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JP2006065935A - 光集積ユニットおよびそれを備えた光ピックアップ装置 - Google Patents

光集積ユニットおよびそれを備えた光ピックアップ装置 Download PDF

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JP2006065935A JP2004245925A JP2004245925A JP2006065935A JP 2006065935 A JP2006065935 A JP 2006065935A JP 2004245925 A JP2004245925 A JP 2004245925A JP 2004245925 A JP2004245925 A JP 2004245925A JP 2006065935 A JP2006065935 A JP 2006065935A
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Abstract

【課題】 回折素子上での光ビーム径を大きくし、回折素子から受光素子までの光路長を長くした光集積ユニットおよびそれを備えた光ピックアップ装置を提供する。
【解決手段】 半導体レーザ11と、偏光ビームスプリッタ14と、受光素子12と、光ビーム20および戻り光を回折する偏光回折素子15とを備え、偏光ビームスプリッタ面14aを透過した光ビーム20が上記偏光回折素子15に入射するように、かつ、上記偏光回折素子15によって回折され、上記偏光ビームスプリッタ面14aによって光路が変化した戻り光が上記受光素子12に受光されるように、該偏光回折素子15が設けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光集積ユニットおよびそれを備えた光ピックアップ装置に関し、より詳細には、光ディスクなどの光記録媒体に情報を記録または再生する際に用いられる光ピックアップの小型化を実現するための光集積ユニットおよびそれを備えた光ピックアップ装置に関するものである。
近年、高画質の動画等を記録するために光ディスクなどの光記録媒体の情報記録容量を高密度化、大容量化すること、さらに、この光ディスクをモバイル用途で使用するために光ピックアップ装置を小型軽量化することが強く望まれている。
そこで、小型軽量化の要求に対応して様々な集積化ピックアップが提案されている。例えば、特許文献1には、ホログラム素子とビームスプリッタとを備えた光集積ユニットおよび、それを備えた光ピックアップ装置が提案されている。以下に、図13〜図15に基づいて、この光集積ユニットと光ピックアップ装置の原理を説明する。
図13は、この光ピックアップ装置の構成図である。光集積ユニット101に搭載された光源からの出射光がコリメータレンズ102により平行光にされた後、対物レンズ103を介して光ディスク104上に集光される。そして、光ディスク104から反射した戻り光は再び対物レンズ103、コリメータレンズ102を介して、光集積ユニット101に搭載された受光素子上に集光される。光ディスク104は、基板104a、光ビームが透過するカバー層104b、情報の記録再生に用いられる記録層104cで構成されている。
図14は、この光集積ユニット101の詳細な構造を示す図である。半導体レーザ(光源)105から出射した光120(光軸中心122)は3ビーム用回折格子106によってメインビーム(0次回折光)と2つのサブビーム(±1次回折光)に分割され、複合プリズム107の偏光ビームスプリッタ(PBS)面107aを通過し、1/4波長板108を透過して、コリメータレンズ102に向かう。なお、図の煩雑を避けるため、サブビーム(±1次回折光)は図示していない。
そして、戻り光121は1/4波長板108を透過してPBS面107aおよび、反射ミラー面107bで反射され、ホログラム素子109に入射する。ホログラム素子109に入射した戻り光121は回折されて+1次回折光(光軸中心125a)と−1次回折光(光軸中心125b)に分割され、受光素子110に入射する。なお、図の煩雑を避けるため、戻り光121については光軸中心の光線のみを図示している。
ここで、半導体レーザ105から出射した光は偏光方向がx方向の直線偏光(P偏光)であり、PBS面107aを透過後、1/4波長板108で円偏光にされ、光ディスク104に入射する。光ディスク104からの戻り光は再び1/4波長板108に入射してy方向の直線偏光(S偏光)になってPBS面107aで反射される。
したがって、半導体レーザ105から出射した光を、メインビーム・サブビーム共にほとんど全て光ディスク104に導くとともに、戻り光もほとんど全て受光素子110に導くことができるため光利用効率が高い。
図15は、ホログラム素子109のホログラムパターンと受光素子110の受光部パターンを説明する図である。ホログラム素子109は光ディスク104のトラッキング方向に相当するx方向の分割線109xとトラックに沿った方向に相当するy方向の分割線109yによって、109a〜109cの3つの領域に分割されている。受光素子110はホログラム素子109による+1次回折光を検出する110a〜110fの6つの受光部と−1次回折光を検出する110g〜110iの3つの受光部から構成されている。そして、+1次回折光でシングルナイフエッジ法によるフォーカス誤差信号(FES)と差動プッシュプル(DPP)法によるトラッキング誤差信号(TES)を検出し、−1次回折光で情報信号(RF信号)と位相差(DPD)法によるTESを検出するようになっている。
FES検出やDPP法によるTES検出のようなサーボ信号検出に要求される受光素子の周波数応答は、一般的に、RF信号に比べて十分低い周波数でも検出可能である。一方、RF信号や位相差(DPD)法を用いたTES検出には高速応答の受光素子が必要とされている。
また、受光素子110の設計には、RF信号検出用の受光部にはRF信号の高速再生に対応するため受光部面積をより小さくする必要がある一方で、FES検出用の受光部には応答は遅くても良いが、その引き込み範囲を十分確保するために受光部の面積を大きく保つ必要があるという両立が困難な2つの要求があった。従来技術では、+1次回折光と−1次回折光の両方を利用して、それぞれに信号生成の役割分担をさせることで、RF信号の高速化とFES信号の引き込み範囲の確保を両立している。
特開2001−273666号公報(2001年10月5日公開) 特開2001−250250号公報(2001年9月14日公開) 特開2002−157771号公報(2002年5月31日公開)
しかしながら、上記の従来技術に示すような光集積ユニットでは、図14に示したように、3ビーム生成用の回折格子106が複合プリズム107における光源105側に配置されており、サーボ信号生成用のホログラム素子109も、複合プリズム107における受光素子110側に配置されていた。そのため、光源から回折格子106までの距離(光路長)が短く、受光素子110からホログラム素子109までの距離(光路長)が短い。このため、回折素子(回折格子106、ホログラム素子109)に入射する光ビームのビーム径が小さくなるという問題がある。
回折素子に入射する光ビームのビーム径が小さい場合、以下のような問題が生じる。
すなわち、例えば、コリメータレンズ103の有効NAが0.1程度の光学系を想定し、光源105から回折格子106までの距離(及びホログラム素子109から受光素子110までの距離)を空気中の光路長換算で1mm〜2mm程度に設定した場合、回折素子上のビーム径はφ0.2〜0.4mm程度になる。このように回折素子上での光ビーム径が小さい場合には、経時変化や温度変化によって発生する回折素子と複合プリズムの位置ずれが、サーボ信号に大きく影響するという課題があった。
さらに、ホログラム素子109から受光素子110までの距離が十分確保することができず、ホログラム素子109から受光素子110までの距離が空気中の光路長換算で1mm程度の場合に、受光素子110上での+1次回折光と−1次回折光の分離を0.8mm程度に設定すると、回折角度は18deg程度になる。この回折角度を実現するための格子ピッチは、波長405nmの青色光学系だと1.4μm程度になり、ホログラム素子109の製造は困難になる。
さらに、従来技術ではRF信号の高速再生に対応するため+1次回折光と−1次回折光の役割分担を行い、高速応答が必要な信号に関しては−1次回折光を専用の受光部で検出するようにしている。しかしながら、回折光は波長変動や公差の影響を受けるので、受光素子110上で集光位置が変動することを考慮して、受光部を大きめに設計しておく必要があった。このような受光部面積の制約が、RF信号の高速再生を制限する要因となっていた。
そこで、RF信号を非回折光で検出するために、従来技術の光集積ユニットにおいて非回折光(0次回折光)と回折光(1次回折光)の両方を検出しようとすると、0次回折光と1次回折光を0.8mm程度に分離するためには回折角度を35deg程度に設計する必要がある。この回折角度を実現するための格子ピッチは、波長405nmの青色光学系だと0.7μm程度になり、ホログラム素子109の製造は非常に困難になる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、回折素子上の光ビーム径をできるだけ大きくすることによって経時変化や温度変化の影響を低減し、回折素子から受光素子までの光路長を長くすることによって回折角度を小さく(格子ピッチを大きく)して回折素子の製造を容易にし、回折素子の非回折光を用いてRF信号を検出することによって高速応答(光ディスクを高速回転させた高速再生)を実現できる光集積ユニットおよびそれを備えた光ピックアップ装置を提供することにある。
本発明の光集積ユニットは、上記課題を解決するために、光ビームを出射する光源と、上記光ビームを透過させ、光情報記録媒体によって反射された該光ビームの戻り光を反射させる機能面を備え、該戻り光を上記光源とは異なる方向へ導く、上記光ビームの光軸上に設けられた導光手段と、上記導光手段によって導かれた上記戻り光を受光する受光素子と、を備えた光集積ユニットにおいて、上記光ビームおよび戻り光を回折する回折手段を、上記光ビームの光軸上に、かつ、上記機能面を透過した光ビームが入射する位置に、備えていることを特徴としている。具体的には、上記機能面は、偏光ビームスプリッタ面であることが好ましい。
上記の構成によれば、上記回折手段には上記導光手段を透過した光ビームが入射し、かつ、上記受光素子には、回折手段によって回折されて、導光手段を通過した上記戻り光が受光される。
すなわち、上記光源から出射した光ビームは、上記導光手段を透過した後、上記回折手段に入射する。そのため、上記光源から出射し、上記回折手段に入射するまでの光ビームの光路長を長くすることができる。
光路長を長くすることができることによって、上記回折手段に入射する光ビームのビーム径を、上記光源と上記回折手段との間に上記導光手段を配置していない場合と比較して大きくすることができる。
これにより、経時変化や温度変化によって回折手段と導光手段の位置ずれが発生した場合であっても、サーボ信号の検出に与える影響を低減することができ、良好なサーボ信号の検出を実現することができる。
また、上記受光素子には、上記回折手段によって回折されて、上記導光手段を通過した上記戻り光が受光される。すなわち、上記回折手段を透過してから上記受光素子に入射するまでの間に上記導光手段を通過している。そのため、上記受光素子に受光されるまでの回折された戻り光の光路長を長くすることができる。
これにより、上記回折手段の回折角度を小さく設定した場合であっても、上記受光素子上での回折された光(戻り光)の分離を良好にすることができる。
また、本発明に係る光集積ユニットは、上記回折手段は、所定の偏光振動面を有する偏光を回折させ、該偏光振動面に垂直な偏光振動面を有する偏光をそのまま透過させる偏光回折素子であることが好ましい。具体的には、本発明に係る光集積ユニットは、上記回折手段は、第1のホログラム領域および第2のホログラム領域を備え、その各々が所定の偏光振動面を有する偏光を回折させ、該偏光振動面に垂直な偏光振動面を有する偏光はそのまま透過させる偏光回折素子であり、上記第1のホログラム領域と第2のホログラム領域とは、それぞれに設けられた上記所定の偏光振動面が互いに垂直となるように、上記光ビームの光軸上に配置されていることが好ましい。
これにより、上記光ビームを回折することができるとともに、上記戻り光を回折することができる。
第1のホログラム領域および第2のホログラム領域には、それぞれ格子が設けられており、各ホログラム領域に入射した光(偏光)のうち、上記所定の偏光透過軸を有する偏光は、上記格子によって回折されて回折光となる。ここで、回折される光の回折角度は、該格子のピッチの大きさによって決まっている。
上記第1のホログラム領域と第2のホログラム領域とは、それぞれに設けられた上記所定の偏光振動面が互いに垂直となるように、上記光ビームの光軸上に配置されていることから、上記第1のホログラム領域にて回折された偏光は、第2のホログラム領域をそのまま透過し、反対に、上記第2のホログラム領域にて回折された偏光は、第1のホログラム領域をそのまま透過する。
したがって、このような構成の回折手段を備えることによって、上記光ビームおよび戻り光を回折することができる。
なお、本明細書中における「回折された光」とは、特に限定しない場合は、回折角度を有した回折光と、回折角度を有さない非回折光(0次回折光)との両方を含むものとする。
また、本発明に係る光集積ユニットは、上記第1のホログラム領域は、上記戻り光を非回折光と回折光とに分割することが好ましい。
上述したように、本発明に係る光集積ユニットは、受光素子に受光される回折された戻り光の光路長を長くすることができることから、上記戻り光を非回折光と回折光とに回折した場合であっても、上記受光素子上にてこれらを十分に分離することができる。
すなわち、本発明に係る光集積ユニットでは、上記第1のホログラム領域付近では回折光と非回折光とが十分に分離できない状態であっても、長い光路を通過する間に、回折光と非回折光との間隔が広がり、上記受光素子上では回折光および非回折光を良好に分離することが可能となる。
また、本発明に係る光集積ユニットは、上記第2のホログラム領域は、上記光ビームを3ビームに分割することが好ましい。
これにより、3ビーム法等によるトラッキング誤差信号を検出することができる。
また、本発明に係る光集積ユニットは、上記受光素子が、上記回折光を受光する受光部と、上記非回折光を受光する受光部とを備えていることが好ましい。
上述したように、本発明に係る光集積ユニットは、回折された上記戻り光(回折光および非回折光)の光路長を長くすることができることから、上記第1のホログラム領域付近では回折光と非回折光とが十分に分離できない状態であっても、上記受光素子上では回折光および非回折光を良好に分離することが可能となる。
したがって、上記受光素子が、上記非回折光を受光する受光部を備えていることにより、該非回折光を高速信号の検出に用いることができる。
具体的には、上記非回折光を、RF信号とDPD法のTES信号等の高速信号の検出に用いることができる。また、上記回折光は、サーボ信号の検出に用いることができる。
これにより、例えば、回折光を用いて上記高速信号の検出を行った場合では、波長変動や公差の影響を受けるため、受光素子上で集光位置が変動することを考慮して、受光部を大きめに設計しておく必要があり、このような受光部面積の制約が、RF信号の高速再生を制限する要因となるが、本発明に係る光集積ユニットでは、そのような受光部面積の制約を受けない。したがって、良好なRF信号の高速再生を実現することができる。
また、上記回折手段における回折角度が小さい場合であっても、光路長を長く確保していることから、受光素子上での回折光と非回折光との分離を十分にできる。したがって、第1のホログラム領域および第2のホログラム領域の格子ピッチが大きくても、回折光と非回折光と十分に分離することができる。
すなわち、第1のホログラム領域および第2のホログラム領域の格子ピッチを大きく形成することができる。これにより、上記回折手段(第1のホログラム領域および第2のホログラム領域)の製造を容易に行うことができる。
また、本発明に係る光集積ユニットは、上記導光手段が、上記機能面によって反射された上記戻り光を反射する反射面を備えていることが好ましい。
これにより、回折された戻り光を所望の方向へ反射させることができるとともに、それに伴って、光路長をさらに長くすることができる。
また、本発明に係る光集積ユニットは、上記光源が、気密封止されたパッケージに収納された半導体レーザであることが好ましい。
これにより、光源が外気にさらされることがなくなり、特性劣化が生じにくくなる。
また、本発明に係る光集積ユニットは、上記光源が、上記受光素子と上記導光手段とに対して位置調整が可能であることが好ましい。
これにより、光源と受光素子とが正確に位置決めされるので、光源にパッケージに収納された半導体レーザを用いた場合においても、戻り光を確実に受光素子に入射させることができる。したがって、非回折光を受光する受光部の面積を最小にすることが可能になり、高速信号の検出が良好に行えるようになる。
また、本発明に係る光集積ユニットは、上記回折手段の上記導光手段が配置されている側とは反対側に、1/4波長板を備えていることが好ましい。
これにより、光源から出射される光ビームは直線偏光であるのに対し、1/4波長板を透過させることにより、該直線偏光が、光情報記録媒体上では円偏光として照射される。そのため、RF信号の生成等に際して光情報記録媒体の基板の複屈折による影響を受けにくい。さらに、光情報記録媒体上で反射された戻り光は、上記直線偏光とはその偏光振動面が直交する直線偏光となるため、回折手段に入射し、回折されて、上記機能面にて反射される戻り光の利用効率を高めることができる。
さらに、光ビームおよび戻り光の無用な干渉を抑えることができる。
また、本発明に係る光集積ユニットは、さらに、上記機能面に入射するまでの上記光ビームの光軸上に1/2波長板を備えていることが好ましい。
これにより、光源等の部品レイアウトの自由度が増すという効果がある。
例えば、上記機能面(偏光ビームスプリッタ面)に、P偏光の偏光振動面を有する光ビームのみを透過させる特性をもたせている場合、光源は、P偏光の偏光振動面を有する光ビームを出射するよう、そのレイアウトが制限される。そこで、上記機能面に入射するまでの上記光ビームの光軸上に1/2波長板を備えることにより、光源は、上記P偏光の光ビーム以外の光ビーム、すなわち、S偏光の光ビームを、出射するものであっても、光利用効率を低減することなく、適用することができる。すなわち、光源のレイアウトの自由度が増すという効果がある。その結果、光源の光強度分布の方向が変更可能になり、光源からコリメータレンズに至る光路に強度分布補正素子(図示せず)を配置する場合の強度分布補正素子の取付方向に対してもレイアウトの自由度が増すという効果がある。
また、本発明に係る光ピックアップ装置は、以上のような構成を備えた光集積ユニットを搭載することができる。
これにより、本発明に係る光ピックアップ装置は、小型軽量化を実現することができる。
本発明の光集積ユニットは、以上のように、光ビームを出射する光源と、上記光ビームを透過させ、光情報記録媒によって反射された該光ビームの戻り光を反射させる機能面を備え、該戻り光を上記光源とは異なる方向へ導く、上記光ビームの光軸上に設けられた導光手段と、上記導光手段によって導かれた上記戻り光を受光する受光素子と、を備えた光集積ユニットにおいて、上記光ビームおよび戻り光を回折する回折手段を、上記光ビームの光軸上に、かつ、上記機能面を透過した光ビームが入射する位置に、備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、上記光源から出射した光ビームは、上記導光手段を透過した後、上記回折手段に入射する。そのため、上記光源から出射し、上記回折手段に入射するまでの光ビームの光路長を長くすることができる。
光路長を長くすることができることによって、上記回折手段に入射する光ビームのビーム径を、上記光源と上記回折手段との間に上記導光手段を配置していない場合と比較して大きくすることができる。
これにより、経時変化や温度変化によって回折手段と導光手段の位置ずれが発生した場合であっても、サーボ信号の検出に与える影響を低減することができ、良好なサーボ信号の検出を実現することができる。
また、上記受光素子には、上記回折手段によって回折されて、上記導光手段を通過した上記戻り光が受光される。すなわち、上記回折手段を透過してから上記受光素子に入射するまでの間に上記導光手段を通過している。そのため、上記受光素子に受光されるまでの回折された戻り光の光路長を長くすることができる。
これにより、上記回折手段の回折角度を小さく設定した場合であっても、上記受光素子上での回折された光(戻り光)の分離を良好にすることができる。すなわち、小さな回折角度で受光素子上の回折光と非回折光の分離が可能となる。
したがって、非回折光と回折光の両方を検出して、非回折光を用いてRF信号やDPD法のTES信号のような高速信号を検出することができる。また、非回折光は、波長変動や公差の影響が小さいので、受光部の面積を小さくすることが可能になり、より高速の再生に対応できる。
また、本発明の光ピックアップ装置は、以上のように、上述した構成を備えた光集積ユニットを備えていることから、小型軽量化を実現することができる。
〔実施の形態1〕
本発明に係る実施の形態について、図1〜図6に基づいて説明すれば以下のとおりである。
なお、本実施の形態では、本発明の光集積ユニットを、光ディスク(光情報記録媒体)に対して光学的に情報の記録および再生を行う光情報記録再生装置に備えられた光ピックアップ装置に用いた場合について説明する。
図2は、本実施の形態の光集積ユニットを用いた光ピックアップ装置40の構成を示した概略図である。
図2に示した光ピックアップ装置40は、光集積ユニット1と、コリメータレンズ2と、対物レンズ3とを備えている。
図2において、光集積ユニット1に搭載された光源から出射した光ビームは、コリメータレンズ2により平行光にされた後、対物レンズ3を介して光ディスク4に集光される。そして、光ディスク4から反射した光(以下、これを「戻り光」を呼ぶ)は、再び対物レンズ3とコリメータレンズ2を通過して、光集積ユニット1に搭載された受光素子上に受光される。
光ディスク4は、基板4aと、光ビームが透過するカバー層4bと、基板4aとカバー層4bとの境界に形成された記録層4cと、によって構成されている。そして、対物レンズ3は、対物レンズ駆動機構(図示せず)によってフォーカス方向(z方向)とトラッキング方向(x方向)に駆動されるようになっており、光ディスク4の面振れや偏心があっても集光スポットが記録層4cの所定位置を追従するようになっている。
本実施の形態では、光集積ユニット1に波長405nm程度の短波長光源を備え、対物レンズ3にNA0.85程度の高NA対物レンズを備えた場合について説明する。本発明はこれに限定されるものではないが、このような短波長光源および高NA対物レンズを備えることにより、高密度の記録再生が可能になる。
図1(a)および(b)は、図2において図示した光集積ユニット1の構成を示した構成図である。なお、図1(a)は、図示した光軸方向(z方向)に対してy方向から見た側面図である。
上記光集積ユニット1は、図1(a)に示すように、半導体レーザ(光源)11と、受光素子12と、偏光ビームスプリッタ14(導光手段)と、偏光回折素子(回折手段)15と、1/4波長板16と、パッケージ17とを備えている。
上記パッケージ17は、ステム17aとベース17bとキャップ17cとによって構成されている。キャップ17cには、光を通過させるための窓部17dが形成されている。上記パッケージ17内には、半導体レーザ11および受光素子12が搭載されている。図1(b)は、パッケージ17内での半導体レーザ11と受光素子12の配置関係を示すために、パッケージ17を、図1(a)に図示した光軸方向(z方向)から(すなわち、キャップ17cの窓部17d側から)見た上面図である。
なお、図の煩雑化を避けるため、偏光ビームスプリッタ14と、偏光回折素子15と、1/4波長板16とは省略している。
図1(b)に示すように、ステム17a上に受光素子12が搭載されており、ステム17aの側部に半導体レーザ11が設けられている。半導体レーザ11から出射する光ビームの光路と、受光素子12に受光される戻り光の光路とが確保されるように、半導体レーザ11の光ビーム出射部および受光素子12の受光部が、キャップ17cに形成された窓部17dの領域に含まれるように配置されている。
次に、図1(a)に基づいて、各構成部材の配置を説明する。なお、以下の説明において、説明の便宜上、偏光ビームスプリッタ14における半導体レーザ11から出射する光ビーム20が入射する面を、偏光ビームスプリッタ14の光ビーム入射面とし、偏光ビームスプリッタ14における戻り光が入射する面を、偏光ビームスプリッタ14の戻り光入射面とする。また、偏光回折素子15における半導体レーザ11から出射する光ビーム20が入射する面を、偏光回折素子15の光ビーム入射面とし、偏光回折素子15における戻り光が入射する面を、偏光回折素子15の戻り光入射面とする。
図1(a)に示すように、上記偏光ビームスプリッタ14は、パッケージ17上に配置されている。具体的には、上記偏光ビームスプリッタ14の光ビーム入射面が、上記窓部17dを覆うようにパッケージ17上に配置されている。
上記偏光回折素子15は、その光ビーム入射面が、上記偏光ビームスプリッタ14の戻り光入射面に対向するように、かつ、半導体レーザ11から出射する光ビームの光軸上に、配置されている。
上記半導体レーザ11は、上述したように、波長λ=405nmの光ビーム20を出射するものを使用している。さらに、本実施の形態では、該光ビーム20は、図示した光軸方向(z方向)に対してx方向の偏光振動面を有する直線偏光(P偏光)である。半導体レーザ11から出射された光ビーム20は、偏光ビームスプリッタ14に入射する。
上記偏光ビームスプリッタ14は、偏光ビームスプリッタ(PBS)面(機能面)14aと、反射ミラー(反射面)14bとを有している。
本実施の形態における上記PBS面14aは、図示した光軸方向(z方向)に対してx方向の偏光振動面を有する直線偏光(P偏光)を透過し、該偏光振動面に垂直な偏光振動面を有する、すなわち、図示した光軸方向(z方向)に対してy方向の偏光振動面を有する直線偏光(S偏光)を反射するような特性をもつ。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、上記特性を変更することもできる。具体的には、後述する実施の形態3で説明するように、P偏光の一部を反射させるようにすることも可能である。
上記PBS面14aは、上記半導体レーザ11から出射されたP偏光を有する光ビームの光軸上に、該光ビーム20が透過するように配置されている。上記反射ミラー14bは、PBS面14aに対して平行になるように配置されている。
上記偏光ビームスプリッタ14の大きさとしては、半導体レーザ11から出射した光ビーム20がPBS面14aを透過でき、光情報記録媒体によって反射した戻り光が該PBS面14aによって反射され、反射された戻り光がさらに上記反射ミラー14bによって反射されて上記受光素子12に受光される構成を満たすものであれば、特に限定されるものではないが、上記パッケージ17のキャップ17cに形成された窓部17dの面積に対して、十分大きな寸法であることが好ましい。偏光ビームスプリッタ14の大きさが、キャップ17cの窓部の面積に対して十分大きな寸法であれば、偏光ビームスプリッタ14をキャップ17c上に接着固定することができる。これにより、パッケージ17を封止することができ、半導体レーザ11や受光素子12が外気にさらされることがなくなり、これらの特性劣化が生じにくくなる。
PBS面14aに入射した上記光ビーム20(P偏光)は、PBS面14aをそのまま透過する。PBS面14aを透過した上記光ビーム20は、次に、上記偏光回折素子15に入射する。
なお、本発明に係る光集積ユニットは、上記偏光ビームスプリッタ14に限定されるものではなく、上述したように、半導体レーザ11から出射した光ビーム20を透過でき、光情報記録媒体によって反射した戻り光を上記半導体レーザ11とは異なる方向へ導き、該戻り光の光路を変えることができ、該戻り光を上記受光素子12に受光させることができる構成であればよい。したがって、偏光ビームスプリッタ以外にも機能面14aをハーフムミラー面としたビームスプリッタを用いることもできる。
次に、上記偏光回折素子15について詳細に説明する。上記偏光回折素子15は、第1の偏光ホログラム素子31(第2のホログラム領域)および第2の偏光ホログラム素子32(第1のホログラム領域)から構成されている。
上記第1の偏光ホログラム素子31および上記第2の偏光ホログラム素子32はともに、光ビーム20の光軸上に配置されており、上記第1の偏光ホログラム素子31は、上記第2の偏光ホログラム素子32よりも半導体レーザ11側に配置された構成となっている。
上記第1の偏光ホログラム素子31はP偏光を回折させてS偏光を透過させ、上記第2の偏光ホログラム素子32はS偏光を回折させてP偏光を透過させる。これら偏光の回折は、各偏光ホログラム素子に形成された溝構造(格子)によって行われ、回折角度は、上記格子のピッチ(以下、これを格子ピッチとよぶ)によって規定される。
上記第1の偏光ホログラム素子31は、トラッキング誤差信号(TES)を検出するための3ビーム生成用のホログラムパターンが形成されている。
すなわち、PBS面14aを透過したP偏光の光ビーム20は、上記偏光回折素子15を構成する第1の偏光ホログラム素子31に入射すると、回折されてトラッキング誤差信号(TES)を検出するための3ビーム(メインビームおよび、2つのサブビーム)となって該第1の偏光ホログラム素子31から出射する。なお、上記第1の偏光ホログラム素子31の詳細なホログラムパターンについては、後述する。なお、3ビームを用いたTES検出方法としては、3ビーム法や、差動プッシュプル(DPP)法や、位相シフトDPP法等を用いることができる。
上記第2の偏光ホログラム素子32は、入射した光のうち、S偏光は回折させ、P偏光はそのまま透過させる。具体的には、上記第2の偏光ホログラム素子32は、入射したS偏光を、0次回折光(非回折光)と、+1次回折光(回折光)とに回折する。しかしながら、本発明は、この回折条件に限定されるものではなく、適宜設定することができる。具体的には、後述する実施の形態5では、入射したS偏光を、0次回折光(非回折光)と、±1次回折光(回折光)とに回折する上記第2の偏光ホログラム素子32を備えている。
すなわち、第1の偏光ホログラム素子31を出射したP偏光の光ビーム20は、上記第2の偏光ホログラム素子32に入射し、そのまま透過する。第2の偏光ホログラム素子32を透過したP偏光の光ビーム20は、上記1/4波長板16に入射する。なお、第2の偏光ホログラム素子32の詳細なホログラムパターンについては、後述する。
上記1/4波長板16は、直線偏光を入射し、円偏光に変換して出射することができる。したがって、1/4波長板16に入射したP偏光の光ビーム20(直線偏光)は、円偏光の光ビームに変換されて、光集積ユニット1から出射する。
光集積ユニット1から出射した円偏光の光ビームは、図2に示したように、コリメータレンズ2により平行光にされた後、対物レンズ3を介して光ディスク4に集光される。そして、光ディスク4によって反射された光ビームは、すなわち戻り光は、再び対物レンズ3とコリメータレンズ2を通過して、再び光集積ユニット1の上記1/4波長板16に入射する。
光集積ユニット1の1/4波長板16に入射する上記戻り光は円偏光であり、該1/4波長板16によって、図示した光軸方向(z方向)に対してy方向の偏光振動面を有する直線偏光(S偏光)に変換される。S偏光の戻り光は、上記第2の偏光ホログラム素子32に入射する。
上記第2の偏光ホログラム素子32に入射したS偏光の戻り光は、上述したように、0次回折光(非回折光)と、+1次回折光(回折光)とに回折されて出射する。該回折されたS偏光の戻り光(0次回折光および+1次回折光)は、上記第1の偏光ホログラム素子31に入射し、そのまま透過する。次に、該S偏光の戻り光は、上記偏光ビームスプリッタ14に入射し、上記PBS面14aによって反射され、反射ミラー14bによってさらに反射されて偏光ビームスプリッタ14から出射する。偏光ビームスプリッタ14から出射した該S偏光の戻り光は、上記受光素子12に受光される。なお、上記受光素子12の受光部パターンについては、後述する。
本実施の形態では、波長405nm程度の短波長光源を備え、対物レンズ3にNA0.85程度の高NA対物レンズを備えており、半導体レーザ11から偏光回折素子15(具体的には、第1の偏光ホログラム素子31)までの距離は、空気中の光路長換算で5mm程度としている。また、偏光回折素子15(具体的には、第2の偏光ホログラム素子32)から受光素子12までの距離(光路長)は、5mm程度としている。
しかしながら、本発明はこの値に限定されるものではなく、波長405nm程度の短波長光源を備え、対物レンズ3にNA0.85程度の高NA対物レンズを備えた場合では、半導体レーザ11から偏光回折素子15(具体的には、第1の偏光ホログラム素子31)までの距離は、第1の偏光ホログラム素子31上の光ビームの有効径を大きくすることが可能になるので、出来るだけ長くすることが特性上は好ましいが、光学系の小型化も考慮する必要があるので、空気中の光路長換算で3〜7mmとすることが好ましく、5mm程度とすることが最適である。また、偏光回折素子15(具体的には、第2の偏光ホログラム素子32)から受光素子12までの距離(光路長)は、非回折光の焦点近傍に設計する必要があり、半導体レーザ11から偏光回折素子15(具体的には、第1の偏光ホログラム素子31)までの距離と同程度になる。
次に、図3を用いて、第1の偏光ホログラム素子31に形成されるホログラムパターンについて説明する。
なお、第1の偏光ホログラム素子31における格子ピッチは、受光素子12上で3ビームが十分分離されるように設計されている。
本実施の形態では、半導体レーザ11と第1の偏光ホログラム素子31の距離を空気中の光路長換算で5mm程度とし、受光素子12上でのメインビームとサブビームとの間隔を150μm程度となるようにしている。また、光ディスク4上でのメインビームとサブビームとの間隔を16μm程度になるようにしている。受光素子12上でのメインビームとサブビームとの間隔を150μm程度、光ディスク4上でのメインビームとサブビームとの間隔を16μm程度と設計する場合、本実施の形態における上記格子ピッチは14μm程度であることが好ましい。
しかしながら、本発明はこの値に限定されるものではなく、受光素子12上でのメインビームとサブビームとの間隔は、出来るだけ広くすることが受光部間の信号クロストークを小さくできるので信号特性上は好ましいが、光学系の小型化も考慮する必要があるので、必要最低限である100〜200μm、好ましくは150μm程度となるように設計される。一方、光ディスク4上でのメインビームとサブビームとの間隔は、狭いほど組立誤差の影響で発生するトラッキング誤差信号のオフセットが小さくなるので好ましいが、上記の受光素子12上でのメインビームとサブビームとの間隔を決定すると同時に決定してしまう。例えば、波長405nm程度の光源11と焦点距離1.2mm程度の対物レンズ3と焦点距離11mm程度のコリメータレンズ2を用いた場合、受光素子12上でのメインビームとサブビームとの間隔を100〜200μmとすると、光ディスク4上でのメインビームとサブビームとの間隔は11〜22μmとなり、この場合の格子ピッチは20〜10μmに設計される。したがって、光ディスク4上でのメインビームとサブビームとの間隔を十分狭くすることができない場合は、3ビーム法やDPP法に対して組立誤差の影響で発生するトラッキング誤差信号のオフセットが小さいという特徴を持つ位相シフトDPP法をトラッキング誤差信号検出方式として採用することが好ましい。
図3は、第1の偏光ホログラム素子31に形成されるホログラムパターンを示した模式図である。ホログラムパターンとしては、3ビーム法または差動プッシュプル法(DPP法)を用いたトラッキング誤差信号(TES)の検出のための規則的な直線格子でもよいが、ここでは特許文献2に開示されている位相シフトDPP法を採用した場合について説明する。
図3における第1の偏光ホログラム素子31のホログラムパターンは、領域31aと領域31bの2つの領域で構成されている。領域31aと領域31bは、周期構造の位相差が180度異なっている。このような周期構造とすることでサブビームのプッシュプル信号振幅がほぼ0となり、対物レンズシフトやディスクチルトに対してオフセットがキャンセル可能になる。第1の偏光ホログラム素子31上の光ビーム20は、領域31aと領域31bに対して正確な位置あわせをするほど、良好なオフセットキャンセル性能が得られる。また、光ビーム20の有効径が大きいほど、経時変化や温度変化によって光ビーム20と領域31aとの位置ずれおよび、光ビーム20と領域31bとの位置ずれが発生した場合の影響を小さくすることができる。すなわち、後に検出されるサーボ信号に与える影響を小さくすることができる。
本実施の形態では、図2におけるコリメータレンズ2の有効NAが0.1程度の光学系で、半導体レーザ11から第1の偏光ホログラム素子31までの距離を空気中の光路長換算で5mm程度として、第1の偏光ホログラム素子31上の光ビーム20の有効径がφ1mm程度の大きさになるように設計することができる。
したがって、従来技術の場合の有効径φ0.2mm〜φ0.4mmに対して2.5〜5倍にすることが可能になる。
しかしながら、本発明はこの値に限定されるものではなく、コリメータレンズ2の有効NAが0.1程度の光学系の場合、第1の偏光ホログラム素子31上の光ビーム20の有効径がφ0.6〜1.4mmが好ましい。
次に、図4を用いて、第2の偏光ホログラム素子32に形成されるホログラムパターンについて説明する。
図4は、第2の偏光ホログラム素子32に形成されるホログラムパターンを示した模式図である。第2の偏光ホログラム素子32のホログラムパターンは、3つの領域32a、32b、32cから構成される。具体的には、トラッキング方向に対応するx方向の境界線32xによって2分割された一方の半円領域32cと、他方の半円領域がさらに円弧状の境界線によって分割された内周領域32aおよび外周領域32bである。なお、図中において、戻り光を点線で示している。
上記第2の偏光ホログラム素子32の各領域における格子ピッチは、領域32bが一番小さく(回折角度が最大)、領域32cが一番大きく(回折角度が最小)、領域32aはこれらの中間の数値となっている。球面収差を補正するために用いられる球面収差誤差信号(SAES)は、領域32aおよび領域32bからの+1次回折光を用いて検出できる。また、焦点位置ずれを補正するために用いられる焦点誤差信号(FES)は、領域32cからの+1次回折光を用いたシングルナイフエッジ法、または、領域32aと領域32bと領域32cからの+1次回折光を用いたダブルナイフエッジ法によって検出できる。
本発明では、0次回折光を、RF信号とDPD法のTES信号等の高速信号の検出に用いる。この場合、受光素子12上での0次回折光と+1次回折光との間隔を、0.5〜1.2mm、より好ましくは0.7mm〜0.9mm程度になるようにする必要がある。上記の範囲で0次回折光と+1次回折光とを分離しようとするためには、第2のホログラム素子32から受光素子12までの距離が空気中の光路長換算で5mm程度とした場合では、第2のホログラム素子32における回折角度を、5〜10degとすることが好ましく、7〜9deg程度とすることがより好ましい。
例えば、第2のホログラム素子32から受光素子12までの距離が空気中の光路長換算で5mm程度の場合に、受光素子12上での0次回折光と+1次回折光の分離を0.8mm程度に設定すると、回折角度は8deg程度になる。この回折角度を実現するために、第2のホログラム素子32に形成される格子のピッチは、本実施の形態における光ビームの波長であるλ=405nmの青色光学系の場合、2.8μm程度になる。すなわち、この格子ピッチは、従来技術の場合の0.7μmに対して4倍にすることができる。そのため、上述したような製造上問題のない形状となる。さらに、回折角度が小さい(従来技術の回折角度35degに対して約1/4となる)ので、波長変動や位置ずれ等の誤差要因が発生した場合であっても、受光素子12上での集光位置の変動が小さいという効果が得られる。
また、第1の偏光ホログラム素子31と第2の偏光ホログラム素子32とは、マスク精度で正確な位置決めをして一体的に作製することが可能である。したがって、所定のサーボ信号が得られるように第2の偏光ホログラム素子32の位置調整を行うと同時に、第1の偏光ホログラム素子の位置調整が完了する。すなわち、光集積ユニット1の組立調整が容易になる共に、調整精度が高いという効果が得られる。
次に、図5(a)・(b)を用いて、第2の偏光ホログラム素子32の分割パターンと受光素子12の受光部パターンの関係を説明する。
図5(a)は、図2における光ディスク4のカバー層4bの厚みに対して、対物レンズ3による集光ビームに球面収差が発生しないように、コリメータレンズ2の光軸方向の位置調整がなされている状態で記録層4c上に合焦状態に集光している場合の、受光素子12上での光ビームを示している。さらに、図4において説明した第2の偏光ホログラム素子32の3つの領域32a〜32cと+1次回折光の進行方向の関係も示している。なお、実際は、第2の偏光ホログラム素子32の中心位置は、受光部12a〜12dの中心位置に対応する位置に設置されるが、説明のため、光軸方向(z方向)に対してy方向にずらして図示している。
図5(a)に示すように、受光素子12は12a〜12nの14個の受光部で構成されている。往路光学系において第1の偏光ホログラム素子31で形成された3つの光ビーム(メインビーム,2つのサブビーム)21は、光ディスク4で反射して復路光学系において第2の偏光ホログラム素子32により非回折光(0次回折光)22と回折光(+1次回折光)23に分離される。受光素子12は、非回折光22および回折光23のうち、RF信号やサーボ信号の検出に必要な光ビームを受光するための受光部を備えている。
具体的には、第2の偏光ホログラム素子32の3つの非回折光(0次回折光)22と、9つの+1次回折光23の合計12個のビームが形成される。そのうち、非回折光(0次回折光)22は、プッシュプル法によるTES検出ができるように、ある程度の大きさを有した光ビームとなるように設計される。本実施の形態では、上記非回折光(0次回折光)22のビーム径がある程度の大きさを有するように、受光素子12を、非回折光22の集光点に対して若干奥側にずらした位置に設置している。なお、本発明はこれに限定されるものではなく、受光素子12を非回折光22の集光点に対して手前側にずらした位置に設置するものであってもよい。
このように、ある程度の大きさの光ビーム径を有した光ビームが受光部12a〜12dの境界部に集光されるので、これらの4つの受光部(12a〜12d)の出力が等しくなるように調整することで、非回折光22と受光素子12の位置調整が可能である。
図5(b)は、図5(a)の状態から、図2における対物レンズ3が光ディスク4に近づいた場合の、受光素子12上での光ビームを示している。対物レンズ3が光ディスク4に近づくことによって、光ビームのビーム径が大きくなる。しかしながら、受光部からの光ビームのはみ出しは発生していない。
次に、図4と図5(a)・(b)を用いて、サーボ信号生成の動作について説明する。なお、ここでは受光部12a〜12nの出力信号をSa〜Snと表す。
RF信号(RF)は、非回折光を用いて検出する。すなわち、RF信号(RF)は、
RF=Sa+Sb+Sc+Sd
で与えることができる。
DPD法によるトラッキング誤差信号(TES1)は、Sa〜Sdの位相比較を行うことにより検出される。具体的には、以下の原理が利用される。光ディスク4の記録層4cに形成されたピット列を対物レンズ3により集光された光ビームが走査する場合、ピット列と光ビームの位置関係により反射ビームの強度分布パターンが変化する。そこで、(Sa+Sc)と(Sb+Sd)を検出すると、光ビームがピット列の中央を走査している場合には同位相であるのに対して、光ビームがピット列の中央からずれた位置を走査している場合には、ずれの方向により逆方向となる位相差が生じる。したがって、(Sa+Sc)と(Sb+Sd)の位相差を検出することによりトラッキング誤差信号が得られる。
位相シフトDPP法によるトラッキング誤差信号(TES2)は、
TES2={(Sa+Sb)−(Sc+Sd)}
−α{(Se−Sf)+(Sg−Sh)}
で与えられる。なお、ここで、αは対物レンズシフトや光ディスクチルトによるオフセットをキャンセルするのに最適な係数に設定される。
フォーカス誤差信号(FES)は、ダブルナイフエッジ法を用いて検出する。すなわち、FESは、
FES=(Sm−Sn)−{(Sk+Si)−(Sl+Sj)}
で与えられる。
上述したように、本実施の形態における光ピックアップ装置は、光集積ユニット1に波長405nm程度の短波長光源と、対物レンズ3にNA0.85程度の高NA対物レンズを搭載し、高密度の記録再生が可能になっている。本実施の形態を含め、光ディスクの記録密度を大きくするためには、レーザ光を短波長化することと、対物レンズの開口数NAを大きくすることが必要である。例えば、CD(Compact Disc)に比較して高密度化が図られたDVD(Digital Versatile Disc)では、開口数NAが0.6の対物レンズと、波長が650nmのレーザ光を用いて大容量化を実現している。さらに、BD(blu-ray Disc)では、開口数NAが0.85の対物レンズと、波長が405nmのレーザ光を用いてさらなる大容量化を実現している。しかし、大容量化が図られた光ディスクでは、対物レンズの開口数NAが大きくなるに従って、収差の影響が問題となる。
光ディスクの記録領域にレーザ光が照射された際に、情報が記録された記録層上に照射されるレーザ光が透過される距離であるレーザ光の入射面と記録層との間のカバー層の厚さt(以下、ディスク基板厚さtと称する)の誤差によって発生する球面収差は、開口数NAの4乗に比例して増加する。この球面収差を抑制するためには、ディスク基板厚さtの寸法公差を小さくすることが効果的である。例えば、レーザ光の波長が780nm、開口数NAが0.45であるCDのディスク基板厚さtの寸法公差は±100μm、レーザ光の波長が650nm、開口数NAが0.6であるDVDのディスク基板厚さtの寸法公差は±30μmであるのに対して、本実施の形態と同様、レーザ光の波長が405nm、開口数NAが0.85である次世代高密度光ディスクのディスク基板厚さtの寸法公差は±3μmになる。このように、大容量化が図られるに従って、ディスクの製作精度は加速度的に厳しくなる。
しかし、ディスク基板厚さtの誤差は光ディスクの製造方法に依存するため、ディスク基板厚さtの寸法精度を高めることが非常に困難であるという問題がある。また、ディスク基板厚さtの寸法精度を高めることは、光ディスクの製造コストを増加させてしまうという不都合がある。したがって、光ピックアップ装置に、光ディスクを再生する際に生じる球面収差を補正する機能を有することが求められる。
一般的には、ビームエキスパンダ等のレンズを機械的に移動させることで球面収差補正が行われる。この球面収差補正を正確かつ高速に行うために、球面収差補正の目標となる球面収差誤差信号の検出が必要になる。
本実施の形態においても、カバー層4bの厚み誤差で生じる球面収差を補正するために、コリメータレンズ2をコリメータレンズ駆動機構(図示せず)により光軸方向に位置調整をするか、コリメータレンズ2と対物レンズ3の間に配置した2枚のレンズ群で構成されるビームエキスパンダ(図示せず)をビームエキスパンダ駆動機構(図示せず)の間隔調整をするようになっている。
このような駆動機構を制御する球面収差補正信号の検出には、様々な方法が提案されている。例えば、戻り光をホログラム素子により2つの光ビームに分離して、2つの光ビームの焦点位置に基づいて球面収差誤差信号を検出する方法がある(特許文献3を参照)。
本実施の形態においても、球面収差誤差信号(SAES)は内外周に分離した光ビームからの検出信号を用いて検出する。すなわち、SAESは、
SAES=(Sk−Sl)−β(Si−Sj)
で与えられる。なお、ここで、βはSAESのオフセットをキャンセルするのに最適な係数に設定される。
図6(a)、図6(b)は光ディスク4のカバー層4bの厚み誤差の影響で対物レンズ3の集光ビームに球面収差が発生している状態で、光ディスク4が対物レンズ3の焦点に位置している場合の受光素子12上での光ビームの形状を説明する図である。球面収差が残存するため内周側ビームと外周側ビームが分割線に対して逆方向に大きくなっている。これは、図6(a)と図6(b)で球面収差の発生方向(厚み誤差の符号)が異なるためである。
以上のように、上記光集積ユニット1を用いることにより、上記偏光回折素子15には上記偏光ビームスプリッタ14を透過した光ビームが入射し、かつ、上記受光素子12には、偏光回折素子15によって回折されて、偏光ビームスプリッタ14を通過した上記戻り光が受光される。
すなわち、上記光源から出射した光ビーム20は、上記偏光ビームスプリッタ14を透過した後、上記偏光回折素子15(第1のホログラム素子31)に入射する。そのため、上記光源から出射し、上記第1のホログラム素子31に入射するまでの光ビーム20の光路長を長くすることができる。
光路長を長くすることができることによって、上記第1のホログラム素子31に入射する光ビーム20のビーム径を、上記半導体レーザ11と上記第1のホログラム素子31との間に上記偏光ビームスプリッタ14を配置していない場合と比較して大きくすることができる。
これにより、経時変化や温度変化によって回折手段と導光手段の位置ずれが発生した場合であっても、サーボ信号の検出に与える影響を低減することができ、良好なサーボ信号の検出を実現することができる。
また、上記受光素子12には、上記偏光回折素子15(第2のホログラム素子32)によって回折されて、上記偏光ビームスプリッタ14を通過した上記戻り光が受光される。すなわち、上記第2のホログラム素子32を透過してから上記受光素子12に入射するまでの間に上記偏光ビームスプリッタ14を通過している。そのため、上記受光素子12に受光されるまでの回折された戻り光の光路長を長くすることができる。
これにより、上記偏光回折素子15(第1のホログラム素子31および第2のホログラム素子32)の回折角度を小さく設定した場合であっても、上記受光素子12上での回折された光(戻り光)の分離を良好にすることができる。
また、上記光集積ユニット1を用いることにより、上記偏光回折素子15は、第1のホログラム素子31および第2のホログラム素子32を備え、その各々が所定の偏光振動面を有する偏光を回折させ、該偏光振動面に垂直な偏光振動面を有する偏光はそのまま透過させる偏光回折素子であり、上記第1のホログラム素子31と第2のホログラム素子32とは、それぞれに設けられた上記所定の偏光振動面が互いに垂直となるように、上記光ビーム20の光軸上に配置されている。
これにより、上記第1のホログラム領域にて回折された偏光は、第2のホログラム領域をそのまま透過し、反対に、上記第2のホログラム領域にて回折された偏光は、第1のホログラム領域をそのまま透過する。すなわち、上記偏光回折素子15を設けることによって、上記光ビームおよび戻り光を回折することができる。
また、本発明に係る光集積ユニットは、上記第2のホログラム素子32は、上記戻り光を非回折光と回折光とに回折することが好ましい。
光集積ユニット1は、受光素子に受光される回折された戻り光の光路長が長いことから、上記戻り光を非回折光と回折光とに回折した場合であっても、上記受光素子12上にてこれらを十分に分離することができる。
すなわち、上記第2のホログラム素子32付近では回折光と非回折光とが十分に分離できない状態であっても、長い光路を通過する間に、回折光と非回折光との間隔が広がり、上記受光素子12上では回折光および非回折光を良好に分離することが可能となる。
また、本発明に係る光集積ユニットは、上記第1のホログラム素子31は、上記光ビームを3ビームに分割することが好ましい。
これにより、3ビーム法等によるトラッキング誤差信号を検出することができる。
また、光集積ユニット1を用いることにより、上記受光素子12が、上記回折光を受光する受光部を備えるとともに、上記非回折光を受光する受光部を備えている。
上述したように、光集積ユニット1は、回折された上記戻り光(回折光および非回折光)の光路長を長くすることができることから、上記第2のホログラム素子32付近では回折光と非回折光とが十分に分離できない状態であっても、上記受光素子12上では回折光および非回折光を良好に分離することが可能となる。
したがって、上記受光素子12が、上記非回折光を受光する受光部を備えていることにより、該非回折光を高速信号の検出に用いることができる。
具体的には、上記非回折光を、RF信号とDPD法のTES信号等の高速信号の検出に用いることができる。また、上記回折光は、サーボ信号の検出に用いることができる。
これにより、例えば、回折光を用いて上記高速信号の検出を行った場合では、波長変動や公差の影響を受けるため、受光素子12上で集光位置が変動することを考慮して、受光部を大きめに設計しておく必要があり、このような受光部面積の制約が、RF信号の高速再生を制限する要因となるが、光集積ユニット1では、そのような受光部面積の制約を受けない。したがって、良好なRF信号の高速再生を実現することができる。
また、上記偏光回折素子15における回折角度が小さい場合であっても、光路長を長く確保していることから、受光素子12上での回折光と非回折光との分離を十分にできる。したがって、第1のホログラム素子31および第2のホログラム素子32の格子ピッチが大きくても、回折光と非回折光と十分に分離することができる。
すなわち、第1のホログラム素子31および第2のホログラム素子32の格子ピッチを大きく形成することができる。これにより、上記偏光回折素子15(第1のホログラム素子31および第2のホログラム素子32)の製造を容易に行うことができる。
また、光集積ユニット1を用いることにより、上記偏光ビームスプリッタ14が、さらに反射ミラー14bを備えていることから、回折された戻り光を所望の方向へ反射させることができるとともに、それに伴って、光路長をさらに長くすることができる。
また、光集積ユニット1を用いることにより、上記半導体レーザ11が、気密封止されたパッケージ17に収納されていることから、半導体レーザ11が外気にさらされることがなくなり、特性劣化が生じにくくなる。
また、光集積ユニット1を用いることにより、上記半導体レーザ11が、上記受光素子12と上記偏光ビームスプリッタ14とに対して位置調整が可能であることから、半導体レーザ11と受光素子12とが正確に位置決めされるので、パッケージ17に収納された半導体レーザ11を用いた場合においても、戻り光を確実に受光素子12に入射させることができる。したがって、非回折光を受光する受光部の面積を最小にすることが可能になり、高速信号の検出が良好に行えるようになる。
また、光集積ユニット1を用いることにより、上記偏光回折素子15の上記偏光ビームスプリッタ14が配置されている側とは反対側に、1/4波長板16を備えていることから、半導体レーザ11から出射される光ビームは直線偏光であるのに対し、1/4波長板16を透過させることにより、該直線偏光が、光ディスク4上では円偏光として照射される。そのため、RF信号の生成等に際して基板4aの複屈折による影響を受けにくい。さらに、光ディスク4上で反射された戻り光は、上記直線偏光とはその偏光振動面が直交する直線偏光となるため、偏光回折素子15に入射し回折されて、上記PBS面14aにて反射される戻り光の利用効率を高めることができる。さらに、光ビームおよび戻り光の無用な干渉を抑えることができる。
また、本実施の形態における光ピックアップ装置40は、以上のような構成を備えた光集積ユニット1を搭載することができることから、小型軽量化を実現することができる。
なお、本実施の形態では、第1のホログラム素子31によって3ビームを生成する構成で説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、TES生成用に3ビームを用いない1ビーム用の光集積ユニットにも適用可能である。
なお、図12に示すように、本発明における光ピックアップ装置としては、1/4波長板16を取り外した光集積ユニット1’を搭載し、外付けの1/4波長板5と組み合わせた構成とすることも可能である。
なお、本実施の形態では、光ビームおよび戻り光を回折する偏光回折素子15が、偏光ビームスプリッタ14における半導体レーザ11とは反対側に配置された構成であるが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明の光集積ユニットは、トラッキング誤差信号検出のための3ビームを生成するための回折素子33が、図7に示したように、偏光ビームスプリッタ14における半導体レーザ11側に配置されている構成であってもよい。TES検出に3ビーム法やDPP法を用いる場合には、回折素子33のxy方向の位置調整は不要である。光ディスク4のトラック方向と3ビームの配列方向を合わせるための回転調整が必要であるが、これは光集積ユニット1全体を、光軸中心の回転調整を行えばよい。したがって、回折素子33は無調整でパッケージ17に固定しておくことが可能である。回折素子33は、戻り光は通過せず、光ビーム20のみを通過させるので、偏光特性を持たせる必要はない。したがって、回折素子33には偏光特性を持たない通常のホログラム素子を用いることができる。また、図7に示すように、回折素子33を用いてパッケージ17を封止することができるため、半導体レーザ11や受光素子12の特性劣化を抑えることができるという効果がある。
また、本発明は、換言すれば、以下のような点を特徴としているとも表現できる。すなわち、本発明に係る光集積ユニットは、光源と、光情報記録媒体からの戻り光を上記光源と異なる方向に導く導光手段と、偏光回折素子と、受光素子とが一体化された光集積ユニットにおいて、上記導光手段の上記光源および上記受光素子と対向する側に上記偏光回折素子が配置されることを特徴としている。
この場合、さらに、上記導光手段は、少なくとも互いに平行な2つの反射面を備えた偏光ビームスプリッタであることを特徴とすることもできる。
〔実施の形態2〕
本発明にかかる他の実施の形態について、図8(a)・(b)に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施の形態では、上記実施の形態1との相違点について説明するため、説明の便宜上、実施の形態1で説明した部材と同様の機能を有する部材には同一の番号を付し、その説明を省略する。
図8(a)・(b)は、本発明の第2の実施形態の光集積ユニットの構成を示した構成図である。図8(a)は、図示した光軸方向(z方向)に対してy方向から見た側面図であり、図8(b)は、パッケージ17内での半導体レーザ11と受光素子12の配置関係を示すために、パッケージ17を、図8(a)に図示した光軸方向(z方向)から(すなわち、キャップ17cの窓部17d側から)見た上面図である。
本実施の形態における光集積ユニットは、上記実施の形態1の光集積ユニットにおける半導体レーザ11の取り付け方向が異なっている。また、本実施の形態の光集積ユニットには、1/2波長板13が設けられている。
すなわち、上記実施の形態1では、図2に示す半導体レーザ11は、図示した光軸方向(z方向)に対してx方向の偏光振動面を有する直線偏光(P偏光)である。これに対し、本実施の形態では、図示した光軸方向(z方向)に対してy方向の偏光振動面を有する直線偏光(S偏光)の光ビーム21を出射するようにパッケージ17内に設置している。
本実施の形態における半導体レーザ11は、図示した光軸方向(z方向)に対してy方向の偏光振動面を有するS偏光の光ビーム21であることから、この光ビーム21が、そのまま上記実施の形態1における偏光ビームスプリッタ14に入射すると、PBS面14aで全て反射されて光ディスク4に向かう光ビームがなくなってしまうことになる。
そこで、本実施の形態では、上記実施の形態1の構成とは異なり、半導体レーザ11と偏光ビームスプリッタ14との間の光路中に、1/2波長板13を配置している。1/2波長板13を配置していることにより、光ビーム21の偏光振動面を図示した光軸方向(z方向)に対してx方向の直線偏光(P偏光)に変換することによって、偏光ビームスプリッタ14の偏光のPBS面14aを全て透過するようにできる。
したがって、1/2波長板13を備えることにより、半導体レーザ11が、上記P偏光の光ビーム以外の光ビームを、すなわち、S偏光の光ビームを、出射するものであっても、光利用効率を低減することなく、適用することができる。
さらに、これにより、半導体レーザ11や強度分布補正素子(図示せず)の部品レイアウトの自由度が増すという効果がある。さらに、対物レンズ3に入射する光ビームのRIM強度についての設計の自由度が増すという効果もある。
〔実施の形態3〕
本発明にかかる他の実施の形態について、図9(a)・(b)に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施の形態では、上記実施の形態1との相違点について説明するため、説明の便宜上、実施の形態1で説明した部材と同様の機能を有する部材には同一の番号を付し、その説明を省略する。
図9(a)・(b)は、本発明の第3の実施形態の光集積ユニットの構成を示している。図9(a)は、図示した光軸方向(z方向)に対してy方向から見た側面図であり、図9(b)は、パッケージ17内での半導体レーザ11と受光素子12の配置関係を示すために、パッケージ17を、図9(a)に図示した光軸方向(z方向)から(すなわち、キャップ17cの窓部17d側から)見た上面図である。
本実施の形態における光集積ユニットは、上記実施の形態1の光集積ユニットにおける偏光ビームスプリッタ14に、反射面14cが追加された構成であるとともに、パッケージ17内にAPC(対物レンズ出射光の光量制御)用の受光素子(APC用受光素子)18が追加された構成となっている。
すなわち、上記実施の形態1では、半導体レーザ11からの出射光20は偏光ビームスプリッタ14のPBS面14aを透過して光集積ユニット1から出射され、対物レンズ3に向かう光路のみであったが、本実施の形態では、半導体レーザ11からの出射光20は偏光ビームスプリッタ14のPBS面14aを透過して光集積ユニット1から出射され、対物レンズ3に向かう光路に加えて、PBS面14aで反射した後、反射面14cで反射されてAPC用受光素子18に入射する光路を備えている。半導体レーザ11からの出射光量に比例して、対物レンズ3からの出射光量と、APC用受光素子18への入射光量が変化するので、APC用受光素子18で検出された光量を用いて、対物レンズ3からの出射光量を正確に制御することができる。
本実施の形態では、APC用受光素子18への入射光を確保するため、上記実施の形態1の構成とは以下の点で異なる構成を備えている。すなわち、本実施の形態では、(1)PBS面14aの特性を若干修正してP偏光の一部を反射させるか、(2)半導体レーザ11の取り付け方向を光軸中心に回転させるか、半導体レーザ11と偏光ビームスプリッタ14の間に1/2波長板(図示せず)を追加して、S偏光成分を有する光ビームをPBS面14aに入射させるようにする。
このような構成とすることにより、光集積ユニット1内に、APC用の受光素子18まで一体化することができる。したがって、光ピックアップ装置の一層の小型化が実現できるという効果がある。
〔実施の形態4〕
本発明にかかる他の実施の形態について、図10に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施の形態では、上記実施の形態1との相違点について説明するため、説明の便宜上、実施の形態1で説明した部材と同様の機能を有する部材には同一の番号を付し、その説明を省略する。
図10は、本発明の第4の実施形態の光集積ユニット1の構成を示している。本実施の形態における光集積ユニットは、半導体レーザ11および受光素子12の構成が異なっている。
すなわち、上記実施の形態1では、半導体レーザ11および受光素子12はそのままパッケージ17内に配置されている。これに対し、本実施の形態は、半導体レーザ11および受光素子12がそれぞれ独立したパッケージ18、19に収納されている。すなわち、本実施の形態における半導体レーザ11および受光素子12は、図10に示すように、半導体レーザ11および受光素子12がそれぞれ独立したパッケージ18、19に収納され、パッケージ18、19に収納された状態でさらに上記実施の形態1と同じパッケージ17に集積化されている。
これにより、半導体レーザ11や受光素子12を確実に封止することが可能になるので、特性劣化を確実に抑えることができるという効果がある。
また、パッケージ17は封止する必要が無くなり、偏光ビームスプリッタ14の大きさは窓部17dを完全にカバーしなくても良くなるので、部品形状の小型化が可能になり集積ユニットの小型軽量化と低コスト化が可能になるという効果がある。
さらに、半導体レーザ11および受光素子12の取り扱いが容易になるため、取り扱いミスによる故障が発生しにくくなるとともに、半導体レーザ11や受光素子12が故障した場合の修理も容易になる。
さらに、半導体レーザ11が偏光ビームスプリッタ14と受光素子12とに対して位置調整可能なので、組立誤差を吸収して確実に戻り光を受光素子12に入射させることができるという効果がある。
〔実施の形態5〕
本発明にかかる他の実施の形態について、図11(a)・(b)に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施の形態では、上記実施の形態1との相違点について説明するため、説明の便宜上、実施の形態1で説明した部材と同様の機能を有する部材には同一の番号を付し、その説明を省略する。
上記実施の形態1の第2の偏光ホログラム素子32では、入射したS偏光を、0次回折光(非回折光)と、+1次回折光(回折光)とに回折する。これに対し、本実施の形態では、入射したS偏光を、0次回折光(非回折光)と、±1次回折光(回折光)とに回折する第2の偏光ホログラム素子32を備えている。さらに、上記実施の形態1の受光素子12は、0次回折光(非回折光)および+1次回折光(回折光)を受光する受光部パターンが構成されていたのに対し、本実施の形態の受光素子12には、第2の偏光ホログラム素子32が、入射したS偏光を0次回折光(非回折光)と±1次回折光(回折光)とに回折するのに伴って、0次回折光(非回折光)と、−1次回折光(回折光)と、+1次回折光(回折光)を受光する受光部パターンが構成されている。
図11(a)・(b)は、本実施の形態の光集積ユニットに備えられた第2の偏光ホログラム素子32の分割パターンと受光素子12の受光部パターンの関係を説明する。図11(a)は、図2における光ディスク4のカバー層4bの厚みに対して、対物レンズ3による集光ビームに球面収差が発生しないように、コリメータレンズ2の光軸方向の位置調整がなされている状態で記録層4c上に合焦状態に集光している場合の、受光素子12上での光ビームを示している。
図11(a)に示すように、上記受光素子12は12a〜12nの14個の受光部で構成されている。往路光学系において第1の偏光ホログラム素子31で形成された3つの光ビーム21は、光ディスク4で反射して復路光学系において第2の偏光ホログラム素子32により非回折光(0次回折光)22と回折光(±1次回折光)23に分離される。
受光素子12には、非回折光(0次回折光)22および回折光(±1次回折光)のうちRF信号やサーボ信号の検出に必要な光ビームを受光するための受光部が備えられている。具体的には、第2の偏光ホログラム素子32の3つの非回折光(0次回折光)40と、6つの+1次回折光41と,3つの−1次回折光42の合計12個のビームが形成される。ここでは、ホログラムパターンがブレーズされている。すなわち、特定次数の回折光の光強度が強くなるように、格子の断面形状が斜面形状または階段形状に形成されている。本実施の形態では、領域32aと領域32bは+1次回折光、領域32cは−1次回折光に光強度が集中するような断面形状となっている。そのため、不要な回折光の光強度を抑制して信号検出に利用する回折光の光強度を上げることで、検出信号の信号品質を向上することが可能になる。しかし、第2の偏光ホログラム素子32は非回折光も発生させていることから、不要な回折光を完全に除去することはできない。したがって、受光素子12の受光部12i〜12nの形状は、不要な回折光(図示せず)が入射しないようにx方向の間隔が十分確保できるように設計されている。
なお、図11(b)は、図11(a)の状態から、図2における対物レンズ3が光ディスク4に近づいた場合の、受光素子12上での光ビームを示している。対物レンズ3が光ディスク4に近づくことによって、光ビームのビーム径が大きくなる。しかしながら、受光部からの光ビームのはみ出しは発生していない。
このように、+1次回折光と−1次回折光の両方を用いることによって、偏光回折素子15の光軸中心の回転調整によりダブルナイフエッジ法のFES信号のオフセット調整が確実に行うことができるという効果がある。
なお、本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、光ディスクなどの光記録媒体に情報を記録または再生する際に用いられる光ピックアップの小型化を実現するための光集積ユニットおよびそれを備えた光ピックアップ装置に好適に利用することができる。
(a)は、本発明に係る第1の実施の形態における光集積ユニットの構成を示した構成図であり、(b)は、(a)に図示した光集積ユニットの上面図である。 図1に示した光集積ユニットを用いた光ピックアップ装置の構成を示した概略構成図である。 本発明に係る各実施の形態における光集積ユニットに用いる第1の偏光ホログラム素子のホログラムパターンを示す構成図である。 本発明に係る各実施の形態における光集積ユニットに用いる第2の偏光ホログラム素子のホログラムパターンを示す構成図である。 本発明に係る第1〜5の実施の形態における光集積ユニットに用いる受光素子の受光部パターンを説明する図であり、(a)は、上記受光部パターンに、球面収差が発生していない場合における光ビームの受光状態を示し、(b)は、(a)の状態から対物レンズが光ディスクに近づいた場合における光ビームの受光状態を示した図である。 (a)および(b)は、球面収差が残存する場合における、光ディスクが対物レンズの焦点に位置している場合の受光素子上での光ビームの形状を説明する図。 本発明に係る第1の実施の形態における光集積ユニットの他の構成を示す構成図である。 (a)は、本発明に係る第2の実施の形態における光集積ユニットの構成を示した構成図であり、(b)は、(a)に図示した光集積ユニットの上面図である。 (a)は、本発明に係る第3の実施の形態における光集積ユニットの構成を示した構成図であり、(b)は、(a)に図示した光集積ユニットの上面図である。 本発明に係る第4の実施の形態における光集積ユニットの構成を示した構成図である。 本発明に係る第5の実施の形態における光集積ユニットに用いる受光素子の受光部パターンを説明する図であり、(a)は、上記受光部パターンに、球面収差が発生していない場合における光ビームの受光状態を示し、(b)は、(a)の状態から対物レンズが光ディスクに近づいた場合における光ビームの受光状態を示した図である。 本発明に係る各実施の形態における光集積ユニットに備えられた1/4波長板が、光集積ユニットから外れ、光ピックアップ装置の構成として光集積ユニットに外付けされた状態の光ピックアップ装置の構成図である。 従来技術における光ピックアップ装置の構成図である。 従来技術における光ピックアップ装置に用いられた光集積ユニットの構成図である。 従来技術における光ピックアップ装置に用いられた光集積ユニットに備えられたホログラム素子のホログラムパターンと、受光素子の受光部パターンを説明する説明図である。
符号の説明
1 光集積ユニット
2 コリメータレンズ
3 対物レンズ
4 光ディスク(光情報記録媒体)
11 半導体レーザ(光源)
12 受光素子
14 偏光ビームスプリッタ(導光手段)
15 偏光回折素子(回折手段)
16 1/4波長板
17 パッケージ
20、21 光ビーム
22 非回折光
23 回折光
31 第1の偏光ホログラム素子(第2のホログラム領域)
32 第2の偏光ホログラム素子(第1のホログラム領域)

Claims (16)

  1. 光ビームを出射する光源と、
    上記光ビームを透過させ、光情報記録媒体によって反射された該光ビームの戻り光を反射させる機能面を備え、該戻り光を上記光源とは異なる方向へ導く、上記光ビームの光軸上に設けられた導光手段と、
    上記導光手段によって導かれた上記戻り光を受光する受光素子と、を備えた光集積ユニットにおいて、
    上記光ビームおよび戻り光を回折する回折手段を、上記光ビームの光軸上に、かつ、上記機能面を透過した光ビームが入射する位置に、備えていることを特徴とする光集積ユニット。
  2. 上記回折手段は、所定の偏光振動面を有する偏光を回折させ、該偏光振動面に垂直な偏光振動面を有する偏光をそのまま透過させる偏光回折素子であることを特徴とする請求項1に記載の光集積ユニット。
  3. 上記回折手段は、第1のホログラム領域および第2のホログラム領域を備え、その各々が所定の偏光振動面を有する偏光を回折させ、該偏光振動面に垂直な偏光振動面を有する偏光はそのまま透過させる偏光回折素子であり、
    上記第1のホログラム領域と第2のホログラム領域とは、それぞれに設けられた上記所定の偏光振動面が互いに垂直となるように、上記光ビームの光軸上に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光集積ユニット。
  4. 上記第1のホログラム領域は、上記戻り光を非回折光と回折光とに分割することを特徴とする請求項3に記載の光集積ユニット。
  5. 上記第2のホログラム領域は、上記光ビームを3ビームに分割することを特徴とする請求項3に記載の光集積ユニット。
  6. 上記機能面は、偏光ビームスプリッタ面であることを特徴とする請求項1に記載の光集積ユニット。
  7. 上記導光手段は、上記機能面によって反射された上記戻り光を反射する反射面を備えていることを特徴とする請求項1に記載の光集積ユニット。
  8. 上記受光素子は、上記回折光を受光する受光部と、上記非回折光を受光する受光部とを備えていることを特徴とする請求項4に記載の光集積ユニット。
  9. 上記非回折光は、高速信号の検出に用いられることを特徴とする請求項8に記載の光集積ユニット。
  10. 上記高速信号は、RF信号とDPD法のTES信号であることを特徴とする請求項9に記載の光集積ユニット。
  11. 上記回折光は、サーボ信号の検出に用いられることを特徴とする請求項8に記載の光集積ユニット。
  12. 上記光源は、気密封止されたパッケージに収納された半導体レーザであることを特徴とする請求項1から11の何れか1項に記載の光集積ユニット。
  13. 上記光源は、上記受光素子と上記導光手段とに対して位置調整が可能であることを特徴とする請求項12に記載の光集積ユニット。
  14. 上記回折手段の上記導光手段が配置されている側とは反対側に、1/4波長板を備えていることを特徴とする請求項1から13の何れか1項に記載の光集積ユニット。
  15. さらに、上記機能面に入射するまでの上記光ビームの光軸上に1/2波長板を備えていることを特徴とする請求項1から14の何れか1項に記載の光集積ユニット。
  16. 請求項1から請求項15の何れか1項に記載の光集積ユニットを搭載したことを特徴とする光ピックアップ装置。
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