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JP2005527850A - 薄膜偏光スプリッター、該薄膜偏光スプリッターの製造、及び該薄膜偏光スプリッターを有する投影挿入体を含む眼科用レンズ - Google Patents

薄膜偏光スプリッター、該薄膜偏光スプリッターの製造、及び該薄膜偏光スプリッターを有する投影挿入体を含む眼科用レンズ Download PDF

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JP2005527850A JP2003584782A JP2003584782A JP2005527850A JP 2005527850 A JP2005527850 A JP 2005527850A JP 2003584782 A JP2003584782 A JP 2003584782A JP 2003584782 A JP2003584782 A JP 2003584782A JP 2005527850 A JP2005527850 A JP 2005527850A
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Abstract

PrTiO3から成る層と、より低い屈折率を有する材料から成る層との交互積み重ねを備えた支持体を含んで成る偏光スプリッターであって、これらの層の厚さe1及びe2がそれぞれ下記関係:
【数1】
Figure 2005527850

(上記式中、λは、考えられる波長であり、それぞれ、n1は第1層の屈折率であり、そしてn2は第2層の屈折率である)
を満たす偏光スプリッターが提供される。
この偏光スプリッターは、像を使用者に向かって投影する挿入体を有する眼科用レンズとともに使用することができる。

Description

本発明は偏光スプリッターに関する。本発明はまた、このような偏光スプリッターの製造方法に関する。本発明はまた、このような偏光スプリッターを含む、使用者に向かって像を投影するための、挿入体を有する眼科用レンズに関する。本発明は最後に、このような眼科用レンズを含む、使用者に向かって像を投影するための装置に関する。
偏光スプリッターは光をその種々の偏光成分に分割するための光学素子である。偏光の方向は、電界の振動面に関して規定される。最も頻繁には、偏光されていない光は、直交する2つの直線偏光に分割される。ここで我々はS(垂直)偏光とP(平行)偏光とを区別する。S-偏光の場合、振動面は、面法線及び入射ベクトルによって定義された入射面に対して垂直である。P-偏光の場合、振動面は入射面に対して平行である。これらの成分は吸収又は反射によって分離することができる。
反射による偏光スプリットは、S-偏光の総透過の原理に基づく。我々は、ブルースター角を成して光学素子に衝突する光線が、全体的に偏光された反射光線と部分的に偏光され屈折された直交偏光の光線とに分割されることを知っている。この反射光線と透過光線とは互いに直角を成す。
ブルースター角は光学素子を形成する2つの媒質の屈折率に依存する。屈折率は波長とともに変化するので、ブルースター角もその光の波長に依存する。最終的に、光線の入射角は、特定の一つの波長のブルースター角にしか対応することはできない。その結果、このような偏光子は、所与の1つの波長に対してしか十分に効果的であることはなく、そして、スペクトル全体、特に可視スペクトル全体にわたって好適に偏光スプリットするのには適していない。
米国特許第5,400,179号明細書に開示された偏光スプリッターは、720nmを上回る波長にわたって、換言すれば近赤外波長において、実質的にコンスタントなスプリット比を有する。この偏光スプリッターは、3つの異なる範囲の屈折率を有する、酸化プラセオジミウムPr6O11を含む材料から成る層のスタックによって形成される。
また、反射防止コーティングを形成する支持体上に設けられた、種々異なる屈折率を有する材料から成る薄膜のスタックも知られている。
米国特許第6,313,577号明細書に開示された反射防止コーティングは、複数のチタン酸プラセオジミウム層を有する。しかし、このようなスタックは、偏光スプリットには適していない。それというのも層の数及び層の厚さがこの目的には適合されないからである。反射防止処理は、斜めの入射角に対してだけ作用する反射偏光分離処理とは異なり、垂直入射に対して最適化される。
しかし、既知のタイプのスプリッターが、使用者に向かって像を投影するための挿入体を有する眼科用レンズのような用途には適していないことが判っている。
本明細書中の「眼科用レンズ(ophthalmic lens)」という用語は、眼鏡又は頭部装着式装置のための像を組み合わせるシステムを意味する。レンズ内に設けられた光路によって着用者の眼に向かって像が投影される。ここで、「レンズ」という用語は、特に眼鏡フレーム又は頭部装着式装置に取り付けられるように構成された挿入体を含む光学系を意味する。この挿入体は、ミラー、半反射板、偏光スプリット用立方体、1/4波長板、レンズ、ミラー、凹反射レンズ(例えばマンジャン・ミラー)、回折レンズ及び/又はホログラフィック素子を含むことができる。使用者に向かって像を投影する装置はこの場合、眼鏡又は頭部装着式装置に取り付けられたレンズと、像源、例えば液晶ディスプレイ、より具体的にはマイクロディスプレイとを含む。
このような用途では、偏光スプリット素子は、このようなマイクロディスプレイ内に現在採用されているディスプレイ素子によって供給された偏光を処理する。偏光スプリッターの効果は、コントラスト及び像強度の損失、ひいては像の明るさを決定し、これにより基本ファクターを構成する。
眼科用レンズのための支持体として、ある特定のポリマーを選択することにより、仕様に付加的な制約が形成される。実際に、ある特定のポリマーは、100℃を上回る温度で熱処理を受けなければならない。このような処理後、亀裂又はひび割れの出現がスタック界面に認められることがしばしばある。
本発明は、上記従来技術の欠点を克服する偏光スプリッター、特に100〜150℃の温度に耐える偏光スプリッターを提供する。
本発明は具体的には、チタン酸プラセオジミウムを使用すると、耐熱能力が高められた偏光スプリッターを得ることが可能になるという発見に基づいている。
従って本発明は、PrTiO3から成る層と、より低い屈折率を有する材料から成る層との交互積み重ねを備えた支持体を含んで成る偏光スプリッターであって、これらの層の厚さe1及びe2がそれぞれ下記関係:
Figure 2005527850
(上記式中、λは、考えられる波長であり、それぞれ、n1は第1層の屈折率であり、そしてn2は第2層の屈折率である)
を満たす偏光スプリッターを提供する。
一つの実施態様によれば、支持体は有機物である。
一つの実施態様によれば、該有機支持体はポリチオウレタンである。
第2材料は二酸化ケイ素となることができる。
一つの実施態様の場合、スプリッターは、チタン酸プラセオジミウム層及び第2材料層をそれぞれ6層以上有している。
スプリッターは、2つのプリズムから形成された立方体の形を成しており、該プリズムのうちの一方に、PrTiO3から成る層と、より低い屈折率を有する材料から成る層とがコートされている。
偏光スプリッターの製造方法であって:
(i) 支持体を準備し;
(ii) 上記に定義されているような厚さe1のチタン酸プラセオジミウム層を堆積し;
(iii) 上記に定義されているような、厚さe2の、より低い屈折率の第2の材料から成る層を堆積し;そして
(iv) 工程(ii)及び(iii)を少なくとも1回繰り返す
ことを含んで成る偏光スプリッターの製造方法が提供される。
工程(iv)は、工程(ii)及び(iii)を少なくとも5回繰り返すことを含むことが好ましい。
支持体は工程(ii)〜(iv)中に、周囲温度よりも高い温度で維持されることが好ましい。
支持体は工程(ii)〜(iv)中に、80〜120℃の温度で維持されることが好ましい。
一つの実施態様の場合、工程(ii)前に、支持体にイオン清浄化が施される。
イオン清浄化はアルゴン下で行われるのが好ましい。
工程(ii)及び(iii)中の蒸発速度は好ましくは1〜10nm/秒、特に好ましくは2〜5nm/秒である。
眼科用レンズであって、使用者に向かって像を投影するための挿入体を有しており、該挿入体が上記偏光スプリッターを含む、眼科用レンズも提供される。
偏光スプリッターは立方体の形を成していてよい。
使用者に向かって像を投影するための装置であって、上記レンズを含む装置も提供される。この投影装置はさらに、液晶マイクロディスプレイを含むことができる。
本発明を、添付の図面を参照しながら以下に詳しく説明する。
本発明による偏光スプリッターの一つの実施態様が、図1に概略的に示されている。
このスプリッターは、屈折率n3の支持体上に、それぞれ屈折率n1及び屈折率n2の2つの材料から交互に成る層の積み重ねとを含む。屈折率n1の材料は高屈折率材料、すなわちPrTiO3であるか、又は低屈折率材料であってよい。実際、偏光スプリッターは両事例において好ましく動作する。それぞれの波長λに応じて、厚さe1及びe2の相応の層対が形成される。これらの厚さの構成要素はそれぞれ、屈折率n1及びn2から下記のように計算される:
Figure 2005527850
広範囲の波長にわたって効果的であるために、スペクトルは種々の波長λに分割される。
PrTiO3は、高屈折率材料として採用される。好ましくはこの材料は、非化学量論的組成物(Substance H2の商品名でMerckから入手可能)から出発して、支持体上に堆積される。この組成物は酸素の存在において真空蒸着される。この組成物はその結果、酸化された形態となり、式PrTiO3の透明フィルムを形成する。
PrTiO3の屈折率は、635nm(基準波長)で2.00095である。第2の材料は結果として、より低い屈折率を有する。これらの材料の中で、我々は特にSiO2及びMgF2を挙げることができる。SiO2の屈折率は635nmで1.4786である。この値は特に好適であることが判っている。
支持体は、PrTiO3及びより低い屈折率の材料と適合性がある任意の透明な支持体であってよく、そして特に、支持体は無機物又は有機物であってよいが、有機支持体が好ましい。云うまでもなく有機支持体の屈折率n3は、n1値とn2値との間に含まれる。
「無機支持体」という用語は本明細書では、ポリマーから形成された有機支持体とは対照的な無機ガラス支持体を意味する。有機支持体は、第1にはこれらの温度性能が低い点から、また第2には支持体に対する薄膜付着性が弱い点から特定の問題を招く。
有機支持体はさらに、無機支持体よりも高い熱膨張率を有している。例えば無機支持体の典型的な熱膨張率は7・10-6-1のオーダーであるのに対して、ポリカーボネートの熱膨張率は70・10-6-1であり、そしてMR8(下記に定義する)の熱膨張率は75・10-6-1であって、すなわち10倍高くなる。
熱膨張率がこのように相当に大きいことから、有機支持体上の多層型偏光スプリッターの表面にひび割れがしばしば見られるおそれがある。このようなひび割れは視覚への適用には特に厄介である。
有機支持体として好適な材料は例えば、ポリチオールとポリイソシアネートとから得られるポリチオウレタンのクラスのポリマーである。これらの有機支持体を得るためのそのような材料及び方法は、米国特許第4,689,387号明細書及び同第4,775,733号明細書に記載されている。
好適なポリチオールは、例えばペンタエリトリトールテトラキス(チオグリコレート)、ペンタエリトリトールテトラキス(メルカプトプロピオネート)、又はMDO[4-メルカプトメチル-3.6-ジチア-1.8-オクタンジチオール]である。ポリイソシアネートは特に、キシレンジイソシアネートであってよい。
特に好適な有機支持体は、キシレンジイソシアネート、ペンタエリトリトールテトラキス(メルカプトプロピオネート)及びMDOを基剤とする組成物を重合することにより得られる。このような生成物は、MitsuiからMR8の商品名で入手することができる。
有機支持体として、例えばCorning Glassから1.6材料、コード60043を使用することができる。この材料の光定数はMR8の光定数と実質的に同じである。
理想的な偏光スプリッターは、入射面に対して垂直に偏光された光(S)の全てを反射するのに対して、入射面に対して平行に偏光された光(P)の全てを透過する。現実には、欠陥、吸収などの影響により、スプリッターの効果はこれより下回る。偏光子の効果は、偏光Sの反射率(Rs)と偏光Pの透過率P(Tp)との積、換言すれば(Rs)×(Tp)として表すことができる。結果として、80%を上回る効果、好ましくは90%を上回る効果を有する偏光子を求めることになる。
スタック内の層の数の下限は、全光スペクトルの場合の透過率の所望の規則性によって与えられる。ほとんどの用途において、このスペクトルは可視光、換言すれば、400〜700nmの波長のスペクトルである。その結果、スプリッターの層が多ければ多いほど、所与の波長に対応する偏光子の選択性は改善され、そして、偏光スプリットが生じるスペクトルが広くなる。
層の数の上限は、これらの層を堆積するのにかかるコストによって与えられる。加えて、ある特定の点から始まって、吸収は偏光の効率を低減することがある。これらの原理に留意すると、効果的な偏光スプリッターは好ましくは、異なる屈折率を有する5〜20層、具体的には10〜15層を含むスタックを含む。
偏光スプリッターの光入射角Aは下記の通りである:
Figure 2005527850
この関係から判るように、支持体の屈折率n3及び所望の入射角は、スタックの薄膜のための材料を選択する上で一定の役割を演じる。
本発明の偏光スプリッターは、ポータブル型視覚装置タイプ、例えば、像を装着者に向かって投影するための挿入体を組み込んだ眼科用レンズの使用に特に適している。
このようなレンズの一例を図3に示す。像は像源1によって供給される。像源1は、小型ディスプレイ、例えば偏光を放射するマイクロ液晶ディスプレイであってよい。眼科用投影レンズ10の光学系は、視野レンズ2を含む。眼科用レンズ10内で像が追従する光路内には、ミラー3と偏光スプリッター4とが設けられている。1/4波長板5及びマンジャン・ミラーが偏光スプリッター4に結合されている。
眼科用レンズ10は下記のように動作する。像源1から発せられた偏光がまず視野レンズ2を通過する。次いで、光はミラー3によって反射させられる。ミラー3は90°の角度でこの光を向け直す。次いで光は偏光スプリッター4を通過する。直線偏光成分の一方(S)が反射させられ、他方(P)は透過される。透過された成分は、1/4波長板5を通過する。この1/4波長板5の軸は、伝搬方向に対して垂直な平面内で、伝搬方向に対して45°を成している。その後、透過成分はマンジャン・ミラー6に衝突する。マンジャン・ミラー6は光を反射させ、これにより次いで1/4波長板5をもう一度通過させる。今やS-偏光された光は偏光スプリッターによって、観察者の目に向かって反射させられる。
図3に示した態様は今や、ディスプレイによって発せられた偏光が、最小限の損失、ひいては最大強度で、眼7に向かって再指向されるのを可能にする。
好ましくは、眼科用レンズは、薄膜スタックが堆積されている支持体と同じ材料、従って例えばMR8のようなポリチオウレタンから形成される。この場合、スプリッターは、プリズムによって構成することができる。実際に、眼科用レンズを構成する材料と同じ組成、ひいては同じ屈折率の支持体をスプリッターのために使用することにより、偏光スプリッターを着用者に見えにくくし、これによりガラスの光学機能によって引き起こされる不快さを軽減することができる。
このタイプの用途に関して、屈折率n3が眼科用レンズの屈折率と実質的に異なる場合には、偏光スプリッターは、2つのプリズムによって形成されたスプリット用立方体の形を成しており、一方のプリズムがその面の1つで上記スタックを有していると有利である。スプリッターを眼科用レンズ内に埋め込まれたプレートの形で構成することも可能である。
実施例1
厚さ6.8mm、直径65〜70mmのバイプラナーMR8を超音波浴内で清浄化し、次いでこれに、加熱炉内で3時間にわたって60℃で熱処理を施す。
こうして調製された支持体を、次いで真空下でデポジション装置内に導入する。次いでこれに、アノードの電圧120V、電流1Aで2分間にわたって圧力3・10-5mbarのアルゴン下でイオン清浄化を施す。
次にPrTiO3の層を、下記条件下:
蒸発速度:3nm/秒
酸素圧力:5・10-5mbar;
蒸発源:電子銃
で、2.5・10-5mbarの圧力で、表1に示された厚さを有するように堆積する。
堆積された層の厚さを石英秤を用いてモニタリングし、表1に示した厚さに達した時に蒸発を停止させる。
次にSiO2層を、同じ条件下で表1に示す厚さを有するように堆積する。
こうして全部で12層を交互に堆積する。最後に、こうして処理された支持体を切断することにより、所望の形状の偏光スプリッターを得る。こうして得られた偏光スプリッターの特性を、入射角45°に関して図2に示す。図1は、垂直偏光及び平行偏光に対する偏光スプリッターのそれぞれの透過率を示している。ここから明らかなように、透過率はP-偏光に関しては平均して約95%であるのに対して、S-偏光は平均で90%だけ反射させられる。
Figure 2005527850
実施例2
続いて実施例1と同じ手順を行う。但しこの実施例2では、全処理サイクルにわたって、支持体を80℃の温度まで加熱する。
実施例3(比較例)
続いて実施例1と同じ手順を行う。但しこの実施例3では、PrTiO3の代わりにZrO2を使用する。層のそれぞれの厚さを表2に示す。
Figure 2005527850
熱抵抗能力
実施例1〜3によって生成された偏光スプリッターを、これらの耐熱能力に関して試験した。
この試験のために、偏光スプリッターを、60℃まで加熱された加熱炉内に1時間にわたって置いた。これに続いて、支持体の視覚的な外観を評価した。支持体がひび割れを示さない時には、加熱炉の設定点温度を10℃だけ高くし、そして試験を再び始めた。臨界温度はここで、支持体がひび割れを示した温度として定義する。
こうして測定された臨界温度を表3に示す。
Figure 2005527850
この表から判るように、本発明に基づいて得られた偏光スプリッター、換言すれば実施例1及び2に基づいて得られた偏光スプリッターは、臨界温度がより高く、110℃まで、又は支持体がデポジション・サイクル中に加熱されるならば、130℃までも高くなる。
上述の用途以外にも、偏光スプリッターは、偏光を供給して処理するのが望ましい全ての分野において有用である。加えて、本発明の偏光スプリッターを使用することにより、光を分離してその円形又は楕円形の偏光成分にすることができる。
図1は、本発明の実施態様に基づく偏光スプリッターを示す概略図である。 図2は、実施例1に基づく偏光スプリッターに対応する波長と関数関係にある、それぞれP-偏光及びS-偏光の透過率を示す。 図3は、本発明の一つの実施態様に基づく、使用者に向かって像を投影するためのインサートを有する眼科用レンズを示す概略図である。

Claims (17)

  1. PrTiO3から成る層と、より低い屈折率を有する材料から成る層との交互積み重ねを備えた支持体を含んで成る偏光スプリッターであって、これらの層の厚さe1及びe2がそれぞれ下記関係:
    Figure 2005527850
    (上記式中、λは、考えられる波長であり、それぞれ、n1は第1層の屈折率であり、そしてn2は第2層の屈折率である)
    を満たす偏光スプリッター。
  2. 該支持体が有機物である、請求項1に記載の偏光スプリッター。
  3. 該有機支持体がポリチオウレタンである、請求項2に記載の偏光スプリッター。
  4. 該第2材料が二酸化ケイ素である、請求項1から3までのいずれか1項に記載の偏光スプリッター。
  5. チタン酸プラセオジミウム層及び第2材料層をそれぞれ6層以上有している、請求項1から4までのいずれか1項に記載の偏光スプリッター。
  6. 2つのプリズムから形成された立方体の形態を成しており、該プリズムのうちの一方に、請求項1から5までのいずれか1項に記載の、PrTiO3の層とより低い屈折率を有する材料の層とがコートされている、請求項1から5までのいずれか1項に記載の偏光スプリッター。
  7. 偏光スプリッターの製造方法であって:
    (i) 支持体を準備し;
    (ii) 請求項1に定義されている厚さe1のチタン酸プラセオジミウム層を堆積し;
    (iii) 請求項1に定義されている厚さe2の、より低い屈折率の第2の材料から成る層を堆積し;そして
    (iv) 工程(ii)及び(iii)を少なくとも1回繰り返す
    ことを含んで成る偏光スプリッターの製造方法。
  8. 工程(iv)が、工程(ii)及び(iii)を少なくとも5回繰り返すことを含む、請求項7に記載の方法。
  9. 該支持体が工程(ii)〜(iv)中に、周囲温度よりも高い温度で維持される、請求項8に記載の方法。
  10. 該支持体が工程(ii)〜(iv)中に、80〜120℃の温度で維持される、請求項7から9までのいずれか1項に記載の方法。
  11. 工程(ii)前に、該支持体にイオン清浄化が施される、請求項7から10までのいずれか1項に記載の方法。
  12. 該イオン清浄化がアルゴン下で行われる、請求項11に記載の方法。
  13. 工程(ii)及び(iii)中の蒸発速度が1〜10nm/秒、好ましくは2〜5nm/秒である、請求項7から12までのいずれか1項に記載の方法。
  14. 請求項1から6までのいずれか1項に記載の偏光スプリッターを含む、使用者に向かって像を投影するための挿入体を有する眼科用レンズ。
  15. 該偏光スプリッターが立方体の形を成している、請求項14に記載の眼科用レンズ。
  16. 請求項14又は15に記載のレンズを含む、使用者に向かって像を投影するための装置。
  17. さらに液晶マイクロディスプレイを含む、請求項16に記載の投影装置。
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