JP2005224445A - 生体吸収性材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、所望の機械的強度を保持するのに十分な分子量であり、また、生理環境下で一定期間形状を保持した後、速やかに適用箇所から消失することができ、さらに、腎臓や肝臓等の臓器に過剰に蓄積されることなく安全に体外に排出され得る生体吸収性材料を提供する。
【解決手段】ポリアルキレンオキサイドと、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物および多価カルボン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種とを反応させてなるポリエーテルエステルよりなる生体吸収性材料。
【選択図】なし
【解決手段】ポリアルキレンオキサイドと、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物および多価カルボン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種とを反応させてなるポリエーテルエステルよりなる生体吸収性材料。
【選択図】なし
Description
本発明は、生理環境下において所定の期間形状を保持し、その後分解されて生体外に排出され得る生体吸収性材料に関する。
外科手術等において、医療用処置材は手術操作を簡便にして手術時間の短縮化等に貢献する重要な役割がある。特に体内で使用される医療用処置材は、適用箇所にて目的の機能を果たすために留置される場合がある。この場合、治癒後は速やかに該適用箇所から消失して生体に吸収されることが望ましい。このような医療用処置材には組織接着剤、止血材、癒着防止材、塞栓材等があり、生理環境下にて分解され体内に吸収される生体吸収性材料が使用される。該生体吸収性材料は、材料種によって、生体に吸収されるまでの期間が数分間〜数年間の範囲で異なり、それぞれの医療用処置材としての目的の機能を果たした後に生体に吸収されるように材料選定されている。
現在、臨床実績がある生体吸収性材料としては、生体由来材料(生体材料のうち、ヒトや動物の生体から得られる材料)が挙げられ、例えば、フィブリン、アルブミン、コラーゲンまたはゼラチン等が組織接着剤、止血剤等に利用されている。これらの生体由来材料は生体代謝系にて吸収されることはよく知られている。しかし、その製造工程において原料管理やウィルス不活性化・除去処理等の安全対策がされてはいるものの、これらの材料を用いることによるウィルス感染のリスクを完全には否定できないため、使用には慎重にならざるを得ない。
一方、ウィルス感染のリスクが小さい合成生体吸収性材料としては、ポリ乳酸、ポリグリコール酸およびこれらの共重合体、酸化セルロース等が挙げられる。一般的に、ポリ乳酸は吸収性骨固定材等に利用され、徐々に加水分解され数ヶ月〜数年かけて生体に吸収される。ポリグリコール酸は吸収性縫合糸や吸収性縫合補強材等に利用され、加水分解されることにより40日〜70日かけて生体に吸収される。また、酸化セルロースは止血剤としても利用され、生理条件下で徐々に水溶性となり30日間程度で適用箇所から消失し、酸化セルロース自体が元々低分子量であるため、最終的に腎臓を通過して排泄される。これらの合成生体吸収性材料は、それぞれの医療処置材の用途に応じた機械的物性(強度や柔軟性等)や吸収期間等の要求仕様に合わせて材料設計することが可能である。ただし、合成材料自体またはその吸収過程における分解物が原因となる局所での炎症が少ないこと、および、治癒後は速やかに適用箇所から消失して臓器組織へ過度に蓄積されることなく、速やかに体外に排泄されること等の生体に対する安全性を考慮する必要がある。
上述の生体由来材料はウィルス感染のリスクがあるので、近年、上記合成材料以外にも、さらに新しい合成材料の研究、開発が盛んに行われている。例えば、生体吸収性の止血材や癒着防止材に着目すると、生体適合性に優れる多糖類系やポリエーテル系のポリマーに代表される合成ポリマーを応用したものが多い。具体的には、例えば、止血材としてはカルボキシメチルセルロースを利用した可溶性創傷治癒止血セルロース繊維(特許文献1参照。)、癒着防止材としては生体吸収性の抗癒着カルボキシポリサッカライド/ポリエーテル高分子間複合体(特許文献2参照。)等が提案されている。これらの医療用処置材は、そのバルク形態を繊維やフィルム等として供するため、比較的高分子量(重量平均分子量十数万〜数十万)の合成ポリマーが利用されている。しかし、これらの比較的高分子量の合成ポリマーは、生理環境下において、加水分解や肝臓代謝作用により分子量をある程度低下させることは可能であるが、元々水溶性のポリマーまたは分解されて水溶性になったポリマーが、創傷部の治癒後に適用箇所から消失できたとしても、腎臓等を通過して排泄されるのに十分な分子量(約70,000以下、場合によっては40,000以下)まで分解される材料設計になっておらず、肝臓や腎臓等の臓器組織へ少なからず蓄積して組織障害を誘発する可能性がある。
ところで、ポリアルキレンオキサイドと多価カルボン酸化合物とを反応させてなるポリエーテルエステルは、親水性フィルムやシート等の成型体の材料として利用されている(例えば、特許文献3参照。)。また、上記ポリエーテルエステルの親水性や吸水性に優れる点を損なうことなく、耐水性、機械的強度、経時安定性、接着性等においても高い性能を発揮し、かつ、それら相互のバランスにも優れた架橋性材料が提案されている(特許文献4参照。)。その用途としては、該架橋性材料を必須成分として含む水性インク受容体等が記載されている。しかしながら、これら以外の用途に用いることは開示されていない。
本発明は、生体内で形状を保持し、目的を達成した後速やかに適用箇所から消失し、生体外に排出され得る特性を実現できる生体吸収性材料を提供することを目的とする。すなわち、所望の機械的強度を保持するのに十分な分子量であり、また、生理環境下で一定期間形状を保持した後、速やかに適用箇所から消失することができ、さらに、腎臓や肝臓等の臓器に過剰に蓄積されることなく安全に体外に排出され得る生体吸収性材料を提供することを目的とする。
また、上記特性に加えて、該生体吸収性材料が生理環境下で分解されるまでの期間をより長い期間内で調節でき、種々の用途に応じた機械的物性(強度や柔軟性等)を得ることができる生体吸収性材料を提供することを目的とする。
さらに、上記特性を損なうことなく、γ線または電子線等で滅菌処理を行うことができる生体吸収性材料を提供することを目的とする。
また、上記特性に加えて、該生体吸収性材料が生理環境下で分解されるまでの期間をより長い期間内で調節でき、種々の用途に応じた機械的物性(強度や柔軟性等)を得ることができる生体吸収性材料を提供することを目的とする。
さらに、上記特性を損なうことなく、γ線または電子線等で滅菌処理を行うことができる生体吸収性材料を提供することを目的とする。
本発明者が、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ポリアルキレンオキサイドと、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物および多価カルボン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種とを反応させてなるポリエーテルエステルが、所望の機械的強度を保持するのに十分な分子量でありながら、生理環境下で一定期間形状を保持した後、分解されて生体外に排出され得る分子量にすることができ、該ポリエーテルエステルよりなる生体吸収性材料は、その目的を達成した後速やかに適用箇所から消失し、腎臓および肝臓等の臓器に過剰に蓄積されることなく安全に体外に排出され得ることを知見し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、下記の(1)〜(12)を提供する。
すなわち、本発明は、下記の(1)〜(12)を提供する。
(1)ポリアルキレンオキサイドと、
多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物および多価カルボン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種とを反応させてなるポリエーテルエステルよりなる生体吸収性材料。
多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物および多価カルボン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種とを反応させてなるポリエーテルエステルよりなる生体吸収性材料。
(2)ポリアルキレンオキサイドと、
多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物および多価カルボン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種とを反応させてなるポリエーテルエステルと、
ラジカルトラップ剤とを含有する生体吸収性材料。
多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物および多価カルボン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種とを反応させてなるポリエーテルエステルと、
ラジカルトラップ剤とを含有する生体吸収性材料。
(3)多孔質材であって、該多孔質材と同一の組成である非多孔質材より小さい密度を有する上記(1)または(2)に記載の生体吸収性材料。
(4)形状が、シート状、スポンジ状またはパウダー状である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の生体吸収性材料。
(5)前記ポリアルキレンオキサイドの重量平均分子量が、5,000〜50,000である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の生体吸収性材料。
(6)前記ポリエーテルエステルの重量平均分子量が、50,000〜500,000である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の生体吸収性材料。
(7)前記ポリエーテルエステルの分子間に、さらに架橋構造を有する(1)〜(6)のいずれかに記載の生体吸収性材料。
(8)前記架橋構造が、前記ポリエーテルエステル主鎖間の共有結合を介してなることを特徴とする上記(7)に記載の生体吸収性材料。
(9)前記架橋構造が、前記ポリエーテルエステルのカルボキシ基と架橋剤とを反応させてなることを特徴とする上記(7)に記載の生体吸収性材料。
(10)前記架橋剤がオキサゾリン化合物類である上記(9)に記載の生体吸収性材料。
(11)前記ポリエーテルエステルのカルボキシ基数Xに対する前記架橋剤の官能基数Yの比(Y/X)を、0.05〜1.5として反応させてなる上記(9)または(10)に記載の生体吸収性材料。
(12)滅菌処理されることを特徴とする上記(1)〜(11)のいずれかに記載の生体吸収性材料。
本発明の生体吸収性材料は、所望の機械的強度を保持するのに十分な分子量であり、また、生理環境下で一定期間形状を保持した後、分解されて速やかに適用箇所から消失することができ、さらに、分解された生体吸収性材料は、腎臓や肝臓等の臓器に過剰に蓄積されることなく安全に体外に排出され得る。また、生体に吸収されるまでの期間を調整して設計することができ、種々の医療用処置材の用途に応じた機械的物性(強度や柔軟性等)を得ることができる。さらに、γ線または電子線等で滅菌処理を行うことができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の第1の態様の生体吸収性材料は、ポリアルキレンオキサイドと、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物および多価カルボン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種とを反応させてなるポリエーテルエステルよりなる。
本発明の第1の態様の生体吸収性材料は、ポリアルキレンオキサイドと、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物および多価カルボン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種とを反応させてなるポリエーテルエステルよりなる。
ここで、本明細書において、生体吸収性とは、局所消失性と体外排出性とを有することを言う。
局所消失性とは、生理環境下で所定日数以内に分解されて適用局所から消失することを言う。本明細書において、「所定日数」とは最大でも90日、場合によっては70日、50日、40日、または30日である。消失の過程または消失後には、目視により炎症反応が観察されることはない。材料は、材料自体の加水分解および/または貪食細胞の食作用(ファゴサイトーシス)等により分解される。ここで、生理環境下の条件は幅広く特定されない場合があるので、本明細書では簡便で明確な指標として、in vitroにおいて、37℃の生理食塩水(pH4〜8)中に少なくとも1質量%ポリマー濃度相当のサンプルを入れ、ローターミキサーで混合し、目視で観察したときに、所定日数以内にサンプルの形状がなくなり透明な水溶液になる場合、該サンプルは局所消失性を有する(以下「本発明の局所消失性」と言うこともある。)こととする。本発明の生体吸収性材料が、生理環境下で形状が保持される期間は、用途によって異なり所定日数以内であれば特に限定されない。
また、体外排出性とは、材料が適用箇所から消失した後、腎臓や肝臓等の臓器に過剰に蓄積されることなく安全に生体外に排出され得ることを言う。本明細書において、材料が、分子量70,000以下、場合によっては40,000以下に分解される場合、該サンプルは体外排出性を有する(以下「本発明の体外排出性」と言うこともある。)こととする。
局所消失性とは、生理環境下で所定日数以内に分解されて適用局所から消失することを言う。本明細書において、「所定日数」とは最大でも90日、場合によっては70日、50日、40日、または30日である。消失の過程または消失後には、目視により炎症反応が観察されることはない。材料は、材料自体の加水分解および/または貪食細胞の食作用(ファゴサイトーシス)等により分解される。ここで、生理環境下の条件は幅広く特定されない場合があるので、本明細書では簡便で明確な指標として、in vitroにおいて、37℃の生理食塩水(pH4〜8)中に少なくとも1質量%ポリマー濃度相当のサンプルを入れ、ローターミキサーで混合し、目視で観察したときに、所定日数以内にサンプルの形状がなくなり透明な水溶液になる場合、該サンプルは局所消失性を有する(以下「本発明の局所消失性」と言うこともある。)こととする。本発明の生体吸収性材料が、生理環境下で形状が保持される期間は、用途によって異なり所定日数以内であれば特に限定されない。
また、体外排出性とは、材料が適用箇所から消失した後、腎臓や肝臓等の臓器に過剰に蓄積されることなく安全に生体外に排出され得ることを言う。本明細書において、材料が、分子量70,000以下、場合によっては40,000以下に分解される場合、該サンプルは体外排出性を有する(以下「本発明の体外排出性」と言うこともある。)こととする。
本発明の生体吸収性材料の形状は、特に限定されないがシート状またはパウダー状であることが好ましい。シート状とは、非多孔質材、例えばフィルム、又は多孔質材、例えばスポンジ状およびその圧縮体である。中でも、材料と生体内の水分が十分接触できることができ、所望の機械的強度を損なうこともないという点で、多孔質材が好ましい。多孔質材は、該多孔質材と同一の組成である非多孔質材に対する密度より小さいことが好ましい。好ましくは、多孔質材の非多孔質材に対して所定の密度の比(多孔質材/非多孔質材)を有する。本明細書において、「所定の密度の比」とは、0.001〜0.5である。
本発明の生体吸収性材料は、多孔質材であって、該多孔質材と同一の組成である非多孔質材に対する密度より小さいことが好ましい。好ましくは、多孔質材の非多孔質材に対する密度の比(多孔質材/非多孔質材)が0.001〜0.5である。具体的には、例えば、ポリエーテルエステルを水に溶解させて得られた水溶液をシャーレ上に展開し、凍結乾燥して水分を除去して得られたスポンジ状の多孔質材の密度(mg/cm3)を、上記ポリエーテルエステルをフィルム状に押出して得た非多孔質材の密度(mg/cm3)で除した値が、0.001〜0.5である、該スポンジ状の多孔質材が挙げられる。ここで、該多孔質材と非多孔質材は同一材料から形成されていればよく、それらの製造工程で用いる溶媒等は異なっていてもよい。
上記密度の比がこの範囲であれば、材料と生体内の水分が十分接触することができ、所望の機械的強度を損なうこともない。これらの特性により優れる点で、該密度の比は、0.01〜0.03がより好ましく、0.05〜0.2が特に好ましい。
上記密度の比がこの範囲であれば、材料と生体内の水分が十分接触することができ、所望の機械的強度を損なうこともない。これらの特性により優れる点で、該密度の比は、0.01〜0.03がより好ましく、0.05〜0.2が特に好ましい。
スポンジ状の生体吸収性材料は、多孔構造を有しており、密度は1〜500mg/cm3であることが好ましい。この範囲であると、必要な機械的強度を有しており、また、取り扱い性にも優れる。これらの特性により優れる点で、該密度は、10〜300mg/cm3がより好ましく、50〜200mg/cm3が特に好ましい。
また、該スポンジ状の生体吸収性材料を圧縮して作製した圧縮シートでは、厚みに関係なく、シート単位面積あたりの材料重量は0.4〜200mg/cm2であることが好ましい。この範囲であると、必要な機械的強度を有しており、また、取り扱い性にも優れる。これらの特性により優れる点で、該シート単位面積あたりの材料重量は、4〜120mg/cm2がより好ましく、20〜80mg/cm2が特に好ましい。
また、該スポンジ状の生体吸収性材料を圧縮して作製した圧縮シートでは、厚みに関係なく、シート単位面積あたりの材料重量は0.4〜200mg/cm2であることが好ましい。この範囲であると、必要な機械的強度を有しており、また、取り扱い性にも優れる。これらの特性により優れる点で、該シート単位面積あたりの材料重量は、4〜120mg/cm2がより好ましく、20〜80mg/cm2が特に好ましい。
後述する実施例のように、スポンジ状の生体吸収性材料を製造する場合、使用するポリエーテルエステル溶液のポリマー濃度は、0.1〜50質量%であることが好ましい。ポリマー濃度が0.1質量%である場合、得られるスポンジ状の生体吸収性材料の密度は約1mg/cm3、あるいは、該スポンジ状のものを圧縮して作製した圧縮シートのシート単位面積あたりの材料重量は約0.4mg/cm2である。また、ポリマー濃度が50質量%である場合、得られるスポンジ状のものの密度は約500mg/cm3、あるいは、該スポンジ状の生体吸収性材料を圧縮して作製した圧縮シートのシート単位面積あたりの材料重量は約200mg/cm2である。より好ましい密度のスポンジ状の生体吸収性材料、あるいはより好ましいシート単位面積あたりの材料重量の該圧縮シートが得られるので、ポリマー濃度は、1〜30質量%がより好ましく、5〜20質量%が特に好ましい。
本発明に用いるポリアルキレンオキサイドは、特に限定されないが、炭素数2〜6の脂肪族環状エーテルまたは炭素数2〜6の脂肪族グリコールから得られるものが好適に挙げられる。具体的には、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラエチレングリコール、ポリエピクロルヒドリン、および、これらの共重合体等が挙げられ、中でも、商業的に入手し易く、優れた生体適合性を有する点で、ポリエチレングリコールが特に好ましい。
上記ポリアルキレンオキサイドの重量平均分子量は、5,000〜50,000であることが好ましい。分子量がこの範囲であると、ポリエーテルエステルが生理環境下でポリアルキレンオキサイドに分解されたときに、腎臓や肝臓等の臓器に過剰に蓄積されることなく生体外に排出可能であり、本発明の局所消失性と体外排出性を満たしている。さらに、該ポリアルキレンオキサイドが溶融されたときの粘度も適度で、製造時の作業性が良好である。これらの特性により優れる点で、該重量平均分子量は、10,000〜40,000がより好ましい。
なお、本明細書において、重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)にて水系測定を行い、分子量が既知であるポリエチレングリコール標準品を使用して算出した値である。
上記ポリアルキレンオキサイドの重量平均分子量は、5,000〜50,000であることが好ましい。分子量がこの範囲であると、ポリエーテルエステルが生理環境下でポリアルキレンオキサイドに分解されたときに、腎臓や肝臓等の臓器に過剰に蓄積されることなく生体外に排出可能であり、本発明の局所消失性と体外排出性を満たしている。さらに、該ポリアルキレンオキサイドが溶融されたときの粘度も適度で、製造時の作業性が良好である。これらの特性により優れる点で、該重量平均分子量は、10,000〜40,000がより好ましい。
なお、本明細書において、重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)にて水系測定を行い、分子量が既知であるポリエチレングリコール標準品を使用して算出した値である。
本発明に用いる多価カルボン酸は、2以上のカルボキシ基を有する化合物であれば特に限定されないが、後述する架橋剤と反応して架橋構造を形成する際に十分な架橋密度が得られる4価カルボン酸が好ましい。具体的には、例えば、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、ピロメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸、p−ターフェニル3,3’,4,4’−テトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸等が挙げられ、これらは一種単独で用いても、二種以上を併用して用いてもよい。
本発明に用いる多価カルボン酸無水物は、特に限定はなく、基本的に上記多価カルボン酸の無水物でよい。中でも、後述する架橋剤と反応して架橋構造を形成する際に十分な架橋密度が得られる分子内に2つ酸無水物基を有するものが好ましい。具体的には、例えば、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二酸無水物、二無水ピロメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸二酸無水物、p−ターフェニル3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二酸無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二酸無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二酸無水物、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二酸無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二酸無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二酸無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二酸無水物等の2価酸無水物;無水マレイン酸−スチレン共重合体、無水マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、無水マレイン酸−塩化ビニル共重合体、無水マレイン酸−ブタジエン共重合体、無水マレイン酸−メチルビニルエーテル共重合体、無水マレイン酸−エチレン共重合体等が挙げられる。これらは一種単独で用いても、二種以上を併用して用いてもよい。中でも、二無水ピロメリット酸、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二酸無水物および3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二酸無水物が、上記ポリアルキレンオキサイドとの反応性が高く、ポリエーテルエステルの製造効率が高いのでより好ましい。
本発明に用いる多価カルボン酸塩は、上記多価カルボン酸と、該カルボン酸と塩を形成する物質(以下、「中和剤」とも言う。)とを反応させて得られるものであれば特に限定されないが、具体的には、上記多価カルボン酸の金属塩またはアンモニウム塩等が挙げられる。上記多価カルボン酸と塩を形成する物質としては、金属、アミン類等が挙げられ、該金属の具体例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、銅、銀、亜鉛、カドミウム、水銀、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、鉛、アンチモン、ビスマス、スカンジウム等、これらの金属からなる酸化物、カルボン酸塩、金属アルコキシド、炭酸塩、水酸化物、水素化物、過酸化物、塩化物、硫酸塩、亜硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、炭化物等が挙げられる。
該アミン類の具体例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、アンモニア、ピリジン、ピロリジン、ピロール、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ヒドラジン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、エタンアミン、アニリン、トルイジン、アリルアミン、ジアリルアミン、トリアリルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、3,3’−イミノビス(プロピルアミン)、2−エチルヘキシルアミン、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、ジイソブチルアミン、3−(ジエチルアミノ)プロピルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、3−(ジブチルアミノ)プロピルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、トリ−n−オクチルアミン、t−ブチルアミン、2−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ピコリン、ビニルピリジン、ピペコリン、ピペラジン、ピペリジン、ピラジン等が挙げられる。
該アミン類の具体例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、アンモニア、ピリジン、ピロリジン、ピロール、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ヒドラジン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、エタンアミン、アニリン、トルイジン、アリルアミン、ジアリルアミン、トリアリルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、3,3’−イミノビス(プロピルアミン)、2−エチルヘキシルアミン、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、ジイソブチルアミン、3−(ジエチルアミノ)プロピルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、3−(ジブチルアミノ)プロピルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、トリ−n−オクチルアミン、t−ブチルアミン、2−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ピコリン、ビニルピリジン、ピペコリン、ピペラジン、ピペリジン、ピラジン等が挙げられる。
上記多価カルボン酸塩は、ポリエーテルポリエステルの合成時および/または合成後に、上記中和剤を添加することにより合成されるのが好ましい。このように多価カルボン酸塩にすることで、pH調整および得られるポリエーテルエステルの機械的強度が増強される。
上記中和剤の添加量は、特に限定されないが、上記多価カルボン酸または多価カルボン酸無水物1モルに対して、0.001〜10.0モルが好ましく、より好ましくは0.01〜6.0モル、特に好ましくは0.05〜5.0モル、最も好ましくは、0.1〜4.0モルである。添加量が上記の範囲より多いと、該中和剤がポリエーテルエステル中に均一に分散、溶解できなくなるため、ポリエーテルエステルの機械的強度が低下する。また、該中和剤が少ないと、反応時間が長くなり、製造効率が低下する。中和剤の添加量が上記の範囲よりも少ないと、中和剤の添加効果であるpH調整効果および機械的強度を増加させる効果が低下する。
上記中和剤を添加する際、中和剤の分散を良くするために溶媒を用いてもよいが、無溶媒の方が溶媒を除去する工程を省略できるため効率が良いので好ましい。
上記中和剤を添加する際、中和剤の分散を良くするために溶媒を用いてもよいが、無溶媒の方が溶媒を除去する工程を省略できるため効率が良いので好ましい。
本発明に用いる多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物および多価カルボン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の配合量は、特に限定されないが、上記ポリアルキレンオキサイド1.0モルに対して0.1〜4.0モルが好ましい。この範囲の配合量であれば、得られる生体吸収性材料を用いた成形体の機械的強度に優れる。この特性により優れる点から、上記配合量は、より好ましくは0.2〜3.0モル、さらに好ましくは0.3〜2.0モル、最も好ましくは0.5〜1.5モルである。
本発明に用いられるポリエーテルエステルは、上記ポリアルキレンオキサイドと、上記多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物および多価カルボン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種とを反応させてなるものである。
上記ポリエーテルエステルは水溶性である。該ポリエーテルエステルが水溶性であるため、本発明の生体吸収性材料は、生理環境下で一定期間形状を保持した後、加水分解等の作用により分解され、適用箇所から消失し、腎臓や肝臓等の臓器に過剰に蓄積されることなく安全に体外に排出され得る。
なお、本明細書において、水溶性とは、37℃の生理食塩水(pH4〜8)中に少なくとも1質量%ポリマー濃度相当のサンプルをいれて、ローターミキサーで混合し、目視で観察したときに、所定日数以内にサンプルの形状がなくなり、透明な水溶液になることを言う。
上記ポリエーテルエステルは水溶性である。該ポリエーテルエステルが水溶性であるため、本発明の生体吸収性材料は、生理環境下で一定期間形状を保持した後、加水分解等の作用により分解され、適用箇所から消失し、腎臓や肝臓等の臓器に過剰に蓄積されることなく安全に体外に排出され得る。
なお、本明細書において、水溶性とは、37℃の生理食塩水(pH4〜8)中に少なくとも1質量%ポリマー濃度相当のサンプルをいれて、ローターミキサーで混合し、目視で観察したときに、所定日数以内にサンプルの形状がなくなり、透明な水溶液になることを言う。
上記ポリエーテルエステルの37℃の生理食塩水(pH4〜8)に対する溶解度は、本発明の生体吸収性材料の用途により異なるので特に限定されないが、一般的には、0.001〜0.5g/mlであることが好ましい。該溶解度がこの範囲であると得られる材料の生体吸収性および生理環境下での形状保持性が要求される範囲を満たすことができる。この特性により優れる点で、上記溶解度は0.005〜0.1g/mlがより好ましく、0.01〜0.05g/mlであることが特に好ましい。
上記ポリエーテルポリエステルの重量平均分子量は、50,000〜500,000であることが好ましい。分子量がこの範囲であると、得られる生体吸収性材料が生体吸収性に優れ、また製造時の加工性にも優れる。
上記ポリエーテルエステルは、上記の成分以外に、要求される生体適合性を満たす範囲で、添加剤を含んでもよい。具体的には、例えば、充填剤、可塑剤、軟化剤、安定剤、着色剤、物性調整剤、補強剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、溶剤等が挙げられる。これらの添加剤は、1種単独でも2種以上を併用して使用することができる。
上記ポリエーテルエステルは、公知の方法(例えば、特開平9−52950号公報等参照。)により製造される。具体的には、例えば、100mlフラスコに重量平均分子量25,000のポリエチレングリコール10gおよび二無水ピロメリット酸0.106gを仕込み、常圧下150℃で4時間反応を行うことにより上記ポリエーテルエステルが得られる。
また、上記ポリエーテルエステルは、市販品を用いることもできる。市販品としては、例えば、PX3−EH1000(EH1000NおよびEH1000A、日本触媒(株)製)等が好適に挙げられる。
本発明の生体吸収性材料は、上記ポリエーテルエステル分子間に、さらに架橋構造を有していても有していなくてもよいが、有していることが好ましい。架橋構造を有することにより、該生体吸収性材料が生理環境下で分解されるまでの期間を長くすることができ、架橋密度を変化させることにより生体吸収性を調節できる。また、耐水性、機械的強度、経時安定性、接着性等においても高い性能を発揮し、かつ、それら相互のバランスにも優れる生体吸収性材料を提供できる。一方、架橋構造を有していない生体吸収性材料は、架橋構造を有しているものに比べて、生体吸収されるまでに要する期間が短いという特徴を有するので、素早く生体吸収されることが好ましい用途に使用される。
上記架橋構造は、上記ポリエーテルエステル主鎖間の共有結合を介して形成されてもよく、該ポリエーテルエステルのカルボキシ基と架橋剤とを反応させて形成されてもよい。また、これらが併用されて架橋構造が形成されてもよい。
上記架橋構造は、上記ポリエーテルエステル主鎖間の共有結合を介して形成されてもよく、該ポリエーテルエステルのカルボキシ基と架橋剤とを反応させて形成されてもよい。また、これらが併用されて架橋構造が形成されてもよい。
上記ポリエーテルエステル主鎖間の共有結合を介して形成される架橋構造を有する生体吸収性材料は、該ポリエーテルエステルのみで、紫外線等の電離放射線照射等により架橋されるものである。
本発明の生体吸収性材料に紫外線等の電離放射線が照射され、該生体吸収性材料に含まれるポリエーテルエステルが架橋される場合、該ポリエーテルエステル中のヘテロ結合において、ヘテロ原子に隣接した炭素上の水素は紫外線等の照射によりラジカルとして比較的解裂し易いため、分子鎖上にいくつかのラジカルが発生し、こうしてできたポリマー分子鎖上のラジカル同士が結合して、架橋構造が形成されると考えられる。この架橋構造は、該ポリエーテルエステル同士の架橋であり、またラジカル濃度も低いため、架橋密度の低いゆるやかな架橋構造が形成される。
本発明の生体吸収性材料に紫外線等の電離放射線が照射され、該生体吸収性材料に含まれるポリエーテルエステルが架橋される場合、該ポリエーテルエステル中のヘテロ結合において、ヘテロ原子に隣接した炭素上の水素は紫外線等の照射によりラジカルとして比較的解裂し易いため、分子鎖上にいくつかのラジカルが発生し、こうしてできたポリマー分子鎖上のラジカル同士が結合して、架橋構造が形成されると考えられる。この架橋構造は、該ポリエーテルエステル同士の架橋であり、またラジカル濃度も低いため、架橋密度の低いゆるやかな架橋構造が形成される。
通常放射線硬化型樹脂等の硬化に必要とされる光開始剤、光増感剤、光架橋剤および不飽和結合含有化合物は特に必要ないが、照射後の各種性能を低下させない範囲で、架橋効率を向上させるために、これらの添加物または化合物を併用してもよい。
上記電離放射線としては特に限定されないが、上述した紫外線の他、例えば、α線、β線、γ線、X線および電子線等が挙げられる。中でも、紫外線は、取り扱いが容易で工業的にもその利用が普及している点で好ましい。
照射時間は、電離放射線の種類にもよるが、例えば紫外線であれば、高圧水銀灯を用いる場合は1分〜10分が好ましく、より好ましくは2分〜8分である。使用する光源としては、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプおよびタングステンランプ等が使用される。
照射時間は、電離放射線の種類にもよるが、例えば紫外線であれば、高圧水銀灯を用いる場合は1分〜10分が好ましく、より好ましくは2分〜8分である。使用する光源としては、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプおよびタングステンランプ等が使用される。
上記ポリエーテルエステルのカルボキシ基と架橋剤とを反応させて形成される架橋構造を有する生体吸収性材料は、上記ポリエーテルエステルと架橋剤とを反応させて架橋したものである。
架橋剤を用いて架橋する場合は、架橋反応を確実に行うことができ、架橋密度の調節もし易いという点で有利である。
架橋剤を用いて架橋する場合は、架橋反応を確実に行うことができ、架橋密度の調節もし易いという点で有利である。
上記架橋剤としては、特に限定されないが、一般的な多官能化合物を使用することができる。上記多官能性化合物としては、上記ポリエーテルエステルのカルボキシ基と反応可能な官能基を2つ以上持つもの、または、該カルボキシ基と塩形成可能な2価以上の金属または金属化合物であれば特に限定されない。上記多官能性化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ポリエーテルエステルのカルボキシ基と反応可能な官能基は、具体的には、例えば、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基、アミノ基、イソシアネート基、ベンゾグアナミン基、メラミン基等が挙げられる。好ましくは、オキサゾリン基、イソシアネート基、エポキシ基がよい。上記多官能性化合物が有する官能基の種類は、同じであっても、異なっていてもよい。例えば、1個のオキサゾリン基と1個のエポキシ基とを有する化合物も上記多官能化合物として用いることができる。
上記ポリエーテルエステルのカルボキシ基と反応可能な官能基を2つ以上有する化合物としては、具体的には、例えば、エポキシ化合物類、メラミン化合物類、ベンゾグアナミン化合物類、イソシアネート化合物類、オキサゾリン化合物類、アミン化合物類、アジリジン化合物類、シランカップリング剤等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも特に、カルボキシ基と比較的低温で反応し、反応に伴う副生成物が無いという点で、オキサゾリン化合物類が好ましい。
上記エポキシ化合物類としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル等が好適に挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記メラミン化合物類またはベンゾグアナミン化合物類としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、ヘキサメトキシメチロールメラミンおよびその変性物等が好適に挙げられる。より具体的には、以下に挙げるサイテック工業(株)製のサイメルシリーズ(C−番号)やマイコートシリーズ(M−番号)が挙げられる。上記シリーズのうち、完全アルキル型としては、C−300、C−301、C−303、C−350、C−232、C−235、C−236、C−238、C−266、C−267、C−285、C−1123、C−1123−10、C−1170、M−506等が挙げられる。メチロール基型としては、C−370、C−771、C−272、C−1172、M−102等が挙げられる。イミノ基型としては、C−325、C−327、C−703、C−712、C−254、C−253、C−212、C−1128、M−101、M−106、M−130、M−132、M−508、M−105等が挙げられる。メチロール/イミノ基型としては、C−701、C−202、C−207等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記イソシアネート化合物類としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチルフェニル−4,4’−ジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、trans−1,4−シクロヘキシルジイソシアネート、リシンジイソシアネート等が好適に挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記オキサゾリン化合物類としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、ビスオキサゾリン、多価オキサゾリン化合物(例えば、エポクロスWS−700(日本触媒(株)製))、オキサゾリン環を有するポリマー(例えば、エポクロスWS−500(日本触媒(株)製))等が好適に挙げられる。中でも、十分な架橋性が発現され、所望の生体吸収性が得られ易いという点で、多価オキサゾリン化合物が好ましい。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記アミン化合物類としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、トリエチレンテトラミン、エチレンジアミン、1,4−ジアザビシクロ−(2,2,2)−オクタン等が好適に挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記アジリジン化合物類としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、トリス−2,4,6−(1−アジリジニル)−1,3,5−トリアジン、トリス〔1−(2−メチル)−アジリジニル〕フォスフィンオキシド、ヘキサ〔1−(2−メチル)−アジリジニル〕トリフォスファトリアジン等が好適に挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ポリエーテルエステルのカルボキシ基と塩形成可能な2価以上の金属または金属化合物を構成する金属原子としては、特に限定されないが、具体的には、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウム、スカンジウム、イットリウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、テクネチウム、レニウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、銅、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、亜鉛、カドミウム、水銀、アルミニウム、珪素、ガリウム、ゲルマニウム、錫、鉛、タリウム、ビスマス、アンチモン、ポロニウム、テリウム、セレン、ランタノイド類、アクチノイド類等が挙げられる。好ましくは、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、亜鉛、アルミニウム、鉄、銅が、上記ポリエーテルエステルのカルボキシル基と塩形成し易いため、好ましい。
上記ポリエーテルエステルのカルボキシル基と塩形成可能な2価以上の金属または金属化合物は、該カルボキシ基と反応可能であれば、その化合物の形態は特に限定されない。例えば、金属単体、酸化物、カルボン酸塩、水酸化物、硫化物、リン酸塩、亜リン酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、塩酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、スルホン酸塩、炭酸塩、炭化物等が挙げられる。
上記架橋剤の含有量は、上記ポリエーテルエステルのカルボキシ基数Xに対する上記架橋剤の官能基数Yの比(Y/X)が、0.05〜1.5となるように調整されるのが好ましい。該比がこの範囲であると、適度な架橋密度が得られるため、機械的強度が得られ、種々の用途に要求される期間を満たす生体吸収性を有する。この特性により優れる点で、該比(Y/X)は、0.1〜1.0がより好ましく、0.2〜0.5が特に好ましい。
上記架橋剤と上記ポリエーテルエステルを反応させる方法としては、加熱処理や常温乾燥等の一般的架橋方法等が挙げられる。加熱処理を行う場合、その条件としては、特に限定されないが、40〜200℃で処理するのが好ましい。加熱温度がこの範囲であると、架橋反応が速やかに進行し、ポリエーテルエステルが分解することもない。この特性により優れる点で、より好ましくは40〜150℃である。
また、加熱処理時間は、加熱温度にもよるが、0.1〜8時間が好ましい。加熱処理時間がこの範囲であると、架橋反応が速やかに進行し、ポリエーテルエステルが分解することもない。この特性により優れる点で、加熱処理時間10分〜5時間がより好ましい。
また、加熱処理時間は、加熱温度にもよるが、0.1〜8時間が好ましい。加熱処理時間がこの範囲であると、架橋反応が速やかに進行し、ポリエーテルエステルが分解することもない。この特性により優れる点で、加熱処理時間10分〜5時間がより好ましい。
本発明の第1の態様の生体吸収性材料は、公知の方法(例えば、特開平9−52950号公報、特開2003−113240号公報等参照。)により製造することができる。
本発明のスポンジ状の生体吸収性材料の製造方法としては、例えば、上記ポリエーテルエステルをRO水に室温で溶解させてポリマー濃度約10質量%の水溶液を調製し、該水溶液10gをポリスチレンディシュ(50×50×25mm)上に展開し、凍結乾燥して残ったポリマー部分がスポンジ状の生体吸収性材料となる方法が好適に挙げられる。この方法において、RO水の代わりに、アルコール水溶液等ポリマーが溶解し、かつ減圧等により除去できる溶媒を用いてもよい。
本発明のスポンジ状の生体吸収性材料の製造方法としては、例えば、上記ポリエーテルエステルをRO水に室温で溶解させてポリマー濃度約10質量%の水溶液を調製し、該水溶液10gをポリスチレンディシュ(50×50×25mm)上に展開し、凍結乾燥して残ったポリマー部分がスポンジ状の生体吸収性材料となる方法が好適に挙げられる。この方法において、RO水の代わりに、アルコール水溶液等ポリマーが溶解し、かつ減圧等により除去できる溶媒を用いてもよい。
パウダー状の生体吸収性材料は、上述の合成反応により得られたポリエーテルエステルを解砕、あるいは粉砕して、必要であれば粒径調整を行い粒径の範囲を整えることにより取得できる。粒子径を小さくする為には、特に限定されないが、凍結粉砕、ミル粉砕および/または分級すればよい。解砕、粉砕後、篩い分けにより任意の粒度分布に調整することもできる。平均粒子径は特に限定されないが、平均粒子径数十nm〜数百μmが好ましい。得られたパウダー状物は、通常使用される方法によりペースト状、エアロゾルとして調製することができる。
また、一般にスピノーダル分解と呼ばれる原理を用いたケミカル粉砕法(例えば、特開平4−339828号公報参照。)によりパウダー状の生体吸収性材料を得ることができる。具体的には、例えば、上記ポリエーテルエステルを溶剤に加熱溶解混合させた後、冷却して析出した粉末を洗浄、乾燥、解砕、分級等を行い、平均粒径1μm〜150μmの粉体を得ることができる。より具体的には、キシレン等の溶剤を使用して80〜100℃にて加熱溶解させ、その後、その溶液を室温まで徐冷して、ポリエーテルエステルを析出させ、ヘキサンでキシレンを洗浄することによりパウダーを得ることができる。
本発明の第1の態様の生体吸収性材料の製造方法は、これに限定されず、原料中に架橋剤を混合し、水を除去した後、加熱等により架橋してもよい。また、水を除去した後、紫外線照射してポリエーテルエステル同士を架橋させてもよい。
本発明の第1の態様の生体吸収性材料は、製造中または製造後に、濾過滅菌、エチレンオキサイドガス滅菌等の方法により滅菌処理されて使用されるのが好ましい。濾過滅菌は、例えば、該生体吸収性材料を製造する際に、上記ポリエーテルエステルの水溶液を、市販されている濾過滅菌用フィルターに通過させることによって行なわれてもよい。エチレンオキサイドガス滅菌は、例えば、得られた生体吸収性材料を密閉容器に入れ、エチレンオキサイドガスを封入した後、所定の時間放置して行なわれてもよい。
本発明の第2の態様の生体吸収性材料は、ポリアルキレンオキサイドと、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物および多価カルボン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種とを反応させてなるポリエーテルエステルと、ラジカルトラップ剤とを含有する。
本発明の第2の態様の生体吸収性材料は、上述した第1の態様の生体吸収性材料に、さらにラジカルトラップ剤を含有すること以外は基本的に本発明の第1の生体吸収性材料と同様である。以下、ラジカルトラップ剤について詳細に説明する。
本発明の第2の態様の生体吸収性材料は、上述した第1の態様の生体吸収性材料に、さらにラジカルトラップ剤を含有すること以外は基本的に本発明の第1の生体吸収性材料と同様である。以下、ラジカルトラップ剤について詳細に説明する。
上述のように本発明の生体吸収性材料は、滅菌処理されて使用されるのが好ましい。しかし、滅菌処理工程において、生体吸収性材料の物性低下等が誘起されることがあるので、本発明の生体吸収性材料は、滅菌処理工程における物性の低下を抑制する耐滅菌処理性を有することが好ましい。
特に、γ線等の放射線や電子線等を利用した滅菌処理においては、ポリマーが分解されることがある。これは、ポリマーの励起分子および励起分子の安定化過程で生成したポリマーラジカルの開裂によって、または、生成したラジカルが酵素と反応することによって起こると考えられている。このような分解、酸化反応に関わるラジカルの生成を抑制することにより、材料の物性低下を抑制できる。ラジカルを不活性化できる配合剤(ラジカルトラップ剤)としては、電子・イオン捕捉剤、エネルギー移動剤、ラジカル捕捉剤、酸化防止剤等が挙げられる。
特に、γ線等の放射線や電子線等を利用した滅菌処理においては、ポリマーが分解されることがある。これは、ポリマーの励起分子および励起分子の安定化過程で生成したポリマーラジカルの開裂によって、または、生成したラジカルが酵素と反応することによって起こると考えられている。このような分解、酸化反応に関わるラジカルの生成を抑制することにより、材料の物性低下を抑制できる。ラジカルを不活性化できる配合剤(ラジカルトラップ剤)としては、電子・イオン捕捉剤、エネルギー移動剤、ラジカル捕捉剤、酸化防止剤等が挙げられる。
電子・イオン捕捉剤としては、N,N’−テトラメチルフェニレンジアミン等が挙げられ、これらは初期過程で生成する電子とイオンを不活性化するものである。
エネルギー移動剤としては、アセナフテン等が挙げられ、これらは励起種を不活性化するものである。
ラジカル捕捉剤としては、メルカプタン、オクタヒドロフェナントレン等が挙げられ、これらはラジカルを不活性化するものである。
酸化防止剤としては、L−アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、トコフェロール等が挙げられ、これらは酸化反応を防止するものである。
これらの中でも、生体に対する安全性の高いL−アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、トコフェロールが好ましい。特に、L−アスコルビン酸は水溶性であり生体吸収性を有するのでより好ましい。
エネルギー移動剤としては、アセナフテン等が挙げられ、これらは励起種を不活性化するものである。
ラジカル捕捉剤としては、メルカプタン、オクタヒドロフェナントレン等が挙げられ、これらはラジカルを不活性化するものである。
酸化防止剤としては、L−アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、トコフェロール等が挙げられ、これらは酸化反応を防止するものである。
これらの中でも、生体に対する安全性の高いL−アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、トコフェロールが好ましい。特に、L−アスコルビン酸は水溶性であり生体吸収性を有するのでより好ましい。
上記ラジカルトラップ剤の含有量は、上記ポリエーテルエステル100質量部に対して、0.5〜10質量部が好ましい。該含有量がこの範囲であれば、ラジカルトラップ剤としての機能を十分に果たすことができ、生体吸収性材料の機械的物性を低下させることがなく、生体吸収性材料の生体吸収性に与える影響が少ない。この特性により優れる点で、該含有量は1〜5質量部がより好ましい。
上記ラジカルトラップ剤は、上記ポリエーテルエステルまたはその水溶液に混合されて用いられてもよく、上記ポリエーテルエステルを製造する際に混合して、ポリエーテルエステル中に含有させてもよい。
具体的には、例えば、ポリエーテルエステル1gをRO水9gに溶解させた水溶液に、0.02gのL−アスコルビン酸を混合して用いられる。
具体的には、例えば、ポリエーテルエステル1gをRO水9gに溶解させた水溶液に、0.02gのL−アスコルビン酸を混合して用いられる。
本発明の第2の態様の生体吸収性材料は、ラジカルトラップ剤を含有することにより、γ線滅菌処理や電子線滅菌処理が可能である。
本発明の生体吸収性材料は、上述のように、所望の機械的強度を保持するのに十分な分子量であり、生理環境下で一定期間形状を保持した後、加水分解等の作用により分解されて速やかに適用箇所から消失することができ、さらに、分解された生体吸収性材料は、上記ポリアルキレンオキサイドと同等かそれより小さい分子量になることが可能であることより、腎臓や肝臓等の臓器に過剰に蓄積されることなく安全に体外に排出され得る。また、架橋密度を変化させることにより、生体に吸収されるまでの期間を調節することができ、種々の用途に応じた機械的物性(強度や柔軟性等)を得ることができる。さらに、ラジカルトラップ剤を含有することにより、γ線または電子線等で滅菌処理を行うことができる。
以下、実施例に従って本発明をより詳細に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ポリエーテルエステルとしてPX3−EH1000A(酸価8.4KOHmg/g、重量平均分子量220,000、日本触媒(株)製)1gを、RO水9gに室温で溶解させてポリマー濃度10質量%水溶液を調製した。該水溶液約10gをポリスチレンディシュ(50×50×25mm)に展開した。次に、凍結乾燥機(LYOFLEX04、Edwards社製)を用いて−40℃に冷却して凍結させたまま、6.7Paに減圧して水分を蒸発させた。これにより、ポリエーテルエステルスポンジ状物A(密度100g/cm3)を作製した。
(実施例1)
ポリエーテルエステルとしてPX3−EH1000A(酸価8.4KOHmg/g、重量平均分子量220,000、日本触媒(株)製)1gを、RO水9gに室温で溶解させてポリマー濃度10質量%水溶液を調製した。該水溶液約10gをポリスチレンディシュ(50×50×25mm)に展開した。次に、凍結乾燥機(LYOFLEX04、Edwards社製)を用いて−40℃に冷却して凍結させたまま、6.7Paに減圧して水分を蒸発させた。これにより、ポリエーテルエステルスポンジ状物A(密度100g/cm3)を作製した。
(実施例2)
ポリエーテルエステルとしてPX3−EH1000A(酸価8.4KOHmg/g、重量平均分子量220,000、日本触媒(株)製)1gをRO水9gに室温で溶解させてポリマー濃度10質量%水溶液を調製した。該水溶液に、架橋剤としてエポクロスWS−700(オキサゾリン基当量4.54mmol/g、固形分25質量%、日本触媒(株)製)0.027gを添加して、室温で1時間撹拌した。得られた水溶液約10gを、実施例1と同様にポリスチレンディシュに展開して凍結乾燥を行った。凍結乾燥後、得られたスポンジ状物を50℃で3時間の加熱処理を行った。これにより、ポリエーテルエステルのカルボキシ基と架橋剤とを反応させてなる架橋構造を有するポリエーテルエステルスポンジ状物B(密度100mg/cm3)を作製した。なお、上記ポリエーテルエステルのカルボキシ基数Xに対する上記架橋剤の官能基数Yの比(Y/X)は、0.2であった。
ポリエーテルエステルとしてPX3−EH1000A(酸価8.4KOHmg/g、重量平均分子量220,000、日本触媒(株)製)1gをRO水9gに室温で溶解させてポリマー濃度10質量%水溶液を調製した。該水溶液に、架橋剤としてエポクロスWS−700(オキサゾリン基当量4.54mmol/g、固形分25質量%、日本触媒(株)製)0.027gを添加して、室温で1時間撹拌した。得られた水溶液約10gを、実施例1と同様にポリスチレンディシュに展開して凍結乾燥を行った。凍結乾燥後、得られたスポンジ状物を50℃で3時間の加熱処理を行った。これにより、ポリエーテルエステルのカルボキシ基と架橋剤とを反応させてなる架橋構造を有するポリエーテルエステルスポンジ状物B(密度100mg/cm3)を作製した。なお、上記ポリエーテルエステルのカルボキシ基数Xに対する上記架橋剤の官能基数Yの比(Y/X)は、0.2であった。
(実施例3)
実施例2において、架橋剤(WS−700)が0.027gのところを0.068gに変更した以外は、実施例2と同様に作製し、ポリエーテルエステルのカルボキシ基と架橋剤とを反応させてなる架橋構造を有するポリエーテルエステルスポンジ状物C(密度100mg/cm3)を作製した。なお、上記ポリエーテルエステルのカルボキシ基数Xに対する上記架橋剤の官能基数Yの比(Y/X)は、0.5であった。
実施例2において、架橋剤(WS−700)が0.027gのところを0.068gに変更した以外は、実施例2と同様に作製し、ポリエーテルエステルのカルボキシ基と架橋剤とを反応させてなる架橋構造を有するポリエーテルエステルスポンジ状物C(密度100mg/cm3)を作製した。なお、上記ポリエーテルエステルのカルボキシ基数Xに対する上記架橋剤の官能基数Yの比(Y/X)は、0.5であった。
(実施例4)
実施例2において、架橋剤(WS−700)が0.027gのところを0.136gに変更した以外は、実施例2と同様に行い、ポリエーテルエステルのカルボキシ基と架橋剤とを反応させてなる架橋構造を有するポリエーテルエステルスポンジ状物D(密度100mg/cm3)を作製した。なお、上記ポリエーテルエステルのカルボキシ基数Xに対する上記架橋剤の官能基数Yの比(Y/X)は、1.0であった。
実施例2において、架橋剤(WS−700)が0.027gのところを0.136gに変更した以外は、実施例2と同様に行い、ポリエーテルエステルのカルボキシ基と架橋剤とを反応させてなる架橋構造を有するポリエーテルエステルスポンジ状物D(密度100mg/cm3)を作製した。なお、上記ポリエーテルエステルのカルボキシ基数Xに対する上記架橋剤の官能基数Yの比(Y/X)は、1.0であった。
(実施例5)
実施例1で作製したポリエーテルエステルスポンジ状物Aに、高圧水銀灯(卓上型光表面処理装置PL16−110、セン特殊光源社製)を用いて紫外線照射を10秒間行い、ポリエーテルエステル主鎖間の共有結合を介してなる架橋構造を有するポリエーテルエステルスポンジ状物E(密度100mg/cm3)を作製した。
実施例1で作製したポリエーテルエステルスポンジ状物Aに、高圧水銀灯(卓上型光表面処理装置PL16−110、セン特殊光源社製)を用いて紫外線照射を10秒間行い、ポリエーテルエステル主鎖間の共有結合を介してなる架橋構造を有するポリエーテルエステルスポンジ状物E(密度100mg/cm3)を作製した。
(実施例6)
実施例2と同様に調製したPX3−EH1000Aと架橋剤(WS−700)からなる水溶液に、酸化防止剤としてL−アスコルビン酸(和光純薬工業社製)0.02gを添加した以外は、実施例2と同様に行い、ポリエーテルエステルのカルボキシ基と架橋剤とを反応させてなる架橋構造を有するポリエーテルエステルスポンジ状物を得た。それにγ線照射(25kGy)を行った。γ線照射後も十分に取扱い可能な機械的強度を有するγ線滅菌処理されたポリエーテルエステルスポンジ状物F(密度100mg/cm3)を作製した。
実施例2と同様に調製したPX3−EH1000Aと架橋剤(WS−700)からなる水溶液に、酸化防止剤としてL−アスコルビン酸(和光純薬工業社製)0.02gを添加した以外は、実施例2と同様に行い、ポリエーテルエステルのカルボキシ基と架橋剤とを反応させてなる架橋構造を有するポリエーテルエステルスポンジ状物を得た。それにγ線照射(25kGy)を行った。γ線照射後も十分に取扱い可能な機械的強度を有するγ線滅菌処理されたポリエーテルエステルスポンジ状物F(密度100mg/cm3)を作製した。
(実施例7〜12)
実施例1〜6において、ポリエーテルエステルとして用いたPX3−EH1000A(日本触媒(株)製)を、PX3−EH1000N(カルボキシ基が部分中和塩タイプ、重量平均分子量220,000、日本触媒(株)製)に変更した以外は、実施例1〜6と同様に行い、ポリエーテルエステルスポンジ状物G〜Lを作製した。
実施例1〜6において、ポリエーテルエステルとして用いたPX3−EH1000A(日本触媒(株)製)を、PX3−EH1000N(カルボキシ基が部分中和塩タイプ、重量平均分子量220,000、日本触媒(株)製)に変更した以外は、実施例1〜6と同様に行い、ポリエーテルエステルスポンジ状物G〜Lを作製した。
(実施例13、14)
実施例1、2で得られたポリエーテルスポンジ状物A、Bをシート上部より圧縮して、圧縮シートA、Bを作製した。得られた圧縮シートのシート単位面積あたりの材料重量は、ともに約40mg/cm2であった。なお、表1中密度の欄の値は、得られた圧縮シートのシート単位面積あたりの材料重量である。
実施例1、2で得られたポリエーテルスポンジ状物A、Bをシート上部より圧縮して、圧縮シートA、Bを作製した。得られた圧縮シートのシート単位面積あたりの材料重量は、ともに約40mg/cm2であった。なお、表1中密度の欄の値は、得られた圧縮シートのシート単位面積あたりの材料重量である。
(実施例15、16)
100mlフラスコに重量平均分子量20,000のポリエチレングリコール(PEG)10gおよび無水コハク酸0.2gを仕込み、4時間、大気圧下、150℃で反応を行い、ポリエーテルポリエステル(重量平均分子量は140,000)を得た。実施例1、2において、ポリエーテルエステルとして用いたPX3−EH1000Aを本実施例で得られたポリエーテルエステルに変更した以外は、実施例1、2と同様に行い、それぞれポリエーテルエステルスポンジ状物M(密度100mg/cm3)およびN(密度100mg/cm3)を作製した。
100mlフラスコに重量平均分子量20,000のポリエチレングリコール(PEG)10gおよび無水コハク酸0.2gを仕込み、4時間、大気圧下、150℃で反応を行い、ポリエーテルポリエステル(重量平均分子量は140,000)を得た。実施例1、2において、ポリエーテルエステルとして用いたPX3−EH1000Aを本実施例で得られたポリエーテルエステルに変更した以外は、実施例1、2と同様に行い、それぞれポリエーテルエステルスポンジ状物M(密度100mg/cm3)およびN(密度100mg/cm3)を作製した。
(比較例1)
実施例2において、架橋剤(WS−700)が0.027gのところを0.680gに変更した以外は、実施例2と同様に行い、ポリエーテルエステルのカルボキシ基と架橋剤とを反応させてなる架橋構造を有するポリエーテルエステルスポンジ状物Oを作製した。なお、上記ポリエーテルエステルのカルボキシ基数Xに対する上記架橋剤の官能基数Yの比(Y/X)は、5.0であった。後述する生体適合性評価の結果が「×」であるのは、架橋剤として使用したWS700が過剰量混入した結果、遊離のWS700が多いためである。
実施例2において、架橋剤(WS−700)が0.027gのところを0.680gに変更した以外は、実施例2と同様に行い、ポリエーテルエステルのカルボキシ基と架橋剤とを反応させてなる架橋構造を有するポリエーテルエステルスポンジ状物Oを作製した。なお、上記ポリエーテルエステルのカルボキシ基数Xに対する上記架橋剤の官能基数Yの比(Y/X)は、5.0であった。後述する生体適合性評価の結果が「×」であるのは、架橋剤として使用したWS700が過剰量混入した結果、遊離のWS700が多いためである。
次に、上記のポリエーテルエステルスポンジ状物A〜Oについて、それぞれ生体吸収性および生体適合性の試験を下記のように行った。
(1)生体吸収性(局所消失性および体外排出性)評価
上記のポリエーテルエステルスポンジ状物約1gを、37℃の生理食塩水(pH4〜8)100g中に入れて、ローターミキサーで混合し、1日、7日、14日、30日および90日経過後に、ポリエーテルエステルスポンジ状物の残存状態を目視により観察し、局所消失性評価を行った。評価結果は、残存性を3段階にクラス分けして、「−」は残存が無い透明な水溶液、「+」は少々残存、「++」はほとんど残存とした。結果を表1に示す。
また、実施例2のポリエーテルエステルスポンジ状物が分解し、目視で透明になった状態の水溶液を使用して、加速経時変化試験として、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を使用して、水溶液のpHを9.0に調整して、室温で24時間、ミックスローターで混合した。得られた水溶液中のポリエーテルエステルの分解物の重量平均分子量を測定したところ、初期の220,000より分解が進み、25,000であった。
(1)生体吸収性(局所消失性および体外排出性)評価
上記のポリエーテルエステルスポンジ状物約1gを、37℃の生理食塩水(pH4〜8)100g中に入れて、ローターミキサーで混合し、1日、7日、14日、30日および90日経過後に、ポリエーテルエステルスポンジ状物の残存状態を目視により観察し、局所消失性評価を行った。評価結果は、残存性を3段階にクラス分けして、「−」は残存が無い透明な水溶液、「+」は少々残存、「++」はほとんど残存とした。結果を表1に示す。
また、実施例2のポリエーテルエステルスポンジ状物が分解し、目視で透明になった状態の水溶液を使用して、加速経時変化試験として、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を使用して、水溶液のpHを9.0に調整して、室温で24時間、ミックスローターで混合した。得られた水溶液中のポリエーテルエステルの分解物の重量平均分子量を測定したところ、初期の220,000より分解が進み、25,000であった。
(2)生体適合性評価
SD系ラット(Jcl:SD、日本クレア社製)をネンブタール(日本ダイナボット社製)筋注により全身麻酔した後、背部を剃毛し、正中線に沿って切開と皮下左右に切開して皮下ポケットを作製し、続いてポリエーテルエステルスポンジ状物(約1cm×1cm)を挿入して、最後に切開部の縫合を行った。埋植7日後に剖検を行い、ポリエーテルエステルスポンジ状物の埋植部位周辺の組織観察所見により、生体適合評価を行った。評価結果は、炎症なしを「○」、炎症ありを「×」とした。
SD系ラット(Jcl:SD、日本クレア社製)をネンブタール(日本ダイナボット社製)筋注により全身麻酔した後、背部を剃毛し、正中線に沿って切開と皮下左右に切開して皮下ポケットを作製し、続いてポリエーテルエステルスポンジ状物(約1cm×1cm)を挿入して、最後に切開部の縫合を行った。埋植7日後に剖検を行い、ポリエーテルエステルスポンジ状物の埋植部位周辺の組織観察所見により、生体適合評価を行った。評価結果は、炎症なしを「○」、炎症ありを「×」とした。
(3)生体吸収性(局所消失性)評価
(2)の生体適合性評価と同様にラットにポリエーテルエステルスポンジ状物を埋植、経日的(埋植後1日、7日、14日、30日)に剖検を行い、埋植部位におけるポリエーテルエステルスポンジ状物の残存状態を目視により観察し、生体吸収性評価を行った。評価結果は、残存性を3段階にクラス分けして、「−」は残存なし、「+」は少々残存、「++」はほとんど残存とした。結果を表1に示す。
(2)の生体適合性評価と同様にラットにポリエーテルエステルスポンジ状物を埋植、経日的(埋植後1日、7日、14日、30日)に剖検を行い、埋植部位におけるポリエーテルエステルスポンジ状物の残存状態を目視により観察し、生体吸収性評価を行った。評価結果は、残存性を3段階にクラス分けして、「−」は残存なし、「+」は少々残存、「++」はほとんど残存とした。結果を表1に示す。
Claims (12)
- ポリアルキレンオキサイドと、
多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物および多価カルボン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種とを反応させてなるポリエーテルエステルよりなる生体吸収性材料。 - ポリアルキレンオキサイドと、
多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物および多価カルボン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種とを反応させてなるポリエーテルエステルと、
ラジカルトラップ剤とを含有する生体吸収性材料。 - 多孔質材であって、該多孔質材と同一の組成である非多孔質材より小さい密度を有する請求項1または2に記載の生体吸収性材料。
- 形状が、シート状、スポンジ状またはパウダー状である請求項1〜3のいずれかに記載の生体吸収性材料。
- 前記ポリアルキレンオキサイドの重量平均分子量が、5,000〜50,000である請求項1〜4のいずれかに記載の生体吸収性材料。
- 前記ポリエーテルエステルの重量平均分子量が、50,000〜500,000である請求項1〜5のいずれかに記載の生体吸収性材料。
- 前記ポリエーテルエステルの分子間に、さらに架橋構造を有する請求項1〜6のいずれかに記載の生体吸収性材料。
- 前記架橋構造が、前記ポリエーテルエステル主鎖間の共有結合を介してなることを特徴とする請求項7に記載の生体吸収性材料。
- 前記架橋構造が、前記ポリエーテルエステルのカルボキシ基と架橋剤とを反応させてなることを特徴とする請求項7に記載の生体吸収性材料。
- 前記架橋剤がオキサゾリン化合物類である請求項9に記載の生体吸収性材料。
- 前記ポリエーテルエステルのカルボキシ基数Xに対する前記架橋剤の官能基数Yの比(Y/X)を、0.05〜1.5として反応させてなる請求項9または10に記載の生体吸収性材料。
- 滅菌処理されることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の生体吸収性材料。
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---|---|---|---|---|
JP2012533409A (ja) * | 2009-07-23 | 2012-12-27 | ケンドール、 アール. ウォーターズ、 | 一体化された心エコー検査能力をもった心室内注入カテーテルシステム |
WO2017149897A1 (ja) * | 2016-02-29 | 2017-09-08 | 川澄化学工業株式会社 | 癒着防止材 |
JP2021172684A (ja) * | 2020-04-20 | 2021-11-01 | 三洋化成工業株式会社 | ポリエーテル組成物の製造方法及びポリエーテル組成物 |
-
2004
- 2004-02-13 JP JP2004037261A patent/JP2005224445A/ja not_active Withdrawn
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WO2017149584A1 (ja) * | 2016-02-29 | 2017-09-08 | 川澄化学工業株式会社 | 癒着防止材 |
JP2021172684A (ja) * | 2020-04-20 | 2021-11-01 | 三洋化成工業株式会社 | ポリエーテル組成物の製造方法及びポリエーテル組成物 |
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