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JP2006147906A5 - - Google Patents

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リッジ導波路型半導体レーザ素子の製造方法
本発明は、リッジ導波路型半導体レ−ザ素子の製造方法に関するものである。
リッジ導波路型半導体レ−ザ素子は、その製造工程において活性層を大気中に露出させることがないため、特に酸化に対してレ−ザ特性が劣化しやすいGaAs系レ−ザ素子に対しては信頼性の点で優れた構造である(例えば、特許文献1参照。)。
図4は、従来例のリッジ導波路型半導体レ−ザ素子を示す断面構成図である。
従来例のリッジ導波路型半導体レ−ザ素子1は、以下に示す構造をしている。
n−GaAsからなる基板2上には、n−Al0.5Ga0.5Asからなるn型クラッド層3、活性層4、p−Al0.5Ga0.5Asからなるp型第1クラッド層5、p−Al0.7Ga0.3Asからなるエッチングストップ層6が順次積層されている。
エッチングストップ層6上には、n−Al0.6Ga0.4Asからなる電流狭窄層101、102により挟まれたp−Al0.5Ga0.5Asからなるp型第2クラッド層7とp−GaAsからなるキャップ層8とが積層されたリッジストライプ構造9が形成されている。
更に、このリッジストライプ構造9及び電流狭窄層101、102の上部には、p−GaAsからなるコンタクト層11が形成されており、このコンタクト層11上にp型オ−ミック電極12が形成されている。
なお、これら積層方向と反対側の基板2の面上には、n型オ−ミック電極13が形成されている。
これらp型オ−ミック電極12及びn型オ−ミック電極13側からそれぞれ正孔、電子を注入して電流を流し、それが発振しきい値以上になるとレ−ザ発振が生じ、活性層4からレ−ザ光が放出される。
次に、従来例のリッジ導波路型半導体レ−ザ素子1の製造方法について説明する。
図5は、従来例のリッジ導波路型半導体レ−ザ素子の製造工程図である。
(第1工程)
まず、例えばMOCVD(Metal Oganic Chemical Vapor Depositin)法により、n−GaAsからなる基板2上に、厚さ1.5μmのn−Al0.5Ga0.5Asからなるn型クラッド層3、厚さ0.07μmのAl0.13Ga0.87Asからなる活性層4、厚さ0.3μmのp−Al0.5Ga0.5Asからなるp型第1クラッド層5、厚さ0.03μmのp−Al0.7Ga0.3Asからなるエッチングストップ層6、厚さ0.7μmのp−Al0.5Ga0.5Asからなるp型第2クラッド層、厚さ0.3μmのp−GaAsからなるキャップ層を順次積層する(図5の(A))。
(第2工程)
次に、このp−GaAsからなるキャップ層上に、例えばスパッタ法によりSiO絶縁膜を形成後、この絶縁膜上に図示しないフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィ法及びドライエッチング法により、SiOからなるストライプマスク14を形成する(図5の(B))。
(第3工程)
次に、p−Al0.5Ga0.5Asからなるp型第2クラッド層及びp−GaAsからなるキャップ層8を、酒石酸により、p−Al0.7Ga0.3Asからなるエッチングストップ層6までエッチングして、SiOからなるストライプマスク14以外の領域を除去し、リッジストライプ構造9を形成する(図5の(C))。
ここで、p−Al0.7Ga0.3Asからなるエッチングストップ層6に対する酒石酸のエッチングレ−トは、p−Al0.5Ga0.5Asからなるp型第2クラッド層よりも2桁程度小さいので、制御性良く選択的にエッチングストップ層6でエッチングを停止することができる。
(第4工程)
次に、例えばMOCVD法により第2回目の成長を行い、露出しているエッチングストップ層6上及びリッジストライプ構造9の両側面にn−Al0.6Ga0.4Asからなる電流狭窄層101、102を積層する(図5の(D))。
このとき、n−Al0.6Ga0.4Asからなる電流狭窄層101、102を厚く形成すると、選択成長されずにストライプマスク14上にn−Al0.6Ga0.4Asのポリ結晶が付着するため、ストライプマスク14上に成長が行われない程度の厚さ(0.3μm)までの電流狭窄層101、102を成長させる。
(第5工程)
次に、エッチングによりSiOからなるストライプマスク14を除去して、キャップ層8を露出させる。次いで、例えばMOCVD法により、第3回目の成長を行い、電流狭窄層101、102及びキャップ層8上にp−GaAsからなるコンタクト層11を形成する(図5の(E))。次いで、コンタクト層11上にp型オ−ミック電極12を形成すると共に、基板2の上記した積層方向と反対側の面上に、n型オ−ミック電極13を形成して、図4に示したリッジ導波路型半導体レ−ザ素子1を得る。
特開平11−46037号公報
ところで、上記電流狭窄層101、102は、その膜厚が厚ければ厚い程、活性層4からコンタクト層11までの距離が長くなるため、光吸収損失を低減でき、また閾値電流や動作電流を低減できて好ましい。
しかしながら、図5の(D)を参照して先に説明したように、この電流狭窄層101、102の厚さを0.3μm以上の厚さまで成長させようとすると、ストライプマスク14上にn−Al0.6Ga0.4Asのポリ結晶が付着形成されてしまう。このSiOからなるストライプマスク14上のポリ結晶(導電性が低い)は、除去するのが困難であり、従って、また、絶縁性のストライプマスク14を除去出来ない。このため、コンタクト層11を形成しても、ポリ結晶及びストライプマスク14に遮断されて、コンタクト層11はリッジストライプ構造9と有効なコンタクトをとることができない。そのため、この電流狭窄層101、102の厚さを、0.3μmよりも厚い値に設定することが出来ないといった問題があった。
そこで本発明は、上記問題を解決して、電流狭窄層の厚さを十分に厚く出来るようにし、それによって光吸収損失を低減できて、閾値電流や動作電流も低減でき、製品の再現性および歩留まりが良好であり、工程管理が容易で生産に適した、リッジ導波路型半導体レーザ素子の製造方法を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本願発明は次の手段を有する。
リッジを有するリッジ導波路型半導体レーザ素子の製造方法において、第1導電型の半導体基板上に、第1導電型のクラッド層、活性層、第2導電型の第1クラッド層、第2導電型のエッチングストップ層、第2導電型の第2クラッド層、及び第2導電型のキャップ層を順次成膜する第1の成膜工程と、前記第1の成膜工程後に、前記キャップ層及び前記第2クラッド層を部分的にエッチングして、前記エッチングストップ層を露出させると共に前記リッジを形成するリッジ形成工程と、リッジ形成工程後に、前記リッジ及び前記露出したエッチングストップ層上に、第1導電型の電流狭窄層と、該電流狭窄層よりも所定のエッチング液に対してエッチング速度が速い第1導電型の電流狭窄キャップ層と、を順次成膜する第2の成膜工程と、前記第2の成膜工程後に、前記リッジ上の前記電流狭窄キャップ層を前記エッチング液を用いてエッチングして、前記電流狭窄層を露出させる第1のエッチング工程と、前記第1のエッチング工程で露出した前記電流狭窄層をエッチングして、前記リッジを露出させる第2のエッチング工程と、前記第2のエッチング工程で露出した前記リッジ上に、第2導電型のコンタクト層を成膜する第3の成膜工程と、を有するリッジ導波路型半導体レーザ素子の製造方法である。
本発明のリッジ導波路型半導体レーザ素子の製造方法によれば、電流狭窄層の厚みを十分に厚くできるようにし、それによって光吸収損失を低減できて、閾値電流や動作電流も低減でき、製品の再現性および歩留まりが良好であり、工程管理が容易で生産に適した、リッジ導波路型半導体レーザ素子の製造方法を提供できるという効果がある。
以下、本発明の実施の形態につき、好ましい実施例により、図面を参照して説明する。
なお、説明の簡便のため、前述した従来例の構成と同一の構成については、同一符号を付し、その説明を省略する。
図1は、本発明のリッジ導波路型半導体レ−ザ素子の製造方法の実施例の製造工程図である。
(第1工程)乃至(第3工程)
本実施例の製造工程においては、まず、第1工程から第3工程までは、前述した従来例の第1工程(図5の(A))から第3工程(図5の(C))までと同様であるので、その説明を省略する。
(第4工程)
前記従来例と同様に第3工程を終えた後、次に、ストライプマスク14を除去し、例えばMOCVD法により第2回目の成長を行い、露出したp−Al0.7Ga0.3Asからなるエッチングストップ層6上及びリッジストライプ構造9の両側面に厚さ0.7μmのn−Al0.6Ga0.4Asからなる電流狭窄層101、102、103および厚さ0.5μmのn−GaAsからなる電流狭窄キャップ層104、105、106を形成する(図1の)。
(第5工程)
次に、フォトレジスト19をスピンコート等の方法で全面に塗布する。このとき、フォトレジスト19は電流狭窄キャップ層104,105,106を覆ってしまうようにする(図1の)。
(第6工程)
次に、フォトレジスト19をアッシング等の方法でエッチバックし、電流狭窄キャップ層106の頭部が露出するようにした、セルフアライメントで形成されたフォトレジスト19aを得る(図1の)。
(第7工程)
次に、フォトレジスト19aをマスクにして、GaAsを選択的にウェットエッチングするエッチング液によってn−GaAsからなる電流狭窄キャップ層106をエッチングし、n−Al0.6Ga0.4Asからなる電流狭窄層103を露出させる。このときサイドエッチングによってフォトレジスト19aにマスクされている電流狭窄キャップ層106の一部もエッチングされるが、電流狭窄層101、102、103が存在するため、リッジストライプ構造の側面20が露出されず、従って、p−第2クラッド層7が露出されることはない(図1の)。
このときに、n−GaAsからなる電流狭窄キャップ層106が存在しなかった場合には、図2に示す比較例1及び図3に示す比較例2のようになる。
まず、比較例1について説明する。
比較例1においては、実施例の第1工程から第3工程までと同様に第1工程から第3工程まで行う。その後、露出しているエッチングストップ層6及びリッジストライプ構造9の両側面及び上面に所定の電流狭窄層101、102、103を形成する(図2のD)。次に、電流狭窄層101、102、103上に、電流狭窄キャップ層を形成することなく、フォトレジストを塗布し(図2のE)、リッジストライプ構造9上の電流狭窄層103の一部が露出するように、エッチバックする。こうして、マスクとなるフォトレジスト19bが得られる(第4工程:図2の)。
次に、n−Al0.6Ga0.4Asからなる電流狭窄層103をフォトレジスト19bをマスクとしてエッチングするが、このときのn−Al0.6Ga0.4Asを選択的にエッチングするエッチング液で行うと、サイドエッチングによってリッジストライプ構造の側面20Aが露出してしまう。(図2の)。
次に、比較例2について説明する。
比較例2においては、第1工程から第3工程まで、実施例と同様に行う。第4工程は比較例1と同様に行う(図3のD〜F)。
次に、露出したn−Al0.6Ga0.4Asからなる電流狭窄層103をフォトレジスト19bをマスクとしてエッチングするが、このときのエッチングを非選択的なウェットエッチング又はドライエッチングで行うと、電流狭窄層103Aの上部の形状をそのまま反映してエッチングが進み、キャップ層とp型第2クラッド層となり、やはりリッジストライプ構造の側面20Bが露出してしまう(図3の)。
リッジストライプ構造の側面20A、20Bが露出すると、本来のキャップ層8を通る正しい電流経路以外に、キャップ層8上に形成するコンタクト層11(図2のH及び図3のH)から直接p型第2クラッド層に電流が流れるため、閾値等の諸特性がばらつく原因となり良好な特性のリッジ導波路型半導体レーザ素子を歩留まりよく得ることが出来なくなる。
従って、図1に示すように、電流狭窄層101、102、103上に、n−GaAsからなる電流狭窄キャップ層104、105、106を形成することが必要となる。
以下、図1に戻って説明する。
(第8工程)
次に、フォトレジスト19aをマスクにして、n−Al0.6Ga0.4Asからなる電流狭窄層103をエッチングし、p−GaAsからなるキャップ層8を露出させる(図1の)。このときのエッチングはエッチング形状の制御が容易なドライエッチングが好ましいが、非選択的なウェットエッチングでも、AlGaAsを選択的にエッチングするウェットエッチングでもかまわない。
(第9工程)
次に、フォトレジスト19aを除去し、例えばMOCVD法により、第3回目の成長を行い、電流狭窄キャップ層104、105及び前工程でエッチングされずに残って露出した電流狭窄層103及びキャップ層8上に、p−GaAsからなるコンタクト層11を形成する(図1のI)。このときコンタクト層11は直接p型第2クラッド層7に触れることがない。次いで、コンタクト層11上にp型オ−ミック電極を形成すると共に、n−GaAsからなる基板2の前記した積層方向と反対側の面上にn型オ−ミック電極を形成して、リッジ導波路型半導体レ−ザ素子を得る。
このように、本実施例のリッジ導波路型半導体レ−ザ素子の製造方法によって得られるリッジ導波路型半導体レ−ザ素子においては、厚さの厚い(例えば、0.7μm)電流狭窄層101、102をリッジストライプ構造9の両側を挟んで形成してある。このとき、キャップ層8上にn−Al0.6Ga0.4Asからなる電流狭窄層103が形成されるが、これはポリ結晶ではなく、エピタキシャル成長した単結晶である。これは容易にエッチング除去出来る。従って、キャップ層8上の所定部分の電流狭窄層103が除去されているので、キャップ層8上に形成されるコンタクト層11は、キャップ層8と十分なコンタクトが得られている。この結果、上述したリッジ導波路型半導体レ−ザ素子においては、電流狭窄層101、102を厚く形成できるので、活性層4からコンタクト層11までの距離が長くなるため、光吸収損失を低減でき、また閾値電流や動作電流を低減できる。
本発明のリッジ導波路型半導体レ−ザ素子の製造方法の実施例の製造工程図である。 リッジ導波路型半導体レーザ素子の製造方法の比較例1の製造工程図(一部)である。 リッジ導波路型半導体レ−ザ素子の製造方法の比較例2の製造工程図(一部)である。 従来例のリッジ導波路型半導体レーザ素子を示す断面構成図である。 従来例のリッジ導波路型半導体レーザ素子の製造工程図である。
符号の説明
…リッジ導波路型半導体レ−ザ素子、2…基板、3…n型クラッド層、4…活性層、5…p型第1クラッド層、6…エッチングストップ層、…p型第2クラッド層、…キャップ層、…リッジストライプ構造、11…コンタクト層、12…電極、13…電極、14…ストライプマスク、19,19a,19b…フォトレジスト、20,20A,20B…リッジストライプ構造の側面、101,102,103…電流狭窄層、104,105,106…電流狭窄キャップ層

Claims (1)

  1. リッジを有するリッジ導波路型半導体レーザ素子の製造方法において、
    第1導電型の半導体基板上に、第1導電型のクラッド層、活性層、第2導電型の第1クラッド層、第2導電型のエッチングストップ層、第2導電型の第2クラッド層、及び第2導電型のキャップ層を順次成膜する第1の成膜工程と、
    前記第1の成膜工程後に、前記キャップ層及び前記第2クラッド層を部分的にエッチングして、前記エッチングストップ層を露出させると共に前記リッジを形成するリッジ形成工程と、
    リッジ形成工程後に、前記リッジ及び前記露出したエッチングストップ層上に、第1導電型の電流狭窄層と、該電流狭窄層よりも所定のエッチング液に対してエッチング速度が速い第1導電型の電流狭窄キャップ層と、を順次成膜する第2の成膜工程と、
    前記第2の成膜工程後に、前記リッジ上の前記電流狭窄キャップ層を前記エッチング液を用いてエッチングして、前記電流狭窄層を露出させる第1のエッチング工程と、
    前記第1のエッチング工程で露出した前記電流狭窄層をエッチングして、前記リッジを露出させる第2のエッチング工程と、
    前記第2のエッチング工程で露出した前記リッジ上に、第2導電型のコンタクト層を成膜する第3の成膜工程と、
    を有するリッジ導波路型半導体レーザ素子の製造方法。
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