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JP2005536608A - 超分岐性、水溶性ポリエステルの製造方法 - Google Patents

超分岐性、水溶性ポリエステルの製造方法 Download PDF

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JP2005536608A JP2004531812A JP2004531812A JP2005536608A JP 2005536608 A JP2005536608 A JP 2005536608A JP 2004531812 A JP2004531812 A JP 2004531812A JP 2004531812 A JP2004531812 A JP 2004531812A JP 2005536608 A JP2005536608 A JP 2005536608A
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Abstract

実質的に非架橋性、超分岐性、水溶性又は水分散性のポリエステルを、ジカルボン酸及び3個以上のOH基を有するポリエーテルポリオールから製造する方法。該方法で得られる水溶性、超分岐性のポリエステル、及び印刷インク、接着剤、塗布剤(被覆剤)、塗料及びワニスの製造のためにそれらを使用する方法。

Description

本発明は、実質的に非架橋性、超分岐性、水溶性又は水分散性のポリエステルを、ジカルボン酸と3個以上のOH基を有するポリエーテルポリオールとから、製造する方法を提供することにある。さらに本発明は、前記製造方法によって得られる水溶性又は水分散性、超分岐性ポリエステル、前記水溶性ポリエステルを、重付加又は重縮合の重合体の製造のために、及び印刷インク、接着剤、塗布剤、塗料及びワニスの製造のために、使用する方法にも関する。
デンドリマー、アルボロール、スターバースト(星状)重合体、又は超分岐性重合体は、分岐構造と高度官能性を有する重合体構造への言及に使用される用語である。
デンドリマーは、高度の対称性を有する、分子的に一様な巨大分子である。高度の官能性と高度の対称性構造のために、多くの興味深い性質を有する。デンドリマーの使用は、様々な工業分野で提案されてきた。しかし、デンドリマーは、中心出発分子から開始して多段階の合成によって合成しなければならず、そのために非常に高価である。したがって、これらの工業的使用は、高価格品部門での特別な場合に限定されていた。より広範な使用のためには、デンドリマーのより経済的な選択肢が必要である。
デンドリマーと比較して、超分岐性重合体は、分子的にも構造的にも不均一である。異なった長さと異なった分岐の程度とを併せ持った分岐を有している。「超分岐性重合体」の用語は、例えば、Sunder et al.、Chem.Eur.J.2000年、6、No.14、2499〜2506頁、及びこの中で引用されている参照文献で説明されている。この文献は、重合体のこの分類の典型例をも示している。
「超分岐性」の用語は、重合体の分岐の高度な程度を単純に意味しているのではない。むしろ、超分岐性重合体は、分岐点の特に規則的な配列を有している。超分岐性重合体の合成に適した単量体は、特に、ABx単量体である。これらは、互いに反応して架橋を形成可能な2種の異なった官能基AとBを有している。官能基Aはいずれの分子にも1回だけ存在し、官能基Bは2回以上存在している。これらABx単量体を互いに反応させると、分岐点の規則的な配列を有する非架橋性重合体が生じる。この重合体は実質的に、鎖の末端で排他的にB基を有している。
図1は、AB2単量体の反応によって得られる超分岐性重合体の典型的な一例を示している。
図1 AB2単量体からの超分岐性重合体の合成の概略図
Figure 2005536608
WO93/17060は、樹状ポリエステルの製造方法を開示している。出発分子としてのポリオール、例えばトリメチルオールプロパンを、ジメチルオールプロピオン酸と、第1世代のデンドリマーが形成されるような量で反応させる。より高次の世代のデンドリマーを、ジメチルオールプロピオン酸の段階的な添加によって、形成する。得られたポリエステルは、続けてさらに官能化することができる。製造方法が単段階工程又は多段階工程であるかを問わず、ジメチルオールプロピオン酸は高価であり、この方法は柔軟性に乏しい。
本発明者等の未公開の特許出願(DE10163164.4、及びDE10219508.0)は、酵素的又は触媒的手段によって、超分岐性ポリエステルを製造する方法を開示している。ABx分子からの合成の選択肢として、A2 + Bx戦略もまた開示されている。ABx分子が、ジカルボン酸A2とポリオールBxからインサイチューで形成され、これらが超分岐性ポリエステルを形成する。しかし、開示されたこの重合体は、水溶性ではなく、そのために水溶液系での使用には適していない。OH成分としてのポリエーテルポリオールは、開示されていない。
ビルディングブロックとしてのポリエーテルポリオールを含むポリエステルは、多数回にわたり開示されてきている。
US4983712は、テレフタル酸、脂肪酸、及び、所望により別なジカルボン酸の混合物、及びその他の反応物として過剰量のエトキシル化トリオール又はポリオール及び非エトキシル化ジオールの混合物からの、放射線硬化性ポリエステルの製造を開示している。得られる生成物は、さらにアクリル酸を使用して官能化される。この反応は、180℃〜250℃で溶融して行われる。しかし、高い反応温度のために、例えば脱水素化、分子間架橋等の望まない副反応や、生成物の退色が生じる。
EP−A383118は、(メタ)アクリル基を有する架橋可能なポリエステルを、不飽和ジカルボン酸、1〜4個のOH基を有することができる1種以上のエーテルアルコール、及び(メタ)アクリル酸とから製造することを開示している。
EP−A279303は、アルコキシル化 2〜6−水素アルコール、2〜4−塩基カルボン酸、及びアクリル又はメタクリル酸の反応と、その後の過剰量のカルボキシル基とエポシキドとの反応により、放射線硬化性アクリレートを製造することを開示している。
GB−A2259514は、混合物中のジオールの割合が30〜95質量%の(ポリ)エーテルジオールと(ポリ)エーテルポリオールの混合物と、及びその他の反応物として脂肪族及び脂環式ジカルボン酸又はポリカルボン酸の混合物とから、物品の水濡れ性を改善するためのポリエステルの製造を開示している。
US4983712 EP−A383118 EP−A279303 GB−A2259514 Sunder et al.、Chem.Eur.J.2000年、6、No.14、2499〜2506頁
上述の文献中で開示されているポリエーテルポリオールユニットを含むポリエステルは、分岐を有することも可能である。しかし、いずれの文献も、実質的に非架橋性及び超分岐性、すなわち規則的な分岐構造を有し、水溶性又は水分散性のポリエステルを得るために必要な条件を示してはいない。
本発明の目的は、実質的に非架橋性、水溶性又は水分散性、超分岐性のポリエステルを、単純な単量体から製造する経済的方法を提供することにある。さらに、上記製造方法は、水溶性又は水分散性、超分岐性のポリエステルの特性を特定の用途に簡易な方法で最適に適合させるために、高度の柔軟性を有していなければならない。本発明の目的はさらに、新規な水溶性又は水分散性、超分岐性のポリエステルを提供すること、及び重付加又は重縮合重合体を製造するための、及び印刷インク、接着剤、塗料及びワニス及び塗布剤を製造するための、それらの使用方法を提供すること、にもある。
本発明者等は、この目的が、
1種以上のジカルボン酸又はジカルボン酸誘導体(A)と、
1種以上のn個のOH基(但し、n≧3である)を有するポリエーテルポリオール(B)とを、
成分(A)と成分(B)が、COOH基に対するOH基のモル比が2:1〜1:2の範囲にある量で使用して、
60℃〜160℃でエステル化反応触媒の存在下で反応させる工程を含んで、実質的に非架橋性(無架橋性)、超分岐性、水溶性又は水分散性のポリエステルを製造する方法によって達成されることを見いだした。
本発明の別な側面においては、本発明者等は、上述した製造方法によって得られる水溶性又は水分散性、超分岐性のポリエステルを見いだした。
本発明の第3の側面においては、本発明者等は、水溶性又は水分散性、超分岐性のポリエステルを、印刷インク、接着剤、塗布剤、塗料及びワニスの製造のために使用する方法(製造方法)を見いだした。
以下に本発明の詳細な説明をする。
本発明の超分岐性及び水溶性又は水分散性ポリエステルは、超分岐性重合体、厳密に言えば、すなわち分子的及び構造的に不均一な重合体である。冒頭に定義したような分子的及び構造的に均一なデンドリマーは、本発明の範囲の中ではない。
本発明の製造方法を行うために、ABx分子は必要ではないが、その代わりに対応する構造単位がA2及びBx分子からインサイチューで生成される。
この合成は、1種以上のジカルボン酸(A)又はこれらの適当な誘導体を使用して行われる。当然、種々のジカルボン酸又は誘導体混合物を使用することが可能である。反応に不利な影響を与えないことを条件として、この誘導体の選択は限定されない。
好適な誘導体は、特に、関連する無水物であって単量体又は多量体形態でのもの、又はモノアルキル又はジアルキルエステル、好ましくはメチル又はエチルエステル又は混合メチルエチルエステルである。
ジカルボン酸(A)の例には、飽和脂肪族ジカルボン酸、例えばマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン−α,ω−ジカルボン酸、及び脂環式カルボン酸、例えば1,2−、1,3−又は1,4−シクロヘキサンジカルボン酸又はシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸が含まれる。上述のジカルボン酸は、例えばアルキル基、特にC1〜C10−アルキル基、シクロアルキル基、アルキレン基、例えばメチレン又はエチリデン、又はアリール基、特にC6〜C14−アリール基等の基の1個以上によって置換されていてもよい。
ジカルボン酸(A)の別な例には、エチレン性不飽和酸、例えばマレイン酸及びフマル酸、及び芳香族ジカルボン酸、例えばフタル酸、イソフタル酸又はテレフタル酸等も含まれる。
好ましいジカルボン酸(A)は、脂肪族ジカルボン酸、特にコハク酸、グルタル酸、及びアジピン酸、又はそれらのモノメチル又はジメチルエステルである。これとは別に、フタル酸、イソフタル酸、及びテレフタル酸、及びそれらのモノメチル又はジメチルエステルも好ましい。特に好ましくは、アジピン酸である。
合成の第2成分として、n個のOH基(但し、nは、3以上の自然数)を有するポリエーテルポリオール(B)が使用される。nは、好ましくは3、4、5又は6、特に好ましくは3又は4である。
当然、種々のポリエーテルポリオールの混合物を使用することも可能である。
適切なポリエーテルポリオールの例には、2〜50、好ましくは2〜7、及び特に好ましくは2〜4の重合度を有するオリゴグリセロールが含まれる。
別な例には、酸性H原子を含む基を3個以上有する化合物のエトキシル化及び/又はプロポキシル化により得られるポリエーテルポリオールが含まれる。
酸性H原子を含む基を3個以上有する化合物の例には、アルコール、特に3個以上のOH基を有する飽和アルコール、例えばグリセロール、トリメチルオールエタン、トリメチルオールプロパン、ジトリメチルオールプロパン、又はペンタエリスリトールが含まれる。しかし、適切なアミン又はアミノアルコール、例えばジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、又はジイソプロピルエタノールアミンを使用することも可能である。
エトキシル化の程度は、OH基又は酸性Hを有する基あたり、0.1〜10エチレンオキシドユニットが通常である。好ましくは1〜6、特に好ましくは2〜5ユニットである。使用されるポリエステルポリオールの数平均分子量Mnは、通常100〜1000g/モルである。エトキシル化トリメチルオールプロパン、エトキシル化グリセロール、又はエトキシル化ペンタエリスリトールを使用することが好ましい。PPO−PEOブロックを含む枝(アーム)を3個以上有する星状分子もまた好適である。
本発明によれば、化合物(A)及び(B)を、OH基のCOOH基に対するモル比(OH基:COOH基)が、2:1〜1:2のような量で反応させる。上述の比が上限よりも大きいか、下限よりも小さければ、十分な品質の水溶性又は水分散性、超分岐性の重合体は、一般には得ることができない。これは、この比が規定した限度よりわずかに大きい又は小さいときの特別な場合に、十分な品質の超分岐性の重合体を得ることができるという可能性を、除外するものではない。
OH基のCOOH基に対するモル比は、好ましくは1.8:1〜1:1.8、特に好ましくは1.5:1〜1:1.5、極めて特に好ましくは1.25:1〜1:1.25である。
本発明の製造方法において、連鎖伸長剤(V)としてジオールを最適に使用可能である。連鎖伸長剤は、ABxユニットの枝を伸長することができる。上述の例には、AVABxユニットがある。連鎖伸長剤は、所望の重合体の特性に微調整するために使用可能である。それによって例えば、ゲル化点又は分子の官能基の密度に影響を与えることができる。
連鎖伸長剤(V)の最適な添加量は、一般に、使用されるポリエーテルポリオールの量の40モル%を超えてはならない。この量は好ましくは20モル%を超えない。さらに、この量は、(V)のOH基を考慮した場合でも、上述のOH/COOH比に従うように算出される。
連鎖伸長剤(V)として適したジオレフィンの例には、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,3−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,2−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,2−ドデカンジオール、1,5−ヘキサジエン−3,4−ジオール、シクロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、イノシトール、及びそれらの誘導体、(2)−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ピナコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール HO(CH2CH2O)n−H、又はポリプロピレングリコール HO(CH[CH3]CH2O)n−H、又は上述の化合物の典型例の2種以上の混合物が含まれる(但し、nは整数及びn=4である)。エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、及びジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、及びトリプロピレングリコールが好ましい。
超分岐性重合体の特性を微調整するために、連鎖停止剤(S)を添加することもできる。連鎖停止剤は、単官能性アルコール又は単官能性カルボン酸である。これらは、成長中の超分岐性重合体の反応性官能基末端基と反応可能で、特性の微調整、例えば分子量を制限することが可能である。連載停止剤として種々のアルコールの混合物、又は連載停止剤として種々のカルボン酸を使用することができる。特別の場合に絶対には除外されないのではあるが、アルコールとカルボン酸の混合物を使用することは一般に推奨できない。
添加する連鎖停止剤の最適な量は、一般に、モノカルボン酸における(A)、又はモノアルコール用の(B)の量の10モル%を超えない。好適には、5モル%を超えないで使用される。さらに、この量は、上述のOH/COOH比が、(S)のOH又はCOOH基を考慮した場合でも、上述のOH/COOH比に従うように算出される
連鎖停止剤(S)として使用可能なモノカルボン酸の例には、高沸点直鎖状又は分枝状飽和モノカルボン酸、特にC6〜C20−カルボン酸、例えばヘキサン酸、2−エチルヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、ラウリル酸、パルミチン酸、又はステアリン酸が含まれる。誘導体の選択は、それによってこの反応に悪影響を与えないという条件下で、制限がない。好適な誘導体は、特に、対応する無水物であって単量体又は多量体の形態のもの、又はアルキルエステル、好ましくはメチル又はエチルエステルである。
好ましいものアルコールの例には、高沸点アルコール、例えばベンジルアルコール、1−ドデカノール、1−テトラデカノール、1−ヘキサデカノール、グリコールモノアルキルエーテル、例えばグリコールモノエチルエーテル、又はポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、例えばポリエチレングリコールモノエチルエーテルが含まれる。
本発明の方法において、成分(A)及び(B)、さらに存在する場合に(V)及び/又は(S)は、エステル化触媒の存在下で反応させる。反応温度は、一般に40〜160℃である。例え例外的な環境にあっても、この温度範囲の外では、一般に本発明の応用に必要な品質の実質的に非架橋性、水溶性又は水分散性、超分岐性のポリエステルは、もはや得ることができない。
好ましいエステル化触媒の例には、酸性の無機、有機金属、又は有機触媒が含まれる。
酸性無機触媒の例には、硫酸、リン酸、ホスホン酸、次亜リン酸、硫酸アルミニウム水和物、ミョウバン、酸性シリカゲル(pH=6、特に=5)、及び/又は酸性酸化アルミニウムが含まれる。さらに、式 Al(OR)3のアルミニウム化合物、及び式 Ti(OR)4のチタネートは、例えば、酸性無機触媒として使用することもできる。この場合に、R基は、同一又は相違していてもよく、C1〜C10−アルキル基から独立に選択される。Al(OR)3又はTi(OR)4のR基は、いずれも同一であることが好ましく、イソプロピル及び2−エチルヘキシルから選択されることが好ましい。
例えば、ジアルキルスズ酸化物 R2SnO (但し、Rは、先に規定した通りである)から選択された酸性有機金属触媒が好適である。酸性有機金属触媒の特に好ましい典型例は、ジ−n−ブチルスズオキシドであり、これはオキソスズとして市販されている。
好ましい酸性有機触媒には、例えばリン酸基、スルホン酸基、硫酸基、又はホスホン酸基を有する酸性有機化合物が含まれる。
組み合わせが望まない特性をもたらさないという条件で、2以上の上述の触媒を組み合わせて使用することも当然に可能である。個々の分子が固定化された形態で存在する有機又は有機金属又は無機触媒を使用することも可能である。そのような酸性エステル化触媒の量は、(A)及び(B)及び所望により(V)及び/又は(S)の総計に対して、通常は0.1〜10質量%、好ましくは0.2〜2質量%の触媒である。
エステル化触媒は、酵素であってもよい。リパーゼ又はエステラーゼの使用が好ましい。非常に適したリパーゼ及びエラスターゼには、カンジダシリンドラセア(Candida cylindracea)、カンジダリポリティカ(Candida lipolytica)、カンジダルゴサ(Candida rugosa)、カンジダアンタラクティカ(Candida antarctica)、カンジダウティリス(Candida utilis)、クロモバクテリィウムヴィスコスム(Chromobacterium viscosum)、ジオトリクムビスコスむ(Geotrichum viscosum)、ジオトリクムカンジドゥム(Geotrichum candidum)、ムコロヤヴァニカス(Mucor javanicus)、ムコロミヘイ(Mucor mihei)、ピグパンクレアス(pig pancreas)、シュードモナスspp.(Pseudomonas spp.)、シュードモナスフルオレセンス(Pseudomonas fluorescens)、シュードモナスセパシア(Pseudomonas cepacia)、リゾプスアリズス(Rhizopus arrhizus)、リゾプスデレマル(Rhizopus delemar)、リゾプスニヴェウス(Rhizopus niveus)、リゾプスオリザエ(Rhizopus oryzae)、アスペリギルスニゲル(Aspergillus niger)、ペニシリウムロケフォルティ(Penicillium roquefortii)、ペニシリウムカメンベルティ(Penicillium camembertii)、又は、バシルスspp.(Bacillus spp.)、及びバシルスサーモグルコシダシウス(Bacillus thermoglucosidasius)のエステラーゼがある。カンジダアンタラクティカリパーゼB(Candida antarctica lipase B)が特に好適である。上述の酵素は、例えばデンマークのNovozymes Biotech Inc.等から、市販されている。
前記酵素は、例えばシリカゲル又はLewatit(登録商標)上に固定化された形態で好適に使用される。酵素の固定化方法は、例えばKurt Faber、"Biotransformations in Organic Chemistry”, 第三版 1997年, Springer Verlag, 第3.2章 ”Immobilization”, 345−356頁において、公知である。固定化酵素は、例えばデンマークのNovozymes Biotech Inc.等から、市販されている。
使用される固定化酵素の量は、(A)及び(B)、所望により(V)及び/又は(S)の合計に対して、通常0.1〜20質量%、特に10〜15質量%である。
本発明の方法は、エステル化触媒とともに、(A)及び(B)、所望により(V)及び/又は(S)を、所望の温度に単に加熱するだけで行うことができる。しかし、溶媒の存在下でもこの方法は行うことができる。適した溶媒には、特に、高沸点パラフィン又は芳香族化合物等の炭化水素が含まれる。挙げることのできる例には、トルエン、エチルベンゼン、及びキシレンがある。溶媒の量は、所望の反応条件に依存して、当業者が決定することができる。
本発明の方法は、反応の開始時の添加される添加剤として、脱水剤の存在下で行うことができる。このタイプの好適な添加剤の例には、例えばモレキュラーシーブ(分子ふるい)、特に4Åのモレキュラーシーブ、MgSO4及びNaSO4がある。別な脱水剤を、反応の間に添加することも可能であり、脱水剤を新しい脱水剤に置き換えることもできる。
形成された水又は形成されたアルコール(エステルを使用した場合)を蒸留除去することが好適である。溶媒の損失を避けるために、例えば水分離装置を使用して、溶媒から水を分離すること、水を除去した溶媒を反応混合物中に戻すことが推奨される。反応により形成された水を可能な限り効率的に除去するために、反応を減圧下で行うことが一般に推奨される。好ましい実施の態様において、反応は500mbar未満の圧力で行われる。
反応に最も好適な条件は、使用される触媒の種類にも依存する。酵素が使用される場合には、溶媒を使用することが一般に推奨される。有用であることがわかっている溶媒の例には、トルエンがある。さらに、この変形において好ましい温度は、40〜120℃である。特に好ましいのは、50〜80℃、極めて特に好ましいのは65〜75℃である。この反応を行うためには、100〜500mbar、特に好ましくは150〜350mbarの圧力が好適である。
酸性無機、有機金属又は有機エステル化触媒が使用される場合には、前記方法は、特に好適には溶媒を付加することなく行うことができる。反応のこの変形における好ましい温度は、60〜160℃である。80〜150℃が特に好ましい。この変形において、反応は100mbar未満、特に好ましくは10〜80mbarの圧力で好適に行われる。反応混合物を十分に混合することが、いずれの変形でも推奨される。
多くの場合に、本発明の製造方法により得られる超分岐性、水溶性又は水分散性ポリエステルは、さらに後処理をすることなく好適に使用可能である。固体触媒の残渣は、適当な場合には溶媒の添加の後に、ろ過によって除去可能であり、この溶媒は減圧下で再び除去可能である。所望により、重合体は、重合体分野の当業者に原理的に知られている方法、例えば再沈殿によって精製可能である。
使用される成分(A)と(B)の比に依存して、この製造方法で形成される水溶性又は水分散性、超分岐性のポリエステルは、末端OH基、末端COOH基、又は末端OH基と末端COOH基の両方を有する。さらに、側方OH基及び/又はCOOH基をも有する(図1参照)。カルボン酸エステルが出発物質として使用される場合には、末端基は当然、フリーのCOOH基ではなく、COOR基である。完全に又は主としてOH末端である重合体は、ジカルボン酸(A)のモルあたり1モルのポリエーテルポリオール(B)を使用して得られる。完全に又は主としてCOOH末端である重合体は、n個のOH基を有する(B)のモルあたり(n−1)モルのジカルボン酸(A)を使用して得られる。
本発明の別な変形において、超分岐性ポリエステルは、末端OH基又は末端COOH基のいずれかと、あるいは一般にはCOOH基及びOH基と反応可能である適切な官能化剤(F)を使用して、さらに反応させることが可能である。この方法により、超分岐性重合体の意図的な使用に厳密に合致する末端基を、超分岐性重合体の中に設けることが可能である。官能化は、重合後に超分岐性重合体をさらに後処理することなく、直接に行うことが好ましい。しかし、付加的な工程において、超分岐性重合体の精製及び/又は後処理の後に行うことも可能である。
官能化に特に好適な官能化剤には、脂肪族及び芳香族モノカルボン酸及びそれらの誘導体、脂肪族又は芳香族1価カルボン酸及びそれらの誘導体、脂肪族及び芳香族不飽和1価カルボン酸及びそれらの誘導体、脂肪族及び芳香族1価アルコール、脂肪族及び芳香族不飽和1価アルコール、脂肪族及び芳香族1価アミン、脂肪族及び芳香族不飽和1価アミン、芳香族及び脂肪族モノイソシアネート、脂肪族及び芳香族不飽和モノイソシアネート、カルボジイミド基を含む化合物、及びエポキシド基を含む化合物からなる群より選択された1種以上の化合物がある。
続けて官能化を行う方法は、後に例によって示すが、記載された例によって本発明が限定されるものではない。
なお存在するCOOH基は、ジオール、例えばエチレングリコールと反応させて、実質的にOH基のみを有する生成物を得ることができる。過剰量のジオールを使用すること、及び、反応後に残余のジオールを分離除去することが有用であるとわかっている。
逆に、なお存在するOH基は、ジカルボン酸、例えばマレイン酸、コハク酸、グルタル酸又はアジピン酸と、特にそれらの無水物の形態で反応させて、実質的にCOOH基のみを有する重合体を得ることができる。
エステル化された末端基は、1価アルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、又は長鎖脂肪族1価アルコール、例えばステアリルアルコール、又は、これに代えて、1価カルボン酸、例えば酢酸、プロピオン酸又はステアリン酸を使用して、目指す方法で、生成することができる。
(F)として、不飽和1価カルボン酸又は不飽和1価アルコール、例えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、ビニルアルコール、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、又は天然油、例えば亜麻仁油又はヒマワリ油を、使用することも可能である。特に光硬化性の系で使用される重合体を、これらによって得られる。
官能化が、示されているように、エステル化反応に基づいている場合には、官能化に先だって後処理を行わないこと、あるいは冒頭に述べたエステル化触媒を再導入しないことが特に推奨される。不飽和基を有さない官能化剤(F)の場合には、穏和な反応条件下でのみ官能化反応を行うことも、一般には推奨される。触媒が酵素である場合には、20〜80℃、好ましくは40〜70℃で作用させることが推奨される。酸性触媒の場合には、好ましい温度は20〜100℃、特に好ましくは40〜80℃である。いずれの場合にも、フリーラジカル重合を防ぐ阻害剤の付加的な使用が推奨される。飽和アルコール又はカルボン酸の場合には、重合に使用される温度は維持することができる。
別な例には、例えばCOOH末端基と、ジアミン又はポリアミン、例えばエチレンジアミン又は時エチレントリアミンとの反応による末端アミノ基の導入、あるいはOH基と、脂肪族又は芳香族ジイソシアネートとを反応させてイソシアネート末端基を生成することが含まれる。
本発明の水溶性又は水分散性、超分岐性のポリエステルは、300〜15000g/モル、好ましくは500〜10000g/モル、特に好ましくは500〜8000g/モルの分子量Mnを有している。
多分散性Mw/Mnは、一般に1.1〜50、好ましくは1.2〜40、特に好ましくは1.2〜20である。
本発明のポリエステルのヒドロキシル数は、一般に50〜1000mg KOH/g、好ましくは100〜800mg KOH/gである。
酸数は、一般に0〜200mg KOH/gであり、好ましくは1〜100mg KOH/gである。
このポリエステルは、一般に、水に良好〜非常に良好な溶解性を有し、すなわち、肉眼でゲル粒子が観察されることなく、水中の本発明のポリエステルが50質量%にも達して、場合によっては80質量%の高濃度にも達して含まれいる明澄な溶液を製造することが可能である。
別な実施の態様においては、もはや水溶性ではないが非常に容易に水分散可能で、やや低い超分岐性のポリエステルを、製造することが可能である。この場合、固体含量が50質量%にも達する安定した分散液を得ることができる。
一般に、本発明の超分岐性ポリエステルは、アルコール又は水性溶媒混合物にも容易に溶解する。疎水性の程度は、成分(A)及び(B)、及び適切な場合には、(V)、(S)及び(F)の選択によって制御することが可能である。
本発明の超分岐性ポリエステルは、分子間架橋を実質的に有していない(非架橋性)。これらは特に低い樹脂成分比率と退色性とを有している。
本発明の別な側面は、本発明の超分岐性、水溶性ポリエステルを、接着剤、印刷インク、例えばフレキソ印刷インク及び/又はグラビア印刷インク、塗布剤(被覆剤)、塗料、及びワニスを製造するために使用することにある。これらは、水を基材とする生成物が、本質的に特に有用である。本発明の超分散性ポリエステルを含む接着層、印刷、塗布(被覆)、又は塗料/ワニス層は、広範な種類の材料に対して良好な接着性を示す。
この目的のために、超分散性ポリエステルは、それ自体使用することも可能であり、あるいは、重付加又は重縮合生成物、例えばポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、及びポリエーテル(これらは代わりに上述の生成物を得るためにさらに処理することができる)を製造するために好適に使用可能である。本発明によるヒドロキシル末端性、高度官能性、超分岐性ポリエステルは、重付加又は重縮合生成物、例えばポリカーボネート、ポリエステル又はポリウレタンを製造するために、好適に使用できる。
本発明の製造方法は、高度に柔軟である: 多数の広範な異なった生成物を、本発明の方法を使用して、ごくわずかな成分から、ブロック構築原理を用いることによって得ることができる。したがってこの方法は、それぞれの所望の用途に、所望される生成物の特性を特に良好に合致させることを可能にする。
以下の実施例により本発明を詳細に説明する:
使用した化学物質及び略号のリスト:
PG−3 ポリグリセロール−3(Solvay製)
TMPEO エトキシル化トリスヒドロキシメチルプロパン(Lupranol(登録商標)VP 9266、BASF製)
GlyEO エトキシル化グリセロール(Lupranol(登録商標)VP9209、BASF製)
Novozym(登録商標) 固定支持体上に固定したカンジダアンタラクティカB(Candida antarctica B)由来リパーゼ(デンマーク、Novozymes Biotech Inc.製)
Fascat(登録商標) ジ−n−ブチルスズオキシド(4201 E−Coat、Elf Atochem製)
[実施例1]: アジピン酸/PG−3、酵素触媒
アジピン酸(88g、0.60モル)及びPG−3(120g、0.44モル)を、70℃で撹拌しながら反応用の三叉フラスコ中で80mlのトルエンに減圧下で溶解した。14gの酵素触媒Novozym(登録商標)435を添加して、重合を70℃で減圧条件下(300mbar)で行って、重合中に生成した水を除去した。水を、同様に共沸蒸留用の蒸留装置中で蒸留除去したトルエンから分離し、トルエンを反応装置に戻した。
9時間の反応時間の後に、反応溶液をろ過して支持体に支持された酵素を分離除去した。続けてトルエンを、ロータリーエバポレータで除去して、残ったトルエンの痕跡量は、高度真空(10mbar未満)中で50〜100℃で除去した。
これによって、蜂蜜状の、粘性のある、無色からやや黄色がかった超分散性ポリエステルが得られた。ポリエステルは、非常に容易に水に溶けた。得られたポリエステルのこの特性は、表2にまとめた。
[実施例2]: アジピン酸/PG−3、酸触媒
アジピン酸(1306g,8.95モル)及びPG−3(1774g、7.45モル)を、70℃で撹拌しながら反応用の三叉フラスコ中で減圧下で溶融した。2.05gの酸触媒Fascat(登録商標)を添加し、重合を130℃で減圧下(50mbar)で行って、重合中に生成した水を除去した。9時間の反応時間の後に、蜂蜜状の、粘性のある、無色からやや黄色がかった超分散性ポリエステルが得られた。得られたポリエステルのこの特性は、表2にまとめた。
[実施例3]: アジピン酸/TMPEO、酵素触媒
アジピン酸(22g、0.15モル)及びTMPEO(198g、0.295モル)を、実施例1で記載したように25mlのトルエン中で撹拌しながら反応させた。1.7gの酵素触媒Novozym(登録商標)435を使用して、反応を200〜250mbarの圧力下で行った。
16時間の反応時間の後に、超分岐性ポリエステルをすでに記載したように後処理した。 得られたポリエステルの特性を、表2にまとめた。
[実施例4]: アジピン酸/TMPEO、酸触媒
アジピン酸(51.9g、0.355モル)及びTMPEO(198g、0.295モル)を実施例2で記載したように反応させた。0.20gのFascat(登録商標)を使用して、反応を70mbarの圧力下で行った。
反応時間は23時間であった。得られたポリエステルの特性を、表2にまとめた。
[実施例5]: アジピン酸/GlyEO、酵素触媒
アジピン酸(29.3g、0.20モル)及びGlyEO(62.3g、0.17モル)を、実施例1に記載したように25mlのトルエン中で撹拌しながら反応させた。7gの酵素触媒Novozym(登録商標)435を使用し、反応を200〜250mbarの圧力下で行った。
16時間の反応時間の後に、超分岐性ポリエステルをすでに記載したように後処理した。
得られたポリエステルの特性を、表2にまとめた。
[実施例6]: アジピン酸/GlyEO、酸触媒
アジピン酸(80g、0.55モル)及びGlyEO(169.6g、0.46モル)を実施例2で記載したように反応させた。0.60gのFascat(登録商標)を使用し、反応は60mbarの圧力下で行った。
反応時間は22時間であった。得られたポリエステルの特性を表2にまとめた。
[実施例7]: アジピン酸/PG−3/連鎖停止剤(S)としてステアリン酸、酸触媒
アジピン酸(99g、0.68モル)、PG−3(135g、0.56モル)及びステアリン酸(15.8g; 0.056g アジピン酸に対して8.2モル%に相当する)を、100℃で実施例2で記載したように反応させた。0.16gのFascat(登録商標)を添加し、重合を60mbarの圧力下と130℃の温度下で行った。
反応時間は8時間であった。ワックス状の、超分岐性ポリエステルが得られた。得られたポリエステルの特性を表2にまとめた。
[実施例8]: アジピン酸/PG−3/連鎖伸長剤(V)としてグリセリルモノステアレート、酸触媒
アジピン酸(99g、0.55モル)、PG−3(135g、0.56モル)及びグリセリルモノステアレート(20.1g; 0.056モル PG−3に対して10モル%に相当する)を、130℃で実施例2に記載したように溶融した。0.16gのFascat(登録商標)を添加し、重合を60mbarの圧力下と130℃の温度下で行った。
反応時間は15時間であった。得られたポリエステルの特性を表2にまとめた。
[実施例9]: アジピン酸/PG−3/連鎖伸長剤(V)としてエチレングリコール、酸触媒
アジピン酸(102.6g、0.70モル)、PG−3(150g、0.625モル)及びエチレングリコール(2.65g; 0.043モル PG−3に対して6.9モル%に対応する)を、130℃で実施例2で記載したように溶融した。0.17gのFascat(登録商標)を添加し、重合を60mbarの圧力下と130℃の温度下で行った。
反応時間は21時間であった。得られたポリエステルの特性を表2にまとめた。
[実施例10]: フタル酸無水物/PG−3、酸触媒
フタル酸無水物(99.2g,0.67モル)及びPG−3(150.8g、0.625モル)を、実施例2で記載した装置中で130℃で溶融した。0.20gのFascat(登録商標)を添加し、重合を150mbarの圧力下と150℃の温度下で行った。16時間の反応時間の後に、圧力を50mbarに減少させて、重合をこの圧力下でさらに3時間続けた。
得られたポリエステルの特性を表2にまとめた。
[実施例11]: シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物/PG−3、酸触媒
シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物(101.6g、0.695モル)及びPG−3(148g,0.62モル)を実施例2で記載した装置中で溶融した。0.30gのFascat(登録商標)を添加し、重合を大気圧下と150℃の温度下で行った。4.5時間の反応時間の後に、圧力を60mbarに減少させ、重合をこの圧力下でさらに9時間続けた。
得られたポリエステルの特性を表2にまとめた。
[比較例1]
ポリエーテルポリオール無し
アジピン酸/トリメチルオールプロパン/酸触媒
アジピン酸(702g、4.8モル)、トリメチルオールプロパン(537g、4モル)、2.4gのFascat(登録商標)及び200gのトルエンを、窒素下で125〜130℃に加熱し、形成された水を水分離装置を使用して分離除去した。11時間の反応時間の後に、トルエンを減圧下で蒸留除去した。粘性の超分岐性ポリエステルは、酢酸ブチル又はTHF中へ溶解性であったが、水には不溶性であった。
えら得た超分岐性ポリエステルの物理的及び化学的特性を表2にまとめた。
Figure 2005536608

Claims (29)

  1. 1種以上のジカルボン酸又はジカルボン酸誘導体(A)と、
    1種以上のn個のOH基(但し、n≧3である)を有するポリエーテルポリオール(B)とを、
    成分(A)と成分(B)が、COOH基に対するOH基のモル比が2:1〜1:2の範囲にある量で使用して、
    40℃〜160℃でエステル化反応触媒の存在下で反応させることによって、実質的に非架橋性、超分岐性、水溶性又は水分散性のポリエステルを製造する方法。
  2. nが、3、4、5、又は6である、請求項1に記載の製造方法。
  3. nが、3、又は4である、請求項1に記載の製造方法。
  4. OH基とCOOH基のモル比が、1.8:1〜1:1.8の範囲にある、請求項1〜3のいずれかの請求項に記載の製造方法。
  5. OH基とCOOH基のモル比が、1.5:1〜1:1.5の範囲にある、請求項1〜3のいずれかの請求項に記載の製造方法。
  6. 前記反応が減圧下で行われる、請求項1〜5のいずれかの請求項に記載の製造方法。
  7. 前記圧力が500mbar未満である、請求項6に記載の製造方法。
  8. 3個以上のOH基を有するポリエーテルポリオールが、3個以上の酸性H原子を有する分子のエトキシル化及び/又はプロポキシル化によって得られる、請求項1〜7のいずれかの請求項に記載の製造方法。
  9. エトキシル化が行われる、請求項8に記載の製造方法。
  10. ジオールが、使用されるポリエーテルポリオールの量に対して、40モル%以下の量で、連鎖伸長剤(V)として付加的に使用される、請求項1〜9のいずれかの請求項に記載の製造方法。
  11. 連鎖伸長剤(V)の量が、20モル%を超えない、請求項10に記載の製造方法。
  12. 1価カルボン酸又は1価アルコールが、使用されるポリエーテルポリオール(B)又はジカルボン酸(A)の量に対して10モル%以下の量で、連鎖停止剤(S)として付加的に使用される、請求項1〜11のいずれかの請求項に記載の製造方法。
  13. 連鎖停止剤(S)の量が、5モル%以下である、請求項12に記載の製造方法。
  14. 得られた超分岐性、水溶性又は水分散性のポリエステルを、ポリエステルのOH基及び/又はCOOH基と反応可能な好適な官能化剤(F)と、付加的な反応工程において反応させる、請求項1〜13のいずれかの請求項に記載の製造方法。
  15. 官能化剤(F)が、脂肪族又は芳香族モノカルボン酸及びその誘導体、脂肪族又は芳香族不飽和モノカルボン酸及びその誘導体、脂肪族又は芳香族1価アルコール、脂肪族又は芳香族不飽和1価アルコール、脂肪族又は芳香族モノアミン、脂肪族又は芳香族不飽和モノアミン、芳香族又は脂肪族モノイソシアネート、脂肪族又は芳香族不飽和モノイソシアネート、カルボジイミド基を含む化合物、及び、エポキシド基を含む化合物からなる群より選択された1以上の化合物を含む、請求項14に記載の製造方法。
  16. エステル化触媒が酵素であり、重合が40〜120℃で溶媒の存在下で行われる、請求項1〜15のいずれかに記載の製造方法。
  17. 重合が、50℃〜80℃で行われる、請求項16に記載の製造方法。
  18. 酵素が、リパーゼ又はエステラーゼである、請求項16又は請求項17に記載の製造方法。
  19. 酵素が、カンジダアンタラクティカリパーゼBである、請求項18に記載の製造方法。
  20. 酵素が、固定化形態で使用される、請求項16〜19のいずれかの請求項に記載の製造方法。
  21. エステル化触媒が、酸性、無機、有機金属性、又は有機触媒である、請求項1〜15のいずれかの請求項に記載の製造方法。
  22. 反応が、60℃〜160℃で行われる、請求項21に記載の製造方法。
  23. 反応が、80℃〜150℃で行われる、請求項22に記載の製造方法。
  24. 反応が、100mbar以下の圧力下で行われる請求項21〜23のいずれかの請求項に記載の製造方法。
  25. 請求項1〜24のいずれかに記載の製造方法により得られる、水溶性又は水分散性、超分岐性ポリエステル。
  26. 50〜1000mg KOH/gのヒドロキシル数、0〜200mg KOH/gの酸数、300〜15000g/モルの数平均分子量Mn、及び、1.1〜50の多分散性Mw/Mnを有し、請求項1〜24のいずれかに記載の製造方法により得られる、水溶性又は水分散性、超分岐性ポリエステル。
  27. 100〜800mg KOH/gのヒドロキシル数、1〜100mg KOH/gの酸数、500〜8000g/モルの数平均分子量Mn、及び、1.2〜20の多分散性Mw/Mnを有する、請求項26に記載の水溶性又は水分散性、超分岐性ポリエステル。
  28. 請求項25〜27のいずれかに記載の水溶性又は水分散性、超分岐性ポリエステルを、重付加、又は重縮合の重合体を製造するために使用する方法。
  29. 請求項25〜27のいずれかに記載の水溶性又は水分散性、超分岐性ポリエステルを、印刷インク、接着剤、塗布剤、塗料、及びワニスを製造するために使用する方法。
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