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JP2006112880A - 相対位置検出装置及び鞍乗り型車両 - Google Patents

相対位置検出装置及び鞍乗り型車両 Download PDF

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JP2006112880A JP2004299520A JP2004299520A JP2006112880A JP 2006112880 A JP2006112880 A JP 2006112880A JP 2004299520 A JP2004299520 A JP 2004299520A JP 2004299520 A JP2004299520 A JP 2004299520A JP 2006112880 A JP2006112880 A JP 2006112880A
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Abstract

【課題】 相対位置の変化をより効果的に長い範囲に渡って検出できるようにすると共に、コンパクトに、且つ、安価に構成できる相対位置検出装置を提供する。
【解決手段】 互いに相対変位可能なアクセル11及び筐体12を有し、アクセル11には永久磁石17が配設され、筐体12には、永久磁石17の磁場の磁束密度が単調変化する範囲内に、この磁束密度の変化を検出するリニアホールIC22が配置された相対位置検出装置であって、永久磁石17は、第1N極部17cと第2S極部17eとが、相対変位方向に並んで配置され、その第2S極部17eには、端面17g側に向けて板厚が薄くなるような傾斜面17hが形成された。
【選択図】 図6

Description

この発明は、相対変位可能に設けられた第1部材と第2部材との相対位置を検出することが可能な相対位置検出装置と、この相対位置検出装置がアクセル開度の制御用に配設されている鞍乗り型車両に関するものである。
従来から相対変位可能な第1部材及び第2部材とを備え、この第1部材と第2部材とを相対変位させることにより、その変位量に対応させて制御対象を制御するものが多数存在する。
例えば、内燃機関を使用した自動二輪車等の鞍乗り型車両においては、ハンドルバーに回動可能にアクセルグリップを装着し、このアクセルをハンドルバーに対して回動させることにより、内燃機関(エンジン)のスロットルバルブの開閉制御を行っている。
このような鞍乗り型車両では、アクセルの回動操作をポテンショメータにより検出し、その出力電圧に基づき、アクチュエータによりスロットルバルブを開閉動作させる電気式の相対位置検出装置が知られている。
かかる電気式の相対位置検出装置では、ポテンショメータの誤動作などにより、アクセルの回動操作とスロットルバルブの開閉動作とが対応しない事態が生じることを防止するため、ポテンショメータとは別に、アクセルの全閉位置を検出してスロットルバルブを閉じることが可能な機械式の全閉スイッチが設けられている。
また、アクセルに磁石を配置して、アクセルの回動位置を磁束密度の変化を利用して検出する磁気式の相対位置検出装置を装着したものも知られており、ホールICを用いたものも提案されている。
例えば、下記特許文献1では、アクセルの回動位置を検出して、内燃機関の点火を制御するために、アクセルに磁石を固定すると共に、ハンドル側に2つのデジタルホールICを固定し、アクセルの開度領域がアイドリング、中速域、及び高速域の内のどの領域に属するかを判定させている。
さらに、下記特許文献2の図6には、アクセルに永久磁石を固定し、ハンドル軸に固定された筐体に、同じ機能を有する二つのホールICを固定した相対位置検出装置が記載されている。そして、詳細は不明であるが、同じ機能を有するホールICを2個用いて、アクセル回動時の永久磁石の位置に応じた電気信号を出力し、手動操作部によるアクセルの回転角度量を検出する旨記載されている。
特開平7−324637号公報 特開2002−256904号公報(図6)
しかしながら、従来のポテンショメータを用いた相対位置検出装置では、ポテンショメータがアクセルに比べて大きなものになるため、アクセル周りに設置すると外観が悪化し易い。そのため、アクセル周りとは異なる別の位置に設置して、アクセルとの間をワイヤーケーブル等により連結しなければならず、部品点数や組付工数等が増加し易く、又、アクセルに比べて大きなポテンショメータを配置したり、ワイヤケーブル等を配置するため、アクセル周りの外観品質を向上させ難いという問題点があった。
また、従来の磁気を用いた相対位置検出装置では、例えば特許文献2において、永久磁石片の移動すなわちロータの回動により、第1ステータと第2ステータとの間を通過する磁束の変化をホールICで検出して、ロータの回転角度に応じた電気信号を出力する旨記載されている。
しかし、磁束の変化と電気信号の出力との関係については具体的に記載されておらず、所定の長さの永久磁石片に対してどのようにすれば、より長い範囲で磁束の変化による相対位置の変化を検出できるかについては、何ら言及されていないものである。
そこで、この発明は、相対位置の変化をより効果的に長い範囲に渡って検出できるようにすると共に、コンパクトに、且つ、安価に構成できる相対位置検出装置を提供することを課題とする。
また、アクセル周りの外観品質を向上させることができる鞍乗り型車両を提供することを他の課題とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、互いに相対変位可能な第1部材及び第2部材を有し、前記第1部材には磁石が配設され、前記第2部材には、前記磁石の磁場の磁束密度が単調変化する範囲内に、該磁束密度の変化を検出するホールICが配置された相対位置検出装置であって、前記磁石には、前記相対変位方向の端面側に向けて板厚が薄くなるような傾斜面が形成された相対位置検出装置としたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、互いに相対変位可能な第1部材及び第2部材を有し、前記第1部材には磁石が配設され、前記第2部材には、前記磁石の磁場の磁束密度が単調変化する範囲内に、該磁束密度の変化を検出するホールICが配置された相対位置検出装置であって、前記磁石には、前記相対変位方向の端面に磁性体が配設された相対位置検出装置としたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成に加え、前記磁石と離間した状態で対向配置される磁性を有する金属板を備え、前記ホールICは、前記金属板と前記磁石との間に配置されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一つに記載の相対位置検出装置が、アクセル開度の制御用に装着された鞍乗り型車両であって、前記磁石及び前記ホールICの内の一方はハンドルバーに固定されると共に、他方は前記ハンドルバーに回動可能に装着されたアクセルグリップに固定され、該アクセルグリップの前記ハンドルバーに対する回動位置を前記相対位置検出装置で検出するようにした鞍乗り型車両としたことを特徴とする。
請求項1に記載の相対位置検出装置によれば、磁石には、相対変位方向の端面側に向けて板厚が薄くなるような傾斜面が形成されたため、端面側における磁束密度の変化を滑らかにできることから、磁石を長くすることなく、検出範囲を効果的に長くすることができる。
しかも、互いに相対変位可能な第1部材及び第2部材の内の一方に磁石を固定すると共に、この磁石により形成される同一の検出用磁場内に、磁石と非接触状態でホールICを固定すれば、検出信号が得られるので、従来のようなポテンショメータ等を設ける必要がなく、前記のような誤作動を防止し易い相対位置検出装置をコンパクトに、且つ、安価に構成することができる。
請求項2に記載の発明によれば、磁石には、相対変位方向の端面に磁性体が配設されたため、端面側における磁束密度の変化を滑らかにできることから、磁石を長くすることなく、検出範囲を効果的に長くすることができる。
請求項3に記載の発明によれば、磁石と離間した状態で対向配置される磁性を有する金属板を備え、ホールICが金属板と磁石との間に配置されているので、磁石により形成される検出用磁場の磁束を金属板に向けて集めることができ、金属板を備えない場合に比べ、第1のホールICにより磁束密度を検出させ易くすることができる。同時に、第1のホールICが金属板と磁石との間に配置されるため、外部からの磁束が金属板により遮断されて第1のホールICまで到達し難く、誤動作等を防止し易い。
請求項4に記載の鞍乗り型車両によれば、ハンドルバーとアクセルグリップとに、磁石とホールICをそれぞれ固定して、アクセルグリップの位置を検出することにより、アクセルを制御できるため、従来のようなポテンショメータ等を設ける必要がなく、コンパクトに設置することが可能で、アクセルグリップ周りに相対位置検出装置を設置することも可能である。しかも、アクセルグリップとポテンショメータとを連結するワイヤーなども必要なく、外観品質を向上させ易いと共に、部品点数及び組立工数を少なく抑えることができる。
以下、この発明の実施の形態について説明する。
[発明の実施の形態1]
図1乃至図8は、この実施の形態1の相対位置検出装置を鞍乗り型車両としての自動二輪車のアクセル部分に適用した例を示している。
この相対位置検出装置は、図1及び図2に示すように、ハンドルバー10の一方側の端部付近に「第1部材」としてのアクセルグリップ(アクセル)11が回動可能に装着され、ハンドルバー10には、アクセル11の車幅方向中央側の端部のチューブガイド部11aと対応する位置に、「第2部材」としての筐体12が固定されている。そのアクセル11のチューブガイド部11aは、この筐体12に相対回動(相対移動)可能な状態で収容されている。
その筐体12内には、図2に示すように、アクセル11の開度を検出するための検出部13がアクセル11のチューブガイド部11aに対向して設けられており、この検出部13から延びる検出信号用配線13aが、図示しない車体に設けられた制御部14に接続され、更に、この制御部14から延びる制御信号用配線14aが、駆動源を動作させるコントローラ16に接続されている。
この相対位置検出装置のアクセル11は、図3に示すように、筐体12の内部に配置されるチューブガイド部11aと、筐体12の外部に配置される把持部11bとを備え、そのチューブガイド部11aには、アクセル11の回動を規制するための回動規制部11cと、アクセル11の回動軸L1を中心にした円弧形状を呈し、アクセル11のチューブガイド部11aに埋設された永久磁石17とが設けられている。
一方、筐体12は、図1及び図2に示すように、ハンドルバー10を直径方向の両側から挟んだ状態で固定される一対の分割筐体12a、12bを備え、この分割筐体12a、12bで形成される内部空間に、アクセル11のチューブガイド部11aが回動可能に配置されている。
その一方の分割筐体12aの内部には、図1及び図4に示すように、アクセル11のチューブガイド部11aが配置される収容部12cが、リブ状の突起部12dにより区画されている。この突起部12dは、アクセル11のチューブガイド部11aの回動規制部11cと所定の位置関係となるように配設されており、回動規制部11cが突起部12dに当接することにより、アクセル11の回動が規制され、全閉位置θoから全開位置θmまでの間で回動可能に構成されている。
そして、この分割筐体12aの収容部12c及びその近傍には、アクセル11のチューブガイド部11aの永久磁石17により形成される検出用磁場の磁束密度を検出するための検出部13が固定されている。この検出部13は、図5及び図6に示すように、分割筐体12aに固定される基板ホルダ18に平板状の回路基板20が支持され、この回路基板20には、鉄板等からなる磁性を有する金属板19が埋設されている。なお、基板自体が鉄、又は、基板下に鉄板を配設できる。
その回路基板20には、図5に示すように、分割筐体12aの収容部12cに配置される細幅部20aが設けられており、この細幅部20aに、第1のホールICとしてのデジタルホールIC21と、第2のホールICとしてのリニアホールIC22とが、永久磁石17と離間した状態で対向するように実装されている。
そのアクセル11のチューブガイド部11aに設けられた永久磁石17は、2つの第1,第2磁極部17a、17bがアクセル11の回動方向に隣接させて固定されたものであり、アクセル11の全閉位置θo側から全開位置θm側に向かうA方向の前側に配置された第1磁極部17aは、外側が第1N極部17c、内側が第1S極部17dとなり、A方向の後側に配置された第2磁極部17bは、外側が第2S極部17e、内側が第2N極部17fとなっている。そのため、永久磁石17は、全閉位置θo側から全開位置θm側に向かうA方向に第1磁極部17a、第2磁極部17bの外側に配置された第1N極部17cと第2S極部17eとが並んで配置された構成になっている。
そして、図6に示すように、その第2S極部17eは、端面17g側に向けて板厚が薄くなるように傾斜面17hが形成されている。
一方、回路基板20のデジタルホールIC21及びリニアホールIC22は、アクセル11の回動軸L1に対して直交する方向、即ち、アクセル11の回動方向に、互いに所定距離離間して配置されている。
このうち、デジタルホールIC21は、図6に示す状態、つまり、アクセル11の全閉位置θoで、永久磁石17の周方向の第1磁極部17aと第2磁極部17bとの境界部分17jに略対応する位置に配置されている。より正確には、この全閉位置θo近傍にはアクセル11の遊びが設けられており、境界部分17j近傍の僅かに第1N極部17c側に対応した位置にデジタルホールIC21が配置されている。
そして、アクセル11を全閉位置θoから全開位置θmまで回動させたとき、デジタルホールIC21が受ける磁束密度は、図7(a)に示すように変化する。このデジタルホールIC21は、アクセル11と筐体12とが相対変位する全範囲において永久磁石17からの磁力を常に受けるように構成されている。
さらに、このデジタルホールIC21からの第1の検出信号は、その位置における磁束密度が所定の閾値T1以上のとき、電圧V11を出力し、所定の閾値T1より小さいとき、電圧V10を出力する。ここでは、電圧V10は0Vである。
そして、ここでは、デジタルホールIC21が、全閉位置θoから全開位置θmまで、永久磁石17からの磁力を常に受ける位置に配置されており、デジタルホールIC21は、図7の(a)の示すような磁束を受けることとなる。
また、リニアホールIC22は、図6に示すように、アクセル11の全閉位置θoで、永久磁石17の第1N極部17cに対向する位置に配置され、アクセル11を全開位置θmまで回動させた時に、永久磁石17の第2S極部17e(傾斜面17h)に対向する位置まで相対移動するように配置されている。
そして、アクセル11を全閉位置θoから全開位置θmまで回動させたとき、リニアホールIC22が受ける磁束密度は、図7(c)に示すように、第1N極部17c側から第2S極部17eまで、磁束密度が単調変化するように設定されている。
なお、磁束密度の単調変化する範囲とは、全閉位置θoから全開位置θmまで、又は、全開位置θmから全閉位置θoまで変位させた際に検出される磁束密度が、極値を経由することなく、増加する範囲、又は、減少する範囲であり、ここでは、単調減少する範囲となっている。
さらに、このリニアホールIC22からの第2の検出信号は、その位置における磁束密度が所定の閾値T2以上のときには、電圧V20を出力し、所定の閾値T2より小さいときには、磁束密度に反比例して磁束密度に対応する電圧V2θを出力する。ここでは、電圧V20は0Vである。
これらのデジタルホールIC21及びリニアホールIC22の出力が入力される制御部14は、デジタルホールIC21からの出力がV11からV10に変化したときに、駆動源であるモータへの給電を停止する制御信号をコントローラ16に出力し、又、デジタルホールIC21からの出力がV11ではなく、V10のときに、リニアホールIC22の出力に対応する制御信号をコントローラ16に出力するように構成されており、モータへの給電をリニアホールIC22の出力に対応して動作させることが可能となっている。
以上のような構成を有する相対位置検出装置が装着された自動二輪車において、アクセル11によりコントローラ16を通じてモータを動作させる場合について説明する。
まず、全閉位置θoから所定の開度θ1までの間では、図7(a)に示すように、デジタルホールIC21の位置における磁束密度が閾値T1以上であるため、デジタルホールIC21からは、図7(b)に示すように、全閉位置θoを示す第1の検出信号V11が出力されている。そのとき、図7(c)に示すように、リニアホールIC22の位置における磁束密度が閾値T2以上であるため、リニアホールIC22からは、図7(d)に示すように、全閉位置θoθ0に対応する第2の検出信号V20が出力されている。そして、これらのデジタルホールIC21及びリニアホールIC22の出力が、検出信号用配線13aを介して制御部14に送信され、制御部14から、モータへの給電を停止する制御信号が制御信号用配線14aを介してコントローラ16に送信される。
その位置から、アクセル11を僅かにA方向に回動させて、所定の開度θ1より大きな開度とすると、デジタルホールIC21の位置における磁束密度が所定の閾値T1より小さくなり、第1の検出信号V10が出力される。この時、この実施の形態では、リニアホールIC22の位置における磁束密度が所定の閾値T2より大きいため、リニアホールICからは第2の検出信号V20が出力された状態で維持される。そのため、制御部14からは、モータへの給電を停止する制御信号が出力される。
そして、アクセル11を更にA方向に回動させて所定の開度θ2より大きな開度とすると、リニアホールIC22の位置における磁束密度がT2より小さくなるため、デジタルホールIC21から第1の検出信号V10が出力された状態が維持されつつ、リニアホールIC22から、磁束密度の変化に対応した第2の検出信号V2θが出力され、検出信号用配線13aを介して制御部14に送信される。そのため、この第2の検出信号V2θに対応する制御信号がコントローラ16に出力され、この第2の検出信号V2θに対応してモータが制御される。
さらに、アクセル11を全開位置θmとすると、デジタルホールIC21の位置における磁束密度が所定の閾値T1より小さいため、第1の検出信号V10が出力された状態で維持されており、リニアホールIC22からの第2の検出信号V2θに対応してモータが全開位置θmになる。
また、アクセル11をA方向とは逆方向に回動させて閉じると、開度θ2より大きな開度の範囲では、リニアホールIC22からの第2の検出信号V2θに対応してアクセル開度が制御され、開度θ2より小さい開度の範囲では、モータへの給電が停止される。
このような相対位置検出装置を用いた自動二輪車によれば、デジタルホールIC21から全閉位置θoを示す第1の検出信号V11が出力された状態では、全閉位置θoに対応する制御信号を制御部14から出力でき、デジタルホールIC21からアクセル11を開いた状態を示す第1の検出信号V10が出力された状態では、リニアホールIC22からの第2の検出信号V2θに対応する制御信号を制御部14から出力できる。そのため、アクセル11が筐体12に対して全閉位置θoに配置した状態では、誤作動等によりデジタルホールIC21から全閉位置θoを示す第1の検出信号V11が出力されずに、アクセル11を開いた状態を示す第1の検出信号V10が出力された場合、リニアホールIC22からは全閉位置θoを示す第2の検出信号V20が出力されているため、制御部14からは全閉の給電停止状態に対応する制御信号が出力される。
また、誤動作等によりリニアホールIC22からアクセル11を開いた状態を示す第2の検出信号V2θが出力された場合でも、デジタルホールIC21から全閉位置θoを示す第1の検出信号V11が出力されているため、制御部14からは全閉の給電停止状態に対応する制御信号が出力される。
その結果、各ホールIC21,22に誤動作が生じても、制御部14からは全閉の給電停止状態に制御する制御信号が出力されるため、安全性を確保することができる。
しかも、ここでは、第2S極部17eに傾斜面17hが形成されているため、検出範囲(全閉位置θoから全開位置θmまでの間)を長く設定できる。すなわち、傾斜面17hが形成されておらず、図8中二点鎖線に示すように角形状に形成されていると、図8の(a)に示すように端面17g側において大きな磁力線cが生じるため、(b)中二点鎖線に示すように磁束密度線dの端部d1側が急激に変化する。従って、磁束密度線dの急激に変化する端部d1を測定すると適正な相対位置が検出できない。
これに対して、第2S極部17eに傾斜面17hを形成すると、端面17g側においては、図8の(a)に示すように、小さな磁力線eが生じるため、(b)中実線に示すように磁束密度線dの端部d2側が滑らかに変化する。従って、磁束密度線dの端部d2が滑らかになるため、永久磁石17の全長を長くすることなく、検出範囲を効果的に長くすることができる。
しかも、全閉位置θoか否かを検出するデジタルホールIC21は、アクセル11と筐体12とが相対変位する全範囲、つまり、アクセル11の回動範囲全体(全閉位置θoから全開位置θmまでの間)において、永久磁石17からの磁力を常に受ける位置に配置されているため、外部からの磁力の影響を受け難く、誤動作が発生し難い。
すなわち、このデジタルホールIC21は、全閉位置θoか否かを検出するものであるため、本来であれば、その位置だけで、磁力を受けるようにすれば良い。しかし、この全閉位置以外において、そのデジタルホールIC21に外部から磁力が作用すると、この磁力により、全閉位置θoであるかのような誤検出が発生する虞がある。
このため、ここでは、全閉位置以外でも、デジタルホールIC21が永久磁石17から常に磁力を受けるようにすることにより、外部から磁力が作用したとしてもその影響が少なく、外部からの磁力に対して強くなり、誤動作の発生を抑制できる。
また、アクセル11に永久磁石17を固定すると共に、ハンドルバー10に固定された筐体12内の永久磁石17の検出用磁場内に、永久磁石17と非接触状態でデジタルホールIC21とリニアホールIC22とを固定すれば、独立した2つの検出信号が得られ、この検出信号により制御部14から制御信号を出力できるので、従来のようなポテンショメータ等を設ける必要がなく、駆動源の誤作動を防止し易い相対位置検出装置をコンパクトに、且つ、安価に構成することができ、アクセルグリップ周りに容易に装着することが可能である。
さらに、従来のようにポテンショメータを用いるものに比べ、ポテンショメータのようなアクセル11に比較して大きな形状の部材を装着する必要がない上、アクセル11とポテンショメータとを連結するワイヤーなども不要であり、外観品質を向上させることが容易であると共に、部品点数及び組立工数を少なく抑えることができ、メカニカル部品が少ないため、経時変化を考慮することもない。
さらに、筐体12に対してアクセル11を回動させる方向Aに、永久磁石17の第1N極部17cと第2S極部17eとを並べて配置した構成を有しているので、第1N極部17cと第2S極部17eとの境界部分17j付近で磁力線の方向の変化が大きく、その位置をデジタルホールIC11により全閉位置として検出し易い。
また、永久磁石17と離間した状態で対向配置される磁性を有する金属板19が回路基板20に埋設されており、デジタルホールIC21及びリニアホールIC22が金属板19と永久磁石17との間に配置されているので、永久磁石17により形成される検出用磁場の磁束を金属板19に向けて集めることができ、金属板19を備えない場合に比べ、デジタルホールIC21及びリニアホールIC22により磁束密度を検出させ易い。
同時に、デジタルホールIC21及びリニアホールIC22が金属板19と永久磁石17との間に配置されるため、外部からの磁束が金属板19により遮断されてデジタルホールIC11及びリニアホールIC12まで到達し難く、誤動作の発生を抑制できる。
[発明の実施の形態2]
図9及び図10には、この発明の実施の形態2を示す。
この実施の形態2は、実施の形態1の傾斜面17hの代わりに、永久磁石17の両端面17g,17kに磁性体である鉄板24が配設されている。
この鉄板24は、断面が略L字形に形成され、連結面部24aが永久磁石17の各端面17g,17kに当接し、一方の鉄板24の連結面部24aにより、第1磁極部17a側においては、第1N極部17cと第1S極部17dとが短絡されるように構成され、又、他方の鉄板24の連結面部24aにより、第2磁極部17b側においては、第2S極部17eと第2N極部17fとが短絡されるように構成されている。従って、図10の(a)中二点鎖線に示すような大きな磁力線cが生じることがない。
このようなものにあっては、図10に示すように、永久磁石17の両端面17g,17kにおいて、図10の(a)に示すように、第1N極部17cと第1S極部17dとの間、又は、第2S極部17eと第2N極部17fとの間において磁力が主に鉄板24を通過するため、図10の(b)中実線に示すように磁束密度線dの端部d2側が滑らかに変化する。従って、磁束密度線dの端部d2が滑らかになるため、永久磁石17の全長を長くすることなく、検出範囲を効果的に長くすることができる。
なお、上記実施の形態では、相対位置検出装置が搭載された鞍乗り型車両について説明したが、これに限らず、相対位置を検出するものであれば他のものにも適用することができる。勿論、駆動源としてエンジンを用いることもできる。
この発明の実施の形態1の相対位置検出装置をアクセルに装着した状態を示し、一部を断面した平面図である。 同実施の形態1の相対位置検出装置をアクセルに装着した状態を示す図1のA−A線に沿う断面図である。 同実施の形態1のアクセルを示し、(a)は縦断面図、(b)は(a)のB−B端面図である。 同実施の形態1の分割筐体の斜視図である。 同実施の形態1の検出部の平面図である。 同実施の形態1のアクセルの端部と検出部との配置関係を示す断面図である。 同実施の形態1のデジタルホールIC及びリニアホールICにおける磁束密度及び検出信号の変化を示すグラフ図で、(a)はデジタルホールICの位置における磁束密度の変化を示し、(b)は第1の検出信号の変化を示し、(c)はリニアホールICの位置における磁束密度の変化を示し、(d)は第2の検出信号の変化を示す。 同実施の形態1の相対位置検出装置の永久磁石と磁束密度等とを示す説明図である。 この発明の実施の形態2を示す図6に相当する断面図である。 同実施の形態2を示す図8に相当する説明図である。
符号の説明
10 ハンドルバー
11 アクセル(第1部材、アクセルグリップ)
11a 端部
12 筐体(第2部材)
13 検出部
14 制御部
17 永久磁石(磁石)
17a 第1磁石
17b 第2磁石
17e 第2S極部
17g 端面
17h 傾斜面
18 金属板
21 デジタルホールIC
22 リニアホールIC(ホールIC)
24 鉄板(磁性体)
V10,V11 第1の検出信号
V20,V2θ 第2の検出信号
θo 全閉位置
θm 全開位置

Claims (4)

  1. 互いに相対変位可能な第1部材及び第2部材を有し、前記第1部材には磁石が配設され、前記第2部材には、前記磁石の磁場の磁束密度が単調変化する範囲内に、該磁束密度の変化を検出するホールICが配置された相対位置検出装置であって、
    前記磁石には、前記相対変位方向の端面側に向けて板厚が薄くなるような傾斜面が形成されたことを特徴とする相対位置検出装置。
  2. 互いに相対変位可能な第1部材及び第2部材を有し、前記第1部材には磁石が配設され、前記第2部材には、前記磁石の磁場の磁束密度が単調変化する範囲内に、該磁束密度の変化を検出するホールICが配置された相対位置検出装置であって、
    前記磁石には、前記相対変位方向の端面に磁性体が配設されたことを特徴とする相対位置検出装置。
  3. 前記磁石と離間した状態で対向配置される磁性を有する金属板を備え、
    前記ホールICは、前記金属板と前記磁石との間に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の相対位置検出装置。
  4. 請求項1乃至3の何れか一つに記載の相対位置検出装置が、アクセル開度の制御用に装着された鞍乗り型車両であって、
    前記磁石及び前記ホールICの内の一方はハンドルバーに固定されると共に、他方は前記ハンドルバーに回動可能に装着されたアクセルグリップに固定され、該アクセルグリップの前記ハンドルバーに対する回動位置を前記相対位置検出装置で検出するようにしたことを特徴とする鞍乗り型車両。
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