JP2006091149A - フリッカ測定方法、および、フリッカ測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 フリッカの測定コストを低く抑えることができるとともに、スクリーン上の撮像範囲内の全ての点におけるフリッカを一度に測定できるフリッカ測定方法を提供すること。
【解決手段】 プロジェクタ1からの映写光を、スクリーン2に取り付けられる光センサ3によって受光する。光センサ3からの光信号Lをバンドパスフィルタ4によって濾波し、液晶パネル12を駆動する交流電圧に起因する液晶フリッカの周期波形Flcを撮像時刻検出回路5に入力する。撮像時刻検出回路5はFlcを解析して、2つの撮像時刻t1、t2を検出し、ビデオカメラ6がスクリーン2を撮像する。画像処理部7は、撮像された2枚の画像を差分処理し、スクリーン2上の撮像範囲内の全ての点における液晶フリッカを一度に算出する。また、光センサ3は1個で十分であるから、部品点数を削減でき、測定コストを低減できる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、フリッカ測定方法、および、フリッカ測定装置に関する。詳しくは、画像表示面に表示される画像のフリッカを測定する方法および装置に関する。
従来、液晶画面やプラズマディスプレイなどの画像表示装置の調整を目的として、この画像表示装置の画像表示面に表示される画像のフリッカを光センサによって測定することが行われている。光センサでの測定結果を参照しながら画像表示装置を調整することにより、画像のフリッカを所定の許容値未満に抑えることができ、画像のちらつきを少なくできる。
さらに、フリッカの大きさが画像表示面の全体に渡って略一定になるように画像表示装置を調整することを目的として、画像表示面上の複数点に光センサを配置し、各点でのフリッカを測定することも行われている(例えば、特許文献1参照)。各測定点における測定結果を参照しながら画像表示装置を調整することで、全ての測定点におけるフリッカを許容値未満に抑えることができるとともに、任意の2つの測定点におけるフリッカの差分を所定の許容差分未満に抑えることができるから、画像表示面の全体に渡ってフリッカの大きさを略一定にできる。
以下、表現の簡素化のため、画像表示面全体に渡るフリッカの均一の程度を、「フリッカバランス」、という言葉で表現する。画像表示面全体に渡ってフリッカの大きさが略一定で、均一の程度が高いときは、「フリッカバランスが良い」などと表現し、逆に、均一の程度が低いときは、「フリッカバランスが悪い」などと表現することにする。なお、この表現によれば、特許文献1記載の方法は、画像表示面上の複数点でのフリッカ測定結果を利用してフリッカバランスの調整を行う方法、と言い換えることができる。
さらに、フリッカの大きさが画像表示面の全体に渡って略一定になるように画像表示装置を調整することを目的として、画像表示面上の複数点に光センサを配置し、各点でのフリッカを測定することも行われている(例えば、特許文献1参照)。各測定点における測定結果を参照しながら画像表示装置を調整することで、全ての測定点におけるフリッカを許容値未満に抑えることができるとともに、任意の2つの測定点におけるフリッカの差分を所定の許容差分未満に抑えることができるから、画像表示面の全体に渡ってフリッカの大きさを略一定にできる。
以下、表現の簡素化のため、画像表示面全体に渡るフリッカの均一の程度を、「フリッカバランス」、という言葉で表現する。画像表示面全体に渡ってフリッカの大きさが略一定で、均一の程度が高いときは、「フリッカバランスが良い」などと表現し、逆に、均一の程度が低いときは、「フリッカバランスが悪い」などと表現することにする。なお、この表現によれば、特許文献1記載の方法は、画像表示面上の複数点でのフリッカ測定結果を利用してフリッカバランスの調整を行う方法、と言い換えることができる。
特許文献1記載の方法では、画像表示面上の各測定点におけるフリッカ測定結果を利用してフリッカバランスの調整が行われている。そのため、より高精度にフリッカバランスを調整するためには、光センサの数を増やし、画像表示面上のフリッカ測定点を多くする必要がある。しかし、増えた光センサの分だけ、余分な測定コストが生じてしまうという問題がある。
逆に、測定コストを低くするためにフリッカを測定する光センサの数を少なくすれば、フリッカバランス調整の精度が悪化するという問題がある。
なお、このような問題は、前記の液晶画面等に表示される画像のフリッカを測定する場合に限らず、プロジェクタによってスクリーン上に映写される画像のフリッカを測定する場合にも生じる。
逆に、測定コストを低くするためにフリッカを測定する光センサの数を少なくすれば、フリッカバランス調整の精度が悪化するという問題がある。
なお、このような問題は、前記の液晶画面等に表示される画像のフリッカを測定する場合に限らず、プロジェクタによってスクリーン上に映写される画像のフリッカを測定する場合にも生じる。
本発明の目的は、フリッカの測定コストを低く抑えることができるとともに、画像表示面上の複数点におけるフリッカを一度に測定できるフリッカ測定方法および装置を提供することである。
本発明のフリッカ測定方法は、画像表示面に表示される画像のフリッカを測定する方法であって、前記画像を表示するための画像光を受光することによって、前記画像中の少なくとも一点におけるフリッカの周期波形を検出するフリッカ周期波形検出工程と、検出された前記フリッカ周期波形において、所定の第1位相を与える第1撮像時刻と、所定の第2位相を与える第2撮像時刻とを検出する撮像時刻検出工程と、前記第1および第2撮像時刻において、前記画像表示面上における前記画像を撮像する撮像工程と、撮像された前記2つの画像と、前記第1および第2位相とを基に演算処理を行い、前記画像表示面上における前記画像のフリッカを算出する演算処理工程とを備えることを特徴とする。
フリッカ周期波形検出工程では、画像中の少なくとも一点においてフリッカ周期波形が検出される。このとき、フリッカ周期波形検出用の光センサ等は少なくとも1個あれば十分であり、特許文献1のように複数の光センサを設ける必要はない。
撮像時刻検出工程では、光センサ等によって検出されたフリッカ周期波形の解析を行って、第1位相を与える第1撮像時刻と、第2位相を与える第2撮像時刻とを検出する。第1撮像時刻と第2撮像時刻とは、続く撮像工程において、画像表示面上の画像を撮像するタイミングを指定するものである。本発明では、フリッカ測定に適した画像の撮像タイミング(第1および第2撮像時刻)が得られるように、第1および第2位相が予め適切な値に設定されているものとする。
演算処理工程では、撮像工程で撮像された2つの画像を基に演算処理を行い、画像表示面上の撮像範囲内における全ての点のフリッカを一度に算出する。このとき、フリッカを算出するためには種々の方法があるが、2つの画像の差分処理を含む方法が最も簡単である。この方法は、主として、2つの画像を差分処理する差分処理工程と、差分処理して得られるデータから第1および第2位相を含む因子を除去してフリッカを算出する位相因子除去工程とを備える。2つの画像を差分処理して得られるデータは、フリッカに関するフリッカ因子と、第1および第2位相に関する位相因子との積で表されるのが一般的であり、位相因子除去工程では、差分処理データを位相因子で割ることにより、フリッカ因子を算出する。
以上の各工程を経て、画像表示面上の撮像範囲内における全てのフリッカを一度に算出できる。
撮像時刻検出工程では、光センサ等によって検出されたフリッカ周期波形の解析を行って、第1位相を与える第1撮像時刻と、第2位相を与える第2撮像時刻とを検出する。第1撮像時刻と第2撮像時刻とは、続く撮像工程において、画像表示面上の画像を撮像するタイミングを指定するものである。本発明では、フリッカ測定に適した画像の撮像タイミング(第1および第2撮像時刻)が得られるように、第1および第2位相が予め適切な値に設定されているものとする。
演算処理工程では、撮像工程で撮像された2つの画像を基に演算処理を行い、画像表示面上の撮像範囲内における全ての点のフリッカを一度に算出する。このとき、フリッカを算出するためには種々の方法があるが、2つの画像の差分処理を含む方法が最も簡単である。この方法は、主として、2つの画像を差分処理する差分処理工程と、差分処理して得られるデータから第1および第2位相を含む因子を除去してフリッカを算出する位相因子除去工程とを備える。2つの画像を差分処理して得られるデータは、フリッカに関するフリッカ因子と、第1および第2位相に関する位相因子との積で表されるのが一般的であり、位相因子除去工程では、差分処理データを位相因子で割ることにより、フリッカ因子を算出する。
以上の各工程を経て、画像表示面上の撮像範囲内における全てのフリッカを一度に算出できる。
以下、画像表示面に表示される画像におけるフリッカの周期波形が正弦関数によって表される場合を例にとって詳しく説明する。なお、本発明は、その適用対象が以下の例のフリッカ周期波形に限定されることはなく、任意の関数形を有するフリッカ周期波形について適用可能である。
さて、この例においては、画像中の各点におけるフリッカ周期波形Fは、F=A・sin(2πft+φ)=A・sinθ(t)、と表すことができる。ここで、Aはフリッカ振幅、fはフリッカ周波数、tは時間、φはt=0のときの初期位相、θ(t)=2πft+φはフリッカ位相である。この各量のうち、周波数f、初期位相φ、さらに、fおよびφを含む位相θ(t)は、画像表示面に表示される画像の生成方式に応じてほとんど決定されるので、画像中の各点において共通の値と考えてよい。一方、振幅Aは画像中の各点ごとに決まる量である。したがって、画像中の各点を二次元座標(X、Y)によって表すことにすれば、振幅Aは(X、Y)についての関数、A(X、Y)、として表すことができる。また、フリッカ周期波形Fは、A(X、Y)とθ(t)とを含むので、X、Y、tの関数であり、F(X、Y、t)と表すことができる。
さて、フリッカ振幅A(X、Y)は、画像中の各点(X、Y)のフリッカの大きさを示すものであるから、前記したフリッカバランスも、これによって記述できる。例えば、画像表示面を表すXY面全体に渡ってフリッカ振幅A(X、Y)が略一定であるときはフリッカバランスが良いと言えるし、また、フリッカ振幅A(X、Y)がXY面内において大きく変動するときはフリッカバランスが悪いと言える。
さて、この例においては、画像中の各点におけるフリッカ周期波形Fは、F=A・sin(2πft+φ)=A・sinθ(t)、と表すことができる。ここで、Aはフリッカ振幅、fはフリッカ周波数、tは時間、φはt=0のときの初期位相、θ(t)=2πft+φはフリッカ位相である。この各量のうち、周波数f、初期位相φ、さらに、fおよびφを含む位相θ(t)は、画像表示面に表示される画像の生成方式に応じてほとんど決定されるので、画像中の各点において共通の値と考えてよい。一方、振幅Aは画像中の各点ごとに決まる量である。したがって、画像中の各点を二次元座標(X、Y)によって表すことにすれば、振幅Aは(X、Y)についての関数、A(X、Y)、として表すことができる。また、フリッカ周期波形Fは、A(X、Y)とθ(t)とを含むので、X、Y、tの関数であり、F(X、Y、t)と表すことができる。
さて、フリッカ振幅A(X、Y)は、画像中の各点(X、Y)のフリッカの大きさを示すものであるから、前記したフリッカバランスも、これによって記述できる。例えば、画像表示面を表すXY面全体に渡ってフリッカ振幅A(X、Y)が略一定であるときはフリッカバランスが良いと言えるし、また、フリッカ振幅A(X、Y)がXY面内において大きく変動するときはフリッカバランスが悪いと言える。
以下、本発明のフリッカ測定方法における各工程について説明する。
<フリッカ周期波形検出工程>
画像を表示するための画像光を受光し、フリッカ周期波形Fを検出する。受光する画像光の光路と画像表示面との交点を(Xs、Ys)とすれば、検出されるフリッカ周期波形Fは、画像表示面上の点(Xs、Ys)におけるフリッカ周期波形F(Xs、Ys、t)=A(Xs、Ys)・sinθ(t)、に等しい。なお、このフリッカ周期波形検出工程では、画像中の少なくとも一点(Xs、Ys)においてフリッカ周期波形を検出すればよいので、フリッカ周期波形Fの検出用の光センサ等は1個あれば十分であり、特許文献1のように複数設ける必要はない。
<フリッカ周期波形検出工程>
画像を表示するための画像光を受光し、フリッカ周期波形Fを検出する。受光する画像光の光路と画像表示面との交点を(Xs、Ys)とすれば、検出されるフリッカ周期波形Fは、画像表示面上の点(Xs、Ys)におけるフリッカ周期波形F(Xs、Ys、t)=A(Xs、Ys)・sinθ(t)、に等しい。なお、このフリッカ周期波形検出工程では、画像中の少なくとも一点(Xs、Ys)においてフリッカ周期波形を検出すればよいので、フリッカ周期波形Fの検出用の光センサ等は1個あれば十分であり、特許文献1のように複数設ける必要はない。
<撮像時刻検出工程>
検出されたフリッカ周期波形F(Xs、Ys、t)について解析を行い、所定の第1位相θ1についてθ1=θ(t1)を満たす第1撮像時刻t1と、所定の第2位相θ2についてθ2=θ(t2)を満たす第2撮像時刻t2とを検出する。なお、θi=2πfti+φ(i=1、2)、をtiについて解くことによって、t1、t2の具体的な表式、ti=(θi−φ)/2πf、が得られる。
<撮像工程>
検出された撮像時刻t1およびt2において、画像表示面上における所定の撮像範囲内の画像を撮像する。
検出されたフリッカ周期波形F(Xs、Ys、t)について解析を行い、所定の第1位相θ1についてθ1=θ(t1)を満たす第1撮像時刻t1と、所定の第2位相θ2についてθ2=θ(t2)を満たす第2撮像時刻t2とを検出する。なお、θi=2πfti+φ(i=1、2)、をtiについて解くことによって、t1、t2の具体的な表式、ti=(θi−φ)/2πf、が得られる。
<撮像工程>
検出された撮像時刻t1およびt2において、画像表示面上における所定の撮像範囲内の画像を撮像する。
<演算処理工程>
撮像された画像は、撮像範囲内の任意の点(X、Y)における光量L(X、Y、t)のデータを構成する。一般に、光量L(X、Y、t)は、点(X、Y)におけるフリッカ周期波形F(X、Y、t)を用いて、L(X、Y、t)=L0(X、Y)+F(X、Y、t)、と表される。ここで、L0(X、Y)は非フリッカ成分であって、時間について変動しない量である。
この演算処理工程では、時刻t1に撮像された画像に基づく光量データL1(X、Y、t1)=L0(X、Y)+F(X、Y、t1)と、時刻t2に撮像された画像に基づく光量データL2(X、Y、t2)=L0(X、Y)+F(X、Y、t2)とに基づいて画像表示面上の撮像範囲内の任意の点(X、Y)におけるフリッカを算出する。以下、その一つの計算例を示す。
撮像された画像は、撮像範囲内の任意の点(X、Y)における光量L(X、Y、t)のデータを構成する。一般に、光量L(X、Y、t)は、点(X、Y)におけるフリッカ周期波形F(X、Y、t)を用いて、L(X、Y、t)=L0(X、Y)+F(X、Y、t)、と表される。ここで、L0(X、Y)は非フリッカ成分であって、時間について変動しない量である。
この演算処理工程では、時刻t1に撮像された画像に基づく光量データL1(X、Y、t1)=L0(X、Y)+F(X、Y、t1)と、時刻t2に撮像された画像に基づく光量データL2(X、Y、t2)=L0(X、Y)+F(X、Y、t2)とに基づいて画像表示面上の撮像範囲内の任意の点(X、Y)におけるフリッカを算出する。以下、その一つの計算例を示す。
≪計算手順1(差分処理工程)≫
L1とL2とに差分処理を施し、L1−L2を計算する。L1およびL2は、共に、時間t(t1、t2)によらないL0(X、Y)を含んでいるので、これが消去されて、L1−L2=F(X、Y、t1)−F(X、Y、t2)=A(X、Y)・{sinθ(t1)−sinθ(t2)}=A(X、Y)・(sinθ1−sinθ2)、となる。
≪計算手順2(位相因子除去工程)≫
続いて、第1および第2位相θ1およびθ2を含む位相因子(sinθ1−sinθ2)で両辺を割って、A(X、Y)=(L1−L2)/(sinθ1−sinθ2)、を得る。
≪計算手順3≫
最後に、両辺を2倍して、フリッカFL(X、Y)(=フリッカ振幅A(X、Y)の2倍の大きさ)を算出する。すなわち、FL(X、Y)=2・A(X、Y)=2・(L1−L2)/(sinθ1−sinθ2)、である。
この式から、フリッカFL(X、Y)は、撮像された2つの画像L1、L2と、第1および第2位相θ1、θ2とを基に算出されていることが理解される。
L1とL2とに差分処理を施し、L1−L2を計算する。L1およびL2は、共に、時間t(t1、t2)によらないL0(X、Y)を含んでいるので、これが消去されて、L1−L2=F(X、Y、t1)−F(X、Y、t2)=A(X、Y)・{sinθ(t1)−sinθ(t2)}=A(X、Y)・(sinθ1−sinθ2)、となる。
≪計算手順2(位相因子除去工程)≫
続いて、第1および第2位相θ1およびθ2を含む位相因子(sinθ1−sinθ2)で両辺を割って、A(X、Y)=(L1−L2)/(sinθ1−sinθ2)、を得る。
≪計算手順3≫
最後に、両辺を2倍して、フリッカFL(X、Y)(=フリッカ振幅A(X、Y)の2倍の大きさ)を算出する。すなわち、FL(X、Y)=2・A(X、Y)=2・(L1−L2)/(sinθ1−sinθ2)、である。
この式から、フリッカFL(X、Y)は、撮像された2つの画像L1、L2と、第1および第2位相θ1、θ2とを基に算出されていることが理解される。
このように計算されたFL(X、Y)は、画像表示面上の撮像範囲内における任意の点(X、Y)のフリッカである。演算処理工程では、この計算を撮像範囲内における全ての点について一度に行うので、本発明のフリッカ測定方法によれば、撮像範囲内における全ての点のフリッカを一度に測定できる。
また、本発明では、フリッカ周期波形検出工程においては画像中の少なくとも一点におけるフリッカ周期波形を検出すればよい。このとき、フリッカ周期波形検出用の光センサ等は1個あれば十分であり、特許文献1のように複数の光センサを設ける必要がないから、測定コストを低減できる。
また、本発明のフリッカ測定方法を利用して得られたフリッカ測定結果を、画像におけるフリッカバランスの調整に用いる場合には、撮像範囲内の全ての点におけるフリッカを参照しながらフリッカバランスを調整できるので、光センサの配置点におけるフリッカのみを参照しながら調整をしていた特許文献1の方法に比べて、フリッカバランスの調整精度を向上させることができる。
また、本発明では、フリッカ周期波形検出工程においては画像中の少なくとも一点におけるフリッカ周期波形を検出すればよい。このとき、フリッカ周期波形検出用の光センサ等は1個あれば十分であり、特許文献1のように複数の光センサを設ける必要がないから、測定コストを低減できる。
また、本発明のフリッカ測定方法を利用して得られたフリッカ測定結果を、画像におけるフリッカバランスの調整に用いる場合には、撮像範囲内の全ての点におけるフリッカを参照しながらフリッカバランスを調整できるので、光センサの配置点におけるフリッカのみを参照しながら調整をしていた特許文献1の方法に比べて、フリッカバランスの調整精度を向上させることができる。
本発明では、前記第1位相と前記第2位相とは、πの奇数倍だけ異なり、前記演算処理工程では、前記撮像工程において撮像された前記2つの画像に対して差分処理が施されることが好ましい。
第1位相と第2位相とがπの奇数倍だけ異なるので、θ2=θ1+(2k+1)・π、と表せる(k:整数)。演算処理工程では、この表式を基にして差分処理を含む演算処理が行われる。なお、以下の≪計算手順1〜3≫は、前記の≪計算手順1〜3≫と対応するように記載するものとする。
第1位相と第2位相とがπの奇数倍だけ異なるので、θ2=θ1+(2k+1)・π、と表せる(k:整数)。演算処理工程では、この表式を基にして差分処理を含む演算処理が行われる。なお、以下の≪計算手順1〜3≫は、前記の≪計算手順1〜3≫と対応するように記載するものとする。
≪計算手順1(差分処理工程)≫
L1とL2との差分L1−L2を計算する。前記の通り、L1−L2=A(X、Y)・(sinθ1−sinθ2)、であるが、sinθ2=sin{θ1+(2k+1)・π}=−sinθ1、なので、L1−L2=2・A(X、Y)・sinθ1、となる。
≪計算手順2(位相因子除去工程)≫
続いて、両辺をsinθ1で割って、2・A(X、Y)=(L1−L2)/sinθ1、を得る。ここで算出された2・A(X、Y)は、フリッカFL(X、Y)に等しい。
≪計算手順3≫
計算手順2においてフリッカFL(X、Y)が既に算出されているので、前記の≪計算手順3≫に相当する演算処理を行う必要は無い。
L1とL2との差分L1−L2を計算する。前記の通り、L1−L2=A(X、Y)・(sinθ1−sinθ2)、であるが、sinθ2=sin{θ1+(2k+1)・π}=−sinθ1、なので、L1−L2=2・A(X、Y)・sinθ1、となる。
≪計算手順2(位相因子除去工程)≫
続いて、両辺をsinθ1で割って、2・A(X、Y)=(L1−L2)/sinθ1、を得る。ここで算出された2・A(X、Y)は、フリッカFL(X、Y)に等しい。
≪計算手順3≫
計算手順2においてフリッカFL(X、Y)が既に算出されているので、前記の≪計算手順3≫に相当する演算処理を行う必要は無い。
したがって、このフリッカ測定方法によれば、演算処理工程における計算手順の数を減らすことができるから、演算処理を行うための装置の構成を簡素化できるとともに、フリッカの測定速度を速めることができる。
また、本発明では、前記撮像時刻検出工程では、前記第1撮像時刻は、前記フリッカ周期波形検出工程において検出された前記フリッカ周期波形における正のピークを与える時刻とされ、前記第2撮像時刻は負のピークを与える時刻とされることが好ましい。
フリッカ周期波形検出工程で検出されるフリッカ周期波形Fが、前記のように、F=A・sinθ(t)、と表される場合、正負のピークを与える位相は、θ=π/2(+2k1π(k1は整数):以下省略)、−π/2(+2k2π(k2は整数):以下省略)、である。
第1撮像時刻t1がFの正のピークを与える時刻とされ、第2撮像時刻t2がFの負のピークを与える時刻とされるので、θ1=π/2、θ2=−π/2、である。
フリッカ周期波形検出工程で検出されるフリッカ周期波形Fが、前記のように、F=A・sinθ(t)、と表される場合、正負のピークを与える位相は、θ=π/2(+2k1π(k1は整数):以下省略)、−π/2(+2k2π(k2は整数):以下省略)、である。
第1撮像時刻t1がFの正のピークを与える時刻とされ、第2撮像時刻t2がFの負のピークを与える時刻とされるので、θ1=π/2、θ2=−π/2、である。
演算処理工程について説明する。
≪計算手順1(差分処理工程)≫
L1とL2の差分L1−L2を計算する。前記の通り、L1−L2=2・A(X、Y)・sinθ1、であるが、sinθ1=sin(π/2)=1、なので、L1−L2=2・A(X、Y)、となる。ここで算出された2・A(X、Y)は、フリッカFL(X、Y)に等しい。
≪計算手順2、3≫
計算手順1においてフリッカFL(X、Y)が既に算出されているので、前記の≪計算手順2、3≫に相当する演算処理を行う必要は無い。
≪計算手順1(差分処理工程)≫
L1とL2の差分L1−L2を計算する。前記の通り、L1−L2=2・A(X、Y)・sinθ1、であるが、sinθ1=sin(π/2)=1、なので、L1−L2=2・A(X、Y)、となる。ここで算出された2・A(X、Y)は、フリッカFL(X、Y)に等しい。
≪計算手順2、3≫
計算手順1においてフリッカFL(X、Y)が既に算出されているので、前記の≪計算手順2、3≫に相当する演算処理を行う必要は無い。
したがって、このフリッカ測定方法によれば、演算処理工程における計算手順の数をさらに減らすことができるから、演算処理を行うための装置の構成を簡素化できるとともに、フリッカの測定速度を速めることができる。
また、本発明では、前記画像表示面に表示される画像は交流電力に基づいて生成され、前記フリッカ周期波形検出工程では、前記交流電力に起因して生じる交流フリッカの周期波形のみを検出することが好ましい。
画像にフリッカが生じる原因には様々なものがあるが、その一つとして、画像が交流電力に基づいて生成される場合に、その交流電力が適切に調整されていないことが挙げられる。以下、このことを原因として画面に生じるフリッカを交流フリッカと呼ぶ。
画像にフリッカが生じる原因には様々なものがあるが、その一つとして、画像が交流電力に基づいて生成される場合に、その交流電力が適切に調整されていないことが挙げられる。以下、このことを原因として画面に生じるフリッカを交流フリッカと呼ぶ。
このフリッカ測定方法では、フリッカ周期波形検出工程においては、交流フリッカ以外のフリッカの周期波形を検出することなく、交流フリッカの周期波形のみを検出できるので、この交流フリッカ周期波形を基に、続く撮像時刻検出工程において交流フリッカの測定に最適な第1および第2撮像時刻を検出できる。したがって、このフリッカ測定方法によれば、画像における交流フリッカの測定精度を向上させることができる。また、この測定結果を参照しながら、画像を生成するための交流電力を調整すれば、画像中の交流フリッカを効果的に低減させることができ、ちらつきの少ない画像を提供することができる。
また、本発明では、光源と、印加された前記交流電力に基づいて画像パターンを生成する画像パターン生成手段とを備えて構成され、前記画像パターンに前記光源からの光を照射し、その透過光および反射光の少なくとも一方によって前記画像表示面に表示される画像を生成する画像生成手段が設けられ、前記フリッカ周期波形検出工程では、前記光源に起因して生じる光源フリッカの周期波形を除去し、前記交流フリッカの周期波形のみを検出することが好ましい。
この場合、画像におけるフリッカのうち主なものは、光源に由来するフリッカ(以下、光源フリッカ、と言う)、および、画像パターン生成手段に印加される交流電力に由来するフリッカ(交流フリッカ)である。
このフリッカ測定方法では、フリッカ周期波形検出工程において光源フリッカの周期波形を除去し、交流フリッカの周期波形のみを検出できるから、続く撮像工程および演算処理工程において光源フリッカの有無に関わらず、交流フリッカのみを選択的に測定できる。画像パターン生成手段に印加される交流電力と画像中の交流フリッカとの間には直接の因果関係があるので、選択的に測定された交流フリッカを参照すれば、画像パターン生成手段に印加される交流電力の調整を高精度に行うことができ、交流フリッカを直接的に、かつ、効果的に低減させることができる。
この場合、画像におけるフリッカのうち主なものは、光源に由来するフリッカ(以下、光源フリッカ、と言う)、および、画像パターン生成手段に印加される交流電力に由来するフリッカ(交流フリッカ)である。
このフリッカ測定方法では、フリッカ周期波形検出工程において光源フリッカの周期波形を除去し、交流フリッカの周期波形のみを検出できるから、続く撮像工程および演算処理工程において光源フリッカの有無に関わらず、交流フリッカのみを選択的に測定できる。画像パターン生成手段に印加される交流電力と画像中の交流フリッカとの間には直接の因果関係があるので、選択的に測定された交流フリッカを参照すれば、画像パターン生成手段に印加される交流電力の調整を高精度に行うことができ、交流フリッカを直接的に、かつ、効果的に低減させることができる。
以下、これまでに説明したフリッカ測定方法を実施するための構成を備えるフリッカ測定装置について説明する。
本発明のフリッカ測定装置は、画像表示面に表示される画像のフリッカを測定する装置であって、前記画像を表示するための画像光を受光することによって、前記画像中の少なくとも一点におけるフリッカの周期波形を検出するフリッカ周期波形検出手段と、検出された前記フリッカ周期波形において、所定の第1位相を与える第1撮像時刻と、所定の第2位相を与える第2撮像時刻とを検出する撮像時刻検出手段と、前記第1および第2撮像時刻において、前記画像表示面上における前記画像を撮像する撮像手段と、撮像された前記2つの画像と、前記第1および第2位相とを基に演算処理を行い、前記画像表示面上における前記画像のフリッカを算出する演算処理手段とを備えることを特徴とする。
<フリッカ周期波形検出工程>
画像光がフリッカ周期波形検出手段によって受光され、フリッカ周期波形が検出される。ここで検出されるフリッカ周期波形は、前記した画像表示面上の点(Xs、Ys)におけるフリッカ周期波形F(Xs、Ys、t)に等しい。
<撮像時刻検出工程>
撮像時刻検出手段が、検出されたフリッカ周期波形F(Xs、Ys、t)について解析を行い、第1位相θ1についてθ1=θ(t1)を満たす第1撮像時刻t1と、第2位相θ2についてθ2=θ(t2)を満たす第2撮像時刻t2とを検出する。
<撮像工程>
撮像手段が、検出された撮像時刻t1およびt2において、画像表示面上における所定の撮像範囲内の画像を撮像する。
<演算処理工程>
演算処理手段が、時刻t1に撮像された画像に基づく光量データL1と、時刻t2に撮像された画像に基づく光量データL2とに基づいて、画像表示面上の撮像範囲内の任意の点(X、Y)におけるフリッカFL(X、Y)を算出する。なお、計算手順は、既に説明した通りである。
画像光がフリッカ周期波形検出手段によって受光され、フリッカ周期波形が検出される。ここで検出されるフリッカ周期波形は、前記した画像表示面上の点(Xs、Ys)におけるフリッカ周期波形F(Xs、Ys、t)に等しい。
<撮像時刻検出工程>
撮像時刻検出手段が、検出されたフリッカ周期波形F(Xs、Ys、t)について解析を行い、第1位相θ1についてθ1=θ(t1)を満たす第1撮像時刻t1と、第2位相θ2についてθ2=θ(t2)を満たす第2撮像時刻t2とを検出する。
<撮像工程>
撮像手段が、検出された撮像時刻t1およびt2において、画像表示面上における所定の撮像範囲内の画像を撮像する。
<演算処理工程>
演算処理手段が、時刻t1に撮像された画像に基づく光量データL1と、時刻t2に撮像された画像に基づく光量データL2とに基づいて、画像表示面上の撮像範囲内の任意の点(X、Y)におけるフリッカFL(X、Y)を算出する。なお、計算手順は、既に説明した通りである。
以上のように算出されたFL(X、Y)は、画像表示面上の撮像範囲内における任意の点(X、Y)のフリッカである。演算処理工程では、この計算を撮像範囲内における全ての点について一度に行うので、本発明のフリッカ測定装置によれば、撮像範囲内における全ての点のフリッカを一度に測定できる。
また、本発明では、フリッカ周期波形検出手段は、画像中の少なくとも一点におけるフリッカ周期波形を検出すればよいので、1個あれば十分であり、特許文献1のように光センサを複数設ける必要がないので、部品点数を少なく抑えることができ、構成が簡素なフリッカ測定装置を安価に製造できる。
また、このフリッカ測定装置を利用して得られたフリッカ測定結果を参照して画像におけるフリッカバランスを調整する場合には、撮像範囲内の全ての点におけるフリッカを参照しながらフリッカバランスを調整できるので、フリッカバランスの調整精度を向上させることができる。
また、本発明では、フリッカ周期波形検出手段は、画像中の少なくとも一点におけるフリッカ周期波形を検出すればよいので、1個あれば十分であり、特許文献1のように光センサを複数設ける必要がないので、部品点数を少なく抑えることができ、構成が簡素なフリッカ測定装置を安価に製造できる。
また、このフリッカ測定装置を利用して得られたフリッカ測定結果を参照して画像におけるフリッカバランスを調整する場合には、撮像範囲内の全ての点におけるフリッカを参照しながらフリッカバランスを調整できるので、フリッカバランスの調整精度を向上させることができる。
本発明では、光源と、印加された交流電力に基づいて画像パターンを生成する液晶パネルとを備えて構成され、この液晶パネルに前記光源からの光を照射し、その透過光および反射光の少なくとも一方によって前記画像表示面に表示される画像を生成する画像生成手段が設けられ、前記フリッカ周期波形検出手段は、前記光源に起因して生じる光源フリッカの周期波形は通過させず、前記交流電力に起因して生じる液晶フリッカの周期波形のみを通過させるフィルタを備えて構成され、このフィルタを通過された前記液晶フリッカ周期波形のみを検出することが好ましい。
この場合、画像におけるフリッカのうち主なものは、光源由来の光源フリッカ、および、液晶パネルに印加される交流電力に由来する交流フリッカ(ここでは特に、液晶フリッカ、と言う)である。
このフリッカ測定装置では、フィルタの作用によって光源フリッカの周期波形が除去され、液晶フリッカの周期波形のみがフリッカ周期波形検出手段において検出される。撮像時刻検出手段では、検出された液晶フリッカ周期波形に基づいて、液晶フリッカの測定に最適な第1および第2撮像時刻が検出される。そのため、続く撮像工程および演算処理工程においては、光源フリッカの有無に関わらず、ほとんど液晶フリッカのみを選択的に測定できる。また、この液晶フリッカの測定結果を参照しながら、液晶パネルに印加される交流電力を調整することにより、画像中の液晶フリッカを効果的に低減させることができ、ちらつきの少ない画像を提供することができる。
このフリッカ測定装置では、フィルタの作用によって光源フリッカの周期波形が除去され、液晶フリッカの周期波形のみがフリッカ周期波形検出手段において検出される。撮像時刻検出手段では、検出された液晶フリッカ周期波形に基づいて、液晶フリッカの測定に最適な第1および第2撮像時刻が検出される。そのため、続く撮像工程および演算処理工程においては、光源フリッカの有無に関わらず、ほとんど液晶フリッカのみを選択的に測定できる。また、この液晶フリッカの測定結果を参照しながら、液晶パネルに印加される交流電力を調整することにより、画像中の液晶フリッカを効果的に低減させることができ、ちらつきの少ない画像を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示されるフリッカ測定装置は、画像生成手段としてのプロジェクタ1から出射される映写光によって、画像表示面としてのスクリーン2上に映写される画像のフリッカを測定する装置である。
プロジェクタ1は、光源としてのランプ11と、画像パターン生成手段としての液晶パネル12とを備えて構成される。液晶パネル12は、その表面全体にわたって整列配置される多数の微小な液晶画素を有している。各液晶画素の透過率(透光率)は、図示しない交流電源から印加される交流電圧によって変化させることができ、これによって液晶パネル12の表面上に画像パターンが生成される。ランプ11は、この画像パターンを照明する。この照明光は、画像パターンを構成する各液晶画素の透過率にしたがって透過され、映写光としてスクリーン2に照射される。この映写光は画像を表示するための画像光であり、液晶パネル12上の画像パターンに基づく画像をスクリーン2上に映写する。
図1に示されるフリッカ測定装置は、画像生成手段としてのプロジェクタ1から出射される映写光によって、画像表示面としてのスクリーン2上に映写される画像のフリッカを測定する装置である。
プロジェクタ1は、光源としてのランプ11と、画像パターン生成手段としての液晶パネル12とを備えて構成される。液晶パネル12は、その表面全体にわたって整列配置される多数の微小な液晶画素を有している。各液晶画素の透過率(透光率)は、図示しない交流電源から印加される交流電圧によって変化させることができ、これによって液晶パネル12の表面上に画像パターンが生成される。ランプ11は、この画像パターンを照明する。この照明光は、画像パターンを構成する各液晶画素の透過率にしたがって透過され、映写光としてスクリーン2に照射される。この映写光は画像を表示するための画像光であり、液晶パネル12上の画像パターンに基づく画像をスクリーン2上に映写する。
なお、図1において、プロジェクタ1は、1枚の液晶パネル12を備える、いわゆる単板式液晶プロジェクタとして図示されているが、これは図示の簡略化のためであり、実際は、RGB各色ごとの3枚の液晶パネルを備える、いわゆる3板式液晶プロジェクタとして構成されている。もっとも、本発明では、単板式、3板式等を問わず、あらゆる方式のプロジェクタを画像映写手段として採用することができる。また、液晶パネル12は、図1に示されるような、ランプ11からの光を透過させることによって映写光を生成する透過型の液晶パネルに限らず、ランプ11からの光を反射させることによって映写光を生成する反射型の液晶パネルであってもかまわない。
さて、スクリーン2は反射型のスクリーンであり、プロジェクタ1から照射された映写光を反射して画像を表示する。このときスクリーン2から反射される光も画像を表示するための画像光として機能する。ここで、スクリーン2は、透過型のスクリーンでもよい。このときは、透過光が画像光として機能する。なお、スクリーン2表面上の任意の位置をXY直交座標(X、Y)によって表すことにする。
さて、スクリーン2は反射型のスクリーンであり、プロジェクタ1から照射された映写光を反射して画像を表示する。このときスクリーン2から反射される光も画像を表示するための画像光として機能する。ここで、スクリーン2は、透過型のスクリーンでもよい。このときは、透過光が画像光として機能する。なお、スクリーン2表面上の任意の位置をXY直交座標(X、Y)によって表すことにする。
以下、画像のフリッカ測定について説明する。フリッカ測定時においては、液晶パネル12に印加される交流電圧の波形は一定に保たれているものとする。このとき、プロジェクタ1からは所定の検査用の画像がスクリーン2に映写されていることになる。
<フリッカ周期波形検出工程>
スクリーン2の中心部には光センサ3が設けられる。光センサ3は、スクリーン2表面上の中心(X0、Y0)に露出される点状の受光部を有しており、この受光部においてプロジェクタ1からの映写光を受光し、光信号を検出する。
この光信号には主として2種類のフリッカ、すなわち、ランプフリッカ(光源フリッカ)と液晶フリッカ(交流フリッカ)とが含まれている。ランプフリッカはランプ11に由来するフリッカであり、その周波数は、ランプ11の種類に応じておおよそ決まっている。本実施形態では、ランプ11としては高圧水銀ランプを用いており、ランプフリッカは200〜500Hz程度の周波数を有する。また、液晶フリッカは、液晶パネル12に印加される交流電圧に由来するフリッカである。その周波数は、交流電圧の周波数(交流周波数)によって決まり、たいていの場合、交流周波数近傍の値になる。本実施形態では、交流周波数が50〜60Hzであり、液晶フリッカの周波数は、10〜70Hz程度になる。
ここで、光センサ3で検出される光信号Lは、フリッカ以外の非振動成分L0、ランプフリッカ周期波形Fla、液晶フリッカ周期波形Flc、の和として、おおよそ、L=L0+Fla+Flc、として表すことができる。なお、これらの各量は、スクリーン2表面上の中心(X0、Y0)に露出される光センサ3の受光部において検出されるものであり、このことを明瞭に示す必要があるときは、以下、L(X0、Y0、t)、Flc(X0、Y0、t)、などと表記することにする(tは時間)。
スクリーン2の中心部には光センサ3が設けられる。光センサ3は、スクリーン2表面上の中心(X0、Y0)に露出される点状の受光部を有しており、この受光部においてプロジェクタ1からの映写光を受光し、光信号を検出する。
この光信号には主として2種類のフリッカ、すなわち、ランプフリッカ(光源フリッカ)と液晶フリッカ(交流フリッカ)とが含まれている。ランプフリッカはランプ11に由来するフリッカであり、その周波数は、ランプ11の種類に応じておおよそ決まっている。本実施形態では、ランプ11としては高圧水銀ランプを用いており、ランプフリッカは200〜500Hz程度の周波数を有する。また、液晶フリッカは、液晶パネル12に印加される交流電圧に由来するフリッカである。その周波数は、交流電圧の周波数(交流周波数)によって決まり、たいていの場合、交流周波数近傍の値になる。本実施形態では、交流周波数が50〜60Hzであり、液晶フリッカの周波数は、10〜70Hz程度になる。
ここで、光センサ3で検出される光信号Lは、フリッカ以外の非振動成分L0、ランプフリッカ周期波形Fla、液晶フリッカ周期波形Flc、の和として、おおよそ、L=L0+Fla+Flc、として表すことができる。なお、これらの各量は、スクリーン2表面上の中心(X0、Y0)に露出される光センサ3の受光部において検出されるものであり、このことを明瞭に示す必要があるときは、以下、L(X0、Y0、t)、Flc(X0、Y0、t)、などと表記することにする(tは時間)。
光センサ3で検出された光信号Lは、その後、バンドパスフィルタ4によって濾波される。バンドパスフィルタ4における通過可能周波数帯は、光信号L中における液晶フリッカ周期波形Flcのみを通過させるために10〜70Hzに設定されている。これによって、光信号L中の非振動成分L0(0Hz)、および、ランプフリッカ周期波形Fla(200〜500Hz)が除去されて、液晶フリッカ周期波形Flc(10〜70Hz)のみが通過され、撮像時刻検出回路5に入力される。
なお、以上の構成において、光センサ3およびバンドパスフィルタ4は、プロジェクタ1からの画像光(映写光)を受光し、画像中の一点(X0、Y0)における液晶フリッカ周期波形Flc(X0、Y0、t)を検出する、本発明のフリッカ周期波形検出手段を構成している。
なお、以上の構成において、光センサ3およびバンドパスフィルタ4は、プロジェクタ1からの画像光(映写光)を受光し、画像中の一点(X0、Y0)における液晶フリッカ周期波形Flc(X0、Y0、t)を検出する、本発明のフリッカ周期波形検出手段を構成している。
<撮像時刻検出工程>
図2に、撮像時刻検出回路5に入力される液晶フリッカ周期波形Flc(X0、Y0、t)を示す。Flc(X0、Y0、t)は、正弦関数によって近似でき、以下、Flc(X0、Y0、t)=A(X0、Y0)・sin(2πft+φ)=A(X0、Y0)・sinθ(t)、として説明する。ここで、A(X0、Y0)は、スクリーン2の中心(X0、Y0)における液晶フリッカ振幅、fは液晶フリッカ周波数(10〜70Hz)、φはt=0のときの初期位相、θ(t)=2πft+φは液晶フリッカ位相である。
撮像時刻検出手段としての撮像時刻検出回路5は、入力された液晶フリッカ周期波形Flc(X0、Y0、t)における正のピークP1を与える第1撮像時刻t1と、負のピークP2を与える第2撮像時刻t2とを検出する。ここで、t1およびt2は、第1および第2位相θ1およびθ2を与える時刻であり、θ1=θ(t1)=π/2+2k1π(k1:整数)、および、θ2=θ(t2)=−π/2+2k2π(k2:整数)、を満足する。具体的には、θi=θ(ti)=2πfti+φ(i=1、2)、をtiについて解いて、t1=(1/2+2k1−φ/π)/2f、t2=(−1/2+2k2−φ/π)/2f、によって表される。
なお、θ1−θ2=π+2・(k1−k2)・π={2・(k1−k2)+1}・π、であるから、第1位相θ1と第2位相θ2とは、πの奇数倍だけ異なることがわかる。
図2に、撮像時刻検出回路5に入力される液晶フリッカ周期波形Flc(X0、Y0、t)を示す。Flc(X0、Y0、t)は、正弦関数によって近似でき、以下、Flc(X0、Y0、t)=A(X0、Y0)・sin(2πft+φ)=A(X0、Y0)・sinθ(t)、として説明する。ここで、A(X0、Y0)は、スクリーン2の中心(X0、Y0)における液晶フリッカ振幅、fは液晶フリッカ周波数(10〜70Hz)、φはt=0のときの初期位相、θ(t)=2πft+φは液晶フリッカ位相である。
撮像時刻検出手段としての撮像時刻検出回路5は、入力された液晶フリッカ周期波形Flc(X0、Y0、t)における正のピークP1を与える第1撮像時刻t1と、負のピークP2を与える第2撮像時刻t2とを検出する。ここで、t1およびt2は、第1および第2位相θ1およびθ2を与える時刻であり、θ1=θ(t1)=π/2+2k1π(k1:整数)、および、θ2=θ(t2)=−π/2+2k2π(k2:整数)、を満足する。具体的には、θi=θ(ti)=2πfti+φ(i=1、2)、をtiについて解いて、t1=(1/2+2k1−φ/π)/2f、t2=(−1/2+2k2−φ/π)/2f、によって表される。
なお、θ1−θ2=π+2・(k1−k2)・π={2・(k1−k2)+1}・π、であるから、第1位相θ1と第2位相θ2とは、πの奇数倍だけ異なることがわかる。
<撮像工程>
撮像手段としてのビデオカメラ6は、撮像時刻検出回路5によって検出された第1および第2撮像時刻t1、t2において、画像が映写されたスクリーン2の全面をシャッター撮像する。ビデオカメラ6は、その受光面全体にわたって整列配置される多数の微小な撮像画素を有している。したがって、ビデオカメラ6によって撮像されたスクリーン2上の画像は、各撮像画素ごとの受光量によって構成される光量データである。ビデオカメラ6はスクリーン2の全面を撮像するから、ビデオカメラ6における各撮像画素の位置は、スクリーン2表面上の位置を表すXY座標によって記述することが可能である。そこで、以下、「スクリーン2上の点(X、Y)からの画像光を受光する撮像画素」を、「点(X、Y)に配置される撮像画素」のように表し、記載を簡略化する。
撮像手段としてのビデオカメラ6は、撮像時刻検出回路5によって検出された第1および第2撮像時刻t1、t2において、画像が映写されたスクリーン2の全面をシャッター撮像する。ビデオカメラ6は、その受光面全体にわたって整列配置される多数の微小な撮像画素を有している。したがって、ビデオカメラ6によって撮像されたスクリーン2上の画像は、各撮像画素ごとの受光量によって構成される光量データである。ビデオカメラ6はスクリーン2の全面を撮像するから、ビデオカメラ6における各撮像画素の位置は、スクリーン2表面上の位置を表すXY座標によって記述することが可能である。そこで、以下、「スクリーン2上の点(X、Y)からの画像光を受光する撮像画素」を、「点(X、Y)に配置される撮像画素」のように表し、記載を簡略化する。
さて、ビデオカメラ6によって撮像された2枚の画像は、前記のように、各点(X、Y)に配置される各撮像画素の受光量によって構成される光量データである。この光量データは、言い換えれば、スクリーン2表面上の各点(X、Y)における光量L(X、Y、t)のデータである。一般に、光量L(X、Y、t)は、時間tによらず一定の非フリッカ成分L0(X、Y)と、フリッカ成分F(X、Y、t)の和として、L=L0+F、によって表される。フリッカ成分Fのうち主なものは、前記の通り、ランプフリッカと液晶フリッカとであるが、本実施形態では、光センサ3からの光信号Lをバンドパスフィルタ4によって濾波し、ランプフリッカ周期波形Flaが除去されて得られる液晶フリッカ周期波形Flc(図2参照)の解析によって、液晶フリッカの測定に好適な撮像時刻t1およびt2が検出されている。したがって、t1およびt2にビデオカメラ6によって撮像された前記2枚の画像に基づく光量L1、L2のデータにおいては、ランプフリッカの影響はほとんど無視でき、液晶フリッカのみを考えればよい。そのため、F(X、Y、t)=Fla(X、Y、t)+Flc(X、Y、t)≒Flc(X、Y、t)、である。
液晶フリッカ成分Flc(X、Y、t)は、Flc(X、Y、t)=A(X、Y)・sinθ(t)、によって表すことができる。ここで、A(X、Y)は、スクリーン2表面上の任意の点(X、Y)における液晶フリッカの振幅、θ(t)は液晶フリッカの位相である。なお、液晶フリッカの位相θ(t)は、液晶パネル12を駆動する交流電圧の周波数によってほとんど決まるので、スクリーン2上の位置(X、Y)によらず、スクリーン2の全面にわたって共通の位相である。したがって、このθ(t)は、スクリーン2の中心(X0、Y0)における液晶フリッカ周期波形Flc(X0、Y0、t)についての前記の表式:Flc(X0、Y0、t)=A(X0、Y0)・sinθ(t):に現れるθ(t)と同一のものであり、θ(t)=2πft+φ、を満たす。
液晶フリッカ成分Flc(X、Y、t)は、Flc(X、Y、t)=A(X、Y)・sinθ(t)、によって表すことができる。ここで、A(X、Y)は、スクリーン2表面上の任意の点(X、Y)における液晶フリッカの振幅、θ(t)は液晶フリッカの位相である。なお、液晶フリッカの位相θ(t)は、液晶パネル12を駆動する交流電圧の周波数によってほとんど決まるので、スクリーン2上の位置(X、Y)によらず、スクリーン2の全面にわたって共通の位相である。したがって、このθ(t)は、スクリーン2の中心(X0、Y0)における液晶フリッカ周期波形Flc(X0、Y0、t)についての前記の表式:Flc(X0、Y0、t)=A(X0、Y0)・sinθ(t):に現れるθ(t)と同一のものであり、θ(t)=2πft+φ、を満たす。
以上により、ビデオカメラ6によってt1およびt2に撮像された2枚の画像に基づく光量データLi(i=1、2)は、Li(X、Y)=L(X、Y、ti)=L0(X、Y)+F(X、Y、ti)≒L0(X、Y)+Flc(X、Y、ti)=L0(X、Y)+A(X、Y)・sinθ(ti)、と表される。ここで、θ(t1)=π/2+2k1π、θ(t2)=−π/2+2k2π、であるから、sinθ(t1)=1、sinθ(t2)=−1、である。したがって、L1(X、Y)=L0(X、Y)+A(X、Y)、L2=L0(X、Y)−A(X、Y)、となる。
<演算処理工程>
演算処理手段としての画像処理部7は、ビデオカメラ6から入力される光量データL1、L2に差分処理を施すことによって、液晶フリッカ値FL(X、Y)(=2・A(X、Y))を算出する:L1(X、Y)−L2(X、Y)={L0(X、Y)+A(X、Y)}−{L0(X、Y)−A(X、Y)}=2・A(X、Y)=FL(X、Y)。具体的には、各点(X、Y)に配置されるビデオカメラ6における撮像画素ごとの受光量の差分をとり、各点(X、Y)における液晶フリッカ値FL(X、Y)を算出することになる。
図3に、この差分処理の様子を模式的に示す。光量データL1およびL2上の位置は、スクリーン2上の位置に対応してXY座標によって表され、各点(X、Y)にはビデオカメラ6の撮像画素が配置されている。演算処理工程では、光量データL1およびL2上の各点(X、Y)に配置される撮像画素の受光量(L1(X、Y)およびL2(X、Y))の差分を演算し、液晶フリッカ値(FL(X、Y))を算出する。
演算処理手段としての画像処理部7は、ビデオカメラ6から入力される光量データL1、L2に差分処理を施すことによって、液晶フリッカ値FL(X、Y)(=2・A(X、Y))を算出する:L1(X、Y)−L2(X、Y)={L0(X、Y)+A(X、Y)}−{L0(X、Y)−A(X、Y)}=2・A(X、Y)=FL(X、Y)。具体的には、各点(X、Y)に配置されるビデオカメラ6における撮像画素ごとの受光量の差分をとり、各点(X、Y)における液晶フリッカ値FL(X、Y)を算出することになる。
図3に、この差分処理の様子を模式的に示す。光量データL1およびL2上の位置は、スクリーン2上の位置に対応してXY座標によって表され、各点(X、Y)にはビデオカメラ6の撮像画素が配置されている。演算処理工程では、光量データL1およびL2上の各点(X、Y)に配置される撮像画素の受光量(L1(X、Y)およびL2(X、Y))の差分を演算し、液晶フリッカ値(FL(X、Y))を算出する。
<実施形態の効果>
以上のように算出された液晶フリッカ値FL(X、Y)は、スクリーン2表面上における任意の点(X、Y)の液晶フリッカ値である。演算処理工程では、この計算をスクリーン2表面上の全ての点について一度に行うので、本実施形態のフリッカ測定方法によれば、スクリーン2表面上の液晶フリッカ値を一度に測定できる。
以上のように算出された液晶フリッカ値FL(X、Y)は、スクリーン2表面上における任意の点(X、Y)の液晶フリッカ値である。演算処理工程では、この計算をスクリーン2表面上の全ての点について一度に行うので、本実施形態のフリッカ測定方法によれば、スクリーン2表面上の液晶フリッカ値を一度に測定できる。
また、本実施形態では、プロジェクタ1からの映写光を受光するための光センサ3は、ビデオカメラ6による画像の撮像のタイミングを検出する目的で設置されているので、画像全面にわたってフリッカ周期波形を検出する必要はなく、画像中の一点(本実施形態ではスクリーン2の中心(X0、Y0))においてフリッカ周期波形を検出できればよい。そのため、光センサ3は1個で十分であり、特許文献1のように複数設ける必要がないので、部品点数を少なく抑えることができ、構成が簡素なフリッカ測定装置を安価に製造できるともに、測定コストも低減できる。
また、本実施形態において測定された液晶フリッカ値のデータを用いれば、スクリーン2表面上全ての点における液晶フリッカ値を参照しながら液晶パネル12に印加される交流電圧を調整し、液晶フリッカバランスを調整できるので、光センサの配置点におけるフリッカのみを参照しながら調整していた特許文献1の方法に比べて、液晶フリッカバランスの調整精度を向上させることができる。
また、本実施形態では、第1および第2撮像時刻t1およびt2を、図2に示す液晶フリッカ周期波形Flc(X0、Y0、t)における正および負のピークP1、P2を与える時刻として検出することによって、画像処理部7ではL1とL2との差分処理を行うだけで液晶フリッカ値FLを算出できるようになっている。したがって、本実施形態によれば、画像処理部7における演算処理を著しく簡素化でき、液晶フリッカの測定速度を速めることができる。
また、本実施形態では、バンドパスフィルタ4によって光センサ3からの光信号Lを濾波して、非フリッカ成分L0およびランプフリッカ周期波形Flaを除去し、液晶フリッカ周期波形Flcのみを抽出できる。撮像時刻検出回路5では、このFlcを基に、液晶フリッカの測定に最適な撮像時刻t1およびt2を検出できるから、液晶フリッカの測定精度を向上させることができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、スクリーン2に光センサ3を取り付けることにより、プロジェクタ1からの映写光を受光して、フリッカ周期波形の取り込みを行っていたが、本発明では、光センサ3をスクリーン2に取り付ける必要はなく、光センサ3としてはプロジェクタ1からの映写光、および、スクリーン2からの反射光の少なくともいずれかを受光できるものであればよい。
また、光センサ3をスクリーン2に取り付ける場合であっても、本実施形態のように、受光部をスクリーン2の中心に配置させる必要はなく、スクリーン2表面上の任意の位置に受光部を配置できる。受光部の配置位置によらず、光センサ3とバンドパスフィルタ4とによって液晶フリッカ周期波形Flcを取得できるから、撮像時刻検出回路5が適切な撮像時刻を検出する上で何らの支障もないからである。
例えば、前記実施形態では、スクリーン2に光センサ3を取り付けることにより、プロジェクタ1からの映写光を受光して、フリッカ周期波形の取り込みを行っていたが、本発明では、光センサ3をスクリーン2に取り付ける必要はなく、光センサ3としてはプロジェクタ1からの映写光、および、スクリーン2からの反射光の少なくともいずれかを受光できるものであればよい。
また、光センサ3をスクリーン2に取り付ける場合であっても、本実施形態のように、受光部をスクリーン2の中心に配置させる必要はなく、スクリーン2表面上の任意の位置に受光部を配置できる。受光部の配置位置によらず、光センサ3とバンドパスフィルタ4とによって液晶フリッカ周期波形Flcを取得できるから、撮像時刻検出回路5が適切な撮像時刻を検出する上で何らの支障もないからである。
また、前記実施形態では、プロジェクタ1からの映写光に基づいてスクリーン2に映写される画像のフリッカ測定について説明したが、本発明のフリッカ測定方法および装置によれば、これ以外の画像のフリッカも測定できる。例えば、液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ、プラズマディスプレイ、LEDディスプレイ、有機ELディスプレイなど、各種の画像表示面に表示される画像のフリッカ測定にも本発明は利用できる。
また、前記実施形態では、撮像工程においてビデオカメラ6によってスクリーン2の全面を撮像し、スクリーン2の全面にわたるフリッカを一度に測定していたが、フリッカを測定したい範囲がスクリーン2表面上の一部分であるときは、ビデオカメラ6ではこの一部分を撮像すればよい。この場合も、撮像範囲内の全ての点におけるフリッカを一度に測定できるから、各光センサによってスクリーン上の各点を測定していた従来の方法に比べて、測定点の数を容易に増やすことができ、フリッカバランスの調整精度を向上させることができる。
また、前記実施形態では、撮像時刻検出回路5で検出された撮像時刻t1およびt2をビデオカメラ6に入力しているが、本発明では、t1およびt2を画像処理部7に入力してもよい。このとき、ビデオカメラ6はスクリーン2上の画面を連続撮像しており、画像処理部7は、時刻t1およびt2においてビデオカメラ6の画像を取り込む。この2枚の画像が光量データL1およびL2を構成し、画像処理部7では前記したようなL1とL2とについての差分処理が行われる。
また、前記実施形態では、撮像時刻検出工程において第1撮像時刻t1は、フリッカ周期波形検出工程において検出された液晶フリッカ周期波形Flcにおける正のピークP1を与える時刻とされ、第2撮像時刻t2は負のピークP2を与える時刻とされており、第1位相θ1=π/2、第2位相θ2=−π/2、とされているが、本発明では、θ1およびθ2は任意の位相でかまわない。このとき、画像処理部7は、ビデオカメラ6で撮像された2枚の画像L1およびL2と、θ1およびθ2とを基に演算処理を行い、画像のフリッカを算出する。具体的には、FL(X、Y)=2・(L1−L2)/(sinθ1−sinθ2)、である。
なお、このとき、「θ1とθ2とがπの奇数倍だけ異なる」という条件を加えれば、画像処理部7における演算処理を簡素化できる。具体的には、sinθ2=−sinθ1、であるから、FL(X、Y)=(L1−L2)/sinθ1、である。
なお、このとき、「θ1とθ2とがπの奇数倍だけ異なる」という条件を加えれば、画像処理部7における演算処理を簡素化できる。具体的には、sinθ2=−sinθ1、であるから、FL(X、Y)=(L1−L2)/sinθ1、である。
また、前記実施形態では、画像処理部7はビデオカメラ6で撮像された2枚の画像L1およびL2に対して差分処理を行うことによってフリッカを算出していたが、本発明では、必ずしも差分処理を行う必要はない。画像処理部7は、2枚の画像L1およびL2と、第1および第2位相θ1およびθ2とに基づいてフリッカを算出するものであればよく、そこでの演算手法、演算式、演算順序などは適宜自由に選択することができる。
また、前記実施形態においては、液晶パネル12に印加される交流電圧に起因して生じる液晶フリッカ(交流フリッカ)の測定を効率的に行うため、液晶フリッカ周期波形のみを通過させるバンドパスフィルタ4を設け、液晶フリッカの測定に適した撮像時刻を検出していた。しかし、本発明のフリッカ測定方法の測定対象としてのフリッカは、液晶フリッカ(交流フリッカ)に限られない。液晶フリッカを測定しない場合は、バンドパスフィルタ4を設ける必要はない。また、液晶フリッカ以外の特定のフリッカ(例えば、光源フリッカ)を測定したい場合には、この特定のフリッカの周期波形のみを通過させ、液晶フリッカを通過させないバンドパスフィルタを設けてもよい。また、液晶フリッカを測定する場合でも、液晶フリッカ以外のフリッカが液晶フリッカの測定に悪影響を及ぼすおそれがないのであれば、バンドパスフィルタ4を設ける必要はない。特に、画像表示面に画像を表示させるために、本実施形態におけるランプ11のような光源を使用しないのであれば、そもそも光源フリッカが生じるおそれがないので、バンドパスフィルタ4を省略できる。
本発明は、映写用スクリーン、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどの各種の画像表示面に表示される画像のフリッカ測定に利用できる。
1…プロジェクタ、2…スクリーン、3…光センサ、4…バンドパスフィルタ、5…撮像時刻検出回路、6…ビデオカメラ、7…画像処理部、11…ランプ、12…液晶パネル、Flc…液晶フリッカ周期波形、t1…第1撮像時刻、t2…第2撮像時刻。
Claims (7)
- 画像表示面に表示される画像のフリッカを測定する方法であって、
前記画像を表示するための画像光を受光することによって、前記画像中の少なくとも一点におけるフリッカの周期波形を検出するフリッカ周期波形検出工程と、
検出された前記フリッカ周期波形において、所定の第1位相を与える第1撮像時刻と、所定の第2位相を与える第2撮像時刻とを検出する撮像時刻検出工程と、
前記第1および第2撮像時刻において、前記画像表示面上における前記画像を撮像する撮像工程と、
撮像された前記2つの画像と、前記第1および第2位相とを基に演算処理を行い、前記画像表示面上における前記画像のフリッカを算出する演算処理工程と、
を備えることを特徴とするフリッカ測定方法。 - 請求項1に記載のフリッカ測定方法において、
前記第1位相と前記第2位相とは、πの奇数倍だけ異なり、
前記演算処理工程では、前記撮像工程において撮像された前記2つの画像に対して差分処理が施される、
ことを特徴とするフリッカ測定方法。 - 請求項2に記載のフリッカ測定方法において、
前記撮像時刻検出工程では、前記第1撮像時刻は、前記フリッカ周期波形検出工程において検出された前記フリッカ周期波形における正のピークを与える時刻とされ、前記第2撮像時刻は負のピークを与える時刻とされる、
ことを特徴とするフリッカ測定方法。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載のフリッカ測定方法において、
前記画像表示面に表示される画像は交流電力に基づいて生成され、
前記フリッカ周期波形検出工程では、前記交流電力に起因して生じる交流フリッカの周期波形のみを検出する、
ことを特徴とするフリッカ測定方法。 - 請求項4に記載のフリッカ測定方法において、
光源と、印加された前記交流電力に基づいて画像パターンを生成する画像パターン生成手段とを備えて構成され、前記画像パターンに前記光源からの光を照射し、その透過光および反射光の少なくとも一方によって前記画像表示面に表示される画像を生成する画像生成手段が設けられ、
前記フリッカ周期波形検出工程では、前記光源に起因して生じる光源フリッカの周期波形を除去し、前記交流フリッカの周期波形のみを検出する、
ことを特徴とするフリッカ測定方法。 - 画像表示面に表示される画像のフリッカを測定する装置であって、
前記画像を表示するための画像光を受光することによって、前記画像中の少なくとも一点におけるフリッカの周期波形を検出するフリッカ周期波形検出手段と、
検出された前記フリッカ周期波形において、所定の第1位相を与える第1撮像時刻と、所定の第2位相を与える第2撮像時刻とを検出する撮像時刻検出手段と、
前記第1および第2撮像時刻において、前記画像表示面上における前記画像を撮像する撮像手段と、
撮像された前記2つの画像と、前記第1および第2位相とを基に演算処理を行い、前記画像表示面上における前記画像のフリッカを算出する演算処理手段と、
を備えることを特徴とするフリッカ測定装置。 - 請求項6に記載のフリッカ測定装置において、
光源と、印加された交流電力に基づいて画像パターンを生成する液晶パネルとを備えて構成され、この液晶パネルに前記光源からの光を照射し、その透過光および反射光の少なくとも一方によって前記画像表示面に表示される画像を生成する画像生成手段が設けられ、
前記フリッカ周期波形検出手段は、前記光源に起因して生じる光源フリッカの周期波形は通過させず、前記交流電力に起因して生じる液晶フリッカの周期波形のみを通過させるフィルタを備えて構成され、このフィルタを通過された前記液晶フリッカ周期波形のみを検出する、
ことを特徴とするフリッカ測定装置。
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JP2004273883A JP2006091149A (ja) | 2004-09-21 | 2004-09-21 | フリッカ測定方法、および、フリッカ測定装置 |
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- 2004-09-21 JP JP2004273883A patent/JP2006091149A/ja not_active Withdrawn
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