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JP2006199553A - 基板分断装置及び基板分断方法 - Google Patents

基板分断装置及び基板分断方法 Download PDF

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JP2006199553A JP2005015015A JP2005015015A JP2006199553A JP 2006199553 A JP2006199553 A JP 2006199553A JP 2005015015 A JP2005015015 A JP 2005015015A JP 2005015015 A JP2005015015 A JP 2005015015A JP 2006199553 A JP2006199553 A JP 2006199553A
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suction
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Abstract

【課題】基板表面に一直線状のスクライブラインを形成して、確実に基板を分断する。
【解決手段】ガラス基板10を吸着保持する吸着ステージ1及び2と、ガラス基板10を局部的に加熱するレーザービーム出力部3a、及びその加熱された領域を冷却する冷却媒体出力部3bを有し、ガラス基板10の表面を走査して、クラック11aから延びるスクライブライン11を形成するスクライブライン形成ユニット3とを備えた基板分断装置であって、吸着ステージ1及び2は、ガラス基板10を吸着保持した状態で、吸着ステージ1及び2を、各吸着面1a及び2aと平行な所定の移動方向に、互いに離間又は接近させるステージ移動機構を備え、スクライブライン形成ユニット3は、各吸着ステージ1及び2が互いに離間又は接近した状態で、ガラス基板10の表面を上記移動方向に直交する方向に走査するように構成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、基板分断装置及び基板分断方法に関するものである。
液晶表示装置は、互いに対向配置されたアクティブマトリクス基板及び対向基板と、それら両基板に挟持された液晶層とにより構成された液晶パネルを備えている。
上記アクティブマトリクス基板及び対向基板は、製造効率を高めるために、上記液晶パネルを構成する構成単位が多面取りできるように、大型のガラス基板を用いて作製されている。
そのため、アクティブマトリクス基板又は対向基板が作製された後に、或いは、両基板を貼り合わせた後に、上記構成単位毎又は連接した複数の構成単位毎に分断する必要がある。
図5は、液晶表示装置用のガラス基板の分断に用いられる従来の基板分断装置20’の斜視図である。
この基板分断装置20’は、同一平面上に配置された吸着面1a及び2aを有する第1吸着ステージ1及び第2吸着ステージ2bと、ガラス基板10の端部の表面に対して垂直方向にクラック11aを形成するホイールカッター部(不図示)と、レーザービーム出力部3a及び冷却媒体出力部3bを有し、クラック11aをガラス基板10の表面に対して水平方向に延ばしてスクライブライン11を形成するスクライブライン形成ユニット3と、ガラス基板10をスクライブライン11の位置で、上側ローラー及び下側ローラーによって挟み込んでガラス基板10を分断するブレイクユニット(不図示)とにより構成されている。
具体的にガラス基板10を分断する際には、まず、TFT(薄膜トランジスタ)素子等が形成されたガラス基板10を、第1吸着ステージ1の吸着面1a、及び第2吸着ステージ2の吸着面2aに載置及び吸着させる。
次いで、ガラス基板10の下側からホイールカッター部を当接して、ガラス基板10の端部の下側表面にクラック11aを形成する。
次いで、クラック11aを起点として、ガラス基板10の下側でスクライブライン形成ユニット3を、例えば、図5中の手前側から奥側に走査することにより、ガラス基板10の下側表面をレーザービーム出力部3aを介して供給されるレーザービームによって局所的に加熱すると共に、レーザービームが照射された部分の後端部分を冷却媒体出力部3bを介して供給される冷却水によって冷却する。
このとき、上記加熱及び冷却によって生じる熱歪みにより、クラック11aがガラス基板10の表面に対して水平方向に、且つ、スクライブライン形成ユニット3の走査方向に(走査ライン12に沿って)延びて、スクライブライン11が形成される。
ここで、このスクライブライン11は、ガラス基板10の表面に微小に形成され、肉眼で見えないため、ブラインドクラックとも呼ばれる。
次いで、そのスクライブライン11の位置でガラス基板10を上記ブレイクユニットの上側ローラー及び下側ローラーによって挟持しながら、それら上側ローラー及び下側ローラーをスクライブライン11に沿って転動させることにより、ガラス基板10を分断する。
このようにして、ガラス基板10がスクライブライン11を境界として両側に分断される。
特許文献1には、ガラス基板10の表面に、ガラス基板10の軟化温度よりも低い温度で連続してレーザービームを照射してレーザースポットを形成しながら、そのレーザースポットの内部に冷却ポイントを形成することにより、ブラインドクラックがフルボディカットになることを抑止するスクライブ方法が開示されている。
特開2004−10466号公報
しかしながら、近年、液晶表示装置の分野では、所謂、第6世代と呼ばれる1500mm×1800mmというような大型のガラス基板が用いられており、このガラス基板の短辺方向(1500mm)を上述した従来の基板分断装置及び基板分断方法によって分断しても、所望のスクライブラインが形成されない恐れがある。
図6は、所望のスクライブラインが形成されなかったガラス基板10’の平面模式図の一例である。
このガラス基板10’において、起点となるクラック11aから1000mm辺りまでの領域では、スクライブライン11がスクライブライン形成ユニット3が走査される走査ライン12に沿って一直線状に形成されている。そして、1000mm辺り以降の領域では、スクライブライン11が走査ライン12に沿って形成されず、意図しない方向に延びたスクライブライン逸れ部分13となっている。
このように、所望のスクライブラインが形成されないのは、第1吸着ステージ1の吸着面1a、及び第2吸着ステージ2の吸着面2aの平坦度に影響されて、ガラス基板10が、各吸着面1a及び2aに歪んで吸着保持されるので、ガラス基板10には、その基板表面と平行な方向に引張応力及び圧縮応力がランダムに分布するためと考えられる。
また、このスクライブライン逸れ部分13は、上記ブラインドクラックのような微小なクラックとして形成されるのではなく、基板の割れとして形成される場合が多い。
こうなると、分断されたガラス基板10の一方は基板の割れが発生しており、不良品となる。また、分断されたガラス基板10の他方も不良な分断部分を修正した後に、良品となるものの、製造コストが高くなる恐れがある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、基板表面に一直線状のスクライブラインを形成して、確実に基板を分断することにある。
本発明は、基板を第1ステージ及び第2ステージに吸着保持させた状態で、第1ステージ及び第2ステージを互いに接近又は離間させると共に、スクライブライン形成手段をステージの移動方向と直交する方向に走査させることにより、スクライブラインを形成するようにしたものである。
具体的に、本発明に係る基板分断装置は、同一平面上に配置された吸着面をそれぞれ有する第1ステージ及び第2ステージを備え、基板を上記各吸着面で吸着保持する吸着ステージと、上記基板にクラックを形成するクラック形成手段と、上記基板を局部的に加熱する加熱部、及び該加熱部により加熱された領域を冷却する冷却部を有し、上記基板の表面を上記加熱部及び冷却部によって走査することにより、上記クラックから延びるスクライブラインを形成するスクライブライン形成手段と、上記スクライブラインにおいて上記基板を分断する分断手段とを備えた基板分断装置であって、上記吸着ステージは、上記基板を上記第1ステージ及び第2ステージにより吸着保持した状態で、上記第1ステージ及び第2ステージを、上記吸着面と平行な所定の移動方向に、互いに接近又は離間させるステージ移動機構を備え、上記スクライブライン形成手段の上記加熱部及び冷却部は、上記第1ステージ及び第2ステージが互いに接近又は離間した状態で、上記基板の表面を上記移動方向に直交する方向に走査するように構成されていることを特徴とする。
上記の構成によれば、例えば、ガラス基板を第1ステージ及び第2ステージの各吸着面に吸着保持させた状態で、ステージ移動機構によって、第1ステージ及び第2ステージを互いに接近又は離間させることにより、ガラス基板には、ステージの移動方向に沿って、一定の応力(圧縮応力又は引張応力)が発生する。
そして、その第1ステージ及び第2ステージの接近又は離間に起因して、ステージの移動方向(例えば、左右方向)に沿ってガラス基板に圧縮応力又は引張応力がかかる状態で、ステージの移動方向と直交する方向(前後方向に)に沿って、スクライブライン形成手段を走査させることになる。
そのため、ガラス基板には、その表面と平行な方向にかかる応力が、スクライブライン形成手段の走査軌道(走査ライン)を挟んでほぼ均一に分布するので、スクライブライン形成手段の加熱部及び冷却部によって発生する熱歪みが、吸着面の平坦度に影響されることなく、ガラス基板にかかる一定の応力の方向と直交する方向、即ち、前後方向に一直線状に伝わり易くなる。
これにより、スクライブラインは、クラック形成手段によって形成されたクラックを起点としてスクライブライン形成手段の走査方向に沿って、一直線状に形成される。
従って、本発明では、第1ステージ及び第2ステージの各吸着面の平坦度に影響されることなく、ガラス基板にスクライブライン形成手段の走査方向に沿って一直線状のスクライブラインを形成することが可能になり、そのスクライブラインに沿って確実にガラス基板が分断される。
上記ステージ移動機構は、上記第1ステージ及び第2ステージが10μm以上且つ100μm以下の相対移動距離で接近するように構成されていてもよい。
上記の構成によれば、例えば、第1ステージを固定しておいて、第2ステージを第1ステージに10μm以上且つ100μm以下だけ接近させることにより、一直線状のスクライブラインを形成するために必要な圧縮応力がガラス基板にステージの移動方向に沿ってかかることになる。仮に、その接近させる距離が10μm未満の場合には、スクライブラインが一直線状に形成されなくなる恐れがあり、また、その接近させる距離が100μmを超えた場合には、ガラス基板を損傷させる恐れがある。
上記ステージ移動機構は、上記第1ステージ及び第2ステージが10μm以上且つ50μm以下の相対移動距離で離間するように構成されていてもよい。
上記の構成によれば、例えば、第1ステージを固定しておいて、第2ステージを第1ステージから10μm以上且つ50μm以下だけ離間させることにより、一直線状のスクライブラインを形成するために必要な引張応力がガラス基板にステージの移動方向に沿ってかかることになる。仮に、その離間させる距離が10μm未満の場合には、スクライブラインが一直線状に形成されなくなる恐れがあり、また、その離間させる距離が50μmを超えた場合には、ガラス基板を損傷させる恐れがある。
上記クラック形成手段は、ホイールカッター部により構成されていてもよい。
上記の構成によれば、例えば、ホイールカッター部をガラス基板に当接させることによって、そのガラス基板の表面にクラックを形成することが可能になる。
上記ホイールカッター部は、上記基板に対し、上記第1ステージ及び第2ステージと同じ側に配置されていてもよい。
上記の構成によれば、例えば、ホイールカッター部をガラス基板の裏面側から当接させることによって、そのガラス基板の端部の表面にクラックが形成されるので、そのクラック形成の際に発生するカレット(ガラスの屑)が基板上に付着することが抑止される。
上記分断手段は、上記基板の表面に上記スクライブラインに重ねて配置される第1ローラーと、上記第1ローラーと反対側の上記基板の表面に設けられ、上記スクライブラインを挟んで両側に配置された第2ローラーとを備え、上記第1ローラー及び上記第2ローラーを上記スクライブラインに沿って転動させることにより、上記基板を分断するように構成されていてもよい。
上記の構成によれば、例えば、ガラス基板を第1ステージ及び第2ステージの各吸着面に吸着保持させたまま、分断手段を構成する第1ローラー及び第2ローラーをガラス基板の表面に形成されたスクライブラインに沿って転動させることになる。これにより、ガラス基板は、スクライブラインを重ねて配置された第1ローラーを支点として、その支点の両側に配置された第2ローラーによって押さえ付けられるので、ガラス基板がスクライブラインに沿って分断される。
上記スクライブライン形成手段の上記加熱部は、レーザービームを照射するように構成されていてもよい。
上記の構成によれば、ガラス基板に対して、レーザービームの照射することによって、ガラス基板の表面が確実に局所的に加熱される。
上記スクライブライン形成手段は、上記基板に対し、上記第1ステージ及び第2ステージと同じ側に配置されていてもよい。
上記の構成によれば、例えば、スクライブライン形成手段をガラス基板にその下面側から走査させることによって、そのガラス基板の下面にスクライブラインを形成するので、スクライブライン形成時、及びガラス基板を分断する基板分断時に発生するカレット(ガラスの屑)がガラス基板上に付着することが抑止される。
本発明に係る基板分断方法は、同一平面上に配置された吸着面をそれぞれ有する第1ステージ及び第2ステージに対し、上記吸着面で基板を吸着保持する基板保持工程と、上記基板にクラックを形成するクラック形成工程と、上記基板の表面を走査しながら上記基板を局部的に加熱及び冷却することにより、上記クラックから延びるスクライブラインを形成するスクライブライン形成工程と、上記スクライブラインにおいて上記基板を分断する分断工程とを備える基板分断方法であって、上記スクライブライン形成工程では、上記基板を吸着保持する上記第1ステージ及び第2ステージを、上記吸着面と平行な方向に、互いに接近又は離間させた状態で、上記スクライブラインを形成することを特徴とする。
上記の方法によれば、まず、基板保持工程において、例えば、ガラス基板を第1ステージ及び第2ステージの各吸着面に吸着保持する。次いで、クラック形成工程において、基板にクラックを形成する。次いで、スクライブライン形成工程において、第1ステージ及び第2ステージを互いに接近又は離間させた状態で、基板の表面を走査しながら基板を局部的に加熱及び冷却してスクライブラインを形成する。次いで、分断工程において、スクライブラインに沿ってガラス基板を分断することになる。
ここで、スクライブライン形成工程では、ガラス基板に、第1ステージ及び第2ステージの接近又は離間に起因する一定の応力(圧縮応力又は引張応力)がかかった状態で、ステージの移動方向と直交する方向(前後方向に)に沿って、基板の表面を局部的に加熱及び冷却することになる。
そのため、ガラス基板には、その表面と平行な方向にかかる応力が、スクライブラインを形成する、例えば、スクライブライン形成予定線を挟んでほぼ均一に分布するので、加熱及び冷却によって発生する熱歪みが、吸着面の平坦度に影響されることなく、ガラス基板にかかる一定の応力の方向と直交する方向、即ち、前後方向に一直線状に伝わり易くなる。
これにより、スクライブラインが、クラック形成工程で形成されたクラックを起点として、一直線状に形成される。
従って、第1ステージ及び第2ステージの各吸着面の平坦度の影響がされることなく、ガラス基板に一直線状のスクライブラインが形成されるので、そのスクライブラインに沿って、確実にガラス基板が分断される。
本発明の基板分断装置は、ガラス基板を第1ステージ及び第2ステージの各吸着面に吸着保持させた状態で、ステージ移動機構によって、第1ステージ及び第2ステージを互いに接近又は離間させると共に、ステージの移動方向と直交する方向に沿って、スクライブライン形成手段を走査させるように構成されているので、第1ステージ及び第2ステージの各吸着面の平坦度に影響されることなく、ガラス基板にスクライブライン形成手段の走査方向に沿って一直線状のスクライブラインを形成することができ、そのスクライブラインに沿って確実にガラス基板を分断することができる。
以下、本発明の実施形態に係る基板分断装置及び基板分断方法について、図面に基づいて詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、他の構成であってもよい。
図1、図2及び図4は、本発明の実施形態に係る基板分断装置20の斜視図である。ここで、図1は、クラックを形成する際の基板分断装置20の状態を、図2は、スクライブラインを形成する際の基板分断装置20の状態を、図4は、分断する際の基板分断装置20の状態をそれぞれ示す斜視図である。
この基板分断装置20は、ガラス基板10を吸着保持する第1吸着ステージ1及び第2吸着ステージ2と、ガラス基板10の端部にその下側(第1ステージ1及び第2ステージ2側)からクラック11aを形成するクラック形成ユニット5(図1)と、クラック11aから延びるスクライブライン11を形成するスクライブライン形成ユニット3(図2)と、スクライブライン11においてガラス基板10を分断する分断ユニット8(図4)とにより構成されている。
クラック形成ユニット5、スクライブライン形成ユニット3及び分断ユニット8の各ユニットは、所定の工程の時に、第1吸着ステージ1及び第2吸着ステージ2の間の所定位置に移動して、ガラス基板10に対して所定の動作を行った後に、元の位置に戻るように構成されている。
第1吸着ステージ1及び第2吸着ステージ2は、同一平面上に配置された吸着面1a及び2aをそれぞれ有している。
また、各吸着面1a及び2aには、真空排気系配管を介して真空ポンプに接続された複数の吸着孔4が配置している。
さらに、各吸着面1a及び2aの平坦度は、その表面の最大高低差が100μm以下であるのが好ましい。これによれば、一直線状にスクライブライン11を形成するのに必要な圧縮応力又は引張応力の大きさを小さくすることができる。
ここで、第1吸着ステージ1及び第2吸着ステージ2は、互いに離間又は接近するように構成されている。具体的には、図1、図2及び図4に示すように、第1吸着ステージ1を固定しておいて、第2吸着ステージ2をステージ移動機構によって各吸着面1a及び2aに平行な方向(図中の左右方向)に移動可能としたり、また、これとは反対に、第2吸着ステージ2を固定しておいて、第1吸着ステージ1を移動可能としてもよい。さらに、第1吸着ステージ1及び第2吸着ステージ2の双方を移動可能としてもよい。
クラック形成ユニット5(クラック形成手段)は、ホイールカッター部5aを有しており、ホイールカッター部5aを介してガラス基板10の下側表面の端部に当接されるように構成されている。
また、ホイールカッター部5aは、ガラス基板10に対し、第1吸着ステージ1及び第2吸着ステージ2と同じ側に配置されているので、ホイールカッター部5aをガラス基板10に、その下側から当接させて、そのガラス基板10の端部の下側表面にクラック11aが形成する際に、発生するカレット(ガラスの屑)がガラス基板10上に付着することを抑止できる。
スクライブライン形成ユニット3(スクライブライン形成手段)は、ガラス基板10に対してその下面側からレーザービーム14を照射することによりガラス基板10の下側表面を局部的に加熱するレーザービーム出力部3a(加熱部)と、その局部的に加熱された領域に対して冷却水15を噴射することによりガラス基板10の下側表面を冷却する冷却媒体出力部3b(冷却部)とにより構成されている。
また、スクライブライン形成ユニット3は、ガラス基板10の下面をステージの移動方向に直交する方向(図中の前後方向)に走査ライン12に沿って走査するように構成されている。
そのため、スクライブライン形成ユニット3は、ガラス基板10の下側表面に対して、レーザービーム出力部3aを介してレーザービーム14を照射すると共に、冷却媒体出力部3bを介して冷却水15を噴出しながら、ガラス基板10の下側を走査するように構成されている。
また、スクライブライン形成ユニット3は、ガラス基板10に対し、第1ステージ及び第2ステージと同じ側に配置されているので、スクライブライン形成ユニット3をガラス基板10にその下側から走査させることによって、そのガラス基板10の下側表面にスクライブライン11を形成することになる。そのため、スクライブラインを形成する際、及び後述するガラス基板10を分断する際に発生するカレット(ガラスの屑)が、ガラス基板10上に付着することを抑止できる。
そして、このスクライブライン形成ユニット3の走査によって、ガラス基板10の下側表面では、図3(b)に示すように、レーザービーム14が照射されたレーザービームスポット14a、及びその後ろ側に位置する冷却スポット15aが、端部に形成されたクラック11aを起点として走査ライン12に沿って移動することになり、これによって、ガラス基板10の下側表面に順次熱歪みが発生して、クラック11aから延びるスクライブライン11が形成されることになる。
分断ユニット8(分断手段)は、上側ローラー6a(第1ローラー)を有する上側ローラーユニット6と、下側ローラー7a(第2ローラー)を有する下側ローラーユニット7とにより構成されている。
上側ローラー6aは、ガラス基板10の上側から、スクライブライン形成ユニット3によって形成されたスクライブライン11に重ねて当接されるように配置され、下側ローラー7aは、ガラス基板10の下側からスクライブライン11を挟んで両側に当接されるように配置されている。
そして、上側ローラー6a及び下側ローラー7aは、スクライブライン11に沿って転動されるように構成されており、これによって、ガラス基板10には、上側ローラー6aを支点として、その両側に上向きの圧力がかかることになり、ガラス基板10がスクライブライン11に沿って分断されることになる。
次に、この基板分断装置20を用いて、ガラス基板10を分断する方法について説明する。
<準備工程>
例えば、液晶表示装置を構成するアクティブマトリクス基板の構成単位が複数配設したガラス基板10を準備する。
このアクティブマトリクス基板は、相互に平行に延びる複数のゲート線と、それらのゲート線と直交する方向に相互に平行に延びる複数のソース線と、上記各ゲート線の間に相互に平行に延びる容量線と、上記ゲート線及びソース線の各交差部分に設けられたTFTと、上記各TFTに対応して、上記一対のゲート線及び一対のソース線で囲われる領域に設けられ、1つの画素を構成する画素電極とにより構成されたものである。
<基板保持工程>
ガラス基板10を、第1吸着ステージ1の吸着面1a、及び第2吸着ステージ2の吸着面2a上に載置すると共に、真空ポンプを動作させ、ガラス基板10を各吸着面1a及び吸着面2aに吸着させることにより、ガラス基板を各吸着面1a及び吸着面2aで吸着保持する。
<クラック形成工程>
まず、クラック形成ユニット5を、吸着保持されたガラス基板10の下側の端部に移動させる。
次いで、図1に示すように、クラック形成ユニット5を上方に移動させ、そのホイールカッター部5aの刃先をガラス基板10の下側表面の端部に当接させる。
これによって、ガラス基板10の下側表面の端部にクラック11aが形成される。
<スクライブライン形成工程>
まず、第2吸着ステージ2をステージ移動機構によって各吸着面1a及び2aに平行な方向に且つ図中の左方向に50μm程度、移動させる。
これによって、ガラス基板10の中央部分(各吸着面1a及び2aに接していない部分)には、各第1吸着ステージ1及び第2吸着ステージ2側から中央部分に向かって圧縮応力がかかることになる。
ここで、第2吸着ステージ2の図2中の左方向の移動距離は、10μm以上且つ100μm以下であればよい。このような各吸着ステージ1及び2の互いの接近により、一直線状のスクライブラインを形成するために必要な圧縮応力がガラス基板10に吸着ステージの移動方向に沿ってかかることになる。仮に、その接近させる距離が10μm未満の場合には、一直線状のスクライブラインが形成されなくなり恐れがあり、また、その接近させる距離が100μmを超えた場合には、ガラス基板10を損傷させる恐れがある。
また、第2吸着ステージ2を図中の右方向に10μm以上且つ50μm以下だけ移動させてもよい。このような各吸着ステージ1及び2の互いの離間により、後述する一直線状のスクライブラインを形成するために必要な引張応力がガラス基板10に吸着ステージの移動方向に沿ってかかることになる。仮に、その離間させる距離が10μm未満の場合には、一直線状のスクライブラインが形成されなくなり恐れがあり、また、その離間させる距離が50μmを超えた場合には、ガラス基板10を損傷させる恐れがある。
次いで、クラック形成ユニット5を元の位置に戻した後、スクライブライン形成ユニット3を、ガラス基板10の下側表面に形成されたクラック11aの下側に移動させる。
次いで、図2及び図3(a)に示すように、ガラス基板10の下側表面に対して、レーザービーム出力部3aからレーザービーム14を照射させると共に、冷却媒体出力部3bから冷却水15を噴射させながら、スクライブライン形成ユニット3をクラック11aの下側の位置から、ガラス基板10の他方の端部の下側の位置まで走査させる。ここで、スクライブライン形成ユニット3を走査させる軌道線を走査ライン12とする。
これによって、図3(b)に示すように、ガラス基板10の下面において、レーザービーム14が照射されたレーザービームスポット14aでは局部的に加熱されると共に、その後ろ側の冷却スポット15aでは局部的に冷却される。このとき、上記加熱及び冷却によって生じる熱歪みにより、クラック11aがガラス基板10の表面に対して水平方向に、且つ、スクライブライン形成ユニット3の走査方向に延びて、クラック11aを起点として走査ライン12に沿ったスクライブライン11が形成される。
<分断工程>
まず、図4(b)に示すように、スクライブライン11が形成されたガラス基板10を、スクライブライン11の位置で上側ローラー6aと下側ローラー7aとの間に挟持させるように、上側ローラーユニット6及び下側ローラーユニット7からなる分断ユニット8を、ガラス基板10の他方の端部に移動させる。
次いで、図4(a)に示すように、ガラス基板10をスクライブライン11の位置で上側ローラー6aと下側ローラー7aとによって挟持させながら、上側ローラー6a及び下側ローラー7aをスクライブライン11に沿って、図中の奥側から手前側に転動させる。
これによって、ガラス基板10には、上側ローラー6aを支点として、その両側に上向きの圧力がかかることになり、ガラス基板10がスクライブライン11を境界として両側に分断される。
以上のように、本発明の基板分断装置20及び基板分断方法によれば、基板保持工程において、ガラス基板10を第1吸着ステージ1及び第2吸着ステージ2の各吸着面(1a及び2a)に吸着保持させ、スクライブライン形成工程において、ステージ移動機構によって、第1吸着ステージ1及び第2吸着ステージ2を互いに接近(離間)させることにより、ガラス基板には、ステージの移動方向に沿って、一定の圧縮応力(引張応力)が発生する。
そして、スクライブライン形成工程では、ステージの移動方向(図2中の左右方向)に沿って、ガラス基板10に圧縮応力(引張応力)がかかった状態で、ステージの移動方向と直交する方向(図2中の前後方向に)に沿って、スクライブライン形成ユニット3を走査させて、ガラス基板10を局部的に順次、加熱及び冷却することになる。
そのため、ガラス基板10には、その表面と平行な方向にかかる応力が、スクライブライン形成ユニット3の走査ライン12を挟んでほぼ均一に分布することになるので、スクライブライン形成ユニット3のレーザービーム出力部3a及び冷却媒体出力部3bを介する加熱及び冷却によって発生する熱歪みが、各吸着面(1a及び2a)の平坦度に影響されることなく、ガラス基板10にかかる一定の応力の方向と直交する方向に一直線状に伝わり易くなる。
これにより、スクライブライン11が、クラック形成工程において形成されたクラック1aを起点として、スクライブライン形成ユニット3の走査方向(走査ライン12)に沿って、一直線状に形成される。
従って、第1吸着ステージ1及び第2吸着ステージ2の各吸着面(1a及び2a)の平坦度に影響されることなく、ガラス基板10にスクライブライン形成ユニット3の走査方向(走査ライン12)に沿って一直線状のスクライブライン11を形成することが可能になり、分断工程において、そのスクライブライン11に沿って確実にガラス基板10を分断することができる。
また、上記実施形態では、スクライブライン形成ユニット3と分断ユニット8とを連結して、その連結ユニットを図2中の手前側から奥側に走査させるときに、スクライブライン形成ユニット3を動作させて(スクライブライン形成工程)、スクライブライン11を形成すると共に、図2中の奥側から手前側に走査させるときに、分断ユニット8を動作させて(分断工程)、ガラス基板10を分断するように構成されたものを想定しているが、スクライブライン形成ユニット3と分断ユニット8とを別々に設けて、スクライブライン形成工程の後に、スクライブライン形成ユニット3を元の位置に戻して、分断ユニット8を図2中の手前側から奥側に、又は、図2中の奥側から手前側に走査させてもよい。
また、本発明の基板分断装置20は、吸着ステージの吸着面(1a及び2a)の平坦度の影響を受けることなく、一直線状のスクライブラインを形成することが可能であるので、ガラス基板10の搬送等によって吸着面が部分的に摩耗して、平坦度が経時的に変わりやすいガラス基板の分断装置において、特に有効である。
以上説明したように、本発明は、ガラス基板の表面に一直線状のスクライブラインを形成して、確実に基板を分断することができるので、液晶表示装置用の大型のガラス基板の分断について有用である。
本発明の実施形態に係る基板分断装置20のクラック形成工程での斜視図である。 本発明の実施形態に係る基板分断装置20のスクライブライン形成工程での斜視図である。 図3(a)は、本発明の実施形態に係るスクライブライン形成工程でのガラス基板10に対するスクライブライン形成ユニット3の動作を示す断面模式図であり、図3(b)は、本発明の実施形態に係るガラス基板10の平面模式図である。 図4(a)は、本発明の実施形態に係る基板分断装置20の分断工程での斜視図であり、図4(b)は、本発明の実施形態に係る分断工程でのガラス基板10に対する分断ユニット8の動作を示す断面模式図である。 従来の基板分断装置20’の(スクライブライン形成工程での)斜視図である。 従来の基板分断装置20’で分断されたガラス基板10の平面模式図である。
符号の説明
1 第1吸着ステージ
1a,2a 吸着面
2,2’ 第2吸着ステージ
3 スクライブライン形成ユニット
3a レーザービーム出力部
3b 冷却媒体出力部
4 吸着孔
5 クラック形成ユニット
5a ホイールカッター部
6 上側ローラーユニット
6a 上側ローラー
7 下側ローラーユニット
7a 下側ローラー
8 分断ユニット
10,10’ ガラス基板
11 スクライブライン
11a クラック
12 走査ライン
13 スクライブライン逸れ部分
14 レーザービーム
14a レーザービームスポット
15 冷却水
15a 冷却スポット
20,20’ 基板分断装置

Claims (9)

  1. 同一平面上に配置された吸着面をそれぞれ有する第1ステージ及び第2ステージを備え、基板を上記各吸着面で吸着保持する吸着ステージと、
    上記基板にクラックを形成するクラック形成手段と、
    上記基板を局部的に加熱する加熱部、及び該加熱部により加熱された領域を冷却する冷却部を有し、上記基板の表面を上記加熱部及び冷却部によって走査することにより、上記クラックから延びるスクライブラインを形成するスクライブライン形成手段と、
    上記スクライブラインにおいて上記基板を分断する分断手段とを備えた基板分断装置であって、
    上記吸着ステージは、上記基板を上記第1ステージ及び第2ステージにより吸着保持した状態で、上記第1ステージ及び第2ステージを、上記吸着面と平行な所定の移動方向に、互いに接近又は離間させるステージ移動機構を備え、
    上記スクライブライン形成手段の上記加熱部及び冷却部は、上記第1ステージ及び第2ステージが互いに接近又は離間した状態で、上記基板の表面を上記移動方向に直交する方向に走査するように構成されていることを特徴とする基板分断装置。
  2. 請求項1に記載された基板分断装置において、
    上記ステージ移動機構は、上記第1ステージ及び第2ステージが10μm以上且つ100μm以下の相対移動距離で接近するように構成されていることを特徴とする基板分断装置。
  3. 請求項1に記載された基板分断装置において、
    上記ステージ移動機構は、上記第1ステージ及び第2ステージが10μm以上且つ50μm以下の相対移動距離で離間するように構成されていることを特徴とする基板分断装置。
  4. 請求項1に記載された基板分断装置において、
    上記クラック形成手段は、ホイールカッター部により構成されていることを特徴とする基板分断装置。
  5. 請求項4に記載された基板分断装置において、
    上記ホイールカッター部は、上記基板に対し、上記第1ステージ及び第2ステージと同じ側に配置されていることを特徴とする基板分断装置。
  6. 請求項1に記載された基板分断装置において、
    上記分断手段は、上記基板の表面に上記スクライブラインに重ねて配置される第1ローラーと、上記第1ローラーと反対側の上記基板の表面に設けられ、上記スクライブラインを挟んで両側に配置された第2ローラーとを備え、上記第1ローラー及び上記第2ローラーを上記スクライブラインに沿って転動させることにより、上記基板を分断するように構成されていることを特徴とする基板分断装置。
  7. 請求項1に記載された基板分断装置において、
    上記スクライブライン形成手段の上記加熱部は、レーザービームを照射するように構成されていることを特徴とする基板分断装置。
  8. 請求項1に記載された基板分断装置において、
    上記スクライブライン形成手段は、上記基板に対し、上記第1ステージ及び第2ステージと同じ側に配置されていることを特徴とする基板分断装置。
  9. 同一平面上に配置された吸着面をそれぞれ有する第1ステージ及び第2ステージに対し、上記吸着面で基板を吸着保持する基板保持工程と、
    上記基板にクラックを形成するクラック形成工程と、
    上記基板の表面を走査しながら上記基板を局部的に加熱及び冷却することにより、上記クラックから延びるスクライブラインを形成するスクライブライン形成工程と、
    上記スクライブラインにおいて上記基板を分断する分断工程とを備える基板分断方法であって、
    上記スクライブライン形成工程では、上記基板を吸着保持する上記第1ステージ及び第2ステージを、上記吸着面と平行な方向に、互いに接近又は離間させた状態で、上記スクライブラインを形成することを特徴とする基板分断方法。
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