JP2006135136A - 電磁波吸収シートの製造方法、粉体の選別方法、電磁波吸収シート - Google Patents
電磁波吸収シートの製造方法、粉体の選別方法、電磁波吸収シート Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 電磁波吸収シートの特性をより一層向上させることのできる電磁波吸収シートの製造方法等を提供することを目的とする。
【解決手段】 粉砕工程を経て粉砕扁平化処理した処理粉P0を遠心風力式の選別装置50に投入し、チャンバ51内で旋回する気流中で作用する遠心力と抗力の差により、扁平状軟磁性金属粉P1と未扁平粉P2とに選別するようにした。そして、未扁平粉P2を除去し、扁平状軟磁性金属粉P1を用いて電磁波吸収シートを形成することで、その特性を向上させる。また、選別された未扁平粉P2は、粉砕工程の原料粉として再利用するのが好ましい。
【選択図】図4
【解決手段】 粉砕工程を経て粉砕扁平化処理した処理粉P0を遠心風力式の選別装置50に投入し、チャンバ51内で旋回する気流中で作用する遠心力と抗力の差により、扁平状軟磁性金属粉P1と未扁平粉P2とに選別するようにした。そして、未扁平粉P2を除去し、扁平状軟磁性金属粉P1を用いて電磁波吸収シートを形成することで、その特性を向上させる。また、選別された未扁平粉P2は、粉砕工程の原料粉として再利用するのが好ましい。
【選択図】図4
Description
本発明は、電磁ノイズ対策部品等に用いられる電磁波吸収シートの製造方法等に関する。
パーソナルコンピュータ、ゲーム機器あるいは携帯情報端末に代表されるデジタル電子機器をはじめとする電子装置は、回路の高周波化、高性能化に伴い高密度化が進行しており、受動素子が半導体素子などノイズを放射する能動素子の影響を受けやすくなっている。従来、この対策として、フェライトコアや準マイクロ波帯に対応する電波吸収体が利用されているが、電子機器の小型化に伴い、ノイズ対策部品の小型化、薄型化、高性能化が要求されている。
一方、EMC規格を満たすために、100MHz近傍の比較的低い周波数でのノイズ規格を満たすことが重要課題となっており、この帯域に対応した電波吸収体や小型EMI対策部品の需要が拡大している。
これに対応し、扁平状磁性粉を焼鈍処理して残留応力を低減させた後に面内方向に配向させ、有機結合剤のガラス転移温度Tg以上の温度においてシート面に垂直の方向に加圧することにより、共鳴周波数の低周波化を図り100MHz以下の周波数で高い透磁率を達成し得る複合磁性体シートの製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、このような有機結合剤と扁平状磁性粉の複合磁性体シートの透磁率は、100MHzで高々30程度であり、高透磁率を得るのは困難である。
これに対応し、扁平状磁性粉を焼鈍処理して残留応力を低減させた後に面内方向に配向させ、有機結合剤のガラス転移温度Tg以上の温度においてシート面に垂直の方向に加圧することにより、共鳴周波数の低周波化を図り100MHz以下の周波数で高い透磁率を達成し得る複合磁性体シートの製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、このような有機結合剤と扁平状磁性粉の複合磁性体シートの透磁率は、100MHzで高々30程度であり、高透磁率を得るのは困難である。
また、扁平状の軟磁性粉を用い、押し出し成型により板状に成型することを特徴とする圧粉磁心の製造方法も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。この方法では、扁平状軟磁性粉が押し出し方向に配向するために透磁率を高くできる利点があるが、厚さが0.4mmよりも薄いシートを製造しようとすると、狭ノズルから押し出すと同時にテンションを加えて引き取って薄くする必要があり、高透磁率化が困難になる。即ち、狭ノズルからの押し出しの際に引き取れるだけの柔軟性を付与するために樹脂量を多くして、押し出し温度での粘性を下げる必要があり、このため磁性粉の充填量が減少して高透磁率が得られないのである。
また、押し出しによらず、印刷積層法やドクターブレード法により薄くする方法も提案されている(例えば、特許文献3、4参照。)。
特許文献3に開示されているのは、アスペクト比が5〜40である扁平状の軟磁性金属粉とバインダーとを用いて印刷積層法によって厚さ500μm以下のシートを作製し、このシートを厚さ10mm以下に重ねてさらに加圧成型し打ち抜いて磁心とする方法である。しかし、この方法を用いても溶剤以外に多量の有機バインダーを使用するため、軟磁性金属粉の占積率を75%よりも高くすることが困難であり、また、成型に伴う応力劣化を避けることができず、残留応力を効果的に取り除くことのできる熱処理も施せないため、結果として100MHz付近の高周波において高い透磁率を得ることができない。
また、特許文献4には、扁平状軟磁性粉と結合剤、溶媒からなるスラリー状の混和物から成膜を行う複合磁性体の製造方法が開示されており、この方法において、応力歪みを除去した扁平状軟磁性粉に再び応力歪みを加えないよう複合磁性体を製造することを特徴としているが、このように扁平粉自体に変形応力を加えない方法では、材料の占積率を大きくすることは困難であるうえ、樹脂の硬化収縮による応力発生は原理的に避けることができないなどの欠点を有しているため、100MHz付近の高周波で高い透磁率を得ることが期待できない。
特許文献3に開示されているのは、アスペクト比が5〜40である扁平状の軟磁性金属粉とバインダーとを用いて印刷積層法によって厚さ500μm以下のシートを作製し、このシートを厚さ10mm以下に重ねてさらに加圧成型し打ち抜いて磁心とする方法である。しかし、この方法を用いても溶剤以外に多量の有機バインダーを使用するため、軟磁性金属粉の占積率を75%よりも高くすることが困難であり、また、成型に伴う応力劣化を避けることができず、残留応力を効果的に取り除くことのできる熱処理も施せないため、結果として100MHz付近の高周波において高い透磁率を得ることができない。
また、特許文献4には、扁平状軟磁性粉と結合剤、溶媒からなるスラリー状の混和物から成膜を行う複合磁性体の製造方法が開示されており、この方法において、応力歪みを除去した扁平状軟磁性粉に再び応力歪みを加えないよう複合磁性体を製造することを特徴としているが、このように扁平粉自体に変形応力を加えない方法では、材料の占積率を大きくすることは困難であるうえ、樹脂の硬化収縮による応力発生は原理的に避けることができないなどの欠点を有しているため、100MHz付近の高周波で高い透磁率を得ることが期待できない。
従来の技術は、いずれも扁平状軟磁性金属粉の残留応力を小さくした後、成型工程において、この扁平状軟磁性金属粉に過大な応力が加わらないよう配慮することに重点がおかれた技術思想に基づくものであり、このような技術思想では実質的に金属粉の占積率を大きくできないうえ、成型体の残留応力が小さくならないという二重の欠点を有しており、数十MHz〜数GHz帯に至る高周波での複素透磁率の向上に限界があった。
これに対し、本発明者らは、表面に絶縁膜が形成された扁平状軟磁性金属粉を圧接接合し、扁平状軟磁性金属粉が構成する軟磁性金属相の間に、絶縁膜が構成する絶縁相が介在することで構成された複合磁性体を既に提案した(特許文献5参照。)。このような複合磁性体によれば、複合磁性体に対する軟磁性金属相の占積率を50%以上とすることができ、また、複合磁性体を、厚さが5μm〜0.4mmのシート状とすることを可能とした。
このような複合磁性体においては、その特性の向上が常に望まれている。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、電磁波吸収シートの特性をより一層向上させることのできる電磁波吸収シートの製造方法等を提供することを目的とする。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、電磁波吸収シートの特性をより一層向上させることのできる電磁波吸収シートの製造方法等を提供することを目的とする。
本発明者らは、特性のさらなる向上を目指し、上記のような電磁波吸収シートの製造過程の各部について、鋭意検討を重ねた。
その過程で、扁平状軟磁性金属粉を作製した時点で、この扁平状軟磁性金属粉には、扁平化が十分ではないもの(以下、これを「未扁平粉」と称する)が混在しており、この未扁平粉が特性劣化に大きな影響を及ぼしているのを見出した。
そこでなされた本発明の電磁波吸収シートの製造方法は、原料粉を粉砕・扁平化処理し、処理粉を得る工程と、処理粉を、所定以上のアスペクト比を有した軟磁性金属粉(a)と、所定未満のアスペクト比の軟磁性金属粉(b)とに選別する工程と、軟磁性金属粉(a)の表面に絶縁膜を形成する工程と、絶縁膜が形成された軟磁性金属粉(a)を堆積させ、加圧力を付与することによって軟磁性金属粉(a)同士を接合してシート状生成物を生成する工程と、シート状生成物を熱処理する工程と、を備えることを特徴とする。
このようにして、処理粉から、所定未満のアスペクト比の軟磁性金属粉(b)を除去し、軟磁性金属粉(a)のみを用いて電磁波吸収シートを得ることで、その特性を向上させることができる。
その過程で、扁平状軟磁性金属粉を作製した時点で、この扁平状軟磁性金属粉には、扁平化が十分ではないもの(以下、これを「未扁平粉」と称する)が混在しており、この未扁平粉が特性劣化に大きな影響を及ぼしているのを見出した。
そこでなされた本発明の電磁波吸収シートの製造方法は、原料粉を粉砕・扁平化処理し、処理粉を得る工程と、処理粉を、所定以上のアスペクト比を有した軟磁性金属粉(a)と、所定未満のアスペクト比の軟磁性金属粉(b)とに選別する工程と、軟磁性金属粉(a)の表面に絶縁膜を形成する工程と、絶縁膜が形成された軟磁性金属粉(a)を堆積させ、加圧力を付与することによって軟磁性金属粉(a)同士を接合してシート状生成物を生成する工程と、シート状生成物を熱処理する工程と、を備えることを特徴とする。
このようにして、処理粉から、所定未満のアスペクト比の軟磁性金属粉(b)を除去し、軟磁性金属粉(a)のみを用いて電磁波吸収シートを得ることで、その特性を向上させることができる。
ところで、従来より、扁平状軟磁性金属粉の作製工程では、扁平状軟磁性金属粉の粒度を揃えるため、篩等を用い、扁平状軟磁性金属粉の分級を行っていた。しかし、篩による分級では、扁平状軟磁性金属粉だけでなく、未扁平粉も篩を通過してしまい、未扁平粉の除去は困難である。
そこで、処理粉を選別する工程は、処理粉を、チャンバ内で旋回する気流中に投入して行うのが好ましい。処理粉を、チャンバ内で旋回する気流中に投入すると、アスペクト比の違いにより遠心力に対する抗力が異なるため、アスペクト比の小さな処理粉は、より大きな抗力を受けるアスペクト比の大きい処理粉よりもチャンバ内で外周側に容易に移動する。これによって、チャンバ内の内周部から軟磁性金属粉(a)を回収し、チャンバ内の外周部から軟磁性金属粉(b)を回収することができる。
そこで、処理粉を選別する工程は、処理粉を、チャンバ内で旋回する気流中に投入して行うのが好ましい。処理粉を、チャンバ内で旋回する気流中に投入すると、アスペクト比の違いにより遠心力に対する抗力が異なるため、アスペクト比の小さな処理粉は、より大きな抗力を受けるアスペクト比の大きい処理粉よりもチャンバ内で外周側に容易に移動する。これによって、チャンバ内の内周部から軟磁性金属粉(a)を回収し、チャンバ内の外周部から軟磁性金属粉(b)を回収することができる。
ところで、処理粉から軟磁性金属粉(a)を回収することで残る軟磁性金属粉(b)は、原料粉とほぼ同形状を維持していることが分かった。そこで、この軟磁性金属粉(b)を、処理粉を得る工程における原料粉として再利用することができる。これにより、軟磁性金属粉(b)を廃棄することなく、有効利用を図ることができる。
さて、上記したような、チャンバ内で旋回する気流中に投入し、遠心力を用いて選別を行うという技術思想は、軟磁性金属粉(a)、(b)に限らず、様々な粉体の選別にも適用することができる。
すなわち、本発明は、形状が互いに異なる第一の粉体と第二の粉体の混合物を、チャンバ内で旋回する気流中に投入し、チャンバ内の内周部から第一の粉体を回収し、チャンバ内の外周部から第二の粉体を回収することによって、第一の粉体と第二の粉体を選別することを特徴とする粉体の選別方法、とすることもできる。
この場合、形状が互いに異なる第一の粉体と第二の粉体は、第一の粉体と第二の粉体に対して気流中で作用する遠心力と抗力の差により、第一の粉体と第二の粉体を選別することができる。
形状の違いにより気流中で作用する抗力が異なるのであれば、第一の粉体と第二の粉体はいかなるものであっても良いが、第一の粉体が、第二の粉体よりもアスペクト比が大きいものである場合に、本発明は特に有効である。このような、アスペクト比が異なる第一の粉体と第二の粉体をチャンバ内で旋回する気流中に投入すると、前記したように、遠心力に対する抗力の違いから、アスペクト比の小さな第二の粉体が遠心力によってチャンバ内で外周部に容易に移動し、第二の粉体よりもアスペクト比が大きい第一の粉体を、チャンバ内の内周部から回収できるのである。
なお、第一の粉体と第二の粉体は、ほぼ同じ質量を有しているものであるのが好ましい。すなわち、ほぼ同径で、同材質の原料粉を扁平化した場合における選別に本方法を有効に適用できる。もちろん、混合物からアスペクト比が大きい第一の粉体を回収する場合だけでなく、アスペクト比の小さな第二の粉体を回収することを目的とする場合にも本方法は有効である。
もちろん、本方法は、混合物が、電磁波吸収シートにおいて電磁波吸収性能を有する磁性層の原料となる軟磁性金属粉であり、扁平状軟磁性金属粉を、扁平化が十分でないものから選別する場合に特に有効であるのは言うまでも無い。
なお、本発明においては、気流を用いて選別を行うという性質上、完全なる選別ができるとは限らず、選別後において、多少の軟磁性金属粉(a)と軟磁性金属粉(b)の混在、第一の粉体と第二の粉体の混在を許容するものとする。
すなわち、本発明は、形状が互いに異なる第一の粉体と第二の粉体の混合物を、チャンバ内で旋回する気流中に投入し、チャンバ内の内周部から第一の粉体を回収し、チャンバ内の外周部から第二の粉体を回収することによって、第一の粉体と第二の粉体を選別することを特徴とする粉体の選別方法、とすることもできる。
この場合、形状が互いに異なる第一の粉体と第二の粉体は、第一の粉体と第二の粉体に対して気流中で作用する遠心力と抗力の差により、第一の粉体と第二の粉体を選別することができる。
形状の違いにより気流中で作用する抗力が異なるのであれば、第一の粉体と第二の粉体はいかなるものであっても良いが、第一の粉体が、第二の粉体よりもアスペクト比が大きいものである場合に、本発明は特に有効である。このような、アスペクト比が異なる第一の粉体と第二の粉体をチャンバ内で旋回する気流中に投入すると、前記したように、遠心力に対する抗力の違いから、アスペクト比の小さな第二の粉体が遠心力によってチャンバ内で外周部に容易に移動し、第二の粉体よりもアスペクト比が大きい第一の粉体を、チャンバ内の内周部から回収できるのである。
なお、第一の粉体と第二の粉体は、ほぼ同じ質量を有しているものであるのが好ましい。すなわち、ほぼ同径で、同材質の原料粉を扁平化した場合における選別に本方法を有効に適用できる。もちろん、混合物からアスペクト比が大きい第一の粉体を回収する場合だけでなく、アスペクト比の小さな第二の粉体を回収することを目的とする場合にも本方法は有効である。
もちろん、本方法は、混合物が、電磁波吸収シートにおいて電磁波吸収性能を有する磁性層の原料となる軟磁性金属粉であり、扁平状軟磁性金属粉を、扁平化が十分でないものから選別する場合に特に有効であるのは言うまでも無い。
なお、本発明においては、気流を用いて選別を行うという性質上、完全なる選別ができるとは限らず、選別後において、多少の軟磁性金属粉(a)と軟磁性金属粉(b)の混在、第一の粉体と第二の粉体の混在を許容するものとする。
また、上記したような本発明の手法を用いることで、表面に絶縁膜を有する扁平状軟磁性金属粉が、その厚さ方向に層状に積層されることで形成された磁性層と、絶縁材料から形成された絶縁層と、を有し、扁平状軟磁性金属粉は、アスペクト比が160〜1250であるものを93%以上含むことを特徴とする電磁波吸収シートを得ることができる。このように、アスペクト比の高い扁平状軟磁性金属粉を多く含むことで、扁平化が十分ではない未扁平粉が混在して磁性層が形成された場合に比較し、その特性が向上する。
本発明の電磁波吸収シートの製造方法によれば、粉砕・扁平化処理後の処理粉から、アスペクト比の小さな軟磁性金属粉(b)を除去し、アスペクト比の大きな軟磁性金属粉(a)を多く含んで電磁波吸収シートを形成することで、従来以上に高い性能を有した電磁波吸収シートを得ることができる。
また、その選別は、旋回する気流中に処理粉を投入することで、容易に行うことができる。
さらに、選別で除去された軟磁性金属粉(b)を原料粉として再利用することで、原料粉の有効利用を図り、コスト抑制、廃棄物量の低減等といった効果が得られる。
また、本発明の粉体の選別方法によれば、形状が互いに異なる第一の粉体と第二の粉体は、旋回する気流中で、容易に選別することが可能となる。
また、その選別は、旋回する気流中に処理粉を投入することで、容易に行うことができる。
さらに、選別で除去された軟磁性金属粉(b)を原料粉として再利用することで、原料粉の有効利用を図り、コスト抑制、廃棄物量の低減等といった効果が得られる。
また、本発明の粉体の選別方法によれば、形状が互いに異なる第一の粉体と第二の粉体は、旋回する気流中で、容易に選別することが可能となる。
以下本発明の実施の形態を説明する。
図1(a)に示すように、本実施の形態における電磁波吸収シート1は、磁性層10の両面に、絶縁層20を有した構成となっている。ここで、磁性層10は、全体として5〜100μmの厚さを有しているのが好ましい。また、絶縁層20は、全体として50μm以下、さらには15μm以下であることがより好ましい。
また、図1(b)に示すように、電磁波吸収シート1は、磁性層10の両側の絶縁層20の一方に、この絶縁層20が磁性層10と接する側とは反対側の面に接するよう、導電体層30を設けることも可能である。この導電体層30は、銅やカーボン等の導電性材料から形成されるもので、電磁波吸収シート1を接地させるためのものである。この場合、導電体層30は、さらに他の絶縁層としての絶縁層20によって覆われる。
図1(a)に示すように、本実施の形態における電磁波吸収シート1は、磁性層10の両面に、絶縁層20を有した構成となっている。ここで、磁性層10は、全体として5〜100μmの厚さを有しているのが好ましい。また、絶縁層20は、全体として50μm以下、さらには15μm以下であることがより好ましい。
また、図1(b)に示すように、電磁波吸収シート1は、磁性層10の両側の絶縁層20の一方に、この絶縁層20が磁性層10と接する側とは反対側の面に接するよう、導電体層30を設けることも可能である。この導電体層30は、銅やカーボン等の導電性材料から形成されるもので、電磁波吸収シート1を接地させるためのものである。この場合、導電体層30は、さらに他の絶縁層としての絶縁層20によって覆われる。
図2に、電磁波吸収シート1を構成する磁性層10を模式的に示す。磁性層10は、多数の磁性粉末11が塑性変形して密に絡み合うことで形成されている。
個々の磁性粉末11は、扁平状軟磁性金属粉からなる軟磁性金属相12と、軟磁性金属相12の表面に形成された絶縁膜からなる絶縁相13と、から形成される複合磁性体である。これによって、互いに接する軟磁性金属相12間には絶縁相13が介在することになる。これにより、磁性層10は、表面に絶縁膜を有する扁平状軟磁性金属粉が、その厚さ方向に層状に積層されることで所定の厚さに形成されたシート状の構成となっている。
個々の磁性粉末11は、扁平状軟磁性金属粉からなる軟磁性金属相12と、軟磁性金属相12の表面に形成された絶縁膜からなる絶縁相13と、から形成される複合磁性体である。これによって、互いに接する軟磁性金属相12間には絶縁相13が介在することになる。これにより、磁性層10は、表面に絶縁膜を有する扁平状軟磁性金属粉が、その厚さ方向に層状に積層されることで所定の厚さに形成されたシート状の構成となっている。
はじめに、軟磁性金属相12を構成する扁平状軟磁性金属粉について説明する。ここで、扁平状とは、アスペクト比(粉体の長径の最小厚みに対する比)が1より大きいものを言うものとする。
扁平状軟磁性金属粉は、パーマロイ(Fe−Ni合金)、スーパーパーマロイ(Fe−Ni−Mo合金)、センダスト(Fe−Si−Al合金)、Fe−Si合金、Fe−Co合金、Fe−Cr合金、Fe−Cr−Si合金等であり、そのアスペクト比の好ましい範囲は160〜1250、より望ましい範囲は450〜1250である。
扁平状軟磁性金属粉の厚さ(圧延前の厚さ)の好ましい範囲は0.1〜1.0μm、より望ましい範囲は0.2〜0.5μmである。扁平状軟磁性金属粉の厚さを0.1μm未満とすることは製造上困難であり、取り扱いも難しくなる。また、扁平状軟磁性金属粉の厚さが1.0μmを超えると、高周波での磁気特性の低下を招くことになるので好ましくない。
また、扁平状軟磁性金属粉の長径の好ましい範囲は16〜125μm、より望ましい範囲は45〜125μmである。
扁平状軟磁性金属粉は、パーマロイ(Fe−Ni合金)、スーパーパーマロイ(Fe−Ni−Mo合金)、センダスト(Fe−Si−Al合金)、Fe−Si合金、Fe−Co合金、Fe−Cr合金、Fe−Cr−Si合金等であり、そのアスペクト比の好ましい範囲は160〜1250、より望ましい範囲は450〜1250である。
扁平状軟磁性金属粉の厚さ(圧延前の厚さ)の好ましい範囲は0.1〜1.0μm、より望ましい範囲は0.2〜0.5μmである。扁平状軟磁性金属粉の厚さを0.1μm未満とすることは製造上困難であり、取り扱いも難しくなる。また、扁平状軟磁性金属粉の厚さが1.0μmを超えると、高周波での磁気特性の低下を招くことになるので好ましくない。
また、扁平状軟磁性金属粉の長径の好ましい範囲は16〜125μm、より望ましい範囲は45〜125μmである。
次に、絶縁相13を構成する絶縁膜について説明する。
図2に示したように、扁平状軟磁性金属粉の全表面に均一に絶縁膜が形成されていることが理想的ではあるが、扁平状軟磁性金属粉の表面に絶縁膜が形成されていない部分があっても圧接接合後に絶縁相13として機能しうる程度の絶縁膜が形成されていればよい。
扁平状軟磁性金属粉と絶縁材料を混合し、所定の処理を加えることにより、扁平状軟磁性金属粉の表面に絶縁膜が形成される。絶縁材料としては、有機絶縁材料、無機絶縁材料を用いることができる。より詳しくは、無機ポリマー系のペルヒドロポリシラザン等のポリシラザン系の材料が好ましく、シラン系やチタネート系カップリング剤、無機絶縁体であるシリカゾル、チタニアゾル、マグネシアゾル、アルミナゾル、粉末ガラス、ボロンナイトライド等を絶縁材料として用いることもでき、これらをペルヒドロポリシラザンと組み合わせて用いてもよい。
図2に示したように、扁平状軟磁性金属粉の全表面に均一に絶縁膜が形成されていることが理想的ではあるが、扁平状軟磁性金属粉の表面に絶縁膜が形成されていない部分があっても圧接接合後に絶縁相13として機能しうる程度の絶縁膜が形成されていればよい。
扁平状軟磁性金属粉と絶縁材料を混合し、所定の処理を加えることにより、扁平状軟磁性金属粉の表面に絶縁膜が形成される。絶縁材料としては、有機絶縁材料、無機絶縁材料を用いることができる。より詳しくは、無機ポリマー系のペルヒドロポリシラザン等のポリシラザン系の材料が好ましく、シラン系やチタネート系カップリング剤、無機絶縁体であるシリカゾル、チタニアゾル、マグネシアゾル、アルミナゾル、粉末ガラス、ボロンナイトライド等を絶縁材料として用いることもでき、これらをペルヒドロポリシラザンと組み合わせて用いてもよい。
また、図1に示した絶縁層20は、絶縁材料から形成される層であり、例えば樹脂シートを磁性層10に貼り付けたり、あるいは絶縁材料を磁性層10の表面に塗布することで形成される。
電磁波吸収シート1の表面に電気絶縁性を付与するための絶縁材料としては、樹脂が好適であり、その中でも強度と絶縁性、さらには難燃性に優れているものが好ましい。絶縁層20を形成する材料の具体例としては、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、テフロン(登録商標)、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、難燃ポリエチレン、難燃ポリプロピレン、難燃ポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド、難燃PET、難燃PBT、難燃ポリオレフィン、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂があり、難燃性を向上させるための難燃剤を添加する場合には、非ハロゲン系の難燃剤を用いるのが好ましい。
電磁波吸収シート1の表面に電気絶縁性を付与するための絶縁材料としては、樹脂が好適であり、その中でも強度と絶縁性、さらには難燃性に優れているものが好ましい。絶縁層20を形成する材料の具体例としては、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、テフロン(登録商標)、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、難燃ポリエチレン、難燃ポリプロピレン、難燃ポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド、難燃PET、難燃PBT、難燃ポリオレフィン、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂があり、難燃性を向上させるための難燃剤を添加する場合には、非ハロゲン系の難燃剤を用いるのが好ましい。
図3は、本実施の形態に係る電磁波吸収シート1の製造工程を示す図である。
まず、粉砕工程において、原料粉である平均粒径10〜100μmの軟磁性金属のアトマイズ粉を、トルエン等の有機溶媒中、例えば撹拌ミルを用いて粉砕し、厚さ0.1〜1.0μm、アスペクト比160〜1250の扁平状軟磁性金属粉を得る。
まず、粉砕工程において、原料粉である平均粒径10〜100μmの軟磁性金属のアトマイズ粉を、トルエン等の有機溶媒中、例えば撹拌ミルを用いて粉砕し、厚さ0.1〜1.0μm、アスペクト比160〜1250の扁平状軟磁性金属粉を得る。
このようにして得られた扁平状軟磁性金属粉には、十分に粉砕扁平化されていない未扁平粉が含まれている。そこで、粉砕工程後の処理粉(扁平状軟磁性金属粉と未扁平粉とが混在したもの)を、扁平状軟磁性金属粉と未扁平粉に選別する(選別工程)。
これには、図4に示すような遠心風力式の選別装置50を用いるのが好ましい。この選別装置50は、平面視略円形のチャンバ51内に、図示しないモータ等によって駆動されるロータ52が備えられている。このロータ52には、円盤状のテーブル53が一体に設けられている。チャンバ51の上部中央には、ホッパー54からスクリューフィーダ55によって、粉砕・扁平化処理を経た処理粉(混合物)P0をテーブル53の中央部に落下させて供給する供給管56が設けられている。
これには、図4に示すような遠心風力式の選別装置50を用いるのが好ましい。この選別装置50は、平面視略円形のチャンバ51内に、図示しないモータ等によって駆動されるロータ52が備えられている。このロータ52には、円盤状のテーブル53が一体に設けられている。チャンバ51の上部中央には、ホッパー54からスクリューフィーダ55によって、粉砕・扁平化処理を経た処理粉(混合物)P0をテーブル53の中央部に落下させて供給する供給管56が設けられている。
テーブル53の上面には、中央部に円錐状の凸部53aが設けられ、この凸部53aの外周側に、放射状に延びる翼板53bが複数設けられている。これにより、ロータ52が回転駆動されることによってテーブル53が所定の方向に回転すると、供給管56から落下供給される処理粉P0は、遠心力によりテーブル53から外周側に飛ばされるようになっている。
また、チャンバ51には、チャンバ51内に気体を送り込む吸気口57と、テーブル53の下方においてチャンバ51の内周部に開口部58aを有する内周側排出流路58と、チャンバ51の外周部に開口部59aを有する外周側排出流路59とが形成されている。チャンバ51内においては、図示しないポンプ等で吸気口57からエア等の気体をチャンバ51内に送り込むと、この気体は、翼板53bを備えたテーブル53の回転により、チャンバ51内で渦巻き状に旋回する流れを生じる。そして、気体は、内周側排出流路58と、外周側排出流路59とから外部に排出される。
これにより、テーブル53から外周側に飛ばされた処理粉P0は、気体の流れにより、内周側排出流路58と、外周側排出流路59とから外部に排出されるようになっている。これら内周側排出流路58、外周側排出流路59には、それぞれ回収容器60、61が取り付けられており、排出された処理粉P0は、回収容器60、61で回収される。
これにより、テーブル53から外周側に飛ばされた処理粉P0は、気体の流れにより、内周側排出流路58と、外周側排出流路59とから外部に排出されるようになっている。これら内周側排出流路58、外周側排出流路59には、それぞれ回収容器60、61が取り付けられており、排出された処理粉P0は、回収容器60、61で回収される。
選別装置50においては、テーブル53から外周側に飛ばされた処理粉P0のうち、アスペクト比(処理粉P0の長径と最小厚みの比=長径/最小厚み)の大きな扁平状軟磁性金属粉(軟磁性金属粉(a)、第一の粉体)P1は、内周側排出流路58に吸い込まれ、アスペクト比が小さく十分に扁平化されていない未扁平粉(軟磁性金属粉(b)、第二の粉体)P2は、外周側排出流路59から排出されるようになっており、これによって扁平状軟磁性金属粉P1と、未扁平粉P2とを選別できるのである。
ここで、選別の基準となるアスペクト比は、概ね160とすることができる。すなわち、アスペクト比160以上の処理粉P0を扁平状軟磁性金属粉P1とし、アスペクト比160未満の処理粉P0を未扁平粉P2として選別できる。
ここで、選別の基準となるアスペクト比は、概ね160とすることができる。すなわち、アスペクト比160以上の処理粉P0を扁平状軟磁性金属粉P1とし、アスペクト比160未満の処理粉P0を未扁平粉P2として選別できる。
これについて考察する。このような構成の選別装置50において、テーブル53から外周側に飛ばされた処理粉P0には、チャンバ51の外周側に向かう方向の遠心力と、これに相対する方向の抗力とが作用する。
遠心力F1は、
F1=mrω2
で表される。このとき、チャンバ51内の処理粉P0は、いずれもほぼ同径の原料粉から形成されているので質量mはほぼ均一であり、また、テーブル53の半径r、角速度ωも一定であるため、図5(a)、(b)に示すように、扁平状軟磁性金属粉P1であっても、未扁平粉P2であっても、作用する遠心力F1はほぼ等しい。
一方、抗力F2は、
F2∝SU2
で表される。チャンバ51内における気体の流速Uは、扁平状軟磁性金属粉P1であっても、未扁平粉P2であっても一定である。一方、処理粉P0の粒子の投影面積Sは、扁平状軟磁性金属粉P1と、未扁平粉P2とで大きく異なる。扁平状軟磁性金属粉P1は、気体の流れの中で、その姿勢が様々に変わる(木の葉のように舞う)ため、その姿勢に応じ、流れに対する投影面積Sが未扁平粉P2よりも大幅に大きくなるタイミングがあり、抗力F2が増大する。
遠心力F1は、
F1=mrω2
で表される。このとき、チャンバ51内の処理粉P0は、いずれもほぼ同径の原料粉から形成されているので質量mはほぼ均一であり、また、テーブル53の半径r、角速度ωも一定であるため、図5(a)、(b)に示すように、扁平状軟磁性金属粉P1であっても、未扁平粉P2であっても、作用する遠心力F1はほぼ等しい。
一方、抗力F2は、
F2∝SU2
で表される。チャンバ51内における気体の流速Uは、扁平状軟磁性金属粉P1であっても、未扁平粉P2であっても一定である。一方、処理粉P0の粒子の投影面積Sは、扁平状軟磁性金属粉P1と、未扁平粉P2とで大きく異なる。扁平状軟磁性金属粉P1は、気体の流れの中で、その姿勢が様々に変わる(木の葉のように舞う)ため、その姿勢に応じ、流れに対する投影面積Sが未扁平粉P2よりも大幅に大きくなるタイミングがあり、抗力F2が増大する。
これにより、テーブル53から外周側に飛ばされた処理粉P0のうち、抗力F2が小さい未扁平粉P2は、遠心力F1の影響を大きく受けてチャンバ51の外周側にまで容易に到達し、外周側排出流路59から排出される。これに対して扁平状軟磁性金属粉P1は、木の葉のように舞いながら抗力F2の影響を大きく受けるため、未扁平粉P2のようにはチャンバ51の外周側にまで移動せず、テーブル53の外周部において内周側排出流路58に向かう気体の流れに乗って内周側排出流路58に吸い込まれる。
このようにして、選別装置50において、扁平状軟磁性金属粉P1と、未扁平粉P2とを選別できるのである。
そして、内周側排出流路58に吸い込まれた扁平状軟磁性金属粉P1は回収容器60に回収されて後工程に供給され、外周側排出流路59から排出された未扁平粉P2は回収容器61に回収される。
ここで、回収容器61で回収された未扁平粉P2は、粉砕工程の原料粉として再利用するのが好ましい。
そして、内周側排出流路58に吸い込まれた扁平状軟磁性金属粉P1は回収容器60に回収されて後工程に供給され、外周側排出流路59から排出された未扁平粉P2は回収容器61に回収される。
ここで、回収容器61で回収された未扁平粉P2は、粉砕工程の原料粉として再利用するのが好ましい。
さて、選別後の扁平状軟磁性金属粉P1は、粉砕工程後、熱処理工程に移る。この熱処理工程では、扁平状軟磁性金属粉P1に対し、不活性ガス(例えば窒素)あるいは水素中で、例えば600℃で60minの熱処理を行う。これにより、軟磁性金属粉を乾燥し、さらには、軟磁性金属粉を扁平化するための粉砕工程による歪みが除去されるとともに、粉砕中に軟磁性金属粉中に混入した酸素および炭素が除去される。この熱処理工程は必須のものではないが、扁平状軟磁性金属粉P1は歪み(磁歪)が小さい方が好ましいため、後述する絶縁処理工程に先立って扁平状軟磁性金属粉P1に熱処理を施し、扁平状軟磁性金属粉P1の歪みを除去しておくことが望ましい。
次いで、混合工程、絶縁膜合成工程に移る。これらの工程では、扁平状軟磁性金属粉P1と絶縁材料(液状または微細粉)とを混合し、所定の方法で絶縁膜を合成して絶縁処理粉、つまり扁平状軟磁性金属粉P1表面に絶縁膜が形成された磁性粉末11を作製する。この絶縁膜合成工程は、絶縁材料の種類に応じて処理の方法が異なる。以下、絶縁材料が(1)ペルヒドロポリシラザンの場合、(2)カップリング剤(シラン系、チタネート系等)の場合、(3)その他の酸化物ゾル、BN(ボロンナイトライド)の場合についてそれぞれの処理の方法を述べる。
(1)絶縁材料がペルヒドロポリシラザンの場合には、ライカイ器、卓上ニーダー等の混合装置を用いて扁平状軟磁性金属粉P1とペルヒドロポリシラザンを混合する。混合後、例えば大気中または窒素中300℃、60min保持で熱処理を行う。ペルヒドロポリシラザンは、大気中で熱処理するとSiO2へ、窒素中で熱処理するとSi3N4へ転化する。
(2)絶縁材料がカップリング剤(シラン系、チタネート系等)の場合には、湿式処理法を用いて金属粉表面を被覆する。湿式処理は、溶剤で50〜100倍に希釈したカップリング剤の中で扁平状軟磁性金属粉P1を撹拌混合しながら、溶剤を飛ばして表面処理を行う方法である。
(3)絶縁材料がその他の酸化物ゾル、BNの場合には、混合装置を用いて扁平状軟磁性金属粉P1と絶縁材料を直接混合(乾式混合)する。
(2)絶縁材料がカップリング剤(シラン系、チタネート系等)の場合には、湿式処理法を用いて金属粉表面を被覆する。湿式処理は、溶剤で50〜100倍に希釈したカップリング剤の中で扁平状軟磁性金属粉P1を撹拌混合しながら、溶剤を飛ばして表面処理を行う方法である。
(3)絶縁材料がその他の酸化物ゾル、BNの場合には、混合装置を用いて扁平状軟磁性金属粉P1と絶縁材料を直接混合(乾式混合)する。
続いて、扁平粉堆積工程に移る。まず、扁平粉堆積工程では、磁性粉末11を篩でふるいながら落下させてほぼ均等に基板上に堆積させる。このとき、磁性粉末11の篩への供給は、フィーダ等で自動的に行うこともできる。またこのとき、篩を用いるのではなく、磁性粉末11をスプレーで基板上に吹き付けることで、磁性粉末11を基板上に堆積させることもできる。
この扁平粉堆積工程にて、篩のメッシュサイズを適宜選択して絶縁処理粉の粒度を変更することによって、最終的に得られる複合磁性体の磁気特性を任意の範囲に設定することが可能である。ここでは、絶縁処理粉の粒度が、45〜125μmのものが40wt%以上となるようにするのが好ましい。
この扁平粉堆積工程にて、篩のメッシュサイズを適宜選択して絶縁処理粉の粒度を変更することによって、最終的に得られる複合磁性体の磁気特性を任意の範囲に設定することが可能である。ここでは、絶縁処理粉の粒度が、45〜125μmのものが40wt%以上となるようにするのが好ましい。
次いで、圧延工程に移る。この圧延工程では、磁性粉末11が略均一に堆積した基板上を圧延ロールにて圧延し、基板に平行な向きに磁性粉末11を配向させる。このとき、絶縁膜が形成された扁平状軟磁性金属粉P1(磁性粉末11)同士が圧接接合される。これにより、厚さ5〜100μmの、磁性層10を形成する磁性シート(シート状生成物)を得ることができる。
ここで、圧延後の磁性シートにおいて、成型密度(単位堆積当たりの磁性粉末11の重量)が5.5g/cm3以上となるよう、基板上に堆積した磁性粉末11を圧延するのが好ましい。これには、圧延に際し、圧延ロールに加える荷重(圧力)を調整する。
ここで、圧延後の磁性シートにおいて、成型密度(単位堆積当たりの磁性粉末11の重量)が5.5g/cm3以上となるよう、基板上に堆積した磁性粉末11を圧延するのが好ましい。これには、圧延に際し、圧延ロールに加える荷重(圧力)を調整する。
磁性層10を形成する磁性シートの厚さを5〜100μmとするのは以下の理由に基づく。すなわち、シートの厚さが5μmよりも薄い場合は、焼結により高周波で充分大きな透磁率が得られるため、複合磁性体の必要性が小さい。一方、シートの厚さが100μmを超えると、電気機器の筐体内部の狭い空間に磁性層10を有する電磁波吸収シート1を収めることが困難になるという制約条件からである。
これら扁平粉堆積工程、圧延工程では、基板表面から3mm以上上方に位置する篩等の保持容器から磁性粉末11を自由落下させ、磁性粉末11を面内配向させた上で圧延を行うことにより、圧延後の配向度を改善することができる。
なお、圧延を例にして圧延工程を説明したが、この工程は圧延に限られるものではない。扁平状軟磁性金属粉P1が塑性変形する程度の加圧力を付与するものであれば、プレス加工等、他の加圧成型の方法を用いてもよいが、加圧の点で圧延が最も望ましい。
これら扁平粉堆積工程、圧延工程では、基板表面から3mm以上上方に位置する篩等の保持容器から磁性粉末11を自由落下させ、磁性粉末11を面内配向させた上で圧延を行うことにより、圧延後の配向度を改善することができる。
なお、圧延を例にして圧延工程を説明したが、この工程は圧延に限られるものではない。扁平状軟磁性金属粉P1が塑性変形する程度の加圧力を付与するものであれば、プレス加工等、他の加圧成型の方法を用いてもよいが、加圧の点で圧延が最も望ましい。
この後、この磁性シートに対し、必要に応じて打ち抜き加工を施してもよい(打ち抜き加工工程)。
続いて、熱処理工程に移行する。熱処理工程では、磁性シートを熱処理炉に入れて熱処理を施し、扁平状軟磁性金属粉P1の塑性変形後の残留歪を緩和する。扁平状軟磁性金属粉P1の著しい酸化を避けるため、熱処理雰囲気をAr等不活性ガス雰囲気中、窒素または水素雰囲気中とすることが好ましい。
以上の工程を経ることにより、本実施の形態に係る、厚さ5〜100μmのシート状の磁性層10が得られる。
続いて、熱処理工程に移行する。熱処理工程では、磁性シートを熱処理炉に入れて熱処理を施し、扁平状軟磁性金属粉P1の塑性変形後の残留歪を緩和する。扁平状軟磁性金属粉P1の著しい酸化を避けるため、熱処理雰囲気をAr等不活性ガス雰囲気中、窒素または水素雰囲気中とすることが好ましい。
以上の工程を経ることにより、本実施の形態に係る、厚さ5〜100μmのシート状の磁性層10が得られる。
次いで、絶縁層形成工程に移る。この工程では、磁性層10の両面に、絶縁層20を形成する。
これには、予め所定の厚さのシート状に形成された絶縁シートを磁性層10に貼り付けることで、これを絶縁層20とすることができる。このとき、絶縁層20を形成する絶縁シートは、前記したような材料で形成すればよい。
絶縁層20を形成する絶縁シートを磁性層10に貼り付けるには、単純にはシート状の磁性層10の表面、あるいは絶縁層20を形成する絶縁シートに塗布した接着剤を用いればよい。接着剤としては、絶縁性、耐熱性のあるエポキシ系、シリコーン系が好ましい。さらには、いわゆるラミネートフィルムのように、絶縁層20を形成する絶縁シートの表面に接着剤層を形成しておき、これをシート状の磁性層10に圧着することも可能である。この場合、シート状の磁性層10を絶縁層20に圧着する際に熱を加えることで、絶縁層20の接着剤層を溶融する、いわゆる熱圧着方式を採用することもできる。
これには、予め所定の厚さのシート状に形成された絶縁シートを磁性層10に貼り付けることで、これを絶縁層20とすることができる。このとき、絶縁層20を形成する絶縁シートは、前記したような材料で形成すればよい。
絶縁層20を形成する絶縁シートを磁性層10に貼り付けるには、単純にはシート状の磁性層10の表面、あるいは絶縁層20を形成する絶縁シートに塗布した接着剤を用いればよい。接着剤としては、絶縁性、耐熱性のあるエポキシ系、シリコーン系が好ましい。さらには、いわゆるラミネートフィルムのように、絶縁層20を形成する絶縁シートの表面に接着剤層を形成しておき、これをシート状の磁性層10に圧着することも可能である。この場合、シート状の磁性層10を絶縁層20に圧着する際に熱を加えることで、絶縁層20の接着剤層を溶融する、いわゆる熱圧着方式を採用することもできる。
この他、絶縁層20を形成するために、前記したような材料を磁性層10の表面に直接塗布し、これを硬化させることも可能である。つまり、絶縁材料によるコーティングによって絶縁層20を形成するのである。
この場合に用いるコーティング剤としては、シリコーンレジン系、シリコーンゴム系、エポキシ系、エポキシとシリコーン複合系、ブチラール系、アクリル系、エチルセルロース系、ポリプロピレン系、スチレン−ブタジエン系、ポリブチレン系等の樹脂が好ましい。また、前述したカップリング剤、接着剤を用いることもできる。
磁性層10を形成する磁性シート表面に絶縁層20として樹脂層を形成するにあたっては、磁性層10を形成する磁性シートを樹脂に含浸したり、磁性層10を形成する磁性シートにスプレーで樹脂を噴霧する等の方法を適宜採用することができる。磁性層10を形成する磁性シートを樹脂に含浸する場合には、樹脂をトルエン、キシレン、エタノール、アセトン等の溶液で希釈して樹脂溶液を調整し、この樹脂溶液中に磁性層10を形成する磁性シートを3〜20min程度含浸させればよい。
このような絶縁層20を、磁性層10の両面に順次形成することで、図1に示した電磁波吸収シート1が得られる。
この場合に用いるコーティング剤としては、シリコーンレジン系、シリコーンゴム系、エポキシ系、エポキシとシリコーン複合系、ブチラール系、アクリル系、エチルセルロース系、ポリプロピレン系、スチレン−ブタジエン系、ポリブチレン系等の樹脂が好ましい。また、前述したカップリング剤、接着剤を用いることもできる。
磁性層10を形成する磁性シート表面に絶縁層20として樹脂層を形成するにあたっては、磁性層10を形成する磁性シートを樹脂に含浸したり、磁性層10を形成する磁性シートにスプレーで樹脂を噴霧する等の方法を適宜採用することができる。磁性層10を形成する磁性シートを樹脂に含浸する場合には、樹脂をトルエン、キシレン、エタノール、アセトン等の溶液で希釈して樹脂溶液を調整し、この樹脂溶液中に磁性層10を形成する磁性シートを3〜20min程度含浸させればよい。
このような絶縁層20を、磁性層10の両面に順次形成することで、図1に示した電磁波吸収シート1が得られる。
このようにして、遠心風力式の選別装置50を用い、粉砕工程を経て粉砕扁平化した処理粉P0を扁平状軟磁性金属粉P1と未扁平粉P2に選別することができるので、未扁平粉P2を除去し、扁平状軟磁性金属粉P1を用いて電磁波吸収シート1を形成することで、その特性を向上させることができる。
また、選別された未扁平粉P2は、粉砕工程の原料粉として再利用することができる。これにより、再利用された未扁平粉P2も、再度粉砕工程で粉砕扁平化することにより、当初投入した原料粉から得られる扁平状軟磁性金属粉P1の割合、すなわち歩留まりを向上させることができる。したがって、原料を有効利用することができ、コスト抑制、廃棄物量低減等といった面に優れる。
また、選別された未扁平粉P2は、粉砕工程の原料粉として再利用することができる。これにより、再利用された未扁平粉P2も、再度粉砕工程で粉砕扁平化することにより、当初投入した原料粉から得られる扁平状軟磁性金属粉P1の割合、すなわち歩留まりを向上させることができる。したがって、原料を有効利用することができ、コスト抑制、廃棄物量低減等といった面に優れる。
ここで、上記のような工程で磁性シート(電磁波吸収シート1)を作製し、その特性を確認したのでその結果を示す。
図3の工程図に説明したように、軟磁性金属粉として水アトマイズによる平均粒径約30μmの2Moパーマロイ粉(80Ni−2Mo−bal.Fe(mol%))を、溶媒にトルエンを用いた媒体撹拌ミル中で35分かけて粉砕扁平化し、処理粉を得た。
得られた処理粉を乾燥させた後、粉末を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。その観察像を図6に示す。
この図6に示すように、処理粉は、扁平状の粉と、ほぼ原料粉の形状(球状)を保ったままの粉(これが未扁平粉)とが混在していた。
図3の工程図に説明したように、軟磁性金属粉として水アトマイズによる平均粒径約30μmの2Moパーマロイ粉(80Ni−2Mo−bal.Fe(mol%))を、溶媒にトルエンを用いた媒体撹拌ミル中で35分かけて粉砕扁平化し、処理粉を得た。
得られた処理粉を乾燥させた後、粉末を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。その観察像を図6に示す。
この図6に示すように、処理粉は、扁平状の粉と、ほぼ原料粉の形状(球状)を保ったままの粉(これが未扁平粉)とが混在していた。
続いて、処理粉に対し、絶縁相13を形成する絶縁材料としてのペルヒドロポリシラザン(クラリアントジャパン製、ポリシラザンNL110A−20)を用い、絶縁膜合成処理を行った。このとき、ペルヒドロポリシラザンの扁平状Moパーマロイ粉に対する添加量を4.5重量%とした。そして、扁平状Moパーマロイ粉とペルヒドロポリシラザンを、混合機を用い、室温で約60min混合した。その後、大気中、300℃で60min保持し、ペルヒドロポリシラザンをSiO2に転化し、扁平状Moパーマロイ粉の表面に絶縁膜を形成した。
次に、絶縁処理された前記扁平状粉をステンレス基板の上方10〜20mmの位置にある篩(目開き;125μm)でふるいながら、ほぼ均等にステンレス基板上に堆積させた。このステンレス基板をロール径50mmの2段冷間圧延ロールを通過させて圧延し、各扁平状粉を前記基板に平行な向きに配向させ、厚さ約50μmのシート状にした。
続いて、このシートを、金属粉を扁平化する際の粉砕による歪み、圧延する際の歪みを緩和するため、窒素中で熱処理した。
続いて、このシートを、金属粉を扁平化する際の粉砕による歪み、圧延する際の歪みを緩和するため、窒素中で熱処理した。
このようにして得られた磁性シートについて、透磁率を測定した。
その結果、図7に示すように、100MHzで、μ’(μ’は複素透磁率の実数部分)が80以下であった(図7中、「処理粉(混在粉)」と示した。)。
その結果、図7に示すように、100MHzで、μ’(μ’は複素透磁率の実数部分)が80以下であった(図7中、「処理粉(混在粉)」と示した。)。
次に、上記と同様にして、粉砕扁平化して得た処理粉に対し、図4に示した選別装置50と同様の構成を有する遠心式風力分級機(日清エンジニアリング株式会社製、TC−25N)を用い、選別処理を行った。このとき、ロータの回転数は1200rpm、チャンバ内に送り込んだ気体の流量は7m3/minとし、60〜180分間ロータを回転させた。ただし、処理時間は、処理粉の投入量に応じて変化する。
ロータの停止後、内周側排出流路を通過して回収された粉(以下、「内周粉」と称する)と、外周側排出流路を通過して回収された粉(以下、「外周粉」と称する)を、それぞれSEMで観察した。
図8がその観察像を示すものである。
ロータの停止後、内周側排出流路を通過して回収された粉(以下、「内周粉」と称する)と、外周側排出流路を通過して回収された粉(以下、「外周粉」と称する)を、それぞれSEMで観察した。
図8がその観察像を示すものである。
図8(a)に示すように、内周粉は、そのほとんどが、扁平状をなしている粉から構成され、図8(b)に示すように、外周粉は、そのほとんどが、ほぼ原料粉の形状(球状)を保ったままの粉から構成されていることが確認された。これにより、図4に示したような構成の選別装置50を用いることで、扁平状軟磁性金属粉(内周粉)と未扁平粉(外周粉)とを選別できることが確認された。
また、内周粉と外周粉の比(重量比)を計測したところ、概ね7:3であった。
また、内周粉と外周粉の比(重量比)を計測したところ、概ね7:3であった。
さらに内周粉について、そのアスペクト比毎の含有率をふるい分級機により測定した。その結果を表1に示す。
この表1に示すように、内周粉は、アスペクト比が160〜1250のものが93%以上を占めており、アスペクト比160未満の未扁平粉をほとんど含まないことが確認された。
続いて、前記の外周粉のみを用い、上記と同様にして絶縁膜合成処理、堆積処理、圧延処理、熱処理を経て、磁性シートを作製した。
この磁性シートについて、透磁率を測定した。
その結果、図7に示すように、100MHzで、μ’が50程度であり、未扁平粉により透磁率が低下することが裏付けられた(図7中、「外周粉(未扁平粉)」と示した。)。
この磁性シートについて、透磁率を測定した。
その結果、図7に示すように、100MHzで、μ’が50程度であり、未扁平粉により透磁率が低下することが裏付けられた(図7中、「外周粉(未扁平粉)」と示した。)。
また、前記の内周粉のみを用い、上記と同様にして絶縁膜合成処理、堆積処理、圧延処理、熱処理を経て、磁性シートを作製した。
この磁性シートについて、透磁率を測定した。
その結果、図7に示すように、100MHzで、μ’が100以上を示し、実用上十分な特性を有していた。これにより、未扁平粉を除去し、扁平状軟磁性金属粉を多く含んだ磁性シートを作製することで、特性が向上することが確認された(図7中、「内周粉(扁平状軟磁性金属粉)」と示した。)。
この磁性シートについて、透磁率を測定した。
その結果、図7に示すように、100MHzで、μ’が100以上を示し、実用上十分な特性を有していた。これにより、未扁平粉を除去し、扁平状軟磁性金属粉を多く含んだ磁性シートを作製することで、特性が向上することが確認された(図7中、「内周粉(扁平状軟磁性金属粉)」と示した。)。
さらに、外周粉(未扁平粉)については、再生材として、再び前記と同様な工程を経て粉砕扁平化した後、風力分級機にて、前記と同様の条件で選別処理を行った。
選別処理後の内周粉と外周粉の重量比は、概ね7:3であった。
そして、選別処理後に回収された内周粉を用い、上記と同様にして磁性シートを作製し、その特性を確認したところ、100MHzで、μ’が100以上を示し、実用上十分な特性を有しており、再生材を十分に利用できることが確認された。
これにより、当初投入した原料の90wt%以上を扁平状軟磁性金属粉として利用することができ、磁性シートを作製できることが確認された。
選別処理後の内周粉と外周粉の重量比は、概ね7:3であった。
そして、選別処理後に回収された内周粉を用い、上記と同様にして磁性シートを作製し、その特性を確認したところ、100MHzで、μ’が100以上を示し、実用上十分な特性を有しており、再生材を十分に利用できることが確認された。
これにより、当初投入した原料の90wt%以上を扁平状軟磁性金属粉として利用することができ、磁性シートを作製できることが確認された。
1…電磁波吸収シート、10…磁性層、11…磁性粉末、12…軟磁性金属相、13…絶縁相、20…絶縁層、30…導電体層、50…選別装置、51…チャンバ、52…ロータ、53…テーブル、58…内周側排出流路、59…外周側排出流路、60、61…回収容器、P0…処理粉(混合物)、P1…扁平状軟磁性金属粉(軟磁性金属粉(a)、第一の粉体)、P2…未扁平粉(軟磁性金属粉(b)、第二の粉体)
Claims (9)
- 電磁波吸収シートを製造する方法であって、
原料粉を粉砕・扁平化処理し、処理粉を得る工程と、
前記処理粉を、所定以上のアスペクト比を有した軟磁性金属粉(a)と、所定未満のアスペクト比の軟磁性金属粉(b)とに選別する工程と、
前記軟磁性金属粉(a)の表面に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜が形成された前記軟磁性金属粉(a)を堆積させ、加圧力を付与することによって前記軟磁性金属粉(a)同士を接合してシート状生成物を生成する工程と、
前記シート状生成物を熱処理する工程と、
を備えることを特徴とする電磁波吸収シートの製造方法。 - 前記処理粉を選別する工程は、前記処理粉を、チャンバ内で旋回する気流中に投入して行うことを特徴とする請求項1に記載の電磁波吸収シートの製造方法。
- 前記処理粉を選別する工程では、前記チャンバ内の内周部から前記軟磁性金属粉(a)を回収し、前記チャンバ内の外周部から前記軟磁性金属粉(b)を回収することを特徴とする請求項2に記載の電磁波吸収シートの製造方法。
- 前記軟磁性金属粉(b)を、前記処理粉を得る工程における前記原料粉として再利用することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電磁波吸収シートの製造方法。
- 形状が互いに異なる第一の粉体と第二の粉体の混合物を、チャンバ内で旋回する気流中に投入し、
前記チャンバ内の内周部から前記第一の粉体を回収し、前記チャンバ内の外周部から前記第二の粉体を回収することによって、前記第一の粉体と前記第二の粉体を選別することを特徴とする粉体の選別方法。 - 前記第一の粉体と前記第二の粉体に対して前記気流中で作用する遠心力と抗力の差により、前記第一の粉体と前記第二の粉体を選別することを特徴とする請求項5に記載の粉体の選別方法。
- 前記第一の粉体は、前記第二の粉体よりもアスペクト比が大きいことを特徴とする請求項5または6に記載の粉体の選別方法。
- 前記混合物は、電磁波吸収シートにおいて電磁波吸収性能を有する磁性層の原料となる軟磁性金属粉であることを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の粉体の選別方法。
- 表面に絶縁膜を有する扁平状軟磁性金属粉が、その厚さ方向に層状に積層されることで形成された磁性層と、
絶縁材料から形成された絶縁層と、を有し、
前記扁平状軟磁性金属粉は、アスペクト比が160〜1250であるものを93%以上含むことを特徴とする電磁波吸収シート。
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