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JP2006041627A - 無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラム - Google Patents

無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラム Download PDF

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JP2006041627A JP2004214639A JP2004214639A JP2006041627A JP 2006041627 A JP2006041627 A JP 2006041627A JP 2004214639 A JP2004214639 A JP 2004214639A JP 2004214639 A JP2004214639 A JP 2004214639A JP 2006041627 A JP2006041627 A JP 2006041627A
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Abstract

【課題】 隠れ端末問題を解決し通信品質を保つためにRTS/CTS方式を併用して、ランダム・アクセス制御を好適に行なう。
【解決手段】 優先順位が上位となる通信局のフレーム間隔と下位の通信局のフレーム間隔の差を、RTSパケットを送信開始してからCTSパケットを受信完了するまでの所要時間以上となるように設定する。優先順位が下位となる通信局は、自局にとって隠れ端末となる通信局から先にRTSパケットが送信された場合であっても、これに応答したCTSパケットを聞くことができるので、NAVを設定し送信待機することができるので、正しく衝突を回避することができる。
【選択図】 図8

Description

本発明は、無線LAN(Local Area Network)若しくはPAN(Personal Area Network)のように複数の無線局間で相互に通信を行なう無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、CSMA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance:搬送波感知多重アクセス)によるキャリア検出、あるいはメディアのクリア状態の検出に基づいてランダム・アクセスを行なう無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
さらに詳しくは、本発明は、通信品質を保つためにRTS/CTS方式を併用してランダム・アクセス制御を行なう無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、RTS/CTS手順により伝送路の利用が適切に確定するようにバックオフ時間やフレーム間隔を設定する無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
有線方式による機器間のケーブル配線からユーザを解放する通信システムとして、無線ネットワークが注目されている。無線ネットワークによれば、オフィスなどの作業空間において、有線ケーブルの大半を省略することができるので、パーソナル・コンピュータ(PC)などの通信端末を比較的容易に移動させることができる。近年では、無線LANシステムの高速化、低価格化に伴い、その需要が著しく増加してきている。特に最近では、人の身の回りに存在する複数の電子機器間で小規模な無線ネットワークを構築して情報通信を行なうために、パーソナル・エリア・ネットワーク(PAN)の導入が検討されている。例えば、2.4GHz帯や、5GHz帯など、監督官庁の免許が不要な周波数帯域を利用して、異なった無線通信システム並びに無線通信装置が規定されている。
無線ネットワークに関する標準的な規格として、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11(例えば、非特許文献1を参照のこと)や、HiperLAN/2(例えば、非特許文献2又は非特許文献3を参照のこと)やIEEE802.15.3、Bluetooth通信などを挙げることができる。IEEE802.11規格については、無線通信方式や使用する周波数帯域の違いなどにより、IEEE802.11a規格、IEEE802.11b規格…などの各種無線通信方式が存在する。
無線技術を用いてローカル・エリア・ネットワークを構成するために、エリア内に「アクセス・ポイント」又は「コーディネータ」と呼ばれる制御局となる装置を1台設けて、この制御局の統括的な制御下でネットワークを形成する方法が一般的に用いられている。
アクセス・ポイントを配置した無線ネットワークでは、ある通信装置から情報伝送を行なう場合に、まずその情報伝送に必要な帯域をアクセス・ポイントに予約して、他の通信装置における情報伝送と衝突が生じないように伝送路の利用を行なうという、帯域予約に基づくアクセス制御方法が広く採用されている。すなわち、アクセス・ポイントを配置することによって、無線ネットワーク内の通信装置が互いに同期をとるという同期的な無線通信を行なう。
ところが、アクセス・ポイントが存在する無線通信システムで、送信側と受信側の通信装置間で非同期通信を行なう場合には、必ずアクセス・ポイントを介した無線通信が必要になるため、伝送路の利用効率が半減してしまうという問題がある。
これに対し、無線ネットワークを構成する他の方法として、端末同士が直接非同期的に無線通信を行なう「アドホック(Ad−hoc)通信」が考案されている。とりわけ近隣に位置する比較的少数のクライアントで構成される小規模無線ネットワークにおいては、特定のアクセス・ポイントを利用せずに、任意の端末同士が直接すなわちランダムな無線通信を行なうことができるアドホック通信が適当であると思料される。
アドホック型無線通信システムには中央制御局が存在しないので、例えば家庭用電気機器からなるホーム・ネットワークを構成するのに適している。アドホック・ネットワークには、1台が故障又は電源オフになってもルーティングを自動的に変更するのでネットワークが破綻しにくい、移動局間でパケットを複数回ホップさせることにより高速データ・レートを保ったままで比較的遠くまでデータを伝送することができる、といった特徴がある。アドホック・システムにはいろいろな開発事例が知られている(例えば、非特許文献4を参照のこと)。
例えば、IEEE802.11系の無線LANシステムでは、制御局を配さなくとも自律分散的にピア・ツウ・ピア(Peer to Peer)で動作するアドホック・モードが用意されている。IEEE802.11におけるネットワーキングは、BSS(Basic Service Set)の概念に基づいている。BSSは、制御局のようなマスタが存在するインフラ・モードで定義されるBSSと、複数のMT(Mobile Terminal:移動局)のみにより構成されるアドホック・モードで定義されるIBSS(Independent BSS)の2種類で構成される。
一方、アドホック環境の無線LANネットワークにおいては、一般的に隠れ端末問題が生じることが知られている。隠れ端末とは、ある特定の通信局間で通信を行なう場合、通信相手となる一方の通信局からは聞くことができるが他方の通信局からは聞くことができない通信局のことであり、隠れ端末同士ではネゴシエーションを行なうことができないため、送信動作が衝突する可能性がある。
このような隠れ端末問題を解決する方法論として、RTS/CTS手順によるCSMA/CAが知られている。
ここで、CSMA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance:搬送波感知多重アクセス)とはキャリア検出に基づいて多重アクセスを行なう接続方式である。無線通信では自ら情報送信した信号を受信することが困難であることから、CSMA/CD(Collision Detection)ではなくCSMA/CA(Collision Avoidance)方式により、他の通信装置の情報送信がないことを確認してから、自らの情報送信を開始することによって、衝突を回避する。CSMA方式は、ファイル転送や電子メールなどの非同期データ通信に適しているアクセス方式である。
なお、非常に広い周波数帯域でキャリアを使用せず1ナノ秒以下の超短パルス波や、数ギガヘルツの帯域幅に拡散した信号やマルチキャリア信号を用いた通信を行なうウルトラワイドバンド(UWB)通信では、キャリア検出を行なうことができないが、データ送信を行なう通信局がメディアのクリア状態を検出することにより、同様のランダム・アクセスを行なうことができる。
また、RTS/CTS方式では、データ送信元の通信局が送信要求パケットRTS(Request To Send)を送信し、データ送信先の通信局から確認通知パケットCTS(Clear To Send)を受信したことに応答してデータ送信を開始する。そして、隠れ端末はRTS又はCTSのうち少なくとも一方を受信すると、RTS/CTS手続に基づくデータ伝送が行なわれると予想される期間だけ自局の送信停止期間を設定することにより、衝突を回避することができる。送信局にとっての隠れ端末は、CTSを受信して送信停止期間を設定し、データ・パケットとの衝突を回避し、受信局にとっての隠れ端末は、RTSを受信して送信期間を停止し、ACKとの衝突を回避する。
ここで、IEEE802.11を例にとって、無線ネットワークにおけるアクセス競合方法について説明する。
IEEE802.11では、4種類のフレーム間隔(IFS:Inter Frame Space)が定義されており、短いものから順にSIFS(Short IFS)、PIFS(PCF IFS)、DIFS(DCF IFS)、EIFS(Extended IFS)が定義されている。
IEEE802.11では、基本的なメディア・アクセス手順としてCSMAが採用されているが、送信機が何かを送信する前には、メディア状態を監視しながらランダム時間にわたりバックオフのタイマーを動作させ、この間に送信信号が存在しない場合に始めて送信権利が与えられ、メディア上にパケットを送信することができる。
通常のパケットをCSMAの手順に従って送信する際、DCF(Distributed Coordination Functionと呼ばれる)には、何らかのパケットの送信が終了してから、まずDIFSだけメディア状態を監視し、この間に送信信号が存在しなければ、ランダム・バックオフを行ない、さらにこの間にも送信信号が存在しない場合に、送信権利が与えられる。
これに対し、CTSやACKなどのRTSやデータに対する応答フレームを送信する際には、SIFSというより短いフレーム間隔の後にパケットを送信することが許されている。これにより、緊急度の高いパケットは、通常のCSMAの手順に従って送信されるパケットよりも先に送信することが可能となる。
要するに、異なる種類のフレーム間隔IFSが定義されている理由は、IFSがSIFS、PIFS、DIFS、EIFSのいずれであるか、すなわちフレーム間隔の長さに応じてパケットの送信権争いに優先付けが行なわれる訳である。
続いて、IEEE802.11におけるRTS/CTS手順について説明する。アドホック環境の無線LANネットワークにおいては、一般的に隠れ端末問題が生じることが知られており、この問題の多くを軽減する方法論として、RTS/CTS手順によるCSMA/CAが知られている(前述)。IEEE802.11においても、この方法論が採用されている。
図20には、RTS/CTS手順の動作例を模式的に示している。同図では、STA0からSTA1宛てになんらかの情報(Data)を送信する場合の例が示されている。
STA0は、実際の情報の送信に先立ち、情報の宛て先であるSTA1に向けてRTSパケットをCSMAの手順に従って送信する。これに対し、STA1は、RTSパケットを受信したことに応答して、SIFS時間経過後にRTSを受信できた旨をフィードバックするCTSパケットをSTA0に送信する。
送信側であるSTA0において、CTSパケットを無事に受信が行なわれれば、メディアがクリアであるとみなし、SIFS時間経過後に情報(Data)パケットの送信を開始する。そして、STA1は情報(Data)パケットを無事に受信し終えると、SIFS時間経過後にACKパケットを返送し、これによって1パケット分の送受信トランザクションが終了する。
図21には、送受信局間でRTS/CTS手順を行なう際に、周辺局で起こり得る作用について図解している。同図では、STA2、STA0、STA1、STA3という4台の通信局が存在し、図中で隣り合う通信局同士のみが電波の到達範囲に位置しているという通信環境を想定している。ここで、STA0がSTA1に宛てて情報を送信したいとする。
送信元であるSTA0は、CSMAの手順によりメディアが一定のフレーム間隔DIFS(時刻T0から時刻T1まで)だけクリアである旨を確認した後、さらにバックオフ時間が経過した後に、時刻T1からRTSパケットをSTA1に宛てて送信する。RTSパケットのFrame Type情報には当該パケットがRTSであることを示す情報が記載され、Durationフィールドには当該パケット送受信トランザクションが終了するまでの時間(すなわち時刻T8までの時間)が記載され、Rx Addressフィールドには宛先通信局(STA1)のアドレスが記載され、Tx Addressフィールドには、自局(STA0)のアドレスが記載されている。
STA1からは隠れ端末であるSTA2は、自局宛てでないRTSパケットを受信すると、Durationフィールドに記載されている、当該パケット送受信トランザクションが終了するまでの時間(すなわち時刻T8)まで、NAV(Network Allocation Vector)を設定して、伝送データを持っている場合であっても送信動作を待機することにより、衝突を回避することができる。
また、送信先であるSTA1は、STA0からのRTSパケットを受信すると、受信完了後の時刻T2から短いフレーム間隔SIFSだけ経過した後(すなわち時刻T3)に、STA0宛てにCTSパケットを返信する。RTSパケットのFrame Type情報には当該パケットがCTSであることを示す情報が記載され、Durationフィールドには当該パケット送受信トランザクションが終了するまでの時間(すなわち時刻T8までの時間)が記載され、Rx Addressフィールドには宛先通信局(STA0)のアドレスが記載され、Tx Addressフィールドには、自局(STA1)のアドレスが記載されている。
STA0からは隠れ端末であるSTA3は、RTSパケットを受信することはできないが、自局宛てでないCTSパケットを受信することにより、そのDurationフィールドに記載されている、当該パケット送受信トランザクションが終了するまでの時間(すなわち時刻T8)まで、NAVを設定して、伝送データを持っている場合であっても送信動作を待機することにより、衝突を回避することができる。
STA0は、RTSパケットの宛先であるSTA1からのCTSパケットを時刻T4に受信し終えると、データ伝送トランザクションの確約が得られたので、短いフレーム間隔SIFSだけ経過した後(すなわち時刻T5)に、STA1宛にデータ・パケットを送信する。そして、STA1は、データ・パケットの受信を完了した後(すなわち時刻T6)、さらに短いフレーム間隔SIFSだけ経過した時刻T7に、データの受信結果を表すACKパケットをSTA0宛てに返信する。
このACKパケットの送信が完了する時刻T8において、Durationフィールドで記載した送信待機期間が消滅するので、各隠れ端末STA2並びにSTA3はNAVを解除する。STA0及びSTA1間でRTS/CTS手順に従う送受信トランザクションが終了した後、各通信局は一様にランダム・アクセス制御を行なう。すなわち、送信データがある通信局は、通常のフレーム間隔DIFSだけメディアのクリア状態を確認した後、さらにバックオフ時間だけ経過すると、データ・パケット又はRTSパケットを送出することができる。
ところが、このようなRTS/CTS通信手順では、RTSパケットの送信先から返信されたCTSパケットを受信しなければ、伝送路を利用できることを認識することができない、という問題がある。
アクセス・ポイントなどの制御局の管理下で動作する通信システムでRTS/CTS方式を適用した場合、端末局が制御局に対する送信権を獲得するために、送信データのある各端末局がRTSパケットを送信する。一方、制御局は、RTSパケットを受理した端末局宛てにCTSパケットを返信する。このような通信アーキテクチャでは、CTSの送信局が制御局だけとなる。ここで、ある端末局が、自局が送信するRTSパケットと制御局が送信する他局宛てのCTSパケットが重なり、CTSパケットを聞くことができなくても、制御局からは自局宛てのCTSパケットが届かないので、その後データの送信を開始することはない。したがって、端末局が他局宛てのCTSパケットを受信できなくても、衝突を回避することができるので、バックオフ時間やフレーム間隔を比較的短い時間に設定することができる。
これに対し、制御局と被制御局を有しない自律分散型のネットワークでは、任意の局がRTSパケットの送信局並びにCTSパケットの送信局になり得る。バックオフ時間やフレーム間隔の設定次第では、ある通信局からランダム・アクセスにより正しくRTSパケットを送信してから相手局からCTSパケットが返信されるまでの間に、他の周辺局がランダム・アクセスにより正しく送信権を得てRTSを送信できてしまうため、先発のRTSパケットに対するCTSパケットと後発のRTSパケットが重なる可能性がある。この場合、後発のRTS送信局は、先発のRTSパケットに対するCTSパケットを受信することができず、送信待機しないことにより、衝突を引き起こしてしまう。言い換えれば、各通信局(例えば、先発のRTS送信局からの隠れ端末)は、周辺局からのCTSパケットを受信しなければ伝送路が利用されることを認識できない。
International Standard ISO/IEC 8802−11:1999(E) ANSI/IEEE Std 802.11, 1999 Edition, Part11:Wireless LAN Medium Access Control(MAC) and Physical Layer(PHY) Specifications ETSI Standard ETSI TS 101 761−1 V1.3.1 Broadband Radio Access Networks(BRAN); HIPERLAN Type 2; Data Link Control(DLC) Layer; Part1: Basic Data Transport Functions ETSI TS 101 761−2 V1.3.1 Broadband Radio Access Networks(BRAN); HIPERLAN Type 2; Data Link Control(DLC) Layer; Part2: Radio Link Control(RLC) sublayer C.K.Tho著"Ad Hoc Mobile Wireless Network"(Prentice Hall PTR社刊)
本発明の目的は、複数の通信局が相互に通信を行なう通信環境下で、キャリア検出あるいはメディアのクリア状態の検出に基づいてランダム・アクセス制御を好適に行なうことができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
本発明のさらなる目的は、隠れ端末問題を解決し通信品質を保つためにRTS/CTS方式を併用して、ランダム・アクセス制御を好適に行なうことができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
本発明のさらなる目的は、RTS/CTS手順により伝送路の利用が適切に確定するようにバックオフ時間やフレーム間隔を設定することができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面は、データ送信元の通信局が送信要求パケットRTSを送信し、データ送信先の通信局から確認通知パケットCTSを受信したことに応答してデータ送信を開始するRTS/CTS方式を併用してランダム・アクセスが行なわれる無線通信システムであって、
通信局がメディアにランダム・アクセスするために複数の優先順位が設定可能で、メディアへのアクセスを開始してから送信が可能となるまでのフレーム間隔の長さが優先順位毎に与えられ、
優先順位が上位となる通信局のフレーム間隔と下位となる通信局のフレーム間隔の差は、RTSパケットを送信開始してからCTSパケットを受信完了するまでの所要時間に基づいて設定される、
ことを特徴とする無線通信システムである。
また、本発明の第2の側面は、データ送信元の通信局が送信要求パケットRTSを送信し、データ送信先の通信局から確認通知パケットCTSを受信したことに応答してデータ送信を開始するRTS/CTS方式を併用してランダム・アクセスが行なわれる無線通信システムであって、
通信局は、メディアへのアクセスを開始してから所定のフレーム間隔だけメディアの状態を確認し、さらにバックオフ時間が経過した後に送信を開始することか許され、
前記バックオフ時間の単位は、RTSパケットを送信開始してからCTSパケットを受信完了するまでの所要時間に基づいて設定される、
ことを特徴とする無線通信システムである。
但し、ここで言う「システム」とは、複数の装置(又は特定の機能を実現する機能モジュール)が論理的に集合した物のことを言い、各装置や機能モジュールが単一の筐体内にあるか否かは特に問わない。
無線通信システムでは、隠れ端末問題を解決しつつ、通信品質を保つために、RTS/CTS方式を併用したメディア・アクセス制御方式が広く採用されている。この場合、RTS送信側の通信局は、RTS情報の受信に起因して送信されるCTS情報を含むパケットの受信が完了するまでの時間をメディア予約時間情報DurationとしてRTSに記載する。また、CTS送信側の通信局は、CTS情報の受信に起因して送信されるデータ・パケットの受信が完了するまでの時間をメディア予約時間情報DurationとしてCTSに記載する。そして、RTS又はCTSを受信した他の通信局は、NAVを立て、メディア予約時間情報Durationに渡りこれを有効化して、送信不許可状態となるので、衝突を回避することができる。
ところが、制御局と被制御局を有しない自律分散型のネットワークなどでは、任意の通信局がRTSパケットの送信局並びにCTSパケットの送信局になり得る。このような場合、メディア・アクセスに要するフレーム間隔やバックオフ時間の設定次第では、RTS送信局に対して隠れ端末となる通信局は、自局から送信するRTSパケットと他局宛てのCTSパケットが重なることにより、衝突を回避できなくなる、という問題がある。
これに対し、本発明では、優先順位が上位となる通信局のフレーム間隔と下位となる通信局のフレーム間隔の差を、RTSパケットを送信開始してからCTSパケットを受信完了するまでの所要時間以上となるように設定している。したがって、優先順位が下位となる通信局は、自局にとって隠れ端末となる通信局から先にRTSパケットが送信された場合であっても、これに応答したCTSパケットを聞くことができるので、NAVを設定し送信待機することができる。
すなわち、複数のフレーム間隔を用意して優先的に通信を行なうというメディア・アクセス制御方式において、短い待ち時間で送信を開始できる場合に、この優先通信のRTS/CTS手順によりメディアの利用が確立するまでの時間を基準にして優先順位毎のフレーム間隔の差を設定しているので、先発のRTSパケットに対するCTSパケットと後発のRTSパケットが重なる可能性がなくなり、隠れ端末間で正しく衝突を回避することができる。
また、メディアのクリア状態を所定のフレーム間隔だけ確認し、さらにバックオフ時間が経過した後に送信を開始が可能となるというメディア・アクセス方式が広く採用されている。本発明によれば、このバックオフ時間の1単位は、RTSパケットを送信開始してからCTSパケットを受信完了するまでの所要時間以上となるように設定している。したがって、互いに隠れ端末となる通信局が異なるバックオフ時間を以って送信権を獲得した場合、バックオフ時間が長くなった通信局は、自局にとって隠れ端末となる通信局から先にRTSパケットが送信されても、これに応答したCTSパケットを聞くことができるので、NAVを設定し送信待機することができる。
すなわち、各通信局がランダムなバックオフによる待ち時間を設定してメディア・アクセス制御を行なう通信方式において、その待ち時間の設定単位をRTS/CTS手順によりメディアの利用が確立されるまでの時間を基準単位として設定しているので、先発のRTSパケットに対するCTSパケットと後発のRTSパケットが重なる可能性がなくなり、隠れ端末間で正しく衝突を回避することができる。
また、本発明の第3の側面は、データ送信元の通信局が送信要求パケットRTSを送信し、データ送信先の通信局から確認通知パケットCTSを受信したことに応答してデータ送信を開始するRTS/CTS方式を併用してランダム・アクセスを行なう通信動作をコンピュータ・システム上で処理するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
メディアにランダム・アクセスするために複数の優先順位が設定可能で、メディアへのアクセスを開始してから送信が可能となるまでのフレーム間隔の長さが優先順位毎に与えられており、
RTSパケットを送信開始してからCTSパケットを受信完了するまでの所要時間に基づいて上位の優先順位のフレーム間隔に対する時間差が設定されているフレーム間隔だけ待機するステップと、
前記フレーム間隔が経過した後に送信を開始するステップと、
を具備することを特徴とするコンピュータ・プログラムである。
また、本発明の第4の側面は、データ送信元の通信局が送信要求パケットRTSを送信し、データ送信先の通信局から確認通知パケットCTSを受信したことに応答してデータ送信を開始するRTS/CTS方式を併用してランダム・アクセスを行なう通信動作をコンピュータ・システム上で処理するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
メディアへのアクセスを開始してから所定のフレーム間隔だけメディアの状態を確認し、さらにバックオフ時間が経過した後に送信を開始することか許され、
RTSパケットを送信開始してからCTSパケットを受信完了するまでの所要時間に基づいて設定されるバックオフ時間だけ待機するステップと、
前記バックオフ時間が経過した後に送信を開始するステップと、
を具備することを特徴とするコンピュータ・プログラムである。
本発明の第3乃至第4の各側面に係るコンピュータ・プログラムは、コンピュータ・システム上で所定の処理を実現するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムを定義したものである。換言すれば、本発明の第3乃至第4の各側面に係るコンピュータ・プログラムをコンピュータ・システムにインストールすることによってコンピュータ・システム上では協働的作用が発揮され、無線通信装置として動作する。このような無線通信装置を複数起動して無線ネットワークを構築することによって、本発明の第1乃至第2の各側面に係る無線通信システムと同様の作用効果を得ることができる。
本発明によれば、隠れ端末問題を解決し通信品質を保つためにRTS/CTS方式を併用して、ランダム・アクセス制御を好適に行なうことができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
また、本発明によれば、RTS/CTS手順により伝送路の利用が適切に確定するようにバックオフ時間やフレーム間隔を設定することができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
本発明によれば、インターフレームスペースを、優先順位の低い設定と高い設定の時間差として、送信元からの送信要求信号(RTS)と受信先からの応答信号(CTS)の交換に掛かる時間を加算した時間を設定することによって、隣接する通信装置の優先順位の低い通信が、優先順位の高い通信に先を越して開始されることがなくなる。
アドホック若しくは自律分散型ネットワークでは、制御局以外の通信装置同士で互いに衝突検出をする必要がある。本発明によれば、各通信局が応答信号(CTS)の返送を待つことによって、優先的に伝送路が利用されることを周辺通信装置に確実に知らしめることで、衝突の発生しない通信方法が得られる。
また、本発明によれば、ランダム・バックオフ時間の設定単位時間を、送信元からの送信要求信号(RTS)と受信先からの応答信号(CTS)の交換に掛かる時間を加算した時間を設定することによって、隠れ端末となる通信装置の間で送信が開始されても、その後のデータ受信で衝突を生じずに通信を行なうことができる。
アドホック若しくは自律分散型ネットワークでは、制御局以外の通信装置同士で互いに衝突検出をする必要がある。本発明によれば、各通信局が応答信号(CTS)の返送を待つことによって、伝送路が利用されることを周辺通信装置に確実に知らしめることができる。
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
本発明において想定している通信の伝搬路は無線であり、複数の通信局間でネットワークを構築する。本発明で想定している通信は蓄積交換型のトラヒックであり、パケット単位で情報が転送される。また、以下の説明では、各通信局は単一のチャネルを想定しているが、複数の周波数チャネルすなわちマルチチャネルからなる伝送媒体を用いた場合に拡張することも可能である。
本発明に係る無線ネットワークでは、各通信局は、CSMA(Carrier Sense Multiple Access:キャリア検出多重接続)などのキャリア検出若しくはメディアのクリア状態の検出に基づくアクセス手順に従い直接(ランダム)に情報を伝送し、自律分散型の無線ネットワークを構築することができる。
制御局と被制御局の関係を有しない自律分散型の無線通信システムでは、例えば、各通信局はビーコン情報を報知することにより、近隣(すなわち通信範囲内)の他の通信局に自己の存在を知らしめるとともに、ネットワーク構成を通知する。また、ある通信局の通信範囲に新規に出現した通信局は、ビーコン信号を受信することにより、通信範囲に突入したことを検知するとともに、ビーコンに記載されている情報を解読することによりネットワーク認識し、ネットワークに参入することができる。
通信局同士のビーコン信号の交換により互いに緩やかに時間同期して、時分割多重アクセス構造を持った伝送(MAC)フレームによりチャネル・リソースを効果的に利用した伝送制御が行なわれる。したがって、各通信局は、帯域を予約する、あるいは優先利用期間を設定するなど時間同期をベースにしたアクセス方式を行なうことができる。
以下に説明する各通信局での処理は、基本的にはネットワークに参入するすべての通信局で実行される処理である。但し、場合によっては、ネットワークを構成するすべての通信局が、以下に説明する処理を実行するとは限らない。
図1には、本発明の一実施形態に係る無線通信システムを構成する通信装置の配置例を示している。この無線通信システムでは、制御局と被制御局の関係を有さず、各通信装置が自律分散的に動作し、アドホック・ネットワークが形成されている。同図では、通信装置#0から通信装置#7までが、同一空間上に分布している様子を表わしている。
ここで、通信装置#1は、その電波到達範囲11(通信装置#1を中心とした楕円の破線内)にある近隣の通信装置#2、#3、#4と直接通信ができるが、その範囲外の通信装置#5、#6、#7とは直接通信ができない。
また、通信装置#2は、近隣にある通信装置#1並びに通信装置#4と直接通信ができるが、その他の通信装置#3、#5、#6、#7とは直接通信ができない。
また、通信装置#3は、近隣にある通信装置#1、#6、#7と直接通信ができるが、その他の通信装置#2、#4、#5とは直接通信ができない。
また、通信装置#4は、近隣にある通信装置#1、#2、#5と直接通信ができるが、その他の通信装置#3、#6、#7とは直接通信ができない。
また、通信装置#5は、近隣にある通信装置#4とのみ直接通信ができるが、その他の通信装置#1、#2、#3、#6、#7とは直接通信ができない。
また、通信装置#6は、近隣にある通信装置#3とのみ直接通信ができるが、その他の通信装置#1、#2、#4、#5、#7とは直接通信ができない。
また、通信装置#7は、近隣にある通信装置#3とのみ直接通信ができるが、その他の通信装置、#1、#2、#4、#5、#6とは直接通信ができない。
このように通信局毎に通信範囲が異なる通信環境下では、とりわけ制御局の介在なしに各通信局が自律分散的に所望の通信相手と直接通信を試みる場合に、データ伝送を行なう一方の通信局からは聞こえないが他方の通信局からは聞こえるという通信局が存在し、信号の干渉を受けるという隠れ端末問題が発生する、という点を理解されたい。
図示の無線ネットワークでは、各通信局は、基本的にはキャリア検出若しくはメディアのクリア状態の検出に基づいてメディアへのランダム・アクセスを行なうが、隠れ端末問題を解決するためにRTS/CTS通信手順が併用される。また、例えばSIFS、DIFS、LIFSのように長さの異なる複数のフレーム間隔を定義し、すなわちフレーム間隔の長さに応じてパケットの送信権争いに優先付けが行なわれる。
本実施形態では、通信局は、優先送信区間TPP(Transmission Prioritized PeriodTransmission Prioritized Period)、並びに通常のランダム・アクセスを行なう送信区間FAP(Fairly Access Period)のそれぞれを用いてデータ伝送を行なうことができる。図2には、それぞれの区間において送信を開始するための動作を図解している。
TPP区間内では、通信局は、直前パケットが送信された後、より短いバケット間隔SIFSの後に送信を開始することができる。図示の例では、通信局はSIFSの後にRTSパケットを送信する。そして、その後も、送信されるCTS、データ、ACKの各パケットも同様にSIFSのフレーム間隔で送信することにより、近隣局に邪魔されず、一連の通信手順を実行することができる。
これに対し、FAP区間では、通信局は、DIFS+ランダム・バックオフだけ待機してから送信開始する。図示の例では、直前パケットが送信された後、まずDIFSだけメディア状態を監視し、この間にメディアがクリアすなわち送信信号が存在しなければ、ランダム・バックオフを行ない、さらにこの間にも送信信号が存在しない場合に、RTSパケットを送信する。なお、RTS信号に起因して送信されるCTS、データ、ACKなどの一連のパケットはSIFSのフレーム間隔で送信することにより、近隣局に邪魔されず、一連のトランザクションを実行することができる。
このような信号の往来管理方法によれば、優先度の高い通信局がより短いフレーム間隔を設定することで優先的に送信権を獲得することができる。
図3には、異なるフレーム間隔(IFS:Inter Frame Space)を用いた優先送信制御の動作例を示している。
図示の例では、通信装置#2と、通信装置#3が、アクセス・ポイント(AP)となる制御局装置#1宛てに送信を開始する場合に、通信装置#2が優先的に送信を開始できる様子を示している。
通信装置#2は、アクセス開始(例えば直前のパケット送信完了後)から短いインターフレームスペースであるSIFSが経過後に送信が可能となる。このため、他方の通信装置#3のデータ送信インターフレームスペースDIFSの到来に先がけて送信要求RTSの送信を行なうことができる。この結果、制御局装置#1では、通信装置#2からの送信要求RTSを受信し、これに対する確認応答CTSの返送を以って、通信装置#2によるデータの送信が開始される。
他方の通信装置#3では、データ送信インターフレームスペースDIFSの経過後、制御局装置に送信要求RTSの送信を行なうことができる。しかし、制御局装置#1が通信装置#2からの送信要求RTSに対応する確認応答CTSを先に返送している。通信装置#3は、制御局装置#1から通信装置#2宛てのCTSを受信することで、自局の送信要求RTSがキャンセルされたものと判断し、CTSに記載されているDurationに従いネットワーク・アロケーション・ベクタ(NAV)を設定し、制御局装置の受信を妨げないように送信動作を控えるアクセス制御が行なわれる。
このように制御局装置の管理下で動作する通信システムでは、端末となる通信装置同士が隠れ端末となる位置に存在する場合であっても、制御局装置にRTSが届けば衝突を回避することができる。したがって、優先順位毎に設定される各インターフレームスペースSIFSとDIFSの時間差は、RTS情報が獲得できる程度の短い時間に設定しても、衝突回避が可能である。
図4には、各通信局がバックオフ設定により衝突を回避する動作手順の一例を示している。
図示の例では、3台の通信装置#2、#3、#4が、アクセス・ポイントとなる制御局装置#1宛てに送信を開始する場合に、通信局毎にそれぞれ設定したバックオフ時間の差で衝突回避動作を行なうようにしている。
通信装置#2では、アクセス開始からデータ送信インターフレームスペース(DIFS)が経過した後に、バックオフ−0で送信が可能となる。このため、他の通信装置#4が設定した、バックオフ−3のデータ送信インターフレームスペース(DIFS)の経過後さらにバックオフ−3により到来する送信開始時刻と、他の通信装置#3が設定した、データ送信インターフレームスペース(DIFS)の経過後さらにバックオフ5により到来する送信開始時刻に先がけて、通信装置#2は送信要求RTSの送信を行なうことができる。そして、制御局装置では、通信装置#2からの送信要求RTSを受信すると、これに対する確認応答CTSの返送を行ない、通信装置#2はこのCTSの受信を以ってデータの送信を開始する。
また、CSMA/CAなどのキャリア検出若しくはメディアのクリア状態の検出に基づく一般的なアクセス制御方法によれば、通信装置#4は、通信装置#2からの送信要求RTSが受信できる位置にあるので、通信装置#2からのRTSのキャリア(若しくはメディアの占有状態)を検出することで、自局のRTSの送信を中断するとともに、そのRTSに記載されているDurationに従ってネットワークアロケーションベクタ(NAV)を設定して、制御局装置#1の受信を妨げないように送信動作を控えることができる。
したがって、一般的なバックオフ時間の設定間隔は、キャリア検出ができる程度の比較的短い時間間隔が定義されれば良いとされている。
また、通信装置#2からは隠れ端末となる通信装置#3では、データ送信インターフレームスペース(DIFS)が経過した後さらにバックオフ−5を以って、制御局装置#1に送信要求RTSの送信を行なうことができる。ところが、制御局装置は通信装置#2からの送信要求RTSに対応する確認応答CTS送信しているので、通信装置#3は、自局からの送信要求RTSがキャンセルされたものと判断し、このCTSのDurationフィールドの記載に基づいてネットワークアロケーションベクタ(NAV)を設定し、制御局装置#1の受信を妨げないように送信動作を控えることができる。
このように制御局装置の管理下で動作する通信システムでは、端末となる通信装置同士が隠れ端末となる位置に存在する場合であっても、制御局装置にRTSが届けば衝突を回避することができる。したがって、バックオフの設定時間間隔は、RTS情報が獲得できる程度の短い時間に設定しても、衝突回避が可能である。
図5には、通信局間でデータ通信の衝突が発生する様子を例示している。同図では、通信装置#1から通信装置#2へのデータ送信と、通信装置#3から通信装置#4へのデータ送信が行なわれる場合の衝突発生事例を示している。
まず、通信装置#1において、アクセス開始からデータ送信インターフレームスペース(DIFS)が経過した後にバックオフ−0を以って、通信装置#2に送信要求RTSの送信を行なう。
そして、通信装置#1からは隠れ端末となる通信装置#3において、アクセス開始からデータ送信インターフレームスペース(DIFS)が経過した後さらにバックオフ−8を以って、通信装置#4に送信要求RTSの送信を行なう。
このとき、通信装置#1と#3の間にある通信装置#2では、通信装置#3の送信要求RTSを検出できないと、確認応答CTSを送信してしまう。このため、その後、通信装置#1から#2宛てのデータ送信が開始される。
また、通信装置#2からは隠れ端末となる通信装置#4は、通信装置#3からの送信要求RTSに応答して、確認応答CTSを返送することになる。
ここで、通信装置#3は、自局の送信要求RTSの送信タイミングと重なるため、通信装置#2から通信装置#1宛ての確認応答CTSを受信できない。このため、通信装置#3は、通信装置#4からの確認応答CTSの受信に応答してデータ送信を開始してしまう。
このようにして、通信装置#3によるデータ送信が開始されると、通信装置#2では、通信装置#1からのデータ送信と重なって衝突が発生し、データを正しく復号できなくなってしまう。
図6には、通信局が優先通信を行なう場合にデータ通信の衝突が発生する様子を示している。同図では、通信装置#1から通信装置#2へのデータ送信と、通信装置#3から通信装置#4へのデータ送信が行なわれる場合において衝突が発生する事例を示している。
まず、通信装置#1において、アクセス開始から短いインターフレームスペース(SIFS)が経過した後に、通信装置#2に対し送信要求RTSの送信を行なう。
そして、通信装置#1からは隠れ端末となる通信装置#3において、アクセス開始から、SIFSよりも長いデータ送信インターフレームスペース(DIFS)が経過した後に、通信装置#4に送信要求RTSの送信を行なう。
このとき、通信装置#1と通信装置#3の間にある通信装置#2では、通信装置#1に宛てた確認応答CTSの送信タイミングと重なっているために、通信装置#3の送信要求RTSを検出できず、確認応答CTSを送信してしまう。このため、その後、通信装置#1はこのCTSを受信したことにより、通信装置#2宛てのデータ送信を開始する。
さらに通信装置#4は、通信装置#3からの送信要求RTSに応答して、確認応答CTSを返送することになる。
ここで、通信装置#3は、通信装置#4宛てのRTSの送信タイミングと重なっており、通信装置#2から通信装置#1への確認応答CTSを受信できない。このため、通信装置#3は、NAVを立てることができず、通信装置#4からの確認応答CTSの受信に応答してデータ送信を開始する。
このようにして、通信装置#3から通信装置#4へのデータ送信が開始されると、通信装置#2では、通信装置#1からの送信データに重ねて衝突が発生し、データを正しく復号できなくなってしまう。
ランダム・アクセス制御方式の通信システムでは、異なるインターフレームスペースを定義して優先通信を実現することができる(図2を参照のこと)。図7には、このような制御方式において、優先通信が不成立となる動作例を示している。同図では、通信装置#1から通信装置#2へのデータ送信と、通信装置#3から通信装置#4へのデータ送信が行なわれる場合の例を示している。但し、通信装置#1は優先送信権を得て、通常のデータ送信のインターフレームスペースDIFSを利用できるのに対し、通信装置#3は優先送信権を得ておらず、DIFSよりも長いインターフレームスペースLIFSを利用するものとする。
まず、通信装置#1において、アクセス開始からデータ送信のインターフレームスペース(DIFS)が経過した後、さらにバックオフ−2を以って、通信装置#2へ送信要求RTSの送信を行なう。
そして、通信装置#1からは隠れ端末となる通信装置#3において、アクセス開始から長いインターフレームスペースLIFS)の経過後、通信装置#4に送信要求RTSの送信を行なう。
このとき、通信装置#1と#3の間にある通信装置#2では、通信装置#3から通信装置#4宛ての送信要求RTSが衝突してしまうため、通信装置#1から自局宛ての送信要求RTSを検出することができない。この結果、通信装置#2から通信装置#1へCTSを返送できないため、その後、通信装置#1から#2あてのデータ送信が開始されず、通信装置#1が所定手順に従いRTSの再送を試みることになる。
他方、通信装置#4は、通信装置#3からの送信要求RTSに応答して、確認応答CTSを返送することができる。上述したように通信装置#2は確認応答CTSを送信しないことから、通信装置#3は、NAVを立てることはなく、通信装置#4からの確認応答CTSの受信に応答してデータ送信を開始する。
その後、通信装置#2では、通信装置#3のデータ送信によって、NAVを設定してしまい、以降に通信装置#1から送られてくるRTSを受信することができない。
要するに、図7に示した動作例では、すなわち、優先順位が下位の通信装置#3が上位の通信装置#1を抑えてデータ伝送を行なうことになるので、優先通信は成立しない。この場合、インターフレームスペースDIFSとLIFSの時間差が十分であってもDIFSにおいて設定するバックオフの長さ次第では衝突を回避できなくなる。
このように、制御局と被制御局を有しない自律分散型のネットワークなどでは、任意の局がRTSパケットの送信局並びにCTSパケットの送信局になり得る。このため、例えば先発のRTS送信局からの隠れ端末は、周辺局からのCTSパケットを受信しなければ伝送路が利用されることを認識できなくない。したがって、メディア・アクセスに要するフレーム間隔やバックオフ時間の設定次第では、RTS送信局に対して隠れ端末となる通信局は、自局から送信するRTSパケットと他局宛てのCTSパケットが重なることにより、衝突を回避できなくなる、という問題がある。
そこで、本実施形態では、優先通信のRTS/CTS手順によりメディアの利用が確立するまでの時間を基準にしてインターフレームスペースを設定することにより、隠れ端末間で正しく衝突を回避できるようにしている。また、バックオフによる待ち時間の設定単位をRTS/CTS手順によりメディアの利用が確立されるまでの時間を基準単位として設定することにより、隠れ端末間で正しく衝突を回避できるようにしている。
図8には、優先通信のRTS/CTS手順によりメディアの利用が確立するまでの時間を基準にしてインターフレームスペースを設定した場合の構成例を示している。
同図において、上段にある最優先で信号を送信することができる場合に利用される最も短いフレーム間隔をShort Inter Frame Space:SIFSとして定義し、中段にあるデータ送信を開始する場合の要求を出す場合に利用されるフレーム間隔を、Data Inter Frame Space:DIFSとして定義し、下段にある他の通信に準じて送信することができる場合に利用されるフレーム間隔をLong Inter Frame Space:LIFSとして定義する。
図示のように、SIFSによって送信要求RTSが出されて、その要求に応じた確認応答CTSが返送されるまでの時間が経過したタイミングがDIFSの開始時間となるように、SIFS開始時間とDIFS開始時間の時間隔差の設定をする。
また、DIFSによって送信要求RTSが出されて、その要求に応じた確認応答CTSが返送されるまでの時間が経過したタイミングがLIFSの開始時間となるように、DIFS開始時間とLIFS開始時間の時間差を設定する。
図9には、バックオフによる待ち時間の設定単位をRTS/CTS手順によりメディアの利用が確立されるまでの時間を基準単位として設定した場合の構成例を示している。
同図において、最上段にバックオフの設定がない場合の送信開始タイミングを、バックオフ−0として定義する。また、2段目に、バックオフの設定が1単位加算された送信開始タイミングを、バックオフ−1として定義する。さらに、3段目に、バックオフの設定が2単位だけ加算された送信開始タイミングをバックオフ−2として定義して、最下段に、バックオフの設定が3単位加算された送信開始タイミングをバックオフ−3として定義する。
図示のように、バックオフのない場合に送信要求RTSが出されて、その要求に応じた確認応答CTSが返送されるまでの時間が経過したタイミングがバックオフ−1のメディア・アクセス開始時間となるように、バックオフの設定ない場合とバックオフが1単位だけ加算された場合における開始時間差を設定する。
また、バックオフ−1の場合に送信要求RTSが出されて、その要求に応じた確認応答CTSが返送されるまでの時間が経過したタイミングがバックオフ−2の開始時間となるように、バックオフの設定が1単位の場合(バックオフ−1)と2単位(バックオフ−2)の場合の開始時間差を設定する。
さらに、バックオフ−2の場合に送信要求RTSが出されて、その要求に応じた確認応答CTSが返送されるまでの時間が経過したタイミングがバックオフ−3の開始時間となるように、バックオフの設定が2単位の場合(バックオフ−2)と3単位(バックオフ−3)の場合の開始時間差を設定する。
図10には、バックオフによる待ち時間の設定単位をRTS/CTS手順によりメディアの利用が確立されるまでの時間を基準単位として設定した場合における、衝突を回避する動作例を示している。
同図では、通信装置#1から通信装置#2へのデータ送信と、通信装置#3から通信装置#4へのデータ送信が行なわれる場合における衝突回避例を示している。但し、通信装置#1はアクセス開始からデータ送信のインターフレームスペース(DIFS)だけ経過した後に送信要求RTSを送信し、通信装置#3はアクセス開始からデータ送信のインターフレームスペース(DIFS)だけ経過した後さらにバックオフ−1を以って送信要求RTSを送信するものとする。
まず、通信装置#1において、アクセス開始からバックオフ−0のデータ送信用インターフレームスペース(DIFS)が経過した後、通信装置#2宛てに送信要求RTSの送信を行なう。
そして、通信装置#1からは隠れ端末となる通信装置#3では、アクセス開始からデータ送信用インターフレームスペース(DIFS)が経過した後、さらにバックオフ−1(本実施形態でのバックオフ時間の単位)を以って、通信装置#4宛てに送信要求RTSの送信を行なうことになっている。
ここで、バックオフのない場合に送信要求RTSが出されて、その要求に応じた確認応答CTSが返送されるまでの時間が経過したタイミングがバックオフ−1のメディア・アクセス開始時間となるように、バックオフの設定ない場合とバックオフが1単位だけ加算された場合における開始時間差が設定されている。
したがって、通信装置#1と通信装置#3の間にある通信装置#2では、図4に示した動作例とは相違し、通信装置#3から送信要求RTSが送信される前に、通信装置#1からの送信要求RTSに応答した確認応答CTSを返送して、通信装置#1からのデータ送信に備えることができる。また、通信装置#1は、通信装置#2からの確認応答CTSを受信できたことにより、データ送信を開始することができる。
さらに、バックオフ設定中の通信装置#3は、通信装置#2から通信装置#1宛てのCTSを受信したことにより、自己のバックオフ設定値よりも短い設定で通信が行なわれることを検出することができる。これにより、通信装置#3は、NAVを設定し、送信要求RTSを送信することがなくなるので、図5に示した動作例とは相違し、通信装置#2の受信を妨げないように送信動作を控えるアクセス制御が行なわれる。また、通信装置#2は、通信装置#3と通信装置#4間でのデータ送信に妨害されることなく、通信装置#1からの送信データを受信することができる。
図11には、優先通信のRTS/CTS手順によりメディアの利用が確立するまでの時間を基準にしてインターフレームスペースを設定した場合における、異なるインターフレームスペースを用いて優先通信を行なうアクセス制御動作例を示している。
同図では、通信装置#1から通信装置#2へのデータ送信と、通信装置#3から通信装置#4へのデータ送信が行なわれる。但し、通信装置#1及び通信装置#3が異なるインターフレームスペースを用いることにより、優先通信を行なうようになっている。
まず、通信装置#1において、アクセス開始から短いインターフレームスペース(SIFS)が経過した後に、通信装置#2宛てに送信要求(RTS)の送信を行なう。
そして、通信装置#1からは隠れ端末となる通信装置#3では、アクセス開始からデータ送信用インターフレームスペース(DIFS)が経過した後、通信装置#4宛てに送信要求RTSの送信を行なうことになっている。
ここで、SIFSによって送信要求RTSが出されて、その要求に応じた確認応答CTSが返送されるまでの時間が経過したタイミングがDIFSの開始時間となるように、SIFS開始時間とDIFS開始時間の時間隔差が設定されている。
したがって、通信装置#1と#3の間にある通信装置#2では、図6に示した動作例とは相違し、通信装置#3から送信要求RTSが送信される前に、通信装置#1からの送信要求RTSに応答した確認応答CTSを返送して、通信装置#1からのデータ送信に備えることができる。また、通信装置#1は、通信装置#2からの確認応答CTSを受信できたことにより、データ送信を開始することができる。
さらに、バックオフ設定中の通信装置#3は、通信装置#2から通信装置#1宛てのCTSを受信したことにより、自己のバックオフ設定値よりも短い設定で通信が行なわれることを検出することができる。これにより、通信装置#3は、NAVを設定し、送信要求RTSを送信することがなくなるので、図6に示した動作例とは相違し、通信装置#2の受信を妨げないように送信動作を控えるアクセス制御が行なわれる。また、通信装置#2は、通信装置#3と通信装置#4間でのデータ送信に妨害されることなく、通信装置#1からの送信データを受信することができる。
図12には、バックオフによる待ち時間の設定単位をRTS/CTS手順によりメディアの利用が確立されるまでの時間を基準単位として設定するとともに、優先通信のRTS/CTS手順によりメディアの利用が確立するまでの時間を基準にしてインターフレームスペースを設定した場合における、アクセス開始からインターフレームスペースが経過した後さらにバックオフを以って優先通信を行なうアクセス制御動作例を示している。
同図に示す例では、通常のデータ送信のインターフレームスペース(DIFS)に対し、加算数の異なる4通りのバックオフ(0〜4)が設定されている。また、DIFSより長いインターフレームスペースLIFSにも、加算数の異なる4通りのバックオフ(0〜4)が設定されている。
ここで、送信要求RTSが出されその要求に応じた確認応答CTSが返送されるまでの時間が経過したタイミングがバックオフ時間を1単位だけ加算したときのメディア・アクセス開始時間となるように、バックオフ時間の1単位分のメディア・アクセス開始時間の時間差が設定されている。
また、最大のバックオフ−3を設定中にDIFSによって送信要求RTSが出されて、その要求に応じた確認応答CTSが返送されるまでの時間が経過したタイミングが、バックオフを設定しないときのLIFSの開始時間となるように、DIFS開始時間とLIFS開始時間の時間差が設定されている。
この場合、DIFSにおいてバックオフ値をどのように設定しても、図7に示した動作例とは相違し、優先順位が下位の通信装置#3が上位の通信装置#1を抑えてデータ伝送を行なうという事態は発生しなくなる。すなわち、優先順位に従って通信が成立するようになる。
図13には、図1に示した無線ネットワーク環境下で動作する無線通信装置100の機能構成を模式的に示している。
図示のように、無線通信装置100は、アンテナ101と、無線受信部102と、アクセス制御部103と、無線送信部104と、制御情報生成部105と、インターフレームスペース設定部106と、バックオフ時間設定部107と、受信信号解析部108と、中央制御部109と、タイミング計時部110と、情報記憶部111と、データ・バッファ112と、インターフェース113とで構成される。
アンテナ101は、他の無線通信装置宛てに信号を所定の通信チャネル上で無線送信し、あるいは他の無線通信装置から送られる信号を所定の通信チャネル上から収集する。本実施形態では、単一のアンテナを備え、送受信をともに並行しては行なえないものとする。
無線受信部102は、アクセス制御部の指示により所定の時間に他の無線通信装置から送られてきた情報やビーコンなどの信号を受信処理する。無線受信部102は、アンテナ101を介して他局から受信した信号を電圧増幅する低雑音アンプ(LNA)や、電圧増幅された受信信号を周波数変換によりダウンコンバートするダウンコンバータ、自動利得制御器(AGC)、アナログ受信信号をデジタル変換するA/D変換器、同期獲得のための同期処理、チャネル推定、所定の復調方式により復調処理する復調器など(いずれも図示しない)で構成される。
アクセス制御部103は、タイミング計時部110(後述)の指示に従いアクセス制御の開始時間が通知されると、本発明により設定されたアクセス制御手順に基づいて、無線送信部・無線受信部を動作させる制御を行なう。
受信信号解析部108は、無線受信部102により受信信号解析部108から他の通信装置宛の信号に記載されたデュレーション(Duration)情報の供給を受けた場合には、自己の送信を控えるためにNAVの設定を行なう。つまり、送信待ちのアクセス期間中に、他の通信装置からの信号を検出した場合には、送信を控える制御を行なう。
無線送信部104は、アクセス制御部の指示によりデータバッファに一時格納されているデータや制御情報を無線送信する。無線送信部104は、送信信号を所定の変調方式で変調する変調器や、デジタル送信信号をアナログ信号に変換するD/A変換器、アナログ送信信号を周波数変換してアップコンバートするアップコンバータ、アップコンバートされた送信信号の電力を増幅するパワーアンプ(PA)など(いずれも図示しない)で構成される。
無線送信部104及び無線受信部102における無線送受信方式は、例えば無線LANに適用可能な、比較的近距離の通信に適した各種の通信方式を適用することができる。具体的には、UWB(Ultra Wide Band)方式、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)方式、CDMA(Code Division Multiple Access:符号分割多元接続)方式などを採用することができる。
制御情報生成部105は、送信要求(RTS)信号や、確認応答(CTS)信号、受領確認(ACK)信号など、アクセス制御に掛かる情報を生成する。具体的には、中央制御部109から送信要求を受理した場合にRTSを生成し、受信信号解析部108から自己宛てのRTSを受信した場合にはCTSを生成し、受信したデータの誤りの有無に応じて、ACKを生成する。また、これらの信号は、アクセス制御部103を介して無線送信部に供給され、アクセス制御部103からの指示に基づいてしかるべきタイミングに送信される。
本実施形態では、無線通信装置100は、制御局と被制御局の関係を有しないアドホック・ネットワーク環境下で、CSMA/CAなどのキャリア検出若しくはメディアのクリア状態の検出に基づいて衝突を回避しながらランダム・アクセスなどの通信動作を行なう。
また、本実施形態に係る無線ネットワークでは、優先送信のメカニズムが採り入れられている。そして、長さの異なる複数のインターフレームスペースを定義し、いずれのインターフレームスペースを以ってデータ送信を行なうかに応じて、パケットの送信権争いに優先付けが行なわれる。また、同じインターフレームスペースが与えられた通信局が同時にデータ送信を行ない、互いに衝突を認識できないという事態を解消するために、通信局は、メディアへのアクセス開始からインターフレームスペースが経過後さらにランダムなバックオフ時間を以ってデータ送信を行なう。
ここでは、通常のデータ・パケットやRTS/CTS手順に基づいて伝送される情報の送信時には、バックオフ時間設定部107と、インターフレームスペース(IFS)設定部106における送信開始時間の設定に基づいて、アクセス開始タイミングから伝送路の利用の可否を判断して、送信制御を行なうようになっている。
上述したように、本実施形態では、このバックオフ時間の単位は、RTSパケットを送信開始してからCTSパケットを受信完了するまでの所要時間以上となるように設定している。また、優先順位が上位となる通信局のインターフレームスペースと下位となる通信局のインターフレームスペースの差を、RTSパケットを送信開始してからCTSパケットを受信完了するまでの所要時間以上となるように設定している。
インターフレームスペース(IFS)設定部106は、中央制御部109の指示により、送信するデータの優先順位に従って、異なるインターフレームスペース(SIFS/DIFS/LIFS)の設定を行なう。最優先で送信ができる場合には、最も短いSIFSタイミングを設定して、RTSを送信する。また、一般的なデータであれば、DIFSタイミングを設定して、その後にRTSを送信するように設定する。また、優先的に送信しないデータであれば、LIFSタイミングを設定して、その後にRTSを送信するように設定する。
バックオフ設定部107は、データを送信する場合にバックオフ時間を設定するために用意され、一回のアクセスに対して、所定のアルゴリズムにてランダムにバックオフ時間を算出する。
本発明によるバックオフの設定間隔は、RTS/CTS制御によって、受信先からCTSの返送があるまでの時間を設定する。なお、最優先で送信が可能な場合には、このバックオフ設定を行なわないようにしても良い。
受信信号解析部108は、周辺の無線通信装置から送られてきた、アクセス制御情報(RTS,CTS,ACK)、データ情報(Data)や、ビーコンや各種のコマンド情報を解析する。
これらアクセス制御情報は、制御情報制御部105に通知され、ビーコンやコマンドなどは中央制御部109に通知され、自己宛てのデータはデータ・バッファ112に格納される。
また、他の通信装置宛ての制御情報並びにデータを受信した場合には、直接アクセス制御部103に信号検出の通知とそのデュレーション情報を供給する。
中央制御部109は、一連のアクセス制御を行なうように制御され、データ・バッファ112にデータがあれば、制御情報生成部105にRTSの作成を行なうとともに、インターフレームスペース(IFS)設定部106と、バックオフ設定部107に、それぞれ値を設定するように通知をする。
タイミング計時部110は、中央制御部の指示で動作してスーパーフレーム周期の設定や、本発明によるアクセス制御のタイミングを計時するとともに、アクセスの開始タイミングが到来した場合に、アクセス制御部に通知を行なう。
情報記憶部111において実行される一連のアクセス制御動作などの実行手順命令や、例えばビーコンが検出された場合には、その通信装置を近隣無線通信装置としてそのアドレス情報などを蓄えておく。
また、自己の周辺に存在する近隣無線通信装置のビーコン送信位置(タイミング)情報や、ビーコンに記載された近隣無線通信装置の通信に係るパラメータなども、情報記憶部111に格納される。
データ・バッファ112は、インターフェース113経由で、接続されるアプリケーション機器から送られてきたデータや、受信信号解析部で獲得したデータをインターフェース経由で接続されるアプリケーション機器に送出する前に、一時的に格納しておくために使用される。
インターフェース113は、この無線通信装置100に接続されるアプリケーション機器114(例えばパーソナル・コンピュータなど)との間で各種情報の交換を行なう。
図14には、送信要求(RTS)フレームの構成例を示している。図示のように、RTSフレームは、所定の同期パターンを含んだプリアンブル(Preamble)、当該フレームの変調方式や拡散率などの情報を含んだPHY(物理層)ヘッダ、当該フレームの種類(すなわちRTSであること)を識別するためのフレーム・タイプ、当該フレームの受信先通信装置を特定するための受信アドレス(Rx Address)、当該フレームの送信元通信装置を識別するための送信アドレス(Tx Address)、当該フレームに続いて次に送信されるフレームの長さまでを示したデュレーション(Duration)、RTSフレーム独自のアクセス制御に係るパラメータが記載されたRTSパラメータ、当該フレームにおける誤り検出を行なうヘッダ・チェック・シーケンス(HCS)などの複数のフィールドから構成される。
図15には、確認応答(CTS)フレームの構成例を示している。図示のように、当該フレームは、所定の同期パターンを含んだプリアンブル、当該フレームの変調方式や拡散率などの情報を含んだPHYヘッダ、当該フレームの種類(すなわちCTSであること)を識別するためのフレーム・タイプ、当該フレームの受信先通信装置を特定するための受信アドレス、当該フレームの送信元通信装置を識別するための送信アドレス、当該フレームに続いて次に送信されるフレームの長さまでを示したデュレーション、CTSフレーム独自のアクセス制御に係るパラメータが記載されたCTSパラメータ、当該フレームの誤り検出を行なうチェックシーケンスHCSなどのフィールドから構成されている。
図16には、送信データ(Data)フレームの構成例を示している。図示のように、当該フレームは、所定の同期パターンを含んだプリアンブル、当該フレームの変調方式や拡散率などの情報を含んだPHYヘッダ、当該フレームの種類(すなわち、データ・フレームであること)を識別するためのフレーム・タイプ、当該フレームの受信先通信装置を特定するための受信アドレス、当該フレームの送信元通信装置を識別するための送信アドレス、当該フレームに続いて次に送信されるフレームの長さまでを示したデュレーション、当該データ・フレームのフラグメント情報などのパラメータが記載されたフラグメント・パラメータ、当該ヘッダ部分の誤り検出を行なうヘッダ・チェック・シーケンス(HCS)、実際にユーザ・データが搬送されるデータ・ペイロード、当該フレーム全体の誤り検出を行なうフレーム・チェック・シーケンス(FCS)などのフィールドから構成されている。
図17には、受領確認(ACK)フレームの構成例を示している。図示のように、当該フレームは、所定の同期パターンを含んだプリアンブル、当該フレームの変調方式や拡散率などの情報を含んだPHYヘッダ、当該フレームの種類(すなわちACKフレームであること)を識別するためのフレーム・タイプ、当該フレームの受信先通信装置を特定するための受信アドレス、当該フレームの送信元通信装置を識別するための送信アドレス、当該フレームに続いて次に送信されるフレームの長さまでを示したデュレーション、ACKフレームの情報などACK情報のパラメータが記載されたACKパラメータ、当該フレームの誤り検出を行なうヘッダ・チェック・シーケンスHCSなどのフィールドから構成されている。
図18には、ビーコン(Beacon)フレームの構成例を示している。図示のように、当該フレームは、所定の同期パターンを含んだプリアンブル、当該フレームの変調方式や拡散率などの情報を含んだPHYヘッダ、当該フレームの種類を識別するためのフレーム・タイプ、当該フレームの受信先通信装置を特定するための受信アドレス、当該フレームの送信元通信装置を識別するための送信アドレス、当該フレームに続いて次に送信されるフレームの長さまでを示したデュレーション、ビーコン・フレーム独自の一部パラメータが記載されたビーコン・パラメータ、このヘッダ部分の誤り検出を行なうヘッダ・チェック・シーケンスHCS、ビーコンによって搬送される情報が記載されたビーコン・ペイロード、当該フレーム全体の誤り検出を行なうフレーム・チェック・シーケンスFCSなどのフィールドから構成されている。
図19には、本実施形態に係る無線ネットワークにおける通信局のアクセス制御方法における状態遷移を示している。このような動作手順は、通信局として動作する無線通信装置100において、中央制御部109が、所定の実行命令プログラムを実行するという形態で実現される。中央制御部109は、各状態におけるメディア・アクセス動作を実現するために、インターフレームスペース設定部106やバックオフ時間設定部107に対し、適宜指示を発行する。
無線通信装置100は、基本的には動作待ち状態となって動作している。この動作待ち状態では、データ・バッファ112に送信データが蓄えられたことにより、データ送信を行なう状態へ遷移する。例えば、送信データを供給した上位層が優先送信要求している場合、SIFSアクセス設定状態に移行し、インターフレームスペースを最も短いSIFSに設定する。また、上位層から通常の送信要求がなされている場合には、DIFS+Backoffアクセス状態に移行し、インターフレームスペースをDIFSに設定するとともに、バックオフの設定を行なう。
SIFS、並びにDIFS+Backoffそれぞれのアクセス設定では、所定のRTS信号(図14を参照のこと)を生成して、アクセス待ち状態に移行する。
アクセス待ち状態では、先に設定したアクセス状態に基づいて、アクセス開始タイミングからの送信待ちを行なう。
それぞれのアクセス設定によるアクセス待ち状態では、受信動作を行いメディアの状態を監視する。ここで、他の通信装置からのキャリアを検出した、あるいはメディアで信号を検出した場合には、それぞれのアクセス待ち状態を維持する。一方、アクセス状態で設定した時間が経過した場合、すなわち、アクセス開始からSIFS又はDIFS+Backoffの期間だけ、メディア上でキャリアを検出しない若しくはメディアのクリア状態を確認できた場合には、RTS送信に移行する。
また、アクセス待ち状態で、他の通信装置宛てのフレームを受信した場合には、NAV設定に移行し、フレームのヘッダ部分に記載されているデュレーション期間だけNAVを維持して送信を待機する。
そして、所定の時間が経過してもNAVが解除されない場合、あるいはキャリアを検出し続けた場合には、DIFS+Backoffアクセス状態に移行し、これらの時間を再設定する。
また、アクセス待ち状態で他の通信装置のフレームを受信せずに所定の時間が経過した場合には、RTS送信状態に移行する。
RTS送信状態では、データ送信先に宛てたRTSパケットを送信し、その後、所定の時間にわたり受信先からのCTSの受信を待機する。ここで、所定の期間内で受信先から自局宛てのCTSを受信することができたときには、次いでデータ送信状態に移行する。一方、所定の時間内にCTSを受信しない場合には、DIFS+Backoffアクセス状態に移行し、アクセス待ちの時間を再設定し、RTSの送信を再試行する。
データ送信状態では、実際にデータ・パケットの送信を行なう。そして、データ・パケットの送信完了後は、所定の時間にわたり受信先からのACKの受信を行なう。そして、所定の時間内に受信先からのACKを受信することができたならば、RTS/CTS手順に基づくデータ送信シーケンスが完了したことになるので、動作待ち状態に移行する。一方、所定時間内に受信先からのACKを受信しなければ、DIFS+Backoffアクセス状態に移行して、これらの時間を再設定し、再送処理を行なう。
また、動作待ち状態において、自局宛てのRTSを受信した場合には、CTS送信状態に移行して、RTS送信元宛てのCTSの送信を行なう。そして、CTS送信後は、所定時間内にデータを受信したかを判断する。所定時間内にデータを受信していれば、データ受信状態に移行するが、受信しなければ、動作待ち状態に戻る。
データ受信状態では、自己宛てのデータを収集するとともに、正しくデータが受信できたかを判断する。正しくデータを受信できていれば、データ送信元宛てにACK情報を返信して、動作待ち状態に戻る。一方、正しく受信できなかった場合には、そのまま動作待ち状態に戻る。
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。
本明細書では、IEEE802.11規格に従う無線ネットワークにおいて、RTS/CTS手順とCSMAに基づくアクセス方式を併用したシステムに対して本発明を適用した実施形態について説明してきたが、本発明の要旨はこれに限定されるものではない。例えば、RTS/CTS手順をCSMA以外のランダム・アクセス方式と併用したシステムや、IEEE802.11以外の規定に従ったランダム・アクセスのシステムに対しても、本発明を同様に適用することができる。
要するに、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
図1は、本発明の一実施形態に係る無線通信システムを構成する通信装置の配置例を示した図である。 図2は、通信局が優先送信区間TPP及び通常のランダム・アクセスを行なう送信区間FAPのそれぞれにおいて送信を開始するための動作を説明するための図である。 図3は、異なるフレーム間隔を用いた優先送信制御の動作例を示した図である。 図4は、各通信局がバックオフ設定により衝突を回避する動作手順の一例を示した図である。 図5は、通信局間でデータ通信の衝突が発生する様子を例示した図である。 図6は、通信局が優先通信を行なう場合にデータ通信の衝突が発生する様子を示した図である。 図7は、優先通信が不成立となる動作例を示した図である。 図8は、優先通信のRTS/CTS手順によりメディアの利用が確立するまでの時間を基準にしてインターフレームスペースを設定した場合の構成例を示した図である。 図9は、バックオフによる待ち時間の設定単位をRTS/CTS手順によりメディアの利用が確立されるまでの時間を基準単位として設定した場合の構成例を示した図である。 図10は、バックオフによる待ち時間の設定単位をRTS/CTS手順によりメディアの利用が確立されるまでの時間を基準単位として設定した場合のアクセス制御動作例を示した図である。 図11は、優先通信のRTS/CTS手順によりメディアの利用が確立するまでの時間を基準にしてインターフレームスペースを設定した場合における、異なるインターフレームスペースを用いて優先通信を行なうアクセス制御動作例を示した図である。 図12は、アクセス開始からインターフレームスペースが経過した後さらにバックオフを以って優先通信を行なうアクセス制御動作例を示した図である。 図13は、図1に示した無線ネットワーク環境下で動作する無線通信装置100の機能構成を模式的に示した図である。 図14は、送信要求(RTS)フレームの構成例を示した図である。 図15は、確認応答(CTS)フレームの構成例を示した図である。 図16は、送信データ(Data)フレームの構成例を示した図である。 図17は、受領確認(ACK)フレームの構成例を示した図である。 図18は、ビーコン(Beacon)フレームの構成例を示した図である。 図19は、本発明に係る無線ネットワークにおける通信局のアクセス制御方法における状態遷移を示した図である。 図20は、RTS/CTS手順の動作例を模式的に示した図である。 図21は、送受信局間でRTS/CTS手順を行なう際に、周辺局で起こり得る作用を説明するための図である。
符号の説明
100…無線通信装置
101…アンテナ
102…無線受信部
103…アクセス制御部
104…無線送信部
105…制御情報生成部
106…インターフレームスペース設定部
107…バックオフ時間設定部
108…受信信号解析部
109…中央制御部
110…タイミング計時部
111…情報記憶部
112…データ・バッファ
113…インターフェース

Claims (12)

  1. データ送信元の通信局が送信要求パケットRTS(Request To Send)を送信し、データ送信先の通信局から確認通知パケットCTS(Clear To Send)を受信したことに応答してデータ送信を開始するRTS/CTS方式を併用してランダム・アクセスが行なわれる無線通信システムであって、
    通信局がメディアにランダム・アクセスするために複数の優先順位が設定可能で、メディアへのアクセスを開始してから送信が可能となるまでのフレーム間隔の長さが優先順位毎に与えられ、
    優先順位が上位となる通信局のフレーム間隔と下位となる通信局のフレーム間隔の差は、RTSパケットを送信開始してからCTSパケットを受信完了するまでの所要時間に基づいて設定される、
    ことを特徴とする無線通信システム。
  2. 優先順位が上位となる通信局がメディアへのアクセスを開始してからフレーム間隔を以って送信要求RTSを送信しその要求に応じた確認応答CTSが返送されるまでの時間が経過したタイミングが下位の通信局のフレーム間隔となるように、優先順位が上位となる通信局のフレーム間隔と優先順位が下位となる通信局のフレーム間隔の時間差を設定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  3. データ送信元の通信局が送信要求パケットRTSを送信し、データ送信先の通信局から確認通知パケットCTSを受信したことに応答してデータ送信を開始するRTS/CTS方式を併用してランダム・アクセスが行なわれる無線通信システムであって、
    通信局は、メディアへのアクセスを開始してから所定のフレーム間隔だけメディアの状態を確認し、さらにバックオフ時間が経過した後に送信を開始することか許され、
    前記バックオフ時間の単位は、RTSパケットを送信開始してからCTSパケットを受信完了するまでの所要時間に基づいて設定される、
    ことを特徴とする無線通信システム。
  4. 送信要求RTSが出されその要求に応じた確認応答CTSが返送されるまでの時間が経過したタイミングをバックオフ時間の1単位として設定する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の無線通信システム。
  5. データ送信元の通信局が送信要求パケットRTSを送信し、データ送信先の通信局から確認通知パケットCTSを受信したことに応答してデータ送信を開始するRTS/CTS方式を併用してランダム・アクセスを行なう無線通信装置であって、
    メディア上で無線信号の送受信を行なう通信手段と、
    前記通信手段における送受信動作を制御する通信制御手段とを備え、
    メディアにランダム・アクセスするために複数の優先順位が設定可能で、メディアへのアクセスを開始してから送信が可能となるまでのフレーム間隔の長さが優先順位毎に与えられており、
    前記通信制御手段は、RTSパケットを送信開始してからCTSパケットを受信完了するまでの所要時間に基づいて上位の優先順位のフレーム間隔に対する時間差が設定されているフレーム間隔を以って送信を開始する、
    ことを特徴とする無線通信装置。
  6. 前記通信制御手段は、優先順位が上位となる通信局のフレーム間隔を以って送信要求RTSが出され、その要求に応じた確認応答CTSが返送されるまでの時間が経過したタイミングを自局のフレーム間隔として送信を開始する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の無線通信装置。
  7. データ送信元の通信局が送信要求パケットRTSを送信し、データ送信先の通信局から確認通知パケットCTSを受信したことに応答してデータ送信を開始するRTS/CTS方式を併用してランダム・アクセスを行なう無線通信装置であって、
    メディア上で無線信号の送受信を行なう通信手段と、
    前記通信手段における送受信動作を制御する通信制御手段とを備え、
    メディアへのアクセスを開始してから所定のフレーム間隔だけメディアの状態を確認し、さらにバックオフ時間が経過した後に送信を開始することか許され、
    前記通信制御手段は、RTSパケットを送信開始してからCTSパケットを受信完了するまでの所要時間に基づいて設定されるバックオフ時間が経過した後に送信を開始する、
    ことを特徴とする無線通信装置。
  8. 前記通信制御手段は、送信要求RTSが出されその要求に応じた確認応答CTSが返送されるまでの時間が経過したタイミングが1単位として設定されるバックオフ時間が経過した後に送信を開始する、
    ことを特徴とする請求項7に記載の無線通信装置。
  9. データ送信元の通信局が送信要求パケットRTSを送信し、データ送信先の通信局から確認通知パケットCTSを受信したことに応答してデータ送信を開始するRTS/CTS方式を併用してランダム・アクセスを行なう無線通信方法であって、
    メディアにランダム・アクセスするために複数の優先順位が設定可能で、メディアへのアクセスを開始してから送信が可能となるまでのフレーム間隔の長さが優先順位毎に与えられており、
    RTSパケットを送信開始してからCTSパケットを受信完了するまでの所要時間に基づいて上位の優先順位のフレーム間隔に対する時間差が設定されているフレーム間隔だけ待機するステップと、
    前記フレーム間隔が経過した後に送信を開始するステップと、
    を具備することを特徴とする無線通信方法。
  10. データ送信元の通信局が送信要求パケットRTSを送信し、データ送信先の通信局から確認通知パケットCTSを受信したことに応答してデータ送信を開始するRTS/CTS方式を併用してランダム・アクセスを行なう無線通信方法であって、
    メディアへのアクセスを開始してから所定のフレーム間隔だけメディアの状態を確認し、さらにバックオフ時間が経過した後に送信を開始することか許され、
    RTSパケットを送信開始してからCTSパケットを受信完了するまでの所要時間に基づいて設定されるバックオフ時間だけ待機するステップと、
    前記バックオフ時間が経過した後に送信を開始するステップと、
    を具備することを特徴とする無線通信方法。
  11. データ送信元の通信局が送信要求パケットRTSを送信し、データ送信先の通信局から確認通知パケットCTSを受信したことに応答してデータ送信を開始するRTS/CTS方式を併用してランダム・アクセスを行なう通信動作をコンピュータ・システム上で処理するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
    メディアにランダム・アクセスするために複数の優先順位が設定可能で、メディアへのアクセスを開始してから送信が可能となるまでのフレーム間隔の長さが優先順位毎に与えられており、
    RTSパケットを送信開始してからCTSパケットを受信完了するまでの所要時間に基づいて上位の優先順位のフレーム間隔に対する時間差が設定されているフレーム間隔だけ待機するステップと、
    前記フレーム間隔が経過した後に送信を開始するステップと、
    を具備することを特徴とするコンピュータ・プログラム。
  12. データ送信元の通信局が送信要求パケットRTSを送信し、データ送信先の通信局から確認通知パケットCTSを受信したことに応答してデータ送信を開始するRTS/CTS方式を併用してランダム・アクセスを行なう通信動作をコンピュータ・システム上で処理するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
    メディアへのアクセスを開始してから所定のフレーム間隔だけメディアの状態を確認し、さらにバックオフ時間が経過した後に送信を開始することか許され、
    RTSパケットを送信開始してからCTSパケットを受信完了するまでの所要時間に基づいて設定されるバックオフ時間だけ待機するステップと、
    前記バックオフ時間が経過した後に送信を開始するステップと、
    を具備することを特徴とするコンピュータ・プログラム。
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