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JP2006202570A - 燃料電池及び燃料電池用配流板 - Google Patents

燃料電池及び燃料電池用配流板 Download PDF

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JP2006202570A
JP2006202570A JP2005011782A JP2005011782A JP2006202570A JP 2006202570 A JP2006202570 A JP 2006202570A JP 2005011782 A JP2005011782 A JP 2005011782A JP 2005011782 A JP2005011782 A JP 2005011782A JP 2006202570 A JP2006202570 A JP 2006202570A
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正樹 市川
Katsuhiro Kajio
克宏 梶尾
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Aisin Seiki Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】生成水の不均一化に起因する水分布の均一性を高めて、発電領域における電流密度分布の均一化に貢献できる燃料電池及び燃料電池用配流板を提供することを課題とする。
【解決手段】燃料電池は、電解質膜と電解質膜を挟持する燃料極及び酸化剤極とを有する膜電極接合体と、燃料極に燃料を供給する燃料通路を有する燃料側配流板と、酸化剤極に酸化剤を供給する酸化剤通路を有する酸化剤側配流板とを備える。燃料側配流板の燃料通路42及び酸化剤側配流板の酸化剤通路のうちの少なくとも一方は屈曲通路を有する。発電領域の投影面積を100%としたとき、燃料通路42を流れる燃料の流れる向きと、酸化剤通路を流れる酸化剤の向きとが逆向きとなる対向流領域が発電領域のうちの70%以上を占める。
【選択図】図3

Description

本発明は、酸化剤ガス通路及び燃料通路を有する燃料電池、燃料電池に用いられる燃料電池用配流板に関する。
特許文献1には、電解質膜を挟むように位置する第1セパレータに縦方向に真っ直ぐに延びる酸化剤ガス通路を形成すると共に第2セパレータに縦方向に真っ直ぐに延びる燃料ガス通路を設け、第1セパレータの酸化剤ガス通路と第2セパレータの燃料ガス通路において、酸化剤ガス及び燃料ガスの流れ方向を互いに対向するように設定している固体高分子型燃料電池が開示されている。このものによれば、電解質膜の均一な湿潤に寄与することができると記載されている。
特許文献2には、同様に、電解質膜を挟むように位置する第1セパレータに縦方向に真っ直ぐに延びるように酸化剤ガス通路を形成すると共に、第2セパレータに縦方向に真っ直ぐに延びるように燃料ガス通路を設け、第1セパレータの酸化剤ガス通路と第2セパレータの燃料ガス通路において、酸化剤ガスの流れ方向及び燃料ガスの流れ方向を互いに対向するように設定している燃料電池が開示されている。
特許文献3には、蛇行しつつ上下方向に沿って形成されているサーペンタイン型の燃料通路をもつ燃料側配流板と、蛇行しつつ上下方向に沿って形成されているサーペンタイン型の酸化剤通路をもつ酸化剤側配流板とを有する燃料電池が開示されている。
特開2003−242998号公報 特開2004−185934号公報 特開2004−119121号公報
ところで燃料電池においては、生成水の分布の均一化が重要である。特許文献1,2によれば、酸化剤ガス通路は真っ直ぐに延びるように形成されているため、発電反応で発生した生成水を良好に排出することができる。
しかしながらガス通路は真っ直ぐに延びるように形成されているため、配流板においてガスの入口や出口を配置する位置の自由度が制約されてしまうおそれがある。殊に、酸化剤として空気を用いる場合には、単位時間あたりの酸化剤流量が大きくなるため、入口や出口の開口面積を大きくする必要があるため、酸化剤の入口や出口を配置する位置の自由度が制約されてしまうことは好ましくない。そこで、酸化剤ガス通路または燃料通路が屈曲通路を有する方式とすれば、屈曲通路の屈曲状態の調整により、上記した自由度を高めることができる。
しかしながら屈曲通路は上記した自由度を高めることができるものの、生成水の排出に対して抵抗性が非屈曲通路に比較して高いため、生成水の分布の不均一化に寄与しがちである。このように生成水の分布が不均一化すると、酸化剤ガス、燃料の円滑な流れが損なわれるので、発電領域における電流密度の分布の不均一化の要因となり易い。
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、屈曲通路を形成する方式において、生成水の不均一化に起因する水分布の均一性を高めて、発電領域における電流密度分布の均一化に貢献できる燃料電池及び燃料電池用配流板を提供することを課題とする。
本発明に係る燃料電池は、イオン伝導性を有する電解質膜と電解質膜を挟持する燃料極及び酸化剤極とを有する膜電極接合体と、
燃料極に燃料を供給する燃料通路を有する燃料側配流板と、
酸化剤極に酸化剤を供給する酸化剤通路を有する酸化剤側配流板とを備える燃料電池において、
燃料側配流板の燃料通路及び酸化剤側配流板の酸化剤通路のうちの少なくとも一方は屈曲通路を有しており、且つ、
燃料極と酸化剤極とが電解質膜を挟んで対向する発電領域の電解質膜に投影する投影面積を100%としたとき、燃料通路を流れる燃料の流れる向きと酸化剤通路を流れる酸化剤の向きとが逆向きとなる対向流領域の投影面積が70%以上を占めることを特徴とするものである。
本発明に係る燃料電池用配流板は、膜電極接合体を構成する燃料極または酸化剤極に燃料または酸化剤を供給すると共に、屈曲通路を有する燃料電池用配流板において、発電領域の投影面積を100%としたとき、燃料の流れる向きと酸化剤の流れる向きとが逆向きとなる対向流領域の投影面積が発電領域の70%以上を占めることを特徴とするものである。
燃料側配流板の燃料通路及び酸化剤側配流板の酸化剤通路のうちの少なくとも一方は、屈曲通路を有する。屈曲通路は、生成水の流れの抵抗となり易く、生成水の分布の不均一化の要因となり易く、電流密度の分布の不均一化となり易い。
この点について本発明によれば、発電領域の投影面積を100%としたとき、燃料通路を流れる燃料の流れる向きと酸化剤通路を流れる酸化剤の向きとが逆向きとなる対向流領域の投影面積が、発電領域のうちの70%以上を占めるように設定されている。対向流領域は、燃料の流れる向きと酸化剤の流れる向きとが逆向きとなる領域である。このような対向流領域では、酸化剤通路の上流が燃料通路の下流に相当すると共に、酸化剤通路の下流が燃料通路の上流に相当する。
対向流領域は、燃料通路を流れる燃料の流れる向きと、酸化剤通路を流れる酸化剤の向きとが逆向きであるため、後述するように水の分散作用を発揮することができる。ここで、対向流領域の面積が発電領域の70%未満であれば、水の分散作用が充分に得られない。水の分散作用を良好に得るためには、対向流領域の面積が発電領域のうちの80%以上、90%以上、95%以上、98%以上、または100%を占めることが好ましい。
このように対向流領域の面積がかなり占めるため、酸化剤通路の下流に溜まった水が電解質膜を浸透して燃料通路側に移行すると、燃料通路を流れる燃料が水を燃料通路の下流側、つまり、酸化剤通路の上流側に移行させることができる。つまり、水の分散作用を良好に発揮することができる。この結果、発電領域における水分布の不均一化が発生することを抑制することができ、生成水の分布の不均一性に起因する電流密度分布の不均一性を抑制でき、発電性能の向上に寄与できる。
本発明に係る燃料電池によれば、燃料通路及び酸化剤通路のうちの少なくとも一方は、屈曲通路を有している。このため燃料の入口や出口、酸化剤の入口や出口を配置する位置の自由度を高めることができる。殊に、酸化剤として空気を用いる場合には、酸化剤の流量が大きくなるため、酸化剤の入口や出口の開口面積を大きくする必要があるが、このように入口や出口の開口面積を大きくする場合であっても、酸化剤通路または燃料通路が屈曲通路を有する方式とすれば、屈曲通路の屈曲状態の調整により、上記した自由度を高めることができる。
本発明に係る燃料電池によれば、発電領域の投影面積を100%としたとき、燃料通路を流れる燃料の流れる向きと酸化剤通路を流れる酸化剤の向きとが逆向きとなる対向流領域の面積が、70%以上を占めるように設定されている。このように発電領域において対向流領域の面積がかなり占める。このため、酸化剤通路の下流に溜まった水が電解質膜を浸透して燃料通路側に移行すると、燃料通路を流れる燃料がその水を燃料通路の下流側に向けて、つまり、酸化剤通路の上流側に向けて移行させることができる。故に、水の分散作用を良好に発揮することができ、水の偏在化を抑制することができる。
この結果、本発明に係る燃料電池によれば、水分布の偏在の要因となる屈曲通路を有しつつも、発電領域における水分布に偏りが発生することを抑制することができ、生成水の分布ムラに起因する発電ムラを低減できる。従って、発電領域が発電するときにおける電流密度の分布の均一性を高めることができ、発電効率を高めることができ、燃料電池の発電性能を向上させるのに貢献することができる。
発電領域は燃料極と酸化剤極とが重なる領域である。発電領域の投影面積を100%としたとき、燃料通路を上向きに流れる燃料の流れる向きと、酸化剤通路を下向きに流れる酸化剤ガスの向きとが逆向きとなる対向流領域の面積が発電領域のうちの70%以上を占めるように設定されている、好ましくは、80%以上、90%以上、95%以上または98%以上を占めるように設定されている。なお、対向流領域の面積は、突起部が配流板に設けられているときには、突起部を含む流路域の面積を意味する。
上記した結果、酸化剤通路の下流に溜まった水が電解質膜を浸透して燃料通路側に移行すると、燃料通路を流れる燃料ガスが水を燃料通路の下流側、つまり、酸化剤通路の上流側に移行させることができる。この結果、発電領域における水分布に偏りが発生することを抑制することができ、発電領域が発電するときにおける電流密度分布の均一性を高めることができ、燃料電池の発電効率を高めることができる。
本発明によれば、酸化剤通路を流れる酸化剤の基本的流れ方向は、上から下に流れる方向であり、燃料通路を流れる燃料の基本的流れ方向は、下から上に流れる方向である形態を採用することができる。生成水は酸化剤極で生成するため、酸化剤通路においてガス通路を水が閉鎖するフラッティングが生じ易いが、前記したように酸化剤の基本的流れ方向が上から下に流れる方向であるため、酸化剤通路における重力を利用した水の排出性を向上させるのに有利である。
本発明によれば、燃料側配流板の燃料通路及び酸化剤側配流板の酸化剤通路のうちの少なくとも一方は、少なくとも2つの屈曲通路を有している形態を採用することができる。この場合、燃料極と酸化剤極とが重なる発電領域は屈曲通路間に配置されている形態を採用することができる。ここで、屈曲通路は水の不均一化の要因、ひいては電流密度分布の不均一化の要因となり易いが、前記したように発電領域を屈曲通路間に配置すれば、水の不均一化に起因する電流密度分布の不均一化を抑制するのに有利となる。
発電領域は対向流領域(のみ)に設けられている形態を採用することができる。後述する実施例で述べるように、燃料極の投影形状は、一端から他端にかけて傾斜する上辺部と、一端から他端にかけて同じ向きに傾斜する下辺部と、縦方向に沿って延設された互いに対向する側辺部とを有しており、酸化剤極の投影形状は、燃料極の投影形状と重なるように、一端から他端にかけて傾斜する上辺部と、一端から他端にかけて同じ向きに傾斜する下辺部と、縦方向に沿って延設された互いに対向する側辺部とを有している形態を採用することができる。
本発明によれば、各燃料通路は、燃料入口から横方向に沿って延設された第1通路と、第1通路に連通すると共に縦方向に沿って延設された第2通路とを有しており、各燃料通路を構成する第1通路の全体幅をLAとし、各燃料通路を構成する第2通路の全体幅をLBとするとき、LA<LBに設定されている形態を採用することができる。
本発明によれば、燃料側配流板の燃料通路は蛇行しつつ上下方向に沿って形成されていると共に、酸化剤側配流板の酸化剤通路は、蛇行しつつ上下方向に沿って形成されている形態を採用することができる。このようにサーペンタイン型にも適用できる。
本発明によれば、燃料側配流板の燃料通路のうち対向流領域以外の部分に、燃料が酸化剤側配流板側に流れることを防止する燃料側シール部が設けられている形態を採用することができる。燃料側シール部はシールプレート及び樹脂シールのうちの少なくとも一つで形成できる。
また、酸化剤側配流板の酸化剤通路のうち対向流領域以外の部分に、酸化剤が燃料側配流板側に流れることを防止する酸化剤側シール部が設けられている形態を採用することができる。なお酸化剤側シール部はシールプレート及び樹脂シールのうちの少なくとも一つで形成できる。
以下、本発明の実施例1について図1〜図7を参照しつつ具体的に説明する。図1は、固体高分子型の燃料電池の概念図を模式的に示す。図1に示すように、燃料電池は、膜電極接合体1を厚み方向の両側から挟持した配流板2とを有するセルを厚み方向に積層して形成されている。膜電極接合体1は、固体高分子型の電解質膜10と、電解質膜10の厚み方向の片側に設けられ導電性及びガス透過性をもつ燃料極11と、電解質膜10の厚み方向の他の片側に設けられ導電性及びガス透過性をもつ酸化剤極12と、燃料極11と電解質膜10との間に介在する燃料極11用の触媒層13と、酸化剤極12と電解質膜10との間に介在する酸化剤極12用の触媒層14とを有する。触媒層13,14は、触媒をカーボン担体に担持した触媒担持カーボンと、電解質部分とを有する。
配流板2は導電性を有する材料、例えばカーボン材料または耐食性が良好な金属材料で形成されており、セパレータとも呼ばれる。図2に示すように、配流板2は、縦長の四角形状をなしており、互いに対向する上辺部20及び下辺部21と、互いに対向する2つの側辺部22,23とを有する。配流板2は突起27を有する。配流板2の突起27は燃料極11や酸化剤極12に接触して電子伝導性を確保するものであり、発電反応で生成した電子を配流板2と燃料極11との間、配流板2と酸化剤極12との間で伝導させることができる。
図2に示すように、酸化剤ガス入口30(酸化剤入口)は、酸化剤ガス(一般的には空気等の酸素含有ガス、あるいは酸素ガス)を流すものであり、配流板2の上辺部20側に横長形状に設けられている。酸化剤ガス出口31(酸化剤出口)は配流板2の下辺部21側に横長形状に設けられている。酸化剤ガス通路32は、酸化剤ガス入口30から酸化剤ガス出口31にかけて断続的に直状に延設された多数の仕切用の突起27により形成された直状の酸化剤ガス通路32を有する。従って、配流板2において、酸化剤ガスは、酸化剤ガス入口30、酸化剤ガス通路32、酸化剤ガス出口31の順に、上から下に向けて下向き(矢印Y1方向)に流れる。よって、配流板2を流れる酸化剤ガスは、配流板2の一面側において上から下に向けて、基本的には下向きに流れる。図2に示すように、酸化剤ガス出口31の開口面積は酸化剤ガス入口30の開口面積よりも大きく設定されている。発電反応で生成した生成水を酸化剤ガス出口31から吐出させることを考慮しているためである。
また、酸化剤ガス通路32に生成水が存在するときであっても、上記したように酸化剤ガス通路32は直状に延設されており、しかも酸化剤ガス出口31は配流板2の下辺部21側に設けられているため、重力を利用してその生成水を下方に排出させる排出性を高めることができる。
酸化剤ガス通路32は前述したように配流板2の一面側に設けられており、仕切用の突起27により、図2に示すように、酸化剤ガス入口30から酸化剤ガス出口31に向けて複数本並行に延設されている。なお、突起27の数が多いのは、電子伝導性を確保するためである。各酸化剤ガス通路32の通路幅は基本的には均等とされている。
図2に示すように、突起27は切欠部28を介して長さ方向に断続されており、上下方向に配置されている。切欠部28が形成されているため、仮に生成水の詰まりが酸化剤ガス通路32に生じたとしても、生成水が詰まった部分を避けるように、酸化剤ガスは切欠部28を介して生成水の詰まり部分を迂回することができ、酸化剤ガスの流れ性が確保されている。
次に燃料の流れについて説明を加える。図3に示すように、燃料入口40は燃料(一般的には水素ガス、水素含有ガス)を流すものであり、配流板2の一方の側辺部22の下側に縦長に設けられている。燃料出口41は、配流板2の他方の側辺部22の上側に縦長に設けられている。
燃料通路42は、酸化剤ガス通路32と表裏の関係となるように酸化剤ガス通路32に対向するように、配流板2の他面側に設けられている。燃料通路42は、燃料入口40から燃料出口41に向けて複数本並行に延設されている。従って、燃料通路42を流れる燃料は、配流板2の他面側において下から上に向けて、基本的には上向き(矢印Y2方向)に流れる。上記したように酸化剤ガスは上向きに流れるため、酸化剤ガスの流れ方向と燃料の流れ方向とは基本的には逆の関係とされている。この場合、次のように生成水の分散作用を期待することができる。 即ち、酸化剤ガスの流れは基本的に下向き(矢印Y1方向)であるため、発電反応に基づいて酸化剤極12で生成した生成水は、下向き(矢印Y1方向)に流れる。このため酸化剤ガス通路32の下部、酸化剤極12の下部が相対的に濡れ気味となり、且つ、酸化剤ガス通路32の上部、酸化剤極12の上部が相対的に乾き気味となる。生成水は電解質膜10を透過して酸化剤極12及び燃料極11との間で往来できる。このため、酸化剤極12の下部及び燃料極11の下部が相対的に濡れ気味となり、酸化剤極12の上部及び燃料極11の上部が相対的に乾き気味となる。換言すれば、酸化剤ガス通路32の下部(下流)及び燃料通路42の下部(上流)が相対的に濡れ気味となり、酸化剤ガス通路32の上部(上流)及び燃料通路42の上部(下流)が相対的に乾き気味となる。
しかしながら本実施例によれば、燃料の流れは、酸化剤ガスの流れ方向と逆であり、基本的には上向き(矢印Y2方向)であるため、燃料通路42の下部(上流)側に存在する生成水を上向きに運び、燃料通路42の上部(下流)に移送させることができる。そして、生成水は電解質膜10を透過して酸化剤極12及び燃料極11との間で往来するため、燃料電池を構成する酸化剤極12及び燃料極11について、上部と下部との間における湿分ムラが低減され、ひいては配流板2の上部と下部との間における発電ムラが低減される。
このように発電ムラを低減させるためには、燃料を上向きに流すべく、燃料通路42の上下方向に沿った縦通路(後述する第2通路42b)の長さを長く設定し、結果として、酸化剤ガス通路32の縦通路部分32xと、燃料通路42の上下方向に沿った縦通路(後述する第2通路42b)との対向長さをできるだけ長くする方が好ましい。以下述べるように本実施例はこのような構造に設定されている。
図3に示すように、燃料通路42について更に説明を加える。各燃料通路42は、燃料入口40から横方向に沿って(つまり下辺部21に沿って)延設された第1通路42aと、第1通路42aの終部に連通すると共に縦方向に沿って(つまり側辺部22,23に沿って)延設された第2通路42bとを有する。更に、各燃料通路42は、第1通路42aと第2通路42bの他に、第2通路42bの上部に連通すると共に横方向に沿って(つまり上辺部20に沿って)延設された第3通路42cとを有する。図3に示すように第1通路42aと第2通路42bとはL字形状とされている。第2通路42bと第3通路42cとはL字形状とされている。
第1通路42a、第2通路42b、第3通路42cは、突起27により延設されている。ここで、配流板2において、燃料は、燃料入口40、第1通路42a、第2通路42b、第3通路42c、燃料出口41の順に上向き(矢印Y2方向)に流れる。
本実施例によれば、図3に示すように、1本の第2通路42bは、電子伝導性を確保する突起としても機能できる分岐壁47(図4にハッチングで示されている領域)により複数に分岐されている。故に、第2通路42bの本数は第1通路42aの本数よりも増加している。つまり図4に示すように、1本の第1通路42aは分岐壁47により2本の第2通路42bに分岐されている。分岐壁47は電子伝導性を確保するため、燃料極11との間の電子伝導性を考慮すれば、数を増加させることが好ましい。
図3に示すように、直状をなす分岐壁47は上端47u及び下端47dをもつ。
複数の分岐壁47についてみると、分岐壁47の下端47dは、図3に示すように、燃料入口40から遠ざかるにつれて下降するように傾斜する仮想傾斜線R1に沿って次第に下降傾斜している。また、分岐壁47の上端47uは、燃料出口41から遠ざかるにつれて上昇するように傾斜する仮想傾斜線R2に沿って次第に上昇傾斜している。図3に示すように、仮想傾斜線R1と仮想傾斜線R2とは互いに平行、あるいは、ほぼ平行とすることができる。
この場合、図3から理解できるように、仮想傾斜線R1と仮想傾斜線R2との上下方向の間隔は、実質的に均等である。従って、直状をなす複数の分岐壁47の上下方向の長さはそれぞれ基本的には同じとされている。なお、仮想傾斜線R1と仮想傾斜線R2とで区画される領域は、図3に示すように平行四辺形またはほぼ平行四辺形とされている。
図3に示すように、第1通路42aと第2通路42bとの連結部分、第2通路42bと第3通路42cとの連結部分は、燃料が流れる燃料通路42が屈曲する屈曲通路49(49d,49u)を構成する。即ち、仮想傾斜線R1及び仮想傾斜線R2に対応する部分は、燃料が流れる燃料通路42が屈曲する屈曲通路49を構成する。このように燃料通路42は屈曲通路49を有している。
図3は、上側の屈曲通路を49uとして、下側の屈曲通路を49dとして示す。このように屈曲通路49(49d,49u)が形成されていれば、配流板2において燃料入口40や燃料出口41を配置する位置を選定するときにおける自由度を高めることができる。ひいては酸化剤ガス入口30や酸化剤ガス出口31を配置する位置の自由度を高めることができる。殊に本実施例では、酸化剤として空気を用いているため、単位時間当たりの酸化剤ガスの流量が大きくなるため、酸化剤ガス入口30や酸化剤ガス出口31の開口面積を大きくする必要があるが、このように開口面積を大きくする場合であっても、屈曲通路49を形成すれば、上記した自由度を高めることができる利点が得られる。
図3に示すように、1本の第1通路42aの通路幅をD1とし、1本の第2通路42bの通路幅をD2、1本の第3通路42cの通路幅をD3として示す。D1>D2の関係、D3>D2の関係、D1≒D3(D1=D3)の関係とされている。但しこれに限定されるものではない。
上記したように1本の第1通路42aが2本の第2通路42bに分岐されている本実施例によれば、図3に示すように、各燃料通路42を構成する第1通路42aで形成された第1通路42a群の全体幅(ガス流れを横断する方向の全体幅)をLAとし、各燃料通路42を構成する第2通路42bで形成された第2通路群の全体幅(ガス流れを横断する方向の全体幅)をLBとするとき、LA<LBの関係に設定されている。また、各燃料通路42を構成する第3通路42cで形成された第3通路群の全体幅をLCとするとき、LC<LBの関係に設定されている。ここで、LA=LC、LA≒LCとされている。
上記したような本実施例によれば、燃料通路42のうち上下方向に延設された第2通路42bと酸化剤ガスのうち上下方向に延設された縦通路部分32xとが対向し合う対向長さM1,M2(図3参照)を増加させることができる。ひいては、燃料通路42のうち上下方向に延設された第2通路42bと酸化剤ガスのうち上下方向に延設された縦通路部分とが対向し合う対向領域SAの面積を増加させることができる。この結果、酸化剤ガスと燃料とが逆向きで流れる対向流領域の面積を増加させることができる。
このため発電反応で発生した生成水が酸化剤ガス通路32の下部に溜まったとしても、その生成水は、電解質膜10を透過し、酸化剤ガス通路32に対面する燃料通路42側に浸透し、更に、燃料通路42を上向き(矢印Y2方向)に流れる燃料により上向き(矢印Y2方向)に移行される。生成水は電解質膜10を透過して酸化剤極12及び燃料極11との間で往来するため、結果として、燃料極11の上部と下部との湿分ムラが低減される。ひいては酸化剤極12の上部と下部との湿分ムラが低減される。このため、配流板2における上部と下部の湿分ムラに起因する発電ムラが低減される。
なお図2,図3に示すように、配流板2には、燃料電池を冷却させるための冷却水を流入させる冷却水入口50が形成されていると共に、冷却水を流出させる冷却水出口51が形成されている。冷却水入口50及び冷却水出口51に連通する冷却水通路は図略の配流板に形成されている。
さて本実施例によれば、燃料極11と酸化剤極12とが電解質膜10を挟んで対向する発電領域は、燃料極11の投影形状と酸化剤極12の投影形状とが重なる領域である。酸化剤極12の投影面積と燃料極11の投影面積とは基本的には同一とされている。このような発電領域は、燃料が流れる燃料通路42の屈曲通路49に対応する仮想傾斜線R1と仮想傾斜線R2との間に設けられている。ここで本実施例によれば、発電領域の投影面積を100%としたとき、燃料通路42を上向きに流れる燃料の流れる向きと、酸化剤ガス通路32を下向きに流れる酸化剤の向きとが逆向きとなる対向流領域の面積が、90%以上または95%以上を占めるように設定されている。殊に本実施例によれば、燃料極11と酸化剤極12とが重なる発電領域は、上側の屈曲通路49uと下側の屈曲通路49dと間に配置されており、対向流領域(のみ)に設けられている。
ここで、対向流領域は、燃料通路を流れる燃料の流れる向きと、前記酸化剤通路を流れる酸化剤の向きとが逆向きであるため、生成水の分散作用を発揮することができる。
図5に示すように、燃料極11の投影形状は、一端から他端にかけて仮想傾斜線R2に沿って傾斜する上辺部11uと、一端から他端にかけて同じ向きに仮想傾斜線R1に沿って傾斜する下辺部11dと、縦方向に沿って延設された互いに対向する側辺部11s,11tとを有する。したがって燃料極11の投影形状は、平行四辺形状またはほぼ平行四辺形状をなす。燃料極11の投影形状は、燃料極11の面垂直方向に沿って光を当てたときにおける投影形状を意味する。
酸化剤極12の投影形状は、燃料極11の投影形状と重合するように、一端から他端にかけて傾斜する仮想傾斜線R2に沿って上辺部12uと、一端から他端にかけて同じ向きに仮想傾斜線R1に沿って傾斜する下辺部12dと、縦方向に沿って延設された互いに対向する側辺部12s,12tとを有する。したがって酸化剤極12の投影形状は、平行四辺形状またはほぼ平行四辺形状をなす。酸化剤極12の投影形状は、燃料極11の面垂直方向に沿って燃料極11の投影形状と同じ方向から光を当てたときにおける投影形状を意味する。
本実施例によれば、図6に示すように、燃料側配流板2(2A)の燃料通路42のうち対向流領域以外の部分に、燃料側シール部としての燃料側シールプレート60が設けられている。燃料側シールプレート60は、燃料が酸化剤側配流板2(2B)側に流れることを防止する機能を有する。
また酸化剤側配流板2(2B)の酸化剤ガス通路32のうち対向流領域以外の部分に、酸化剤側シール部としての酸化剤側シールプレート62が設けられている。酸化剤側シールプレート62は、酸化剤ガスが燃料側配流板2(2A)に流れることを防止する機能を有する。燃料側シールプレート60と酸化剤側シールプレート62とは樹脂バインダ層64で一体的に結合されている。
図7に示すように、燃料側配流板2(2A)の燃料通路42に連通する燃料入口40には、燃料側シール部としての燃料側シールプレート70が設けられている。燃料側シールプレート70は、燃料が酸化剤側配流板側2(2B)に流れることを防止する機能を有する。また酸化剤側配流板2(2B)の酸化剤ガス通路32に連通する酸化剤ガス出口31には、酸化剤側シール部としての酸化剤側シールプレート72が設けられている。酸化剤側シールプレート72は、酸化剤ガスが燃料側配流板2(2A)に流れることを防止する機能を有する。燃料側シールプレート70と酸化剤側シールプレート72とは樹脂バインダ層74で一体的に結合されている。
図5は燃料側シールプレート60の投影形状を示す。図5に示すように、燃料側シールプレート60の投影形状は、一端から他端にかけて仮想傾斜線R2に沿って傾斜する下辺部60dを備えるほぼ三角形状をなす。同様に、酸化剤側シールプレート62の投影形状は、一端から他端にかけて仮想傾斜線R2に沿って傾斜する上辺部62dを備えるほぼ三角形状をなす。
図5は燃料側シールプレート70の投影形状を示す。図5に示すように、燃料側シールプレート70の投影形状は、一端から他端にかけて仮想傾斜線R1に沿って傾斜する上辺部70dを備えるほぼ三角形状をなす。同様に、酸化剤側シールプレート72の投影形状は、一端から他端にかけて仮想傾斜線R1に沿って傾斜する上辺部72dを備えるほぼ三角形状をなす。
前記した屈曲通路49(49u,49d)は水の排出の抵抗となるため、水が溜まり易く、水分布の不均一化の要因、ひいては電流密度分布の不均一化の要因となり易い。この点本実施例によれば、燃料電池の発電領域は燃料極11と酸化剤極12とが重なる領域である。ここで、発電領域の投影面積を100%としたとき、燃料通路42を上向きに流れる燃料の流れる向きと、酸化剤ガス通路32を下向きに流れる酸化剤ガスの向きとが逆向きとなる対向流領域の面積が、発電領域の90%以上または95%以上を占めるように設定されている。殊に本実施例によれば、燃料極11の投影形状と酸化剤極12の投影形状とが重なる発電領域は、仮想傾斜線R1と仮想傾斜線R2との間に形成されており、対向流領域(のみ)に設けられている。ここで対向流領域は生成水を分散させる作用を有する。
このような本実施例によれば、酸化剤ガス通路32の下流に溜まった水が電解質膜10を浸透して燃料通路42側に移行すると、燃料通路42を流れる燃料ガスが水を燃料通路42の下流側、つまり、酸化剤ガス通路32の上流側に移行させることができる。この結果、発電領域における水分布に不均一性が発生することを抑制することができ、発電領域が発電するときにおける電流密度の分布の均一性を高めることができ、発電効率を高めることができる。
図8及び図9は実施例2を示す。本実施例は前記した実施例1と基本的には同様の構成、作用効果を有する。図8(A)は酸化剤側配流板2Bを示す。図8(A)に示すように、酸化剤側配流板2Bのカソード流路である酸化剤ガス通路32はサーペンタイン型であり、屈曲通路39a,39bを介して蛇行しつつ形成されている。
酸化剤ガス入口30は、酸化剤ガス(一般的には空気等の酸素含有ガス、あるいは酸素ガス)を流すものであり、配流板2(2B)の上部側に設けられている。酸化剤ガス出口31は配流板2(2B)の下部側に設けられている。酸化剤ガス通路32は、酸化剤ガス入口30から酸化剤ガス出口31にかけて延設された多数の仕切用の突起27により形成されている。従って、配流板2(2B)において、酸化剤ガスは、酸化剤ガス入口30、酸化剤ガス通路32、酸化剤ガス出口31の順に、上から下に向けて蛇行しつつ下向きに流れる。よって、配流板2(2B)を流れる酸化剤ガスは、配流板2(2B)の他面側において上から下に向けて、基本的には下向き(矢印Y4方向)に流れる。重力を利用して生成水の排出性を高めるためである。
また、酸化剤ガス通路32に生成水が存在するときであっても、上記したように酸化剤ガス出口31は配流板2の下部側に設けられているため、重力を利用してその生成水を排出させる排出性を高めることができる。
図9(A)は燃料側配流板2Aを示す。図9(A)に示すように、燃料側配流板2Aのアノード流路である燃料通路42はサーペンタイン型であり、屈曲通路49a,49b,49c,49dを介して蛇行しつつ形成されている。燃料通路42は、酸化剤ガス通路32と表裏の関係となるように酸化剤ガス通路32に対向するように、配流板2の一面側に設けられている。燃料通路42を流れる燃料は、配流板2(2A)において下から上に向けて蛇行しつつ、基本的には上向き(矢印Y5方向)に流れる。上記したように酸化剤ガスは下向きに流れるため、酸化剤ガスの流れ方向と燃料の流れ方向とは、基本的には逆の関係とされている。この場合、前記したように生成水を分散させる作用を期待することができる。
即ち、酸化剤ガスの流れは下向きであるため、発電反応に基づいて酸化剤極12で生成した生成水は、重力を利用して下向きに流れる。このため酸化剤ガス通路32の下部、酸化剤極12の下部が相対的に濡れ気味となり、且つ、酸化剤ガス通路32の上部、酸化剤極12の上部が相対的に乾き気味となる。生成水は電解質膜10を透過して酸化剤極12及び燃料極11との間で往来できる。このため、酸化剤極12の下部及び燃料極11の下部が相対的に濡れ気味となり、酸化剤極12の上部及び燃料極11の上部が相対的に乾き気味となる。換言すれば、酸化剤ガス通路32の下部(下流)及び燃料通路42の下部(上流)が相対的に濡れ気味となり、酸化剤ガス通路32の上部(上流)及び燃料通路42の上部(下流)が相対的に乾き気味となる。
しかし本実施例によれば、燃料の流れは基本的には上向きであるため、燃料通路42の下部側に存在する生成水を上向きに運び、燃料通路42の上部(下流)に移送させることができる。そして、生成水は電解質膜10を透過して酸化剤極12及び燃料極11との間で往来するため、酸化剤極12及び燃料極11について上部と下部との間における水の不均一化、湿分ムラが低減される。ひいては配流板2の上部と下部との間における電流密度の分布の不均一性が低減される。このように電流密度の分布の不均一性を低減させるためには、発電領域の投影面積を100%としたとき、燃料通路42を流れる燃料の流れる向きと、酸化剤ガス通路32を流れる酸化剤の向きとが逆向きとなる対向流領域の割合を増加させることが好ましい。
本実施例によれば、発電領域の投影面積を100%としたとき、燃料通路42を上向きに流れる燃料の流れる向きと、酸化剤ガス通路32を下向きに流れる酸化剤ガスの向きとが逆向きとなる対向流領域の面積が、発電領域のうちの90%以上または95%以上を占めるように(実質的に100%)設定されている。従って、発電領域は対向流領域(のみに)設けられているといえる。
即ち、図8(B)に示すように、酸化剤極12の投影形状は当該対向流領域と重なるように設定されている。図9(B)に示すように、燃料極11の投影形状は当該対向流領域と重なるように設定されている。
図8(B)及び図9(B)に示すように、酸化剤極12及び燃料極11は投影面積が基本的には同一とされている。酸化剤極12の投影形状は、酸化剤極12の面垂直方向に沿って光を当てたときにおける投影形状を意味する。燃料極11の投影形状は、燃料極11の面垂直方向に沿って光を当てたときにおける投影形状を意味する。上記したように本実施例によれば、発電領域は当該対向流領域と重なるように設定されており、当該対向流領域(のみに)設けられている。
本実施例によれば、図10に示すように、燃料側配流板2(2A)の燃料通路42のうち対向流領域以外の部分に、燃料側シール部としての燃料側シールプレート60が設けられている。燃料側シールプレート60は、燃料が酸化剤側配流板2(2B)側に流れることを防止する機能を有する。また図10に示すように、酸化剤側配流板2(2B)の酸化剤ガス通路32のうち対向流領域以外の部分に、酸化剤側シール部としての酸化剤側シールプレート62が設けられている。酸化剤側シールプレート62は、酸化剤が燃料側配流板2(2A)に流れることを防止する機能を有する。燃料側シールプレート60及び酸化剤側シールプレート62は樹脂バインダ層64で結合されている。
同様に、特に図示はしないものの、燃料側配流板2(2A)の燃料通路42のうち対向流領域以外の部分に、燃料側シールプレートが設けられている。また酸化剤側配流板2(2B)の酸化剤ガス通路32のうち対向流以外の部分に、酸化剤側シールプレートが設けられている。
(他の例)
その他、本発明は上記しかつ図面に示した実施例のみに限定されるものでなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものである。実施例では、一面に酸化剤流路、他面に燃料流路が形成された配流板で説明したが、これに限らず、一面に酸化剤流路が形成された配流板、一面に燃料流路が形成された配流板に適用してもよい。
本発明は例えば車両用、定置用、携帯用、電気機器用、電子機器用等の燃料電池発電システムに利用することができる。
燃料電池の内部構造を模式的に示す概念図である。 配流板の酸化剤ガス通路側を模式的に示す正面図である。 配流板の燃料通路側を模式的に示す正面図である。 配流板の燃料通路側を拡大して模式的に示す部分正面図である。 燃料極及び酸化剤極とが重合する発電領域を模式的に示す正面図である。 燃料出口付近を模式的に示す断面図である。 燃料入口付近を模式的に示す断面図である。 (A)は配流板の酸化剤ガス通路側を模式的に示す正面図であり、(B)は配流板及び酸化剤極を模式的に示す正面図である。 (A)は配流板の燃料通路側を模式的に示す正面図であり、(B)は配流板及び燃料極を模式的に示す正面図である。 シールプレート付近を模式的に示す断面図である。
符号の説明
図中、11は燃料極、12は酸化剤極、2は配流板、20は上辺部、21は下辺部、22は側辺部、30は酸化剤ガス入口、31は酸化剤ガス出口、32は酸化剤ガス通路、40は燃料入口、41は燃料出口、42は燃料通路、42aは第1通路、42bは第2通路、42cは第3通路、60及び70は燃料側シールプレート(燃料側シール部)、62及び72は酸化剤側シールプレート(酸化剤側シール部)、64は及び74は樹脂バインダ層を示す。

Claims (11)

  1. イオン伝導性を有する電解質膜と前記電解質膜を挟持する燃料極及び酸化剤極とを有する膜電極接合体と、
    前記燃料極に燃料を供給する燃料通路を有する燃料側配流板と、
    前記酸化剤極に酸化剤を供給する酸化剤通路を有する酸化剤側配流板とを備える燃料電池において、
    前記燃料側配流板の前記燃料通路及び前記酸化剤側配流板の前記酸化剤通路のうちの少なくとも一方は屈曲通路を有しており、且つ、
    前記燃料極と前記酸化剤極とが前記電解質膜を挟んで対向する発電領域の前記電解質膜に投影する投影面積を100%としたとき、前記燃料通路を流れる燃料の流れる向きと前記酸化剤通路を流れる酸化剤の向きとが逆向きとなる対向流領域の投影面積が70%以上を占めることを特徴とする燃料電池。
  2. 請求項1において、前記酸化剤通路を流れる酸化剤の基本的流れ方向は、上から下に流れる方向であり、前記燃料通路を流れる燃料の基本的流れ方向は、下から上に流れる方向であることを特徴とする燃料電池。
  3. 請求項1または2において、前記燃料側配流板の前記燃料通路及び前記酸化剤側配流板の前記酸化剤通路のうちの少なくとも一方は、少なくとも2つの屈曲通路を有しており、前記発電領域は前記屈曲通路間に配置されていることを特徴とする燃料電池。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項において、前記発電領域は前記対向流領域のみに設けられていることを特徴とする燃料電池。
  5. 請求項1〜4のうちのいずれか一項において、前記燃料極の投影形状は、一端から他端にかけて傾斜する上辺部と、一端から他端にかけて同じ向きに傾斜する下辺部と、縦方向に沿って延設された互いに対向する側辺部とを有しており、
    前記酸化剤極の投影形状は、前記燃料極の投影形状と重なるように、一端から他端にかけて傾斜する上辺部と、一端から他端にかけて同じ向きに傾斜する下辺部と、縦方向に沿って延設された互いに対向する側辺部とを有していることを特徴とする燃料電池。
  6. 請求項1〜5のうちのいずれか一項において、各前記燃料通路は、前記燃料入口から横方向に沿って延設された第1通路と、前記第1通路に連通すると共に縦方向に沿って延設された第2通路とを有しており、
    各前記燃料通路を構成する前記第1通路の全体幅をLAとし、各前記燃料通路を構成する前記第2通路の全体幅をLBとするとき、LA<LBに設定されていることを特徴とする燃料電池。
  7. 請求項1〜6のうちのいずれか一項において、前記燃料側配流板の前記燃料通路は、屈曲通路を介して蛇行しつつ上下方向に沿って形成されていると共に、
    前記酸化剤側配流板の前記酸化剤通路は、屈曲通路を介して蛇行しつつ上下方向に沿って形成されていることを特徴とする燃料電池。
  8. 請求項1〜7のうちのいずれか一項において、前記燃料側配流板の前記燃料通路のうち前記対向流領域以外の部分に、燃料が前記酸化剤側配流板側に流れることを防止する燃料側シール部が設けられていることを特徴とする燃料電池。
  9. 請求項1〜8のうちのいずれか一項において、前記酸化剤側配流板の前記酸化剤通路のうち前記対向流領域以外の部分に、酸化剤が前記燃料側配流板側に流れることを防止する酸化剤側シール部が設けられていることを特徴とする燃料電池。
  10. 膜電極接合体を構成する燃料極または酸化剤極に燃料または酸化剤を供給すると共に、屈曲通路を有する燃料電池用配流板において、
    前記燃料極と前記酸化剤極とが前記電解質膜を挟んで対向する発電領域の前記電解質膜に投影する投影面積を100%としたとき、燃料の流れる向きと酸化剤の流れる向きとが逆向きとなる対向流領域の投影面積が70%以上を占めることを特徴とする燃料電池用配流板。
  11. 請求項10において、少なくとも2つの屈曲通路を有しており、前記発電領域は前記屈曲通路間に配置されていることを特徴とする燃料電池用配流板。
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