JP2006037179A - 耐焼付性に優れたPbフリー銅合金系複合摺動材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 金属系めっき相が、合金粒子及びMoS2粒子間の境界に介在し、銅合金粒子とは焼結接合され、MoS2粒子とは焼結前に予め接合されている。MoS2の酸化部分がMoS2100部に対して10部以下に抑制されている。
【選択図】 図1
Description
さらに、Ag添加銅合金については、ATFやエンジンオイルなどS分の多い潤滑油を使用する環境ではAg-Sが生成するが、燃料噴射ポンプ用ブシュなどS分の少ない環境では硫化物の生成が少なく、効果が十分発揮できない。
本発明は、銅合金の焼結中に酸化して生成するMoO3などの酸化物を制限する焼結法によりMoS2などの硫黄系固体潤滑剤の量を適正に添加し、耐焼付性に優れるPbフリー銅合金系複合焼結材を提供することを目的とする。
また、本発明は、銅合金粉末と膜厚0.1μm以上のめっきを施した硫黄系固体潤滑剤粉末との混合物を高周波誘導加熱焼結したことを特徴とする耐焼付性に優れたPbフリー銅合金系複合摺動材(以下「第2摺動部材」という)を提供するものである。
以下、本発明を詳しく説明する。なお、本発明において硫黄系固体潤滑剤とは、広義には酸化部分を有するものを指し、狭義には酸化部分がないものを指している。
さらに、MoS2は約380℃から分解が始まるので、焼結条件を制御すると、適当な厚さで金属めっきされた硫黄系固体潤滑剤は酸化されずに銅合金と一体に結合されることを見出した(第2摺動材)。焼結時間までの昇温は2分以内で行い、また焼結温度での保持時間は3分以内であることが好ましい。
すなわちこれは、めっきMoS2粉末と銅合金粒子との比重差が少なくなるために、焼結層中でのMoS2の偏析が抑えられ、MoS2粒子が均一に分散する。また、銅合金粒子とめっき金属との間で成分の拡散が起こるので、銅合金とMoS2との密着性が向上し、材料強度が上がる。
第2摺動材においては、高周波焼結と所定厚さのめっきを施した硫黄系固体潤滑剤を使用することにより、銅合金の焼結中に酸化して生成するMoO3量を制限し、あるいは酸化を全く起こさないようにするものである。
なお、酸化比率は焼結材中の硫黄系固体潤滑剤の質量を100として、酸化物(MoS2の場合はMoO3)の質量の比率を求めたものである。酸化物の存在形態は、上述したところから理解されるように、微細硫化物粒子全体が酸化したものと、硫化物粗粒子表面が酸化膜になったもの二種類がある。
本発明は上述のように酸化比率が少ないために、硫黄系固体潤滑剤を有効利用することができる。また、MoO3は硬質粒子としては硬度が低いので、耐摩耗性向上効果が少なく、専ら焼結銅合金材料との接合強度を下げる方向に作用するので好ましくない。
続いて、本発明の摺動材の成分につき説明する。
しかし、Ag:5質量%以上、Ni:10質量%以上、Zn:30質量%以上、In:10質量%以上では銅合金の硬さが上がりすぎて、脆くなるとともに、なじみ性を低下して耐焼付性が低下する。Bi:20質量%以上では銅合金の融点が下がりすぎて強度が低下する。好ましい添加量は、Ag:0.1〜1.2質量%、Ni:1〜5質量%、Zn:5〜30質量%、Bi:1〜10質量%である。
焼結条件としては、硫黄系固体潤滑剤の分解温度以上の温度に保持されている時間、すなわち昇温工程の途中から焼結温度での保持時間を含み、冷却工程の途中までの時間を極力短時間とすることが好ましく、具体的には360秒以内が好ましい。また焼結温度までの昇温時間は100秒以内、焼結温度での保持時間は160秒以内、室温までの冷却時間は100秒以内がそれぞれ好ましい。硫黄系固体潤滑剤をその分解温度以上の温度に長時間さらすと酸化が進行し、添加量に見合うだけの潤滑性能を発揮できなくなるとともに、遊離した硫黄によって銅合金が硫化され、摺動性能が低下する。
なお、めっき層がMoS2粉末を被覆していると、摺動相手材との接触を妨げることになるから、焼結材の表面を研摩してMoS2粉末の一部を表面に露出することが好ましい。
以下、実施例により本発明をより詳しく説明する。
Cu-Sn系銅合金アトマイズ粉末(粒径180μm以下)100質量部に対しCuめっきMoS2粉末(平均粒径50μm)を5〜10質量部の割合で混合し、鋼板上に1mmに散布した後、高周波加熱焼結を行った。高周波加熱焼結の焼結条件は、還元雰囲気下において、2分以内で700〜1000℃の焼結温度まで昇温し、その焼結温度での保持時間は3分以内とし、冷却はガス冷却または/およびロール冷却により2〜3分以内で速やかに室温まで冷却した。その後圧延し、同じ条件で再度高周波焼結を行い、得られた材料を試験片とした。MoS2に施したCuめっきの厚さは2μm以下とした。試験片のMoO3、MoS2の量をX線回析、EPMAにより測定して、酸化比率を求めた結果を図1に示す。
図1よりめっき厚さが1μm以上であると酸化比率はゼロになることが分かる。めっき厚さが1μm以上の試料を光学顕微鏡で観察したところ、Cu系境界相がMoS2粒子の全体の周りに観察された。この境界相とCu-Sn系銅合金粒子の間には焼結により生成した拡散相が観察された。
実施例1と同様の方法で、表1に示す組成につき焼結を行い、焼結後表面を研磨してMoS2粒子を露出させた。なお、比較のために電気炉焼結を行った。電気炉焼結の焼結条件は、還元雰囲気下において、10〜20分で700〜800℃の焼結温度まで昇温し、その焼結温度での保持時間は5〜10分とし、冷却は20〜30分で室温まで冷却した。得られた試験片につき次の方法で試験を行った。
試験機:ピンオンディスク試験機
荷重:4MPa/10min漸増
油種:パラフィン系ベースオイル
油温:室温
相手材:SUJ2
試験の結果を表1に示す。
高周波加熱及び冷却条件などを変更して実施例1の方法を行い、実施例2の試験方法により焼付面圧を測定した。試験条件及び結果を表2に示す。
Claims (9)
- 銅合金粒子からなるマトリックスに硫黄系固体潤滑剤粒子が分散されてなる銅合金系複合摺動材において、金属系境界相が、前記銅合金粒子及び前記硫黄系固体潤滑剤粒子間の境界の実質的全体に介在するとともに、前記銅合金粒子とは焼結接合され、かつ前記硫黄系固体潤滑剤とは焼結前に予め接合されており、前記硫黄系固体潤滑剤の酸化部分が前記硫黄系固体潤滑剤100質量部に対して10質量部以下の比率に抑制されていることを特徴とする耐焼付性に優れたPbフリー銅合金系複合摺動材。
- 前記硫黄系固体潤滑剤が前記銅合金100質量部に対して0.1〜10質量部であることを特徴とする請求項1に記載の耐焼付性に優れたPbフリー銅合金系複合摺動材。
- 銅合金粉末と膜厚0.1μm以上のめっきを施した硫黄系固体潤滑剤粉末とからなる混合物を高周波誘導加熱焼結したことを特徴とする耐焼付性に優れたPbフリー銅合金系複合摺動材。
- 前記銅合金がSn:20質量%以下及びP:0.5質量%以下を含有し、残部が実質的にCu及び不可避的不純物からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の耐焼付性に優れたPbフリー銅合金系複合摺動材。
- 前記銅合金がAg:5質量%以下、Ni:10質量%以下、In:10質量%以下、Zn:30質量%以下、Bi:10質量%以下のうち1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項4に記載の耐焼付性に優れたPbフリー銅合金系複合摺動材。
- 前記銅合金の100質量部に対して10質量部以下の黒鉛をさらに分散したことを特徴とする請求項1から5までの何れか1項に記載の耐焼付性に優れたPbフリー銅合金系複合摺動材。
- 前記銅合金100質量部に対して、10質量部以下のFe3P、Fe2P、FeB、AlN、Al2O3、SiC、SiO2、Si3N4のうち1種又は2種以上をさらに分散したことを特徴とする請求項1から5までの何れか1項に記載の耐焼付性に優れたPbフリー銅合金系複合摺動材。
- 前記硫黄系固体潤滑剤がMoS2であり、酸化部分がMoO3である請求項1から7までの何れか1項に記載の耐焼付性に優れたPbフリー銅合金系複合摺動材。
- 裏金鋼板上に焼結されていることを特徴とする請求項1から8までの何れか1項に記載の耐焼付性に優れたPbフリー銅合金系複合摺動材。
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