JP2006090603A - コージェネレーションシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 貯湯槽20の下部の温水温度が、発電運転が強制停止する40℃以上となるタイミングで蓄熱量の値を蓄熱許容量の値に補正することにより、実際の蓄熱量が最大量となるタイミングを的確に捉え、このタイミングで正確な蓄熱量に補正する。また、給湯中にバーナ56が燃焼したとき、その給湯が終了するタイミングで蓄熱量の値を0に補正することにより、実際の蓄熱量が0となるタイミングを的確に捉え、このタイミングで蓄熱量を0に補正し、それ以後の蓄熱量を正確に捉えることを可能にする。コージェネレーションシステムのエネルギー効率を向上させることができる。
【選択図】 図2
Description
効率的な使用を可能とするコージェネレーションシステムの例が特許文献1に示されている。特許文献1のコージェネレーションシステムでは、蓄熱量で熱需要量を賄い得るか否かを使用者に表示する。蓄熱量で熱需要量を賄い得ないときには、使用者がこの表示に従って熱使用を抑止したり電力利用を前倒ししたりする。このことによって、エネルギー効率の高い運転を実施することができる。
特許文献1の技術のように、蓄熱量で熱需要量を賄い得るか否かを使用者に表示するためには、蓄熱量を正確に把握する必要がある。特許文献1の技術では、貯湯槽内の温水温度を検出して蓄熱量を算出したり、発電機からの熱回収量と使用した熱量の差から蓄熱量を算出したりする技術を開示している。
気温変化に伴って水道水温度も変化する。熱需要に応じて貯湯槽の下部に水道水が導入され、熱需要が無いときは水道水は導入されない。水道水温度は給水経路に設けられたサーミスタ等の温度検出手段によって検出され、給水経路内を水道水が流通している時に正確な温度を検出することができる。逆に、熱需要がなく、給水経路内を水道水が流通していない時の検出温度は必ずしも正確とは言えない。このため、回収した熱量と使用した熱量の差から蓄熱量を算出する方法では、実際の蓄熱量と算出した蓄熱量との間に誤差が生じることがある。経時的に蓄熱量を算出するとき、算出した蓄熱量の値が誤差を含んでいると、以降に算出する蓄熱量も誤差を含んだ値となり、さらにその誤差が拡大するおそれがある。貯湯槽からの放熱も計算した蓄熱量と実際の蓄熱量の間に誤差をもたらす。
蓄熱量を正確に把握することができなければ、エネルギー効率の高い運転を実施することは困難である。しかしながら、数少ない温度計測点から正確な蓄熱量を求めることは困難である。本発明は、蓄熱量を正確に把握することができるコージェネレーションシステムを提供することを目的としている。
蓄熱量は貯湯槽内の水(温水)が保持している熱量である。蓄熱量は、正確に実測することは困難である。1つの方法では、すでに保持している熱量に、回収した熱量と使用した熱量の差を加算することによって算出する。しかし、水道水温度の変化等によって、実際の蓄熱量と算出した蓄熱量との間に誤差が生じることがある。蓄熱量の値が誤差を含んでいると、以降の蓄熱量の算出の度にこの誤差が拡大するおそれがある。蓄熱槽の放熱も無視することはできない。
本発明のコージェネレーションシステムでは、適宜なタイミングで蓄熱量の値を蓄熱許容量の値に補正することができる。蓄熱許容量は貯湯槽内に蓄熱することができる蓄熱量の最大量である。蓄熱許容量は、貯湯槽の容量と、給水する水道水の温度と、発電装置に送り出す水の温度から算出することができる。このコージェネレーションシステムでは、適宜なタイミングで蓄熱量の値を蓄熱量の最大値(蓄熱許容量)に補正することによって、蓄熱量の誤差を解消する。それによって以後の蓄熱量を正確に捉えることを可能とする。このことによって、エネルギー効率の高い運転を実施することができる。
本発明のコージェネレーションシステムでは、貯湯槽内の蓄熱量が蓄熱許容量に達したことを判断することができる。蓄熱許容量まで蓄熱されたことを判断した時、算出した蓄熱量が算出した蓄熱許容量と異なる値であれば、蓄熱量の値を蓄熱許容量の値に補正する。正確な値に補正することができるため、それ以降は正確な蓄熱量の値を得ることができる。
コージェネレーションシステムでは、貯湯槽内の蓄熱量が蓄熱許容量となると、それ以降の蓄熱を行なうことができない。蓄熱を行なうことができなければ発電熱を回収することができない。発電熱を回収することができなければ、燃料電池が過熱されるおそれがある。
本発明のコージェネレーションシステムでは、発電装置に送り出す熱媒体の温度が所定温度以上となると発電運転を強制的に停止し、燃料電池が発電熱によって過熱されることを防止する手段を備えている。即ち、このコージェネレーションシステムでは、発電装置に送り出す熱媒体の温度が所定温度以上となると、それ以降の発電運転と、これに伴う発電熱の蓄熱は行なわれない。従って、このコージェネレーションシステムでは、発電装置に送り出す熱媒体の温度が所定温度以上となるタイミングにおける貯湯槽内の蓄熱量が蓄熱許容量ということになる。このタイミングで蓄熱量の値を蓄熱許容量の値に補正することによって、蓄熱量の値を実際の蓄熱量に即した正確な値とすることができる。
本発明のコージェネレーションシステムでは、貯湯槽内の蓄熱量が無いことを判断することができる。蓄熱量が無い状態とは、熱需要量が貯湯槽内の温水の熱エネルギーで賄えない状態であり、具体的には、貯湯槽内の全部の水の温度が水道水温度になった状態である。このコージェネレーションシステムでは、貯湯槽内の蓄熱量が無いと判断した時、算出した蓄熱量が0となっていなくても、蓄熱量の値を0に補正する。補正の際に、計算によって求める蓄熱量に実際の運転状況を反映させることができるため、より正確な蓄熱量の値を得ることができる。
本発明のコージェネレーションシステムでは、貯湯槽内の温水温度が、温水利用箇所で求められている温水温度(設定温度)より低い湯切れの状態である時、貯湯槽からの温水を加熱手段によって加熱することによって、蓄熱では不足する熱エネルギーを補う。加熱手段による加熱が開始される時、貯湯槽からの温水温度は設定温度よりは低いものの、水道水よりは高い温度である。貯湯槽内の温水は温度成層を形成しており、貯湯槽からの温水の温度が一旦低下し始めると、その後の温度低下は急激である。加熱手段によって加熱する状態が終了した時は、次の熱需要時に貯湯槽から供給できる熱エネルギーはほぼ残っておらず、貯湯槽内の全部の水の温度が水道水温度になっているとみなしてもよい。従って、このコージェネレーションシステムでは、加熱手段によって加熱する状態が終了したタイミングにおける貯湯槽内の蓄熱量を0とみなす。このタイミングで蓄熱量の値を0に補正することによって、蓄熱量の値を実際の蓄熱量に即した正確な値に補正することができる。
(形態1)
過去の電力負荷量、熱負荷量、蓄熱量の実績から、省エネルギーを実現する運転計画を作成し、この運転計画に沿ってコージェネレーションシステムの運転を実施する。
(形態2)
蓄熱量の値は、電力負荷量と熱負荷量の値を用いて算出する。
(形態3)
運転計画に沿ってコージェネレーションシステムの運転を実施するにあたり、運転計画上の電力負荷量の値と実際の電力負荷量の値とが相違した場合、実際の電力負荷量の値に修正した上で蓄熱量を算出する。
本実施例のコージェネレーションシステムは、図1に示すように、発電ユニット110と給湯システム10等を備えている。
発電ユニット110は、改質器112、燃料電池114、熱交換器116、118、熱媒放熱器120、熱媒三方弁122、それらを接続する経路等を備えている。
改質器112には、バーナ131が設けられている。バーナ131が作動して熱を発生すると、改質器112は炭化水素系のガスから水素ガスを生成する。熱交換器116を燃焼ガス経路126が通過している。燃焼ガス経路126の一端は改質器112に接続され、他端は外部に開放されている。燃焼ガス経路126は、熱交換器116にバーナ131が発生する燃焼ガスを導き、熱交換によって温度が低下した燃焼ガスを外部に排出する。熱交換器116には、熱回収経路128も通過している。熱回収経路128は、熱回収復路128aと、熱回収往路128bを有している。熱回収復路128aは、給湯システム10内の温水経路42と接続されている。熱回収往路128bは、給湯システム10内の給水経路26と接続されている。熱回収復路128aと、熱回収往路128bが給湯システム10内でどのように接続されているのかについては、後述にて詳細に説明する。熱回収経路128は温水を流通させる。熱回収経路128を流れる温水は、熱交換器116を通過することによって燃焼ガス経路126を流れる燃焼ガスによって加熱され、温度が上昇する。
熱媒循環経路124は、燃料電池114、熱交換器118、リザーブタンク125、熱媒ポンプ127、熱媒三方弁122を通って燃料電池114に戻る循環経路を形成している。熱媒循環経路124の燃料電池114の下流側には、熱媒温度センサ117が装着されている。熱媒温度センサ117は、熱媒循環経路124を流れる熱媒の温度を検出する。熱媒温度センサ117の検出信号は、給湯システム10に装着されているコントローラ21に出力される。
熱媒三方弁122は、1つの入口122aと、2つの出口122b,122cを備えている。熱媒三方弁122は、入口122aと出口122bを連通させるか、入口122aと出口122cを連通させるかを切換える。
熱媒三方弁122の出口122bと、熱媒循環経路124の熱媒三方弁122の出口122cの下流側とを接続する冷却経路129が設けられている。熱媒循環経路124と冷却経路129は熱媒としての純水を流通させる。冷却経路129の途中には熱媒放熱器120が装着されている。熱媒放熱器120に隣接して熱媒冷却ファン119が設けられている。熱媒冷却ファン119を運転すると、空気が熱媒放熱器120に吹付けられ、冷却経路129を流れる熱媒が冷却される。
改質器112、燃料電池114、バーナ131、熱媒三方弁122、熱媒ポンプ127、熱媒冷却ファン119は、コントローラ21によって制御される。
熱媒温度センサ117が検出した熱媒温度が高くなりすぎると、発電熱の回収が不十分となってしまうため、発電熱の放熱を行なう。熱媒三方弁122の入口122aと出口122bが連通され、同時に熱媒冷却ファン119が運転される。熱媒三方弁122の入口122aと出口122bが連通されると、熱媒は冷却経路129に流入し、熱媒放熱器120を通過する。熱媒は、熱媒放熱器120を通過することによって冷却される。熱媒放熱器120は、熱媒冷却ファン119から空気が吹付けられることにより、高い効率で熱を放熱する。熱媒の温度が低下すると、熱媒三方弁122の入口122aと出口122cが再び連通される。このような熱媒三方弁122の切換えが繰返されることにより、熱媒の温度は、所定範囲内に維持される。
貯湯槽20の底部には、貯湯槽20に水道水を給水する給水経路26が接続されている。給水経路26の入口26aの近傍には、減圧弁28が装着されている。給水経路26の減圧弁28の下流側とミキシングユニット24の給水入口24aは、ミキシングユニット給水経路30によって接続されている。減圧弁28は、貯湯槽20とミキシングユニット24への給水圧力を調整する。貯湯槽20内の温水が減少したり、ミキシングユニット24の給水入口24aが開いたりすると、減圧弁28の下流側圧力が低下する。減圧弁28は、下流側圧力が低下すると開き、その圧力を所定の調圧値に維持しようとする。このため、貯湯槽20内の温水が減少したり、ミキシングユニット24の給水入口24aが開いたりすると、それらに水道水が給水される。
貯湯槽20の底部と、圧力開放経路32の他端32b近傍を接続する排水経路33が設けられている。排水経路33の途中には排水弁34が装着されている。排水弁34は手動で開閉することができる。排水弁34を開くと、貯湯槽20内の水が排水経路33と開放経路32を通って外部に排水される。
貯湯槽20の上部の出口部20aには、温水経路42が接続されている。温水経路42は貯湯槽20と後述するミキシングユニット24を接続する経路である。貯湯槽20内の上部の温水は温水経路42を通ってミキシングユニット24へ送り出される。
温水経路42の中程には、熱回収復路128aが接続されている。温水経路42の貯湯槽20近傍に復路サーミスタ45が取付けられている。復路サーミスタ45は温水経路42内の温水の温度を検出する。復路サーミスタ45の検出信号はコントローラ21に出力される。
ミキシングユニット24は、温水入口24c、混合水出口24b、第1流量センサ67、温水サーミスタ50、給水サーミスタ48、混合水サーミスタ54、ハイカットサーミスタ55、および既に説明した給水入口24aを有している。貯湯槽20の出口部20aとミキシングユニット24の温水入口24cは、温水経路42によって接続されている。第1流量センサ67は、混合水出口24bから流出する混合水の流量を検出する。温水サーミスタ50は、温水入口24cに流入する温水の温度を検出する。なお、通常、温水入口24cに流入する温水の温度については、温水経路42に設けられた復路サーミスタ45によって検出される。給水サーミスタ48は、給水入口24aに流入する水道水の温度を検出する。通常、水道水温度については、給水経路26に設けられた往路サーミスタ44によって検出される。混合水サーミスタ54とハイカットサーミスタ55は、混合水出口24bから流出する混合水の温度を検出する。第1流量センサ67、温水サーミスタ50、給水サーミスタ48、混合水サーミスタ54、ハイカットサーミスタ55の検出信号は、コントローラ21に出力される。
コントローラ21とミキシングユニット24を組合せて用いることによって、混合水サーミスタ54で計測される混合水の温度は、コントローラ21が指令する温度に調整される。
コントローラ21は、ハイカットサーミスタ55によって温水が前記所定値を大きくオーバーしたことが検出された場合(すなわち、混合水サーミスタ54、あるいはミキシングユニット24が故障した可能性が高い場合)に、温水入口24cを閉じる。温水入口24cが閉じると、前記所定値を大きくオーバーした温度の温水が、給湯器22に供給されてしまうのが防止される。
ミキシングユニット24の混合水出口24bと給湯器22のバーナ熱交換器52(後述する)は、温水経路51によって接続されている。温水経路51には、第2流量センサ47が装着されている。第2流量センサ47の検出信号は、コントローラ21に出力される。
バーナ熱交換器52の下流側と給湯栓64は給湯栓経路63によって接続されている。給湯栓64は、浴室、洗面所、台所等に配置されている(図1では、これら複数の給湯栓64を1つで代表している)。給湯栓経路63には給湯サーミスタ65が装着されている。給湯サーミスタ65はバーナ熱交換器52から流出する温水の温度を検出する。給湯サーミスタ65の検出信号はコントローラ21に出力される。
シスターン61内には水位電極66が装着されている。水位電極66は、棒状のハイレベルスイッチ66aとローレベルスイッチ66bを有している。ハイレベルスイッチ66aの下端はシスターン61のハイレベル水位に位置している。ローレベルスイッチ66bの下端はシスターン61のローレベル水位に位置している。ハイレベルスイッチ66aとローレベルスイッチ66bは、水に触れていると検出信号をコントローラ21に出力する。コントローラ21は、水位電極66からの検出信号によって、シスターン61の水位がハイレベル水位を超えているか、ハイレベル水位とローレベル水位の間にあるか、ローレベル水位よりも低いかを判別する。シスターン61として適正なのは、水位がハイレベルとローレベルの間に位置している状態である。コントローラ21は、水位電極66からの水位検出信号に基づいて補給水弁59を開閉制御し、シスターン61の水位を適正範囲に維持する。
ガス燃焼式のバーナ57はバーナ熱交換器60を加熱する。バーナ熱交換器60の下流とシスターン61は高温水経路73によって接続されている。高温水経路73には、上流側から順に、暖房高温サーミスタ74、暖房端末熱動弁75、暖房端末機76が装着されている。
暖房高温サーミスタ74は、高温水経路73を流れる温水の温度を検出する。暖房高温サーミスタ74の検出信号はコントローラ21に出力される。
暖房端末熱動弁75は、膨張エレメントと、膨張エレメントと機械的に連結された開閉弁を内蔵している。暖房端末機76の操作スイッチ76aがオンにされると、暖房端末熱動弁75の膨張エレメントに通電が行われる。通電された膨張エレメントは高温になって膨張する。膨張した膨張エレメントは開閉弁を駆動し、これによって暖房端末熱動弁75が開かれる。また、操作スイッチ76aがオンにされると、コントローラ21は、暖房ポンプ69を作動させる。このように、操作スイッチ76aがオンにされたことによって、暖房端末熱動弁75が開かれるとともに、暖房ポンプ69が作動すると、シスターン61から温水が吸出される。コントローラ21は、暖房低温サーミスタ72と暖房高温サーミスタ74が検出した温水温度に基づいて、バーナ57を制御し、バーナ熱交換器60から流出する温水の温度を所定範囲に維持する。暖房端末機76の電動ファンは、操作スイッチ76aがオンにされると回転し、熱交換器76bに空気を吹付ける。熱交換器76bに吹付けられた空気は、熱交換器76bを介して温水と熱交換を行って暖められる。暖められた空気は暖房端末機76から吹出し、部屋を暖房する。熱交換器76bで空気と熱交換を行なうことによって、温水の温度は低下する。温度が低下した温水は高温水経路73を流れてシスターン61に戻る。
浴槽79には吸出口79aと供給口79bが設けられている。吸出口79aと供給口79bは風呂循環経路80によって接続されている。風呂循環経路80は追焚き熱交換器58を通過している。上述したように、追焚き経路77も追焚き熱交換器58を通過している。このため、追焚き熱交換器58では、風呂循環経路80と追焚き経路77との間で熱交換が行われる。風呂循環経路80の追焚き熱交換器58の上流側には、風呂水位センサ81、風呂循環ポンプ82、風呂水流スイッチ84が装着されている。風呂循環ポンプ82はコントローラ21によって制御される。風呂水位センサ81、風呂水流スイッチ84は、コントローラ21に検出信号を出力する。風呂水位センサ81は水圧を検出する。コントローラ21は、風呂水位センサ81が検出した水圧から、浴槽79に張られている湯の水位を推定する。風呂水流スイッチ84は風呂循環経路80を水が流れるとオンになる。
風呂循環経路80の風呂水位センサ81の上流側には、浴槽79から吸出された温水の温度を検出する風呂サーミスタ85が装着されている。風呂サーミスタ85の検出信号はコントローラ21に出力される。
浴槽79に湯を張るときには、注湯弁27が開かれる。注湯弁27が開かれると、温水が給湯栓経路63から湯張り経路25を経て風呂循環経路80に流入する。風呂循環経路80に流入した温水は、吸出口79aと供給口79bから浴槽79に供給され、浴槽79を湯張りする。このときには、風呂循環ポンプ82は駆動されず、湯張り経路25に加わっている水圧によって浴槽79への湯張りが行われる。
高温水経路73の暖房端末熱動弁75の上流側と、低温水経路70の床暖房機91の下流側とは、バイパス経路92によって接続されている。バイパス経路92の途中にはバイパス熱動弁93が装着されている。バイパス熱動弁93はコントローラ21によって開閉制御される。低温水経路70の下流端は高温水経路73の暖房端末機76の下流側に接続されている。
床暖房を行なう場合には、床暖房熱動弁90が開かれ、温水が床暖房機91に導かれる。導かれた温水は、床暖房機91を暖める。床暖房を行なわない場合には、床暖房熱動弁90が閉じられる。
本実施例のコージェネレーションシステムでは、過去の実績からシステムの運転計画を作成する。この運転計画は省エネルギーの実現を目的として作成される。基本的にシステムの運転はこの運転計画に沿って実施される。過去の実績値として、過去4週間分の同一曜日の1時間毎の電力負荷量と熱負荷量と蓄熱量のデータの平均値を利用する。これらの過去の実績値から、当日の燃料電池の発電時間と発電出力を決定する。蓄熱量は、決定した発電時間と発電出力に基き、以下のように算出する。
発電熱回収量を算出するため、決定した発電出力から、燃料電池114における発電に要する燃料ガスの熱量(発電用ガス熱量とする)(kJ)を算出する。
発電用ガス熱量(kJ)
={発電出力(Wh)/1000}/{発電効率(%)/100}×3600
なお、上記の式中の発電効率は実験によって一義的に決定される値である。
上記の式によって算出される発電用ガス熱量(kJ)を用い、発電に伴う発電熱回収量(kJ)を算出する。
発電熱回収量(kJ)
=発電用ガス熱量(kJ)×{熱回収率(%)/100}
なお、上記の式中の熱回収率は実験によって一義的に決定される値である。上記の式により、運転計画に従って発電することによって回収できる熱量(計画上の発電熱回収量)を算出する。
算出される計画上の発電熱回収量(kJ)と計画上の熱負荷量(kJ)を用いて、貯湯槽20内の計画上の蓄熱量(kJ)の時間的変化を算出する。実際には貯湯槽20において放熱する。下記の式によって算出される蓄熱量は放熱していない理論上の蓄熱量(放熱前蓄熱量とする)(kJ)である。
放熱前蓄熱量(kJ)
=1時間前の放熱後蓄熱量(kJ)+発電熱回収量(kJ)−熱負荷量(kJ)
上記の式中の放熱後蓄熱量(kJ)は、放熱前蓄熱量(kJ)から算出する。
放熱後蓄熱量(kJ)
=放熱前蓄熱量(kJ)×{1−放熱率(%)/100/h}
この放熱後蓄熱量が、運転計画上の使用可能な熱エネルギー量であり、真の蓄熱量である。なお、システム電源投入時については、1時間前の放熱後蓄熱量(kJ)を0(kJ)として放熱前蓄熱量を算出する。
実際にシステムの運転を実施すれば、実際の電力負荷量や熱負荷量の値と運転計画上の電力負荷量や熱負荷量の値とが相違してくる。発電出力は電力負荷量に追随するため、随時発電出力の修正を行なうことができる。一方、熱負荷がないとき、配管内を水が流通しておらず、正確な水道水温度を検出することができない。このため、長時間熱負荷がなく、その間に水道水温度が変化していると、正確な水道水温度を検出することができない。しかし、熱負荷量は水道水温度の影響を受けて変化することから、熱負荷量を算出したとしても、算出した熱負荷量の値は信頼できる値ではないこととなる。従って、算出した熱負荷量の値と運転計画上の熱負荷量の値とが相違していたとしても、どちらかの値が正確であるとは限らず、熱負荷量の値を修正することはできない。算出する熱負荷量も運転計画上の熱負荷量も実際の熱負荷量と相違していれば、いずれの熱負荷量の値を用いて蓄熱量の値を算出しても、実際の蓄熱量の値との誤差が含まれる。そして誤差を含んだ蓄熱量を用いて蓄熱量の算出を重ねれば、算出毎にこの誤差が拡大する。
本実施例のコージェネレーションシステムでは、上記のような運転計画上の蓄熱量の値と実際の蓄熱量の値との誤差を補正することができる。以下に蓄熱量の補正の手順について説明する。
ステップS14では給湯栓64が開かれたか否かが判断される。給湯栓64が開かれていないとき、ステップS16に進む。ステップS16に進むと、発電ユニット110において発電運転中であるか否かが判断される。発電運転が停止しているとき(ステップS16でNOのとき)、ステップS20に進む。ステップS20では、直近で検出された水道水の温度データを利用して蓄熱量を算出し、記憶する。
給湯栓64が開いていれば、給水経路26は水道水を貯湯槽20の下部へ送り出す経路として利用されているため、往路サーミスタ44によって水道水温度を検出することができる。しかしながら、給湯栓64が開かれていない場合に実行されるので、給水経路26内を水道水が流通していない。直前に給水経路26が貯湯槽20の下部の温水を発電ユニット110へ送り出す経路として利用されていた場合、往路サーミスタ44が検出する温度は水道水温度より高温である可能性が高い。ステップS20の実行時には、往路サーミスタ44によって水道水温度を検出することができない。ステップS20では、蓄熱量を算出するために必要な水道水の温度データに、直近で検出された水道水の温度データを利用する。
直近の水道水温度データを利用して算出した蓄熱量の値は、実際の蓄熱量の値と相違する可能性がある。それでも、当初の運転計画上の値に基いて蓄熱量を算出するのと比べれば、実際の蓄熱量に近い値を求めることができる。実際の水道水の温度データが得られないとき、直近の水道水温度データを利用することは有効である。
発電運転中は、貯湯槽20の下部から発電ユニット110へ水が送り出され、この水が発電熱によって加熱され、高温水となって貯湯槽20の上部へ戻される(蓄熱される)。これによって、貯湯槽20の上部から徐々に高温水が貯湯され、温度成層が形成される。蓄熱が進むと、上部の高温水の層は徐々に下降する。貯湯槽20の下部の温水温度が高温になったということは、上部の高温水の層が下部まで下降したということを示している。即ち、貯湯槽20内がほぼ高温水で満たされたということを示している。
本実施例では、貯湯槽20の下部の温水温度が40℃未満であれば、蓄熱する余力があり、貯湯槽20への蓄熱が可能であるとみなす。貯湯槽20の下部の温水温度が40℃以上であれば、それ以上蓄熱することはできないとみなす。蓄熱ができないと発電熱の回収ができず、燃料電池114が過熱されるおそれがあるため、発電運転を強制的に停止する。当然のことながら、発電が停止すればそれ以上蓄熱されることはない。即ち、貯湯槽20の下部の温水温度が40℃以上となって発電運転が強制停止したときの蓄熱量を、貯湯槽20に蓄熱することができる蓄熱量の最大量とみなすことができる。このときの蓄熱量を蓄熱許容量とする。
蓄熱許容量は、貯湯槽20の容量と、給水する水道水の温度と、発電ユニット110から貯湯槽20へ戻る温水(熱媒体)の温度(熱媒体戻り温度とする)から算出することができる。
蓄熱許容量(kJ)
=〔{上部サーミスタ検出温度(℃)−水道水温度(℃)}×上部容量(リットル)
+{下部サーミスタ検出温度(℃)−水道水温度(℃)}×下部容量(リットル)〕
×4.186
上部容量は貯湯槽20の上部の容量であり、下部容量は貯湯槽20の下部の容量である。上記の式によって蓄熱許容量を算出する時、給湯栓64が開いていない場合には、直近の水道水の温度データを利用する。
ステップS18で往路サーミスタ44の検出温度が40℃未満であれば(NOであれば)、貯湯槽20への蓄熱が可能である。ステップS20に進み、直近で検出された水道水の温度データを利用して蓄熱量を算出し、記憶する。
蓄熱量を、ステップS20のように算出して求めると、算出によって得られる蓄熱量の値と、実際の蓄熱量の値との間に誤差が生じることがある。上記の処理によれば、貯湯槽20の下部の温水温度が40℃以上となるタイミングで、蓄熱量の値を蓄熱許容量の値に補正する。貯湯槽20の下部の温水温度が40℃以上となったとき、発電運転は強制停止し、それ以降の蓄熱は行なわれない。従って、このときの蓄熱量が、貯湯槽20の蓄熱量の最大量(蓄熱許容量)となる。蓄熱量を補正するタイミングを蓄熱量が蓄熱許容量となるタイミングとすることによって、このタイミングを正確且つ合理的に判断し、正確な蓄熱量の値に補正することができる。
ステップS20またはステップS24において蓄熱量を記憶した後は、ステップS22でシステム電源がオフとなるまで(YESとなるまで)ステップS10からステップS22の処理を繰返す。
ステップS26に進むと、給湯器22のバーナ56が燃焼しているか否かが判断される。バーナ56が燃焼していないとき(ステップS26でNOのとき)、蓄熱量は熱負荷量に対して充足しているとみなされ、ステップS30に進む。ステップS30では、実際の水道水の温度データを利用して蓄熱量を算出し、記憶する。バーナ56が燃焼しているとき(ステップS26でYESのとき)、貯湯槽20からの温水の熱エネルギーだけでは熱負荷量が賄えないとみなされ、ステップS28に進む。
ステップS28で給湯栓64が閉じられたことが判断されるまで(YESとなるまで)は、ステップS30に進み、実際の水道水の温度データを利用して蓄熱量を算出し、記憶する。ステップS28で給湯栓64が閉じられたことが判断されたとき(YESとなったとき)、給湯によって熱エネルギーが若干量となったか、若しくは無くなったとみなされ、ステップS32に進んで蓄熱量の値を0として記憶する。
一方、バーナ56が燃焼していれば、貯湯槽20からの温水の熱エネルギーだけでは熱負荷量が賄えない状態である。貯湯槽20内の温水は温度成層を形成しており、貯湯槽20から送り出される温水の温度が一旦低下し始めると、急速に温度低下する。従って、今回の給湯の開始時には熱エネルギーが充足していたが、今回の給湯中に熱エネルギーが熱負荷量を賄えない量まで減少し始めた場合、今回の給湯の終了時に、蓄熱量は無くなる状態となるとみなしてよい。即ち、給湯中にバーナ56が燃焼したとき、その給湯が終了する時、即ち、バーナ56の燃焼が終了する時に、蓄熱量の値を0に補正してもよい。
ステップS30またはステップS32において蓄熱量を記憶した後は、ステップS22でシステム電源がオフとなるまで(YESとなるまで)ステップS10からステップS22の処理を繰返す。
例えば、本実施例のコージェネレーションシステムでは、貯湯槽へ水道水を送る給水経路および発電熱回収用の行き経路と、貯湯槽から温水を送る温水経路および発電熱回収用の戻り経路とが兼用される構成となっている。この構成によれば、経路を兼用することによって、この経路に設けられるサーミスタ等の温度検出手段も兼用することができ、コストを削減することができる。しかし、本発明のコージェネレーションシステムは、この構成に限定されるものではなく、それぞれの経路は独立した構成であっても構わない。
また、本実施例のコージェネレーションシステムでは、過去の実績に基いた運転計画上の電力負荷量や熱負荷量の値を、運転中に実際の電力負荷量や熱負荷量の値に随時修正し、蓄熱量を算出している。しかし、本発明のコージェネレーションシステムは、実際の蓄熱量が最大量となった時に最大量である値に補正し、実際の蓄熱量がなくなった時に0に補正することができれば、必ずしも、運転計画上の電力負荷量や熱負荷量の値と実際の電力負荷量や熱負荷量の値が相違した時に、実際の電力負荷量や熱負荷量の値に随時修正する必要はない。運転計画に基いて運転を実施し、実際に蓄熱量が最大量となった時と無くなった時のみ補正するものであっても構わない。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
20:貯湯槽、20a:出口部
21:コントローラ
22:給湯器
23:リモコン
24:ミキシングユニット、24a:給水入口、24b:混合水出口24c:温水入口
25:湯張り経路
26:給水経路、26a:入口
27:注湯弁
28:減圧弁
30:ミキシングユニット給水経路
31:リリーフ弁
32:圧力開放経路、32a:一端、32b:他端
33:排水経路
34:排水弁
35:上部サーミスタ
36:下部サーミスタ
39:中間部サーミスタ
40:循環ポンプ
42:温水経路
44:往路サーミスタ
45:復路サーミスタ
47:第2流量センサ
48:給水サーミスタ
50:温水サーミスタ
51:温水経路
52:バーナ熱交換器
54:混合水サーミスタ
55:ハイカットサーミスタ
56、57:バーナ
58:追焚き熱交換器
59:補給水弁
60:バーナ熱交換器
61:シスターン
62:シスターン入水経路
63:給湯栓経路
64:給湯栓
65:給湯サーミスタ
66:水位電極、66a:ハイレベルスイッチ、66b:ローレベルスイッチ
67:第1流量センサ
68:シスターン出水経路
69:暖房ポンプ
70:低温水経路
71:バーナ上流経路
72:暖房低温サーミスタ
73:高温水経路
74:暖房高温サーミスタ
75:暖房端末熱動弁
76:暖房端末機、76a:操作スイッチ、76b:熱交換器
77:追焚き経路
78:追焚き熱動弁
79:浴槽、79a:吸出口、79b:供給口
80:風呂循環経路
81:風呂水位センサ
82:風呂循環ポンプ
83:湯張り量センサ
84:風呂水流スイッチ
85:風呂サーミスタ
90:床暖房熱動弁
91:床暖房機
92:バイパス経路
93:バイパス熱動弁
94:低温サーミスタ
110:発電ユニット
112:改質器
114:燃料電池
116:熱交換器
117:熱媒温度センサ
118:熱交換器
119:熱媒冷却ファン
120:熱媒放熱器
121:水素ガス供給経路
122:熱媒三方弁、122a:入口、122b:出口、122c:出口
124:熱媒循環経路
125:リザーブタンク
126:燃焼ガス経路
127:熱媒ポンプ
128:熱回収経路、128a:熱回収復路、128b:熱回収往路
129:冷却経路
131:バーナ
Claims (5)
- 電力需要に応じて発電し、発電に伴って発生する発電熱を蓄熱し、蓄熱した熱エネルギーを必要時に供給するコージェネレーションシステムであり、
蓄熱許容量を算出する蓄熱許容量算出手段と、
蓄熱量を算出する蓄熱量算出手段と、
蓄熱量算出手段が算出した蓄熱量の値を蓄熱許容量算出手段が算出した蓄熱許容量の値に補正する蓄熱量補正手段と
を備えていることを特徴とするコージェネレーションシステム。 - 蓄熱許容量まで蓄熱されたことを判断する第1判断手段を備えており、
前記第1判断手段が、蓄熱許容量まで蓄熱されたと判断すると、前記蓄熱量補正手段は、前記蓄熱量算出手段が算出した蓄熱量の値を前記蓄熱許容量算出手段が算出した蓄熱許容量の値に補正することを特徴とする請求項1のコージェネレーションシステム。 - 発電装置に送って発電熱を回収する熱媒体の温度が所定温度以上となると発電運転を強制的に停止する停止手段を備えており、
前記第1判断手段は、発電装置に送る熱媒体の温度が前記所定温度以上となった時、蓄熱許容量まで蓄熱されたと判断することを特徴とする請求項2のコージェネレーションシステム。 - 蓄熱が無いことを判断する第2判断手段を備えており、
前記第2判断手段が、蓄熱が無いと判断すると、前記蓄熱量補正手段は、前記蓄熱量算出手段が算出した蓄熱量の値を0に補正することを特徴とする請求項1から3のいずれかのコージェネレーションシステム。 - 蓄熱した熱エネルギーを供給する時に必要に応じて加熱する加熱手段を備えており、
前記第2判断手段は、前記加熱手段による加熱が終了した時に、蓄熱が無いと判断することを特徴とする請求項4のコージェネレーションシステム。
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JP2008310997A (ja) * | 2007-06-12 | 2008-12-25 | Toshiba Corp | 燃料電池コージェネレーションシステム、その制御方法及び制御プログラム |
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JP2004245451A (ja) * | 2003-02-12 | 2004-09-02 | Osaka Gas Co Ltd | 貯湯式給湯システム |
-
2004
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