JP2005506222A - 予備成形物の成形後冷却 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
本出願は、参照することによりその全体をここに組み入れる、2001年10月24日に出願された米国仮出願シリアルナンバー60/330,541の利益を主張する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、概ね、プラスチック成形技術に関連する。(限定されるわけではないが)さらに具体的には、本発明は、炭酸飲料用のボトルのような、ブロー成形される比較的に大きい中空物品の製造に関する。
【発明の背景】
【0003】
炭酸飲料用のボトルは、典型的に、非常に大きな寸法(例えば、容積2リットル)を含む、幅広く様々な寸法に製造される。これらのボトルは、使用中にボトルが漏れを生じたり、あるいは破裂したりしてしまう可能性を抑制するため、厳しい検査基準を満たすことを求められる。ボトルは、漏れを生じることなく、激しく、強烈な機械的衝撃に持ちこたえることを求められる。
【0004】
完成品のボトルが求められる基準を満たすことを保証するため、周到な注意がボトル製造工程に払われる。取り入れられている1つの手段は、“予備成形物”として知られている中間生産物を経由して完成品のボトルを作ることである。予備成形物は本質的に細長いプラスチックチューブであり、プラスチックチューブは一端部を閉鎖され、ボトルの首となる反対側の端部にねじとつばとを有するように形成される。予備成形物の胴体は、最終的なボトルに比べてかなり短くてかなり直径が小さく、たいてい再加熱され、その後に最終的なボトルの形状および寸法へとブロー成形される。
【0005】
典型的には、予備成形物は射出成形により作られ、結果として最終的なボトルに必要とされる強度特性をもたらす分子構造を有するようになされる。最終的なボトルが必要とされる視覚上の特性を有することを保証するため、予備成形物のプラスチック材料にも注意が払われなければならない。例えば、プラスチック材料は結晶化することを許され得ず、もしそうでなければ、予備成形物は“くもり”を生じ、最終的なボトルの品質は損なわれるだろう。目標が満たされるには、予備成形物の成形後における急速冷却が必要である。同様に、急速冷却はサイクルタイム、したがって、成形工程の全体的な生産性の観点からも重要である。
【先行技術の記載】
【0006】
予備成形物の射出および射出ブロー成形はよく知られた技術であり、サイクルタイムを迅速化するための多数の提案が技術文献および特許文献に開示されている。前もって特筆したように、重要な問題点は、予備成形物の取り扱いおよび温度条件である。射出成形のサイクルタイムを減少することは、結果として柔らかい予備成形物をもたらし得り、その予備成形物においては、プラスチック材料が同様に結晶化し、くもり得る。
【0007】
典型的な射出成形装置は、成形される物品の外側輪郭を画定するための多数のキャビティを有するモールドキャビティ部品と、成形物品の内側輪郭を画定するためのモールドコア部品とを有する型を備え、モールドコア部品はモールドキャビティ部品が閉じた際にそれぞれのモールドキャビティ内に収納されるコアを有している。サイクルタイムを減少させる問題についての先行技術による解決方法の多数は、コアがモールドキャビティから取り外された後もモールドコア上に成形された予備成形物をとどめておき、内部からコアを冷却するようになっている。この方法の不都合は、成形装置がいくつかのモールドコアのセットを有するようにし、これにより、1つ以上のセットが冷却に用いられている間に1つのセットが成形に用いられ得るようにしなければならないことである。同様に、各コアは、予備成形物のねじ付の首部分を形成する、関連する“ネックリング(neck rings)”を有するようにしなければならない。言い換えれば、特殊化された型および特殊化された射出成形装置が求められている。
【0008】
射出成形装置のこのタイプの最もよく知られた例は、“シャトル成形(shuttle mold)”あるいは“タレット(turret)”あるいは“インデックスタイプ(index type)”装置である。
【0009】
シャトル成形手段は、モールドキャビティの2倍のモールドコアを有するモールドコア部品を必要とする。この手段は、レイダー(Ryder)の米国特許4,473,515、マルクス(Marcus)の米国特許5,501,593、およびマネン(Manen)の米国特許6,095,788を含むいくつかの特許において開示されている。
【0010】
タレットまたはインデックスタイプの射出成形装置は回転式ブロック(rotary block)を用いており、回転式ブロックはたいていの場合4つの面を有し、平面にそれぞれモールドコアプレートが設けられている。ブロックは射出軸に直交する軸を中心として一定角度回転させられる。これにより、他のコアプレートが大気にさらされ、これらのコアプレートに保持された予備成形物を冷却する間、異なるコアプレートを射出位置へ運ぶ。
【0011】
他の手段は、モールドコアから、成形後冷却のための冷却チューブを有する持ち出しプレート(take−out plate)上へ、成形された予備成形物を直接移動させることである。この手段の例は、ベレンハッヘ(Bellenhache)の米国特許4,592,719と、バイラギ(Biraghi)のWO00/29193およびEP937566とに開示されている。
【発明の概要】
【0012】
本発明の目的は、予備成形物あるいは他の射出成形物品の改良された成形後冷却をもたらす射出成形方法および射出成形装置を提供することである。
【0013】
一形態において、本発明による方法は、
a)複数の成形物品を形成するための、複数の射出キャビティを有したモールドキャビティプレートと、キャビティ内に受けられ得る対応する複数の射出コアを有したモールドコアプレートとを有する射出装置を準備する工程と、
b)閉じた位置におけるモールドプレートを用い、モールドキャビティ内にプラスチック材料を射出して成形物品を形成する工程と、
c)成形物品を射出キャビティ内に保持したまま、モールドプレートを分離させる工程と、
d)保持コアを有する持ち出しプレートを準備する工程と、
e)キャビティプレートとコアプレートとの間に持ち出しプレートを配置する工程と、
f)成形物品をキャビティから保持コア上へ直接移載する工程と、
g)保持コア上で成形物品を冷却する工程と、を備えている。
【0014】
成形物品は保持コア上で受動的に冷却されることが可能であるが、例えば、成形物品の内部および/または外部に送り込まれる冷却流体の噴射によって、射物品が積極的に冷却されることが好ましい。典型的には、保持コアは、成形物品の内部冷却のための通路を有するだろう。
【0015】
モールドプレート自体は、成形物品がまだ型内にある間、すなわち、物品が冷却コアへ移載される前に、成形物品を部分冷却することができるように設計されてもよい。
【0016】
チューブを有する持ち出しプレート上で新たな成形物品が冷却される従来技術の方法において、成形物品が部分的にしか固化していない状態の間、成形物品を正確に支えること、およびチューブの壁に対して垂れ曲がってしまわないことを保証することは困難である。本発明によれば、成形物品はモールドキャビティ内に保持され、その後、冷却コアを有する持ち出しプレートへ直接移載される。保持コア上に成形物品を支えることは、予備成形物の垂れ曲がりを防止する。冷却コアは、モールドコアを全く同じに、あるいは酷似させて構成され得る。
【0017】
他の態様において、本発明は、複数の成形物品を形成するための、複数の射出キャビティを有したモールドキャビティプレートと、キャビティ内に受けられ得る対応する複数の射出コアを有したモールドコアプレートとを有する型を備えた装置を提供する。モールドプレートは開いた位置と閉じた位置との間を移動自在である。装置は、複数のキャビティに対応する複数の保持コアを有する持ち出しプレートと、成形物品をキャビティからコア上へ直接移載する手段と、をさらに備えている。
【0018】
好ましくは、装置は、例えば、冷却エアを前記成形物品の内部および/または外部に送り込む手段のような、持ち出しプレート上に配置された冷却手段を備えている。
【0019】
保持コアは数量と配置とにおいて、モールドキャビティプレート内のキャビティの数量と配置とに一致させてもよい。これにより、成形物品のコア上への移載のため、保持コアはモールドキャビティ内に直接挿入され得る。また、保持コアの数量と構成とをモールドキャビティの数量および/または構成と異ならせてもよい。この場合、成形物品をモールドキャビティから完全に取り除いて保持コア上へ移載することが不可欠となるだろう。
【0020】
モールドキャビティプレート、モールドコアプレート、および持ち出しプレートについて言及する際に、ここで用いられている単語“プレート”は、本技術分野において一般に受け入れられている用語であり、妥当な箇所においては、単純な平板よりも複雑であろう構造を含むように広く解釈されるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明がさらに明瞭に理解され得るよう、例として本発明のいくつかの好ましい実施の形態を概略的に例示する図面に対しての言及が以下に行われる。
【0022】
まず、図1を参照すると、射出成形されたボトル予備成形物が参照番号20により表示されている。射出成形されたボトル予備成形物は、閉鎖した外側端部22および開口した内側端部24とともに略円筒状の全体的形状を有している。端部24に隣接する予備成形物の部分はこの予備成形物から作られるボトルの首を形成することになり、円筒状のねじ付部分26と環状フランジ28とを有している。
【0023】
図2乃至6は、バッチ処理により多数の予備成形物をつくるための成形装置の主構成部品を概略的に図示する。説明のために、図は予備成形物の各束(バッチ)を作るためのシステムを示す。実際には、従来技術のようにかなり大きな束(バッチ)を作るように設計されるだろう。図2は、全体として30により型のキャビティプレートを示す。(縦の列に配置された)モールドキャビティの開口した内側端部が32により表示されている。溶融プラスチック材料をモールドキャビティへ送り込むための従来のホットランナシステムが図6において34により指示されている。
【0024】
モールドコアプレートが全体として参照番号36により図4、5、および6に指示されている。モールドコアプレートは図2に示されたキャビティの列に対応した列においてモールドコア40を支持している。図5は射出前の開いた位置におけるモールドプレートを示しており、図5において、モールドコア40はモールドキャビティから離間されているが、モールドキャビティと一直線上に揃えられている。図6は閉じた位置におけるモールドプレートを示しており、図6において、モールドコア40は(42で表示された)モールドキャビティ内に収容され、溶融プラスチック材料の射出の準備が整っている。
【0025】
予備成形物の製造に用いられる従来の射出成形機において、予備成形物のねじ26と環状フランジ28とは(図1)、コアプレート36により支持されたいわゆる“ネックリング(neck rings)”により形成される。各リングは2分割にして形成され、これにより、射出サイクルの最後に成形された部品を解放するため、リングは開くことができる。
【0026】
その一方で、本発明において、それに対応する成形エレメントはキャビティプレートにより支持される。これが、全体的な型を従来技術から区別する。したがって、予備成形物のねじ26とフランジ28とを成形するためのネックリングは、キャビティモールドプレート30により支持されるプレートに組み込まれる。図2に示すように、モールドキャビティは、32で表示される開口により現される縦の列に対して一直線に揃えられる。各縦列のキャビティにより作られる予備成形物上にねじとフランジとを形成するためのネックリングは一対のネックリングプレート44に組み込まれ、ネックリングプレート44は、キャビティの開口端部32を2等分する縦線46上で向き合う。2つのプレートはモールドキャビティと一直線に揃えられた半円48をそれぞれ形成されている。プレートは、成形中における図2示された閉じた位置と、図3に示されるようにプレートが離間されるとともにキャビティモールドプレート30から外方に移動された開いた位置との間を移動自在である。
【0027】
ネックリングプレート44のこの移動は、ネックリングプレート44の背面延長部44aに支持された対応する従動部52と連携し図3において50で示される適切に形成されたカム軌道を設けることにより、達成される。カム軌道50は、ネックリングプレート44の上方でネックリングプレート44に直交する固定プレート54内に形成されている。適切な時に、図3における矢印56で支持された方向に沿ってネックリングプレート44を外方に移動(および後退)させ、これにより、ネックリングプレート44の求められる外方への移動と分離とを引き起こす、アクチュエーター(図示せず)が設けられている。キャビティモールドプレート30の下方のプレート58上に対応するカムとカム軌道との組(セット)が設けられている。背面延長部44bに関連して、各ネックリングプレート44の底部に(同様に図示しない)対応するアクチュエーターの組(セット)が設けられている。
【0028】
図3aは代わりの実施形態を例示している。この実施形態おいて、カム軌道50(およびキャビティモールドプレートの底部の対応するカム軌道)はキャビティモールドプレートの上面と底面とに組み込まれ、ネックリングプレートの背面延長部44a,44bの下面上の従動部と連携する。
【0029】
図6に戻って、モールドキャビティ42へ溶融プラスチック材料を射出している間、当然にネックリングプレート44は図2に示された閉じた位置にある。いったん、キャビティが溶融プラスチック材料でいっぱいにされると、型は開かれる。コアプレート36は、キャビティモールドプレート30内に成形物品を残して、モールドキャビティからモールドコア40を引き出しながら、移動して図5に示された位置へ戻る。本発明の方法によれば、次に、持ち出しプレート(take−out plate)に支持された一組の冷却コアが、2つのモールドプレート間に挿入され、成形物品は冷却コアへ直接移載される。
【0030】
開いたモールドプレート間に配置されて成形物品を受けようとしている冷却コア62を支持する持ち出しプレート60を、図7は示している。説明されている実施形態において、実際のところ2組(セット)の冷却コアがあり、持ち出しプレート60はロボットアーム64で運ばれる。これにより、持ち出しプレートは、成形物品の2つの連続する束(バッチ)を受けるように操作され得る。2つの連続する束(バッチ)の内の一方は、冷却コアの第2番目の組が新たな成形物品による2番目の束(バッチ)を受け取る間、冷却され得る。図4はロボットアームと、プレート60に支持された冷却コア62の2つの組(セット)とを概略的に示す。冷却コアの各組(セット)は各キャビティに対して1つのコアを有していることを、図4は同様に明らかにしている。実際には、コアの2つの組は、通常、2つの分離した組というよりはむしろプレート60上に組み合わされるだろう。
【0031】
図8および図9は、新たに成形された予備成形物を冷却コア62へ移載する工程を例示する。図8に示されているように、2つのネックリングプレート44は、冷却コア62上に予備成形物20を移載するため、カム軌道50,52(図3)に制御されながら前進した位置へ移動される。図3に関連して記述したように、ネックリングプレート44はキャビティモールドプレート30から離れて外方へ移動するだけでなく、分離するように移動する。これにより、冷却コア62上に配置された後、予備成形物は解放される。次に、ネックリングプレート44は図2に示された位置へ後退される。図9は、冷却コア62上に配置された新たに成形された予備成形物20と後退されたネックリングプレート44とともに、成形装置の構成部品を示す。
【0032】
図10乃至図14は、1個の予備成形物に言及して、成形された予備成形物を冷却コア上へ移載する工程を例示する。図10は、対応するモールドキャビティ42に入るモールドコア40の1つを示す。図11は、ネックリングプレート44に接触しているコアプレート36と、66で指示されているようにモールドキャビティ内に射出されたプラスチック材料とともに、閉じた状態のモールドプレートを示す。
【0033】
図12は、左側へ後退されたコアプレート36と、図9において示されたようにモールドプレート間に配置された持ち出しプレート60とともに、開いた状態のモールドプレートを示す。図13において、ネックリングプレート44は成形された予備成形物を冷却コア62上に移載するために前進し、予備成形物を解放するために分離するように移動している。図14において示されているように、ネックリングプレート44は図9において示された位置まで後退されている。
【0034】
持ち出しプレート60は冷却コア62上に成形された予備成形物を保持するための手段を設けられている。図12乃至図14は、これらの手段がとり得る1つの可能な態様を例示する。これらの図に示されたように、持ち出しプレート60は、各冷却コアに隣接する一対のくわえアーム(グリッパーアーム)68を支持している。くわえアーム68は、70で指示された内側端部において、持ち出しプレート60に回動自在に連結されている。アーム68は、図12において示される後退された位置に向けて付勢されている。持ち出しプレート60は、持ち出しプレートに対して外方に移動させられ得り、これにより、付勢効果に抗してアームを内側に移動させるアクチュエータープレート72を設けられている。適切なアクチュエーター(図示せず)が、プレート72を移動させるため、持ち出しプレート上60に設けられている。
【0035】
図13に示されるように、くわえアーム68は外方に偏せられた位置にあり、予備成形物20がネックリングプレート44によりコア62上にちょうど取り外されている。次に、プレート72は図14に示されるように外方に移動させられ、これにより、アーム68を内側に回動させ、予備成形物を冷却コア62上に引き込みながら予備成形物の環状リング28を固定する。予備成形物が冷却されて、取り外される場合、プレート72は単に休止位置に戻ることにより、アーム68が付勢効果によって開くとともに予備成形物を解放することを可能とする。ロボット64が冷却コアを転回させるようにしてもよく、これにより、予備成形物は重力によりコアから取り去られるだろう。また、予備成形物を冷却コアから吹き外すためにエア噴射が用いられてもよい。典型的には、例として図14においてそれぞれ74および76にて指示されているようなエア吐出口およびもどしをコア62は設けられ、エアまたは他の流体が予備成形物の内部を冷却するために用いられるだろう。
【0036】
予備成形物を冷却するためのエアまたは他の流体の外面噴射は77にて概略的に示されており、外面噴射は内部冷却手段と組み合わせて、または内部冷却手段と別個として用いられてよい。
【0037】
冷却コア上に予備成形物を保持するための代替えの手段は、予備成形物が冷却コア上に配置された後に予備成形物を固定し、そして冷却後に予備成形物を取り外す、プレート44に類似しているが持ち出しプレート60に支持されるネックリングプレート有してもよい。
【0038】
他の可能な手段は吸い込みを用いることであり、吸い込み単独により、あるいはこれまでに言及されたくわえアーム68のような機構との組合せにより、予備成形物を冷却コア上に引き込み、定位置に冷却コアを保持する。図15は冷却コア62’の一態様を示す。冷却コア62’は、予備成形物をコア上に引き込むための吸い込み口78と、冷却エアを予備成形物内に送り込むための圧力口80との両者を設けられている。
【0039】
図16は、62’’で表示された冷却コアのさらなる代替えの態様を示す。冷却コア62’’は、予備成形物を冷却するための、それぞれ82および84で示されるエア吐出口と戻し口とを有している。図17は、62’’’で表示された冷却コアのまたさらなる代替えの態様を示す。冷却コア62’’’はそれぞれ82および84で示されるエア吐出口と戻し口とを有しており、予備成形物をコアから吹き外すためにエアはそれらを介して送り込まれ得る。
【0040】
最後に、図18は1つの実施形態を示す。この実施形態において、成形された予備成形物20はさらなるロボットアーム90により持ち出しプレート60から取り外され、その後、予備成形物20は予備成形物からボトルを形成するためのブロー成形機92内に直接配置される。この場合、通常、予備成形物は冷却されないだろう。言い換えると、装置は積極的に冷却することなく、持ち出し機能を果たす。
【0041】
大まかに言って(図18の実施形態においてだけでなく)、コアは一般的に、積極的な冷却機能を有さない“保持するコア(保持コア)”および“移載するコア(移載コア)”として機能してもよい。
【0042】
保持コアは、受動的(消極的)に成形物品を冷却するため、熱伝導性の高い材料(例えば、アルミニウム)からなってもよい。
【0043】
本発明は、モールドコアとモールドキャビティとの間に形成されたモールドキャビティ空間内へ加圧下で成形可能な材料を供給するための射出ユニットを備えた、いずれかの公知な射出成形機を用いて実行されてもよい。射出工程中、モールドキャビティプレートとモールドコアプレートとを接触して閉じた位置に維持するため、いずれかの公知な機械式クランプユニットが用いられてもよい。
【0044】
1つの実施形態において、持ち出しプレートは、射出モールドキャビティから直接移載される成形物品を保持するための保持コアを有している。保持コアはいずれかの適切な材料からなる。ある場合において、保持コアは、コアが成形物品に接触することを可能にする内径を有する。この場合、コアは、物品からコアへの熱移動を可能にする熱伝導性の高い材料からなってもよい。このため、コアは鉄、鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、または他の材料からなってもよい。
【0045】
これまでの記載は本発明の特定の好ましい実施形態に関するにすぎず、本発明の範囲内において様々な修正が可能であり、そのうちのいくつかが示され、他は当業者にとって明らかであることが、当然に理解されるだろう。成形された予備成形物をモールドキャビティから冷却コアへ直接移載するために用いられる明瞭な手段が単なる例として与えられただけであり、変更し得ることに、特に注意すべきである。同様に、とりわけボトル予備成形物(すなわち、中間生産物)に対して言及が行われてきたが、本発明による方法および装置は成形される最終的な物品の冷却に適用し得ることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明により製造され得る典型的なボトル予備成形物の斜視図。
【図2】本発明による射出成形装置のキャビティモールドプレートの斜視図。
【図3】予備成形物を外すための開いた位置におけるキャビティモールドプレートの構成部品を示す、図2の詳細な部分斜視図。
【図3a】他の実施形態を説明する、図3と同様の図。
【図4】モールドキャビティから成形物品を取り外すためにモールドプレート間に挿入される持ち出しプレートとともに、開いた位置におけるモールドプレートを示す斜視図。
【図5】全体的な成形サイクルにおける一連の工程を説明する、図2、3および4に示された装置の側面図。
【図6】全体的な成形サイクルにおける一連の工程を説明する、図2、3および4に示された装置の側面図。
【図7】全体的な成形サイクルにおける一連の工程を説明する、図2、3および4に示された装置の側面図。
【図8】全体的な成形サイクルにおける一連の工程を説明する、図2、3および4に示された装置の側面図。
【図9】全体的な成形サイクルにおける一連の工程を説明する、図2、3および4に示された装置の側面図。
【図10】個々の予備成形物を成形する際に含まれる一連の工程を説明する図。
【図11】個々の予備成形物を成形する際に含まれる一連の工程を説明する図。
【図12】個々の予備成形物を成形する際に含まれる一連の工程を説明する図。
【図13】個々の予備成形物を成形する際に含まれる一連の工程を説明する図。
【図14】個々の予備成形物を成形する際に含まれる一連の工程を説明する図。
【図15】冷却コアの他の実施形態を説明する図。
【図16】冷却コアの他の実施形態を説明する図。
【図17】冷却コアの他の実施形態を説明する図。
【図18】成形物品が射出成形に続いて直接ブロー成形される本発明の実施形態を説明する図。
Claims (23)
- (a)複数の成形物品を形成するための、複数の射出キャビティを有したモールドキャビティプレートと、前記キャビティ内に受けられ得る対応する複数の射出コアを有したモールドコアプレートとを有する射出装置を準備する工程と、
(b)閉じた位置における前記モールドプレートを用い、前記モールドキャビティ内にプラスチック材料を射出して前記成形物品を形成する工程と、
(c)前記成形物品を前記射出キャビティ内に保持したまま、前記モールドプレートを分離させる工程と、
(d)保持コアを有する持ち出しプレートを準備する工程と、
(e)前記キャビティプレートと前記コアプレートとの間に前記持ち出しプレートを配置する工程と、
(f)前記成形物品を前記射出キャビティから前記保持コア上へ直接移載する工程と、
(g)前記保持コア上で前記成形物品を冷却する工程と、を備えた
ことを特徴とする射出成形物品の成形後冷却の方法。 - 工程(g)は、前記成形物品が前記保持コア上にある間に前記成形物品に対して冷却流体を送ることによる、前記成形物品の積極的な冷却を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 工程(g)は、前記保持コアを介し冷却流体を送ることによって前記成形物品の内部を冷却する、前記成形物品の積極的な冷却を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 前記成形物品は、前記キャビティプレートに関連するネックリングプレートにより、前記物品を成形する間に形成されるネック領域を有し、
工程(f)は、前記ネックリングプレートを前記キャビティプレートの外方に移動し、前記成形物品を前記保持コア上に配置するとともに前記成形物品を前記ネックリングプレートから解放することによって、キャビティから冷却コア上に前記成形物品を直接移載するために、前記ネックリングプレートを用いることを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 前記成形物品の冷却中、前記保持コア上に前記成形物品を確実に保持し、その後、前記物品を前記コアから取り去るために前記物品を解放する工程をさらに備えた
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 前記コアからの前記物品の取り去りは、前記コアを介して前記物品の内部に流体を送ることにより行われる
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。 - 複数の成形物品を形成するための、複数の射出キャビティを有したモールドキャビティプレートと、前記キャビティ内に受けられ得る対応する複数の射出コアを有したモールドコアプレートとを有し、前記モールドプレートが開いた位置と閉じた位置との間を移動自在である、型と、
前記複数のキャビティに対応する複数の保持コアを有する持ち出しプレートと、
前記モールドプレートが開いた位置にある場合に、前記モールドプレート間に前記持ち出しプレートを配置する手段と、
前記成形物品を前記キャビティから前記保持コア上へ直接移載する手段と、を備えた
ことを特徴とする射出成形装置。 - 前記成形物品の冷却のために、前記成形物品が前記保持コア上にある間に前記成形物品に対して流体を送る手段をさらに備えた
ことを特徴とする請求項7に記載の装置。 - 前記保持コアは、冷却のために流体を前記成形物品の内部に送る内部通路を有する
ことを特徴とする請求項7に記載の装置。 - 前記成形物品のネック領域を形成するネックリングプレートの組み立て体を、前記キャビティプレートに関連してさらに備え、
前記ネックリングプレートは、前記成形物品を前記保持コア上に移載するために前記モールドキャビティプレートから外方に移動自在であり、前記成形物品を前記保持コア上に解放するようになっている
ことを特徴とする請求項7に記載の装置。 - 前記ネックリングプレートは、前記モールドキャビティプレートのキャビティの列に揃えられた分離線上で対面する対のプレートに設けられ、
各対のネックリングプレートは、前記ネック領域を形成する閉じた位置と、前記成形物品を解放する開いた位置との間を互いに対して移動自在であり、
前記対のプレートは、前記成形物品のネック領域を形成する、前記モールドキャビティプレートに隣接した成形位置と、前記成形物品を前記保持コア上に解放する、前記ネックリングプレートが前記モールドキャビティプレートから外方に移動される位置との間を移動自在である
ことを特徴とする請求項10記載の装置。 - 冷却のために前記成形物品を前記保持コア上に保持する手段をさらに備え、
前記保持手段は、前記成形物品を前記コアから取り去るため、前記成形物品を解放するようになっている
ことを特徴とする請求項7に記載の装置。 - 前記保持手段は、予備成形物を保持コア上に引き込むための吸引手段を有する
ことを特徴とする請求項12に記載の装置。 - 前記保持手段は、前記成形物品を冷却コア上に保持するために、前記持ち出しプレートに支持されたくわえアームを有し、
前記くわえアームは、前記成形物品を前記コアから取り去るため、前記成形物品を解放するように移動自在である
ことを特徴とする請求項12に記載の装置。 - 冷却コア内の通路と、前記成形物品を前記保持コアから取り去るために前記通路に沿ったエアフローを起こす手段とを有した、前記成形物品を前記保持コアから取り去るための手段をさらに備えた
ことを特徴とする請求項7に記載の装置。 - 前記成形物品を受動的に冷却するため、前記保持コアは熱伝導性の高い材料からなる
ことを特徴とする請求項7に記載の装置。 - 請求項1に記載の方法に用いられる持ち出しプレートであって、
成形物品を受けるために前記プレートから外方に突出した複数の保持コアを設けられた
ことを特徴とする持ち出しプレート。 - 冷却のために前記成形物品を前記保持コア上に保持する手段をさらに備え、
前記保持手段は、前記成形物品を冷却後に前記コアから取り去るため、前記成形物品を解放するようになっている
ことを特徴とする請求項17に記載の持ち出しプレート。 - 前記保持手段は、予備成形物をコア上に引き込むための吸引手段を有する
ことを特徴とする請求項18に記載の持ち出しプレート。 - 前記保持手段は、前記成形物品をコア上に保持するために前記持ち出しプレートに支持されたくわえアームを有し、
前記くわえアームは、前記成形物品を前記コアから取り去るため、前記成形物品を解放するように移動自在である
ことを特徴とする請求項18に記載の持ち出しプレート。 - 前記成形物品の内部に向けてエアフローを起こして前記物品を前記保持コアから取り去るための前記保持コア内の通路を有した、前記成形物品を前記保持コアから取り去るための手段をさらに備えた
ことを特徴とする請求項18に記載の装置。 - 請求項1に記載の方法に用いられる複数のキャビティを有するモールドキャビティプレートであって、
前記成形物品のネック領域を形成する複数のネックリングプレートと組み合わせられ、
前記ネックリングプレートは、前記成形物品を冷却コア上に移載するために前記モールドキャビティプレートの外方へ移動自在であり、前記コア上に前記成形物品を解放することができる
ことを特徴とするモールドキャビティプレート。 - 射出ユニットと、
クランプユニットと、
モールドキャビティプレートと、
モールドコアプレートと、
保持コアを有する持ち出しプレートと、を備え、
前記持ち出しプレートは前記モールドキャビティプレートと前記モールドコアプレートとの間に移動自在であり、成形物品を前記モールドキャビティプレートから直接受ける
ことを特徴とする射出成形装置。
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