JP2006088846A - 車両用乗員保護装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両用乗員保護装置50は、折り畳んだ状態のルーフサイドエアバッグ53をカバー91で覆い、このカバー91内にクリップ131の頭部132を配置し、このカバー91内から外側に向けて係止部133を突出させ、この係止部133を車両10へ係止するように構成した。また、車両用乗員保護装置50は、係止部133の基部134aで、かつカバー91の外側に押さえ部136を設け、この押さえ部136をカバー91の外側から押し付けることで、係止部133を車両10へ係止させるように構成した。
【選択図】図8
Description
この種の車両用乗員保護装置には、例えば、ピラーからルーフの側縁にかけてルーフサイドエアバッグを収納し、一定以上の衝撃力を受けたときにルーフサイドエアバッグをサイドガラスに沿ってカーテン状に膨出するようにした技術が開発されている(例えば、特許文献1参照。)。
このため、エアバッグを車両に取り付けるための取付ブラケットの間隔が大きくなり、エアバッグを車両に沿わせることが難しく、この観点から改良の余地が残されていた。
しかし、比較的長いエアバッグを支えながら、車両に取り付ける作業は困難であり、作業性が悪い。作業性が悪いため、エアバッグの取付け作業に時間がかかり、この観点から改良の余地が残されている。
よって、係止部を、車両の取付孔に取り付けることで、カバーおよびエアバッグを車両に簡単に取り付けることが可能になる。
これにより、カバーおよびエアバッグを車両からずれないように簡単に配置することができる。
よって、クリップを車体に取り付けた状態を保ち、クリップが車室内に飛び散ることを防ぐ。
よって、クリップを車両に取り付ける際に、カバーに余分な力をかける必要がない。これにより、カバーが引き裂かれて、クリップの頭部から脱落することを防止することができる。
図1は本発明に係る車両用乗員保護装置を備えた車両を車室側から見た側面図であり、車両用乗員保護装置50のルーフサイドエアバッグ53を展開した状態を示す。
なお、車両用乗員保護装置50については車両10の右側に配置した構成だけを示す。左側の車両用乗員保護装置50も右側と同様の構成なので、説明を省略する。
このような車両10における車体20は、前部のフロントピラー21と、中間部2個の前ミドルピラー22並びに後ミドルピラー23と、後部のリヤピラー24とを有し、これらの各ピラー21〜24の上端にルーフサイドレール25を有し、ルーフサイドレール25でルーフ26を支える構成である。
この車両10は、さらに各ピラー21〜24間に前部サイドガラス31、中間部サイドガラス32、後部サイドガラス33を備える。
シートベルト装置40は、リトラクタ41に巻取られたシートベルト42を引出して、スルーリング43を通した後にロアアンカ44にかけ止めるようにしたものである。
リトラクタ41は、リヤピラー24の下部に取り付けたベルト巻取り器である。スルーリング43は、リヤピラー24の上部に取り付けた部材である。
ロアアンカ44は、後部座席14のクッションの側部に取り付けた部材である。シートベルト42によって乗員Maの上半身並びに腰部を拘束することができる。
膨張して車室11内に展開したルーフサイドエアバッグ53は、各サイドガラス31〜33を覆うとともに、各座席12〜14に座っている乗員Maの特に頭部Heを保護することができる。
図1および図2に示すように、供給管52は、インフレータ51からルーフサイドエアバッグ53にガスを供給するガスパイプである。
インフレータ51および供給管52は、車体前後方向(紙面の左右方向)に延ばしてルーフサイドエアバッグ53に並列に配置している。
また、車両用乗員保護装置50は、前部に設けたフロントピラー21の車室11側に、一定のピラー空間部S2を有してピラーガーニッシュ54を取り付け、ピラー空間部S2にルーフサイドエアバッグ53の前部を収納したものである。
図2に示すように、取付ブラケット構造63は、第1取付ブラケット151と第2取付ブラケット152とからなる。
図1および図3に示すように、ルーフサイドエアバッグ53は気密性を有した布製等の、柔軟性を有するシートからなり、(1)車室前後方向の略中央に配置した、前後2個のガス入口部71F,71Rと、(2)ガス入口部71F,71Rからルーフ空間部S1に沿って車室前後方向に延びた前後2個のガス主流路72F,72Rと、(3)これらのガス主流路72F,72Rに個別に通して、前後2個のガス入口部71F,71Rに一端を個別に連通した、前後2個のインナチューブ73F,73Rと、(4)前のインナチューブ73Fに、前のガス主流路72Fを介して連通し、前部座席12に対応する位置で膨張する前部バッグ部74Fと、(5)後のインナチューブ73Rに、後のガス主流路72Rを介して連通し、中間座席13に対応する位置で膨張する中間バッグ部74Mと、(6)後のインナチューブ73Rに、後のガス主流路72Rを介して連通し、後部座席14に対応する位置で膨張する後部バッグ部74Rとを、一体に備える。
これらの膨張部75a〜75cは、前端の前部膨張部75a、中間の中間膨張部75b、後端の後部膨張部75cを1列に配列した構成である。前部膨張部75aと中間膨張部75bとは互いに密着し、中間膨張部75bと後部膨張部75cとは互いに密着している。
前部膨張部77aは、前下端の開口を上部連通管78Aを介して後のガス主流路72Rの後端に連通するとともに、前下端の開口を下部連通管78Bを介して中間バッグ部74Mにおける後部膨張部76cの後部開口に連通したものである。
後部膨張部77bは、前下端の開口を前部膨張部77aの後下端の開口に連通したものである。
前部非膨張部79Aは、紐状又はバンド状の前ストラップ81を備える。後部非膨張部79Bは、紐状又はバンド状の後ストラップ82、およびスリット83を備える。
図3において、86F,86Rは前後2個のインナチューブ73F,73Rに各々開けた噴出孔である。
図4は本発明に係る車両用乗員保護装置に備えたプロテクタクロスの取付構造を示す斜視図、図5は本発明に係る車両用乗員保護装置に備えたプロテクタクロスの取付構造を示す断面図である。
プロテクタクロスの取付構造61は、折り畳んだ状態のルーフサイドエアバッグ53を覆うカバー91に、ルーフサイドエアバッグ53を保護するプロテクタクロス102を第1、第2の縫製糸(縫製糸)103,103,104で縫い合わせ、縫い合わせた第1、第2の縫製糸103,103,104のうち、ルーフサイドエアバッグ53を膨張展開させる部位113を縫合する第2縫製糸104を、ルーフサイドエアバッグ53の膨張展開力で破断するように弱くしたものである。
ここで、膨張展開力とは、ルーフサイドエアバッグ53が膨張展開するときに発生する力である。
このカバー91には、周壁108に長手方向に延びるミシン目109が形成されている。ルーフサイドエアバッグ53内にインフレータ51(図1〜図3参照)からガスを充填した際に、ミシン目109を破断してルーフサイドエアバッグ53が膨張展開する。
このプロテクタクロス102は、万が一、スポット溶接の際に生じた、スポット溶接部118の突起118a(車両の突起)に接触した場合でも、破れない強固な布で形成した布製の保護部材である。
加えて、プロテクタクロス102の下端部102dを弱い第2縫製糸104でカバー91に縫い合わせる。この状態において、プロテクタクロス102で、カバー91に形成したミシン目109を覆うとともに、このミシン目109の近傍に第2縫製糸104による縫合部102eが位置する。
第1縫製糸103,103で縫い合わせた縫合部102b,102cは、縫合部102eの上方に位置する。
このカバー91を、折り畳んだルーフサイドエアバッグ53に嵌め込むことにより、折り畳んだルーフサイドエアバッグ53をカバー91で包み込む(ラップする)。
この状態で、カバー91のミシン目109を、ルーフサイドエアバッグ53を膨張展開させる部位113に合わせる。
突出させた取付片142の取付孔142a,142a(1個のみを図示する)を、車両のルーフサイド(インナーパネル)114の取付孔115,115(1個のみを図示する)に合わせ、取付孔142a,142aおよび取付孔115,115にボルト116,116を差し込む。
この状態で、プロテクタクロス102がインナーパネル114のスポット溶接部118の突起118aに臨む。
ここで、カバー91のミシン目109を、ルーフサイドエアバッグ53を膨張展開させる部位113に合わせることで、第2縫製糸104の縫合部102eも、ルーフサイドエアバッグ53を膨張展開させる部位113の近傍に位置する。
これにより、スポット溶接部118の突起118aにプロテクタクロス102を確実に臨ませることができる。
プロテクタクロス102は、突起118aで破損しないように強固な布で形成されている。よって、カバー91およびルーフサイドエアバッグ53をスポット溶接118の突起118aから確実に保護する。
よって、第2縫製糸104を弱くすることで、ルーフサイドエアバッグ53の膨張展開力で、ミシン目109を破断した後、第2縫製糸104を確実に破断することができる。
よって、折り畳んだ状態のルーフサイドエアバッグ53をカバー91で覆うことにより、ルーフサイドエアバッグ53にプロテクタクロス102を取り付けることができる。
これにより、プロテクタクロス102とカバー91との間の隙間から異物が侵入し難くすることができる。
ルーフサイドエアバッグ53内にインフレータ51(図1〜図3参照)からガスを充填充することにより、ルーフサイドエアバッグ53が膨張展開して、ルーフサイドエアバッグ53の膨張展開力でカバー91のミシン目109を破断する。
ミシン目109が破断した後、ルーフサイドエアバッグ53の膨張展開力で、プロテクタクロス102の下端部102dをカバー91に縫合した第2縫製糸104が破断する。
これにより、ルーフサイドエアバッグ53を膨張展開させる際に、この膨張展開力で第2縫製糸104を確実に破断させて、ルーフサイドエアバッグ53を良好に膨張展開させることができる。
よって、ルーフサイドエアバッグ53が膨張展開した際に、第1縫製糸103を破断させずに、第2縫製糸104を破断させることで、プロテクタクロス102の下端部102dを下方に下げ吊す。
これにより、スポット溶接部118の突起118aにプロテクタクロス102を確実に臨ませることができる。
図7は本発明に係る車両用乗員保護装置に備えたエアバッグの止め構造を示す斜視図、図8は本発明に係る車両用乗員保護装置に備えたエアバッグの止め構造を車両に取り付けた状態を示す断面図である。
エアバッグの止め構造62は、折り畳んだ状態のルーフサイドエアバッグ53をカバー91で覆い、このカバー91内にクリップ131の頭部132を配置し、このカバー91内から外側に向けて係止部133を突出させ、この係止部133をインナーパネル(車両)114へ係止するように構成したものである。
係支部133は、係止軸134および4個の係止爪135…を備える。
カバー91の取付孔138をクリップ131の頭部132から基部134aに嵌め込むことで、カバー91をクリップ131に取り付ける。
これにより、係止爪135…の後端部135a…と押さえ部136とでインナーパネル114を確実に挟持する。
この状態で、押さえ部136をカバー91の外側から取付孔139に向けて押し付けることで、係止爪135…が取付孔139の周縁に当たり、係止爪135…が係止軸134側に弾性変形する。
係止爪135…が取付孔139を通り抜けた後、係止爪135…が元の状態に復元して、係止爪135…の後端部135a…がインナーパネル114の外面114aに当接する。同時に、押さえ部136がインナーパネル114の内面114bに当接する。
よって、係止爪135…の後端部135a…と押さえ部136とでインナーパネル114を挟持して、インナーパネル114にクリップ131を固定する。
よって、クリップ131をインナーパネル114に取り付ける際に、カバー91に余分な力をかける必要がない。
これにより、クリップ131をインナーパネル114に取り付ける際に、カバー91が引き裂かれて、クリップ131の頭部132から脱落することを防止する。
したがって、カバー91およびルーフサイドエアバッグ53をインナーパネル114からずれないように配置することが可能になり、ルーフサイドエアバッグ53をインナーパネル114に沿わせて確実に配置することができる。
これにより、車室11内に内装材を容易に組み付けることができる。
よって、クリップ131をインナーパネル114に取り付けた状態を保ち、クリップ131が車室内に飛び散ることを防ぐことができる。
図2に戻って、車両用乗員保護装置は、車両ルーフのインナーパネル114にエアバッグを取り付ける取付ブラケット構造63を備える。
第1取付ブラケット151は、インナーパネル114に取り付ける取付部157と、ルーフサイドエアバッグ53の膨張展開方向を規制する規制部158とを備える。
押さえプレート162に取付孔162aを形成し、取付孔162aを取付孔161aと同軸上に配置する。
この状態で、取付片143の取付孔143aを、取付プレート161の取付孔161aと、押さえプレート162の取付孔162aとに同軸上に配置する。
取付孔162aから突出したねじ部166aをナット167にねじ結合することにより、ルーフサイドエアバッグ53の取付片143を、取付部157でインナーパネル114に取り付ける。
規制部158は、カバー91の上側に位置し、ルーフサイドエアバッグ53が展開した際に、ルーフサイドエアバッグ53が下方向に膨張展開するように規制する略矩形状の板材である。
連結部材163は、両側にスリット164,164を設けることにより、連結部材163の幅W2を、取付部157の幅W1と比較して小さく形成したものである。
これにより、第1取付ブラケット151に小さな衝撃がかかった場合に、その小さな衝撃を第1取付ブラケット151で抑えることができる。
すなわち、前ミドルピラー22には、車室11側に前ミドルピラーガーニッシュ(ピラーガーニッシュ)165が設けられている。よって、乗員(想像線で示す)Maが前ミドルピラー22の上方の第1取付ブラケット151に当たる場合には、乗員Maは、図10に示すように、前ミドルピラーガーニッシュ165にも同時に当たる。
乗員Maが前ミドルピラーガーニッシュ165に当たることで、衝撃の一部を前ミドルピラーガーニッシュ165で吸収する。
そこで、前ミドルピラー22の上方に位置する第1取付ブラケット151の強度を低くした。これにより、第1取付ブラケット151に小さな衝撃がかかった場合に、その小さな衝撃を第1取付ブラケット151で抑えることができる。
膨張展開したルーフサイドエアバッグ53でルーフライニング121を押し広げ、ルーフライニング121と前ミドルピラーガーニッシュ165との隙間からルーフサイドエアバッグ53を車室内に膨張展開する。
第2取付ブラケット152は、インナーパネル114に取り付ける取付部171と、ルーフサイドエアバッグ53の膨張展開方向を規制する規制部172とを備える。
フック175は、インナーパネル114の係止孔177に係止するための部材である。
この状態で、取付片168の取付孔168aを、取付プレート173の取付孔173aと、押さえプレート174の取付孔174aとに同軸上に配置する。
取付孔169から突出したねじ部178aをナット179にねじ結合することにより、ルーフサイドエアバッグ53の取付片168を、取付部171でインナーパネル114に取り付ける。
これにより、第2取付ブラケット152に比較的大きな衝撃がかかった場合に、その大きな衝撃を第2取付ブラケット152で抑えることができる。
すなわち、前ミドルピラー22(図10参照)から外れた位置の第2取付ブラケット152に乗員Maが当たった場合には、乗員Ma(想像線で示す)は、前ミドルピラーガーニッシュ165(図10参照)に当たらないで、第2取付ブラケット152のみに当たる。
そこで、前ミドルピラー22から外れた位置の第2取付ブラケット152の強度を高くした。これにより、第2取付ブラケット152に比較的大きな衝撃がかかった場合に、その大きな衝撃を第2取付ブラケット152で抑えることができる。
膨張展開したルーフサイドエアバッグ53でルーフライニング121を押し広げ、インナーパネル114と前ミドルピラーガーニッシュ165との隙間からルーフサイドエアバッグ53を車室11内に膨張展開する。
これにより、第1、第2の取付ブラケット151,152にかかる衝撃を良好に吸収し、全体として衝撃を均一に吸収することができる。
Claims (2)
- 車両のルーフに沿ってエアバッグを取り付け、インフレータを作動させてエアバッグを折り畳んだ状態から膨張展開させることにより乗員を保護する車両用乗員保護装置において、
前記折り畳んだ状態のエアバッグをカバーで覆い、
このカバー内にクリップの頭部を配置し、
このカバー内から外側に向けて係止部を突出させ、
この係止部を車両へ係止するように構成したことを特徴とする車両用乗員保護装置。 - 前記係止部の基部で、かつ前記カバーの外側に押さえ部を設け、
この押さえ部をカバーの外側から押し付けることで、係止部を前記車両へ係止させるように構成したことを特徴とする請求項1記載の車両用乗員保護装置。
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