JP2006229185A - 薄膜トランジスタ基板、その製造方法、半導体装置及び液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】信頼性及びオフ電流特性に優れ、動作電圧の低電圧化等に有効なゲート絶縁膜の薄膜化を実現することができる薄膜トランジスタを備えた薄膜トランジスタ基板、その製造方法、並びに、それを備える半導体装置及び液晶表示装置を提供する。
【解決手段】半導体層、ゲート絶縁膜及びゲート電極がこの順に積層された構造を基板上に有する薄膜トランジスタ基板であって、上記ゲート絶縁膜は、酸化シリコン膜が半導体層側に設けられ、窒化シリコン膜等の酸化シリコンよりも誘電率が高い材料からなる膜がゲート電極側に設けられた2層構造を有し、上記酸化シリコン膜は、半導体層とゲート電極とが対向する領域にて、酸化シリコンよりも誘電率が高い材料からなる膜よりも膜厚が大きい薄膜トランジスタ基板である。
【選択図】図1
【解決手段】半導体層、ゲート絶縁膜及びゲート電極がこの順に積層された構造を基板上に有する薄膜トランジスタ基板であって、上記ゲート絶縁膜は、酸化シリコン膜が半導体層側に設けられ、窒化シリコン膜等の酸化シリコンよりも誘電率が高い材料からなる膜がゲート電極側に設けられた2層構造を有し、上記酸化シリコン膜は、半導体層とゲート電極とが対向する領域にて、酸化シリコンよりも誘電率が高い材料からなる膜よりも膜厚が大きい薄膜トランジスタ基板である。
【選択図】図1
Description
本発明は、薄膜トランジスタ基板、その製造方法、半導体装置及び液晶表示装置に関する。より詳しくは、モノリシック液晶ディスプレイ等の構成部材として好適な薄膜トランジスタ基板、その製造方法、並びに、それを備える半導体装置及び液晶表示装置に関するものである。
MOS(Metal−Oxide−Semiconductor)トランジスタは、MOS構造をゲートに用いた電界効果トランジスタのことであり、MOS−FETと略称される。MOSトランジスタは、MOS構造が集積回路化に適していることから、メモリ、マイクロプロセッサ等の大部分に多数用いられている。中でも、シリコン等からなる半導体薄膜層を活性層として用いる薄膜トランジスタ(以下、「TFT」ともいう。)は、液晶ディスプレイにおけるスイッチング素子等として用いられる等、幅広い分野で利用されている。
このようなTFTが用いられるモジュールの低電圧化、すなわちTFTの閾値電圧(Vth)の低減を実現するためには、TFTを構成するゲート絶縁膜の薄膜化が必須となる。ゲート絶縁膜としては、通常、界面特性に優れた酸化シリコン膜が用いられているが、ゲート絶縁膜が酸化シリコン膜の単層構造からなる場合には、単に酸化シリコン膜を薄膜化すると、絶縁耐圧が低下してしまう。その結果、TFTでは、酸化シリコン膜を介して配置された半導体薄膜層とゲート電極層との間で、リーク(短絡)が発生しやすくなり、これを液晶表示パネルにおけるスイッチング素子として用いた場合には、パネル初期状態での点欠陥不良やデバイスの信頼性不良といった不良が増加し、歩留りの低下を招くこととなる。
これに対し、近年、窒化シリコン等の酸化シリコンよりも誘電率が高い材料をゲート絶縁膜に用いることが検討されてきており、例えば、特許文献1には、上層(ゲート電極側)の窒化シリコン膜の膜厚よりも下層の酸化シリコン膜の膜厚を薄くしたゲート絶縁膜が開示されている。窒化シリコン膜の単層構造からなるゲート絶縁膜や、酸化シリコン膜と窒化シリコン膜とを積層した2層構造からなるゲート絶縁膜では、酸化シリコンと窒化シリコンとの誘電率の違いから、酸化シリコン膜の単層構造からなるゲート絶縁膜を用いる場合と比べ、同等の静電容量を得るのに必要な膜厚が大きくなり、絶縁耐圧の低下を抑制することができ、更には絶縁耐圧の向上を図ることも可能となる。
しかしながら、特許文献1に開示されているような構造のTFTでは、TFTがオフ状態のときに流れる電流(リーク電流又はオフ電流)が大きいという点で改善の余地があった。例えば、CMOS(Complementary MOS)回路を構成するTFTにリーク電流が発生した場合には、回路の安定した動作が妨げられたり、モジュールの消費電力が増大したりしてしまう。また、ゲート絶縁膜に窒化シリコンを導入することで、膜厚が増大し、後工程で不純物イオンをドーピングする際に、加速エネルギが高くなり、デバイスに与える影響(TFT特性ばらつき)が大きくなるという点でも改善の余地があった。
また、酸化シリコン膜と窒化シリコン膜とを含むゲート絶縁膜のその他の構成、及び、これに類似する構成としては、以下の(1)〜(5)の構成が開示されている。(1)特許文献2〜4には、窒化シリコン膜を下層(ゲート電極側)とし、酸化シリコン膜を上層とする構成が開示されており、例えば、特許文献2の表1には、酸化シリコン膜の膜厚が1300Åとされ、窒化シリコン膜の膜厚が500Åとされたゲート絶縁膜が記載されている。(2)特許文献5には、酸化シリコン膜を下層とし、窒化シリコン膜を上層(ゲート電極側)とし、更に酸化シリコン膜と窒化シリコン膜の膜厚とを同じにした構成が開示されている。(3)特許文献6には、酸窒化シリコン膜を下層(ゲート電極側)とし、窒化シリコン膜を上層とし、更に酸窒化シリコン膜の膜厚をSiNx膜の膜厚よりも大きくした構成が開示されている。(4)特許文献7には、反射率低減膜兼ゲート絶縁膜として酸化シリコン膜と窒化シリコン膜との積層膜を用いることが開示されている。(5)特許文献8には、酸化膜を下層とし、窒化膜を上層(ゲート電極側)とする構成が開示されている。しかしながら、これら(1)〜(5)の構成のゲート絶縁膜は、いずれもオフ電流の低減や絶縁耐圧の確保を実現するうえで、工夫の余地があった。
特許第31313850号明細書
特開平11−281943号公報
特開2000−66239号公報
特開2002−252353号公報
特開平9−252136号公報
特開平8−254713号公報
特開平9−92618号公報
特開平7−115204号公報
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、信頼性及びオフ電流特性に優れ、動作電圧の低電圧化等に有効なゲート絶縁膜の薄膜化を実現することができる薄膜トランジスタを備えた薄膜トランジスタ基板、その製造方法、並びに、それを備える半導体装置及び液晶表示装置を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、ゲート絶縁膜の薄膜化を可能とする薄膜トランジスタ(TFT)の構成について種々検討したところ、ゲート絶縁膜に窒化シリコン膜等の酸化シリコンよりも誘電率が高い材料からなる膜を用いることにまず着目した。しかしながら、この場合には、ゲート絶縁膜の絶縁耐性しいてはTFTの信頼性を向上させることができる反面、オフ電流特性やTFT特性ばらつきの点で改善の余地があった。そこで、酸化シリコン膜が半導体層側に設けられ、酸化シリコンよりも誘電率が高い材料からなる膜がゲート電極側に設けられた2層構造のゲート絶縁膜とし、更に酸化シリコン膜の膜厚を酸化シリコンよりも誘電率が高い材料からなる膜の膜厚よりも大きくすることにより、TFTのオフ電流特性やTFT特性ばらつきの改善が可能となることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明は、半導体層、ゲート絶縁膜及びゲート電極がこの順に積層された構造を基板上に有する薄膜トランジスタ基板であって、上記ゲート絶縁膜は、酸化シリコン膜が半導体層側に設けられ、酸化シリコンよりも誘電率が高い材料からなる膜がゲート電極側に設けられた2層構造を有し、上記酸化シリコン膜は、半導体層とゲート電極とが対向する領域にて、酸化シリコンよりも誘電率が高い材料からなる膜よりも膜厚が大きい薄膜トランジスタ基板である。なお、本発明の薄膜トランジスタ基板は、TFTを基板上に有するものであれば特に限定されないが、液晶表示装置に用いられる周辺回路一体型のアクティブマトリクス基板等に好適に用いられる。
本発明において、上記ゲート絶縁膜は、酸化シリコン膜が半導体層側に設けられ、酸化シリコンよりも誘電率が高い材料からなる膜がゲート電極側に設けられた2層構造を有する。これにより、酸化シリコン膜の単層構造からなるゲート絶縁膜よりも、同じ静電容量での膜厚を大きくすることができるので、ゲート絶縁膜の絶縁耐性を向上させてTFTの信頼性を向上させることができる。また、上記酸化シリコン膜は、酸化シリコンよりも誘電率が高い材料からなる膜よりも膜厚が大きいものである。一般に、窒化シリコン膜等の酸化シリコンよりも誘電率が高い材料からなる膜中には固定電荷が多く含まれているため、ゲート絶縁膜に窒化シリコン等の酸化シリコンよりも誘電率が高い材料を導入したTFTでは、閾値電圧が低電圧側に大きくシフトし、オフ電流が増大する傾向がある。これに対し、本発明では、酸化シリコン膜と酸化シリコンよりも誘電率が高い材料からなる膜との2層構造において、固定電荷が特に酸化シリコン膜と酸化シリコンよりも誘電率が高い材料からなる膜との界面に溜まりやすいことから、半導体層側の酸化シリコン膜の膜厚を酸化シリコンよりも誘電率が高い材料からなる膜よりも大きくしており、固定電荷により発生するTFTのオフ電流を効果的に低減させることができる。
上記酸化シリコン膜を構成する酸化シリコンとしては、例えば、二酸化ケイ素(SiO2)等が挙げられる。上記酸化シリコンよりも誘電率が高い材料からなる膜としては特に限定されないが、窒化シリコン膜が好適に用いられる。窒化シリコン膜を構成する窒化シリコンとしては、例えば、SiNx(xは、任意の数字)等が挙げられ、中でも、四窒化三珪素(Si3N4)、シリコンオキシナイトライド等が好適に用いられる。また、本発明では、窒化シリコン以外の酸化シリコンよりも誘電率が高い材料として、例えば、二酸化チタン(TiO2)、三酸化二アルミニウム(Al2O3)、五酸化二タンタル(Ta2O5)等の酸化タンタル、二酸化ハフニウム(HfO2)、二酸化ジルコニウム(ZrO2)等を用いることができる。上記酸化シリコンよりも誘電率が高い材料からなる膜を構成する材料の誘電率としては、酸化シリコンの誘電率に対して1.5倍以上が好ましい。
また、本発明のTFT基板は、半導体層、ゲート絶縁膜及びゲート電極がこの順に積層された構造、すなわちトップゲート構造を基板上に有するものである。半導体層は、ゲート電極の下の領域にチャネル領域、ゲート電極の下以外の領域にソース・ドレイン領域を有することが好ましい。半導体層を構成する材料としては、低温プロセスで成膜することができるとともに、電界効果移動度に優れることから、連続粒界結晶シリコン(CGシリコン)、多結晶シリコン(ポリシリコン)等が好ましい。なお、半導体層のうち、ソース・ドレイン領域には、通常、不純物がドーピングされる。ゲート電極は、上層ゲート絶縁膜の内部におけるフォノン振動を抑える観点から、金属を含んで構成されることが好ましく、例えば、Al、Ta、W、Mo等を含んだ化合物が用いられる。基板は、絶縁材料により構成されることが好ましく、ガラス等が好適に用いられる。
本発明のTFT基板の構成としては、上述の構成を必須として備えるとともに、TFT基板が通常有する構成要素を備えたものであればよく、その他の構成において特に限定されるものではない。
本発明のTFT基板の構成としては、上述の構成を必須として備えるとともに、TFT基板が通常有する構成要素を備えたものであればよく、その他の構成において特に限定されるものではない。
本発明において、酸化シリコンよりも誘電率が高い材料からなる膜として窒化シリコン膜が用いられる場合には、上記ゲート絶縁膜は、酸化シリコン膜の膜厚をT1とし、窒化シリコン膜の膜厚をT2としたときに、0.3≦T2/T1を満たすことが好ましい。これにより、本発明のTFT基板を液晶表示装置に用いた場合に、パネル初期状態での点欠陥不良やデバイスの信頼性の低下等を防止するのに充分なゲート絶縁膜の絶縁耐性が得られ、歩留りの低下を防ぐことができる。また、ゲート絶縁膜は、0.5≦T2/T1≦0.8を満たすことがより好ましい。0.5≦T2/T1を満たすことにより、ゲート絶縁膜の絶縁耐性をより充分に確保することができる。T2/T1≦0.8を満たすことにより、TFTのオフ電流を充分に低減させることができ、ゲート絶縁膜の薄膜化による閾値電圧の低減も可能となる。その結果、液晶表示装置の消費電力の低減等を実現することができる。
なお、上述の膜厚条件は、Nチャネル型のTFTに設けられるゲート絶縁膜において満たされることが特に好ましい。
なお、上述の膜厚条件は、Nチャネル型のTFTに設けられるゲート絶縁膜において満たされることが特に好ましい。
本発明において、上記ゲート絶縁膜は、酸化シリコン膜の膜厚をT1、酸化シリコンの誘電率をε1とし、酸化シリコンよりも誘電率が高い材料からなる膜の膜厚をt2、酸化シリコンよりも誘電率が高い材料の誘電率をε2としたときに、50nm≦T1+t2×ε1/ε2≦80nmを満たすことが好ましい。すなわち、ゲート絶縁膜の容量は、44.3〜70.8nF/cm2であることが好ましい。このように、T1+t2×ε1/ε2、すなわちゲート絶縁膜のSiO2換算膜厚が上述の関係を満たすことにより、TFTの絶縁耐性やオフ電流特性を充分に確保しつつ、ゲート絶縁膜の薄膜化による閾値電圧の低減を実現することができる。
本発明はまた、上記薄膜トランジスタ基板を製造する方法であって、上記製造方法は、ゲート絶縁膜を構成する酸化シリコン膜と酸化シリコンよりも誘電率が高い材料からなる膜とを連続的に形成する工程を含む薄膜トランジスタ基板の製造方法でもある。これによれば、単層からなるゲート絶縁膜の成膜工程と比べ、特に複雑化させることなく、本発明における2層構造のゲート絶縁膜を形成することができる。したがって、本発明のTFT基板の製造プロセスを簡略化することができ、生産性の確保や、製造コストの増大を防止することができる。また、ゲート絶縁膜の成膜時に、酸化シリコン膜と酸化シリコンよりも誘電率が高い材料からなる膜との界面が汚染されることを防止して、良質なゲート絶縁膜を形成することも可能となる。
本発明はまた、上記薄膜トランジスタ基板を含んで構成された半導体装置又は液晶表示装置でもある。本発明の半導体装置としては、例えば、CMOSを含む回路が形成された装置等が挙げられる。本発明の液晶表示装置としては、例えば、薄膜トランジスタ基板に周辺回路を一体化させたモノリシック液晶表示装置が好適である。本発明の半導体装置及び液晶表示装置によれば、本発明のTFT基板を含んで構成されることから、信頼性を確保したうえで、動作電圧の低電圧化や低電流化を実現することができる。
本発明の薄膜トランジスタ基板によれば、信頼性及びオフ電流特性に優れ、動作電圧の低電圧化等に有効なゲート絶縁膜の薄膜化を実現することができる薄膜トランジスタを備えた薄膜トランジスタ基板を提供することができる。
以下に実施例を掲げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこの実施例のみに限定されるものではない。
<実施例1>
図1は、本発明の一実施形態である薄膜トランジスタ(TFT)基板におけるTFTの構成を示す断面模式図である。図2(a)〜(f)は、本発明の実施例1に係るTFT基板の製造工程フローを示す断面模式図である。
実施例1のTFT基板におけるTFTは、図1に示すように、トップゲート構造を有するTFTであり、ゲート絶縁膜13として、酸化シリコン(SiO2)膜13aと窒化シリコン(SiNx)膜13bとの積層膜が用いられている。具体的には、ガラス基板(絶縁基板)10上に、ベースコート絶縁膜としての酸化シリコン(SiO2)膜11と、チャネル領域17、ソース領域16a及びドレイン領域16bからなる半導体層12と、ゲート絶縁膜13と、ゲート電極14と、層間絶縁膜18とがこの順に積層されるとともに、半導体層12のソース領域16a及びドレイン領域16bが、それぞれコンタクトホール19a,19bを介して、層間絶縁膜18上のソース電極20a及びドレイン電極20bに電気的に接続された構造を有している。
図1は、本発明の一実施形態である薄膜トランジスタ(TFT)基板におけるTFTの構成を示す断面模式図である。図2(a)〜(f)は、本発明の実施例1に係るTFT基板の製造工程フローを示す断面模式図である。
実施例1のTFT基板におけるTFTは、図1に示すように、トップゲート構造を有するTFTであり、ゲート絶縁膜13として、酸化シリコン(SiO2)膜13aと窒化シリコン(SiNx)膜13bとの積層膜が用いられている。具体的には、ガラス基板(絶縁基板)10上に、ベースコート絶縁膜としての酸化シリコン(SiO2)膜11と、チャネル領域17、ソース領域16a及びドレイン領域16bからなる半導体層12と、ゲート絶縁膜13と、ゲート電極14と、層間絶縁膜18とがこの順に積層されるとともに、半導体層12のソース領域16a及びドレイン領域16bが、それぞれコンタクトホール19a,19bを介して、層間絶縁膜18上のソース電極20a及びドレイン電極20bに電気的に接続された構造を有している。
以下に、図2(a)〜(f)に基づき、実施例1のTFT基板におけるTFTの製造方法を説明する。
まず、図2(a)に示すように、ガラス基板10の表面に、ベースコート膜として絶縁膜11を形成した後、アモルファスシリコン(a−Si)膜2を形成する。絶縁膜11としては、SiO2膜やSiNx膜を形成してもよいし、これらの膜の積層体を形成してもよい。a−Si膜2の厚さは、例えば50nmとする。a−Si膜2の形成方法としては特に限定されず、例えば、PCVD(Plasma Chemical Vapor Deposition)法等で形成することができる。
まず、図2(a)に示すように、ガラス基板10の表面に、ベースコート膜として絶縁膜11を形成した後、アモルファスシリコン(a−Si)膜2を形成する。絶縁膜11としては、SiO2膜やSiNx膜を形成してもよいし、これらの膜の積層体を形成してもよい。a−Si膜2の厚さは、例えば50nmとする。a−Si膜2の形成方法としては特に限定されず、例えば、PCVD(Plasma Chemical Vapor Deposition)法等で形成することができる。
続いて、a−Si膜2を結晶化させることにより、ポリシリコン(poly−Si)膜を形成する。具体的には、a−Si膜2の結晶化は、エキシマレーザを用いた光照射によって行うことができる(エキシマレーザアニール法)。または、a−Si膜に対して600℃の熱処理を行うことによって結晶化させてもよい(固相成長法:Solid−phase crystallization)。次いで、poly−Si膜の上にレジスト層を形成し、レジスト層をパターニングマスクとして、ドライエッチングすることにより、poly−Si膜のパターニングを行う。これによって、図2(b)に示すように、島状の半導体層12が得られる。
続いて、図2(c)に示すように、半導体層12を覆うゲート絶縁膜13を形成する。ゲート絶縁膜13は、SiO2膜13aとSiNx膜13bとの積層構造とし、例えば下層のSiO2膜13aの膜厚を50nm、上層のSiNx膜13bの膜厚を40nmとする。このとき、SiO2膜13aとSiNx膜13bとは、同一装置(チャンバー)で連続的に形成することが好ましい。分割して処理すると、SiO2膜13aとSiNx膜13bとの界面が汚染されるおそれもあるため、良質のゲート絶縁膜13を形成するには、連続処理が好ましい。
続いて、図2(d)に示すように、半導体層12のうちチャネル領域となる部分を覆うように、ゲート絶縁膜13の上にゲート電極14を形成する。ゲート電極14は、ゲート絶縁膜13の上に導電膜をスパッタ法又はCVD法等を用いて堆積し、これを所定の形状にパターニングすることによって形成することができる。ゲート電極14の材質としては、例えば、Al、Ta、W、Mo等を含んだ金属化合物が好ましい。
続いて、図2(e)に示すように、ゲート電極14をマスクとして半導体層12に不純物イオン15を注入することにより、ソース領域16a及びドレイン領域16bを形成する。本実施例では、PチャネルのTFTを形成するために、不純物イオン15としてリンイオンを用いた。なお、不純物イオン15としては、リンイオンに限定されない。
続いて、基板表面を覆うように層間絶縁膜18を形成した後、層間絶縁膜18及びゲート絶縁膜13を貫通し、ソース領域16a及びドレイン領域16bにそれぞれ達するコンタクトホール19a及び19bを設ける。最後に、コンタクトホール19a及び19bの内部及び層間絶縁膜18上に、ソース領域16a及びドレイン領域16bとそれぞれ電気的に接続されたソース電極20a及びドレイン電極20bを形成する。このようにして、図2(f)に示すように、TFTが完成する。
なお、TFTを表示領域内のスイッチング素子として用いる場合には、上述した工程の後に、TFTを覆うパッシベーション膜や、ドレイン電極20bに接続された画素電極(ITO電極)を更に形成する。
なお、TFTを表示領域内のスイッチング素子として用いる場合には、上述した工程の後に、TFTを覆うパッシベーション膜や、ドレイン電極20bに接続された画素電極(ITO電極)を更に形成する。
以下に、ゲート絶縁膜13を構成するSiO2膜13aとSiNx膜13bとの膜厚比を変更したときの絶縁破壊電圧及び閾値電圧の挙動について測定した結果を示す。
以下の実験では、図1に示すように、ゲート絶縁膜13について、SiO2膜13aを下層とし、SiNx膜13bを上層とする2層構造を採用した。また、SiO2膜13aの膜厚をT1とし、SiNx膜13bの膜厚をT2としたときの膜厚比T2/T1について、表1に示すように、膜厚70nmの単層SiO2膜を用いたときの静電容量(50.6nF/cm2)と一致させるように変更し、T2/T1と絶縁破壊電圧との関係、及び、T2/T1と閾値電圧との関係について検証した。
以下の実験では、図1に示すように、ゲート絶縁膜13について、SiO2膜13aを下層とし、SiNx膜13bを上層とする2層構造を採用した。また、SiO2膜13aの膜厚をT1とし、SiNx膜13bの膜厚をT2としたときの膜厚比T2/T1について、表1に示すように、膜厚70nmの単層SiO2膜を用いたときの静電容量(50.6nF/cm2)と一致させるように変更し、T2/T1と絶縁破壊電圧との関係、及び、T2/T1と閾値電圧との関係について検証した。
<実験1> SiNx膜/SiO2膜の膜厚比と絶縁破壊電圧との関係の検証
図3は、SiNx膜/SiO2膜の膜厚比と絶縁耐性の指標である絶縁破壊電圧との関係について検証した結果を示すグラフである。
図3より、SiNx膜13bの膜厚が厚くなるに伴い、絶縁破壊電圧が高くなり、絶縁耐性が向上していることが分かる。ここで、液晶表示装置に用いられるTFT基板のTFTに求められる絶縁破壊電圧としては、絶縁破壊に至るまでの電界強度が5〜6MV/cmであるため、本実験のゲート絶縁膜13の膜厚(SiO2換算膜厚70nm相当)では、35〜42Vとなる。この絶縁破壊電圧以上の範囲であれば、パネル初期状態での点欠陥不良やデバイスの信頼性の低下といった歩留りの低下を防ぐことが可能となる。したがって、図3より、0.3≦T2/T1を満たすことが好ましく、0.5≦T2/T1を満たすことがより好ましいことが分かる。
図3は、SiNx膜/SiO2膜の膜厚比と絶縁耐性の指標である絶縁破壊電圧との関係について検証した結果を示すグラフである。
図3より、SiNx膜13bの膜厚が厚くなるに伴い、絶縁破壊電圧が高くなり、絶縁耐性が向上していることが分かる。ここで、液晶表示装置に用いられるTFT基板のTFTに求められる絶縁破壊電圧としては、絶縁破壊に至るまでの電界強度が5〜6MV/cmであるため、本実験のゲート絶縁膜13の膜厚(SiO2換算膜厚70nm相当)では、35〜42Vとなる。この絶縁破壊電圧以上の範囲であれば、パネル初期状態での点欠陥不良やデバイスの信頼性の低下といった歩留りの低下を防ぐことが可能となる。したがって、図3より、0.3≦T2/T1を満たすことが好ましく、0.5≦T2/T1を満たすことがより好ましいことが分かる。
<実験2> SiNx膜/SiO2膜の膜厚比と閾値電圧との関係の検証
図4は、SiNx膜/SiO2膜の膜厚比と閾値電圧(Nch−Vth)との関係について検証した結果を示すグラフである。
図4より、SiNx膜13bの膜厚が厚くなるに伴い、閾値電圧が小さくなり、オフ電流が大きくなることが分かる。液晶表示装置に用いられるTFT基板のTFTにおいては、TFTのゲート電極14に電圧が印加されない状態(Vg=0V)、すなわちオフ状態のTFTにゲート電流が流れることを防止する必要がある。したがって、図4より、T2/T1≦0.8を満たすことが好ましいことが分かる。
図4は、SiNx膜/SiO2膜の膜厚比と閾値電圧(Nch−Vth)との関係について検証した結果を示すグラフである。
図4より、SiNx膜13bの膜厚が厚くなるに伴い、閾値電圧が小さくなり、オフ電流が大きくなることが分かる。液晶表示装置に用いられるTFT基板のTFTにおいては、TFTのゲート電極14に電圧が印加されない状態(Vg=0V)、すなわちオフ状態のTFTにゲート電流が流れることを防止する必要がある。したがって、図4より、T2/T1≦0.8を満たすことが好ましいことが分かる。
2:アモルファスシリコン(a−Si)膜
10:ガラス基板
11:ベースコート絶縁膜
12:半導体層
13:ゲート絶縁膜
13a:酸化シリコン(SiO2)膜
13b:窒化シリコン(SiNx)膜
14:ゲート電極
15:リンイオン(不純物イオン)
16a:ソース領域
16b:ドレイン領域
17:チャネル領域
18:層間絶縁膜
19a,19b:コンタクトホール
20a:ソース電極
20b:ドレイン電極
10:ガラス基板
11:ベースコート絶縁膜
12:半導体層
13:ゲート絶縁膜
13a:酸化シリコン(SiO2)膜
13b:窒化シリコン(SiNx)膜
14:ゲート電極
15:リンイオン(不純物イオン)
16a:ソース領域
16b:ドレイン領域
17:チャネル領域
18:層間絶縁膜
19a,19b:コンタクトホール
20a:ソース電極
20b:ドレイン電極
Claims (8)
- 半導体層、ゲート絶縁膜及びゲート電極がこの順に積層された構造を基板上に有する薄膜トランジスタ基板であって、
該ゲート絶縁膜は、酸化シリコン膜が半導体層側に設けられ、酸化シリコンよりも誘電率が高い材料からなる膜がゲート電極側に設けられた2層構造を有し、
該酸化シリコン膜は、半導体層とゲート電極とが対向する領域にて、酸化シリコンよりも誘電率が高い材料からなる膜よりも膜厚が大きいことを特徴とする薄膜トランジスタ基板。 - 前記酸化シリコンよりも誘電率が高い材料からなる膜は、窒化シリコン膜であることを特徴とする請求項1記載の薄膜トランジスタ基板。
- 前記ゲート絶縁膜は、酸化シリコン膜の膜厚をT1とし、窒化シリコン膜の膜厚をT2としたときに、0.3≦T2/T1を満たすことを特徴とする請求項2記載の薄膜トランジスタ基板。
- 前記ゲート絶縁膜は、0.5≦T2/T1≦0.8を満たすことを特徴とする請求項3記載の薄膜トランジスタ基板。
- 前記ゲート絶縁膜は、酸化シリコン膜の膜厚をT1、酸化シリコンの誘電率をε1とし、酸化シリコンよりも誘電率が高い材料からなる膜の膜厚をt2、酸化シリコンよりも誘電率が高い材料の誘電率をε2としたときに、50nm≦T1+t2×ε1/ε2≦80nmを満たすことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の薄膜トランジスタ基板。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の薄膜トランジスタ基板を製造する方法であって、
該製造方法は、ゲート絶縁膜を構成する酸化シリコン膜と酸化シリコンよりも誘電率が高い材料からなる膜とを連続的に形成する工程を含むことを特徴とする薄膜トランジスタ基板の製造方法。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の薄膜トランジスタ基板を含んで構成されたことを特徴とする半導体装置。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の薄膜トランジスタ基板を含んで構成されたことを特徴とする液晶表示装置。
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