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JP2005325025A - 糖尿病予防・治療組成物 - Google Patents

糖尿病予防・治療組成物 Download PDF

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JP2005325025A JP2004141834A JP2004141834A JP2005325025A JP 2005325025 A JP2005325025 A JP 2005325025A JP 2004141834 A JP2004141834 A JP 2004141834A JP 2004141834 A JP2004141834 A JP 2004141834A JP 2005325025 A JP2005325025 A JP 2005325025A
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Chizuko Saito
知津子 齋藤
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Abstract

【課題】 手軽にかつ安全に血液中の血糖値、及びヘモグロビンA1c(HbA1c)値を低下させることのできる糖尿病予防・治療組成物を提供すること。
【解決手段】 ググル、カンゾウ、ニガウリ、ギムネマ、ベニカスミ、グダチ、アムラ、ウコン、及びニームを含む生薬成分と、ミネラル成分とを含む組成物は、臓器に対する負担が少なく安全性の高い組成物で、糖尿病患者の血糖値や、ヘモグロビンA1c(HbA1c)値を低下させる働きがあり、糖尿病の予防及び治療に対し優れた効果を発揮する。

Description

本発明は、ハーブ及びミネラル成分からなる組成物であって、血糖値の低下、及び血中ヘモグロビン量の低下を期待できる糖尿病予防・治療組成物に関する。
糖尿病は、血液中のブドウ糖を細胞内に取り込むことを手助けるインスリンの量不足、又は作用不足により血液中のブドウ糖の利用率が低下する結果、血糖値が上昇する代謝疾患であり、大別すると、インスリン依存型の1型糖尿病、インスリン非依存型の2型糖尿病に分類される。更に2型糖尿病はインスリン分泌障害を持つもの、インスリン作用障害(インスリン抵抗性)を持つもの、及び両障害を持つものに分類される。
1型糖尿病は、主に幼児から15才以下の小児期に、比較的急激に発症することが多く、かつては「若年型糖尿病」とも呼ばれていた。このタイプの糖尿病は、膵臓β細胞がウイルスの感染、自己免疫により等の原因により破壊された結果、インスリンの分泌能力が低下し、その結果、血中のブドウ糖を体内で利用することが困難となって発症するものである。
2型糖尿病は、成人期以降に発症することが多く、インスリンの分泌量が低下しているか、インスリンの血糖を下げる作用が弱くなって発症するもので、遺伝素因のほかに、エネルギーの過剰摂取や栄養の偏った食生活、運動不足、喫煙、ストレス等の生活要因が加わって発症する。
糖尿病の治療には、血糖値を下げることはもとより、ヘモグロビンA1c(HbA1c)値を下げることが必要である。
このヘモグロビンA1c(HbA1c)値とは、血糖値と尿糖値に比較して生理的因子による変動がなく、過去1〜3ヶ月の平均的血糖値を正確に反映しており、糖尿病治療の判断基準としてより重要な指針とすることができる。
糖尿病の治療法には、運動療法、食物療法、薬物療法があり、薬物療法には、糖尿病のタイプに応じて、糖尿病治療薬として、インスリン製剤や、経口血糖降下剤であるスルフォニル尿素剤、ビグアナイド剤、チアゾリジン誘導体、α−グルコシダーゼ阻害剤、フェニルアラニン誘導体等が用いられている。
また、生薬の中にも血糖低下作用を有し糖尿病に対し、優れた効果を発揮するものがあることが知られており、これらの素材は、複数の素材を組み合わせて用いることでより優れた効果を発揮することができることが知られている。例えば、下記の特許文献1には、植物ヒトベギク、又は植物メキシコヒマワリ、又は植物キダチキンバイ、又は植物チョウジタデを主体とした糖尿病治療薬について開示されている。
また、下記の特許文献2には、15種の生薬成分、すなわち人参、黄連、女貞子、水楊皮、大黄、知母、丹参、玄参、地骨皮、虎杖、桔梗、きばなおぎ、葛根、蒼じゅつ、桑百皮という植物生薬とビタミンB1、B6及び無機物である亜鉛、マンガン、クロム、ゲルマニウムを含む糖尿病治療用組成物について開示されている。
下記特許文献3には、麻黄、甘草および石膏からなる生薬および/または抽出エキスの混合物を有効成分とする糖尿病治療剤について開示されている。
更には、下記の特許文献4には、ミネラル成分、酒酵母クロム、桑の葉エキス、及びギムネマエキスからなる糖尿病予防・治療組成物について開示されている。
特開平08−127538 特開2002−226389 特開2003−81860 特開2002−332236
従来の糖尿病治療に用いている医薬品は、その使用に際しては充分な注意が必要とされ、投与量や投与するタイミング等を間違えると、低血糖症状、胃腸障害、肝障害、皮膚障害等の副作用が現われることがあり、特に、長期間投与する場合に問題となっていた。
また、糖尿病の予防、及び治療効果のある食品を日常的に摂取することで改善を期待できるが、大量に摂取しなくていはその効果は発揮され難いという問題があった。
糖尿病の治療には、血糖値を下げることはもとより、ヘモグロビンA1c(HbA1c)値を下げることが必要である。しかし、このヘモグロビンA1c(HbA1c)値を低下させることは非常に困難であることが知られている。
従って、本発明の目的は、日常的に摂取することにより手軽にかつ安全に血液中の血糖値、及びヘモグロビンA1c(HbA1c)値を低下させることのできる糖尿病予防・治療組成物を提供することにある。
上記目的を達成するため、種々の研究の結果、ググル、カンゾウ、ニガウリ、ギムネマ、ベニカスミ、グダチ、アムラ、ウコン、及びニームからなる生薬成分と、ミネラル成分とを組み合わせて用いることで、血糖値の降下、及びヘモグロビンA1c(HbA1c)値の降下に対し、優れた効果を発揮するということを見出した。
すなわち、本発明の糖尿病予防・治療組成物は、ググル、カンゾウ、ニガウリ、ギムネマ、ベニカスミ、グダチ、アムラ、ウコン、及びニームからなる生薬成分と、ミネラル成分とを含有することを特徴とする。
ググル、カンゾウ、ニガウリ、ギムネマ、ベニカスミ、グダチ、アムラ、ウコン、及びニームから得られる生薬成分を組み合わせたものは、血糖値の降下、及びヘモグロビンA1c(HbA1c)値の降下作用が大きく、糖尿病の予防、及び治療に対し、効果を示すが、さらに、前記生薬成分にミネラル成分を添加することで、生薬成分とミネラル成分との相乗作用により、臓器への負担を及ぼすことなく、糖尿病の予防、及び治療に対し、より優れた効果をもたらすことができる。
また、本発明の糖尿病予防・治療組成物に含まれるミネラル成分は、ビール酵母、及び珊瑚カルシウムから選ばれた少なくとも一種であることが好ましい。
さらに、本発明の糖尿病予防・治療組成物は、インドアスパラガス、コショウ、トゥルシ、フェヌグリーク、アシュヴァガンダ、ブラーミ、ベルノキ、シトラス、キウコン、セイタカミロバラン、コガネギシギシ、エンベリア、クベバ、ショウガ、インドナガコショウからなる群より選ばれた少なくとも一種の生薬成分がさらに含まれていることが好ましい。上記生薬成分をさらに添加することで、糖尿病の予防、及び治療に対し、より効果的な作用をもたらすことができる。
そして、アラビアガム、コーンスターチ、コーンスターチペースト、及び乳糖からなる群より選ばれた少なくとも一種の賦形剤を含有することが好ましい。これによれば、本発明の糖尿病予防・治療組成物を錠剤としての形態で用いることができるため、手軽に摂取できる形態とすることができる。
本発明は、ググル、カンゾウ、ニガウリ、ギムネマ、ベニカスミ、グダチ、アムラ、ウコン、及びニームからなる生薬成分と、ミネラル成分とを有効成分として含有する組成物であり、血糖値降下、ヘモグロビンA1c(HbA1c)値降下作用をもたらし、糖尿病に対し優れた効果を発揮する。また、本発明の糖尿病予防・治療組成物は全て天然物から得られた物であり、化学薬品などにみられる副作用などの心配はなく、臓器に負担を及ぼすこともなく、日常生活の中で手軽に摂取することができる。
本発明の糖尿病予防・治療組成物は、生薬成分とミネラル成分とで構成されている。
本発明の糖尿病予防・治療組成物に含まれる生薬は、ググル、カンゾウ、ニガウリ、ギムネマ、ベニカスミ、グダチ、アムラ、ウコン、及びニームの9種類の生薬からなるものであり、より好ましくは、さらにインドアスパラガス、コショウ、トゥルシ、フェヌグリーク、アシュヴァガンダ、ブラーミ、ベルノキ、シトラス、キウコン、セイタカミロバラン、コガネギシギシ、エンベリア、クベバ、ショウガ、インドナガコショウの15種類の生薬を含んだものである。
ググル、カンゾウ、ニガウリ、ギムネマ、ベニカスミ、グダチ、アムラ、ウコン、及びニームの9種類の生薬から得られる成分を組み合わせたものは、血糖値降下、ヘモグロビンA1c(HbA1c)値降下作用に優れている。また、さらにインドアスパラガス、コショウ、トゥルシ、フェヌグリーク、アシュヴァガンダ、ブラーミ、ベルノキ、シトラス、キウコン、セイタカミロバラン、コガネギシギシ、エンベリア、クベバ、ショウガ、インドナガコショウの15種類の生薬成分を添加することで、糖尿病予防、及び治療に対し、より優れた作用をもたらすことができる。
本発明に使用する生薬で、ググル(Commiphora mukul)とは、カンラン科の植物である。その樹脂はググルノラクトンを含んでおり、白血球数増加、甲状腺の活性化による糖質代謝の改善、抗菌作用などの効用を備えている。
また、カンゾウ(Glycyrrhiza glabra)とはマメ科の植物で、その根はグリチルリチン等のフラボノイドを含んでおり、抗炎症作用、肝機能活性化、体内の抗酸化作用などの効用を備えている。
ニガウリ(Momordica charantia)とは、ウリ科の植物で、その果実は牛のインスリンと同類のポリペプチドを含んでおり、血糖降下作用などの効用を備えている。
ギムネマ(Gymnema sylvestre)とは、ガガイモ科の植物で、その葉はギムネマ酸を含んでおり、糖類の体内吸収を抑制し、血糖増加を抑制する作用がある。また体内のインシュリン分泌を促進する働きも兼ね備えている。
ベニカスミ(Boerhavia diffusa)とは、オシロイバナ科の植物で、その根はディヒドロ、イソフレノキサンチンなどを含み、利尿効果、発汗作用などの効用を備えている。
グダチ(Tinospora cordifolia)とは、イボツヅラフジ科の植物で、その茎はベルベリンを含んでおり、インスリンの分泌促進、血糖効果作用などの効用を備えている。
アムラ(Phyllanthus emblica)とは、トウダイグサ科の植物で、その果実はビタミンC、ポリフェノールを含んでおり、体内の抗酸化などの効用を備えている。
ウコン(Curcuma longa)とは、ショウガ科の植物で、その根や茎には主成分としてクルクミンを含んでおり、体内の抗酸化作用に優れており、血糖降下作用や、肝機能強化し胆汁分泌促進する働きなどを備えている。
ニーム(Azardichta indica)とは、センダン科の植物で、その葉はトリテルペンを含んでおり、抗炎症作用、抗菌作用などの効用を備えている。
インドアスパラガス(Asparagus recemosus)とは、ユリ科の植物で、その根はアスパラギン酸を含んでおり、鎮痛作用、利尿効果、滋養強壮作用などの効用を備えている。
コショウ(Piper nigrum)とは、コショウ科の植物で、その実はピペリンを含んでおり、消化促進、代謝促進作用などの効用を備えている。
トゥルシ(Ocimum tenuiflorum)とは、シソ科の植物で、その葉のエタノール抽出物は、血糖降下作用、抗菌作用、鎮静作用などの効用を備えている。
フェヌグリーク(Trigonella foenum)とは、マメ科の植物で、その種子はガラクタン、トリゴネリンを含んでおり、血糖降下作用、肝機能活性化などの効用を備えている。
アシュワガンダ(Withania somnifera)とは、ナス科の植物で、その根はウイタノイドを含んでおり、滋養強壮作用などの効用を備えている。
ブラーミ(Centella asiatica)とは、セリ科の植物で、神経調整、体質改善、利尿作用などの効用を備えている。
ベルノキ(Aegle marmelos)とは、ミカン科の植物で、その実は、胃腸活性化などの効用を備えている。
シトラス(Citrus aurantinum)とは、ミカン科の植物で、その実は、抗菌作用、抗酸化作用、脂肪燃焼作用などの効用を備えている。
キウコン(Berberis aristata)とは、メギ科の植物で、その根はベルベリンを含んでおり、肝機能の改善に寄与する。
セイタカミロバラン(Terminalia belerica)とは、シクンシ科の植物で、その果実は滋養強壮、整腸作用などの効用を備えている。
コガネギシギシ(Rumex maritimus)とは、タデ科の植物で、その根はアンソラキノンを含んでおり、排便を促す作用を備えている。
エンベリア(Embelia ribes)とは、ヤコブコウジ科の植物で、その果実はエンベリン、ピペリン等を含んでおり、脂肪燃焼などの効用を備えている。
クベバ(Piper chaba)とは、コショウ科の植物で、その実はピペリンを含んでおり、消化促進、代謝促進などの効用を備えている。
ショウガ(Zingiber officiale)とは、ショウガ科の植物であり、その根はジンジェロール、ショウガオールなどを含んでおり、発汗作用、消化促進作用がある。
インドナガコショウ(Piper chaba)とは、コショウ科の植物で、その実はピペリン、チャビシンを含んでおり、消化促進、代謝促進などの効用を備えている。
本発明の糖尿病予防・治療組成物に含まれるミネラル成分とは、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、鉄、銅、亜鉛、セレン、マンガン、ヨウ素、リンなどをバランスよく含むものを用いることができるが、特にビール酵母、及び珊瑚カルシウムをミネラル成分材料として用いることが特に好ましい。
ビール酵母はアミノ酸、ビタミンB、食物繊維、核酸、グルタチオン、カルシウム、鉄、カリウム、マグネシウム、リン、亜鉛などの栄養素が含まれた素材であり、消化力の向上、食欲増進、胃腸活性化、鉄分吸収促進などに寄与する働きがある。本発明で使用するビール酵母は乾燥粉末体として用いることが好ましい。
また、珊瑚カルシウムは、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、マンガン、銅、カリウム、コバルト、モリブデン、ニッケルなどのミネラル豊富な天然素材であり、珊瑚カルシウムから得られるカルシウムは特に吸収効率が優れている。
本発明の糖尿病予防・治療組成物は、賦形剤で錠剤、粉末、顆粒、溶液、カプセル剤等が経口投与できる形態に成形されたものであることが好ましく、より好ましくは錠剤である。
本発明の糖尿病予防・治療組成物に用いることのできる賦形剤としては、アラビアガム、コーンスターチ、コーンスターチペースト、乳糖、デキストリン、カオリン、果糖、カルメロース、キシリトール、軽質無水ケイ酸、結晶セルロース、D-ソルビトール、白糖、精製白糖、バレイショデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ポビドン、D-マンニトール、リン酸水素カルシウム、アルファー化デンプン、クロスポビドン、ヒドロキシプロピルスターチなどを用いることができるが、アラビアガム、コーンスターチ、コーンスターチペースト、及び乳糖の4種類で構成された賦形剤であることがより好ましい。
次に本発明の糖尿病予防・治療組成物の好ましい製造方法について説明する。
本発明の糖尿病予防・治療組成物に用いることのできるググル、カンゾウ、ニガウリ、ギムネマ、ベニカスミ、グダチ、アムラ、ウコン、ニーム、インドアスパラガス、コショウ、トゥルシ、フェヌグリーク、アシュヴァガンダ、ブラーミ、ベルノキ、シトラス、キウコン、セイタカミロバラン、コガネギシギシ、エンベリア、クベバ、ショウガ、及びインドナガコショウの各生薬成分は、各生薬の水抽出により得られる抽出エキスを濃縮乾燥し、粉末体として用いるものである。
上記生薬成分(粉末体)と、ビール酵母及び珊瑚カルシウムからなるミネラル成分と、アラビアガム、コーンスターチ、コーンスターチペースト、及び乳糖からなる賦形剤とを混合し、慣用方法により錠剤などへ製剤化することで、本発明の糖尿病予防・治療組成物が得られる。
本発明に用いる生薬成分は、生薬成分100質量部に対し、ググルが2〜15質量部、カンゾウが2〜15質量部、ニガウリが2〜15質量部、ギムネマが2〜10質量部、ベニカスミが2〜10質量部、グダチが2〜10質量部、アムラが2〜10質量部、ウコンが2〜10質量部、及びニームが2〜10質量部含まれた組成物であることが好ましい。
また、本発明の糖尿病予防・治療組成物は、前記組成物100質量部に対し生薬成分が37〜89質量部、ミネラル成分が3〜15質量部、賦形剤が8〜36質量部含まれた組成物であることが好ましい。
生薬成分、ミネラル成分、及び賦形剤が上記比率内で構成された組成物は、血糖値降下、及びヘモグロビンA1c(HbA1c)値降下に対しより有効作用をもたらすことができ、糖尿病に対しより優れた効果を発揮することができる。
本発明の糖尿病予防・治療組成物の投与は、大人1人の1日当たりの摂取量が、1,800〜10,800mgであることが好ましく、3,600〜4,500mgであることがより好ましい。投与回数は、1日当たり2〜3回に分けて、6〜12時間間隔で摂取することが好ましい。
摂取量は1,800(mg/人・日)以下であると、血糖降下、及びヘモグロビンA1c(HbA1c)値降下に対する作用効果が乏しく、また10,800(mg/人・日)以上であると、軟便といった症状が発生することがあるが、上記より多くても安全性には特に問題はない。
本発明の糖尿病予防・治療組成物は、全て天然素材から構成されているため、低血糖などの副作用を引き起こすことが無く、糖尿病予防・治療を図るための医薬品、健康食品等として、効果的に利用することができる。
[製造例]
ググル、カンゾウ、ニガウリ、ギムネマ、ベニカスミ、グダチ、アムラ、ウコン、ニーム、インドアスパラガス、コショウ、トゥルシ、フェヌグリーク、アシュヴァガンダ、ブラーミ、ベルノキ、シトラス、キウコン、セイタカミロバラン、コガネギシギシ、エンベリア、クベバ、ショウガ、及びインドナガコショウの計24種類の生薬を生薬成分として用いた。
生薬材料の根、茎、葉を洗浄、乾燥して、適当な大きさに粉砕・破砕した後、木綿製の袋に詰め、タンクに水を加えて長時間かけて加熱し、生薬エキスを抽出した。得られた生薬エキスを濃縮乾燥することで出来た固形エキスを粉砕して粉状にすることで、生薬成分の濃縮された乾燥粉末体が得られた。上記の各生薬の乾燥粉末体、ビール酵母、珊瑚カルシウム、アラビアガム、コーンスターチ、コーンスターチペースト、及び乳糖とを表1で示した比率で混合した。
上記混合物に混合しやすくするために必要量の水を添加して混合し、その混合材料に滅菌処理を施した後打錠を行い、乾燥させ錠剤化し、本発明の糖尿病予防・治療組成物(以下単に組成物という)を得た。





Figure 2005325025
試験例1
雄のSwiss系アルビノラットを用いて試験を行った。標準のペレット食(バガロール、サイツルガ食品)と水は適時摂取させており、実験開始16時間前からは水以外の摂取させなかった。20匹のラットを4群(n=6)に分け、A群のラットはブランクとして何も処理を加えなかった。B群〜D群のラットはインスリン分泌障害を持つ緩徐進行性2型糖尿病(緩徐進行性1型糖尿病を含む)を誘発させるためにアロキサン(Sigma Chemical社製)を体重1Kg当たり120mg投与し、糖尿病を誘発させた。アロキサン投与72時間後に採血を行い、GOD/POD法により血糖値を測定した。
そして、各群のマウスには、以下に示す被験物質を与えた。
A群:正常ラット(ペレット食と水のみ適宜投与)
B群:糖尿病ラット(ペレット食と水のみ適宜投与)
C群:糖尿病ラット(ペレット食と水と、上記組成物30%水溶液を体重1kg当たり100mg投与)
D群:糖尿病ラット(ペレット食と水と、上記組成物30%水溶液を体重1kg当たり500mg投与)
そして、A〜D各群のラットの血液を被験物質投与2、4、6、8時間後に採取し、GOD/POD法により血糖値を測定した。測定結果を表2に示す。
Figure 2005325025
アロキサンの投与により、ラットの血糖値は平均75mg/dlであったものが約250〜260mg/dlまで上昇した。しかし、上記組成物を投与したC群、D群のラットは血糖値の降下が確認できた。8時間後の血糖値はC群のラットで約9%の低下を、D群のラットで約15%の低下が見られた。上記組成物を投与していないA群及びB群のラットは血糖値の変化が認められなかったため、本発明の組成物は短期的に血糖値を降下させる作用がある。
試験例2
試験例1と同様の処置を行ったA〜D群のラットに対し、アロキサンの投与から15日目まで被験物質の投与をおこなった。
アロキサン投与前(初期値)、3日後、6日後、および以後3日毎に15日目まで、各ラットの尾静脈から採決をおこない、GOD/POD法により血糖値を測定した。測定結果を表3に示す。
Figure 2005325025
上記組成物の連続投与により、アロキサン糖尿病誘発ラットの血糖値を著しく低下させることができた。C群のラットは、15日目に血糖値が約32%降下した。また、D群のラットでは45%の血糖値を降下させることができた。この結果から、本発明の組成物の連続投与により糖尿病ラットの血糖値を低下させることができる。またその効果は、濃度に依存していることがわかる。
試験例3
試験例2と同様の処理を行ったA〜D群のラットの体重をアロキサン投与3日目(初期値)、及び15日目の体重を測定した。また、アロキサンの投与から15日目(最終日)に尾静脈から採血し、1)総白血球数、2)白血球分画(Leishman染色)を検査した。その後、ラットを屠殺して心臓穿刺によって採血し、3)肝機能検査(グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(GPT)、アルカリホスファターゼ(ALP))、4)腎機能検査(血中尿素窒素、クレアチニン)の検査を行った。測定結果を表4、5に示す
Figure 2005325025
Figure 2005325025
表4より、B群のラットは約16%もの体重が減少しているが、本発明の組成物を投与したC群、D群のラットはほとんど体重変化は認められなかった。よって、本発明の組成物は、アロキサンの投与(糖尿病誘発)による体重減少を抑制する働きがあることがわかる。また、アロキサンの投与(糖尿病誘発)により、総白血球数は正常ラット(A群)と比べ減少してしまうが、本発明の組成物を投与し続けること白血球の減少を抑制することができることがわかる。
表5より、アロキサン投与(糖尿病誘発)により、GPT値、ALP値が上昇しており、肝機能に異常を認めた。しかし、本発明の組成物を投与したC群、D群では、これらの値が比較的低く抑えることができ、投与量に依存してその効果は大きいことがわかる。また、腎機能についても、アロキサン投与(糖尿病誘発)により、血中尿素値、クレアチニン値が上昇しており、腎機能の低下が示された。しかし、本発明の組成物を投与したC群、D群では、これらの値の上昇を低く抑えることができ、投与量に依存してその効果は大きいことがわかる。
よって、試験例1〜3の結果より、本発明の組成物の投与することにより、血糖値の有意な減少をもたらすことができると共に、糖尿病に誘発して生じる肝臓、腎臓の機能障害を改善することができ、糖尿病予防・治療に対し効果を示すことができる。
試験例4
(59歳男性の例)
上記組成物を1日12錠(3600mg)飲用して一ヵ月後に、空腹時の血糖値が270〜280mg/dlであったものが、150〜160mg/dlに低下し、ヘモグロビンHbA1c値も9.0あったものが、8.0に低下した。その後も服用を続け、6ヵ月後には血糖値が120〜130mg/dlに低下し、ヘモグロビンHbA1c値も5.8に低下した。この間、薬害等の副作用的なものは認められなかった。
本発明の糖尿病予防・治療組成物は、糖尿病患者や、糖尿病の虞れのある人に対して、日常的に摂取させることにより、血糖値、及びヘモグロビンA1c(HbA1c)値を降下させることができ、糖尿病の予防、治療を図るための医薬品、健康食品等として利用することができる。

Claims (4)

  1. ググル、カンゾウ、ニガウリ、ギムネマ、ベニカスミ、グダチ、アムラ、ウコン、及びニームを含む生薬成分と、ミネラル成分とを含有する糖尿病予防・治療組成物。
  2. ミネラル成分がビール酵母、及び珊瑚カルシウムから選ばれた少なくとも一種である請求項1記載の糖尿病予防・治療組成物。
  3. さらに、インドアスパラガス、コショウ、トゥルシ、フェヌグリーク、アシュヴァガンダ、ブラーミ、ベルノキ、シトラス、キウコン、セイタカミロバラン、コガネギシギシ、エンベリア、クベバ、ショウガ、インドナガコショウからなる群より選ばれた少なくとも一種の生薬成分を含有する請求項1又は2に記載の糖尿病予防・治療組成物。
  4. アラビアガム、コーンスターチ、コーンスターチペースト、及び乳糖からなる群より選ばれた少なくとも一種の賦形剤を含有する請求項1〜3のいずれか一つに記載の糖尿病予防・治療組成物。
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