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JP2005220627A - 削岩機搭載台車における穿孔位置決め制御方法 - Google Patents

削岩機搭載台車における穿孔位置決め制御方法 Download PDF

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JP2005220627A JP2004030057A JP2004030057A JP2005220627A JP 2005220627 A JP2005220627 A JP 2005220627A JP 2004030057 A JP2004030057 A JP 2004030057A JP 2004030057 A JP2004030057 A JP 2004030057A JP 2005220627 A JP2005220627 A JP 2005220627A
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Hitoshi Namura
均 名村
Hidenaga Takaya
英永 高屋
Minoru Hayashi
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Abstract

【課題】穿孔位置決め制御に係り、視準ターゲットを視準出来なくても穿孔作業に支障を来すことがなく、作業効率及び位置決め精度の向上を図る。
【解決手段】穿孔前又は穿孔中断時に、ドリルジャンボ1の座標及び姿勢状態を既知とした状態で、予め計画された穿孔パターンに従った移動順により、前記削岩機13のビット13aを、前記制御器2に設定された穿孔位置決め用演算座標データに基づいて各計画穿孔点iに順次移動させるとともに、各計画穿孔点iに停止させた状態で前記ガイドシェル12に設けた視準ターゲット8を前記測量機器4によって測量し、この測量に基づいて前記削岩機13のビット位置を測量座標として取得し、前記穿孔位置決め用演算座標データによる各計画穿孔点iの演算座標と、前記実測された各測量座標とを比較し、その差分を各計画穿孔点i毎に複合誤差として設定し、この複合誤差を演算座標の修正量とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、削岩機搭載台車(ドリルジャンボ)を用いたトンネル掘削等において、自動で精度良く削岩機のビットを穿孔位置まで移動制御するための穿孔位置決め制御方法に関する。
ドリルジャンボを用いた穿孔作業に係り、従来は、切羽断面上の穿孔位置に対してレーザー光を照射し、手作業によるマーキングを行っていたが、近年はトンネル掘削作業の自動化、作業の省力化等の要請に従って、削岩機を支持するガイドシェル、ブームの各関節に各種のセンサー(回転角センサ、変位センサ、近接センサ等)を取付けて、ドリルジャンボの基準点の位置を基に各関節の移動量、角度のデータをコンピュータにて演算処理を行い、削岩機の位置決め座標を算出するとともに、ガイドシェル、ブームを作動させるサーボ機構により、前記位置決め座標まで削岩機を自動的に移動させる穿孔位置決め制御方法が採用されるようになってきた。
前記サーボ機構を用いた穿孔位置決め制御システムにおいては、各ブーム、センサーの固有の誤差、たわみ、また稼働期間に応じて漸次増大していくピン、ブッシュの摩耗によるガタを含んだものとなり、設定された位置決め座標どおりに削岩機を位置決めしても実際には精度良く削岩機を位置決めできないことが多いため、近年は前記穿孔位置決め制御システムに関しても種々の改良が試みられ、精度向上が図られている。例えば、下記特許文献1では、ドリルジャンボを用いたトンネル掘削による穿孔作業において、省力化と高精度のトンネル掘削を実現するために、台車後方とさく岩機にレーザーターゲットを設け、トンネル抗口側に設置した測量器を用いてドリルジャンボの位置座標を計測し、次に削岩機に設置した視準ターゲットを連続的に視準してその位置を検出し、前記視準ターゲットの位置情報に基づく制御信号により削岩機のサーボ機構を介して削岩機を自動的に動作させ、予め計算された切羽面上の穿孔位置に削岩のビットを誘導して位置決めする穿孔位置決め制御方法が開示されている。
また、下記特許文献2では、削岩機の後方に設置されたレーザービーム照射機構を内蔵する自動追尾式測量機と、ガイドシェルの自動位置決め又は位置表示を行う制御装置と前記測量機との間で交信する通信機と、前記制御装置で設定された削岩機のビット位置の位置データを前記通信機を介して測量機へ送信し、前記位置データに基づいてレーザービームを前記測量機から照射させ、前記レーザービームの照射位置と削岩機のビット位置とのずれが生じているとき、前記レーザービームの照射位置と削岩機のビット位置とを一致させるために要する移動量に基づいて、穿孔位置決めの修正を行う修正手段とを備えたさく岩機の穿孔位置決めの修正装置が提案されている。この場合、前記修正移動量は、測量器が照射した穿孔位置座標に対して、ビットの座標がずれているとき、制御装置を手動モードに切り換えてオペレーターが、測量器から照射したレーザー光位置に削岩機のビットが一致するまで移動させ、この移動量を計測することにより設定される。
特開平5−156885号公報 特開2003−314181号公報
しかしながら、前記特許文献1の場合は、穿孔点から次の穿孔点に削岩機を移動させる際、常にトンネル坑口側に設置した測量器からガイドシェル後端に取り付けた視準ターゲットを視認できることが条件となり、一時的にでも視準ターゲットと測量器との間に障害物が存在し視準できない場合にはブームの移動をおこなう事ができないとともに、レーザーの自動追尾機能によるレーザー光の移動速度と、削岩機の移動速度がほぼ同じである必要があるため作業性が悪いなどの問題があった。
一方、前記特許文献2の場合は、修正移動量は、測量器が照射した穿孔位置座標に対して、削岩機ビットの座標がずれているとき、制御装置を手動モードに切り換えてオペレーターが、測量器の照射したレーザー光にビットが一致するまで移動させるものであり、この手動操作による削岩機移動に多くの時間と手間が掛かるとともに、穿孔作業工程と同時には行えず、別工程となるため作業効率が悪くトンネル掘進工程が遅延する原因となる。また、レーザー光照射位置に削岩機ビットを移動するに当たり、人間の勘に頼る部分が大きく、かつ測量器からのレーザー光と削岩機のビットが一致しているか否かをトンネル現場内の切羽で確認する事は非常に困難であるとともに、一致させたとしても数cm〜数十cmの誤差が残ることが多く、精度が向上しない等の問題があった。
そこで本発明の主たる課題は、視準ターゲットを視準出来なくても穿孔作業に支障を来すことがなく、かつオペレーターによる手動操作部分を無くし、作業効率及び位置決め精度の向上を図り得るようにするとともに、通常の掘削時には、オペレーターが誤差修正を特に意識することなく、自動化された穿孔作業に専念できるようにすることで、穿孔作業を省力化することにある。
前記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、走行可能な台車に対して、多関節ブームを介して、削岩機を搭載したガイドシェルを支持し、前記多関節ブーム及びガイドシェルの可動部分に各種センサーを取り付け、これら各種センサによる計測データに基づいて位置情報を得るとともに、サーボ機構により前記削岩機を所定の穿孔位置に移動させる制御器を備えた削岩機搭載台車における穿孔位置決め制御方法であって、
少なくとも前記削岩機搭載台車の後部と、前記ガイドシェル又は削岩機と夫々視準ターゲットを設置するとともに、前記削岩機搭載台車の後方側に前記視準ターゲットの座標を測定可能な測量機器を設置し、
穿孔前又は穿孔中断時に、前記削岩機搭載台車の座標及び姿勢状態を既知とした状態で、予め計画された穿孔パターンに従った移動順により、前記削岩機のビットを、前記制御器に設定された穿孔位置決め用演算座標データに基づいて各計画穿孔点に順次移動させるとともに、各計画穿孔点に停止させた状態で前記ガイドシェル又は削岩機に設けた視準ターゲットを前記測量機器によって測量し、この測量に基づいて前記削岩機のビット位置を測量座標として取得し、前記穿孔位置決め用演算座標データによる各計画穿孔点の演算座標と、前記実測された各測量座標とを比較し、その差分を各計画穿孔点毎に複合誤差として設定し、
以降、予め計画された穿孔パターンに従った移動順により前記削岩機のビットを各計画穿孔点に順次移動させる際に、前記演算座標に対し前記複合誤差を移動補正量として加算することを特徴とする削岩機搭載台車における穿孔位置決め制御方法が提供される。
上記請求項1記載の本発明においては、例えば穿孔に先立ち又は穿孔中断時において、予め計画された穿孔パターンに従った移動順により、前記削岩機のビットを、前記制御器に設定された穿孔位置決め用演算座標データに基づいて各計画穿孔点に順次移動させる。この際、各計画穿孔点において、前記測量機器によりガイドシェル又は削岩機に設置された視準ターゲットを視準することにより、当該座標を得て、削岩機のビット位置座標を割り出し、測量座標を得る。そして、前記穿孔位置決め用演算座標データによる各計画穿孔点の演算座標と、前記実測された各測量座標とを比較し、各穿孔位置毎にその差分を複合誤差として設定し、以降はこの複合誤差を移動補正量として加算し、削岩機を各計画穿孔点に移動させるようにする。このように、本発明においては、移動補正量が事前に、各計画穿孔点毎に複合誤差として設定されるため、視準ターゲットを視準出来なくても穿孔作業に支障を来すことがなく、かつオペレーターによる手動操作部分が無くなるため、作業効率及び位置決め精度の向上を図り得るようになる。また、オペレーターは、誤差修正を特に意識することなく、自動化された穿孔作業に専念できるようになるため作業が省力化されるようになる。ところで、前記「複合誤差」とは、センサーの誤差、ピン、ブッシュのガタ、ブームの撓み等のすべての誤差を総合的に含んだ誤差である。
請求項2に係る本発明として、前記削岩機搭載台車の後部に、水平方向に離間するとともに、上下方向に高さを異ならせた2つの視準ターゲットを設定し、この2つの視準ターゲットを測量することにより、前記削岩機搭載台車の座標を取得するとともに、その姿勢状態を取得する請求項1記載の削岩機搭載台車における穿孔位置決め制御方法が提供される。
上記請求項2記載の本発明においては、前記削岩機搭載台車の座標及び姿勢状態を把握するために、削岩機搭載台車の後部に、水平方向に離間するとともに、上下方向に高さを異ならせた2つの視準ターゲットを設定し、これらを測量することにより、削岩機搭載台車の座標及び姿勢状態を求めるようにしている。削岩機搭載台車の座標及び姿勢状態を知るには、幾つかの方法が存在するが、本方法の場合には、2つの視準ターゲットの測量のみの作業で、削岩機搭載台車の座標及び姿勢状態を求めることが可能である。
請求項3に係る本発明として、前記ガイドシェルに設置される視準ターゲットは、該ガイドシェルの前部、中間部及び後部のいずれかまたは組合せ位置に設置するようにし、前記削岩機に設置される視準ターゲットは該削岩機の後部に設置するようにする請求項1記載の削岩機搭載台車における穿孔位置決め制御方法が提供される。
上記請求項3記載の本発明においては、各計画穿孔点に移動された削岩機のビット位置座標を測量によって取得するにあたり、視準ターゲットの設置点を前記ガイドシェルに設置する場合にはその前部、中間部及び後部のいずれかまたは組合せ位置に設置するようにするか、前記削岩機に設置する場合にはその後部とするものである。ガイドシェル又は削岩機に設けた少なくとも1点の視準ターゲットを測量し、この測量点の座標に基づき演算によって削岩機のビット位置座標を求めることが可能である。なお、削岩機に視準ターゲットを設ける場合には、削岩機がガイドシェルに沿って前後に移動するため、センサーにより位置を把握しておく必要がある。
請求項4に係る本発明として、各計画穿孔点毎にその差分を複合誤差として設定することに代えて、各ゾーン毎に複合誤差を設定する請求項1〜3いずれかに記載の削岩機搭載台車における穿孔位置決め制御方法が提供される。
基本的には各計画穿孔点毎に複合誤差を設定するのが望ましいが、任意のグループ分けされたゾーン毎に前記複合誤差を設定するようにしてもよい。
請求項5に係る本発明として、発破後に前記測量機器により掘削断面形状の計測を行うとともに、計画掘削断面と比較し、トンネル半径方向の差分を断面修正補正値として設定し、次回掘削時に前記演算座標を前記断面修正補正値により基づいて修正することにより、余掘又はアタリを低減する請求項1〜4いずれかに記載の削岩機搭載台車における穿孔位置決め制御方法が提供される。
以上詳説のとおり本発明によれば、視準ターゲットを視準出来なくても穿孔作業に支障を来すことがなく、かつオペレーターによる手動操作部分を無くしたため、作業効率及び位置決め精度の向上を図り得るようになる。また、通常の掘削時には、オペレーターが誤差修正を特に意識することなく、自動化された穿孔作業に専念できるようになるため、作業効率が向上するようになる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
《穿孔位置決め制御システムを備えたドリルジャンボ》
ドリルジャンボ1は、走行可能な台車14に対して、多関節ブーム11を介して、削岩機13を搭載したガイドシェル12を支持した構造の穿孔重機であり、前記多関節ブーム11及びガイドシェル12の可動部分に各種センサーを取り付け、これら各種センサによる計測データに基づいて位置情報を得るとともに、サーボ機構により前記削岩機13(ビット13a)を所定の穿孔位置に移動させる制御器2を備えている。
具体的には、図3に示されるように、前記多関節ブーム、ガイドシェル及び削岩機からなる穿孔装置10は、台車14の基台15上にブーム台16を旋回軸17によって枢着し、このブーム台16に伸縮ブーム18の基端を俯仰軸19によって枢着している。伸縮ブーム18は基端ブーム18Aと先端ブーム18Bとからなり、先端ブーム18Bが基端ブーム18Aに対して伸縮自在にスライドするようになっている。前記基台15とブーム台16との間には旋回用油圧シリンダ20、伸縮ブーム18の基端ブーム18Aとブーム台16との間には俯仰用油圧シリンダ21が設けられており、これによって伸縮ブーム18は、旋回、俯仰可能となっている。
先端ブーム18Bの先端部には、チルトボデイ22がチルト軸23によって枢着され、先端ブーム18Bとの間にチルト用油圧シリンダ24を設けチルト可能になっている。チルトボデイ22には、スイングボデイ25がスイング軸26によって枢着され、チルトボデイ22との間にスイング用油圧シリンダ(図示略)を設けてスイング可能になっている。スイングボデイ25にはガイドロータリ27が設けられており、ロータリ軸28を中心としてローテーション可能になっている。ガイドロータリ27には、マウント軸30でガイドマウンチング29が支持され、このガイドマウンチング29でガイドシェル12を前後スライド可能に支承している。ガイドシェル12には、先端にビット13aを取付けたロッド13bが挿着されている削岩機13が搭載されており、削岩機13は前後方向への送りが与えられて切羽Sの岩盤に穿孔する。
このドリルジャンボの伸縮ブーム18の旋回軸17、俯仰軸19、チルト軸23、スイング軸26、ロータリ軸28、及び伸縮ブーム18、ガイドマウンチング29、ガイドシェル12のスライド部の各可動部分には、その作動量を検出するための検出器(図示略)が設置されており、旋回角θ1 、俯仰角θ2 、チルト角θ3 、スイング角θ4 、ロータリ角θ5 、ブームスライド長L1 、ガイドスライド長L2 、さく岩機フィード長L3 が検出されるようになっている。
このドリルジャンボ1において、削岩機13を搭載したガイドシェル12及びガイドシェル12をガイドマウンチング29で支承する伸縮ブーム18からなる穿孔装置10の作動の基準点は、ブーム台16の旋回軸17上にある(基準点Jとする)。
図1に示すように、このドリルジャンボ1にはコンピュータを用いた制御装置2と無線通信機3が搭載されている。制御装置2は、予め計画された穿孔パターンに従った位置決め用演算座標データが入力されており、サーボ機構により各可動部分のアクチュエーターを作動させ、自動的に削岩機13のビット13aを順番に各計画穿孔点に対して位置決めする。この際、削岩機13の基準点Jに対するビット13a先端の座標は、前記検出器の各検出値(θ1 ,θ2 ,θ3 ,θ4 ,θ5,L1 ,L2 ,L3 )の関数Fとして、また、削岩機13の基準方向に対するガイドシェル12の方向は検出値(θ1 ,θ2 ,θ3 ,θ4 ,θ5 )の関数Gとして制御装置2のコンピュータで演算し求められる。
《穿孔位置決め制御の修正方法》
背景技術の欄で説明したように、従来のサーボ機構を用いた穿孔位置決め制御システムのみの場合には、各ブーム、センサーの固有の誤差、たわみ、また稼働期間に応じて漸次増大していくピン、ブッシュの摩耗によるガタを含んだ位置決め座標となるため、精度の高いトンネル掘削が期待できなかった。
そこで、本発明においては、各穿孔位置毎に対して、前記誤差原因を総括的に含んだ補正値(以下、複合誤差)を設定し、精度良く削岩機13のビット13aを各計画穿孔点に位置決めするようにしている。
以下、この穿孔位置決め制御の修正方法について具体的に詳述する。
前記ドリルジャンボ1に対しては、その後部2箇所に視準ターゲット7A、7Bを設置するとともに、前記ガイドシェル12の所定位置、具体的にはガイドシェルの前部、中間部及び後部(図示例では後部に設置)のいずれかまたは組合せ位置に設置するように視準ターゲット8を設置する。そして、前記ドリルジャンボ1の後方側に前記視準ターゲット7A、7B、8の座標を測定可能な測量機器4を設置する。また、前記測量機器4には無線通信機5が接続され、前記ドリルジャンボ1の制御器2に接続された無線通信機3と通信可能になっているとともに、前記無線通信機5にはコンピューター6が接続され、該コンピューター6の情報も前記制御器2と無線通信機3,5を介して送受信可能となっている。なお、前記制御器2と測量機器4,コンピューター6との通信は有線によって行ってもよい。
先ず最初に、前記ドリルジャンボ1は、切羽S手前に定位させることになるが、穿孔パターンは切羽S上に設定されるので、コンピュータ制御により自動的に削岩機13を位置決めし穿孔を行うためには、ドリルジャンボ1を切羽S付近に設置した後、穿孔開始前に、切羽Sに対するドリルジャンボ1の基準点Jの位置を制御装置2に入力しておく必要がある。また、ドリルジャンボ1の台車14を穿孔の基準方向と正しく一致する方向に設置することは困難であるので、穿孔の基準方向に対するドリルジャンボ1の基準方向のずれを予め制御装置2に入力し、穿孔位置決め用座標データを穿孔前に補正する必要がある。
具体的にドリルジャンボ1の基準点Jの座標および穿孔基準方向に対するズレを把握するには、図1に示される例では、前記ドリルジャンボ1の後部に設置した2つの視準ターゲット7A、7Bを、ドリルジャンボ1の後方側に設置した測量機器(例えば、トータルステーション)により視準し、前記視準ターゲット7A、7Bの座標を求めることにより行う。この場合、前記ドリルジャンボ1の後部に設置した2つの視準ターゲット7A、7Bは、水平方向に離間するとともに、上下方向に高さを異ならせて設置することにより、ドリルジャンボ1の設置座標とともに、ドリルジャンボ1の姿勢状態(ロール角、ピッチ角、ヨー角)を知ることが可能となる。なお、前記ドリルジャンボ1の位置及び姿勢は、後部に1つの視準ターゲットを設置するとともに、3軸角度センサーを機体に取り付け、前記視準ターゲットにより座標を取得し、かつ前記3軸角度センサーにより姿勢状態を把握するようにしてもよい。
前記ドリルジャンボ1の座標及び姿勢状態を既知としたならば、穿孔前又は穿孔中断時に、図4のフロー図に示されるように、予め計画された穿孔パターンに従った移動順により、前記削岩機13のビット13aを、前記制御器2に設定された穿孔位置決め用演算座標データに基づいて各計画穿孔点(X、Y、Z)(以下、演算座標という。)に順次移動させる(図2参照)。この際、それぞれの計画穿孔点iに向けて削岩機13のビット13aを移動し、計画穿孔点iに到達したならば、移動終了の信号を制御器2が発信し、測量機器4側にてこの信号を受信したならば、計画穿孔点iに停止している前記ガイドシェル12の視準ターゲット8を前記測量機器4によって測量し、この測量に基づいて前記削岩機13のビット13a位置を測量座標(X、Y、Z)として取得する。
そして、下式(1)に示されるように、前記穿孔位置決め用演算座標データによる計画穿孔点iの演算座標(X、Y、Z)と、前記実測された測量座標(X、Y、Z)とを比較し、その差分を計画穿孔点iに複合誤差(k、k、k)として設定する。この複合誤差(k)は、センサー誤差、ピン、ブッシュのガタ、ブームのたわみ等を総合的に含んだ誤差と考えることができる。
Figure 2005220627
上記複合誤差の設定作業を予め計画された穿孔パターンに従った移動順により、各計画穿孔点(i=1〜n)に対して行い、各計画穿孔点(i=1〜n)毎に複合誤差(ki=1〜n)を設定する。
切羽Sのすべての計画穿孔点(i=1〜n)に対して、複合誤差(kX(i)、kY(i)、kZ(i))を設定し終えたならば、以降は、穿孔に当たり、予め計画された穿孔パターンに従った移動順により前記削岩機13のビット13aを各計画穿孔点iに順次移動させる際に、下式(2)に示されるように、前記演算座標(X、Y、Z)に対し前記複合誤差(kX(i)、kY(i)、kZ(i))を移動補正量として加算するようにする。
Figure 2005220627
以上より、センサー誤差、ピン、ブッシュのガタ、ブームのたわみ等を総合的に含んだ誤差を補正した穿孔位置決め制御が可能となり、サーボ機構により削岩機13のビット13aを精度良く所定の穿孔位置に位置決めできるようになる。予め、演算座標に複合誤差として組み込まれるため、視準ターゲットを視準出来なくても穿孔作業に支障を来すことがないとともに、オペレーターは、誤差修正を特に意識することなく、自動化された穿孔作業に専念できるようになる。
〔他の形態例〕
(1)上記形態例では、前記ガイドシェル12の所定位置に視準ターゲット8を設置するようにしたが、削岩機に設置するようにしてもよい。この場合には後部に設けるのが望ましい。この場合、前記削岩機はガイドシェル12に沿って前後動するため、センサーにより位置を把握しておく必要がある。
(2)前記複合誤差の設定作業は、トンネル内以外にブームを移動させる空間があり、かつ視準ターゲットを測量できる測量機器があればどこでもできるため、穿孔作業の他、トンネル掘進作業に支障を与えることがない。
(3)ピン、ブッシュの摩耗によるガタは稼働期間に応じて漸次増大するため、前記複合誤差の設定作業は、所定の間隔毎、定期的に行うのが望ましい。
(4)上記形態例では、各計画穿孔位置i毎に複合誤差を設定するようにしたが、切羽Sを任意のゾーン毎に区分けし、各ゾーン毎に複合誤差を設定するようにしてもよい。
(5)予め計画された穿孔パターンに従って各計画穿孔位置に正確に位置決めを行い穿孔した後、装薬、発破により掘削を行っても、地山の状況などにより計画された掘削断面どおりの仕上がりにならず、余掘又はアタリが多く出る場合がある。そこで、発破後に前記測量機器により掘削断面形状の計測を行うとともに、計画掘削断面と比較し、トンネル半径方向の差分を断面修正補正値として設定し、次回掘削時に前記演算座標を前記断面修正補正値により基づいて修正することにより、余掘又はアタリを低減することが可能である。なお、この掘削断面修正は、掘削サイクル毎に行うのではなく、余掘又はアタリに閾値を設定しておき、この閾値を超えた場合に行うのが望ましい。
本発明に係る穿孔位置決め制御方法を示す(A)は側面図、(B)は平面図である。 切羽Sにおける穿孔パターン例図である。 穿孔位置決め制御システムを備えた穿孔装置10の説明図である。 本発明に係る穿孔位置決め制御方法のフロー図である。
符号の説明
1…ドリルジャンボ、2…制御器、3・5…無線通信機、4…測量機器、6…コンピューター、7A・7B・8…視準ターゲット、10…穿孔装置、S…切羽

Claims (5)

  1. 走行可能な台車に対して、多関節ブームを介して、削岩機を搭載したガイドシェルを支持し、前記多関節ブーム及びガイドシェルの可動部分に各種センサーを取り付け、これら各種センサによる計測データに基づいて位置情報を得るとともに、サーボ機構により前記削岩機を所定の穿孔位置に移動させる制御器を備えた削岩機搭載台車における穿孔位置決め制御方法であって、
    少なくとも前記削岩機搭載台車の後部と、前記ガイドシェル又は削岩機と夫々視準ターゲットを設置するとともに、前記削岩機搭載台車の後方側に前記視準ターゲットの座標を測定可能な測量機器を設置し、
    穿孔前又は穿孔中断時に、前記削岩機搭載台車の座標及び姿勢状態を既知とした状態で、予め計画された穿孔パターンに従った移動順により、前記削岩機のビットを、前記制御器に設定された穿孔位置決め用演算座標データに基づいて各計画穿孔点に順次移動させるとともに、各計画穿孔点に停止させた状態で前記ガイドシェル又は削岩機に設けた視準ターゲットを前記測量機器によって測量し、この測量に基づいて前記削岩機のビット位置を測量座標として取得し、前記穿孔位置決め用演算座標データによる各計画穿孔点の演算座標と、前記実測された各測量座標とを比較し、その差分を各計画穿孔点毎に複合誤差として設定し、
    以降、予め計画された穿孔パターンに従った移動順により前記削岩機のビットを各計画穿孔点に順次移動させる際に、前記演算座標に対し前記複合誤差を移動補正量として加算することを特徴とする削岩機搭載台車における穿孔位置決め制御方法。
  2. 前記削岩機搭載台車の後部に、水平方向に離間するとともに、上下方向に高さを異ならせた2つの視準ターゲットを設定し、この2つの視準ターゲットを測量することにより、前記削岩機搭載台車の座標を取得するとともに、その姿勢状態を取得する請求項1記載の削岩機搭載台車における穿孔位置決め制御方法。
  3. 前記ガイドシェルに設置される視準ターゲットは、該ガイドシェルの前部、中間部及び後部のいずれかまたは組合せ位置に設置するようにし、前記削岩機に設置される視準ターゲットは該削岩機の後部に設置するようにする請求項1記載の削岩機搭載台車における穿孔位置決め制御方法。
  4. 各計画穿孔点毎にその差分を複合誤差として設定することに代えて、各ゾーン毎に複合誤差を設定する請求項1〜3いずれかに記載の削岩機搭載台車における穿孔位置決め制御方法。
  5. 発破後に前記測量機器により掘削断面形状の計測を行うとともに、計画掘削断面と比較し、トンネル半径方向の差分を断面修正補正値として設定し、次回掘削時に前記演算座標を前記断面修正補正値により基づいて修正することにより、余掘又はアタリを低減する請求項1〜4いずれかに記載の削岩機搭載台車における穿孔位置決め制御方法。
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