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JP2005344344A - 視線誘導表示付照明器具 - Google Patents

視線誘導表示付照明器具 Download PDF

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JP2005344344A
JP2005344344A JP2004164129A JP2004164129A JP2005344344A JP 2005344344 A JP2005344344 A JP 2005344344A JP 2004164129 A JP2004164129 A JP 2004164129A JP 2004164129 A JP2004164129 A JP 2004164129A JP 2005344344 A JP2005344344 A JP 2005344344A
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Toshiyuki Ishida
敏行 石田
Kozo Ogawa
光三 小川
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Abstract

【課題】 運転者に眩しく写るグレアの発生を防ぎ、「まぶしさ」を感じさせないようにすることが可能な視線誘導表示付照明器具を提供する。
【解決手段】 路面を照射せずに車両進行方向Fと略反する方向に、視認できる程度の光を自己発光することにより表示して視線誘導を行う表示部材3を設けた構成とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、トンネル、道路等に使用され、特に運転者の視線を車両の進行方向に誘導する照明器具に関する。
従来、例えば自動車専用道路や高速道路などに使用される照明器具は、道路の路肩側や中央分離帯などに設置されるポールに照明器具を設置し、主として路面を照明するようになっている。
近年、高速道路等には排水性を高めた高機能舗装が施工され、この高機能舗装は通常のアスファルト舗装やコンクリート舗装に比較して、路面の反射率が低く路面輝度の確保が難しくなり、先行車両の影と路面輝度との十分な輝度対比ができず、後続車両から見た先行車両の視認性が低下する問題が発生している。これは先行車両の視認に限らず、道路上の障害物や路肩に停車している車両等に対する視認性についても同様の問題が生じる。
このため、最近では路肩の低い位置等、道路の側方位置にスポットライトを設置したり、車両の進行方向に向けて光を照射する低位置追跡照明をなす照明器具が設置され、道路上に存在する先行車両や障害物、さらに路肩に停車している車両等を視認し易くしている(例えば、特許文献1)。
この照明器具は路面輝度を確保できるとともに、運転者の視線を車両の進行方向に誘導する視線誘導効果を得ることができるが、この両方の効果、機能を発揮させるためには、運転者へのグレアの発生を防止するなど複雑な配光設計を行わなければならず、これを解決するために、路面輝度を確保する照明装置と、視線誘導を確保する照明装置を分けて別体に構成することによって、上記の問題を改善しようとしている(例えば、特許文献2)。
特開2003−36705号公報 特開2002―63803号公報
しかしながら、上記特許文献2に示される照明装置においては、視線誘導の機能をなす照明装置が、路面輝度を確保する照明装置の光量と等しいか、小さくするか、若しくは極めてわずかな光量となるように設定してはいるが、あくまでも所定の照明を行うための光量を有する照明装置で構成されており、照明装置であるが故に、一定のグレアがどうしても発生してしまい、しかも、グレアは車両の進行方向とは逆の方向、すなわち運転者に向かって、照明装置としての一定の光量を持った光として放射され、運転者には眩しく写り「まぶしさ」を感じさせてしまう。これを防止するために特許文献2に示される照明装置においても、照明装置を「まぶしさ」を感じさせない距離に配置するなどの格別の手段を講じなければならない。
このために、この種の視線誘導機能を有する照明器具においては、運転者に眩しく写るグレアの発生を如何に防ぎ、「まぶしさ」を感じさせないようにするかが重要な課題となっている。
本発明は、上述した従来の問題、課題に鑑みてなされたもので、照明装置により視線誘導を行うのではなく、路面を照射せずに車両進行方向と略反する方向に、視認できる程度の光を自己発光することにより表示して視線誘導を行う表示部材を設け、運転者に眩しく写るグレアの発生を防ぎ、「まぶしさ」を感じさせないようにすることが可能な視線誘導表示付照明器具を提供することを目的とする。
請求項1に記載の視線誘導表示付照明器具の発明は、道路の側方位置に設置され、光を車両進行方向に向けて照射する照明器具において、路面を照射せずに車両進行方向と略反する方向に、視認できる程度の光を自己発光することにより表示して視線誘導を行う表示部材を設けたことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、路面を照射せずに車両進行方向と略反する方向に、視認できる程度の光を自己発光することにより表示して視線誘導を行う表示部材を設ける構成となし、運転者に眩しく写るグレアの発生を防ぎ、「まぶしさ」を感じさせないようにして視線誘導を行うことが可能となる。
本発明および以下の各発明において、特に指定しない限り、用語の定義および技術的な意義は次による。
「路面を照射せずに車両進行方向と略反する方向に、視認できる程度の光を自己発光することにより表示して視線誘導を行う」は、照明装置による路面を照明するための大なる光量の光ではなく、表示機能として表示部材自身が発光し、その存在自体を表示する程度の光量で運転者に道路の線形を促す視線誘導を行うための光であり、例えば、発光ダイオード等の半導体発光素子やエレクトロルミネッセンス(EL)による光や、周囲の光を蓄光して自己発光するもの、さらには光を車両進行方向に向けて照射する路面輝度確保用の照明装置における照明用の光のうち、光学系の焦点に集光しきらない程度の微量の光を利用することなどを許容するが、その表示機能として表示するための光を得る手段は上記に例示したものには限定されない。
「車両進行方向と略反する方向」は、幾何学的に車両進行方向に反する厳密な逆の方向のみを意味するのではなく、車両進行方向と反する方向の幾何学的な軸線を中心として、上下左右等、周囲に所定の幅をもった領域を許容している。
また、表示部材は、照明器具における車両進行方向と略反する方向の面や、この面と略直交する面、すなわち道路と略平行に面する面に設けることを許容するが、その位置は特に限定されず、運転者が視認できる位置に設ければよい。
請求項2に記載の視線誘導表示付照明器具の発明は、道路の側方位置に設置される器具本体と;器具本体に収納され光を車両の進行方向に向けて照射する照明装置と;器具本体に設けられ光を車両の進行方向と略反する方向に向けて放出し視線誘導を行う発光ダイオードよりなる表示部材;を具備することを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、器具本体に設けられ光を車両の進行方向と略反する方向に向けて放出し視線誘導を行う発光ダイオードよりなる表示部材を設ける構成となし、運転者に眩しく写るグレアの発生を防ぎ、「まぶしさ」を感じさせないようにして視線誘導を行うことが可能となる。
ここで、「発光ダイオードよりなる表示部材」は、照明装置による路面を照明するための大なる光量の光ではなく、表示機能として発光ダイオードが発光し、その存在自体を表示する程度の光量で運転者に道路の線形を促す視線誘導を行うための光を発光するもので、例えば車両の進行方向と略反する方向に主光軸を有する高輝度の発光ダイオードを1個または複数個設置することを許容するが、発光ダイオードの仕様、性能、設置個数等は特に限定されない。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の視線誘導表示付照明器具において、前記表示部材は、器具本体の車両の進行方向と略反する方向の面及びこの面と略直交する面に設け視線誘導を行うことを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、表示部材は、器具本体の車両の進行方向と略反する方向の面及びこの面と略直交する面に設ける構成となし、運転者に眩しく写るグレアの発生を防ぎ、「まぶしさ」を感じさせないようにすると共に、より確実に視線誘導を行うことが可能となる。
「車両の進行方向と略反する方向の面及びこの面と略直交する面」は、器具本体における車両の進行方向と略反する方向の側面、及びこの側面と略直交する面、すなわち道路と略平行に面する器具本体の正面に設けることを許容するが、要は表示を多面的に行うことにより車両の進行に伴って連続的に視認することができるようにして、運転者が表示部材の存在をより確実に視認できるように設ければよい。その各面における表示部材の位置は特に限定されない。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3いずれか一に記載の視線誘導表示付照明器具において、前記表示部材は、商用電源が遮断された場合に視線誘導を行う機能を有することを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、表示部材は、商用電源が遮断された場合に視線誘導を行う機能を有する構成となし、運転者に眩しく写るグレアの発生を防ぎ、「まぶしさ」を感じさせないようにして視線誘導を行うことが可能となると共に、停電時等の商用電源が遮断された場合にも確実に視線誘導を行うことが可能となる。
ここで、「商用電源が遮断された場合に視線誘導を行う機能」は、蓄光性を有する反射テープや非常用電源としての蓄電池等で作動して視線誘導を行うことを許容するが、その具体的な手段はこれらに限定されない。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4いずれか一に記載の視線誘導表示付照明器具において、前記表示部材は、商用電源が遮断された場合に蓄電池で作動され視線誘導を行うことを特徴とする。
請求項5の発明によれば、表示部材は、商用電源が遮断された場合に蓄電池で作動され視線誘導を行う構成となし、運転者に眩しく写るグレアの発生を防ぎ、「まぶしさ」を感じさせないようにして視線誘導を行うことが可能となると共に、停電時等の商用電源が遮断された場合にも確実に視線誘導を行うことが可能となる。
請求項1の発明によれば、路面輝度確保のための照明を行うことができると共に、表示部材により表示機能を視認できる程度の光で表示することができ、運転者に眩しく写るグレアの発生を防ぎ、「まぶしさ」を感じさせないようにして視線誘導を行うことが可能となる視線誘導表示付照明器具を提供することができる。
請求項2の発明によれば、路面輝度確保のための照明を行うことができると共に、発光ダイオードにより表示機能を視認できる程度の光で表示することができ、運転者に眩しく写るグレアの発生を防ぎ、「まぶしさ」を感じさせないようにして視線誘導を行うことが可能となる視線誘導表示付照明器具を提供することができる。
さらに、表示部材を発光ダイオードで構成したので、表示機能を視認できる程度の光量を容易に設定することができると共に、省電力で長寿命な視線誘導表示付照明器具を提供することができる。
請求項3の発明によれば、表示部材は、器具本体の車両の進行方向と略反する方向の面及びこの面と略直交する面に設ける構成となし、表示を多面的に行うことにより車両の進行に伴って連続的に視認することができるようにして、より確実に視線誘導を行うことが可能となる視線誘導表示付照明器具を提供することができる。
請求項4の発明によれば、表示部材は、商用電源が遮断された場合に視線誘導を行う機能を有する構成となし、停電時等の商用電源が遮断された場合にも確実に視線誘導を行うことが可能となる視線誘導表示付照明器具を提供することができる。
請求項5の発明によれば、表示部材は、商用電源が遮断された場合に蓄電池で作動され視線誘導を行う構成となし、停電時等の商用電源が遮断された場合にも確実に視線誘導を行うことが可能となる視線誘導表示付照明器具を提供することができる。
以下、本発明に係る視線誘導表示付照明器具の実施形態について説明する。
図1は本発明の第一の実施形態である視線誘導表示付照明器具の概要構成を平面から見て示す説明図、図2は同じく視線誘導表示付照明器具の要部(図1のA部)を拡大して示す縦断面図、図3は同じく視線誘導表示付照明器具の正面図、図4は同じく視線誘導表示付照明器具の変形例を示す斜視図。
視線誘導表示付照明器具は、道路Rの側方低位置から車両進行方向Fへ光を照射して照明をする、いわゆる低位置追跡照明をなす照明器具で、箱体より構成された器具本体1、器具本体内に収納される所定の光学系を備えた照明装置2、器具本体1の外面に露出して設けられた表示部材3で構成される。
器具本体1は、道路の車両進行方向Fに対応して細長い矩形状をなしたステンレス等の金属製の箱体で構成され、その正面、すなわち道路Rに臨んで略平行に面する正面板1aの車両進行方向Fに寄った位置に光透過部1bを構成する開口部1cが形成されている。開口部1cには、透明な強化ガラスまたは透光性を有するポリカーボネートなどのプラスチックで形成された透光カバー1dが、シリコーン接着剤等のパッキングを介して水密かつ気密に取付けられており、如何なる方向からの水の直接噴流を受けても有害な影響が出ないように構成される。
透光カバー1dの内面および外面には反射防止作用をなす薄膜、あるいは酸化チタンを主成分とする光触媒層が形成されている。
さらに器具本体1内には、光源4、反射鏡5、遮光手段6、レンズ7及び反射板8の光学系を有する照明装置2が配置され、さらに光源4を点灯させるための点灯装置9が収納されている。
照明装置2の光源4は、例えば定格電力70W程度のHIDランプ等で構成された放電灯で、中心に発光部を有する円筒状の発光管を有している。
反射鏡5は、器具本体1内に車両進行方向Fと反対側に位置して設けられ、放物回転体または楕円回転体で形成される反射面5aを有している。この反射面5aは光源4の位置を第一焦点aとし、この第一焦点の光を反射させて第一焦点より車両進行方向F寄りの第二焦点bに集光させる形状に形成される。
遮光手段6は板状の遮光体からなり、第二焦点bに集光しきらない光を遮光するもので、第一焦点aと第二焦点bを結ぶ光学系の光軸cより下方に位置して配置される。
レンズ7は、第二焦点bと光透過部1bとの間に位置して設けられ、第二焦点bに対向する面を平面とし光透過部1b側を凸面とする凸レンズで、第二焦点bをレンズの焦点としてこの焦点を通過した光を光軸cに平行な光に屈折させて光透光部1bから道路Rの車両進行方向Fに向けて光を照射する。
反射板8は、レンズ7の光透過部1b側端部と反対側の端部7aから、光透過部1bの車両進行方向F側の端部1eにわたり、車両進行方向Fに対して、端部1eが道路内側W方向に向かって0〜30度の角度R1を有して設けられる。
この反射板8は、光透過部1bに対向する面を鏡面にして反射面8aを構成し、反射面8aは平面または円筒面の一部の形状をなし、反射鏡5やレンズ7で制御しきれない光を車両進行方向Fに向けて反射させる。
表示部材3は、発光ダイオード(以下「LED」と称す)3aからなり、器具本体1の開口部1cを形成した正面板1aの車両進行方向F側の端部に、1個または複数個、本実施形態では3個のLED3aが縦一列で等間隔に設けられている。
この各LED3aは、器具本体1の端部に形成された断面三角形状の凹部1fに傾斜して設けられた支持部1gに、その発光部3bが外面に露出するように位置して取付けられ、かつ光源部4から放射される光線が各LED3aに直接照射されないように配置して取付られる。
さらに、凹部1fの開口部は、器具本体1の開口部1cに連続して形成され、光透過部1bに設けられた透光カバー1dで光透過部と一緒に水密かつ気密に覆われている。
各LED3aは、その軸線方向に主光軸Xを有した、白色に発光する指向性の高い高輝度LEDで構成され、上記のように傾斜した支持部1gに取付けることにより、車両の進行方向Fに反する方向に、各LED3aの主光軸Xが0〜30度の角度R2を有して向くように設置され、この3個のLED3aによって、照明装置による路面を照明するための大なる光量の光ではなく、表示機能である「縦に3個の点」、遠方からは「連続した縦線」に見える印として、その存在自体を表示する程度の光量で表示する。
同時に各LED3aの発光部3bは円筒状をなしており、主光軸Xと直交する周囲方向に向けても光を放出する機能も有しており、車両の進行方向Fに直交するWの方向からも「印」としての表示が視認できるようになっている。
点灯装置9は、照明装置2の光源4であるHID等の放電灯及び各LED3aを商用電源により点灯させるための点灯回路9aを有するとともに、停電時等、商用電源が遮断された場合に、その状態を検知し各LED3aを蓄電池10により点灯させるための検知器を有している。蓄電池10は、ニッケルカドニウム(Ni―Cd)蓄電池、リチウムイオン電池、鉛蓄電池または積層コンデンサ等で構成される。
なお、器具本体1の内部へは、防水コネクター等を介して商用電源からの電源線およびアース線が導入され、器具本体1内に収納された照明装置2、点灯装置9等に配線される。
上記のように構成された、視線誘導表示付照明器具は、高速道路の路肩側及び中央分離帯側の道路Rの側方位置で、車両のドアーミラーやバックミラーへの映り込みを無くし、運転者へのグレアを低減するために、路面からの高さが1m以下、例えば約70cmの高さに設置する。さらに照明装置2の光学系の光軸cが道路の車両進行方向Fに沿い、光透過部1bが道路R側に面するように1〜10mの間隔、例えば5mの等しい間隔で、道路Rの両側若しくは片側に複数台取付けられ、車両の運転者へ道路の線形を促す視線誘導を行うための低位置追跡照明をなすように設置する。
なお、器具本体1は、光学系の光軸cが道路の車両進行方向Fに対する道路内方(W方向)への水平角を10〜30度、俯角は0〜5度程度の角度にして設置される。
次に、上記のように構成され高速道路に設置された視線誘導表示付照明器具の作動につき説明する。
まず、商用電源から電力が供給され点灯装置9を介して光源4が点灯され、光源4から反射鏡5に向かう光が反射鏡5で反射されて第二焦点bに集光される。第二焦点を通過した光が凸レンズ7を通じて光軸cに平行な光に屈折され、この平行光が光透過部1bを通じて道路Rの車両進行方向Fへ向けて照射される。この際、反射鏡5やレンズ7で制御しきれない光も反射板8により反射されて道路Rの車両進行方向Fへ放射され、照射効率を向上するようにしている。
これにより、先行する車両、路肩に停止している車両等、さらに道路上の障害物などを後方から直接的に照明して路面輝度を確保することができ、道路Rを進行する車両からは、高機能舗装など路面の反射率が低い場合でも障害物等の存在を確実に視認することができる。
この際、光軸cは車両進行方向Fに向かっているため、車両の運転者からは器具本体1の存在は確認しにくく、道路Rの線形を促す視線誘導効果が落ちる問題が生じる。
しかし、本実施形態では、上記の障害物等の存在を視認させる路面輝度確保のための照明を行うと同時に、器具本体1に設けられた各LED3aが、照明装置による路面を照明するための大なる光量の光ではなく、表示機能である印として、その存在自体を表示する程度の光量で表示し、しかも、その表示は車両進行方向Fに反する方向に向かっているため、道路を進行する車両の運転手からは、「縦に3個の点」、遠方からは「連続した縦線」の印として視認することができる。
この際、LEDの光量は、その存在自体を表示する程度の光量で表示するため、グレアの発生が防止でき、運転者には眩しく写らず「まぶしさ」を感じさせないようにして道路Rの線形を促す視線誘導を確実に行うことができる。
なお、各LED3aの発光部3bは円筒状をなしており周囲方向に向けても光って表示するので、車両の進行に伴い、設置された器具本体1の横を車両が通過するまで、連続的に「印」としての表示を視認することができる。
次に、停電時などで商用電源が遮断された場合、点灯装置9に内蔵されている検知器により、商用電源が遮断された状態を検知して自動的に非常用電源である蓄電池10に切り替え、各LED3aが、蓄電池10から点灯装置9を介して電池電源が供給され、非常時動作時間(約10分)以上点灯し、停電時における視線誘導を行う。
停電が復帰すれば、点灯装置9の検知器が商用電源の復帰状態を検知して、上述したと同様に商用電源で照明装置2による障害物等の存在を視認させる路面輝度確保のための照明を行うと同時に各LED3aの表示による視線誘導を行う。
以上本実施形態では、各LED3aを器具本体1の端部の凹部1fに傾斜して設けられた支持部1gに、その発光部3bが外面に露出するように位置させて設けたが、各LED3aに加えて図4に示すように器具本体1の車両進行方向Fと反する方向の側面1hに、縦一列に等間隔に3個のLED3cを取付けるようにしても、さらに図4に破線で示すように器具本体1の正面板1aの左方下面に横一列に3個のLED3dを設けて、遠方からは「連続した横線」を表示するようにしてもよい。
また、支持部1gのLED3aは省略し、側面1hにのみ3個のLED3cを設けるようにしてもよい。
さらに、支持部1gのLED3aは省略し、上記の側面1hと、正面板1aの両面にそれぞれ3個のLED3c、3dを設けて、車両の進行に伴い、設置された器具本体1の横を車両が通過するまで、側面から正面にわたり連続的に「印」としての表示を視認できるようにしてもよい。
LEDによる光量の調整は、使用するLEDの仕様、性能を適宜選択することによっても、または使用する個数を選択するようにして、その存在自体を表示する程度の光量に調整するようにすればよい。
また、LED自体での調整が困難なときなどには、各LED3aの支持部1gを含めた凹部1fの周辺を、反射機能を有するようにして光量不足を補うように構成しても、また光量が多くなりグレアの発生要因になるようなときには、凹部1fの周辺に黒色塗装等を施して光量を抑制するようにしてもよい。
各LED3aは、白色で構成したが、赤、青、黄色等の他の色にしてもよく、またこれら各種の色を混合して配置しても、さらには各LEDを点滅させるようにして表示するようにしてもよい。
停電時に、蓄電池10によりLEDによる視線誘導のみを行うようにしたが、同時に照明装置2による障害物等の存在を視認させる路面輝度確保のための照明も行うようにしてもよい。
本実施形態では、高速道路に設置したが通常の自動車道路、さらにはトンネル用照明器具として設置してもよい。
本実施形態によれば、照明装置により、先行する車両、路肩に停止している車両等、さらに道路上の障害物などを後方から直接的に照明し路面輝度を確保することができ、高機能舗装等、路面の反射率が低い場合でも障害物等の存在を確実に視認することができる。
さらに、LEDにより表示機能である印を視認できる程度の光量で表示することができ、運転者に眩しく写るグレアの発生を防ぎ、「まぶしさ」を感じさせないようにして道路の線形を促す視線誘導を行うことが可能となる。
さらに、LEDにより表示機能である印を視認できる程度の光量を容易に設定することができると共に、省電力で長寿命な視線誘導表示付照明器具を提供することができる。
また、視線誘導を行うために、照明装置2の反射板8に白色のテープを貼り、その反射光で視線誘導の表示を行う手段もあるが、この手段は、照明装置の路面輝度を確保するための光源の光を利用して表示するために、本来行うべき路面輝度確保のための光を反射板に貼りつけた白色テープで乱反射させてしまい、光源の主光軸の光量が低下し、また漏れ光が多くなりグレア発生の原因にもなってしまう問題が生じる。これに対し、本実施形態では、照明装置2の反射板8には何も付すことなく視線誘導を行うため、路面輝度を確保するための照明装置の光学性能を損ねたり、グレアを発生したりすることなく、運転者への視線誘導効果を向上させることが可能となる。
図5は本発明の第二の実施形態である視線誘導表示付照明器具を示す斜視図、図6は同じく視線誘導表示付照明器具の変形例を示す斜視図で、各図には第一の実施形態と同一部分に同一符号を付してある。
本実施形態の視線誘導表示付照明器具は、第一の実施形態におけるLEDに代えて、蓄光性能を有する反射テープで表示部材を構成したものである。
すなわち、図中10は器具本体1における反射板8の反射面8aに貼付された蓄光性能を有する反射テープで、反射テープ10は長方形の短冊状をなし、反射板8の車両進行方向F寄りに、テープの長手方向が車両進行方向Fに沿うように貼付されている。
反射テープ10は、白色のビニールテープの表面に蛍光体等の蓄光性能を有する成分を含有する塗料を塗布して構成しても、または白色ビニールテープを形成する際に蓄光性能を有する成分を含有させて構成するようにしてもよい。
なお、本実施形態の場合は、表示部材として電源を必要としない蓄光性能を有する反射テープで構成しているために、停電時等に表示部材を作動させるための蓄電池、点灯装置等の設置はしていない。
その他の構成は、第一の実施形態と同様に構成されている。
上記のように構成された視線誘導表示付照明器具は、第一の実施形態と同様に高速道路の路肩側及び中央分離帯側の道路Rの側方位置に取付けられ、視線誘導を行うための低位置追跡照明をなすように設置され、照明装置2の光源4が点灯され、光透過部1bを通じて道路Rの車両進行方向Fへ向けて照射し路面輝度を確保するための照明を行う。
さらに、器具本体1の反射板8に貼付された蓄光性能を有する反射テープ10が表示機能である印として、その存在自体を表示する程度の光量で表示し、しかも、その表示は車両進行方向Fに反する方向に向かっているため、道路を進行する車両の運転手からは、「横線」の印として視認することができる。
この際、蓄光性能を有する反射テープ10の光量は、その存在自体を表示する程度の光量で表示するため、グレアの発生が防止でき、運転者には眩しく写らず「まぶしさ」を感じさせないようにして道路Rの線形を促す視線誘導を確実に行うことができる。
停電時などで、万一商用電源が遮断された場合でも、蓄光性能を有する反射テープ10の残光により、その存在を表示して視線誘導効果を確保することができる。
なお、蓄光性能を有する反射テープ10への蓄光は、昼間の太陽光線がテープに照射されることや、トンネル内等、太陽光線が届かない場所では照明装置2の光源4からの光が反射板8に貼付された反射テープ10を照射して光を蓄光することができる。
以上本実施形態では、蓄光性能を有する反射テープ10を器具本体1における反射板8の反射面8aに貼付したが、これに加え図6に示すように器具本体1の車両進行方向Fと反する方向の側面1hに反射テープ10aを縦に貼付して表示しても、さらに図6に破線で示すように、器具本体1の正面板1aの左方下面に横に反射テープ10b貼付して表示するようにしてもよい。
また、反射面8aの反射テープ10は省略し、側面1hにのみ反射テープ10aを設けるようにしてもよい。
さらに、反射面8aの反射テープ10は省略し、上記の側面1hと、正面板1aの両面にそれぞれ反射テープ10a、10bを設けて、車両の進行に伴い、設置された器具本体1の横を車両が通過するまで、側面から正面にわたり連続的に「印」としての表示を視認できるようにしてもよい。
蓄光性能を有する反射テープ10による光量の調整は、蛍光体等の蓄光性能を有する成分の性能を適宜選択することによっても、またはテープの大きさ、形状、使用する個数を選択するようにして、その存在自体を表示する程度の光量に調整するようにすればよい。
蓄光性能を有する反射テープ10は、白色で構成したが、赤、青、黄色等の他の色にしてもよく、またこれら各種の色を混合して配置してもよい。
路面輝度確保のための照明装置2を停電時等に作動させるために蓄電池、点灯装置等を設置して、停電時に、蓄光性能を有する反射テープ10の残光による視線誘導を行う共に、照明装置2による障害物等の存在を視認させる路面輝度確保のための照明も同時に行うようにしてもよい。
本実施形態によれば、蓄光性能を有する反射テープにより表示機能である印を視認できる程度の光量を、単にテープを貼付するなどの簡易な手段で設定することができると共に、非常用電源である蓄電池等の設置が不要となり、コスト的にも有利な視線誘導表示付照明器具を提供することができる。
その他の構成・作用・変形例、作用効果等は、第一の実施形態と同様である。
図7は、本発明の第三の実施形態である視線誘導表示付照明器具の概略説明図、図8は同じく視線誘導表示付照明器具を示す斜視図で、各図には第一、第二の実施形態と同一部分に同一符号を付してある。
本実施形態の視線誘導表示付照明器具は、第一の実施形態におけるLEDに代えて、光を車両進行方向に向けて照射する路面輝度確保用の照明装置における照明用の光のうち、光学系の焦点に集光しきらない程度の微量の光を利用して表示部材を構成したものである。
すなわち、図中20は第一実施形態の照明装置2における第二の焦点bの下方に位置して配置された光の角度変換手段であるプリズムレンズで、第二焦点bに集光しきらない光Yを、プリズムの角度変換作用により所定の方向、本実施形態では図7中の下方に向かわせる。
21は光ファイバよりなる光伝播手段で、プリズムレンズ20で方向が変換された光Yを、一端から入光させ所定の表示部分である光の出射端に伝播させるものである。
本実施形態では、図8に示すように器具本体1の車両進行方向Fと反する方向の側面1hに、縦に3個の出射端21aを露出させ、さらに正面板1aの左方下面に横に3個の出射端21bを露出させて表示部材を構成している。
光の角度変換手段であるプリズムレンズ20および光伝播手段である光ファイバ21は、反射鏡で構成して光の角度変換および伝播を行うようにしてもよい。
なお、本実施形態の場合は、停電時等に表示部材を作動させるため蓄電池、点灯装置等を設置する。
その他の構成は、第一、第二の実施形態と同様に構成されている。
上記のように構成された視線誘導表示付照明器具は、第一、第二の実施形態と同様に高速道路の路肩側及び中央分離帯側の道路Rの側方位置に取付けられ、視線誘導を行うための低位置追跡照明をなすように設置され、照明装置2の光源4が点灯され、光透過部1bを通じて道路Rの車両進行方向Fへ向けて照射し路面輝度を確保するための照明を行う。
さらに、第二焦点bに集光しきらない光Yを、プリズムレンズ20で、角度を変換させて光ファイバ21に向かわせるようにし、器具本体1の車両進行方向Fと反する方向の側面1hおよび正面板1aの出射端21a、21bに伝播させ、表示機能である印として、その存在自体を表示する程度の光量で表示し、しかも、その表示は車両進行方向Fに反する方向に向かっているため、道路を進行する車両の運転手からは、「3個の点」、遠方からは「縦線」と「横線」の印として視認することができる。
この際、光ファイバ21から放出される光の光量は、路面輝度確保用の照明装置2における照明用の光のうち、第二焦点bに集光しきらない程度の微量の光Yを利用してその存在自体を表示する程度の光量で表示するため、グレアの発生が防止でき、運転者には眩しく写らず「まぶしさ」を感じさせないようにして道路Rの線形を促す視線誘導を確実に行うことができる。
停電時などで、万一商用電源が遮断された場合には、停電の検知器、蓄電池、点灯装置等が作動して、路面輝度確保のための照明装置2が作動するため、照明装置2による障害物等の存在を視認させる路面輝度確保のための照明と同時に視線誘導も行うことができる。
また、路面輝度確保のための照明装置2としては、グレアの発生源となる第二焦点bに集光しきらない光Yを、遮光手段6により遮光して器具効率が悪くなる問題があるが、本実施形態によれば、第二焦点bに集光しきらない光Yを、遮光手段6により遮光せずに、プリズムレンズ20で角度を変換させて光ファイバ21に向かわせて視線誘導を行うための光源として有効に利用する。この結果、照明装置2としての器具効率が向上すると共に、グレアの発生源となる第二焦点bに集光しきらない光Yを、光透過部1bから放射しないので、路面輝度確保のための照明装置2においてもグレアの発生を防止することができる。
以上本実施形態では、光ファイバの出射端21a、21bを器具本体の側面1hおよび正面板1aの両面に伝播させ表示するようにしたが、いずれか一方の面にのみ光ファイバの出射端を設け表示するようにしてもよい。
光ファイバの出射端から放出される光の光量の調整は、プリズムレンズや光ファイバ等の光学系の性能を適宜選択することによって、その存在自体を表示する程度の光量に調整するようにすればよい。
本実施形態によれば、視線誘導を行うための表示機能である印を視認できる程度の光量を、路面輝度確保用の照明装置における照明用の光のうち、焦点に集光しきらない程度の微量の光を利用して設定することができ、格別に視線誘導を行うための光源を備える必要がなくなるので、コスト的にも有利な視線誘導表示付照明器具を提供することができる。
その他の構成・作用・変形例、作用効果等は、第一、第二の実施形態と同様である。
さらに、本発明において、視線誘導を行うための表示部材として、上記第一の実施形態におけるLEDによる手段と、第二の実施形態における蓄光性能を有する反射テープによる手段と、さらには第三の実施形態における路面輝度確保用の照明装置における照明用の光のうち、光学系の焦点に集光しきらない程度の微量の光を利用する手段の内、それぞれの手段、若しくはいずれか2つの手段を組み合わせて構成し、視認性をさらに高めるようにしてもよい。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の設計変更を行うことができる。
本発明の第一の実施形態である視線誘導表示付照明器具の概要構成を平面から見て示す説明図。 同じく視線誘導表示付照明器具の要部(図1のA部)を拡大して示す縦断面図。 同じく視線誘導表示付照明器具の正面図。 同じく視線誘導表示付照明器具の変形例を示す斜視図。 本発明の第二の実施形態である視線誘導表示付照明器具を示す斜視図。 同じく視線誘導表示付照明器具の変形例を示す斜視図。 本発明の第三の実施形態である視線誘導表示付照明器具の概略説明図。 同じく視線誘導表示付照明器具を示す斜視図。
符号の説明
1 器具本体
2 照明装置
3 表示部材
F 車両進行方向
R 道路

Claims (5)

  1. 道路の側方位置に設置され、光を車両進行方向に向けて照射する照明器具において、路面を照射せずに車両進行方向と略反する方向に、視認できる程度の光を自己発光することにより表示して視線誘導を行う表示部材を設けたことを特徴とする視線誘導表示付照明器具。
  2. 道路の側方位置に設置される器具本体と;
    器具本体に収納され光を車両の進行方向に向けて照射する照明装置と;
    器具本体に設けられ光を車両の進行方向と略反する方向に向けて放出し視線誘導を行う発光ダイオードよりなる表示部材;を具備することを特徴とする視線誘導表示付照明器具。
  3. 前記表示部材は、器具本体の車両の進行方向と略反する方向の面及びこの面と略直交する面に設け視線誘導を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の視線誘導表示付照明器具。
  4. 前記表示部材は、商用電源が遮断された場合に視線誘導を行う機能を有することを特徴とする請求項1ないし3いずれか一に記載の視線誘導表示付照明器具。
  5. 前記表示部材は、商用電源が遮断された場合に蓄電池で作動され視線誘導を行うことを特徴とする請求項1ないし4いずれか一に記載の視線誘導表示付照明器具。
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