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JP2006111295A - 容器の殺菌方法及び殺菌装置 - Google Patents

容器の殺菌方法及び殺菌装置 Download PDF

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JP2006111295A JP2004298984A JP2004298984A JP2006111295A JP 2006111295 A JP2006111295 A JP 2006111295A JP 2004298984 A JP2004298984 A JP 2004298984A JP 2004298984 A JP2004298984 A JP 2004298984A JP 2006111295 A JP2006111295 A JP 2006111295A
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Abstract

【課題】 容器の殺菌に使用するエネルギを低減させるとともに装置をコンパクトにすることが可能な容器の殺菌装置を提供する。
【解決手段】 金型から熱を付与しつつ金型により容器を成形する成形部9と、成形された容器に内容物を充填する充填部5と、を備えた容器の殺菌装置1において、成形部から充填部に成形された順に容器を所定の搬送速度で搬送する搬送手段7、13と、搬送手段の搬送経路中に配置され、容器と殺菌剤とを接触させる殺菌手段と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、容器、特にボトル形状、さらにはポリエチレンテレフタレート(PET)製のボトルの殺菌に好適な殺菌方法及び殺菌装置に関する。
容器内に殺菌剤のミストを導入し、この容器を加熱しつつ容器内からミストを排出させ、その後ミストが排出された容器内を洗浄する装置が知られている(特許文献1参照)。その他、本発明に関連する先行技術文献として特許文献2〜4が存在する。
特開2001−39414号公報 特開2000−85001号公報 特許第3457546号公報 特開平11−278404号公報
従来の装置では、殺菌時又は殺菌剤ミストの導入に先だって成形後の容器を加熱する必要がある。また、容器を均一に、且つ迅速に加熱するには、殺菌剤を供給する工程の前に大型の熱風発生装置などを設置する必要がある。
そこで、本発明は、容器の殺菌に使用するエネルギを低減させるとともに装置をコンパクトにすることが可能な容器の殺菌方法及び殺菌装置を提供することを目的とする。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明の容器の殺菌方法は、金型(11)から熱が付与されつつ前記金型により成形される容器(101)に適用される容器の殺菌方法において、前記容器の少なくとも一部に成形時に付与された熱が残留している状態で前記容器と殺菌剤とを接触させることにより、上述した課題を解決する。
本発明の容器の殺菌方法によれば、成形時に金型から付与された熱によりまだ温度が高い状態の容器と殺菌剤とを接触させるので、成形時の熱を利用して容器を殺菌することができる。そのため、容器を殺菌剤と接触させる好適な温度域に昇温するために使用するエネルギを低減することができる。
本発明の容器の殺菌方法は、前記容器の少なくとも一部の温度が50°C以上の状態で前記容器と前記殺菌剤とを接触させてもよい。成形時に付与された熱によって少なくとも一部の温度が50°C以上の状態の容器と殺菌剤とを接触させることにより、殺菌前の予備加熱など容器を殺菌剤と接触させる好適な温度域に加熱する処理を省略することができる。
本発明の容器の殺菌方法は、気化させた後に凝縮させて生成した殺菌剤ミストを前記容器と接触させてもよい。殺菌剤ミストにおいては、殺菌剤が高濃度かつ微細な粒状で存在するため、殺菌剤の使用量を抑えつつ高い殺菌効果を得ることができる。
本発明の第一の容器の殺菌装置は、金型(11)から熱を付与しつつ前記金型により容器(101)を成形する成形部(9)と、成形された前記容器に内容物を充填する充填部(5)と、を備えた容器の殺菌装置(1)において、前記成形部から前記充填部に成形された順に前記容器を所定の搬送速度で搬送する搬送手段(7、13)と、前記搬送手段の搬送経路中に配置され、前記容器と殺菌剤とを接触させる殺菌手段(4)と、を備えていることにより、上述した課題を解決する。
本発明の第一の容器の殺菌装置によれば、成形部から充填部に容器が成形された順に所定の搬送速度で搬送されるので、搬送経路中に配置された殺菌手段にほぼ同様の状態の容器を順次搬送することができる。そのため、例えば搬送手段によって少なくとも一部に成形時に付与された熱が残留している状態の容器を殺菌手段に順次搬送することできる。従って、上述した殺菌方法と同様に、成形時の熱を利用して容器を殺菌することができる。
本発明の第一の容器の殺菌装置において、前記殺菌手段は、少なくとも一部の温度が50°C以上の前記容器と前記殺菌剤とが接触するように前記搬送経路中に配置されていてもよい。搬送経路中のこのような位置に殺菌手段を配置することにより、上述した殺菌方法と同様に、殺菌前の予備加熱など容器を昇温する処理を省略することができる。そのため、予備加熱時に使用する例えば大型の熱風発生装置などを省略し、殺菌装置をコンパクトにすることができる。また、機器の低減により殺菌装置のコストを抑えることができる。
本発明の第一の容器の殺菌装置において、前記殺菌手段は、前記殺菌剤を気化させた後に凝縮させて生成した殺菌剤ミストを前記容器に供給する殺菌剤ミスト供給手段(14)を備えていてもよい。このように殺菌剤ミストを容器に供給することで、上述した殺菌方法と同様に、殺菌剤の使用量を抑えつつ高い殺菌効果を得ることができる。
本発明の第二の容器の殺菌装置は、金型(11)から熱を付与しつつ前記金型により容器(101)を成形する成形部(9)と、成形された前記容器に内容物を充填する充填部(5)と、を備えた容器の殺菌装置(1)において、前記成形部から前記充填部に成形された順に所定の搬送速度で前記容器を搬送する搬送手段(7、13)と、前記搬送手段の搬送経路中に配置され、少なくとも一部の温度が50°C以上の状態の前記容器と殺菌剤ミストとを接触させる殺菌手段(4)と、を備えていることにより、上述した課題を解決する。
本発明の第二の容器の殺菌装置によれば、成形時に付与された熱により少なくとも一部が50°C以上の状態の容器と殺菌剤ミストとを接触させるので、殺菌前に再度容器を加熱する必要がない。そのため、容器の殺菌に使用するエネルギを低減するとともに装置をコンパクトにすることができる。また、殺菌剤ミストを使用するので、殺菌剤の使用量を抑えつつ高い殺菌効果を得ることができる。
以上に説明したように、本発明によれば、成形時に付与された熱を利用して容器の殺菌を行うことができる。そのため、容器の殺菌に使用するエネルギを低減することができる。さらに、成形時に付与された熱により少なくとも一部の温度が50°C以上の状態の容器と殺菌剤とを接触させることで、予備加熱や殺菌時の加熱を省略することができる。そのため、予備加熱時や殺菌時の容器加熱に使用する機器を省略することができるので、殺菌装置をコンパクトにすることができる。この装置のコンパクト化により、装置の設置面積を低減させることができる。また、装置のコストを抑えることもできる。
図1は、本発明の一実施形態に係る殺菌装置を示している。なお、この実施形態では、PET(ポリエチレンテレフタレート)ボトルの殺菌装置を示している。殺菌装置1は、口部101aを有する有底筒状のプリフォーム(PF)100(図2のステップS11参照)を所定の間隔で順次供給するPF供給機2と、成形機3と、成形されたボトル101と殺菌剤としての過酸化水素(H)とを接触させてボトル101を殺菌する殺菌手段としてのボトル殺菌機4と、殺菌されたボトル101を洗浄し、その後内容物を充填、密封する充填部としての充填機5とを備えている。図2は、殺菌装置1においてボトル101が成形されてから殺菌、洗浄されるまでにボトル101に対して行われる処理の手順を示している。
PF供給機2は、PF100を成形機3に所定の間隔で順次供給(図1の矢印A方向に供給)するPFコンベア6を備えている。成形機3は、図3に拡大して示したようにPF100又はボトル101を搬送する複数の搬送ホイール7と、PF100を加熱する加熱部8と、加熱されたPF100をボトル101に加熱成形する成形部9とを備えている。加熱部8では、PF100が図1の矢印B、矢印C方向に搬送される。加熱部8の壁面には、ヒータ(不図示)が設けられており、搬送中のPF100を加熱する。成形部9は、ターンテーブル10と、PF100をボトル101に成形するための金型11(図2参照)と、PF100の内部に気体を吹き込むブロー装置12(図2参照)とを備えている。ターンテーブル10は、加熱されたPF100を図1の矢印D方向に搬送する。図2に示したように金型11は、ボトル101の口部101aを成形する金型11aと、胴部101bを成形する金型11bと、底部101cを成形する金型11cとを備えている。金型11a、11b、11cが組み合わされることによって、金型11の内部にはボトル101の形状が形成される。金型11は、ターンテーブル10により搬送されるPF100と一体的にターンテーブル10の周方向に移動し、ブロー装置12から吹き込まれた気体により膨らまされるPF100をボトル101の形状に成形する。
ボトル殺菌機4は、成形されたボトル101を搬送するための複数の搬送ホイール13と、ボトル101に殺菌剤としてのHミストを供給する殺菌剤ミスト供給手段としての複数の噴霧管14とを備えている。
充填機5は、複数の搬送ホイール15と、Hミストが供給されたボトル101にエアリンス処理を行うエアリンス部16と、エアリンス後のボトル101に温水リンス処理を行う温水リンス部17と、洗浄後のボトル101に内容物を充填するためのフィラー18と、内容物が充填されたボトル101にキャップを取り付けて密封するためのキャッパー19とを備えている。エアリンス部16は、ボトル101を搬送するエアリンス用ターンテーブル20と、ボトル101に無菌化された熱風を送り込むためのエアノズル21(図2参照)とを備えている。エアノズル21は、エアリンス用ターンテーブル20によって搬送されるボトル101と1:1に対応するように設けられており、各エアノズル21はエアリンス用ターンテーブル20に取り付けられてボトル101と一体的にエアリンス用ターンテーブル20の周方向に移動する。温水リンス部17は、ボトル101の上下を反転させる反転機構22、22と、ボトル101を搬送する温水リンス用ターンテーブル23と、ボトル101に加熱された無菌水(温水)を供給する温水ノズル24(図2参照)とを備えている。温水ノズル24は温水リンス用ターンテーブル23によって搬送されるボトル101と1:1に対応するように設けられており、各温水ノズル24は温水リンス用ターンテーブル23に取り付けられてボトル101と一体的に温水リンス用ターンテーブル23の周方向に移動する。なお、フィラー18及びキャッパー19は公知の装置と同様で良いため、説明を省略する。
殺菌装置1の各搬送ホイール7、13、15は不図示の駆動モータによって動作が同期するように駆動される。また、殺菌装置1の各ターンテーブル10、20、23も搬送ホイール7、13、15と動作が同期するように駆動される。図3に示したように殺菌装置1では、成形部9からエアリンス部16にボトル101が搬送ホイール7、13によって搬送される。そのため、成形部9のターンテーブル10から搬送ホイール7にボトル101が一本排出されると、各搬送ホイール7、13においてボトル101が次の各搬送ホイール7、13に受け渡されてエアリンス部16にボトル101が一本送り込まれる。従って、各搬送ホイール7、13及びターンテーブル10から次の搬送ホイール7、13及びターンテーブル20へのボトル101の受け渡しが同期して行われる。即ち、成形部9とエアリンス部16との間におけるボトル101の搬送の同期を完全にとることができる。このように搬送ホイール7、13によってボトル101を搬送することによって、成形部9からエアリンス部16にはボトル101が成形された順に、所定の搬送速度で搬送することができる。そのため、搬送ホイール7、13は本発明の搬送手段として機能する。
殺菌装置1には、内部に不図示の仕切りが設けられている。この仕切りは、図1及び図3の点線L及び点線Lの位置に設けられており、殺菌装置1の内部を無菌ゾーン、非無菌ゾーン、及び無菌ゾーンと非無菌ゾーンの中間に位置するグレーゾーンに分けている。なお、殺菌装置1において、PF供給機2及び成形機3は非無菌ゾーンに、ボトル殺菌機4はグレーゾーンに、充填機5は無菌ゾーンにそれぞれ配置されている。
次に、図1〜図3を参照して殺菌装置1の動作を説明する。
まず、PFコンベア6によってPF100が成形機3に供給される。成形機3に供給されたPF100は複数の搬送ホイール7を介して加熱部8に搬送される。加熱部8においてPF100は、PF100の全体の温度がほぼ均一に成形に好適な温度域に上昇するように加熱される。なお、成形に好適な温度域は、PF100の材質や形状などに応じて変化するため、これらのパラメータに応じて適宜設定される。加熱部8で加熱されたPF100は、次に成形部9に搬送される。成形部9においてPF100は、ターンテーブル10により搬送されるとともにこの搬送中にPF100と一体的に移動する金型11及びブロー装置12によりボトル101に成形される。ボトル101は、PF100を金型11で囲むとともにブロー装置12からPF100の内部に気体を吹き込む、いわゆるインジェクションブローにより成形される(図2のステップS11)。
殺菌装置1の成形部9ではボトル101を加熱しつつ成形(加熱成形)するため、金型11の温度は、ほぼ所定の温度に維持される。所定の温度は、例えば後述するボトル101へのHミストの供給時におけるボトル101の温度や、ボトル101の材質、形状などに応じて適宜設定される。このような所定の温度としては、例えば60°C〜100°Cが設定される。金型11a、11b、11cには、それぞれ異なる温度が設定されていてもよい。例えば、ボトル101の口部101aの金型11aには、他の金型11b、11cと比べて低い温度が設定されていてもよい。ボトル101の口部101aはPF100において既に形成されているため、この口部101aに熱を供給しすぎると口部101aが変形するおそれがある。そこで、この口部101aと接触する部分の金型11aの温度を低くし、変形を防止する。また、ボトル101の底部101cの金型11cには、他の金型11a、11bと比べて高い温度が設定されていてもよい。加熱形成時の温度を高くすることで、この温度を高くした部分の強度を増加させることができる。そのため、底部101cの強度を増加させる場合などは、金型11cの温度を高く設定してもよい。
成形されたボトル101は、ボトル殺菌機4に送られる。ボトル殺菌機4では、ボトル101に複数(図1では二本)の噴霧管14からHを気化させた後に凝縮させて生成したHミストが供給される(図2のステップS12)。なお、ボトル101の搬送時は、噴霧管14、14からHミストが供給され続ける。そのため、搬送ホイール13によって噴霧管14、14の下をボトル101が通過することで、ボトル101の内外面にHミストが数秒間吹き付けられる。このHミスト供給時におけるボトル101の表面温度は、50°C以上であることが望ましい。そのため、噴霧管14は、ボトル101の搬送経路中において表面温度が50°C以上のボトル101にHミストを供給可能な位置に配置されている。また、この時のボトル101の表面温度は、ボトル101の熱容量、ボトル101の周囲の雰囲気、及び金型11から付与された熱量などに応じて定まる。そこで、本発明の殺菌装置1では、Hミストの供給時におけるボトル101の表面温度が50°C以上になるように、成形部9から噴霧管14までのボトル101の搬送速度や、成形時の金型11の温度が設定される。上述したように搬送ホイール7、13の動作は同期しているため、噴霧管14の配置されている位置には、ほぼ同じ表面温度のボトル101を順次送り込むことができる。
なお、このHミスト供給時におけるボトル101の表面温度は、例えばボトル101の材質や形状、殺菌剤の種類などに応じて、ボトル101が適切に殺菌されるように適宜設定される。ボトル101の表面温度は、ボトル101の全体が50°C以上でなくてもよい。例えば、成形時に金型11aの温度を金型11b、11cよりも低くした場合、口部101aの温度が50°C未満になる可能性がある。この場合でも、図2のステップS12に示したように口部101aには高濃度のHミストが供給されるので、口部101aを適正に殺菌することができる。ボトル101の表面温度の上限値は、例えばボトル101の材質に応じて設定される成形時における金型11の温度の上限値により設定される。金型11の温度の上限値が100°Cである場合、表面温度の上限値として例えば90°Cが設定される。
殺菌されたボトル101は次に充填機5に送られる。充填機5においてボトル101はまずエアリンス部16に搬送される。エアリンス部16では、エアリンス用ターンテーブル20によってボトル101を搬送しつつ、ボトル101の内部にエアノズル21を挿入し、ボトル101内に無菌化した熱風を供給してエアリンス処理を行う(図2のステップS13)。このように熱風が供給されることでボトル101が内面から加熱され、Hミストによる殺菌効果が高まるとともに、Hのボトル101への吸着や浸透が抑制されてHがボトル101の内面に浮かび易くなる。さらに、ボトル101の内部に漂っているHミストが熱風によりボトル101外へ排出される。この時点では、ボトル101の内面に付着したHミストにより既に殺菌が十分に行われているので、ボトル101の内部空間に漂っているHミストを排出しても殺菌効果は損なわれず、むしろ余分なミストを早期に排出することにより、ボトル101の内面へのHの過剰な吸着や浸透を抑えることができる。
熱風の吹き込み時間は、ボトル101の内部に漂っているミストをすべて排出できる範囲で行えばよい。熱風の温度がボトル101の耐熱温度以上である場合、熱風の吹き込み時間があまり長いとボトル101が耐熱温度を超えて加熱され、変形等を生じることがあるので注意を要する。本発明の殺菌装置1では、金型11から熱を付与しつつボトル101を成形しているため、ボトル101の耐熱性が向上している。そのため、金型から熱を付与せずに成形したボトルへの吹き込み時間と比較して、熱風の吹き込み時間を長くすることができる。本発明の殺菌装置1における熱風の吹き込み時間としては、例えば20秒が設定される。なお、熱風に代え、常温の無菌化された空気を吹き込んでHミストを排出してもよい。エアリンス時には、ボトル101内にエアノズル21を挿入させない状態で熱風を供給しても良い。
エアリンス後のボトル101は、温水リンス部17に搬送される。温水リンス部17においてボトル101は、まず反転機構22により上下が反転(図2のステップS14の状態)され、その後温水リンス用ターンテーブル23に送られる。温水リンス用ターンテーブル23により搬送されるボトル101の内部には、温水ノズル24から加熱された殺菌水が送り込まれる(図2のステップS14)。これにより、ボトル101の内部に残留しているHが洗い流される。なお。殺菌水の温度は常温でもよい。殺菌水の供給時間はボトル101の容量や形状に応じて適宜設定され、例えば1〜10秒が設定される。殺菌水による洗浄後のボトル101は反転機構22により口部101aが上を向く状態に戻される。
その後、温水リンス処理されたボトル101には、フィラー18により内容物が充填される。内容物が充填されたボトル101は、キャッパー19によりキャップが取り付けられて密封され、ボトル出口1aから排出される。なお、上述したようにフィラー18及びキャッパー19は公知の装置でよいため、ボトル101への内容物の充填方法及びボトル101の密封方法の説明は省略する。
以上の殺菌装置1によれば、成形時に付与された熱によって表面温度が50°C以上の状態のボトル101にHミストを供給するので、成形後に再度ボトル101を加熱しなくてもよい。そのため、ボトル101を殺菌するために使用するエネルギを低減することができる。また、成形時に同じ金型から熱が付与されたボトル101の部分(例えば金型11bから熱が付与されたボトル101の胴部101b)は、ほぼ均一の温度に昇温されている。そのため、少なくとも一部の温度がほぼ均一のボトル101と殺菌剤とを接触させることができる。従って、殺菌剤ミストによるボトル101の殺菌効果を向上させることができる。殺菌装置1では、殺菌に使用する機器数を低減させるとともに、成形機3やボトル殺菌機4などを接近させて配置するため、装置をコンパクトにすることができる。また、搬送ホイール7、13によってボトル101を搬送することで、成形部9からエアリンス部16へのボトル101の搬送の同期を完全にとることができる。さらに、エアリンス部16以降もボトル101は搬送ホイール15により搬送されるので、殺菌装置1では成形から殺菌、洗浄、充填及び密封までボトル101を止めることなく処理することができる。そのため、殺菌装置1の設置面積を低減させるとともに、装置コストを抑えることができる。
殺菌装置1では、Hを気化させた後に凝縮させて生成したHミストをボトル101に供給して殺菌している。Hミスト中のHは、スプレーなどによって生成されるHの滴よりも微細な粒状で存在する。そのため、HミストにおいてはHが高濃度に存在している。殺菌装置1では、このHミストによってボトル101を殺菌するため、数秒間Hミストを供給することで、殺菌に十分な量のHとボトル101とを接触させることができる。そのため、ボトル101を搬送したまま、ボトル101を殺菌することができる。また、Hミストを使用することで、Hの使用量を抑えることができる。
殺菌装置1では、金型11から熱を付与しつつボトル101を成形するため、ボトル101の耐熱性を向上させることができる。そのため、エアリンス処理における熱風吹き付け時間を、金型から熱を付与せずに成形したボトルの吹き付け時間よりも長くすることができるので、エアリンスによって殺菌剤(H)をより多く除去することができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されることなく種々の形態にて実施してよい。例えば、本発明の殺菌方法及び殺菌装置が適用される容器はPETボトルに限定されず、種々の熱可塑性樹脂の容器に適用することができる。殺菌剤は過酸化水素(H)に限定されることなく例えば過酢酸系の殺菌剤など各種の殺菌剤を使用してよい。また、殺菌剤を容器と接触させる方法は、殺菌剤をミスト化して接触させる例に限らず、適宜の方法で容器を殺菌剤と接触させてよい。無菌水による容器の洗浄は、無菌水を流しつつ行うものに限定されない。容器の成形方法はインジェクションブローに限定されず、ダイレクトブローによって容器を成形してもよい。
成形部から殺菌剤を供給する噴霧管の位置まで容器を搬送する搬送手段は、図1に示したホイール搬送装置に限定されない。容器が成形された順に所定の搬送速度で搬送可能な、即ち容器を同期搬送可能な種々の搬送装置を使用してよい。このような搬送装置としては、例えばベルト搬送装置、バケット搬送装置などがある。
PETボトルに対し、殺菌条件を変化させ、後述する手順で殺菌処理を実施した。図4は、この試験結果の一例を示している。なお、変化させた殺菌条件は、Hミスト供給時におけるPETボトルの温度(初期温度)、及びPETボトルへのH付着量である。初期温度は50°C、60°C、70°Cに変化させた。H付着量は、21μl/bottle、29μl/bottle、37μl/bottleに変化させた。即ち、図4に示したように9条件の殺菌条件においてボトルに殺菌処理を実施した。殺菌対象として、各殺菌条件のそれぞれについて10、10、10の枯草菌芽胞を付着させたPETボトルを5本ずつ準備した。
殺菌処理の手順について説明する。
まず、Hミスト供給時におけるボトルの温度が各殺菌条件の初期温度(50、60、70°C)になるようにボトルを昇温した。なお、この試験ではボトルを昇温したが、本発明の殺菌装置ではHミスト供給時におけるボトルの温度がこの初期温度になるように金型の温度や搬送速度が設定される。次に、初期温度のボトルに各殺菌条件の付着量(21、29、37μl/bottle)のHが付着するようにHミストを供給した。
その後、ボトル内部を洗浄するため、Hミスト供給後のボトルに対してエアリンス処理及び温水リンス処理を行った。エアリンス処理では、ボトル内にノズルを挿入して105°C〜125°Cの熱風を20秒間吹き込んだ。温水リンス処理では、ボトルの底部が上を向くようにボトルを反転させ、ボトル内に温水ノズルを挿入して70°Cに加熱された無菌水を8秒間送り込んだ。
図4に示した殺菌効果は、以下に示す方法により評価した。
各殺菌条件の洗浄後のボトルに対して、ボトル内にトリプトソイブイヨン培地を無菌的に分注した。次に、ボトルを36°Cの状態で7日間保持し、菌を培養した。その後、各殺菌条件における試験結果から確率論的に最確数(MPN、most probable number)で生残菌数を算出し、付着菌数と生残菌数との対数値を次の式により求めて殺菌効果を評価した。なお、図4の表における殺菌効果は、数値が大きいほど殺菌効果が高いことを示している。
Figure 2006111295
図4の各殺菌条件における殺菌効果を比較することで、以下の点が確認できる。例えば条件1、4、7を比較することで、PETボトルの初期温度が高いほど、殺菌効果が上昇することが確認できる。また、例えば条件1、2、3を比較することで、H付着量を増加させるほど、殺菌効果が上昇することが確認できる。
本発明の一実施形態に係る殺菌装置を示す図。 図1の殺菌装置においてボトルが成形されてから殺菌、洗浄されるまでにボトルに対して行われる処理の手順を示す図。 図1の殺菌装置の一部を拡大して示す図。 PETボトルに対し、殺菌条件を変化させて殺菌処理を実施した試験結果の一例を示す図。
符号の説明
1 殺菌装置
4 ボトル殺菌機(殺菌手段)
5 充填機(充填部)
7 搬送ホイール(搬送手段)
9 成形部
11 金型
13 搬送ホイール(搬送手段)
14 噴霧管(殺菌剤ミスト供給手段)
101 ボトル(容器)

Claims (7)

  1. 金型から熱が付与されつつ前記金型により成形される容器に適用される容器の殺菌方法において、
    前記容器の少なくとも一部に成形時に付与された熱が残留している状態で前記容器と殺菌剤とを接触させることを特徴とする容器の殺菌方法。
  2. 前記容器の少なくとも一部の温度が50°C以上の状態で前記容器と前記殺菌剤とを接触させることを特徴とする請求項1に記載の容器の殺菌方法。
  3. 気化させた後に凝縮させて生成した殺菌剤ミストを前記容器と接触させることを特徴とする請求項1又は2に記載の容器の殺菌方法。
  4. 金型から熱を付与しつつ前記金型により容器を成形する成形部と、成形された前記容器に内容物を充填する充填部と、を備えた容器の殺菌装置において、
    前記成形部から前記充填部に成形された順に前記容器を所定の搬送速度で搬送する搬送手段と、前記搬送手段の搬送経路中に配置され、前記容器と殺菌剤とを接触させる殺菌手段と、を備えていることを特徴とする容器の殺菌装置。
  5. 前記殺菌手段は、少なくとも一部の温度が50°C以上の前記容器と前記殺菌剤とが接触するように前記搬送経路中に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の容器の殺菌装置。
  6. 前記殺菌手段は、前記殺菌剤を気化させた後に凝縮させて生成した殺菌剤ミストを前記容器に供給する殺菌剤ミスト供給手段を備えていることを特徴とする請求項4又は5に記載の容器の殺菌装置。
  7. 金型から熱を付与しつつ前記金型により容器を成形する成形部と、成形された前記容器に内容物を充填する充填部と、を備えた容器の殺菌装置において、
    前記成形部から前記充填部に成形された順に所定の搬送速度で前記容器を搬送する搬送手段と、前記搬送手段の搬送経路中に配置され、少なくとも一部の温度が50°C以上の状態の前記容器と殺菌剤ミストとを接触させる殺菌手段と、を備えていることを特徴とする容器の殺菌装置。

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