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JP2005508360A - Glp−1およびインスリンの二相混合物 - Google Patents

Glp−1およびインスリンの二相混合物 Download PDF

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Abstract

本発明は、固相にグルカゴン様ペプチド(GLP-1)化合物を含み、溶液相にインスリンを含む二相混合物を含む医薬製剤に関する。

Description

【0001】
本発明は、グルカゴン様ペプチド(GLP-1)固相およびインスリン溶液相を含む二相混合物に関する。これらの二相混合物を用いて、糖尿病などの疾患を治療することができる。
正常な個体における内因性インスリン分泌のパターンを模倣するインスリン分泌のパターンをもたらす薬剤を投与することが、長期にわたり、糖尿病療法の目標点であった。インスリンに対する毎日の生理的需要は変動し、2つの相に分けることができる:(a)食事関連血糖急上昇を排除するためにインスリンのパルス放出を要求する吸収相、および(b)最適空腹時血糖を維持するために肝臓グルコース放出物を調節するためのインスリンの持続性デリバリーを要求する吸収後相。
【0002】
経口薬物療法が、2型糖尿病において血糖を適切にコントロールするのに失敗すると、正常に近い血糖コントロールを達成し、それによって糖尿病に伴う合併症を最小化するのが非常に重要になる。経口薬物療法が失敗した場合、唯一の現行の代替手段は、低血糖の危険を低減化しつつ血糖を効果的に正常化するように、食事関連血糖偏位および空腹期間中の肝臓グルコース放出を考慮して、投与し、時期を選ばねばならないインスリンで患者を治療することである。食事関連血糖急上昇を排除することを含む吸収相のコントロールは、市販のレギュラーインスリンおよびモノマーインスリン(mimic insulin)類縁体を用いて効果的に達成することができる。しかし、空腹期間中、特に食事間および就寝時間の肝臓グルコース放出物を排除することを含む吸収相のコントロールは、これらのインスリンほど効果的には達成されない。
【0003】
長期化された作用時間をもつ種々の市販のインスリン製剤が、吸収後相をより簡便に治療するために開発されている。しかし、2型糖尿病にとって、経口薬物療法を含む治療から、食事間および就寝時間の低血糖などの合併症を回避するために注意深く投与されねばならないインスリン注射を含む治療へ移行することが非常に困難であることが多い。したがって、2型糖尿病にとって、低血糖の危険が低減化された、より簡便な療法が必要とされている。
【0004】
グルカゴン様ペプチド−1(GLP-1)は、2型糖尿病の治療、特に、もはや経口薬物療法で血糖をコントロールすることができない患者に対する治療として大きな有望性を示す。GLP-1ポリペプチドは、種々の生理的に重要な活性をもつ。たとえば、GLP-1は、インスリン放出を刺激すること、グルカゴン分泌を低減化させること、胃内容排出を阻害すること、およびグルコース利用を増強することが明らかにされている。[Nauck、M.A.ら、 (1993) Diabetologia 36:741-744; Gutniak、M.ら、 (1992) New England J. of Med. 326:1316-1322; Nauck、M.A.ら、(1993) J. Clin. Invest. 91:301-307]。さらに、幾つかの動物実験は、GLP-1が実際にβ細胞を保存し、β細胞アポトーシスを阻害し、β細胞増殖を誘発することを示唆する。最も面白い観察結果は、GLP-1活性がグルコース従属性であることである。レベルがある閾値まで低下する場合、GLP-1は活性ではない。したがって、GLP-1が関与する治療に関連する低血糖の危険はない。
【0005】
天然のGLP-1およびインスリンの組成物が、Van AntwerpらのWO 01/00223によって示唆されている。しかし、Van Antwerpは、ポンプを用いる継続的な注入に適した熱的に安定な組成物に注目している。溶液中の天然のGLP-1は、非常に速く除去され、半減期が約5分なので、他の投与手段によるこれらの組成物の有用性は、制限される。
GLP-1類縁体の誘導体が、米国特許 No. 6,268,343に開示されている。長期化された作用時間を有するこれらの誘導体は、一般に、可溶性組成物として教示され、必要に応じて、インスリンなどの抗糖尿病薬を含む。しかし、本発明まで、不溶性GLP-1とインスリンの溶液が、両作用剤が化学的および物理的に安定であり、所望の活性および作用時間を保持するように一緒に製剤されうるかどうかは推察されなかった。懸濁液中のGLP-1の不溶性沈殿または結晶と溶液中のインスリンの間での分子間相互作用は、それぞれの作用剤の活性および作用時間を歩み寄らせる。さらに、化学的および物理的に安定性を達成するのに必要な条件は、単独で製剤した場合に、各作用剤によって相異する。
【0006】
本発明は、低血糖の危険を低減化した最適血糖コントロールを提供する安定な二相混合物に注目する。二相混合物は、GLP-1固相とインスリン溶液相を含む。GLP-1固相は、不溶性GLP-1沈殿または結晶を含む。不溶性GLP-1は、空腹時、特に、食事間および就寝時間の肝臓グルコース放出物の排除ならびに食事関連血糖急上昇をコントロールするのに有用なGLP-1の長期化された作用をもたらす遅延化された吸収速度を提供する。インスリン溶液相は、食事関連血糖急上昇、特に、血糖値が、潜在的に最高値である1日の最初の食事の後の急上昇をコントロールすることができるインスリンを含む。
【0007】
1つの態様において、本発明は、固相中のグルカゴン様ペプチド(GLP-1)化合物および溶液相中のインスリンを含む二相混合物を含む医薬製剤を提供する。GLP-1化合物が、配列番号: 1、配列番号: 2、配列番号: 3、配列番号: 4、配列番号: 5、and 配列番号: 6から選ばれる配列をもつのが好ましい。インスリンが、レギュラーヒトインスリンまたはモノマーインスリン類縁体であるのが好ましい。モノマーインスリン類縁体が、AspB28、AspB28-ProB29、LysB28、LysB28-ProB29、LeuB28、LeuB28-ProB29、ValB28、ValB28-ProB29、AlaB28、AlaB28-ProB29、デスB28-30およびデスB27から選ばれるのが好ましい。モノマーインスリン類縁体は、LysB3-GluB29であってもよい。医薬製剤は、必要に応じて、等張性剤を含むことができる。医薬製剤は、必要に応じて、保存剤を含む。
【0008】
本発明は、GLP-1化合物が固相中に残存して持続性薬物動態プロフィールを保持し、インスリンが溶液相に残存して、短い作用時間特性を保持するように、固相中のGLP-1化合物を溶液相中のインスリンと混合することによる医薬製剤における使用に適した二相混合物の製造方法を提供する。
本発明は、有効量の二相混合物を含む医薬製剤を、必要とする患者に投与する医薬製剤の投与方法を提供する。
【0009】
本発明は、有効量の二相混合物を含む医薬製剤を、必要とする患者に投与することを含む、非インスリン依存性糖尿病、インスリン依存性糖尿病、高血糖、肥満、外科手術後の異化的変化、心筋梗塞、ストレス誘発性高血糖および卒中から選ばれる病状の治療方法を提供する。
【0010】
本発明は、哺乳動物における非インスリン依存性糖尿病、インスリン依存性糖尿病、高血糖、肥満、ヒト患者における体重の治療的減少、外科手術後の異化的変化、心筋梗塞、ストレス誘発性高血糖および卒中から選ばれる病状の治療的処置における薬剤の製造のための二相混合物を含む医薬製剤の使用を提供する。
【0011】
本明細書で用いるアミノ酸に対する3文字略語コードは、PCT実施細則のAppendix 2、Annex CのTable 3および37 C.F.R. s 1.822(d)(1)(2000)に含まれるリストに一致する。
本明細書に開示および記載した本発明のために、次の用語および略語を以下に定義する。
本明細書で用いる用語「GLP-1固相」は、二相混合物の1つの相を意味する。GLP-1固相は、水性溶液中の不溶性GLP-1沈殿または結晶を含み、ここで、不溶性GLP-1沈殿または結晶は、持続性薬物動態プロフィールをもつ。不溶性GLP-1沈殿または結晶は、GLP-1化合物および亜鉛を含む。必要に応じて、不溶性GLP-1沈殿または結晶は、さらに塩基性ポリペプチドを含む。
【0012】
本明細書で用いる用語「GLP-1」または「GLP-1化合物」は、天然の切断された(truncated)ポリペプチド(GLP-1(7-37)OHおよびGLP-1(7-36)NH2)、GLP-1フラグメント、GLP-1類縁体おおよびその誘導体を意味する。本発明においては、GLP-1化合物は、エキセンディン(Exendin)−3またはエキセンディン−4ならびにその類縁体および誘導体も包含される。本発明のGLP-1化合物は、GLP-1受容体に結合し、シグナルトランスダクション経路を開始して、インスリン分泌活性をもたらす。本発明における使用に適したGLP-1化合物の例を以下にさらに詳細に論議する。
【0013】
本明細書で用いる用語「持続性薬物動態プロフィール」は、有効レベルの生物学的活性GLP-1化合物が循環している時間の長さを意味する。一回の注射によって、空腹期間中の肝臓グルコース放出が適切にコントロールされるような持続性薬物動態プロフィールであるのが好ましい。有効レベルのGLP-1化合物が、血清中に約12時間〜約24時間残存するのがより好ましく、約20時間〜約24時間残存するのが最も好ましい。
【0014】
用語「インスリン分泌活性」は、血糖値の上昇に応答してインスリン分泌を刺激することによって、細胞によるグルコース取り込みを引き起こし、血漿グルコースレベルを低下させる能力を意味する。インスリン分泌活性は、たとえば、それぞれ、GelfandらのEP 619,322(Example 1に記載)および米国特許 No. 5,120,712に記載されている膵島細胞または膵島細胞腫を用いるアッセイといったようなGLP-1受容体結合活性または受容体活性化を測定するインビボ実験およびインビトロアッセイの使用などの当業界で公知の方法によって評価することができる。インスリン分泌活性は、インスリンレベルまたはCペプチドレベルを測定することによって、ヒトにおいて慣例的に測定される。本発明では、インスリン分泌活性は、実施例1に記載の方法を用いて測定される。GLP-1化合物は、膵島細胞が、GLP-1化合物の存在下にバックグラウンドレベル以上のインスリンレベルを分泌するならば、インスリン分泌活性を有する。本発明に包含される二相混合物が、GLP-1(7-37)OHと等しいかまたはそれより大きいインスリン分泌活性をもつGLP-1化合物を含むのが好ましい。GLP-1化合物が、GLP-1(7-37)OHよりも大きいインスリン分泌活性をもつのが、より好ましい。
【0015】
本明細書で用いる用語「インスリン溶液」は、二相混合物における第2の相を意味する。インスリン溶液相は、可溶性インスリン水性溶液を含み、ここで、インスリンは短時間作用特性をもつ。短時間特性が、ヒューマリン(Humulin)(登録商標)、ヒューマログ(Humalog)(登録商標)、ノボログ(Novolog)(登録商標)などの市販のインスリンに匹敵するのが好ましい。インスリンとして、インスリン受容体に結合し、循環グルコースの利用を開始するレギュラーインスリン、インスリン類縁体またはレギュラーインスリンもしくはインスリン類縁体の誘導体が挙げられる。インスリンが、食事関連血糖急上昇に対抗し、血糖値を正常な生理的範囲に戻すのが好ましい。インスリンが、食事関連血糖急上昇に対抗し、食後2,3時間以内に血糖値を正常な生理的範囲に戻すのがより好ましい。インスリンが、食事関連血糖急上昇に対抗し、食後1時間以内に血糖値を正常な生理的範囲に戻すのがより好ましい。インスリンが、食事関連血糖急上昇に対抗し、1日の最初の食事の後に血糖値を正常な生理的範囲に戻すのが最も好ましい。
【0016】
二相混合物:
本発明は、固相中のGLP-1化合物および溶液相中のインスリンを含む種々の二相混合物を包含する。二相混合物中のGLP-1およびインスリンの最終濃度は、2つの相の比率によって変化する。さらに、この濃度は、アミノ酸構成および使用したGLP-1およびインスリンの効力によって変化する。二相混合物中のGLP-1の最終濃度は、約0.1 mg/mL〜約10 mg/mLである。GLP-1の最終濃度が、約0.1 mg/mL〜約8 mg/mLであるのがより好ましく、約0.1 mg/mL〜約7 mg/mLであるのがさらに好ましい。GLP-1の最終濃度が、約0.1 mg/mL〜約6 mg/mLであるのが最も好ましい。最終インスリン濃度は、約100 U/mL以下である(たとえば、100 U/mLは、約3.5 mg/mLのヒューマリンまたはヒューマログに等しい)。二相混合物中の最終インスリンストック濃度が、約75 U/mL以下であるのが好ましい。最終インスリン濃度が、50 U/mL以下であるのがより好ましく、最終インスリン濃度が、約25 U/mLであるのが最も好ましい。当業者であれば、ヒューマリン、ヒューマログおよびノボログなどの市販のインスリンの重量(mg)を、ユニット/mLの数値に規格化することができよう。
【0017】
医薬製剤:
本発明は、必要とする患者への投与に適した二相混合物を含む医薬製剤を包含する。医薬製剤が、貯蔵の正常な条件下で、安定性を長期間保持するのが好ましい。期間が、4℃または周囲温度にて6ヶ月以上であるのが好ましく、4℃または周囲温度にて2年以上であるのがより好ましい。
インスリンに対するGLP-1の重量比は、医薬製剤の投与後、GLP-1とインスリンの両方の血漿レベルが、それらの有効範囲内に維持されるような比率である。インスリンに対するGLP-1の典型的な比率は、約99:1(w/w)〜10:90(w/w)であり、約85:15(w/w)〜15:85(w/w)であるのが好ましい(実施例6参照)。インスリンに対するGLP-1の比率が、約85:15(w/w)〜約50:50(w/w)であるのがさらに好ましい。インスリンに対するGLP-1の比率が、約85:15(w/w)であるのが最も好ましい。
【0018】
GLP-1(7-37)OHの2倍以内のインスリン分泌活性をもつGLP-1の血清レベルが、少なくとも空腹期間中に肝臓グルコース放出をコントロールするのに十分な時間、約30 ピコモル/L〜約200 ピコモル/Lに維持されるのが好ましい。最適血清レベルは、GLP-1(7-37)OHよりも活性が低いGLP-1化合物については、より高いものであり、あるいはGLP-1(7-37)OHよりも活性が高いGLP-1化合物については、より低いものであろう。したがって、GLP-1化合物の濃度は、懸濁液中のGLP-1化合物の活性によって上方または下方に調節することができる。
インスリンの血清レベルは、食事関連血糖急上昇に対抗し、血漿グルコースレベルを正常に戻すようなレベルであるのが好ましく、典型的な血糖値は、約120-125 mg/dLである。一般に、総インスリン1日量は、約0.3 U/kg〜約1.5 U/kgである。しかし、典型的には、総食事時間インスリン1日量は、総インスリン1日量の約50%であるか、または約0.15 U/kg〜約1 U/kgであり、好ましくは、約0.3 U/kg〜約1 U/kgである。
である。
【0019】
本発明の種々の医薬製剤は、必要に応じて、医薬的に許容しうる緩衝剤を含んでもよい。しかし、緩衝剤の選択、濃度およびpHは、GLP-1が固相中に残存し、持続性薬物動態プロフィールを維持するように行い、インスリンが溶液相中に残存し、食事関連血糖急上昇に対抗する短時間作用特性を維持するように行う。医薬的に許容しうる緩衝剤の例として、第二リン酸ナトリウムなどのリン酸緩衝剤、TRIS、グリシルグリシン、マレイン酸塩、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウムまたはグリシン、ヒスチジン、リシンもしくはアルギニンなどのアミノ酸が挙げられる。他の医薬的に許容しうる緩衝剤は、当業者に公知である。緩衝剤が、リン酸塩、TRIS、マレイン酸塩およびグリシンから選ばれるのが好ましい。緩衝剤が、TRIS、グリシンまたは両方であるのがさらに好ましい。
【0020】
TRIS濃度は、約1 mM〜100 mMである。濃度が、約10 mM〜約50 mMであるのがさらに好ましく、約15 mMであるのが最も好ましい。グリシン濃度が、約10 mM〜約50 mMであるのが好ましい。グリシン濃度が、約20 mM〜約30 mMであるのがより好ましく、約23 mM〜約29 mMであるのがさらに好ましい。
医薬製剤のpHは、許容しうる安定性を提供し、GLP-1固体の持続性薬物動態プロフィールおよびインスリン溶液の短時間作用特性を維持し、非経口投与にとって許容しうるように調節する。pHを約7.0〜約8.5に調節するのが好ましく、約7.4〜約8.0がより好ましい。pHが約7.5であるのが最も好ましい。
【0021】
本発明の医薬製剤は、必要に応じて、保存剤を含んでもよい。しかし、保存剤の選択および濃度は、GLP-1が固相中に残存し、持続性薬物動態プロフィールを維持するように行い、インスリンが溶液相中に残存し、短時間作用特性を維持するように行う。保存剤は、抗菌剤として作用するために医薬製剤に添加する化合物を意味する。非経口製剤は、市販の多用途製品用の保存的有効性のための指針に適合しなければならない。有効であり非経口製剤として許容しうることが当業界でわかっている保存剤として、フェノール性保存剤、アルキルパラベン、ベンジルアルコール、クロロブタノール、レゾルシノールおよびその他の類似の保存剤ならびにそれらの種々の混合物が挙げられる。フェノール性保存剤の例として、クレゾールおよびフェノールまたはクレゾールとフェノールの混合物が挙げられる。クレゾールの例として、メタクレゾール、オルトクレゾール、パラクレゾール、クロロクレゾールまたはそれらの混合物が挙げられる。アルキルパラベンは、C1〜C4アルキルパラベンまたはそれらの混合物を意味する。アルキルパラベンの例として、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベンまたはブチルパラベンが挙げられる。濃度は、微生物の成長を阻止することによる保存的有効性を維持するのに十分でなければならない。保存剤が、フェノール誘導体であるのが好ましい。保存剤が、クレゾールであるのがより好ましい。保存剤が、メタクレゾールであるのがさらに好ましい。
【0022】
最終混合物中の保存剤の好ましい濃度は、約1.0 mg/mL〜約20.0 mg/mLである。最終混合物中の保存剤の濃度範囲が、約2.0 mg/mL〜約8.0 mg/mL、約2.5 mg/mL〜約4.5 mg/mLおよび約2.0 mg/mL〜約4.0 mg/mLであるのがより好ましい。最終混合物中の保存剤の濃度が、約3.0 mg/mLであるのが最も好ましい。
本発明の医薬製剤は、必要に応じて、等張化剤を含んでもよい。しかし、等張化剤の選択および濃度は、GLP-1が固相中に残存し、持続性薬物動態プロフィールを維持するように行い、インスリンが溶液相中に残存し、短時間作用特性を維持するように行う。等張化剤は、生理学的に容認されるものであり、適当な張性を製剤に付与して、細胞膜を通る正味の水流を防止する化合物を意味する。このような化合物の例として、グリセリン、ナトリウムなどの塩、デキストロース、マンニトールおよびスクロースなどの糖類が挙げられる。これらの化合物が、通例、公知の濃度で、このような目的に用いられる。1つまたはそれ以上の等張化剤を加えて、イオン強度または張性を調節することができる。好ましい等張化剤は、NaClである。NaClの濃度は、約110 mMが好ましい。
【0023】
本発明の好ましい医薬製剤は、GLP-1固相およびヒューマログなどのLysB28-ProB29インスリン溶液相を含む。LysB28-ProB29インスリンに対するGLP-1の比率が、約99:1(w/w)〜10:90(w/w)であるのが好ましく、約85:15(w/w)〜15:85(w/w)であるのがより好ましく、約85:15(w/w)〜約50:50(w/w)であるのがさらに好ましい。
別の態様において、医薬製剤は、GLP-1固相およびノボログなどのAspB28インスリン溶液相を含む。AspB28インスリンに対するGLP-1の比率が、約99:1(w/w)〜10:90(w/w)であるのが好ましく、約85:15(w/w)〜15:85(w/w)であるのがより好ましく、約85:15(w/w)〜約50:50(w/w)であるのがさらに好ましい。
別の態様において、医薬製剤は、GLP-1固相およびヒューマリンなどのレギュラーヒトインスリン溶液相を含む。レギュラーヒトインスリンに対するGLP-1の比率が、約99:1(w/w)〜10:90(w/w)であるのが好ましく、約85:15(w/w)〜15:85(w/w)であるのがより好ましく、約85:15(w/w)〜約50:50(w/w)であるのがさらに好ましい。
【0024】
別の態様において、医薬製剤は、GLP-1固相およびLysB3-GluB29インスリン溶液相を含む。LysB3-GluB29インスリンに対するGLP-1の比率が、約99:1(w/w)〜10:90(w/w)であるのが好ましく、約85:15(w/w)〜15:85(w/w)であるのがより好ましく、約85:15(w/w)〜約50:50(w/w)であるのがさらに好ましい。
別の態様において、医薬製剤は、Val8-GLP-1固相およびヒューマログなどのLysB28-ProB29インスリン溶液相を含む。LysB28-ProB29インスリンに対するVal8-GLP-1の比率が、約99:1(w/w)〜10:90(w/w)であるのが好ましく、約85:15(w/w)〜15:85(w/w)であるのがより好ましく、約85:15(w/w)〜約50:50(w/w)であるのがさらに好ましい。
別の態様において、医薬製剤は、Val8-GLP-1固相およびノボログなどのAspB28インスリン溶液相を含む。AspB28インスリンに対するVal8-GLP-1の比率が、約99:1(w/w)〜10:90(w/w)であるのが好ましく、約85:15(w/w)〜15:85(w/w)であるのがより好ましく、約85:15(w/w)〜約50:50(w/w)であるのがさらに好ましい。
【0025】
別の態様において、医薬製剤は、Val8-GLP-1固相およびヒューマリンなどのレギュラーヒトインスリン溶液相を含む。レギュラーヒトインスリンに対するVal8-GLP-1の比率が、約99:1(w/w)〜10:90(w/w)であるのが好ましく、約85:15(w/w)〜15:85(w/w)であるのがより好ましく、約85:15(w/w)〜約50:50(w/w)であるのがさらに好ましい。
別の態様において、医薬製剤は、エキセンディン−3固相またはエキセンディン−4固相のいずれかおよびヒューマログなどのLysB28-ProB29インスリン溶液相を含む。LysB28-ProB29インスリンに対するエキセンディン−3またはエキセンディン−4の比率が、約99:1(w/w)〜10:90(w/w)であるのが好ましく、約85:15(w/w)〜15:85(w/w)であるのがより好ましく、約85:15(w/w)〜約50:50(w/w)であるのがさらに好ましい。
別の態様において、医薬製剤は、エキセンディン−3固相またはエキセンディン−4固相のいずれかおよびノボログなどのAspB28インスリン溶液相を含む。AspB28インスリンに対するエキセンディン−3またはエキセンディン−4の比率が、約99:1(w/w)〜10:90(w/w)であるのが好ましく、約85:15(w/w)〜15:85(w/w)であるのがより好ましく、約85:15(w/w)〜約50:50(w/w)であるのがさらに好ましい。
【0026】
別の態様において、医薬製剤は、エキセンディン−3固相またはエキセンディン−4固相のいずれかおよびヒューマリンなどのレギュラーヒトインスリン溶液相を含む。レギュラーヒトインスリンに対するエキセンディン−3またはエキセンディン−4の比率が、約99:1(w/w)〜10:90(w/w)であるのが好ましく、約85:15(w/w)〜15:85(w/w)であるのがより好ましく、約85:15(w/w)〜約50:50(w/w)であるのがさらに好ましい。
別の態様において、医薬製剤は、エキセンディン−3固相またはエキセンディン−4固相のいずれかおよびLysB3-GluB29インスリン溶液相を含む。LysB3-GluB29インスリンに対するエキセンディン−3またはエキセンディン−4の比率が、約99:1(w/w)〜10:90(w/w)であるのが好ましく、約85:15(w/w)〜15:85(w/w)であるのがより好ましく、約85:15(w/w)〜約50:50(w/w)であるのがさらに好ましい。
【0027】
投与は、当業界の医師によって有効であることが知られているいずれかの経路を介して行うことができる。本発明の医薬製剤は、非経口的に投与するのが好ましい。非経口投与として、筋肉内、皮下、静脈内、皮内および腹腔内投与経路が挙げられる。筋肉内および皮下投与経路が、より好ましい。
注射を行うと、本発明の医薬製剤が、懸濁液中のGLP-1固体および溶液中のインスリンを別々に投与する場合と同じかまたはよりよいグルコースプロフィールをもたらすのが好ましい。たとえば、医薬製剤の注射は、懸濁液中のGLP-1固体および溶液中のインスリンを別々に投与する場合に観察されるHbA1cレベルと同じかまたはより低いHbA1cレベルをもたらす。また、医薬製剤の注射によって、正常な個体における内因性インスリン分泌のパターンが再現されるのが好ましい。注射により、医薬製剤が、懸濁液中のGLP-1固体および溶液中のインスリンを別々に投与する場合に得られるグルコースプロフィールよりも、よりよいプロフィールをもたらすのがより好ましい。
【0028】
本発明の医薬製剤は、GLP-1またはインスリンの投与の生理的効果が疾患または身体状態を改善する疾患または身体状態の治療に適している。
対象には、非インスリン依存性糖尿病、インスリン依存性糖尿病、卒中(EfendicのWO 00/16797を参照)、心筋梗塞(EfendicのWO 98/08531を参照)、肥満(EfendicのWO 98/19698を参照)、外科手術後の異化的変化(Efendicの米国特許 No. 6,006,753を参照)、消化不良および過敏性腸症候群(EfendicのWO 99/64060)の患者が包含される。対象には、非インスリン依存性糖尿病を発症する危険にある患者などの基本的GLP-1化合物による予防的処置を必要とする患者も包含される(WO 00/07617を参照)。さらに、糖耐性異常または空腹時糖異常の患者、体重が患者の身長および体質に対する正常体重よりも約25%多い患者、膵部分切除の患者、片親または両親が非インスリン依存性糖尿病である患者も包含され、妊娠性糖尿病であった患者および急性または慢性膵炎であった患者は非インスリン依存性糖尿病を発症する危険がある。
【0029】
本発明の医薬製剤は、血糖値の正常化、膵臓β細胞損傷の予防、β細胞増殖の誘発、インスリン遺伝子転写の刺激、IDX-1/PDX-1または他の成長因子のアップレギュレーション、β細胞機能の改善、休眠β細胞の活性化、β細胞への細胞の分化、β細胞複製の刺激、β細胞アポトーシスの阻止、血中の調節および体重減少の誘発に用いることができる。
本発明の医薬製剤は、約12時間〜約24時間続く持続性薬物動態プロフィールをもつのが好ましく、約20時間〜約24時間続く持続性薬物動態プロフィールをもつのが最も好ましい。したがって、本発明の医薬製剤を投与する方法は、1日2回朝食と夕食前の適当な用量の投与を必要とし、1日1回の朝食前の投与が最も好ましい。
【0030】
GLP-1化合物:
本発明のGLP-1化合物は、固相合成化学、天然源からのGLP-1分子の精製、組換えDNA技術またはこれらの方法の組み合わせなどの種々の当業界で公知の方法によって製造することができる。たとえば、GLP-1ペプチドを製造する方法は、米国特許 Nos. 5,118,666、5,120,712、5,512,549、5,977,071および6,191,102に記載されている。
本発明に有用なGLP-1化合物として、天然の切断された(truncated)GLP-1ペプチド(GLP-1(7-37)OHおよびGLP-1(7-36)NH2)、GLP-1類縁体、エキセンディン−3およびエキセンディン−4が挙げられる。
【0031】
2つの天然の切断された(truncated)GLP-1ペプチドは、式(I),配列番号:1にて表される。
【数1】
Figure 2005508360
[ここで、37位のXaaは、Glyまたは-NH2である]
【0032】
GLP-1化合物が、配列番号:1のアミノ酸配列を有するか、または1、2、3、4または5個のアミノ酸が配列番号:1とは相異するように修飾されるのが好ましい。
【0033】
当業界で公知の幾つかのGLP-1化合物として、たとえば、GLP-1(7-34)およびGLP-1(7-35)、GLP-1(7-36)、Gln9-GLP-1(7-37)、D-Gln9-GLP-1(7-37)、Thr16-Lys18-GLP-1(7-37)およびLys18-GLP-1(7-37)が挙げられる。GLP-1(7-34)およびGLP-1(7-35)などのGLP-1化合物が、米国特許 No. 5,118,666に開示されている。他の公知の生理活性GLP-1類縁体が、米国特許 No 5,977,071; 米国特許 No. 5,545,618; 米国特許 No. 5,705,483; 米国特許 No. 6,133,235; AdelhorstらのJ. Biol. Chem. 269:6275 (1994);およびXiao、Q.らの(2001)、Biochemistry 40:2860-2869に開示されている。
【0034】
GLP-1化合物には、1つまたはそれ以上のアミノ酸が、GLP-1(7-37)OHのN末端および/またはC末端に加えられたポリペプチドまたはそのフラグメントもしくは類縁体も含まれる。1〜6個のアミノ酸がN末端に加えられる、および/または1〜8個のアミノ酸がC末端に加えられるGLP-1(7-37)OHが好ましい。このタイプのGLP-1化合物が、約39個までのアミノ酸を有するのが好ましい。「伸張された」GLP-1化合物におけるアミノ酸は、GLP-1(7-37)OHにおける対応するアミノ酸と同じ数によって示す。たとえば、GLP-1(7-37)OHのN末端への2個のアミノ酸の付加によって得られたGLP-1化合物のN末端アミノ酸は、5および6位にあり;GLP-1(7-37)OHのC末端への1個のアミノ酸の付加によって得られたGLP-1化合物のC末端は、38位にある。伸張GLP-1化合物のアミノ酸1−6は、GLP-1(1-37)OHの対応する位置におけるアミノ酸と同じであるか、または保存的置換であるのが好ましい。伸張GLP-1化合物のアミノ酸38−45は、エキセンディン−3またはエキセンディン−4の対応する位置におけるアミノ酸と同じであるか、または保存的置換であるのが好ましい。エキセンディン−3およびエキセンディン−4のアミノ酸配列は、式(II),配列番号:2にて表される。
【数2】
Figure 2005508360
[ここで、8位のXaaは、SerまたはGlyであり;9位のXaaは、AspまたはGluである]
【0035】
エキセンディン−3は、8位にSerおよび9位にAspを有する。エキセンディン−4は、8位にGlyおよび9位にGluを有する。他の本発明のGLP-1化合物として、C末端Serが、アミノ化型ではなく酸型である式(II)(配列番号:2)が挙げられる。また、本発明のGLP-1化合物として、WO99/07404、WO99/25727、WO99/25728、WO99/43708、WO00/66629およびUS2001/0047084A1(これらは全体を参考文献として本発明に援用される)に記載されているエキセンディン−3およびエキセンディン−4アゴニストが挙げられる。
【0036】
GLP-1化合物の好ましいグループは、式(III),配列番号:3にて表される。
【数3】
Figure 2005508360
[ここで、7位のXaaは、L-ヒスチジン、D-ヒスチジン、デスアミノ-ヒスチジン、2-アミノ-ヒスチジン、β-ヒドロキシ-ヒスチジン、ホモヒスチジン、α-フルオロメチル-ヒスチジンまたはα-メチル-ヒスチジン;
8位のXaaは、Ala、Gly、Ser、Thr、Leu、Ile、Val、Glu、AspまたはLys;
9位のXaaは、Glu、Asp、Lys、Thr、Ser、Arg、Trp、Phe、TyrまたはHis;
11位のXaaは、Thr、Ala、Gly、Ser、Leu、Ile、Val、Glu、Asp、Arg、HisまたはLys;
12位のXaaは、His、Trp、PheまたはTyr
14位のXaaは、Ser、Ala、Gly、Thr、Leu、Ile、Val、Glu、AspまたはLys;
16位のXaaは、Val、Ala、Gly、Ser、Thr、Leu、Ile、Tyr、Glu、Asp、Trp、His、PheまたはLys;
17位のXaaは、Ser、Ala、Gly、Thr、Leu、Ile、Val、Glu、AspまたはLys;
18位のXaaは、Ser、Ala、Gly、Thr、Leu、Ile、Val、Glu、Asp、His、Pro、ArgまたはLys;
19位のXaaは、Tyr、Phe、Trp、Glu、Asp、Gly、Gln、Asn、Arg、CysまたはLys;
20位のXaaは、Leu、Ala、Gly、Ser、Thr、Ile、Val、Glu、Asp、MetまたはLys;
21位のXaaは、Glu、AspまたはLys;
22位のXaaは、Gly、Ala、Ser、Thr、Leu、Ile、Val、Glu、AspまたはLys;
23位のXaaは、Gln、Asn、Arg、Glu、Asp、HisまたはLys;
24位のXaaは、Ala、Gly、Ser、Thr、Leu、Ile、Val、Arg、Glu、AspまたはLys;
25位のXaaは、Ala、Gly、Ser、Thr、Leu、Ile、Val、Glu、AspまたはLys;
26位のXaaは、Lys、Arg、Gln、Glu、Asp、Trp、Tyr、PheまたはHis;
27位のXaaは、Glu、Asp、Ala、His、Phe、Tyr、Trp、Arg、LeuまたはLys;
30位のXaaは、Ala、Gly、Ser、Thr、Leu、Ile、Val、Glu、Asp、HisまたはLys;
31位のXaaは、Trp、Phe、Tyr、Glu、Asp、Ser、Thr、ArgまたはLys;
32位のXaaは、Leu、Gly、Ala、Ser、Thr、Ile、Val、Glu、AspまたはLys;
33位のXaaは、Val、Gly、Ala、Ser、Thr、Leu、Ile、Glu、Asp、ArgまたはLys;
34位のXaaは、Lys、Arg、Glu、Asp、AsnまたはHis;
35位のXaaは、Gly、Ala、Ser、Thr、Leu、Ile、Val、Glu、Asp、Arg、Trp、Tyr、Phe、Pro、HisまたはLys;
36位のXaaは、Arg、Lys、Glu、Asp、Thr、Ser、Trp、Tyr、Phe、GlyまたはHis;
37位のXaaは、Gly、Ala、Ser、Thr、Leu、Ile、Val、Glu、Asp、His、Lys、Arg、Trp、Tyr、Phe、Pro、Pro-NH2、もしくは欠失;
38位のXaaは、Arg、Lys、Glu、Asp、SerまたはHis、もしくは欠失;
39位のXaaは、Arg、Lys、Glu、Asp、SerまたはHis、もしくは欠失;
40位のXaaは、Asp、Glu、GlyまたはLys、もしくは欠失;
41位のXaaは、Phe、Trp、Tyr、Glu、Asp、AlaまたはLys、もしくは欠失;
42位のXaaは、Ser、Pro、Lys、GluまたはAsp、もしくは欠失;
43位のXaaは、Ser、Glu、Asp、ProまたはLys、もしくは欠失;
44位のXaaは、Gly、Glu、Asp、ProまたはLys、もしくは欠失;および
45位のXaaは、Ala、Val、Glu、Asp、SerまたはLys、あるいはAla-NH2、Val-NH2、Glu-NH2、Asp-NH2、Ser-NH2またはLys-NH2、もしくは欠失、もしくはそのC-1-6-エステルもしくはアミドもしくはC-1-6-アルキルアミドもしくはC-1-6-ジアルキルアミド;ただし、37、38、39、40、41、42、43または44位のアミノ酸が欠失している場合、そのアミノ酸の各アミノ酸下流もまた欠失する]
【0037】
GLP-1化合物の好ましいグループは、以下の通りである:
【数4】
Figure 2005508360
【数5】
Figure 2005508360
【0038】
GLP-1化合物の別の好ましい化合物は、式(IV),配列番号:4にて表される。
【数6】
Figure 2005508360
[ここで、8位のXaaは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、SerまたはThr;
22位のXaaは、Asp、Glu、Gln、Asn、Lys、Arg、Cysまたはシステイン酸;
23位のXaaは、His、Asp、Lys、GluまたはGln;
27位のXaaは、Ala、Glu、His、Phe、Tyr、Trp、ArgまたはLys;
30位のXaaは、Glu、Asp、SerまたはHis;
Rは、Lys、Arg、Thr、Ser、Glu、Asp、Trp、Tyr、Phe、His、NH2である]
【0039】
本発明のGLP-1化合物が、他の組み合わせの置換アミノ酸を有するのもまた好ましい。本発明は、式(V),配列番号:5のアミノ酸配列を含むGLP-1化合物を包含する。
【数7】
Figure 2005508360
[ここで、Xaa7は、L-ヒスチジン、D-ヒスチジン、デスアミノ-ヒスチジン、2-アミノ-ヒスチジン、β-ヒドロキシ-ヒスチジン、ホモヒスチジン、α-フルオロメチル-ヒスチジンまたはα-メチル-ヒスチジン;
Xaa8は、Ala、Gly、Val、Leu、Ile、SerまたはThr;
Xaa12は、Phe、TrpまたはTyr;
Xaa16は、Val、Trp、Ile、Leu、PheまたはTyr;
Xaa18は、Ser、Trp、Tyr、Phe、Lys、Ile、Leu、Val;
Xaa19は、Tyr、TrpまたはPhe;
Xaa20は、Leu、Phe、TyrまたはTrp;
Xaa22は、Gly、Glu、Asp、Lys;
Xaa25は、Ala、Val、IleまたはLeu;
Xaa27は、Glu、IleまたはAla;
Xaa30は、AlaまたはGlu
Xaa33は、ValまたはIle;および
Xaa37は、Gly、His、-NH2、もしくは欠失]
【0040】
また本発明は、式(VI),配列番号:6のアミノ酸配列を含むGLP-1化合物を包含する。
【数8】
Figure 2005508360
[ここで、Xaa7 は、L-ヒスチジン、D-ヒスチジン、デスアミノ-ヒスチジン、2-アミノ-ヒスチジン、β-ヒドロキシ-ヒスチジン、ホモヒスチジン、α-フルオロメチル-ヒスチジンまたはα-メチル-ヒスチジン;
Xaa8は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、SerまたはThr;
Xaa16は、Val、Phe、TyrまたはTrp;
Xaa18は、Ser、Tyr、Trp、Phe、Lys、Ile、LeuまたはVal;
Xaa22は、Gly、Glu、AspまたはLys;
Xaa25は、Ala、Val、IleまたはLeu;
Xaa33は、ValまたはIle;および
Xaa37は、Gly、-NH2、もしくは欠失]
【0041】
最も好ましいGLP-1化合物は、このような類縁体またはフラグメントについてのバックボーンが、8位にアラニン以外のアミノ酸を含むGLP-1類縁体を含む(8位類縁体)。8位における好ましいアミノ酸は、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニンまたはメチオニンであり、バリンまたはグリシンが、より好ましい。
【0042】
他の好ましいGLP-1化合物は、8位のアミノ酸が、好ましくはグリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニンまたはメチオニンであり、より好ましくは、バリンまたはグリシンであり、22位が、グルタミン酸、リシン、アスパラギン酸またはアルギニンであり、より好ましくは、グルタミン酸またはリシンである以外はGLP-1(7-37)OHの配列を有するGLP-1類縁体である。
【0043】
他の好ましいGLP-1化合物は、8位のアミノ酸が、好ましくはグリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニンまたはメチオニンであり、より好ましくは、バリンまたはグリシンであり、30位が、グルタミン酸、アスパラギン酸、セリンまたはヒスチジンであり、より好ましくは、グルタミン酸である以外はGLP-1(7-37)OHの配列を有するGLP-1類縁体である。
【0044】
他の好ましいGLP-1化合物は、8位のアミノ酸が、好ましくはグリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニンまたはメチオニンであり、より好ましくは、バリンまたはグリシンであり、37位が、ヒスチジン、リシン、アルギニン、トレオニン、セリン、グルタミン酸、アスパラギン酸、トリプトファン、チロシン、フェニルアラニンであり、より好ましくは、ヒスチジンである以外はGLP-1(7-37)OHの配列を有するGLP-1類縁体である。
【0045】
他の好ましいGLP-1化合物は、8位のアミノ酸が、好ましくはグリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニンまたはメチオニンであり、より好ましくは、バリンまたはグリシンであり、22位が、グルタミン酸、リシン、アスパラギン酸またはアルギニンであり、より好ましくは、グルタミン酸またはリシンであり、27位が、アラニン、リシン、アルギニン、トリプトファン、チロシン、フェニルアラニンまたはヒスチジンであり、より好ましくは、アラニンである以外はGLP-1(7-37)OHの配列を有するGLP-1類縁体である。
【0046】
GLP-1化合物を記載するために本明細書で用いる名称において、置換されているアミノ酸およびその位置は、親構造の前に示す。たとえば、Val8-GLP-1(7-37)OHは、通常はGLP-1(7-37)OH(式(I),配列番号:1)の8位にあるアラニンが、バリンと置換されているGLP-1化合物を表す。
【0047】
他の好ましいGLP-1化合物として、以下のものが挙げられる:Val8-GLP-1(7-37)OH、Gly8-GLP-1(7-37)OH、Glu22-GLP-1(7-37)OH、Asp22-GLP-1(7-37)OH、Arg22-GLP-1(7-37)OH、Lys22-GLP-1(7-37)OH、Cys22-GLP-1(7-37)OH、Val8-Glu22-GLP-1(7-37)OH、Val8-Asp22-GLP-1(7-37)OH、Val8-Arg22-GLP-1(7-37)OH、Val8-Lys22-GLP-1(7-37)OH、Val8-Cys22-GLP-1(7-37)OH、Gly8-Glu22-GLP-1(7-37)OH、Gly8-Asp22-GLP-1(7-37)OH、Gly8-Arg22-GLP-1(7-37)OH、Gly8-Lys22-GLP-1(7-37)OH、Gly8-Cya22-GLP-1(7-37)OH、Glu22-GLP-1(7-36)NH2、Asp22-GLP-1(7-36)NH2、Arg22-GLP-1(7-36)NH2、Lys22-GLP-1(7-36)NH2、Cys22-GLP-1(7-36)NH2、Val8-Glu22-GLP-1(7-36)NH2、Val8-Asp22-GLP-1(7-36)NH2、Val8-Arg22-GLP-1(7-36)NH2、Val8-Lys22-GLP-1(7-36)NH2、Val8-Cys22-GLP-1(7-36)NH2、Gly8-Glu22-GLP-1(7-36)NH2、Gly8-Asp22-GLP-1(7-36)NH2、Gly8-Arg22-GLP-1(7-36)NH2、Gly8-Lys22-GLP-1(7-36)NH2、Gly8-Cys22-GLP-1(7-36)NH2、Lys23-GLP-1(7-37)OH、Val8-Lys23-GLP-1(7-37)OH、Gly8-Lys23-GLP-1(7-37)OH、His24-GLP-1(7-37)OH、Val8-His24-GLP-1(7-37)OH、Gly8-His24-GLP-1(7-37)OH、Lys24-GLP-1(7-37)OH、Val8-Lys24-GLP-1(7-37)OH、Gly8-Lys23-GLP-1(7-37)OH、Glu30-GLP-1(7-37)OH、Val8-Glu30-GLP-1(7-37)OH、Gly8-Glu30-GLP-1(7-37)OH、Asp30-GLP-1(7-37)OH、Val8-Asp30-GLP-1(7-37)OH、Gly8-Asp30-GLP-1(7-37)OH、Gln30-GLP-1(7-37)OH、Val8-Gln30-GLP-1(7-37)OH、Gly8-Gln30-GLP-1(7-37)OH、Tyr30-GLP-1(7-37)OH、Val8-Tyr30-GLP-1(7-37)OH、Gly8-Tyr30-GLP-1(7-37)OH、Ser30-GLP-1(7-37)OH、Val8-Ser30-GLP-1(7-37)OH、Gly8-Ser30-GLP-1(7-37)OH、His30-GLP-1(7-37)OH、Val8-His30-GLP-1(7-37)OH、Gly8-His30-GLP-1(7-37)OH、Glu34-GLP-1(7-37)OH、Val8-Glu34-GLP-1(7-37)OH、Gly8-Glu34-GLP-1(7-37)OH、Ala34-GLP-1(7-37)OH、Val8-Ala34-GLP-1(7-37)OH、Gly8-Ala34-GLP-1(7-37)OH、Gly34-GLP-1(7-37)OH、Val8-Gly34-GLP-1(7-37)OH、Gly8-Gly34-GLP-1(7-37)OH、Ala35-GLP-1(7-37)OH、Val8-Ala35-GLP-1(7-37)OH、Gly8-Ala35-GLP-1(7-37)OH、Lys35-GLP-1(7-37)OH、Val8-Lys35-GLP-1(7-37)OH、Gly8-Lys35-GLP-1(7-37)OH、His35-GLP-1(7-37)OH Val8-His35-GLP-1(7-37)OH、Gly8-His35-GLP-1(7-37)OH、Pro35-GLP-1(7-37)OH、Val8-Pro35-GLP-1(7-37)OH、Gly8-Pro35-GLP-1(7-37)OH、Glu35-GLP-1(7-37)OH Val8-Glu35-GLP-1(7-37)OH、Gly8-Glu35-GLP-1(7-37)OH、Val8-Ala27-GLP-1(7-37)OH、 Val8-His37-GLP-1(7-37)OH、Val8-Glu22-Lys23-GLP-1(7-37)OH、Val8-Glu22-Glu23-GLP-1(7-37)OH、Val8-Glu22-Ala27-GLP-1(7-37)OH、Val8-Gly3 4-Lys35-GLP-1(7-37)OH、Val8-His37-GLP-1(7-37)OHおよびGly8-His37-GLP-1(7-37)OH。
【0048】
より好ましいGLP-1化合物は、Val8-GLP-1(7-37)OH、Gly8-GLP-1(7-37)OH、Glu22-GLP-1(7-37)OH、Lys22-GLP-1(7-37)OH、Val8-Glu22-GLP-1(7-37)OH、Val8-Lys22-GLP-1(7-37)OH、Gly8-Glu22-GLP-1(7-37)OH、Gly8-Lys22-GLP-1(7-37)OH、Glu22-GLP-1(7-36)NH2、Lys22-GLP-1(7-36)NH2、Val8-Glu22-GLP-1(7-36)NH2、Val8-Lys22-GLP-1(7-36)NH2、Gly8-Glu22-GLP-1(7-36)NH2、Gly8-Lys22-GLP-1(7-36)NH2、Val8-His37-GLP-1(7-37)OH、Gly8-His37-GLP-1(7-37)OH、Arg34-GLP-1(7-36)NH2およびArg34-GLP-1(7-37)OHである。
【0049】
他の好ましいGLP-1化合物として、以下のものが挙げられる:Val8-Tyr12-GLP-1(7-37)OH、Val8-Tyr12-GLP-1(7-36)NH2、Val8-Trp12-GLP-1(7-37)OH,Val8-Leu16-GLP-1(7-37)OH、Val8-Tyr16-GLP-1(7-37)OH、Gly8-Glu22-GLP-1(7-37)OH、Val8-Leu25-GLP-1(7-37)OH、Val8-Glu30-GLP-1(7-37)OH、Val8-His37-GLP-1(7-37)OH、Val8-Tyr12-Tyr16-GLP-1(7-37)OH、Val8-Trp12-Glu22-GLP-1(7-37)OH、Val8-Tyr12-Glu22-GLP-1(7-37)OH、Val8-Tyr16-Phe19-GLP-1(7-37)OH、Val8-Tyr16-Glu22-GLP-1(7-37)OH、Val8-Trp16-Glu22-GLP-1(7-37)OH、Val8-Leu16-Glu22-GLP-1(7-37)OH、Val8-Ile16-Glu22-GLP-1(7-37)OH、Val8-Phe16-Glu22-GLP-1(7-37)OH、Val8-Trp18-Glu22-GLP-1(7-37)OH、Val8-Tyr18-Glu22-GLP-1(7-37)OH、Val8-Phe18-Glu22-GLP-1(7-37)OH、Val8-Ile18-Glu22-GLP-1(7-37)OH、Val8-Lys18-Glu22-GLP-1(7-37)OH、Val8-Trp19-Glu22-GLP-1(7-37)OH、Val8-Phe19-Glu22-GLP-1(7-37)OH、Val8-Phe20-Glu22-GLP-1(7-37)OH、Val8-Glu22-Leu25-GLP-1(7-37)OH、Val8-Glu22-Ile25-GLP-1(7-37)OH、Val8-Glu22-Val25-GLP-1(7-37)OH、Val8-Glu22-Ile27-GLP-1(7-37)OH、Val8-Glu22-Ala27-GLP-1(7-37)OH、Val8-Glu22-Ile33-GLP-1(7-37)OH、Val8-Glu22-His37-GLP-1(7-37)OH、Val8-Asp9-Ile11-Tyr16-Glu22-GLP-1(7-37)OH、Val8-Tyr16-Trp19-Glu22-GLP-1(7-37)OH、Val8-Trp16-Glu22-Val25-Ile33-GLP-1(7-37)OH、Val8-Trp16-Glu22-Ile33-GLP-1(7-37)OH、Val8-Glu22-Val25-Ile33-GLP-1(7-37)OHおよびVal8-Trp16-Glu22-Val25-GLP-1(7-37)OH。
【0050】
亜鉛結晶:
GLP-1化合物は、亜鉛結晶に組み入れることができる。アルカリ規準化ステップを行うのが好ましい。GLP-1溶液のpHは、約9.5〜約11.5に調節する。このステップは、ペプチドにおけるβシートコンホメーションの含量を減少させ、いくつかのGLP-1化合物の溶解度とバイオアベイラビリティにとって重要なαへリックスコンホメーションを増やするものと考えられる。このステップは、次の過程に先だって、ペプチドを好ましいαへリックスコンホーメーションに維持するのにも役立つ。このように、このキーステップが、ペプチドのバルクロットにおける変動を再現性のある均質な溶液へと「標準化する」。
【0051】
アルカリ規準化溶液中のペプチド濃度は、5 mg/mL以上である。濃度が、約10 mg/mL〜約30 mg/mLであるのがより好ましい。溶解したペプチドの好ましい濃度の他の範囲は、約5 mg/mL〜約25 mg/mL、約8 mg/mL〜約25 mg/mLおよび約10 mg/mL〜約20 mg/mLである。最も好ましい濃度は、約15 mg/mLである。
水およびNaOH、KOHまたは水酸化アンモニウムなどの塩基のみを含む水性アルカリ溶液を用いてペプチドを溶解するのが好ましい。より好ましい塩基は、NaOHである。
【0052】
アルカリ規準化ステップのpHが、約10.0〜約11.0であるのが好ましい。pHが、約10.5であるのがより好ましい。溶解したペプチドを含むアルカリ溶液は、周囲温度、一般に、約20℃〜約25℃の温度(限定的な意味ではない)にて約5分間〜約3時間静置する。アルカリ溶液をゆるやかに攪拌してもよい。溶解したアルカリペプチド溶液を周囲温度にて約1時間静置するのがより好ましい。当業者であれば、各ペプチドに対して、ペプチドコンホメーションの「規準化」が完全であることを確実にし、ペプチドに起こる化学的分解を回避または最小にするような、このステップのためのpH、時間、温度および攪拌条件の組み合わせを、容易に設定することができることを認識できよう。
【0053】
選択されたペプチドの結晶を製造するための工程における次のステップは、グリシンの添加である。グリシンなどのアミノ酸は、ペプチドのヒスチジン残基にも強く結合する亜鉛イオンを結合する。したがって、亜鉛結合に対する競合が、ペプチド結晶の形成ならびに形成されるペプチド結晶の安定性において役割を果たす。アルカリペプチド溶液に添加されるグリシンは、固体であってもストック溶液であってもよい。グリシンを固体で加えるのが好ましい。加えられたグリシンが遊離塩基の形状であるのが好ましい。アルカリペプチド溶液中のグリシンの得られる濃度が、約5 mM〜約250 mMであるのが好ましい。より好ましいグリシン濃度の範囲は、約10 mM〜約150 mM、約20 mM〜約100 mM、約40 mM〜約80 mMおよび約55 mM〜約65 mMである。グリシン濃度が、約60 mMであるのが最も好ましい。
【0054】
必要に応じて、アルカリペプチド溶液のpHをグリシン添加後に再調節する。pHを調節するならば、約9.0〜約11.0に調節するのが好ましい。pHを約9.2〜約9.8に調節するのがより好ましい。約pH 9.5に調節するのが最も好ましい。
必要に応じて、グリシンを加えたアルカリペプチド溶液を濾過する。不溶粒子、埃または糸くずが溶液中にあるように思える場合、濾過を勧める。要すれば、これもまた、無菌濾過ステップを行うことによって溶液を滅菌することができる工程において適切な段階である。低タンパク質結合であり、孔径が0.45 μm以下の滅菌非発熱フィルターを用いて濾過を行うのが好ましい。フィルターが、孔径0.22 μm以下の滅菌非発熱、低タンパク質結合フィルターであるのが好ましい。フィルターが、滅菌0.22 μmMillex(登録商標)フィルター(Millipore Corporation、Waltham、MA、USA)であるのがより好ましい。
【0055】
結晶形成の工程における次のステップは、アルカリペプチド溶液へのエタノールおよびイソプロパノールから選ばれる総最終体積の約2%〜約20%のアルコールおよびペプチド1モル当たり約0.5 モル〜約2.5 モルの亜鉛の添加である。亜鉛およびエタノールは、1回水性ストック溶液で添加しても、任意の順序で1ステップまたはそれ以上のステップで別々に添加してもよい。亜鉛を添加する前にアルコールを添加するのが好ましい。
加えられたアルコールが、アルカリペプチド−亜鉛−アルコール溶液の総最終体積の約2%〜約20体積%であるのが好ましい。アルコールが、総最終体積の約6%〜約12%であるのがより好ましい。アルコールが、総最終体積の約9%であるのが最も好ましい。アルコールがエタノールであるのが好ましい。
【0056】
この段階で加えられた亜鉛は、亜鉛イオンを示す。亜鉛イオンは、種々の形体で加えることができるが、希HClで酸化した酸化亜鉛溶液および酢酸亜鉛または塩化亜鉛などの塩形体が好ましい。希HClで酸化した酸化亜鉛溶液が、より好ましい。
この工程ステップで、ペプチド1モル当たり1.0モル〜約2.25モルの亜鉛を加えるのが好ましい。亜鉛添加の他の好ましい範囲として、ペプチド1モル当たり1.1〜2.0モル、1.3〜1.7モルおよび1.4〜1.6モルが挙げられる。ペプチド1モル当たり約1.5モルの亜鉛を加えるのが最も好ましい。
【0057】
ペプチド溶液に加える亜鉛を含む溶液をゆっくりと、および/または少しずつ増やしながら加えるのが好ましく、添加位置に生じるペプチドおよび/または亜鉛複合体の局在性沈殿が最少になる。このステップで、グリシンもまた、添加されつつある亜鉛を含む溶液の成分であるのがより好ましい。たとえば、酸化亜鉛を希HClに溶解してpHを約1.6にし、次いで、固体グリシンを添加することによって、亜鉛−グリシン溶液を製造することができる。十分な量のグリシンを加えて、溶液のpHを約pH 2〜約pH 3に上げる。たとえば、たとえば、希NaOHを用いて、亜鉛−グリシン溶液のpHをさらに上げてもよい。亜鉛−グリシン溶液の好ましいpH範囲は、約pH 4.0〜約pH 6.0である。亜鉛−グリシン溶液のより好ましいpH範囲は、約pH 5.0〜約pH 5.5である。先に述べたように、グリシンは、ペプチドへの亜鉛結合に競合しうる亜鉛に対する結合親和性をもっている。したがって、組成物に添加されつつある亜鉛を含む溶液におけるグリシンの存在により、局在性の沈殿の問題が最小になるので、亜鉛溶液にさらに迅速に添加を行うことができるようになる。さらに、亜鉛−グリシン溶液を、たとえばpH 2-10の溶液などのpH 2.0以上、好ましくは約pH 4.0〜約pH 6.0の溶液にすることによって、滅菌ペプチド組成物に導入するのに先立って、溶液が、取り扱う製造者によって評価されるフィルターを用いて滅菌フィルター処理されうるようになる。亜鉛−グリシン溶液が、約50 mM〜約70 mMのグリシンおよび約20 mM〜約200 mMの亜鉛を含むのが好ましい。
【0058】
選択されたペプチドの最初の結晶化における最終ステップは、溶液のpHを約pH 7.5〜約pH 10.5に調節し、ペプチドの結晶を形成させることである。溶液のpHを調節するのに有用な好ましい試薬溶液として、希HCl、希酢酸および希NaOHが挙げられる。
選択されたペプチドの結晶化にとって好ましいpH範囲として、約pH 8.0〜約pH 10.0、約pH 7.5〜約pH 9.5、約pH 8.5〜約pH 9.2、約pH 9.0〜約pH 9.5、約pH 7.5〜約pH 8.5、約pH 8.7〜約pH 9.5および約pH 9.2〜約pH 10.0が挙げられる。
【0059】
当業者であれば、結晶化の好ましいpHが、ペプチドの性質および濃度、アルコール濃度、亜鉛濃度、溶液のイオン強度ならびに結晶化の温度などの多くの因子によって変わることを理解できよう。例として、ペプチドVal8-Glu30-GLP-1(7-37)OHは、約7.7〜約8.1のpH範囲にて、選択したエタノールおよび亜鉛濃度のみで結晶を生成したが、ペプチドVal8-His37-GLP-1(7-37)OHは、約9.8〜約10.4のpH範囲にて、より広い範囲の亜鉛およびエタノール濃度にわたって結晶を生成した。
当業者であればさらに、ある条件にとって、結晶化の最適pHを決定する好ましい様式が、それを経験的に決定すること、すなわち、酸性化溶液、好ましくは希HClまたは希酢酸を少しずつ増やしながらゆっくりと加え、各増加分を加えた後に何が起こるかを観察するこであるということが、理解できよう。一般に、少量の沈殿の局在性ゾーンは、酸性溶液の添加箇所に生じる。緩やかな渦巻きが沈殿を完全に再溶解する時間の長さがだんだんと長くなるとき、それが酸の添加を止め、透明またはわずかに濁った溶液から結晶化を進行させる最適の時間である。
【0060】
当業者であればさらに、結晶化のために選ばれるpHおよび温度が、結晶化が進行する速度、結晶化収率および形成される結晶の大きさと均質性に影響を与えることが理解できよう。選択されたペプチドのための結晶化pHは、約pH 8.0〜約pH 10であるのが好ましい。pHが、約8.7〜約9.5であるのがより好ましい。結晶化の好ましいpHの他の範囲は、約8.8〜約9.3、約9.0〜約9.5および約8.5〜約9.3である。結晶化を約pH 9.1で行うのが最も好ましい。
結晶化の温度が、約10℃〜約30℃であるのが好ましい。結晶化の温度が、約15℃〜約28℃であるのがより好ましい。結晶化の温度が、周囲温度または約20℃〜約25℃であるのが最も好ましい。
【0061】
上述した結晶化ステップが、約3時間〜約72時間で、完了、すなわち90%またはそれ以上のペプチドの大部分が結晶体で沈殿するのが好ましい。結晶化が、約10時間〜約48時間で完了するのがより好ましい。結晶化が、約16時間〜約26時間で完了するのが最も好ましい。結晶化の完了は、組成物のアリコート中に存在するペプチドのHPLC分析などの種々の手段によって決定することができる。本明細書中の方法5は、使用することができるこのようなプロトコルの1つを述べている。上記の工程のステップにしたがって製造された結晶が、薄板結晶であるのが好ましい。該工程によって製造された結晶は、顕微鏡によって調べることができる。
【0062】
もとの母液中の結晶の懸濁液のpHは、97%またはそれ以上のペプチドが不溶性になるpH値まで低くなっている。工程のこの部分が、最初の結晶化の完了が決定された後、2,3時間以内に始まるのが好ましい。HClまたは酢酸の希溶液を用いて、pHを低下させるのが好ましく、ここで、酸性溶液は、ゆっくりと増分させながら加える。当業者であれば、この結晶化の第2段階が起こるべき好ましいpHが、ペプチドの性質および濃度、アルコール濃度、亜鉛濃度、溶液のイオン強度ならびに結晶化の温度などの多くの因子によって変わることが理解できよう。pHが、最初の結晶化が進行したpHよりも約0.2〜2.0 pH単位低いのが好ましい。pHが、最初の結晶化が進行したpHよりも約0.5〜約1.5 pH単位低いのがより好ましく、約0.8〜1.3 pH単位低いのが最も好ましい。結晶化の第2段階の温度が、周囲温度または約20℃〜約25℃であるのが好ましい。ペプチドVal8-GLP-1(7-37)OHには、pHが、約7.5〜約8.5であるのが好ましい。pHが、約7.8〜約8.2であるのがより好ましい。
【0063】
ペプチド結晶の懸濁液のpHが、97%またはそれ以上のペプチドが組成物中で不溶性になるpH値まで低くなっているのが好ましく、99%またはそれ以上のペプチドが組成物中で不溶性になるpH値まで低くなっているのがより好ましい。結晶化の第2段階で形成された追加の沈殿は、結晶を含む。結晶化のこの第2段階で形成された追加の沈殿は、大部分が、結晶化の第1段階で形成された沈殿と同様の形態およびサイズ分布の結晶であるのが好ましい。
次のステップが結晶化の第2段階が開始した時間から30時間以内、より好ましくは18時間以内、さらに好ましくは6時間以内および最も好ましくは2時間以内に開始されるように、結晶化の第2段階が十分に完了する、すなわち、97%またはそれ以上のペプチドが不溶性であるのが好ましい。沈殿収量の定量は、懸濁液のアリコート中に存在するペプチドのHPLC分析などの種々の手段によって行うことができる。
【0064】
上述したステップから、最初の結晶化段階からのもとの母液中に不溶性GLP-1沈殿または結晶を含むストック懸濁液が得られる。ストック懸濁液は、その現在の形体でのインスリン溶液と混合することができるが、あるいは、ストック懸濁液が、必要に応じて他の適当な医薬的に許容しうる賦形剤を含んでもよい。
必要に応じて、ストックGLP-1懸濁液は、TRIS、マレイン酸塩、リン酸塩、コハク酸塩、グリシルグリシンまたはアジピン酸塩などの医薬的に許容しうる緩衝剤および1種またはそれ以上の塩化ナトリウム、他の塩、グリセリンまたはマンニトールなどの張性剤を含んでもよい。これらの成分は、単独溶液として、組み合わせ溶液として、または任意の順序で個々に加えることができる。これらの成分のうち、好ましい緩衝剤は、TRIS、マレイン酸塩およびグリシルグリシンから選択され、好ましい張性剤は、塩化ナトリウムである。より好ましい緩衝剤は、TRISである。
【0065】
ストックGLP-1懸濁液に加えるのに好ましいTRISの量は、TRISが選択された緩衝剤である場合、最終組成物中のTRIS濃度が約5 mM〜約40 mMとなるような量である。最終組成物中のTRIS濃度のより好ましい範囲は、約10 mM〜約20 mMである。最終組成物中の最も好ましいTRIS濃度は、約15 mMである。
ストックGLP-1懸濁液に加えるのに好ましいマレイン酸塩の量は、マレイン酸塩が選択された緩衝剤である場合、最終組成物中のマレイン酸塩濃度が約2 mM〜約20 mMとなるような量である。最終組成物中のマレイン酸塩濃度のより好ましい範囲は、約5 mM〜約15 mMである。最終組成物中の最も好ましいマレイン酸塩濃度は、約9 mMである。
【0066】
ストックGLP-1懸濁液ペプチド組成物の成分に、塩化ナトリウムが選択される場合、加えるのに好ましい量は、ストック懸濁液中の加えられた塩化ナトリウムが約30 mM〜約200 mMとなるような量である。ストック懸濁液中の加えられた塩化ナトリウムのより好ましい濃度は、50 mM〜約150 mMである。好ましい塩化ナトリウム濃度の他の範囲は、約80 mM〜約120 mM、約70 mM〜約130 mMおよび約90 mM〜約130 mMである。ストック懸濁液中の加えられた塩化ナトリウムの最も好ましい量は、約110 mMである。
工程中のこの時点で、いずれかの医薬的に許容しうる保存剤をストックGLP-1懸濁液に加えてもよいが、フェノール性保存剤またはベンジルアルコールが好ましい。フェノール性保存剤として、フェノール、クロロクレゾール、m-クレゾール、o-クレゾール、p-クレゾール、エチルパラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、チモールまたはその混合物が挙げられる。より好ましい保存剤は、ベンジルアルコール、m-クレゾール、フェノール、メチルパラベンおよびその混合物である。最も好ましい医薬的に許容しうる保存剤は、m-クレゾールである。
【0067】
ストックGLP-1懸濁液を製造する工程における最終ステップは、最終pHを約6.0〜約8.5、好ましくは約pH 6.5〜約pH 8.0およびより好ましくは約pH 7.0〜約pH 8.0に調節することである。このpH調節に、多種の酸性化および/またはアルカリ化試薬溶液のいずれかを用いることができるが、希HCl、希NaOHおよび希酢酸が好ましい。より好ましい試薬溶液は、希HClおよび希NaOHである。組成物を調節する好ましいpHは、ある程度は選択されたペプチド、ペプチド濃度、提案された投与経路および選択された緩衝剤によって変わる。
選択された緩衝剤としてTRISが好ましく、pHを、約6.5〜約8.5に調節される。pHを、約7.0〜約7.8、約7.2〜約7.8、約7.5〜約8.5または約7.0〜約8.0に調節されるのがより好ましい。選択された緩衝剤がTRISである場合、ストックGLP-1懸濁液のpHを約7.5に調節するのが最も好ましい。選択された緩衝剤がマレイン酸塩である場合、pHを、約6.0〜約7.5に調節する。pHを約6.4〜約7.5、約6.4〜約7.0または約6.0〜約7.0に調節するのがより好ましい。選択された緩衝剤がマレイン酸塩である場合、ストックGLP-1懸濁液のpHを約6.5に調節するのが最も好ましい。
【0068】
プロタミン複合体:
別の態様において、GLP-1固相は、GLP-1化合物および塩基性ポリペプチドを含む複合体であることができる。必要に応じて、複合体は、亜鉛などの二価の金属イオンを含む。複合体は、結晶性もしくは非結晶性物質または結晶性もしくは非結晶性物質の混合物のいずれかであることができる。結晶性複合体は、主として、微結晶、棒状晶、針状晶もしくは板状晶またはその混合物の個体またはクラスターを含む。非結晶性複合体は、沈殿を含むが、結晶状態の物質および限定的形体または構造を欠く。塩基性ポリペプチドとして塩基性タンパク質またはポリアミンがが挙げられるが、これらに限定されるものではない。塩基性タンパク質またはポリアミンの例は、ポリリシン、ポリアルギニン、ポリオルチニン、プロタミン、プトレシン、スペルミン、スペルミジンおよびヒストンである。好ましい塩基性ポリペプチドは、ポリアルギニン、プロタミン、ポリリシンおよびポリオルニチンである。ポリリシン、ポリアルギニンおよびプロタミンが、より好ましい。プロタミンが最も好ましい。プロタミンは、核酸との組み合わせなどの塩中の精子細胞核に存在する強塩基性タンパク質のグループの一般名である。市販のプロタミンは、成熟魚精子から単離することができ、通常、硫酸塩として得られる。特定のプロタミンのペプチド組成物は、それが得られる魚の科、属または種によって変化する。サケまたはマスから得られるプロタミンは、さらに分離することもできる2、3またはそれ以上のタンパク質のフラクションに分離することができる。親の異なるプロタミンは、20個以上がアルギニンである約30個のアミノ酸からなる。プロタミンの平均分子量は、約4,300である。市販の硫酸プロタミンは、およそ80%がプロタミンである。
【0069】
複合体は、GLP-1化合物溶液を塩基性ポリペプチド溶液と混合することによって製造することができる。GLP-1化合物溶液は、緩衝された溶液であるのが好ましく、GLP-1を選択された緩衝液に溶解することによって製造される。緩衝剤の例として、TRIS、グリシン、アルギニンおよびリン酸塩が挙げられるが、これらに限定されるものではない。好ましい緩衝剤は、TRISである。緩衝剤の濃度は、別に化学反応が最小化される結果として生じる水素イオン濃度において変化するような濃度であるべきである。GLP-1溶液のpHは、約pH 6〜約pH 10、好ましくは約pH 7〜約pH 10、より好ましくは約pH 8〜約pH 10および最も好ましくは約pH 9〜約pH 10である。溶解されているGLP-1化合物の等電点(pI)に基づいてGLP-1化合物溶液のpHを調節して、緩衝されたGLP-1溶液中で溶解し、可溶性のままであるようにGLP-1化合物の量を最適化することができる。たとえば、Val8-GLP-1(7-37)OHが、pHを9.0に調節するTRIS緩衝溶液に溶解されるのが好ましい。
【0070】
塩基性ポリペプチド溶液が、塩基性ポリペプチドを選択された緩衝剤に溶解することによって調製された緩衝溶液であるのが好ましい。緩衝剤の例として、TRIS、グリシン、アルギニンおよびリン酸塩が挙げられるが、これらに限定されるものではない。好ましい緩衝剤は、TRISである。緩衝剤の濃度は、別に化学反応が最小化される結果として生じる水素イオン濃度において変化するような濃度であるべきである。GLP-1溶液のpHは、約pH 6〜約pH 10、好ましくは約pH 7〜約pH 10、より好ましくは約pH 8〜約pH 10および最も好ましくは約pH 9〜約pH 10である。溶液中の塩基性ポリペプチドの濃度は、約1.0〜約20.0 mg/mLである。しかし、最終的には、塩基性ポリペプチドの濃度は、塩基性ポリペプチド溶液がGLP-1化合物溶液に加えられるときに、塩基性ポリペプチドに対するGLP-1化合物の所望の比率が達成されるような濃度である。たとえば、プロタミンが、pH 9.0にてTris緩衝溶液に溶解するのが好ましい。
【0071】
複合体形成を誘発することおよび複合体の反応容器への接着を減少させるために、エタノール、プロパノール、イソプロパノールおよびメタノールまたはそれらの混合物から選択されたアルコールを、緩衝GLP-1溶液、緩衝塩基性ポリペプチド溶液のいずれかまたは両方の溶液に加える。いったん緩衝GLP-1化合物溶液および緩衝塩基性ポリペプチド溶液が混合されると、アルコールの最終濃度が、約0.2〜約10 %(体積/体積)(v/v)であるのが好ましい。エタノール濃度が、約4%〜5%(v/v)であるのが最も好ましい。
【0072】
緩衝GLP-1化合物溶液を緩衝塩基性ポリペプチド溶液と混合することによって、複合体を製造する。非結晶性沈殿の懸濁液が、最初に形成される。しかし、もし、第1に結晶性複合体を所望するのであれば、懸濁液を約18〜24時間インキュベートする。インキュベーションの温度は重大ではないが、ペプチドの変性を回避し、形成される結晶性マトリックスを保存するために、約5℃〜約35℃が好ましい。温度が約25℃であるのが好ましい。インキュベーション時間および温度は、非結晶性複合体、結晶性複合体または非結晶性と結晶性複合体の混合物のいずれを所望するかによって変化しうる。
【0073】
一緒に混合するGLP-1溶液および塩基性ポリペプチド溶液の量は、最終混合物における塩基性ポリペプチドに対するGLP-1化合物の比率が、約4:1〜約10:1(w/w)の範囲となるように、各溶液中のGLP-1化合物および塩基性ポリペプチドおよびアルコールの濃度に応じて調節する。塩基性ポリペプチドに対するGLP-1化合物の最終比率は、複合体の形態学ならびに最終収率に影響を及ぼす。たとえば、通例、微結晶、棒状晶、針状晶、板状晶またはその混合物の個体およびクラスターを含む結晶性複合体が得られる比率は、約5:1(w/w)(GLP-1化合物:塩基性ポリペプチド)であるが、4:1(w/w)(GLP-1化合物:塩基性ポリペプチド)の比率では、微結晶、棒状晶、針状晶および板状晶のより大きいクラスターがさらに得られる。
【0074】
約4:1〜約5:1(w/w)(GLP-1化合物:塩基性ポリペプチド)の比率における複合体形成の収率は、通例、ほぼ100%である。しかし、塩基性ポリペプチドに対するGLP-1化合物の比率は、収率は低下するけれども、5:1(GLP-1化合物:塩基性ポリペプチド)より上まで増加することができる。GLP-1溶液中のGLP-1化合物の濃度および塩基性ポリペプチド溶液中の塩基性ポリペプチドの濃度は、塩基性ポリペプチドに対するGLP-1化合物の比率が、約6:1〜約10:1(w/w)、より好ましくは約7:1〜約9:1(w/w)(GLP-1化合物:塩基性ポリペプチド)となるように調節することができる。これらの比率における複合体形成の収率は、95%以下、通常は90%以下である。
【0075】
もう一つの態様において、収率を改善し、複合体の溶解度特性を変更するために、GLP-1/プロタミン複合体の懸濁液に、亜鉛などの二価の金属イオンを加える。複合体の溶解度特性は、存在するGLP-1化合物の量に対する加えられる亜鉛の量によって変更することができる。複合体の溶解度特性がデリバリー部位における薬物放出速度を決定するので、溶解度特性をコントロールするためのこのような方法は有用である。したがって、溶解度特性をコントロールすることによって、薬物の薬物動態特性をコントロールすることができる。さらに、亜鉛の溶液中に懸濁液を浸漬することにより、複合体形成を完了させることができる。
【0076】
亜鉛は、塩として加えるのが好ましい。亜鉛塩の代表的な例として、酢酸亜鉛、臭化亜鉛、塩化亜鉛、フッ化亜鉛、ヨウ化亜鉛および硫酸亜鉛が挙げられる。当業者であれば、使用することができる多くの他の亜鉛塩があることを理解するであろう。酸化亜鉛、酢酸亜鉛または塩化亜鉛を用いるのが好ましい。GLP-1化合物/塩基性ポリペプチド複合体の懸濁液に、約5〜約6のpHに緩衝された亜鉛溶液を加えることができる。緩衝亜鉛溶液にとって好ましい緩衝剤は、グリシンである。必要に応じて、pHが約1〜約2の酸性亜鉛溶液を懸濁液に加えることができる。GLP-1化合物に対する亜鉛の好ましい最終的モル比は、約2:1以下である。インキュベーションの温度は重大ではないが、通常、懸濁液を亜鉛の存在下、約18〜約24 時間、約5℃〜約25℃の温度でインキュベートする。
【0077】
インスリン:
固相合成化学、天然源からのインスリンの精製、組換えDNA技術またはこれらの方法の組み合わせといったような当業界で公知の種々の方法によって、インスリンペプチドを製造することができる。
本発明のインスリンペプチドの例として、レギュラーヒトインスリンおよびモノマーインスリン類縁体が挙げられる。好ましいモノマーインスリン類縁体の例は、ヒトインスリンであり、ここで、β鎖の28位におけるプロリンは、アスパラギン酸、リシン、ロイシン、バリンまたはアラニンで置換され、β鎖の29位におけるプロリンは、リシンまたはプロリンである(AspB28またはAspB28-ProB29、LysB28またはLysB28-ProB29、LeuB28またはLeuB28-ProB29、ValB28またはValB28-ProB29、AlaB28またはAlaB28-ProB29);β鎖の28,29および30位のアミノ酸の欠失(デス B28-30);β鎖の27位のアミノ酸の欠失(デスB27)。より好ましいモノマーインスリン類縁体は、LysB28-ProB29およびAspB28である。種々のモノマーインスリン類縁体の製造は、米国特許 Nos. 5,474,978および700,662に記載されており、これらは全体を参考文献として本発明に援用される。
【0078】
モノマーインスリン類縁体の他の例として、その誘導体または生理学的に容認しうる塩が挙げられ、ここで、B鎖のB3位のアスパラギン(Asn)は、天然の塩基性アミノ酸残基で置換され、B鎖のB27、B28たはB29位の少なくとも1つのアミノ酸残基は、他の天然のアミノ酸残基で置換され、必要に応じて、A鎖の21位におけるアスパラギン(Asn)が、Asp、Gly、Ser、ThrまたはAlaで置換されることが可能であり、B鎖のB1位におけるフェニルアラニン(Phe)およびB鎖のB30位におけるアミノ酸残基が欠けることが可能である。B3が、His、ArgまたはLysであるのが好ましい。B27、B28たはB29が、Ile、AspまたはGluであるのが好ましい。この属のモノマーインスリン類縁体が、LysB3-GluB29であるのが好ましい。この属のモノマーインスリン類縁体の製造は、米国特許 No. 6,221,633に開示されており、これは全体を参考文献として本発明に援用される。
【0079】
二相混合物の製造方法
さらに本発明は、GLP-1固体をインスリン溶液と混合することによる、医薬製剤における使用に適した二相混合物の製造方法を提供する。不溶性GLP-1沈殿または結晶を固体としてインスリンを含む溶液に加えるか、または固体可溶性インスリンを不溶性GLP-1沈殿および結晶を含む懸濁液に溶解する。別法として、不溶性GLP-1沈殿または結晶および可溶性インスリンの両方を任意の順序で緩衝溶液に加える。ストックGLP-1懸濁液およびストックインスリン溶液を別々に製造し、次いで、所望の比率で一緒に加えるのが好ましい。GLP-1懸濁液をインスリン溶液で希釈するのが好ましい。GLP-1懸濁液およびインスリン溶液は、GLP-1が固相中に残り、持続性薬物動態プロフィールを維持し、インスリンが溶液相中に残り、短時間作用特性を維持するような様式で混合しなければならない。
【0080】
方法が、GLP-1懸濁液を実施例5のLysB28-ProB29インスリン溶液と、約99:1(w/w)〜10:90(w/w)、より好ましくは約85:15(w/w)〜15:85(w/w)およびよりさらに好ましくは約85:15(w/w)〜約50:50(w/w)の比率で混合することを含むのが好ましい。
別の態様において、方法は、GLP-1懸濁液をAspB28インスリン溶液と、約99:1(w/w)〜10:90(w/w)、より好ましくは約85:15(w/w)〜15:85(w/w)およびよりさらに好ましくは約85:15(w/w)〜約50:50(w/w)の比率で混合することを含む。
別の態様において、方法は、GLP-1懸濁液をレギュラーヒトインスリン溶液と、約99:1(w/w)〜10:90(w/w)、より好ましくは約85:15(w/w)〜15:85(w/w)およびよりさらに好ましくは約85:15(w/w)〜約50:50(w/w)の比率で混合することを含む。
【0081】
別の態様において、方法は、実施例3のVal8-GLP-1懸濁液を実施例5のLysB28-ProB29インスリン溶液と、約99:1(w/w)〜10:90(w/w)、より好ましくは約85:15(w/w)〜15:85(w/w)およびよりさらに好ましくは約85:15(w/w)〜約50:50(w/w)の比率で混合することを含む。
別の態様において、方法は、実施例3のVal8-GLP-1懸濁液をAspB28インスリン溶液と、約99:1(w/w)〜10:90(w/w)、より好ましくは約85:15(w/w)〜15:85(w/w)およびよりさらに好ましくは約85:15(w/w)〜約50:50(w/w)の比率で混合することを含む。
別の態様において、方法は、実施例3のVal8-GLP-1懸濁液をレギュラーヒトインスリン溶液と、約99:1(w/w)〜10:90(w/w)、より好ましくは約85:15(w/w)〜15:85(w/w)およびよりさらに好ましくは約85:15(w/w)〜約50:50(w/w)の比率で混合することを含む。
【0082】
別の態様において、方法は、エキセンディン−3懸濁液またはエキセンディン−3懸濁液を実施例5のLysB28-ProB29インスリン溶液と、約99:1(w/w)〜10:90(w/w)、より好ましくは約85:15(w/w)〜15:85(w/w)およびよりさらに好ましくは約85:15(w/w)〜約50:50(w/w)の比率で混合することを含む。
別の態様において、方法は、エキセンディン−3懸濁液またはエキセンディン−3懸濁液をAspB28インスリン溶液と、約99:1(w/w)〜10:90(w/w)、より好ましくは約85:15(w/w)〜15:85(w/w)およびよりさらに好ましくは約85:15(w/w)〜約50:50(w/w)の比率で混合することを含む。
別の態様において、方法は、エキセンディン−3懸濁液またはエキセンディン−3懸濁液をレギュラーヒトインスリン溶液と、約99:1(w/w)〜10:90(w/w)、より好ましくは約85:15(w/w)〜15:85(w/w)およびよりさらに好ましくは約85:15(w/w)〜約50:50(w/w)の比率で混合することを含む。
【0083】
方法は、必要に応じて、GLP-1懸濁液、インスリン溶液またはGLP-1とインスリンの二相混合物に緩衝剤を加える追加のステップを含むことができる。緩衝液が、TRIS、グリシンまたは両方であるのが好ましい。
方法は、必要に応じて、GLP-1懸濁液、インスリン溶液またはGLP-1とインスリンの二相混合物に保存剤を加える追加のステップを含むことができる。
方法は、必要に応じて、GLP-1懸濁液、インスリン溶液またはGLP-1とインスリンの二相混合物に等張化剤を加える追加のステップを含むことができる。
方法は、必要に応じて、GLP-1懸濁液、インスリン溶液またはGLP-1とインスリンの二相混合物に保存剤を加える追加のステップを含むことができる。
決して限定することを意図するものではない以下の実施例によって本発明を説明する。
【0084】
実施例1
インスリン分泌活性測定
フィコール勾配(ハンクス平衡塩類溶液中、27%、23%、20.5 %および11%、pH 7.4)により膵臓組織のコラゲナーゼ消化物を分離する。20.5%/11%界面から膵島を集め、洗浄し、立体顕微鏡下に外分泌物または他の組織がない状態で採集する。10% ウシ胎児血漿を補足し、11 mMグルコースを含むRPMI 1640培地中、37℃および95% 空気/5% CO2にて一夜、膵島をインキュベートする。10% ウシ胎児血漿および16.7 mMグルコースを含むRPMI培地中、好ましくは3〜30ナノモルの濃度範囲にて、調査するGLP-1化合物を調製する。次いで、ピペットで、96ウエルマイクロタイター皿上の培地を含む総体積250 μlのGLP-1化合物へ、約8〜10個の膵島を移す。GLP-1化合物の存在下、37℃、95% 空気、5% CO2にて90分間、膵島をインキュベートする。次いで、膵島を含まない培地のアリコートを集め、存在するインスリンの量について、Equate インスリン RIA キット(Binax、Inc.、Portland、ME)を用いるラジオイムノアッセイによって、その100 μlをアッセイする。
【0085】
実施例2
Val8-GLP-1(7-37)OHの亜鉛結晶化
Val8-GLP-1(7-37)OHを約20 mg/mLの濃度にて約15 mLの注射用滅菌水に溶解する。NaOHで、pHを約10.8に調節し、周囲温度にて約30分間保持する。このペプチド溶液に、66.8 mgのグリシンを加え、NaOHで、pHを約9.5に調節する。
次いで、0.22 μm Millex(登録商標)-GV (Millipore Corporation、Waltham、MA、USA)滅菌フィルター膜ユニットを通して溶液を加圧濾過する。
攪拌しながら滅菌濾液に、無水エタノールおよび注射用水から調製した3.3 mLの滅菌50%(体積)エタノール溶液を加える。
この攪拌溶液に、約1.221 mgの酸化亜鉛、約12 mLの10%塩酸、約85 mLの注射用水および528.7 mgのグリシンを合わせることによって製造した0.89 mLの滅菌濾過した緩衝化酸化亜鉛溶液を加える。約3〜4 mLの10% NaOHで、酸化亜鉛溶液のpHを5.68に調節し、注射用水で最終体積を100 mLに調節する。
NaOHで、得られるVal8-GLP-1溶液のpHを約9.1に調節する。約5分間緩やかに混合した後、結晶化溶液にしっかりと覆いをして、結晶化のために周囲温度で静置する。この時点で、Val8-GLP-1濃度を測定すると、約12.9 mg/mLであり、グリシン濃度は約50 mM、エタノール濃度は約9%および酸化亜鉛濃度は7 mM(0.46 mg/mL)である。
約24時間後、結晶化工程が完了する。代表的な分析により、収率98%以上で、大部分が薄い板状の結晶であることが示される。
【0086】
実施例3
ストックVal8-GLP-1懸濁液の調製
実施例2に記載した完了した結晶化懸濁液15 mLに、攪拌しながら、約30 mMのTRIS、220 mMのNaClおよび6 mg/mLのm-クレゾールを含む滅菌濾過溶液15 mL(約pH 7.5)を加える。
上記のように調製した安定な懸濁液は、約6.5 mg/mLのVal8-GLP-1(7-37)OHの薄い、板状の結晶、約24.8 mMのグリシン、約3 mg/mLのm-クレゾール、約110 mMの塩化ナトリウム、約4.3体積%のエタノール、約0.23 mg/mLの亜鉛、約15 mMのTRISを含み、pHは約7.5である。
【0087】
実施例4
インスリンの調製
LysB28-ProB29インスリンを約200 U/mLの濃度にて約15 mLの0.01N HClに溶解する。この溶液に、68 mgのグリシンを加え、NaOHで、pHを7.5に調節する。得られる溶液を0.22 μm Millex(登録商標)-GV (Millipore Corporation、Waltham、MA、USA)滅菌フィルター膜ユニットを通して加圧濾過する。
【0088】
実施例5
ストックLysB28-ProB29インスリン懸濁液の調製
15 mLの実施例4に記載のLysB28-ProB29インスリン溶液に、攪拌しながら、約30 mMのTRIS、220 mMのNaClおよび6 mg/mLのm-クレゾールを含む滅菌濾過溶液15 mL(約pH 7.5)を加える。
上記のように調製した安定な懸濁液は、約100 U/mLのLysB28-ProB29インスリン、約30 mMのグリシン、約3 mg/mLのm-クレゾール、約110 mMの塩化ナトリウム、約4.3体積%のエタノール、約0.23 mg/mLの亜鉛、約15 mMのTRISを含み、pHは約7.5である。
【0089】
実施例6
Val8-GLP-1懸濁液/LysB28-ProB29インスリン溶液の混合物
実施例3のVal8-GLP-1懸濁液を実施例5のLysB28-ProB29インスリン溶液と2つの異なる比率で混合する。
15 mLのストックVal8-GLP-1懸濁液を5 mLのストックLysB28-ProB29インスリン溶液を混合することによって、混合物A(85:15、GLP-1:インスリン、重量:重量)を調製する。得られる混合物は、約4.9 mg/mL(1.4 mM)のVal8-GLP-1、約25 U/mLのLysB28-ProB29インスリン、約26 mMのグリシン、約0.17 mg/mLの亜鉛、約15 mMのTRIS、約110 mMの塩化ナトリウム、約3.2体積%のエタノール、約3 mg/mLのm-cresolを含み、pHは約7.5である。
5 mLのストックVal8-GLP-1懸濁液を15 mLのストックLysB28-ProB29インスリン溶液を混合することによって、混合物B(38:62、GLP-1:インスリン、重量:重量)を調製する。得られる混合物は、約1.6 mg/mL(1.4 mM)のVal8-GLP-1、約75 U/mLのLysB28-ProB29インスリン、約29 mMのグリシン、約0.06 mg/mLの亜鉛、約15 mMのTRIS、約110 mMの塩化ナトリウム、約1.1体積%のエタノール、約3 mg/mLのm-cresolを含み、pHは約7.5である。
【0090】
実施例7
混合物の安定性
5℃および30℃における2週間および4週間の安定性について、実施例6に記載した混合物を試験する。コールター LS 230. (Coulter Electronics Limited、Luton、Beds、England)などのレーザー光散乱粒子アナライザーを用いて、体積球相当径(volume diameter)分布を測定する。総タンパク質濃度および可溶性タンパク質濃度を測定するために、さらに逆相HPLCクロマトグラフィーによってサンプルを分析する。データを以下にまとめる。
【0091】
5℃における混合物A
コールターによって測定されたサイズ:
【表1】
Figure 2005508360
Val8-GLP-1 HPLC分析:
【表2】
Figure 2005508360
LysB28-ProB29インスリンHPLC分析:
【表3】
Figure 2005508360
【0092】
30℃における混合物A
コールターによって測定されたサイズ:
【表4】
Figure 2005508360
Val8-GLP-1 HPLC分析:
【表5】
Figure 2005508360
LysB28-ProB29インスリンHPLC分析:
【表6】
Figure 2005508360
【0093】
5℃における混合物B
コールターによって測定されたサイズ:
【表7】
Figure 2005508360
Val8-GLP-1 HPLC分析:
【表8】
Figure 2005508360
LysB28-ProB29インスリンHPLC分析:
【表9】
Figure 2005508360
【0094】
30℃における混合物B
コールターによって測定されたサイズ:
【表10】
Figure 2005508360
Val8-GLP-1 HPLC分析:
【表11】
Figure 2005508360
LysB28-ProB29インスリンHPLC分析:
【表12】
Figure 2005508360
【0095】
実施例8
インビボ試験
実施例6に記載したように、Val8-GLP-1懸濁液/LysB28-ProB29インスリン溶液の混合物を調製する。
0.74 U/kgのLysB28-ProB29インスリン(1.5 nmol/kgのVal8-GLP-1懸濁液)が投与されるように、混合物を単一の部位に注射する。3時間高血糖(150 mg/dl)クランプが開始され、グルコース注入速度が継続的に記録される。血漿グルコース、インスリン、C−ペプチドおよび免疫反応性GLP-1濃度の測定のために、血液サンプルを定期的に採取する。試験当日に血漿グルコース濃度を測定する。次いで、サンプルの残りを凍結し(−80℃)、後で、ホルモン濃度測定をアッセイする。

Claims (24)

  1. 固相にGLP-1化合物を含み、溶液相にインスリンを含む二相混合物を含む医薬製剤。
  2. GLP-1化合物が、配列番号: 1、配列番号: 2、配列番号: 3、配列番号: 4、配列番号: 5および配列番号: 6から選ばれる配列をもつ請求項1に記載の医薬製剤。
  3. 配列が、配列番号: 2である請求項2に記載の医薬製剤。
  4. 配列が、配列番号: 3である請求項2に記載の医薬製剤。
  5. インスリンが、レギュラーヒトインスリンまたはモノマーインスリン類縁体である請求項1〜4のいずれか1つに記載の医薬製剤。
  6. レギュラーヒトインスリンが、Asp、Lys、Leu、ValまたはAlaで置換されるB28位にProを有し、B29位のLysがLysまたはPro;デス(B28−B30)−ヒトインスリン;またはデス(B27)−ヒトインスリンである請求項5に記載の医薬製剤。
  7. モノマーインスリン類縁体が、AspB28、AspB28-ProB29、LysB28、LysB28-ProB29、LeuB28およびLeuB28-ProB29から選ばれる請求項5に記載の医薬製剤。
  8. モノマーインスリン類縁体が、AspB28である請求項7に記載の医薬製剤。
  9. モノマーインスリン類縁体が、LysB28-ProB29である請求項7に記載の医薬製剤。
  10. モノマーインスリン類縁体が、LysB3-GluB29である請求項7に記載の医薬製剤。
  11. GLP-1化合物が、配列番号: 2または配列番号: 3の配列をもち、インスリンが、レギュラーヒトインスリンである請求項1に記載の医薬製剤。
  12. GLP-1化合物が、配列番号: 2または配列番号: 3の配列をもち、インスリンが、AspB28、LysB28-ProB29またはLysB3-GluB29である請求項1に記載の医薬製剤。
  13. さらに、等張化剤を含む請求項1〜12のいずれか1つに記載の医薬製剤。
  14. さらに、保存剤を含む請求項1〜13のいずれか1つに記載の医薬製剤。
  15. 請求項1〜14のいずれか1つに記載の医薬製剤における使用に適した二相混合物の製造方法であって、GLP-1が固相中に残り、持続性薬物動態プロフィールを維持し、インスリンが溶液相中に残り、短時間作用特性を維持するように、固相中のGLP-1化合物を溶液相中のインスリンと混合することを含む方法。
  16. 有効量の二相混合物を、必要とする患者に投与するステップを含む請求項1〜14のいずれか1つに記載の医薬製剤を投与する方法。
  17. 有効量の請求項1〜14のいずれか1つに記載の医薬製剤を、必要とする患者に投与することを含む、非インスリン依存性糖尿病、インスリン依存性糖尿病、高血糖、肥満、外科手術後の異化的変化、心筋梗塞、ストレス誘発性高血糖および卒中から選ばれる病状の治療方法。
  18. 病状が、非インスリン依存性糖尿病である請求項17に記載の方法。
  19. 病状が、インスリン依存性糖尿病である請求項17に記載の方法。
  20. 病状が、肥満である請求項17に記載の方法。
  21. 哺乳動物における非インスリン依存性糖尿病、インスリン依存性糖尿病、高血糖、肥満、ヒト患者における体重の治療的減少、外科手術後の異化的変化、心筋梗塞、ストレス誘発性高血糖および卒中から選ばれる病状の治療的処置における薬剤の製造のための請求項1〜14のいずれか1つに記載の医薬製剤の使用。
  22. 薬剤の製造が、非インスリン依存性糖尿病の治療における使用のためである請求項21に記載の使用。
  23. 薬剤の製造が、インスリン依存性糖尿病の治療における使用のためである請求項21に記載の使用。
  24. 薬剤の製造が、肥満の治療における使用のためである請求項21に記載の使用。
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