2の関係を有することを特徴とする(1)乃至(6)のいずれかに記載の共焦点顕微鏡。
(8)前記刺激用光ビームは、前記試料に対するフォトアクチベーションまたは蛍光褪色観察に用いられることを特徴とする(1)乃至(7)のいずれかに記載の共焦点顕微鏡。
以上説明したことから明らかなように、本発明によれば次のような効果がある。
(1)請求項1、請求項7、及び請求項8に記載の発明によれば、ニポウディスク方式の共焦点顕微鏡に光刺激用の刺激用光ビームを照射する機能を備えることによって、フォトアクチベーションやFRAPが可能となる。また、蛍光観察、即ち画像計測は、ニポウディスク式焦点スキャナで行なうことで高速性(例えば1000フレーム/秒のスキャンスピード)が実現できるため、光刺激や蛍光褪色に係わる高速反応をリアルタイムで観察することができる。
更に、試料に刺激を与える刺激用光ビームのスポットを試料上に結像させるための刺激用光ビーム出力手段を、共焦点スキャナユニットと一体に形成することによって、蛍光共焦点イメージング用の画像計測用光ビームと、刺激用光ビームの2つのスキャン機構を一体化でき、一体化のため、2つのビームの焦点合わせを簡単にできる。
一体化の結果、顕微鏡ユニットとの接続ポートを1つにでき、顕微鏡ユニットに簡単にアドオンできる。顕微鏡ユニット側の第2ポートに刺激用光ビーム出力手段を接続する分離構造比較して小型・省スペースであり、顕微鏡の存在性をなくすことができる。
(2)請求項2及び3に記載の発明によれば、光刺激用の刺激用光ビームの2次元走査により、試料の形状に合わせた光刺激を可能とし、走査手段としてガルバノミラースキャン機構を
用いることで、刺激用光ビームのスポットを高精度で位置決め制御することができる。
(3)請求項4に記載された発明によれば、画像計測用光ビームの途中に画像計測用光ビームを透過させるダイクロイックミラーを備え、このダイクロイックミラーで刺激用光ビームを反射させることにより、共焦点スキャナユニット内でシンプルな光学系により画像計測用光ビームと刺激用光ビームを合成することができる。
(4)請求項5及び6に記載された発明によれば、刺激用光ビームの光源として発光ダイオードを用いることで、光源を共焦点スキャナユニットの筐体に内蔵することが可能となり、共焦点顕微鏡の小型・省スペース・コストダウンに貢献することができる。
以下、本発明を図面により詳細に説明する。図1は本発明を適用した共焦点顕微鏡の一実施形態を示す構成図である。図3で説明した従来の共焦点顕微鏡と同一要素には同一符号を付して説明を省略する。以下、本発明の特徴部につき説明する。
図1において、共焦点スキャナユニット110は、顕微鏡ユニット120のポート122に接続されており、レーザ光111を試料140に照射する共焦点顕微鏡の構成は、従来の共焦点顕微鏡と同一である。画像計測するために試料140に照射する光を画像計測用光ビームとする。
共焦点スキャナユニット110に入射した波長λ1の画像計測用光ビーム111は、マイクロレンズディスク112のマイクロレンズ117により個別の光束に集光され、ダイクロイックミラー113を透過後、ニポウディスク114の個々のピンホール116を通過し、ポート122を通過して顕微鏡ユニット120に入り、対物レンズ121により、ステージ123上の試料140に集光される。
この第1の画像計測用光ビームの照射により試料140が蛍光する。試料140からの戻り蛍光は、再び対物レンズ121を通り、ニポウディスク114の個々のピンホール上に集光される。個々のピンホールを通過した戻り蛍光は、ダイクロイックミラー113で反射され、リレーレンズ115を介してイメージセンサ131に結像される。
共焦点スキャナユニット110において、鎖線で示すブロック200は刺激用光ビーム出力手段であり、試料に刺激を与える刺激用光ビームのスポットを前記試料上に結像させるために、波長λ2の刺激用光ビームを出力する。この刺激用光ビーム出力手段200は、共焦点スキャナユニット110と一体に形成されている。画像計測用光ビームの波長λ1と刺激用光ビームの波長λ2との関係は、λ1>λ2に選定されている。
201は、波長λ2の刺激用光ビームを発生する光源である。この光源201としては、一般的には外部のレーザ光源より共焦点スキャナユニット110に導く構成をとるが、試料に刺激を与える刺激用光ビームは蛍光発生を目的とする画像計測用光ビームのような電力を必要とないので、波長の条件(λ1>λ2)を満足すれば発光ダイオード(青色発光ダイオード)のビームを利用することが可能である。
光源201からの刺激用光ビーム202は、レンズ系(コリメータレンズ)203を介して走査手段を形成するガルバノミラースキャン機構204に導かれる。205はダイクロイックミラーであり、画像計測用光ビームの途中に設けられてこの画像計測用光ビームを透過させると共にガルバノミラースキャン機構204からの刺激用光ビームを反射させ、2つのビームを合成して試料140に照射する。試料140において、SPは刺激用光ビームによるスポット結像である。
試料140上において、SPは刺激用光ビームによるスポット結像を示す。ガルバノミラースキャン機構204は、DCモータにより縦・横方向に回転できる機構になっていて、制御ユニット(図示せず)からの信号によりDCモータを制御してガルバノミラーを回転させて試料140上のスポットSPを任意の位置に位置決め制御できる。このスポットの複数プロットにより、任意形状の刺激範囲を設定することが可能である。
本発明は、試料に刺激を与える刺激用光ビームのスポットを試料上に結像させるための刺激用光ビーム出力手段200を、共焦点スキャナユニット110と一体に形成することによって、蛍光共焦点イメージング用の画像計測用光ビームと、刺激用光ビームの2つのスキャン機構を一体化でき、2つのビームの焦点合わせが容易にできる。
一体化構造のため、画像計測用光ビームの途中に画像計測用光ビームを透過させるダイクロイックミラー205を設けることができ、このダイクロイックミラーで刺激用光ビームを反射させることにより、共焦点スキャナユニット内でシンプルな光学系により画像計測用光ビームと刺激用光ビームを合成することができる。
更に、一体化構造をとることにより、顕微鏡ユニット110との接続を、ポート122の1つとすることができ、共焦点スキャナユニット110を顕微鏡ユニット120に簡単にアドオンできる。顕微鏡ユニット側の第2ポートに刺激用光ビーム出力手段を接続する分離構造に比較して小型・省スペースであり、顕微鏡の存在性をなくすことができる。
図2は、本発明を適用した共焦点顕微鏡の他の実施形態を示す構成図である。図1の構成との相違点は、刺激用光ビームの光源201として発光ダイオードを用い、この光源を共焦点スキャナユニット110の筐体に内臓した点にある。このような光源内蔵構造をとることにより、刺激用光ビーム出力手段200全体を共焦点スキャナユニット110の筐体に収容することが可能となり、共焦点顕微鏡の小型・省スペース・コストダウンに貢献することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に制限されることなく、その本質から逸脱しない範囲で更に多くの変更、変形を含むものである。
発明を適用した共焦点顕微鏡の一実施形態を示す構成図である。 本発明を適用した共焦点顕微鏡の他の実施形態を示す構成図である。 従来の共焦点顕微鏡の一例を示した構成図である。
符号の説明
110 共焦点スキャナユニット
111 レーザ光(画像計測用光ビーム)
112 ダイクロイックミラーマイクロレンズディスク
113 ダイクロイックミラー
114 ニポウディスク
115 リレーレンズ
116 ピンホール
117 マイクロレンズ
120 顕微鏡ユニット
121 対物レンズ
122 ポート
123 ステージ
131 イメージセンサ
140 試料
200 刺激用光ビーム出力手段
201 光源
202 刺激用光ビーム
203 レンズ系
204 ガルバノミラースキャン機構
205 ダイクロイックミラー

Claims (8)

  1. 顕微鏡ユニットとニポウディスク方式の共焦点スキャナユニットから構成され、試料に照射される画像計測用光ビームの戻り蛍光を結像させた共焦点画像により前記試料の観察を行なう共焦点顕微鏡において、
    前記共焦点スキャナユニットと一体に形成され、前記試料に刺激を与える刺激用光ビームのスポットを前記試料上に結像させる刺激用光ビーム出力手段を備えることを特徴とする共焦点顕微鏡。
  2. 前記刺激用光ビーム出力手段は、前記スポットを前記試料上で走査して任意の形状で刺激を与える走査手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の共焦点顕微鏡。
  3. 前記走査手段は、ガルバノミラースキャン機構であることを特徴とすることを特徴とする請求項2に記載の共焦点顕微鏡。
  4. 前記刺激用光ビーム出力手段は、前記画像計測用光ビームの途中に設けられてこの画像計測用光ビームを透過させると共に前記刺激用光ビームを反射させるダイクロイックミラーを備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の共焦点顕微鏡。
  5. 前記刺激用光ビーム出力手段の光源は、発光ダイオードまたはレーザ光源であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の共焦点顕微鏡。
  6. 前記刺激用光ビーム出力手段は、その光源を前記共焦点スキャナユニット内に備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の共焦点顕微鏡。
  7. 前記画像計測用光ビームの波長をλ1、前記刺激用光ビームの波長をλ2とするとき、λ1>λ2の関係を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の共焦点顕微鏡。
  8. 前記刺激用光ビームは、前記試料に対するフォトアクチベーションまたは蛍光褪色観察に用いられることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の共焦点顕微鏡。

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