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JP2006106534A - トナーの製造方法 - Google Patents

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JP2006106534A
JP2006106534A JP2004295783A JP2004295783A JP2006106534A JP 2006106534 A JP2006106534 A JP 2006106534A JP 2004295783 A JP2004295783 A JP 2004295783A JP 2004295783 A JP2004295783 A JP 2004295783A JP 2006106534 A JP2006106534 A JP 2006106534A
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toner
fine powder
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particles
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English (en)
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Tetsuya Ida
哲也 井田
Nozomi Komatsu
望 小松
Yojiro Hotta
洋二朗 堀田
Hirohide Tanigawa
博英 谷川
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Abstract

【課題】 軽圧定着システムにおいても、色ムラがなく、色再現範囲も広く、そして高速時においても定着不良が生じず、且つ異なるサイズの転写材においても問題なく定着でき、クリーニング手段や廃トナーBOXを必要としない優れたトナーを得るためのトナーの製造方法を提供する。
【解決手段】 トナーの製造方法において、表面改質処理及び分級処理を同時に行う工程を分級同時表面改質処理装置を用いて行いトナー粒子を得、次いで前記トナー粒子に無機微粉体を外添してトナーを得る工程を、撹拌羽根を有する混合同時表面改質処理装置を用いてトナー粒子と外添剤の混合及び表面改質を行い、トナーを得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法及びトナージェット法等の画像形成方法に用いられるトナー、特にオイルレスに適したトナーの製造方法に関するものである。
フルカラー複写装置やプリンターにおいては、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー及びブラックトナー等を用い、減色混合作用を利用して各色のトナーを重ね合わせることで現像し、現像により形成された各色のトナー画像をOHPシートや普通紙等の転写材上に最終的に重ね合わせて転写し、転写材上に重ね合わせたトナー画像を転写材に定着させることで所望のカラー画像を形成している。このためカラートナーでは、混色した際に上部のトナー層と下部のトナー層を均一に熱及び圧力を加え、色ムラのない画像を作成することが必要である。トナーに均一に熱及び圧力を加えられず色ムラが発生してしまうと、光沢ムラがひどく、またトナーを重ね合わせたとき下部のトナーの色が出ず、色再現範囲の狭いものになってしまう。また白黒装置やプリンターにおいては、近年高速化がめざましく、高速化する分、定着時間も短くなることで定着時にトナーに与えられる熱量は減少する一途である。トナーに均一に熱及び圧力を加えられないと、定着不良画像が出やすいものとなってきている。
定着方法としては、昨今のエコロジーの観点からスタンバイ時に殆ど電力を使わないオンデマンド定着方法が好ましく用いられる。オンデマンド定着では通常の高圧ローラー定着と比して軽圧での定着となる傾向があり、トナーに均一に熱及び圧力をかけにくくなる構成となるため、定着性能や色ムラに劣るものとなり易い。それを改善するために、トナーの樹脂の粘弾性設計や離型剤の存在状態などの工夫がされている(例えば、特許文献1参照)。
多様なユーザーニーズに対応するため、さらに多彩な転写材にも対応する必要があり、特に異なるサイズを問題なく定着できることは重要になってくる。サイズが違うと通紙した所とそうでない個所で、定着機において温度が違い、つまり定着器内で温度分布が出来てしまうことで定着不良の元となる。これは、現在の技術では完全に解決されているものではない。定着不良を回避するために定着に時間をかけて(ダウンタイムさせて)、温度ムラをなくしているのが実状であり、ダウンタイムすることなく異なるサイズを連続させて定着させるには問題がある。
また、複写装置やプリンターは、近年、省スペース、省エネルギー等の要求から、より小型、より軽量そしてより高速、より高信頼性が厳しく追求されてきており、機械は種々の点でよりシンプルな要素で構成されるようになってきている。その結果、トナーに要求される性能はより高度になり、トナーの性能向上が達成できなければ優れた本体構成が成り立たなくなってきている。
その中でも中間転写体を使用する場合、トナーの転写効率を高める必要があり、以下のような様々な方法によってトナーの転写効率を高める方法が提案されている。例えば、トナーの形状を製造装置にて丸くすることで転写効率アップを提案しているもの(例えば、特許文献2参照)、そして外添剤による転写効率のアップやトナー粒子の表面の荷電制御剤の量の制御で画質改善など提案されているものなどがある(例えば、特許文献3及び4参照)。これらの各種提案されているものは、単一の改善策としては優れているものの、上述してきた定着性を同時に満たし、さらに転写性でもクリーニング装置や廃トナーBOXを必要としないところまで達成できておらず、そして転写残トナーを再利用できるとこ
ろまでは至っていない。
つまり、従来の定着手段及びトナーにおいては以下のような問題がある。(1)軽圧の定
着システムにおいて、光沢ムラが発生しやすいために色ムラや色再現範囲も狭いものとなりやすく、高速時には定着不良を起こしやすい。(2)オンデマンド定着方法においては、
異なるサイズをダウンタイムなしで連続して定着できない。(3)転写効率アップのために
トナーを改善しているものの、クリーニング装置や廃トナーBOXは必要としているため、電子写真装置本体を小スペース化できない。
特開2002−351143号明細書 特開平2002−233787号明細書 特開2002−214825号明細書 特開2002−268280号明細書
本発明の課題は、軽圧定着システムにおいても、色ムラがなく、色再現範囲も広く、そして高速時においても定着不良が生じず、且つ異なるサイズの転写材においても問題なく定着でき、クリーニング手段や廃トナーBOXを必要としない優れたトナーを得るためのトナーの製造方法を提供することである。
本発明者等は、鋭意検討をした結果、小型の軽圧定着器において良好に定着するには転写材上におけるトナーの存在状態が重要になることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
結着樹脂、着色剤及び離型剤を少なくとも有するトナー粒子と、無機微粉体とを有するトナーであって、
前記無機微粉体は、前記トナー粒子表面上での個数分布粒径において、粒径90nm以上350nm以下の領域に少なくとも1つの極大値を有する無機微粉体であり、
前記トナーは、円相当径3μm以上の粒子において平均円形度が0.935〜0.975であるトナー、の製造方法であって、
結着樹脂、着色剤及び離型剤を少なくとも有する組成物を溶融混練し、得られた混練物を冷却固化し、冷却固化物を微粉砕して微粉砕物を得る工程(i)、得られた微粉砕物の
表面改質処理及び分級処理を同時に行ってトナー粒子を得る工程(ii)、ならびに前記トナー粒子に無機微粉体を外添してトナーを得る工程(iii)を少なくとも有し、
前記工程(ii)は、前記微粉砕物中の所定粒径以下の微粉を系外へ連続的に排出除去する分級手段、該分級手段により微粉が除去された被処理粒子を機械式衝撃力を用いて表面改質するための表面処理手段、前記分級手段と前記表面処理手段との間に設けられた、前記被処理粒子が前記分級手段へ導入するための第一の空間及び前記被処理粒子を前記表面処理手段へ導入するための第二の空間、前記第一の空間と第二の空間を仕切る案内手段とを有する回分式の分級同時表面改質処理装置を用いて行われ、前記分級同時表面改質処理装置において、前記微粉砕物を前記第一の空間に導入し、前記分級手段により所定粒径以下の微粉を装置外へ連続的に排出除去しながら、前記第二の空間を経由して、機械式衝撃力を用いる前記表面処理手段へ導入して表面改質処理を行い、再び第一の空間へ循環させることにより、一定時間分級と機械式衝撃力を用いる表面改質処理を繰り返してトナー粒子を得る工程であり、
前記工程(iii)は、上部が球型である処理槽、該処理槽の槽底部の中心を垂直に貫く
回転軸、該回転軸に設けられ処理槽内壁に沿って処理物を放出する撹拌羽根、処理槽上部から槽内に配置された排気管、とを有する混合同時表面改質処理装置を用いて行われ、前記攪拌羽根の周速が80m/s以上でトナー粒子と外添剤の混合及び表面改質を行ってトナーを得る工程である、ことを特徴とするトナー製造方法。
軽圧定着システムにおいても、色ムラがなく、色再現範囲も広く、そして高速時においても定着不良が生じず、且つ異なる転写材サイズにおいても問題なく定着でき、クリーニング手段や廃トナーBOXを必要としない優れたトナーの製造方法を提供する。
多様なユーザーニーズを満足させるには、小型の軽圧定着が望ましいことを述べたが、定着性向上に関しては、上述したようにトナーに均一な熱及び圧力を与えることが重要となってくる。
本発明に係るトナーは、線圧380〜1140N/mで回転加圧部材を押圧しながら加熱加圧定着を行う定着工程を有する画像形成方法に好ましく用いられるトナーである。線圧380N/m未満ではトナーを押さえつける圧力が小さすぎるため、下層のトナーへの熱伝導性が悪く、混色性や低温時での定着性能が劣るものとなる。また線圧1140N/mより大きくなると、高圧に耐えられるように定着に用いる部材を強化しなければならず、部材の厚みアップや補助強化部材追加等、大型化や熱容量アップを余儀なくされることになる。それにより熱電源も大型化することになり、装置自体の大型化、コストアップ、そして熱容量を沢山必要とすることからオンデマンド定着できないものとなってしまう。よって定着器の線圧に関しては、好ましくは380〜1140N/mが良く、さらに好ましくは500〜1000N/mが良い。
軽圧定着方法に用いるトナーとしては、転写材上におけるトナーの存在状態が重要になってくると考えている。高圧定着時にはトナーを押し潰してしまうため存在状態はほとんど関係ないが、軽圧定着時には転写材上でトナーは凹凸が少なく均一に存在していないと、熱及び圧力が不均一になり、その結果光沢ムラが悪くなる傾向があり、カラートナーにおいては混色性が落ちて色再現性が劣るものとなる。
トナー同士が細密充填のように積み重なっていれば、熱を通しにくい空気層も少なくなり、熱伝導性が向上するため定着性能、例えば低温定着性が優れるものとなる。これらを達成するためにはトナーの円形度が大きな役割となってくる。円形度を高めることで、転写性能を向上させ、転写材上に均一にトナー層を作りやすくし、且つ細密充填し易く出来るものである。
円形度としては、円相当径3μm以上の粒子において平均円形度が0.935〜0.975であるのが好ましい。0.935未満であると、上述した均一及び細密充填効果を得
られにくく、また0.975より大きいと離型効果が強すぎて飛散する問題が起こる。そ
こで平均円形度は0.935〜0.975が好ましく、さらに好ましくは、0.945〜0.970が良い。
軽圧時定着性及び転写性向上のためには、円形度だけでなく、トナー粒子上に存在する無機微粉体の大きさや存在状態も重要となってくる。
本発明において、好ましい無機微粉体としては、トナー粒子表面上での個数平均分布粒径において、少なくとも1つの極大値を持ち、該極大値が粒径90nm以上350nm以下の領域に少なくとも一つ存在することが好ましい。トナー粒子表面に存在する無機微粉体の個数平均分布粒径が上記範囲を満たせば、シリカ、アルミナ、酸化チタン等その組成を特に限定するものではない。例えば、シリカの場合、気相分解法、燃焼法、爆燃法等いかなる方法により得られる従来公知の技術によって製造されるものを使用することができる。
トナー粒子表面に存在する無機微粉体の個数分布粒径の極大値が1つのみ存在した場合
、その極大値が350nmより大きいと、軽圧定着時においては潰されにくいためトナー同士に隙間を作ってしまい、定着性能を落とすものとなる。逆にトナー粒子表面に存在する無機微粉体の個数分布粒径の極大値が1つのみ存在した場合、その極大値が90nm未満である場合は、無機微粉体の劣化が大きいため初期のトナーと、現像同時クリーニング工程により現像転写を経て再び現像器に戻ってきたトナーとでは現像性能が違い、カブリや飛散が悪いものとなってしまう。好ましくはトナー粒子表面上での個数分布粒径において、粒径100nm以上300nm以下の領域に少なくとも一つの極大値を有する無機微粉体が好適である。
本発明に係るトナーの無機微粉体としては、個数分布において5nm以上90nm未満に最大極大値を有する第1の無機微粉体と、90nm以上350nm以下に最大極大値を有する第2の無機微粉体を組み合わせて使用するのがより好ましい。
無機微粉体は表面を疎水化処理されているのが好ましい。無機微粉体を疎水化処理するための疎水化処理剤としては、シラン化合物が好ましく用いられ、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラノール、トリエチルシラノール等のモノシラノール化合物、トリメチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン等のモノクロロシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン等のモノアルコキシシラン、トリメチルシリルジメチルアミン、トリメチルシリルジエチルアミン等のモノアミノシラン、トリメチルアセトキシシラン等のモノアシロキシシランが挙げられる。
本発明におけるトナーにおいて、上記無機微粉体の添加量は、トナー粒子に対して0.3〜4.0質量部、より好ましくは0.5〜3.0質量部である。
トナー粒子表面上での個数平均分布粒径において、粒径90nm以上350nm以下の領域に少なくとも一つ極大値を有する無機微粉体は、通常より大粒径であることからトナー粒子に付着しにくく、且つ最初付いていても現像器中の衝撃などにより外れてしまうことが多い。外れてしまうと継続的な転写性向上の効果は得られにくく、また定着時において定着部材とトナー層との界面的な存在にもなってしまい定着性能、例えば低温定着性を落としてしまう要因となり、定着器で温度分布ができるサイズ紙違いの場合、定着不良を起こしてしまう。
そこで、トナーから遊離した無機微粉体を少なくするためには、無機微粉体が付着しやすいトナー粒子とする必要があり、且つ無機微粉体を強くトナー粒子に付着させることが必要となる。
トナー粒子表面の組成は無機微粉体付着と関係しており、離型剤がトナー粒子の表面に多いほど無機微粉体がトナー粒子から遊離しやすくなる。よって、トナーの円形度は高めなければならないが、離型剤をトナー粒子表面にできるだけ存在させない製造方法が必要となる。従来の(株)奈良機械製作所製のハイブリタイゼーションシステム、ホソカワミクロン(株)製のメカノフージョンシステム、川崎重工業(株)製のクリプトロンシステム、日清エンジニアリング(株)製のスーパーローター等に代表される、粉砕力はあるものの粉砕しながら機械的衝撃力を与えるものは、一見熱量がさほどかからないように思えるが、実際は求める球形を作り出そうとすると、かなりの熱量を与えてしまい、トナー粒子表面に離型剤を多量に存在させてしまうのが実状である。
よって本発明においては、図1及び図2に示すような、分級と、機械式衝撃力を用いる表面改質処理とを同時に行う装置(以下、「分級同時表面改質処理装置」という)を用いることで、分級された所定粒径以下の微粉は装置外へ連続的に排出除去されるためトナー粒子中の粉塵濃度を抑制でき、また連続的にトナー粒子に衝撃を与えるものではないため、トナー粒子自体の発熱を効率良く取り除けることで、トナー粒子表面の離型剤量が改善される。
分級同時表面改質処理装置を用いて、装置内での流速を敢えて高める、例えば冷風アップやハンマーとライナーギャップを縮め、また分級部への空隙を少なくすることで、従来ではできなかったトナー粒子表面の離型剤制御と円形度の両立をできるものとなる。これは、装置内流速を高めることで、ハンマーとライナー間を通過する時間は短くなるが、通過回数を増やしてトナー粒子処理を均一にしつつ、流速が大きいことで冷却効果を高くする、つまりソフトで均一、しかも冷却効果を大きくもって、球形化工程を行うことで達成できると考えている。
しかし、分級同時表面改質処理装置を用いてトナー粒子を得ただけで、無機微粉体が付着しやすいトナー粒子が得られるものではない。つまり、分級同時表面改質処理装置を用いて得られたトナー粒子に無機微粉体を外添させるために、従来の混合装置、例えばダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー等を用いて外添混合しても望むべき性能を満足できるものではない。トナー粒子に無機微粉体の付着を持続させるパラメーターとしては、トナー粒子と無機微粉体の外添混合の際、トナー粒子と無機微粉体の衝突回数(混合時間)を多くするより、一回の衝突エネルギーが大きいものが良い。つまり従来のような周速でいくら長く混合しても改善効果は少ない。
本発明においては、図3に示すような装置(以下、「混合同時表面改質処理装置」ともいう)によって、周速80m/s以上でトナー粒子と無機微粉体との混合を行う。さらに好ましくは周速100m/s以上で混合及び表面改質処理を行うことがよい。そして混合同時表面改質処理装置において、装置内に敢えて粉流を乱すものを入れることで、高速流速だけでは得られない無機微粉体のトナー粒子への付着性がよくなり、少量の無機微粉体でも均一分散できるものとなる。
軽圧定着方法に好適に用いるための、円相当径3μm以上の粒子の平均円形度が0.935〜0.975で、トナー粒子表面に個数分布粒径90nm以上350nm以下の領域に極大値を有するトナーを得るためには、トナーの製造方法において、図1に示す分級同時表面改質処理装置及び図3に示す混合同時表面改質処理装置を用いることが重要である。分級同時表面改質処理装置を用いずに混合同時表面改質処理装置を用いるだけでは、やはり改善効果は少なく全ての効果を満足できるものではない。両方の装置及び各種改良が揃って本発明に至るものである。
特に、現像同時クリーニング工程(具体的には、像担持体上にブレード等のクリーニング手段を当接して転写残トナーを回収し、転写残トナーを現像部で回収する工程)を有する画像形成方法においては、図1に示す分級同時表面改質処理装置及び図3に示す混合同時表面改質処理装置を併用して製造したトナーを用いることは非常に有効な手段となる。
トナーを現像部で回収するということは再利用することであり、転写残トナーと未使用のトナーとが殆ど同一の特性を持たなければならない。そうでなければ帯電が不均一となり長期プリント使用するとカブリや飛散、そして画像濃度変化等、致命的な弊害をもたらすものである。そのためには、トナー粒子上に存在する無機微粉体の量が殆ど変化しないことや、無機微粉体のトナー粒子表面における付着状態が殆ど変わらないことが必要となる。
本発明のトナーの製造方法は、分級同時表面改質処理装置及び混合同時表面改質処理装置を用いることで、無機微粉体をトナー粒子から離れにくくさせ、且つトナーの特性を変化させないことができる。さらに分級同時表面改質処理装置によりトナー粒子表面に存在する離型剤を少なくすることで、トナー粒子表面の硬度を高めることができ、無機微粉体を埋没させにくくできる。これらの効果が重なって、初めて転写残トナーを現像部で回収する現像同時クリーニング工程が有効になる。なお、図1に示す分級同時表面改質処理装
置及び図3に示す混合同時表面改質処理装置については後述する。
本発明におけるトナー粒子に用いられる結着樹脂は、帯電立ち上がり性と離型剤の分散性から、(a)ポリエステル樹脂;(b)ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂;(c)ハイブリッド樹脂とビニル系重合体との混合物;(d)ポリエステル樹脂とビニル系重合体との混合物;(e)ハイブリッド樹脂とポリエステル樹脂との混合物;(f)ポリエステル樹脂とハイブリッド樹脂、そしてビニル系重合体との混合物;のいずれかから選択される樹脂が好ましい。また、結着樹脂成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分布は、メインピークを分子量3,500〜30,000の領域に有することが好ましく、より好ましくは、分子量5,000〜20,000の領域に有することであり、Mw/Mnが5.0以上であることが好ましい。
メインピークが分子量3,500未満の領域にある場合には、トナーの耐ホットオフセット性が不十分となる傾向がある。一方、メインピークが分子量30,000超の領域にある場合には、十分なトナーの低温定着性が得られにくく、高速定着への適用が難しくなる。また、Mw/Mnが5.0未満である場合には良好な耐オフセット性を得ることが難しくなる。
なお、本発明において「ポリエステルユニット」とはポリエステルに由来する部分を示し、「ビニル系重合体ユニット」とはビニル系重合体に由来する部分を示す。ポリエステルユニットを構成するポリエステル系モノマーとしては、多価カルボン酸成分と多価アルコール成分が挙げられ、ビニル系重合体ユニットを構成するモノマーとしては、ビニル基を有するビニル系モノマーが挙げられる。
ポリエステル樹脂又はポリエステルユニットを構成するモノマーとしては、アルコールとカルボン酸、又はカルボン酸無水物、カルボン酸エステル等のポリエステル系モノマーが使用できる。具体的には、例えば2価アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
3価以上のアルコール成分としては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸類又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸等のアルキルジカ
ルボン酸類又はその無水物;炭素数6〜12のアルキル基で置換されたコハク酸又はその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸類又はその無水物;が挙げられる。
それらの中でも、特に、下記一般式(1)で代表されるビスフェノール誘導体をジオール成分とし、2価以上のカルボン酸もしくはその酸無水物、又はその低級アルキルエステルとからなるカルボン酸成分(例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等)を酸成分として、これらを縮重合したポリエステル樹脂が、カラートナーとして良好な帯電特性を有するので好ましい。
Figure 2006106534
また、架橋部位を有するポリエステル樹脂を形成するための3価以上の多価カルボン酸成分としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸及びこれらの無水物やエステル化合物が挙げられる。3価以上の多価カルボン酸成分の使用量は、全モノマー基準で0.1〜1.9mol%が好ましい。
結着樹脂としてポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂を用いる場合、さらに良好な離型剤分散性と、低温定着性、耐オフセット性の向上が期待できる。本発明に用いられる「ハイブリッド樹脂」とは、ビニル系重合体ユニットとポリエステルユニットが化学的に結合された樹脂を意味する。具体的には、ポリエステルユニットと(メタ)アクリル酸エステル等のカルボン酸エステル基を有するモノマーを重合したビニル系重合体ユニットとがエステル交換反応によって形成されるものであり、好ましくはビニル系重合体を幹重合体、ポリエステルユニットを枝重合体としたグラフト共重合体(又はブロック共重合体)を形成するものである。
ビニル系重合体及びビニル系重合体ユニットを生成するためのビニル系モノマーとしては、次のようなものが挙げられる。スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレン等のスチレン誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等の不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレン等の不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニルデン、臭化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸又はメタクリル酸誘導体等が挙げられる。
マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸等の不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物等の不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステル等の不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸等の不飽和二塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸等のα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物等のα,β−不飽和酸無水物、該α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステル等のカルボン酸エステル基を有するモノマーもビニル系モノマーとして挙げられる。
2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレン等のヒドロキシ基を有するスチレン誘導体;もビニル系モノマーとして挙げられる。
本発明において、結着樹脂のビニル系重合体及びビニル系重合体ユニットは、ビニル基を二個以上有する架橋剤で架橋された架橋構造を有していてもよい。この場合に用いられる架橋剤には、芳香族ジビニル化合物として、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等が挙げられる。アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物として、例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられる。エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物としては、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられる。芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物として、例えば、ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられる。
ビニル系重合体及びビニル系重合体ユニットは多官能の架橋剤で架橋された構造であってもよく、そのとき用いられる多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテートが挙げられる。
本発明におけるビニル系重合体及びビニル系重合体ユニットを製造する場合に用いられる重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(−2メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カーバモイルアゾ)−イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチル−プロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジ−メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレートが挙げられる。
本発明におけるトナー粒子に用いられるハイブリッド樹脂を調製できる製造方法としては、例えば、以下の(1)〜(5)に示す製造方法を挙げることができる。
(1)ビニル系重合体とポリエステル樹脂を別々に製造後、少量の有機溶剤に溶解・膨潤させ、エステル化触媒及びアルコールを添加し、加熱することによりエステル交換反応を行って製造する方法。
(2)ビニル系重合体製造後に、これの存在下にポリエステルユニット及びハイブリッド樹脂を製造する方法。ハイブリッド樹脂は、ビニル系重合体ユニット(必要に応じてビニル系モノマーも添加)と、ポリエステル系モノマー(多価アルコール、多価カルボン酸)及びポリエステルユニットのいずれか一方との反応、又は両方との反応により製造する。適宜、有機溶剤を使用することができる。
(3)ポリエステル樹脂製造後に、これの存在下にビニル系重合体ユニット及びハイブリ
ッド樹脂を製造する方法。ハイブリッド樹脂は、ポリエステルユニット(必要に応じてポリエステル系モノマーも添加)と、ビニル系重合体ユニット及びビニル系モノマーとのいずれか一方又は両方との反応により製造される。適宜、有機溶剤を使用することができる。
(4)ビニル系重合体ユニット及びポリエステルユニット製造後に、これらの重合体ユニット存在下にビニル系モノマー及びポリエステルモノマー(多価アルコール、多価カルボン酸)のいずれか一方又は両方を添加することによりハイブリッド樹脂を製造する方法。適宜、有機溶剤を使用することができる。
(5)ビニル系モノマー及びポリエステル系モノマー(多価アルコール、多価カルボン酸)を混合して付加重合及び縮重合反応を連続して行うことによりビニル系重合体ユニット、ポリエステルユニット及びハイブリッド樹脂を製造する方法。適宜、有機溶剤を使用することができる。
上記(1)〜(5)の製造方法において、ビニル系重合体ユニット及びポリエステルユニットには、分子量や架橋度の異なる複数種の重合体ユニットを使用することができる。なお、本発明におけるビニル系重合体とは、ビニル系単重合体又はビニル系共重合体を意味し、ビニル系重合体ユニットとは、ビニル系単重合体ユニット又はビニル系共重合体ユニットを意味するものである。
本発明におけるトナー粒子に含有される結着樹脂のガラス転移温度は40〜90℃が好ましく、より好ましくは45〜85℃である。結着樹脂のガラス転移温度が上記範囲を満たした場合、定着性及び耐ブロッキング性が向上するので好ましい。結着樹脂の酸価は1〜40mgKOH/gであることが好ましい。結着樹脂の酸価が上記範囲を満たした場合、トナーの環境安定性及び耐オフセット性が向上するので好ましい。
本発明におけるトナーは、公知の電荷制御剤を含有させることもできる。例えば、他の有機金属錯体、金属塩、キレート化合物であるモノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、ヒドロキシカルボン酸金属錯体、ポリカルボン酸金属錯体、ポリオール金属錯体等があげられる。そのほかには、カルボン酸の金属塩、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル類等のカルボン酸誘導体や芳香族系化合物の縮合体等もあげられる。またビスフェノール類、カリックスアレーン等のフェノール誘導体等も用いられるが、好ましくは、芳香族カルボン酸の金属化合物が、帯電立ち上りの観点からよい。
本発明に用いられる電荷制御剤の添加量としては、結着樹脂100質量部に対して0.2〜10質量部、好ましくは0.3〜7質量部が良い。0.2質量部未満であると帯電立ち上りの効果が得られず、10質量部より多いと環境変動が大きくなる。
本発明におけるトナーに用いられる離型剤としては次のものが挙げられる。数平均分子量1000〜50000の低分子量ポリエチレン、数平均分子量1000〜5000の低分子量ポリプロピレン、オレフィン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックス等の脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;脂肪族炭化水素系ワックスのブロック共重合物;カルナバワックス、モンタン酸エステルワックス等の脂肪酸エステルを主成分とするワックス;及び脱酸カルナバワックス等の脂肪酸エステルを一部又は全部を脱酸化したもの等が挙げられる。
ベヘニン酸モノグリセリド等の脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物等も離型剤として挙げられる。特に好ましく用いられる離型剤としては、分子鎖が短く、且つ立体障害が少なくモビリティに優れる、パラフィンワックス、ポリエチレン、フィッシ
ャートロプシュワックス等の脂肪族炭化水素系ワックスである。
離型剤のGPCによる分子量分布では、メインピークが分子量350〜2400の領域にあることが好ましく、400〜2000の領域にあることがより好ましい。このような分子量分布をもたせることによりトナーに好ましい熱特性を付与することができる。
本発明に用いられる離型剤の示差熱分析(DSC)測定における吸熱曲線において、温度30〜200℃の範囲に1個又は複数の吸熱ピークを有し、該吸熱ピーク中の最大吸熱ピークの温度Tscが、60℃<Tsc<110℃であることが好ましく、さらに好ましくは、70℃<Tsc<90℃である。60℃以下だと耐ブロッキング特性に劣り、110℃以上だと省エネの観点から、望まれる低温定着を十分には行うことができず、また定着構成においても圧力を要する負荷を必要とするためである。
本発明におけるトナーに用いられる離型剤の添加量としては、結着樹脂100質量部に対して1〜10質量部、好ましくは2〜8質量部使用するのが良い。1質量部より少ないと溶融時にトナー粒子表面に出て離型性を発揮させるための量が少ないため、かなりの熱量及び圧力を用いて行わなければならない。逆に10質量部を超えるとトナー粒子中での離型剤量が多すぎるので、透明性や帯電特性が劣ってしまう傾向がある。
また、本発明におけるトナーに用いられるトナーの着色剤としては、例えば次の様なものが挙げられる。マゼンタ用着色顔料としては、C.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,21,22,23,30,31,32,37,38,39,40,41,48,49,50,51,52,53,54,55,57,58,60,63,64,68,81,83,87,88,89,90,112,114,122,123,150,163,202,206,207,209,269、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド1,2,10,13,15,23,29,35等が挙げられる。
かかる顔料を単独で使用しても構わないが、染料と顔料と併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。マゼンタ用染料としては、C.I.ソルベントレッド1,3,8,23,24,25,27,30,49,81,82,83,84,100,109,121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8,13,14,21,27、C.I.ディスパースバイオレット1等の油溶染料、C.I.ベーシックレッド1,2,9,12,13,14,15,17,18,22,23,24,27,29,32,34,35,36,37,38,39,40、C.I.ベーシックバイオレット1,3,7,10,14,15,21,25,26,27,28等の塩基性染料が挙げられる。
その他の着色顔料として、シアン用着色顔料が挙げられ、具体的にはC.I.ピグメントブルー2,3,15,16,17、C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45又はフタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料等が挙げられる。
イエロー用着色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,7,10,11,12,13,14,15,16,17,23,65,73,74、83、155、180、C.I.バットイエロー1,3,20等が挙げられる。
なお、マゼンタ/シアン/イエロートナーにおける着色剤の使用量は結着樹脂100質量部に対して0.1〜30質量部、好ましくは0.5〜20質量部である。
また黒色着色剤としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラックが用いられ、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、又は、上記に示すイエロー/マゼンタ/シアン/黒色着色剤を用いて黒色に調色されたものが利用できる。ブラックトナーにおける着色剤の使用量は結着樹脂100質量部に対して0.1〜60質量部であることが好ましく、0.5〜50質量部であることがより好ましい。
次に、トナーを製造する手順について説明する。
本発明のトナーの製造方法は、結着樹脂、着色剤及び離型剤を少なくとも有する組成物を溶融混練し、得られた混練物を冷却固化し、冷却固化物を微粉砕して微粉砕物を得る工程(i)、得られた微粉砕物の表面改質処理及び分級処理を同時に行ってトナー粒子を得
る工程(ii)、ならびに前記トナー粒子に無機微粉体を外添してトナーを得る工程(iii
)を有する。
また、前記工程(ii)は、前記微粉砕物中の所定粒径以下の微粉を系外へ連続的に排出除去する分級手段、該分級手段により微粉が除去された被処理粒子を機械式衝撃力を用いて表面改質するための表面処理手段、前記分級手段と前記表面処理手段との間に設けられた、前記被処理粒子が前記分級手段へ導入するための第一の空間及び前記被処理粒子を前記表面処理手段へ導入するための第二の空間、前記第一の空間と第二の空間を仕切る案内手段とを有する回分式の表面改質装置を用いて行われ、前記表面改質装置は、前記微粉砕物を前記第一の空間に導入し、前記分級手段により所定粒径以下の微粉を装置外へ連続的に排出除去しながら、前記第二の空間を経由して、機械式衝撃力を用いる前記表面処理手段へ導入して表面改質処理を行い、再び第一の空間へ循環させることにより、一定時間分級と機械式衝撃力を用いる表面改質処理を繰り返して、トナー粒子を得る工程である。
さらに、前記工程(iii)は、上部が球型である処理槽、該処理槽の槽底部の中心を垂
直に貫く回転軸、該回転軸に設けられ処理槽内壁に沿って処理物を放出する撹拌羽根、処理槽上部から槽内に配置された排気管、とを有する分散機を用いて行われ、前記攪拌羽根の周速が80m/s以上でトナー粒子と外添剤の混合及び表面改質を行い、トナーを得る工程である。
結着樹脂、着色剤及び離型剤を少なくとも有する組成物を溶融混練する工程前に、用いる原料を所定量秤量して配合し、混合する工程があってもよい。該混合に用いる混合装置としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー等がある。
混合したトナー原料組成物を溶融混練して、樹脂類を溶融し、その中に着色剤等を分散させる。溶融混練工程では、例えば、加圧ニーダー、バンバリィミキサー等のバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができる。近年では、連続生産できる等の優位性から、1軸又は2軸押出機が主流となっており、例えば、(株)神戸製鋼所製のKTK型2軸押出機、東芝機械(株)製のTEM型2軸押出機、ケイ・シー・ケイ社製の2軸押出機、ブス社製のコ・ニーダー等が一般的に使用される。更に、トナー原料組成物を溶融混練することによって得られる混練物は、2本ロール等で圧延され、水冷等で冷却して冷却固化物を得る冷却工程を行う。
次に、冷却固化物を粗粉砕し、次いで粗粉砕物を微粉砕して微粉砕物を得る工程を行う。微粉砕物を得る工程では、エアージェット式粉砕機等が用いられる。
微粉砕物を得た後に、上述の円形度を満たしたトナー粒子を得るために、表面改質処理及び分級処理を同時に行う工程を行う。該工程を機械式粉砕方法により行っても良いが、機械式粉砕方法による球形化は、前述のように、必要以上に熱量を与え、得られるトナー粒子表面に離型剤を多量に存在させてしまう。本発明では、図1及び図2に示す分級と機
械式衝撃力を用いる表面改質処理を同時に行う、分級同時表面改質処理装置を用いて重量平均粒径3〜11μmのトナー粒子を得ることが好ましい。必要に応じて、その後、風力式篩のハイボルター(新東京機械(株)製)等の篩分機を用いても良い。
本発明に用いられる分級同時表面改質処理装置について詳しく述べる。図1に示すように分級同時表面改質処理装置では、ケーシング30、冷却水又は不凍液を通水できるジャケット(図示しない)、表面改質手段である、ケーシング30内にあって中心回転軸に取り付けられた、上面に角型のディスク又は円筒型のピン40を複数個有し、高速で回転する円盤上の回転体である分散ローター36、分散ローター36の外周に一定間隔を保持して配置されている表面に多数の溝が設けられているライナー34(尚、ライナー表面上の溝はなくても構わない)、更に、表面改質された微粉砕物を所定粒径に分級するための手段である分級ローター31、更に、冷風を導入するための冷風導入口35、微粉砕物を導入するための原料供給口33、更に、表面改質時間を自在に調整可能となるように、開閉可能なように設置された排出弁38、処理後の粉体を排出するための粉体排出口37、更に、分級手段である分級ローター31と表面改質手段である分散ローター36−ライナー34との間の空間を、分級手段へ導入される前の第一の空間41と、分級手段により微粉が分級除去された被処理粒子を表面処理手段へ導入するための第二の空間42に仕切る案内手段である円筒形のガイドリング39とから構成されている。分散ローター36とライナー34との間隙部分が表面改質ゾーンであり、分級ローター4及びローター周辺部分が分級ゾーンである。
以上のように構成してなる分級同時表面改質処理装置では、排出弁38を閉とした状態で原料供給口33から微粉砕物を投入すると、投入された微粉砕物は、まずブロワー(図示しない)により吸引され、分級ローター31で分級される。その際、分級された所定粒径以下の微粉は装置外へ連続的に排出除去され、所定粒径以上の粗粉は遠心力によりガイドリング39の内周(第二の空間42)に沿いながら分散ローター36により発生する循環流にのり表面改質ゾーンへ導かれる。表面改質ゾーンに導かれた粗粉は分散ローター36とライナー34間で機械式衝撃力を受け、表面改質処理される。表面改質された被処理粒子は、機内を通過する冷風にのって、ガイドリング39の外周(第一の空間41)に沿いながら分級ゾーンに導かれ、再度微粉は分級ローター4により機外へ排出され、粗粉は循環流にのり、再度表面改質ゾーンに戻され、繰り返し表面改質作用を受ける。一定時間経過後、排出弁38を開とし、排出口37より表面改質粒子を回収する。
本発明におけるトナーは、図1で示される分級同時表面改質処理装置により分級及び表面改質処理されたトナー粒子と前述した無機微粉体を所定量配合し、図3に示される混合同時表面改質処理装置を用いて、撹拌・混合することにより得られる。必要に応じて風力式篩のハイボルター(新東京機械(株)製)等の篩分機を用いても良い。
本発明のトナーの製造方法により得られたトナーは、一成分現像に好適に用いられる。
本発明に用いられる混合同時表面改質処理装置について詳しく述べる。図3に示すように、処理槽51は、比較的大きな水平円板状の槽底を有する球形であり、上下に二分割できるように、中央部にフランジ57を備えている。
また、球型部全体はジャケット55が設けられて二重構造となっており、ここに熱媒体を流すことにより、処理物を加熱又は冷却することができる。処理槽51の上部には圧抜きをするために炉布を取り付けられる開口部56が、また下部には製品を排出するための排出口58が設けられている。
円板状の槽底の中央には、回転軸として駆動軸52が貫通し、外部の動力によって回転可能となっている。駆動軸52には、撹拌羽根53が設けられている。そして処理槽51
の内面に沿うように大きさや角度等が調節可能な板54が設けられている。また周速とは撹拌羽根53の先端の周速を表すものである。なお、本発明において、図3に示す混合同時表面改質処理装置の攪拌羽根の周速は、例えば80m/sとすればよい。
本発明におけるトナーを二成分系現像剤に用いる場合は、トナーは磁性キャリアと混合して使用される。磁性キャリアとしては、例えば表面酸化又は未酸化の鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類等の金属粒子、それらの合金粒子、酸化物粒子及びフェライト等が使用できる。
上記磁性キャリア粒子をキャリアコアとしてその表面を樹脂で被覆した被覆キャリアは、現像スリーブに交流バイアスを印加する現像法において特に好ましく用いられる。被覆方法としては、樹脂等の被覆材を溶剤中に溶解又は懸濁させて調製した塗布液をキャリアコア表面に付着させる方法、磁性キャリアコアと被覆材とを粉体で混合する方法等、従来公知の方法が適用できる。
上記磁性キャリアは、現像スリーブに交流バイアスを印加する現像法において特に好ましい。本発明の二成分系現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃度として、2〜15質量%、好ましくは4〜13質量%にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2質量%未満では画像濃度が低下しやすく、15質量%を超えるとカブリや機内飛散が発生しやすい。
本発明で用いる各種物性の測定法について以下に説明する。
(1)離型剤の極大吸熱ピークの測定
離型剤の最大吸熱ピークは、示差走査熱量計(DSC測定装置)、DCS−7(パーキンエルマー社製)やDSC2920(TAインスツルメンツジャパン社製)を用い、ASTM D3418−82に準じて測定される。
測定試料は5〜20mg、好ましくは10mgを精密に秤量する。それをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定範囲を30〜200℃、昇温速度10℃/minとして常温常湿下で測定を行う。
温度曲線:昇温I(30℃〜200℃、昇温速度10℃/min)
降温I(200℃〜30℃、降温速度10℃/min)
昇温II(30℃〜200℃、昇温速度10℃/min)
(2)離型剤の分子量測定
装置:GPC−150C(ウォーターズ社)
カラム:GMH−HT30cm、2連(東ソー(株)製)
温度:135℃
溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.1質量%アイオノール添加)
流速:1.0ml/min
試料:0.15質量%のワックスを0.4ml注入
以上の条件で測定を行い、離型剤の分子量算出にあたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用する。更に、Mark−Houwink粘度式から導き出される換算式に基づいてポリエチレン換算することで離型剤の分子量を算出する。
(3)トナーの結着樹脂のGPCによる分子量分布の測定
トナーの結着樹脂のGPCによる分子量分布は、下記の通り、結着樹脂をTHF溶媒に溶解させて得られたTHF可溶成分を用いて、GPCにより測定する。
すなわち、結着樹脂をTHF中に入れ、数時間放置した後十分に振とうし、THFと良く混ぜ(試料の合一体がなくなるまで)、更に12時間以上静置する。このときTHF中への放置時間が24時間以上となるようにする。その後、サンプル処理フィルタ(ポアサイズ 0.45〜0.5μm、例えば、マイショリディスクH−25−5 東ソー(株)製、エキクロディスク25CR ゲルマンサイエンスジャパン社製等が利用できる)を通過させたものを、GPCの試料とする。また試料濃度は、樹脂成分が0.5〜5mg/mlとなるように調整する。
上記の方法で調製された試料のGPCの測定は、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、試料濃度として0.05〜0.6質量%に調整した結着樹脂のTHF試料溶液を約50〜200μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数(リテンションタイム)との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば東ソー(株)製またはPressure Chemical Co.製の分子量が6×10、2.1×10、4×10、1.75×10、5.1×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2×10、4.48×10のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
カラムとしては、10〜2×10の分子量領域を的確に測定するために、市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、例えば昭和電工(株)製のshodex GPC KF−801,802,803,804,805,806,807の組み合わせや、Waters社製のμ−styragel 500、10、10、10の組み合わせを挙げることができる。
(4)トナー粒径の測定
本発明において、トナーの平均粒径の測定は、コールターマルチサイザー(ベックマンコールター社製)を用いて行う。電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。例えば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン(株)製)を使用することができる。測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置によりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、粒径2.00μm以上のトナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布とを算出する。それから本発明に係る体積分布から求めた重量平均粒径(D4)(各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)を求める。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm;2.52〜3.17μm;3.17〜4.00μm;4.00〜5.04μm;5.04〜6.35μm;6.35〜8.00μm;8.00〜10.08μm;10.08〜12.70μm;12.70〜16.00μm;16.00〜20.20μm;20.20〜25.40μm;25.40〜32.00μm;32.00〜40.30μmの13チャンネルを用いる。
(5)結着樹脂の軟化点測定方法
JIS K 7210にのっとり、高化式フローテスターにより測定されるものを指す。具体的な測定方法を以下に示す。高化式フローテスター((株)島津製作所製)を用いて1cmの試料を昇温速度6℃/minで加熱しながら、プランジャーにより1960N/m(20kg/cm)の荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルを押し出すようにし、これにより、プランジャー降下量(流れ値)−温度曲線を描き、そのS字曲
線の高さをhとするとき、h/2に対応する温度(樹脂の半分が流出した温度)を樹脂の軟化点(Tm)とする。
(6)結着樹脂のガラス転移温度の測定方法
結着樹脂のガラス転移温度はDSC法により測定される。示差熱分析装置(DSC測定装置)として、DSC−7(パーキンエルマー社製)やDSC2920(TAインスツルメンツジャパン社製)を用いることができ、下記の条件で測定される。
試料:5〜20mg、好ましくは10mg
温度曲線:昇温I(20℃→180℃、昇温速度10℃/min.)
降温I(180℃→10℃、降温速度10℃/min.)
昇温II(10℃→180℃、昇温速度10℃/min.)
昇温IIで測定されるTgを測定値とする。
測定手順:試料をアルミパン中にいれ、リファレンスとして空のアルミパンを用いる。吸熱ピークが出る前と出た後のべースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点をガラス転移温度Tgとする。
(7)トナー平均円形度の測定
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像測定装置「FPIA−2100型」(シスメックス社製)を用いて測定を行い、下式を用いて算出する。
Figure 2006106534
ここで、「粒子投影面積」とは二値化されたトナー粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」とは該トナー粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さと定義する。測定は、512×512の画像処理解像度(0.3μm×0.3μmの画素)で画像処理した時の粒子像の周囲長を用いる。
本発明における円形度はトナー粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、トナー粒子が完全な球形の場合に1.000を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は小さな値となる。
また、円形度頻度分布の平均値を意味する平均円形度Cは、粒度分布の分割点iでの円形度(中心値)をci、測定粒子数をmとすると、次式から算出される。
Figure 2006106534
また、円形度標準偏差SDは、平均円形度C、各粒子における円形度ci、測定粒子数をmとすると次式から算出される。
Figure 2006106534
なお、本発明で用いている測定装置である「FPIA−2100」は、各粒子の円形度を算出後、平均円形度及び円形度標準偏差の算出に当たって、得られた円形度によって、粒子を円形度0.4〜1.0を0.01ごとに等分割したクラスに分け、その分割点の中心値と測定粒子数を用いて平均円形度及び円形度標準偏差の算出を行う。
具体的な測定方法としては、容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水10mlを用意し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、更に測定試料を0.02g加え、均一に分散させる。分散させる手段としては、超音波分散機「Tetora150型」(日科機バイオス(株)製)を用い、2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、該分散液の温度が40℃以上とならない様に適宜冷却する。また、円形度のバラツキを抑えるため、フロー式粒子像分析装置FPIA−2100の機内温度が26〜27℃になるよう装置の設置環境を23℃±0.5℃にコントロールし、一定時間おきに、好ましくは2時間おきに2μmラテックス粒子を用いて自動焦点調整を行う。
トナー粒子の円形度測定には、前記フロー式粒子像測定装置を用い、測定時のトナー粒子濃度が3000〜1万個/μlとなる様に該分散液濃度を再調整し、トナー粒子を1000個以上計測する。計測後、このデータを用いて、円相当径3μm未満のデータをカットして、トナー粒子の平均円形度を求める。
さらに本発明で用いている測定装置である「FPIA−2100」は、従来トナーの形状を算出するために用いられていた「FPIA−1000」と比較して、シースフローの薄層化(7μm→4μmに)及び処理粒子画像の倍率の向上、さらに取り込んだ画像の処理解像度を向上(256×256→512×512)によりトナーの形状測定の精度が上がっており、それにより微粒子のより確実な補足を達成している装置である。従って、本発明のように、より正確に形状を測定する必要がある場合には、より正確に形状に関する情報が得られるFPIA2100の方が有用である。
(8)無機微粉体のトナー粒子上の個数分布粒径
トナー粒子表面上の個数分布粒径の測定は、走査型電子顕微鏡S−4700((株)日
立製作所製)を用いて行った。撮影倍率は10万倍とし、さらに撮影された写真を2倍に
引き伸ばした後、この写真像から無作為に200〜500サンプル抽出し、最大粒径を長径とし、最小粒径を短径とし、長径を基準に個数粒径の分布と個数分布粒径としての極大値粒径を得た。粒径分布は10nm毎に90〜400nmまで仕切り、極大値を求めた。90nm未満と400nm以上はそれぞれ一くくりとした。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
<実施例1>
[結着樹脂の製造]
(ハイブリッド樹脂製造例)
ビニル系共重合体のモノマーとして、スチレン:2.0mol、2−エチルヘキシルア
クリレート:0.21mol、フマル酸:0.14mol、α−メチルスチレンの2量体:0.03mol、重合開始剤としてジクミルパーオキサイド:0.05molを滴下ロートに入れた。また、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:7.0mol、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:3.0mol、テレフタル酸:3.0mol、無水トリメリット酸:1.9mol、フマル酸:5.0mol及び酸化ジブチル錫0.2gをガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取り付けマントルヒーター内においた。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、145℃の温度で撹拌しつつ、先の滴下ロートよりビニル系共重合体のモノマー及び重合開始剤を4時間かけて滴下した。これを200℃に昇温し、4時間反応させてハイブリッド樹脂を得た。得られたハイブリッド樹脂は、分子量測定ではMw=8.2万、Mp=1.6万、軟化点測定ではTm=110℃であった。
[トナーの製造]
以下の方法でトナー1を調製した。
・上記ハイブリッド樹脂 100質量部
・精製ノルマルパラフィン(最大吸熱ピーク温度78℃) 6質量部
・1、4−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.2質量部
・シアン顔料(Pigment Blue15:3) 5質量部
上記の処方をヘンシェルミキサーにより予備混合を十分に行い、二軸押出し混練機で溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、次いでエアージェット方式による微粉砕機で20μm以下の粒径に微粉砕して微粉砕物を得た。得られた微粉砕物を図1及び図2に示す分級と機械式衝撃力を用いる表面改質処理を同時に行う、分級同時表面改質処理装置(以下、「装置(1)」という)にて、分級、表面処理してシアン
トナー粒子1(分級品)を得た。
上記シアントナー粒子に対して、トナー粒子上での粒径が20nmである気相法シリカ微粉体(HMDS処理10wt%と50csシリコンオイル10wt%の表面処理品)1.2wt%と、トナー粒子上での粒径が150nmである気相法シリカ微粉体(HMDS
処理8wt%の表面処理品)1.5wt%を図3に示す混合同時表面改質処理装置(以下
、「装置(2)」という)により周速100m/sにて外添処理してトナー1を得た。トナ
ー1の重量平均粒径は6.3μm、平均円形度は0.955であった。トナー1の製造条
件、及び得られたトナーの物性を表1に示す。
Figure 2006106534
[現像性能及び定着性の評価]
トナー1を用いて一成分現像評価を行った。装置はiRC−3200(キヤノン(株)製)を一成分現像用に改良して、単色モードで常温低湿度環境下(23℃/5%)で画像面積比率5%のオリジナル原稿を用いて、3000枚の現像性能の耐刷試験の評価を行った。表2に示すように、3000枚後のカブリも少なく、また飛散もなく良好であった。
評価方法は以下の通りである。
(カブリ測定)
耐久試験においてのカブリ(Fog[%])は、シアン及びブラック画像の場合、画出し前の普通紙の平均反射率Dr(%)をアンバーフィルターを搭載したリフレクトメーター(東京電色(株)製の「REFLECTOMETER MODEL TC−6DS」)によって測定し、一方、普通紙上にベタ白画像を画出しし、次いでベタ白画像の反射率Ds(%)を測定し、下記式より算出した。またマゼンタ及びブラック画像の場合はグリーンフィルター、そしてイエロー画像の場合はブルーフィルターで上記の測定を行って算出した。
Fog[%]=Dr[%]−Ds[%]
評価基準は以下の通りである。
A:0.7%未満で良好
B:0.7以上で1.2%未満で良好
C:1.2以上で1.5%未満で実用上問題なし
D:1.5以上で2.0%未満で実用上問題あり
E:2.0%以上で悪い
次いで、LBP−2410(キヤノン(株)製)の定着ユニットを手動で速度、温度、線圧等が調整できるよう改造したものを用いて、定着性の評価を行った。本実施例においては、線圧900N/mにおいて定着スピード100mm/s及び150mm/s共に低温定着性にも優れたため定着幅が多く良好であった。また異サイズの連続通紙定着評価においてもほとんど待つことなく定着でき、良好な画像であった。
以下、具体的な評価方法について述べる。
(トナーの定着可能領域)
LBP−2410(キヤノン(株)製)の定着ユニットの改造機を用い、定着ユニット
は手動で定着温度、速度、線圧、そして定着ベルトに弾性層を設けたもので定着試験を行った。
LBP−2410を用いて単色モードで常温常湿度環境下(23℃/60%)において、紙上のトナー載り量を1.2mg/cmになるよう現像コントラストを調整し、未定着画像を作成した。A4(推奨紙であるEW−500)上に画像面積比率25%で画像を形成する。常温常湿度環境下(23℃/60%)において120℃から順に10℃ずつ上げ、オフセット(カブリ評価と同じ)や巻きつきが生じない温度幅を定着可能領域とした。
なお、後述の実施例7における磁性トナーの評価においては、LBP−1210(キヤノン(株)製)を用いたことと、紙上のトナー載り量を1.0mg/cmにする以外は、非磁性トナー同様評価を行った。
評価基準は以下の通りである。
A:定着幅が40℃以上ある。
B:定着幅が30℃以上40℃未満である。
C:定着幅が20℃以上30℃未満である。
D:定着幅が20℃未満であり、実用上問題あり。
E:定着幅が全くない。
(トナーの異サイズ紙の定着評価)
トナーの定着可能領域と同様にA4サイズの普通紙(推奨紙であるEW−500)上に画像面積比率25%で画像を形成した。そして同様にB5サイズの普通紙上に画像面積比率25%で画像を形成した。常温常湿度環境下(23℃/60%)において170℃で最初B5用紙を連続5枚定着させた後、所定の時間経過後A4用紙を定着させ、オフセットがなくなる時間、つまりダウンタイムを測定した。
なお、後述の実施例7における磁性トナーの評価においては、定着ユニットをLBP−1210(キヤノン(株)製)、そして紙上のトナー載り量を1.0mg/cmにする以外は、非磁性トナー同様評価を行った。評価基準は以下の通りである。
A:ダウンタイムが0〜2秒以内であり、優秀。
B:ダウンタイムが2より大〜4秒以内であり、良好。
C:ダウンタイムが4より大〜7秒以内であり、実用上使えるレベル。
D:ダウンタイムが7より大〜10秒以内必要であり、実用上問題あり。
E:ダウンタイムが10秒よりさらに必要であり、悪い。
本実施例での評価結果を表2に示す。
Figure 2006106534
<実施例2>
表1に示すように装置(1)の製造条件を変更すること以外は実施例1と同様にしてトナ
ー2を得た。実施例1と同様に現像性能、定着性の各種評価をしたところ、表2に示すように150mm/sでの定着可能領域は若干劣るものの良好な結果であった。
<実施例3>
表1に示すように、トナー粒子表面に存在する無機微粉体の個数分布粒径における極大値粒径が350nmのシリカや、装置(1)の製造条件を変更すること以外は実施例1と同
様にしてトナー3を得た。実施例1と同様に現像性能、定着性の各種評価をしたところ、表2に示すように150mm/sでの定着可能領域、3000枚後のカブリや飛散は若干劣るものの良好な結果であった。
<実施例4>
表1に示すように、トナー粒子表面に存在する無機微粉体の個数分布粒径における極大値粒径が90nmのシリカとすること、装置(2)において周速80m/sにて外添処理す
ることに変更する以外は実施例1と同様にしてトナー4を得た。定着ユニットの線圧を500N/mとして実施例1と同様に現像性能、定着性の各種評価をしたところ、表2に示すように、定着可能領域、異サイズの連続通紙定着評価は若干劣り、3000枚後のカブリや飛散は劣るものの使えるレベルであった。
<実施例5>
表1に示すように装置(1)の製造条件を変更する以外は実施例4と同様にしてトナー5
を得た。実施例4と同様に現像性能、定着性の各種評価をしたところ、表2に示すように、定着可能領域、異サイズの連続通紙定着評価は劣り、3000枚後のカブリは若干劣るものの使えるレベルであった。
<比較例1>
表1に示すように、外添装置を装置(2)ではなくヘンシェルミキサー(H/M)を用い
周速40m/sにて混合した以外は実施例4と同様にしてトナー6を得た。実施例4と同様に現像性能、定着性の各種評価をしたところ、表2に示すように、異サイズの連続通紙
定着評価や3000枚後のカブリや飛散は悪いものであった。
<比較例2>
表1に示すように、分級装置を装置(1)ではなく、エルボジェット分級機(E/J)を
用い周速40m/sにて分級する以外は実施例4と同様にしてトナー7を得た。実施例4と同様に現像性能、定着性の各種評価をしたところ、表2に示すように、定着可能領域、異サイズの連続通紙定着評価や3000枚後のカブリや飛散は悪いものであった。
<比較例3>
表1に示すように、トナー粒子表面に存在する無機微粉体の個数分布粒径における極大値粒径が400nmのシリカを使う以外は比較例2と同様にしてトナー8を得た。比較例2と同様に現像性能、定着性の各種評価したところ、表2に示すように悪いものであった。
<比較例4>
表1に示すように、トナー粒子表面に存在する無機微粉体の個数分布粒径における極大値粒径が90nm以上のシリカを使わない以外は比較例2と同様にしてトナー9を得た。比較例2と同様に現像性能、定着性の各種評価をしたところ、表2に示すように悪いものであった。
<比較例5>
表1に示すように、粉砕装置をエアージェット方式による微粉砕機ではなく、日清エンジニアリング(株)製のスーパーローターにて粉砕すること以外は比較例2と同様にしてトナー10を得た。比較例2と同様に現像性能、定着性の各種評価をしたところ、表2に示すように3000枚後のカブリや飛散は悪いものであった。
<比較例6>
表1に示すように、表面処理装置として(株)奈良機械製作所製のハイブリタイゼーションシステム(ハイブリ)を用いること以外は比較例2と同様にしてトナー11を得た。比較例6と同様に現像性能、定着性の各種評価をしたところ、表2に示すように異サイズの連続通紙定着評価、3000枚後のカブリや飛散は悪いものであった。
<比較例7>
表1に示すように、定着ユニットの線圧を330N/mとした以外は比較例6と同様にして、現像性能、定着性の各種評価したところ、表2に示すように悪いものであった。
<比較例8>
表1に示すように、定着ユニットの線圧を1290N/mとした以外は比較例6と同様にして、現像性能、定着性の各種評価したところ、定着ユニットが圧力に耐えられないため破損した。
<実施例6>
トナー1を用いて二成分現像の評価を行った。シリコーン樹脂で表面被覆した樹脂キャリア粒子(平均粒径40μm)を、トナー濃度が8.0質量%になるようにトナー1
と混合し、二成分系現像剤とした。この二成分系現像剤を用いて、装置はiRC−3200(キヤノン(株)製)を二成分現像用に改良して、単色モードで常温低湿度環境下(23℃/5%)で画像面積比率5%のオリジナル原稿を用いて、3000枚の現像性能の耐刷試験の評価を行った。評価方法は上述の通りである。表2に示すように、3000枚後のカブリも少なく、また飛散もなく良好であった。
次いで、LBP−2410(キヤノン(株)製)の定着ユニットを手動で速度、温度、線圧等が調整できるよう改造したものを用いて、上述のように定着性の評価を行った。本実施例においては、線圧1140N/mとし、定着スピード100mm/s及び150mm/s共に低温定着性にも優れたため定着幅が多く良好であった。また異サイズの連続通紙定着評価においてもほとんど待つことなく定着でき、良好な画像であった。
<実施例7>
磁性一成分系現像剤として磁性トナーを以下のように作製し評価を行った。磁性トナーとしてトナー12を以下のように製造した。
・ハイブリッド樹脂 100質量部
・精製ノルマルパラフィン(極大吸熱ピーク温度78℃) 7質量部
・1、4−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 1質量部
・磁性酸化鉄 90質量部
(平均粒径:0.18μm、Hc(保磁力):9.6kA/m、σs(飽和磁化):81Am/kg、σr(残留磁化):13Am/kg)
上記材料を装置(1)の製造条件を変更することを除いて実施例1と同様に製造し、磁性
トナー12を得た。この磁性トナーに対して、デジタル複写機IR6000(キヤノン(株)製)のクリーナーユニットを外して、線圧380N/mとして現像性能、定着性の各種評価を行った。表2に示すように、定着可能領域、異サイズの連続通紙定着評価、3000枚後のカブリは若干劣るものの実用レベルであった。
本発明のトナーの製造方法に用いる分級同時表面改質処理装置の概略構成図である。 本発明のトナーの製造方法に用いる分級同時表面改質処理装置の分散ローターを示す図である。 本発明のトナーの製造方法に用いる混合同時表面改質処理装置の概略構成図である。
符号の説明
31:分級ローター
32:微粉回収
33:原料供給口
34:ライナー
35:冷風導入口
36:分散ローター
37:粉体排出口
38:排出弁
39:ガイドリング
40:角型ディスク
41:第一の空間
42:第二の空間
51:処理槽
52:駆動軸
53:攪拌羽根
54:板
55:ジャケット
56:排気管(炉布取り付け口)
57:フランジ
58:排出口

Claims (1)

  1. 結着樹脂、着色剤及び離型剤を少なくとも有するトナー粒子と、無機微粉体とを有するトナーであって、
    前記無機微粉体は、前記トナー粒子表面上での個数分布粒径において、粒径90nm以上350nm以下の領域に少なくとも1つの極大値を有する無機微粉体であり、
    前記トナーは、円相当径3μm以上の粒子において平均円形度が0.935〜0.975であるトナー、の製造方法であって、
    結着樹脂、着色剤及び離型剤を少なくとも有する組成物を溶融混練し、得られた混練物を冷却固化し、冷却固化物を微粉砕して微粉砕物を得る工程(i)、得られた微粉砕物の
    表面改質処理及び分級処理を同時に行ってトナー粒子を得る工程(ii)、ならびに前記トナー粒子に無機微粉体を外添してトナーを得る工程(iii)を少なくとも有し、
    前記工程(ii)は、前記微粉砕物中の所定粒径以下の微粉を系外へ連続的に排出除去する分級手段、該分級手段により微粉が除去された被処理粒子を機械式衝撃力を用いて表面改質するための表面処理手段、前記分級手段と前記表面処理手段との間に設けられた、前記被処理粒子が前記分級手段へ導入するための第一の空間及び前記被処理粒子を前記表面処理手段へ導入するための第二の空間、前記第一の空間と第二の空間を仕切る案内手段とを有する回分式の分級同時表面改質処理装置を用いて行われ、前記分級同時表面改質処理装置において、前記微粉砕物を前記第一の空間に導入し、前記分級手段により所定粒径以下の微粉を装置外へ連続的に排出除去しながら、前記第二の空間を経由して、機械式衝撃力を用いる前記表面処理手段へ導入して表面改質処理を行い、再び第一の空間へ循環させることにより、一定時間分級と機械式衝撃力を用いる表面改質処理を繰り返してトナー粒子を得る工程であり、
    前記工程(iii)は、上部が球型である処理槽、該処理槽の槽底部の中心を垂直に貫く
    回転軸、該回転軸に設けられ処理槽内壁に沿って処理物を放出する撹拌羽根、処理槽上部から槽内に配置された排気管、とを有する混合同時表面改質処理装置を用いて行われ、前記攪拌羽根の周速が80m/s以上でトナー粒子と外添剤の混合及び表面改質を行ってトナーを得る工程である、ことを特徴とするトナー製造方法。
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