JP2005233268A - アルミニウム合金製プロジェクション溶接ナット - Google Patents
アルミニウム合金製プロジェクション溶接ナット Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005233268A JP2005233268A JP2004041517A JP2004041517A JP2005233268A JP 2005233268 A JP2005233268 A JP 2005233268A JP 2004041517 A JP2004041517 A JP 2004041517A JP 2004041517 A JP2004041517 A JP 2004041517A JP 2005233268 A JP2005233268 A JP 2005233268A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- aluminum alloy
- projection
- nut
- screw
- alloy material
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 229910000838 Al alloy Inorganic materials 0.000 title claims abstract description 149
- 239000000956 alloy Substances 0.000 claims abstract description 65
- 238000003466 welding Methods 0.000 claims abstract description 61
- 238000000926 separation method Methods 0.000 abstract 1
- 238000012360 testing method Methods 0.000 description 13
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 8
- 239000000463 material Substances 0.000 description 8
- 238000005304 joining Methods 0.000 description 7
- 238000007373 indentation Methods 0.000 description 6
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 description 6
- 230000008901 benefit Effects 0.000 description 5
- 238000005259 measurement Methods 0.000 description 5
- XEEYBQQBJWHFJM-UHFFFAOYSA-N Iron Chemical compound [Fe] XEEYBQQBJWHFJM-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 4
- 238000010998 test method Methods 0.000 description 4
- 229910000831 Steel Inorganic materials 0.000 description 3
- 229910052782 aluminium Inorganic materials 0.000 description 3
- XAGFODPZIPBFFR-UHFFFAOYSA-N aluminium Chemical compound [Al] XAGFODPZIPBFFR-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 3
- 239000002131 composite material Substances 0.000 description 3
- 239000010959 steel Substances 0.000 description 3
- 239000000470 constituent Substances 0.000 description 2
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 2
- 238000003780 insertion Methods 0.000 description 2
- 230000037431 insertion Effects 0.000 description 2
- 229910052742 iron Inorganic materials 0.000 description 2
- 238000000034 method Methods 0.000 description 2
- 230000008569 process Effects 0.000 description 2
- 230000004323 axial length Effects 0.000 description 1
- 239000000446 fuel Substances 0.000 description 1
- 230000020169 heat generation Effects 0.000 description 1
- 239000012535 impurity Substances 0.000 description 1
- 229910052751 metal Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 1
- 239000007769 metal material Substances 0.000 description 1
- 230000004048 modification Effects 0.000 description 1
- 238000012986 modification Methods 0.000 description 1
- NJPPVKZQTLUDBO-UHFFFAOYSA-N novaluron Chemical compound C1=C(Cl)C(OC(F)(F)C(OC(F)(F)F)F)=CC=C1NC(=O)NC(=O)C1=C(F)C=CC=C1F NJPPVKZQTLUDBO-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 230000002093 peripheral effect Effects 0.000 description 1
- 238000004064 recycling Methods 0.000 description 1
- 230000009467 reduction Effects 0.000 description 1
- 125000006850 spacer group Chemical group 0.000 description 1
- 230000001502 supplementing effect Effects 0.000 description 1
- 239000013585 weight reducing agent Substances 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Connection Of Plates (AREA)
Abstract
【課題】 溶接部の接合強度とねじ部のねじ強度のいずれをも確保できるアルミニウム合金製プロジェクション溶接ナットを得る。
【解決手段】 アルミニウム合金製プロジェクション溶接ナット10は、7000系のアルミニウム合金材によって構成されたねじ部14と、5000系又は2000系のアルミニウム合金材によって構成されたプロジェクション部16とによって構成されている。前者はねじ強度が高い性質を有しており、後者は剥離強度が高い性質を有している。従って、溶接部の接合強度とねじ部のねじ強度のいずれをも確保することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 アルミニウム合金製プロジェクション溶接ナット10は、7000系のアルミニウム合金材によって構成されたねじ部14と、5000系又は2000系のアルミニウム合金材によって構成されたプロジェクション部16とによって構成されている。前者はねじ強度が高い性質を有しており、後者は剥離強度が高い性質を有している。従って、溶接部の接合強度とねじ部のねじ強度のいずれをも確保することができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、アルミニウム合金製パネルにプロジェクション溶接により接合されるアルミニウム合金製プロジェクション溶接ナットに関する。
従来では鋼板製のボディーパネルが主流であったが、昨今では軽量化及び低燃費化等の観点からアルミニウム合金等の軽金属材料を用いたボディーパネルが普及しつつある。それに伴い、ボディーパネルの適所に設定されるプロジェクション溶接ナットも、接合相手となるボディーパネルの材料に適合しかつ接合強度やねじ部強度といった要求特性を満足するように様々な改良が加えられてきた。
例えば、下記特許文献1に開示されたプロジェクション溶接ナットでは、アルミニウム合金製のパネルに、アルミニウム合金製のナットをプロジェクション溶接するために、両者の間にワイヤをリング状に加工したアルミニウム合金製のインサートを介在させて抵抗溶接するようになっている。
上記構成によれば、インサートとパネルとの接触部及びインサートとナットとの接触部がいずれも線接触となるため、通電するとインサートが従来のプロジェクション溶接の突起と同様の機能を果たす結果、発熱効率の高い抵抗スポット溶接が可能になる、というものである。
特開平6−63759号公報
しかしながら、上記先行技術による場合、プロジェクション溶接ナット自体は同種のアルミニウム合金で構成されているため、溶接部の接合強度の確保とねじ部のねじ強度の確保の両立を図ることができない。
本発明は上記事実を考慮し、溶接部の接合強度とねじ部のねじ強度のいずれをも確保できるアルミニウム合金製プロジェクション溶接ナットを得ることが目的である。
請求項1記載の本発明に係るアルミニウム合金製プロジェクション溶接ナットは、アルミニウム合金製パネルにプロジェクション溶接により接合されるアルミニウム合金製プロジェクション溶接ナットであって、アルミニウム合金製パネルへの接合部となるプロジェクション部を剥離強度が高い第1のアルミニウム合金材で構成すると共に、雌ねじが形成されるねじ部をねじ強度が高い第2のアルミニウム合金材で構成した、ことを特徴としている。
請求項2記載の本発明に係るアルミニウム合金製プロジェクション溶接ナットは、請求項1記載の発明において、プロジェクション部と前記ねじ部とは別体で構成されており、一方を他方にかしめることによりプロジェクション部とねじ部とが一体化されている、 ことを特徴としている。
請求項3記載の本発明に係るアルミニウム合金製プロジェクション溶接ナットは、請求項1記載の発明において、前記プロジェクション部は、前記ねじ部を有するナット本体とは別個独立に構成されたワッシャと、このワッシャの表裏面に一体に設けられたプロジェクション突起と、によって構成されている、ことを特徴としている。
請求項4記載の本発明に係るアルミニウム合金製プロジェクション溶接ナットは、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発明において、前記第1のアルミニウム合金材は2000系又は5000系のアルミニウム合金材であり、前記第2のアルミニウム合金材は7000系のアルミニウム合金材である、ことを特徴としている。
請求項1記載の本発明によれば、アルミニウム合金製パネルへの接合部となるプロジェクション部を剥離強度が高い第1のアルミニウム合金材で構成したので、アルミニウム合金製プロジェクション溶接ナットに対する要求特性の一つである接合強度は確保される。また、雌ねじが形成されるねじ部をねじ強度が高い第2のアルミニウム合金材で構成したので、アルミニウム合金製プロジェクション溶接ナットに対する要求特性の一つであるねじ強度も確保される。
すなわち、本発明によれば、異なる性質を有する二種類のアルミニウム合金材を組み合わせてアルミニウム合金製プロジェクション溶接ナットを構成したので、接合強度の確保とねじ強度の確保の両立を図ることができる。
請求項2記載の本発明によれば、プロジェクション部とねじ部とは別体で構成されており、一方を他方にかしめることによりプロジェクション部とねじ部とを一体化することとしたので、プロジェクション部とねじ部とを容易に製作することができる。また、プロジェクション部とねじ部との接合もかしめによる機械的接合であるため、接合精度を比較的確保し易い。
請求項3記載の本発明によれば、アルミニウム合金製パネルとナット本体との間に、表裏面にプロジェクション突起が設けられたワッシャを介在させ、この状態でプロジェクション溶接を行う。これにより、ワッシャの表面側のプロジェクション突起が溶融しワッシャがナット本体と接合されると共に、ワッシャの裏面側のプロジェクション突起が溶融しワッシャがアルミニウム合金製パネルと接合される。
このようにねじ部とプロジェクション部とを別個独立に構成しても、プロジェクション突起を含むワッシャは剥離強度が高い第1のアルミニウム合金材で構成され、又ねじ部を含むナット本体はねじ強度が高い第2のアルミニウム合金材で構成されるため、接合強度の確保とねじ強度の確保の両立を図ることができる。
また、ねじ部とプロジェクション部とを別個独立に構成し、溶接時に一体化される構成であるため、かしめ工程が不要になる。従って、アルミニウム合金製プロジェクション溶接ナットの製造工程を減らすことができる。
請求項4記載の本発明によれば、第1のアルミニウム合金材を2000系又は5000系のアルミニウム合金材とし、第2のアルミニウム合金材を7000系のアルミニウム合金材としたので、それぞれが有する固有の特性を活かすことができる。すなわち、2000系又は5000系のアルミニウム合金材は、剥離強度が高いという性質を有しており、プロジェクション部の構成材として適している。また、7000系のアルミニウム合金材は、ねじ強度が高いという性質を有しており、ねじ部の構成材として適している。従って、それぞれのアルミニウム合金材の特長を活かした複合ナットが構成される。
以上説明したように、請求項1記載のアルミニウム合金製プロジェクション溶接ナットは、アルミニウム合金製パネルへの接合部となるプロジェクション部を剥離強度が高い第1のアルミニウム合金材で構成すると共に、雌ねじが形成されるねじ部をねじ強度が高い第2のアルミニウム合金材で構成したので、第1のアルミニウム合金材及び第2のアルミニウム合金材のそれぞれの長所を活かすことができ、その結果、溶接部の接合強度とねじ部のねじ強度のいずれをも確保できるという優れた効果を有する。
請求項2記載の本発明に係るアルミニウム合金製プロジェクション溶接ナットは、請求項1記載の発明において、プロジェクション部とねじ部とを別体で構成し、一方を他方にかしめることによりプロジェクション部とねじ部とを一体化させることとしたので、プロジェクション部及びねじ部を容易に製作することができると共にプロジェクション部とねじ部との接合精度も比較的容易に確保することができる。その結果、本発明に係るアルミニウム合金製プロジェクション溶接ナットは、生産性と信頼性の双方を向上させることができるという優れた効果を有する。
請求項3記載の本発明に係るアルミニウム合金製プロジェクション溶接ナットは、請求項1記載の発明において、ねじ部を有するナット本体とは別個独立に構成されたワッシャと、このワッシャの表裏面に一体に設けられたプロジェクション突起と、によってプロジェクション部を構成したので、かしめ工程が不要になり、その分アルミニウム合金製プロジェクション溶接ナットの製造工程を減らすことができ、その結果、生産ライン長を短くすることができる等の優れた効果を有する。
請求項4記載の本発明に係るアルミニウム合金製プロジェクション溶接ナットは、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発明において、第1のアルミニウム合金材は2000系又は5000系のアルミニウム合金材とし、第2のアルミニウム合金材は7000系のアルミニウム合金材としたので、それぞれのアルミニウム合金材の特長を活かした複合ナットが構成され、その結果、材質以外に複雑な構成を付加して本実施形態と同様の効果が得られるアルミニウム合金製プロジェクション溶接ナットを製造する場合に比べて低コスト化を図ることができるという優れた効果を有する。
〔第1実施形態〕
以下、図1〜図7を用いて、本発明に係るアルミニウム合金製プロジェクション溶接ナットの第1実施形態について説明する。
以下、図1〜図7を用いて、本発明に係るアルミニウム合金製プロジェクション溶接ナットの第1実施形態について説明する。
図1には、本実施形態に係るアルミニウム合金製プロジェクション溶接ナット10の全体構成が示されている。この図に示されるように、アルミニウム合金製プロジェクション溶接ナット10は、雌ねじ12が形成されたねじ部14と、このねじ部14の下端部に配置されたプロジェクション部16と、によって構成されている。
プロジェクション部16は、ねじ部14の台座となるようにねじ部14よりも外径が大きい略リング板形状に形成された鍔部16Aと、この鍔部16Aの表面側に一体に形成されかつ周方向の所定位置に形成された複数のかしめ部16Bと、鍔部16Aの裏面側に一体に形成されかつ周方向の所定位置に形成された複数の突起部16Cと、によって構成されている。このうち、複数の突起部16Cが、プロジェクション溶接する際の実際のプロジェクション部としての機能を果たす部分である。
上記鍔部16Aの軸芯部にはねじ部14が装着可能な六角柱形状の凹部18が形成されており、かかる凹部18にねじ部14が嵌着されている。そして、ねじ部14の下部外周面に形成された係合溝20内へかしめ部16Bがかしめられることにより、ねじ部14とプロジェクション部16とが一体化されている。
ここで、上述したプロジェクション部16は、図2及び図3に示されるように、アルミニウム合金製パネル22(図1参照)に対する剥離強度が高い性質を有する5000系のアルミニウム合金材(本発明の「第1のアルミニウム合金材」に相当する)によって構成されている。これに対し、ねじ部14は、図4に示されるように、ねじ強度が高い性質を有する7000系のアルミニウム合金材(本発明の「第2のアルミニウム合金材」に相当する)によって構成されている。なお、5000系のアルミニウム合金材に替えて、これと同様の性質を有する2000系のアルミニウム合金材(本発明の「第1のアルミニウム合金材」に相当する)を使用してもよい。また、材料の性質について補足すると、5000系及び2000系のアルミニウム合金材は電気抵抗値が高くプロジェクション溶接に適しており、7000系のアルミニウム合金材は耐力が高い性質を有している。
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
まず、5000系、2000系、7000系のアルミニウム合金材を用いたプロジェクション溶接ナット10の特性を対比説明する。なお、試験は、アルミニウム合金製プロジェクション溶接ナットの候補材として代表的な4種類のアルミニウム合金材についてその接合強度とねじ強度を試験した。
図5にはJIS−B1196に規定されている「押込み剥離試験方法」の概要が示されており、図2にはその試験結果が示されている。なお、図2において、「・」が測定値の平均値(各系の代表測定値)であり、実線グラフは当該平均値を結んだものである。また、押込み剥離試験では、ボルト挿通孔24が形成されかつその裏面側に上記構成のアルミニウム合金製プロジェクション溶接ナット10が溶接されたアルミニウム合金製パネル22をスペーサ26の上にセットして、試験機28の先端部に装着されたボルト部分30をアルミニウム合金製プロジェクション溶接ナット10のねじ部14に螺合させ、この状態で下向きに荷重をかけていくことにより、押込み剥離強度を測定している。図2の試験結果から解るように、押込み剥離強度は、2000系、5000系のアルミニウム合金材が高い値を示しており、6000系のアルミニウム合金材が一番低い値を示している。
また、図6にはJIS−B1196に規定されている「トルク剥離試験方法」の概要が示されており、図3にはその試験結果が示されている。なお、図3において、「・」が測定値の平均値(各系の代表測定値)であり、実線グラフは当該平均値を結んだものである。また、トルク剥離試験では、アルミニウム合金製パネル22にプロジェクション溶接されたアルミニウム合金製プロジェクション溶接ナット10に、トルクレンチ32のソケット34を被嵌させ、この状態でトルクレンチ32を回転させてトルクをかけていくことにより、トルク剥離強度を測定している。図3の試験結果から解るように、トルク剥離強度も、2000系、5000系のアルミニウム合金材が高い値を示しており、6000系のアルミニウム合金材が一番低い値を示している。
さらに、図4にはアルミニウム合金製プロジェクション溶接ナット10の溶接後ねじ強度の測定結果が示されている。なお、図4において、「・」が測定値の平均値であり、実線グラフは当該平均値を結んだものである。この試験結果から、溶接後ねじ強度は7000系のアルミニウム合金材が最も高く、6000系のアルミニウム合金材が最も低いことが解る。
上述した試験結果を踏まえ、本実施形態に係るアルミニウム合金製プロジェクション溶接ナット10では、プロジェクション部16を剥離強度が高い5000系又は2000系のアルミニウム合金材で構成し、ねじ部14をねじ強度が高い7000系のアルミニウム合金材で構成したので、アルミニウム合金製プロジェクション溶接ナット10をアルミニウム合金製パネル22のボルト挿通孔24の周囲にプロジェクション溶接した後の状態では、十分な接合強度と十分なねじ強度のいずれをも確保することができる。すなわち、本実施形態に係るアルミニウム合金製プロジェクション溶接ナット10によれば、各々のアルミニウム合金材の長所が活かされるように、異なる性質を有する二種類のアルミニウム合金材を組み合わせてアルミニウム合金製プロジェクション溶接ナット10を構成したので、接合強度の確保とねじ強度の確保の両立を図ることができる。
また、本実施形態に係るアルミニウム合金製プロジェクション溶接ナット10では、プロジェクション部16とねじ部14とを別体で構成し、プロジェクション部16に設けたかしめ部16Bをねじ部14に設けた係合溝20にかしめて固定することにより、プロジェクション部16とねじ部14とを一体化することとしたので、プロジェクション部16及びねじ部14を容易に製作することができると共に、プロジェクション部16とねじ部14との接合精度も比較的容易に確保することができる。その結果、本実施形態に係るアルミニウム合金製プロジェクション溶接ナット10によれば、生産性と信頼性の双方を向上させることができる。
さらに、本実施形態に係るアルミニウム合金製プロジェクション溶接ナット10では、プロジェクション部16に2000系又は5000系のアルミニウム合金材を使用し、ねじ部14に7000系のアルミニウム合金材を使用したので、それぞれのアルミニウム合金材の特長を活かした複合ナットが構成される。その結果、材質以外に複雑な構成を付加して本実施形態と同様の効果が得られるアルミニウム合金製プロジェクション溶接ナットを製造(開発)する場合に比べて、低コスト化を図ることができる。
その他、本実施形態に係るアルミニウム合金製プロジェクション溶接ナット10によれば、以下の効果が得られる。
第1に、鉄製ナットをアルミニウム合金で被覆したようなものと比べた場合、アルミボディーを再溶解してアルミ素材としてリサイクルする際に、不純物である鉄が混入するのを避けることができる。従って、純度の高いリサイクルが可能になるという意味でリサイクル性に優れている。
第2に、鉄製ナットをアルミニウム合金で被覆したようなものと比べた場合、リサイクル時に鉄製ナットを取り外す必要がない。従って、手間がかからないという意味でリサイクル性に優れている。
第3に、例えば、アルミニウム合金製プロジェクション溶接ナットの全体を5000系のアルミニウム合金材で構成したものの場合、本実施形態に係るアルミニウム合金製プロジェクション溶接ナット10よりもねじ強度が劣るため、その分、ねじ部の軸長を長くする必要が生じる。しかし、本実施形態に係るアルミニウム合金製プロジェクション溶接ナット10の場合、異種材料を複合して使用する構成であるため、ねじ強度を高めることができる。従って、その分、アルミニウム合金製プロジェクション溶接ナットの小型化を図ることができる。
第4に、従来技術として挙げた特許文献1に開示された構成の場合、アルミニウム合金製のインサートがナットとパネルの両面に線接触することになるため、従来のプロジェクション突起に相当する接合強度を得るためには高い電流が必要となるが、本実施形態に係るアルミニウム合金製プロジェクション溶接ナット10によれば、従来通り突起による点接触のプロジェクション溶接を維持することができるので、溶接時の電流値を下げることができる。従って、消費電力の削減を図ることができる。
なお、上述した図1に示されるアルミニウム合金製プロジェクション溶接ナット10では、実質的なプロジェクション部に相当する複数の突起部16C(及び複数のかしめ部16B)だけでなく、ねじ部14の台座となる略リング板形状の鍔部16Aをも5000系又は2000系のアルミニウム合金材で構成したが、これに限らず、図7に示されるように、複数の突起部40A(及び複数のかしめ部40B)のみでプロジェクション部40を構成し、かつこの部分を5000系又は2000系のアルミニウム合金材で構成したアルミニウム合金製プロジェクション溶接ナット42にしてもよい。この場合、図1との対比で見ると、ねじ部44は高さが多少高くなり、プロジェクション部40は複数の突起部40Aと複数のかしめ部40Bとによって構成されることになる。
〔第2実施形態〕
次に、図8を用いて、本発明に係るアルミニウム合金製プロジェクション溶接ナットの第2実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
次に、図8を用いて、本発明に係るアルミニウム合金製プロジェクション溶接ナットの第2実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図8に示されるように、この第2実施形態では、ねじ部50を備えたナット本体52と、このナット本体52とは別個独立に構成されると共に複数のプロジェクション突起54、56が表裏面に一体形成されたワッシャ58と、の組み合わせによって、アルミニウム合金製プロジェクション溶接ナット60が構成されている点に特徴がある。なお、プロジェクション突起54、56及びワッシャ58が請求項3記載のプロジェクション部に相当する。
この場合、プロジェクション突起54、56及びワッシャ58が5000系又は2000系のアルミニウム合金材によって構成されており、ナット本体52は7000系のアルミニウム合金材によって構成されている。
上記構成によれば、アルミニウム合金製パネル22とナット本体52との間に、表裏面にプロジェクション突起54、56が設けられたワッシャ58を介在させ、この状態でプロジェクション溶接を行う。これにより、ワッシャ58の表面側のプロジェクション突起54が溶融しワッシャ58がナット本体52と接合されると共に、ワッシャ58の裏面側のプロジェクション突起56が溶融しワッシャ58がアルミニウム合金製パネル22と接合される。
このようにねじ部50とプロジェクション部とを別個独立に構成しても、プロジェクション突起54、56を含むワッシャ58は剥離強度が高い5000系又は2000系のアルミニウム合金材で構成され、又ねじ部50を含むナット本体52はねじ強度が高い7000系のアルミニウム合金材で構成されるため、前述した第1実施形態と同様に、接合強度の確保とねじ強度の確保の両立を図ることができる。
また、ねじ部50とプロジェクション部とを別個独立に構成し、溶接時に一体化される構成であるため、かしめ工程が不要になる。従って、アルミニウム合金製プロジェクション溶接ナット60の製造工程を減らすことができる。その結果、生産ライン長を短くすることができる等のメリットが得られる。
なお、上述した第1及び第2実施形態では、自動車のアルミボディーに適用されるアルミニウム合金製プロジェクション溶接ナットとして説明してきたが、これに限らず、自動車以外の用途に使用されるアルミニウム合金製プロジェクション溶接ナットに本発明を適用してもよい。
10 アルミニウム合金製プロジェクション溶接ナット
12 雌ねじ
14 ねじ部
16 プロジェクション部
16B かしめ部
22 アルミニウム合金製パネル
40 プロジェクション部
40B かしめ部
44 ねじ部
50 ねじ部
52 ナット本体
54 プロジェクション突起(プロジェクション部)
56 プロジェクション突起(プロジェクション部)
58 ワッシャ(プロジェクション部)
60 アルミニウム合金製プロジェクション溶接ナット
12 雌ねじ
14 ねじ部
16 プロジェクション部
16B かしめ部
22 アルミニウム合金製パネル
40 プロジェクション部
40B かしめ部
44 ねじ部
50 ねじ部
52 ナット本体
54 プロジェクション突起(プロジェクション部)
56 プロジェクション突起(プロジェクション部)
58 ワッシャ(プロジェクション部)
60 アルミニウム合金製プロジェクション溶接ナット
Claims (4)
- アルミニウム合金製パネルにプロジェクション溶接により接合されるアルミニウム合金製プロジェクション溶接ナットであって、
アルミニウム合金製パネルへの接合部となるプロジェクション部を剥離強度が高い第1のアルミニウム合金材で構成すると共に、雌ねじが形成されるねじ部をねじ強度が高い第2のアルミニウム合金材で構成した、
ことを特徴とするアルミニウム合金製プロジェクション溶接ナット。 - 前記プロジェクション部と前記ねじ部とは別体で構成されており、一方を他方にかしめることによりプロジェクション部とねじ部とが一体化されている、
ことを特徴とする請求項1記載のアルミニウム合金製プロジェクション溶接ナット。 - 前記プロジェクション部は、前記ねじ部を有するナット本体とは別個独立に構成されたワッシャと、このワッシャの表裏面に一体に設けられたプロジェクション突起と、によって構成されている、
ことを特徴とする請求項1記載のアルミニウム合金製プロジェクション溶接ナット。 - 前記第1のアルミニウム合金材は2000系又は5000系のアルミニウム合金材であり、前記第2のアルミニウム合金材は7000系のアルミニウム合金材である、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のアルミニウム合金製プロジェクション溶接ナット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004041517A JP2005233268A (ja) | 2004-02-18 | 2004-02-18 | アルミニウム合金製プロジェクション溶接ナット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004041517A JP2005233268A (ja) | 2004-02-18 | 2004-02-18 | アルミニウム合金製プロジェクション溶接ナット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005233268A true JP2005233268A (ja) | 2005-09-02 |
Family
ID=35016444
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004041517A Pending JP2005233268A (ja) | 2004-02-18 | 2004-02-18 | アルミニウム合金製プロジェクション溶接ナット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005233268A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010137287A (ja) * | 2006-10-06 | 2010-06-24 | Origin Electric Co Ltd | 高導電性被溶接物のプロジェクション溶接方法 |
JP2011527738A (ja) * | 2008-07-09 | 2011-11-04 | ニューフレイ リミテッド ライアビリティ カンパニー | スタッド溶接のためのスタッド |
US8641342B2 (en) | 2008-07-09 | 2014-02-04 | Newfrey Llc | Stud for stud welding |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6442781U (ja) * | 1987-07-07 | 1989-03-14 | ||
JPH0663759A (ja) * | 1992-08-18 | 1994-03-08 | Nippon Light Metal Co Ltd | 抵抗スポット溶接方法 |
JPH11311231A (ja) * | 1998-04-24 | 1999-11-09 | Toyota Motor Corp | 螺合式締結装置 |
JPH11335768A (ja) * | 1998-05-22 | 1999-12-07 | Furukawa Electric Co Ltd:The | プロジェクション溶接ナット用アルミニウム合金材 |
JP2002295435A (ja) * | 2001-04-04 | 2002-10-09 | Fuji Heavy Ind Ltd | ナット取付構造 |
-
2004
- 2004-02-18 JP JP2004041517A patent/JP2005233268A/ja active Pending
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6442781U (ja) * | 1987-07-07 | 1989-03-14 | ||
JPH0663759A (ja) * | 1992-08-18 | 1994-03-08 | Nippon Light Metal Co Ltd | 抵抗スポット溶接方法 |
JPH11311231A (ja) * | 1998-04-24 | 1999-11-09 | Toyota Motor Corp | 螺合式締結装置 |
JPH11335768A (ja) * | 1998-05-22 | 1999-12-07 | Furukawa Electric Co Ltd:The | プロジェクション溶接ナット用アルミニウム合金材 |
JP2002295435A (ja) * | 2001-04-04 | 2002-10-09 | Fuji Heavy Ind Ltd | ナット取付構造 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010137287A (ja) * | 2006-10-06 | 2010-06-24 | Origin Electric Co Ltd | 高導電性被溶接物のプロジェクション溶接方法 |
JP2011527738A (ja) * | 2008-07-09 | 2011-11-04 | ニューフレイ リミテッド ライアビリティ カンパニー | スタッド溶接のためのスタッド |
US8641342B2 (en) | 2008-07-09 | 2014-02-04 | Newfrey Llc | Stud for stud welding |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5729429B2 (ja) | 接合構造、及び接合構造の製造方法 | |
JP4624792B2 (ja) | 分離式締結システム | |
JP6077409B2 (ja) | バスバーおよびその製造方法 | |
WO2019185059A1 (zh) | 一种差速器总成的焊接工艺 | |
US20110097594A1 (en) | Joining method of dissimilar metal plates and dissimilar metal joined body | |
US10471548B2 (en) | Method of welding a weld stud to a workpiece and of checking the strength of the welded joint | |
WO2014181698A1 (ja) | 端子化電線 | |
US20160229465A1 (en) | Structural member and method for manufacturing structural member | |
JP2015167972A (ja) | 異材接合体の製造方法 | |
EP0967044A2 (en) | A method for resistance electric spot welding of a first sheet of non weldable material to a second sheet of weldable metal material | |
JP5580820B2 (ja) | スタッド溶接のためのスタッド | |
JP2007301578A (ja) | 材料の接合方法 | |
JP2005233268A (ja) | アルミニウム合金製プロジェクション溶接ナット | |
JP2010240667A (ja) | ダンパ固定治具、およびその製造方法 | |
US11161196B2 (en) | Metallic member bonding device for pressing rod-shaped or cylindrical first metallic member into hole portion of annular second metallic member to bond the same and bonding method therefor | |
JP2007269118A (ja) | アルミニウム又はアルミニウム合金製の閉断面構造部材 | |
JPH0742721A (ja) | 溶接ナット並びに溶接ナットの接合方法及び溶接ナット接合用電極装置 | |
US11498160B2 (en) | Bolt for fastening components, or the ground connection of electrical or electronic components, on a vehicle body, a bolt arrangement having a bolt, and a method for forming the bolt arrangement | |
US11549535B2 (en) | Joined body, automobile seat frame, and joining method | |
JP2011001694A (ja) | 防護柵用支柱 | |
JP2001110398A (ja) | 鉛蓄電池 | |
CN213298533U (zh) | 一种激光焊接组合铆接螺柱 | |
WO2024019097A1 (ja) | 締結部材、接合継手、及び接合継手の製造方法 | |
JP2019064133A (ja) | 接合継手、自動車用シートフレーム、および接合継手の製造方法 | |
JPH08338413A (ja) | アルミニウム系部材用鋼製ボルト |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060605 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080619 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080701 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20081118 |