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JP2005209795A - 発光モジュール及び灯具 - Google Patents

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JP2005209795A JP2004013124A JP2004013124A JP2005209795A JP 2005209795 A JP2005209795 A JP 2005209795A JP 2004013124 A JP2004013124 A JP 2004013124A JP 2004013124 A JP2004013124 A JP 2004013124A JP 2005209795 A JP2005209795 A JP 2005209795A
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久芳 大長
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主 時田
Hiroyuki Ishida
裕之 石田
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Abstract

【課題】光の取り出し効率が高い発光モジュールを提供する。
【解決手段】光を発生する発光モジュールであって、光を発生する半導体発光素子と、半導体発光素子が発生する光を透過する素材で、半導体発光素子を覆うように設けられた透光性部材であって、半導体発光素子と対向する界面から入射した光を外部に出射する出射面に、透光性部材が透過する光の波長よりも小さな格子周期で形成されることにより、光の反射を低減させるサブ波長格子が形成されている透光性部材とを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、発光モジュール及び灯具に関する。
発光ダイオード等の発光モジュールにおいては、光を発生する半導体発光素子が用いられる。近年、半導体発光素子の表面に複数の凸部を設けることにより、光の取り出し効率を向上させる構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。これらの複数の凸部は、光の波長よりも短い周期で、格子状に配置される。また、これらの複数の凸部は、半導体発光素子の表面に対するエッチングにより形成される。このエッチングにおいては、複数の凸部に対応するレジストパターンが、エッチングマスクとして用いられる。
特開2003―86835号公報(第1−6頁、第1−13図)
光の波長よりも短い周期のパターンを持つレジストパターンを形成するためには、レジスト膜に対して、例えば電子ビームリソグラフィー法によるパターン描写を行う必要がある。しかし、電子ビームリソグラフィー法による露光においては、一度に大量のパターンを描画するのが困難な場合がある。そのため、従来、光の取り出し効率が高い半導体発光素子を製造しようとすると、コストが高くなる場合があった。
そこで本発明は、上記の課題を解決することができる発光モジュール及び灯具を提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態においては、光を発生する発光モジュールであって、光を発生する半導体発光素子と、前記半導体発光素子が発生する光を透過する素材で、前記半導体発光素子を覆うように設けられた透光性部材であって、前記半導体発光素子と対向する界面から入射した光を外部に出射する出射面に、前記透光性部材が透過する光の波長よりも小さな格子周期で形成されることにより、光の反射を低減させるサブ波長格子が形成されている透光性部材とを備える。
上記発光モジュールにおいて、前記透光性部材は、樹脂により形成されてもよい。
上記発光モジュールにおいて、前記透光性部材は、前記半導体発光素子を封止する封止部材であってもよい。
上記発光モジュールは、前記半導体発光素子が発生する光を透過する素材で前記半導体発光素子を封止する封止部材を更に備え、前記透光性部材は、前記封止部材の上に、前記封止部材を挟んで前記半導体発光素子と対向するように設けられたレンズであってもよい。
上記発光モジュールにおいて、前記レンズは、前記封止部材と別体に形成されており、前記レンズにおいて、少なくとも前記サブ波長格子は、射出成形により形成されてもよい。
上記発光モジュールにおいて、前記サブ波長格子は、前記透光性部材の前記出射面に対する型成形により形成されてもよい。
上記発光モジュールにおいて、前記サブ波長格子は、前記出射面と垂直な方向に突出する複数の凸部を有し、前記複数の凸部は、前記透光性部材が透過すべき光の半波長より小さな格子間隔で配列され、前記凸部の高さは、前記透光性部材が透過すべき光の半波長より大きくてもよい。
上記発光モジュールにおいて、前記半導体発光素子は、紫外光を発生し、前記発光モジュールは、前記半導体発光素子が発生する紫外光に応じて赤色光、緑色光、及び青色光を発生する蛍光体層を更に備え、前記透光性部材は、前記蛍光体層が発生する赤色光、緑色光、及び青色光を透過して、前記出射面から空気中へ出射し、前記複数の凸部は、前記透光性部材中における青色光の半波長よりも小さな格子間隔で配列され、前記凸部の高さは、空気中における赤色光の半波長よりも大きくてもよい。
上記発光モジュールにおいて、前記半導体発光素子は、青色光を発生し、前記発光モジュールは、前記半導体発光素子が発生する青色光に応じて黄色光を発生する蛍光体層を更に備え、前記透光性部材は、前記半導体発光素子及び前記蛍光体層が発生する青色光及び黄色光を透過して、前記出射面から空気中へ出射し、前記複数の凸部は、前記透光性部材中における青色光の半波長よりも小さな格子間隔で配列され、前記凸部の高さは、空気中における黄色光の半波長よりも大きくてもよい。
上記発光モジュールにおいて、前記半導体発光素子は、前記出射面と対向する発光面から光を発生し、前記透光性部材の前記出射面は、前記半導体発光素子の前記発光面と平行であってもよい。
上記発光モジュールにおいて、前記透光性部材の屈折率は、前記出射面における前記透光性部材の外側の屈折率より大で、かつ前記半導体発光素子と対向する界面における前記透光性部材の外側の屈折率より小であり、前記出射面における前記透光性部材の内側と外側との屈折率の差は、前記半導体発光素子と対向する界面における前記透光性部材の内側と外側との屈折率の差よりも大きくてもよい。
上記発光モジュールにおいて、前記透光性部材の屈折率は、前記出射面における前記透光性部材の外側の屈折率、及び前記半導体発光素子と対向する界面における前記透光性部材の外側の屈折率のいずれよりも大であってもよい。
上記発光モジュールにおいて、前記半導体発光素子は、前記出射面と対向する発光面、及び前記発光面と垂直な端面から光を発生し、前記透光性部材は、前記半導体発光素子の前記発光面及び前記端面を覆うように形成され、前記半導体発光素子が前記端面から発生する光を、前記透光性部材は、前記半導体発光素子の前記端面と対向する側面により、前記透光性部材の出射面に向かって反射してもよい。
上記発光モジュールにおいて、前記半導体発光素子は、前記出射面と対向する発光面と、前記発光面の裏面、及び/又は前記発光面と直交する端面とから光を発生し、前記発光モジュールは、前記半導体発光素子が前記裏面又は前記端面から発生する光を前記透光性部材の出射面に向かって反射させる反射部を更に備えてもよい。
本発明の第2の形態によれば、光を発生する灯具であって、光を発生する発光モジュールと、前記発光モジュールからの光を前記灯具の外部に照射する光学部材とを備え、前記発光モジュールは、光を発生する半導体発光素子と、前記半導体発光素子が発生する光を透過する素材で、前記半導体発光素子を覆うように設けられた透光性部材であって、前記半導体発光素子と対向する界面から入射した光を外部に出射する出射面に、前記透光性部材が透過する光の波長よりも小さな格子周期で形成されることにより、光の反射を低減させるサブ波長格子が形成されている透光性部材とを有し、前記光学部材は、前記半導体発光素子上に光学的中心を有する。
本発明の第3の形態によれば、前記灯具は、車両の前照灯に用いられる灯具であり、前記半導体発光素子は、前記透光性部材の前記出射面と対向する発光面から光を発生し、前記透光性部材の前記出射面は、前記半導体発光素子の前記発光面と平行であり、前記光学部材は、前記半導体発光素子の前記発光面の形状を投影することにより、前記前照灯の配光パターンの明暗境界を定めるカットラインの少なくとも一部を形成する。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1及び図2は、本発明の一実施形態に係る車両用灯具10の構成の一例を示す。図1は、車両用灯具10の斜視図である。図2は、中段の光源ユニット20を横断する水平面による車両用灯具10の水平断面図である。本例は、高い精度で配光パターンを形成するのに適したLEDモジュール100を、低コストで提供することを目的とする。車両用灯具10は、例えば自動車等の車両に用いられる車両用前照灯(ヘッドランプ)であり、車両の前方に光を照射する。車両用灯具10は、複数の光源ユニット20、カバー12、ランプボディ14、回路ユニット16、複数の放熱部材24、エクステンションリフレクタ28、及びケーブル22、26を備える。
複数の光源ユニット20のそれぞれは、LEDモジュール100を有し、LEDモジュール100が発生する光に基づき、所定の配光パターンの光を、車両の前方に照射する。光源ユニット20は、例えば、光源ユニット20の光軸の方向を調整するためのエイミング機構によって傾動可能に、ランプボディ14に支持される。光源ユニット20は、車両用灯具10を車体に取り付けた場合の光軸の方向が、例えば0.3〜0.6°程度、下向きになるように、ランプボディ14に支持されてよい。
尚、複数の光源ユニット20は、同一又は同様の配光特性を有してもよく、それぞれ異なる配光特性を有してもよい。また、他の例において、一の光源ユニット20が、複数のLEDモジュール100を有してもよい。光源ユニット20は、LEDモジュール100に代えて、例えば半導体レーザを有してもよい。
カバー12及びランプボディ14は、車両用灯具10の灯室を形成し、この灯室内に複数の光源ユニット20を収容する。カバー12及びランプボディ14は、光源ユニット20を密閉及び防水してよい。カバー12は、LEDモジュール100が発生する光を透過する素材により、例えば素通し状に、形成され、複数の光源ユニット20の前方を覆うように、車両の前面に設けられる。ランプボディ14は、複数の光源ユニット20を挟んでカバー12と対向して、複数の光源ユニット20を後方から覆うように設けられる。ランプボディ14は、車両のボディと一体に形成されてもよい。
回路ユニット16は、LEDモジュール100を点灯させる点灯回路等が形成されたモジュールである。回路ユニット16は、ケーブル22を介して光源ユニット20と電気的に接続される。また、回路ユニット16は、ケーブル26を介して、車両用灯具10の外部と電気的に接続される。
複数の放熱部材24は、光源ユニット20の少なくとも一部と接触して設けられたヒートシンクである。放熱部材24は、例えば金属等の、空気よりも高い熱伝導率を有する素材により形成される。放熱部材24は、例えばエイミング機構の支点に対して光源ユニット20を動かす範囲で、光源ユニット20に伴って可動であり、ランプボディ14に対し、光源ユニット20の光軸調整を行うのに十分な間隔を空けて設けられる。複数の放熱部材24は、一の金属部材により、一体に形成されてよい。この場合、複数の放熱部材24の全体から、効率よく放熱を行うことができる。
エクステンションリフレクタ28は、例えば薄い金属板等により、複数の光源ユニット20の下部から、カバー12へ渡って形成された反射鏡である。エクステンションリフレクタ28は、ランプボディ14の内面の少なくとも一部を覆うように形成されることにより、ランプボディ14の内面の形状を隠し、車両用灯具10の見栄えを向上させる。
また、エクステンションリフレクタ28の少なくとも一部は、光源ユニット20及び/又は放熱部材24と接触する。この場合、エクステンションリフレクタ28は、LEDモジュール100が発生する熱をカバー12に伝導する熱伝導部材の機能を有する。これにより、エクステンションリフレクタ28は、LEDモジュール100を放熱する。また、エクステンションリフレクタ28の一部は、カバー12又はランプボディ14に固定される。エクステンションリフレクタ28は、複数の光源ユニット20の上方、下方、及び側方を覆う枠状に形成されてもよい。
本例によれば、光源としてLEDモジュール100を用いることにより、光源ユニット20を小型化することができる。また、これにより、例えば光源ユニット20の配置の自由度が向上するため、デザイン性の高い車両用灯具10を提供することができる。
図3及び図4は、LEDモジュール100の構成の一例を示す。図3は、LEDモジュール100のCC断面図である。図4は、LEDモジュール100の上面図である。LEDモジュール100は、光を発生する発光モジュールの一例であり、基板112、複数の電極104、キャビティ109,保持部118、封止部材108、発光ダイオード素子102、及び蛍光体層106を有する。
基板112は、発光ダイオード素子102を上面に裁置して固定する板状体である。また、基板112は、電極104と発光ダイオード素子102とを電気的に接続する配線を含み、複数の電極104から受け取る電力を、発光ダイオード素子102に供給する。複数の電極104は、LEDモジュール100の外部から受け取る電力を、基板112を介して、発光ダイオード素子102に供給する。キャビティ109は、基板112の上に、発光ダイオード素子102を囲むように形成された空洞であり、内部に蛍光体層106を保持する。
保持部118は、複数の電極104、基板112、キャビティ109、及び封止部材108を保持する。また、保持部118の少なくとも一部は、例えば金属等の、空気よりも熱伝導率の高い素材で形成され、発光ダイオード素子102が発生する熱を、例えば基板112を介して、LEDモジュール100の外部に伝達する。
発光ダイオード素子102は、光を発生する半導体発光素子の一例であり、電極104及び基板112を介してLEDモジュール100の外部から受け取る電力に応じて、紫外光を発生する。本例において、発光ダイオード素子102は、封止部材108と対向する表面である発光面116の略全体を発光領域として、光を発生する。本例において、発光面116は、直線状の4辺に囲まれた長方形である。
また、発光ダイオード素子102は、例えば、サファイア基板と、サファイア基板上に形成された半導体層とを有する。この場合、サファイア基板は、1.8程度(例えば1.75〜1.85)の屈折率を有する。また、この半導体層は、例えばInGaNにより形成され、例えば2.2〜2.5程度の屈折率を有する。半導体層は、例えば2〜4程度の屈折率を有してもよい。
本例において、発光ダイオード素子102は、サファイア基板を封止部材108と対向させるように、基板112上にフリップチップ実装され、サファイア基板の表面を発光面116として、光を発生する。この場合、発光面116における発光ダイオード素子102の屈折率は、1.8程度(1.75〜1.85)となる。他の例において、発光ダイオード素子102は、半導体層の表面を封止部材108と対向させるように、実装されてもよい。この場合、発光ダイオード素子102は、半導体層の表面を発光面116として、光を発生する。また、この場合、発光面116における発光ダイオード素子102の屈折率は、例えば2.2〜2.5程度となる。
尚、発光ダイオード素子102は、紫外光に代えて、例えば青色光を発生してもよい。また、他の例において、LEDモジュール100は、半導体発光素子として、例えばレーザダイオード素子を有してもよい。
蛍光体層106は、キャビティ109内に充填されることにより、発光ダイオード素子102の表面を覆うように設けられており、発光ダイオード素子102が発生する紫外光に応じて、赤色光、緑色光、及び青色光を発生する。これにより、蛍光体層106は、紫外光に応じて、白色光を発生する。また、これにより、LEDモジュール100は、白色光を発生する。
ここで、蛍光体層106は、例えば、バインダと、蛍光体粒子とを有する。バインダは、例えばシリコン・フッ素・イミド系樹脂、シリコン樹脂、又はエポキシ樹脂等の、紫外線耐性の高い樹脂により形成された層状体であり、蛍光体粒子を内部に保持する。また、蛍光体粒子は、入射光に応じて蛍光する粒子である。本例において、蛍光体層106は、複数種類の蛍光体粒子を有する。それぞれの種類の蛍光体粒子は、紫外光に応じて、赤色光、緑色光、及び青色光のそれぞれを蛍光する。
尚、発光ダイオード素子102が青色光を発生する場合、蛍光体層106は、発光ダイオード素子102が発生する青色光に応じて、青色の補色である黄色の光を発生してよい。この場合、LEDモジュール100は、発光ダイオード素子102及び蛍光体層106が発生する青色光及び黄色光に基づき、白色光を発生する。蛍光体層106は、封止部材108の内部に設けられてもよい。
封止部材108は、透光性部材の一例である。封止部材108は、発光ダイオード素子102を封止するモールドであり、発光ダイオード素子102が発生する光を透過する樹脂により、発光ダイオード素子102を覆うように設けられる。本例において、封止部材108は、白色光を透過する素材で、発光ダイオード素子102及び蛍光体層106を封止する。この場合、封止部材108は、蛍光体層106を挟んで発光ダイオード素子102と対向する。尚、この白色光は、LEDモジュール100が発生する光の一例である。封止部材108は、例えばシリコン・フッ素・イミド系樹脂、シリコン樹脂、又はエポキシ樹脂等により形成されてよい。
また、本例において、封止部材108は、出射面120を有し、出射面120において、空気と接している。出射面120は、発光ダイオード素子102の発光面116と平行であり、発光ダイオード素子102と対向する界面114から入射した光を外部に出射する。これにより、封止部材108は、蛍光体層106が発生する赤色光、緑色光、及び青色光を透過して、出射面120から空気中へ出射する。尚、発光ダイオード素子102が青色光を発生し、蛍光体層106が黄色光を発生する場合、封止部材108は、発光ダイオード素子102及び蛍光体層106が発生する青色光及び黄色光を透過して、出射面120から空気中へ出射する。
ここで、出射面120には、拡大図152及び拡大図154に示すような、サブ波長格子132(SWG:Subwavelength Grating)が形成されている。本例において、サブ波長格子132は、出射面120と垂直な方向に突出する複数の凸部134を有する。尚、拡大図152は、AA断面におけるサブ波長格子132を示す。拡大図154は、斜め上方から見た場合のサブ波長格子132を示す。
サブ波長格子132は、封止部材108が透過する光の波長よりも小さな格子周期で、出射面120に形成される。この場合、回折波が発生しないことにより、封止部材108の内部から出射面120に入射する光に対して、サブ波長格子132は、封止部材108と空気との中間の有効屈折率の媒体と等価となる。
ここで、封止部材108は、発光ダイオード素子102からの光の取り出し効率を向上させるため、例えば1.3〜1.6程度の、空気よりも高い屈折率を有している。この場合、封止部材108の屈折率は、出射面120における封止部材108の外側の屈折率より大きい。そのため、例えばサブ波長格子132を用いずに、封止部材108の内部から空気中に光を出射させようとすれば、出射面120において、屈折率の不連続な変化に起因して、全反射が生じる場合がある。この場合、封止部材108から空気中へ、光を効率よく取り出せないこととなる。しかし、本例において、サブ波長格子132は、封止部材108と空気との中間の有効屈折率を持つため、出射面120における、光の反射を低減させる。そのため、本例によれば、封止部材108から空気中へ、光を効率よく取り出すことができる。また、これにより、光の取り出し効率が高いLEDモジュール100を提供することができる。
ここで、本例において、界面114は、蛍光体層106を挟んで発光ダイオード素子102と対向している。そのため、封止部材108は、界面114において、蛍光体層106と接している。この場合、蛍光体層106の屈折率は、発光面116における発光ダイオード素子102の屈折率より小さく、界面114における封止部材108の屈折率より大きいのが好ましい。尚、蛍光体層106の屈折率とは、例えば、蛍光体層106の界面における屈折率である。蛍光体層106の界面における屈折率は、内部の蛍光体粒子の屈折率の影響が小さいため、蛍光体層106におけるバインダの屈折率とほぼ同じであり、例えば1.3〜1.6程度である。
また、封止部材108の屈折率は、空気の屈折率よりも大きく、かつ蛍光体層106の屈折率より小さくてよい。この場合、封止部材108の屈折率は、蛍光体層106におけるバインダの屈折率より小さくてよい。封止部材108の屈折率は、界面114における封止部材108の外側の屈折率より小さくてよい。
このように、本例においては、発光ダイオード素子102から空気中への光路において、蛍光体層106及び封止部材108を挟んで徐々に屈折率が小さくなっていくため、屈折率の急激な変化が生じない。そのため、本例によれば、発光ダイオード素子102からの光を効率よく蛍光体層106に入射させ、かつ蛍光体層106からの光を効率よく封止部材108に入射させることができる。
また、本例においては、サブ波長格子132の機能により、出射面120において、封止部材108から空気中へ光を効率よく取り出せる。そのため、出射面120における封止部材108の内側と外側との屈折率の差は、発光ダイオード素子102と対向する界面114における封止部材108の内側と外側との屈折率の差よりも大きくてよい。この場合、界面114からの光を効率よく入射させ、かつ入射した光を、出射面120から効率よく出射させることができる。
また、他の例において、封止部材108の屈折率は、空気及び蛍光体層106のいずれの屈折率よりも大きくてもよい。この場合、封止部材108の屈折率は、出射面120における封止部材108の外側の屈折率、及び界面114における封止部材108の外側の屈折率のいずれよりも大となる。これにより、界面114において全反射が生じるのを防ぎ、蛍光体層106から封止部材108への光を、更に効率よく入射させることができる。そのため、この場合も、封止部材108は、発光ダイオード素子102からの光を、空気中へ、効率よく透過することができる。
尚、サブ波長格子132を用いない場合においても、例えば出射面120を球面状とすることにより、出射面120における反射を低減させることはできる。しかし、この場合、封止部材108が凸レンズの機能を有することとなる。そのため、光源ユニット20(図1参照)の光学設計においては、この凸レンズの機能を考慮する必要が生じる。この場合、例えば光学設計が複雑化する場合がある。また、高い精度で配光パターンを形成するために、この凸レンズを高い精度で形成しようとすれば、LEDモジュール100のコストが大きく上昇する場合がある。
しかし、本例において、出射面120は、発光ダイオード素子102の発光面116と平行な平面状に形成されている。そのため、本例によれば、封止部材108のレンズ機能を考慮することなく、光源ユニット20の光学設計を、簡易に行うことができる。また、平面状の出射面120は、低いコストで、高精度に形成することができる。そのため、本例によれば、LEDモジュール100を、低いコストで提供することができる。
図5は、サブ波長格子132の機能の一例を説明する図である。本例において、封止部材108の屈折率はnである。また、空気の屈折率はnである。また、サブ波長格子132におけるそれぞれの凸部134は、四角錐状であり、出射面120と垂直な高さの方向(z軸)に対して、断面積が漸減する。
ここで、サブ波長格子132の有効屈折率は、封止部材108の媒質と、空気との体積占有率に応じて変化する。そのため、本例において、サブ波長格子132の有効屈折率は、凸部134の底面からの距離zに応じて、封止部材108の屈折率nから空気の屈折率はnへ、徐々に変化する。これにより、出射面120における封止部材108の内部と外部との屈折率差を滑らかに整合させることができる。そのため、本例によれば、出射面120における反射を低減することができる。
ここで、複数の凸部134は、封止部材108が透過すべき光の半波長より小さな格子間隔Δx、Δyで配列されるのが好ましい。例えば、複数の凸部134は、封止部材108中における青色光の半波長よりも小さな格子間隔Δx、Δyで配列されてよい。また、凸部134の高さhは、封止部材108が透過すべき光の半波長より大きいのが好ましい。例えば、凸部134の高さhは、空気中における赤色光の半波長よりも大きくてよい。この場合、出射面120における反射を更に適切に低減することができる。
尚、発光ダイオード素子102が青色光を発生し、蛍光体層106が黄色光を発生する場合、複数の凸部134は、封止部材108中における青色光の半波長よりも小さな格子間隔Δx、Δyで配列されてよく、凸部134の高さhは、空気中における黄色光の半波長よりも大きくてよい。また、他の例において、凸部134は、例えば円錐状、又は他の多角錐状であってもよい。凸部134は、高さ方向に対して徐々に断面積が減少するテーパー状に形成されるのが好ましい。また、凸部134のアスペクト比は、1以上であるのが好ましい。
図6は、LEDモジュール100を製造する製造方法の一例を示すフローチャートである。本例において、サブ波長格子132は、封止部材108の出射面120に対する型成形により形成される。この型成形は、100nm以下の加工精度を有するナノインプリントであるのが好ましい。
本製造方法においては、最初に、型成形のための型を準備する(S102)。この型は、例えば、電子ビームリソグラフィー法によりシリコン基板等を加工することにより、形成される。次に、例えば保持部118に保持された基板112上に、発光ダイオード素子102を実装し(S104)、例えばキャビティ109中に蛍光体粒子及びバインダを充填することにより、蛍光体層106を形成する(S106)。
そして、発光ダイオード素子102及び蛍光体層106を覆うように、封止部材108用の樹脂を充填し(S108)、S102で準備した型を用いて、出射面120に対し、型押しを行う(S110)。この場合、例えば、封止部材108用の樹脂を加熱により軟化させて、型押しを行う。そして、本例の製造方法は、型を剥離させて(S112)、フローチャートを終了する。
ここで、サブ波長格子132を、例えばエッチングにより形成するとすれば、各封止部材108毎にエッチングマスクを形成する必要があるため、大量のエッチングマスクを、例えば電子ビームリソグラフィー法により形成しなければならない。しかし、本例によれば、1個の型を用いて、大量の封止部材108に対し、繰り返し型成形をすることができる。そのため、本例によれば、封止部材108上のサブ波長格子132を、低コストかつ簡易に形成することができる。また、これにより、光の取り出し効率が高いLEDモジュール100を低いコストで提供することができる。
尚、封止部材108用に樹脂は、例えば紫外線硬化樹脂であってもよい。この場合、紫外線を照射して硬化させる前に、S110において、型押しを行ってよい。また、型押しを行った後に、例えば発光ダイオード素子102が発生する紫外光により、封止部材108の樹脂を硬化させてもよい。
図7及び図8は、光源ユニット20の構成の一例を示す。図7は、光源ユニット20のAA垂直断面図である。図8は、光源ユニット20のBB垂直断面図である。光源ユニット20は、LEDモジュール100が発生する光を、車両の前方に照射する直射型の光源ユニットであり、LEDモジュール100、基板500、固定部材202、レンズ204、エクステンション208、及びハウジング206を有する。
LEDモジュール100は、発光ダイオード素子102の発光面116における一辺とレンズ204の光軸とが直交するように、基板500上に固定される。また、発光ダイオード素子102は、ケーブル22及び基板500を介して光源ユニット20の外部から受け取る電力に基づき、発光面116から光を発生する。
基板500は、例えば表面又は内部等に形成されたプリント配線により、LEDモジュール100と、ケーブル22とを電気的に接続する。本例において、基板500は、LEDモジュール100を裁置して固定する板状体であり、LEDモジュール100を、予め定められた基準位置に固定する。基板500の少なくとも一部は、例えば金属等の、空気よりも熱伝導率が高い素材により形成される。また、基板500の少なくとも一部は、固定部材202と接触する。これにより、基板500は、LEDモジュール100が発生する熱を、固定部材202に伝達する。
固定部材202は、例えば車両の前方を向く表面を有する板状体である。固定部材202は、レンズ204に対する相対位置が既知の位置に設けられる。また、固定部材202は、基板500を挟んでLEDモジュール100と対向するように、その表面上に、基板500を固定する。これにより、固定部材202は、LEDモジュール100を、車両の前方に向けて固定し、車両の前方に向けて発光させる。
また、固定部材202は、例えば金属等の、空気よりも熱伝導率が高い素材により形成される。また、固定部材202は、一端において、ハウジング206と接触する。これにより、固定部材202は、LEDモジュール100が発生する熱をハウジング206に伝達して、LEDモジュール100を放熱する。これにより、LEDモジュール100の発光量が熱により低下するのを防ぐことができる。
エクステンション208は、例えば薄い金属板等により、LEDモジュール100の近傍から、レンズ204の縁部の近傍に渡って形成される。これにより、エクステンション208は、ハウジング206の内面と、LEDモジュール100との間の隙間を覆い隠し、車両用灯具10(図1参照)の見栄えを向上させる。エクステンション208は、LEDモジュール100が発生する光を反射してもよい。
ハウジング206は、LEDモジュール100、基板500、固定部材202、及びエクステンション208を収容する筐体である。また、ハウジング206は、前面に開口部を有し、この開口部においてレンズ204を保持する。ハウジング206は、基板500及び固定部材202を介してLEDモジュール100から受け取る熱を、放熱部材24(図1参照)及び/又はエクステンションリフレクタ28(図1参照)に更に伝達してよい。これにより、LEDモジュール100を、適切に放熱することができる。
レンズ204は、車両用灯具10に用いられる光学部材の一例であり、LEDモジュール100からの光を、車両用灯具10の外部に照射する。本例において、レンズ204は、発光ダイオード素子102の発光面116の形状を車両の前方に投影することにより、配光パターンの少なくとも一部を形成する。また、レンズ204は、発光面116の一辺の上に、光学的中心の一例である焦点Fを有する。この場合、レンズ204は、例えば、この直線状の境界の形状に基づき、配光パターンの明暗境界を規定するカットラインの少なくとも一部を形成する。本例によれば配光パターンを適切に形成することができる。
ここで、本例において、封止部材108(図3参照)の出射面120には、サブ波長格子132(図3参照)が形成されている。しかし、サブ波長格子132が形成された封止部材108を用いないとすれば、例えば出射面120が球面状の封止部材108を用いることとなり、レンズ204から見た発光面116は、レンズ状の封止部材108により拡大された像となる。この場合、高い精度で配光パターンを形成するためには、発光ダイオード素子102に対してレンズ204よりも近い位置にある封止部材108を、例えばレンズ204よりも高い精度で形成する必要が生じ、LEDモジュール100のコストが上昇する場合がある。また、発光ダイオード素子102の拡大像の大きさを考慮してLEDモジュール100の位置あわせを行う必要が生じ、高い精度での位置合わせが困難になる場合がある。
しかし、本例によれば、サブ波長格子132を形成することにより、平面状の出射面120を有する封止部材108を用いることができる。そのため、本例によれば、高い精度で配光パターンを形成する車両用灯具10を、低いコストで提供することができる。また、拡大されていない実寸の発光ダイオード素子102を観察しながらLEDモジュール100の位置あわせを行うことにより、レンズ204に対するLEDモジュール100の位置を、簡易かつ高精度に合わせることができる。
図9は、車両用灯具10(図1参照)により形成される配光パターン300の一例を示す概念図である。配光パターン300は、車両用灯具10の前方25mの位置に配置された仮想鉛直スクリーン上に形成されるロービーム配光パターンである。本例において、車両用灯具10は、略水平方向の明暗境界を定める水平カットライン302、及び水平方向に対して15°程度の角度をなす所定の斜め方向の明暗境界を定める斜めカットライン304を有する配光パターン300を形成する。
本例において、車両用灯具10は、それぞれ異なる配光特性を有する複数の光源ユニット20備え、それぞれの光源ユニット20が発生する光に基づき、配光パターン300を形成する。この場合、それぞれの光源ユニット20は、配光パターン300における一部の領域を形成する。例えば、図7及び図8を用いて説明した光源ユニット20は、配光パターン300の一部の領域306を形成する。
以下、図7及び図8を用いて説明した光源ユニット20の配光特性について、更に詳しく説明する。本例において、この光源ユニット20におけるレンズ204は、発光ダイオード素子102が発生する光を前方に照射することにより、発光ダイオード素子102の発光面116の形状を車両の前方に投影し、領域306を形成する。レンズ204は、この発光面116の形状を、水平方向に拡大して、投影してよい。
ここで、本例において、レンズ204は、発光面116の一辺310の上に焦点Fを有している。辺310は、発光面116における、水平方向に延伸する下辺である。また、レンズ204は、発光ダイオード素子102が発生する光を、光源ユニット20の光軸を交差させて照射する。そのため、レンズ204は、発光面116の辺310の形状を、領域306の上辺の位置に投影する。
また、レンズ204は、領域306の上辺の少なくとも一部を、水平カットライン302の少なくとも一部を形成すべき位置に形成する。これにより、光源ユニット20は、領域306により形成される明暗境界に基づき、水平カットライン302の少なくとも一部を形成する。本例によれば、配光パターンを適切に形成することができる。
図10は、LEDモジュール100の構成の他の例を示す。尚、以下に説明する点を除き、図10において、図3及び図4と同一の符号を付した構成は、図3及び図4における構成と同一又は同様の機能を有するため、説明を省略する。
本例において、LEDモジュール100は、複数の封止部材108a、bを有する。封止部材108aは、蛍光体層106を挟んで発光ダイオード素子102と対向して、界面114aにおいて蛍光体層106と接するように、蛍光体層106上に設けられる。封止部材108aは、例えばシリコンゲル等の流動体であるのが好ましい。この場合、発光ダイオード素子102及び蛍光体層106にかかる、封止部材108a、bからの応力を低減することができる。
封止部材108bは、封止部材108aを挟んで発光ダイオード素子102及び発光ダイオード素子102と対向するように、封止部材108a上に設けられる。封止部材108は、固体の樹脂により形成され、界面114bにおいて、封止部材108aと接する。また、封止部材108bは、サブ波長格子132が形成された出射面120を有し、封止部材108aを介して発光ダイオード素子102及び蛍光体層106から入射する光を、出射面120から、LEDモジュール100の外部に出射する。本例においても、封止部材108a、bから空気中へ、光を効率よく取り出すことができる。また、これにより、光の取り出し効率が高いLEDモジュール100を提供することができる。
尚、封止部材108bは、封止部材108aよりも高い屈折率を有してもよい。この場合、封止部材108aから封止部材108bへ、効率よく光を入射させることができる。また、封止部材108bは、例えば、界面114b上に更に、サブ波長格子を有してもよい。
図11は、LEDモジュール100の構成の更なる他の例を示す。尚、以下に説明する点を除き、図11において、図3及び図4と同一の符号を付した構成は、図3及び図4における構成と同一又は同様の機能を有するため、説明を省略する。本例において、発光ダイオード素子102は、発光面116の裏面、及び発光面116と垂直な端面128からも更に光を発生する。蛍光体層106は、発光ダイオード素子102上に、薄膜上に塗布されている。また、封止部材108は、出射面120を底面とする錐台状に形成されている。この場合、出射面120から発光ダイオード素子102に向かう方向に垂直な断面における封止部材108の断面積は、この方向に対して漸減する。
また、本例において、封止部材108の側面には、サブ波長格子132が形成されない。この場合、封止部材108の側面は、発光ダイオード素子102からの光の少なくとも一部を全反射する。これにより、封止部材108の側面には、反射部124が形成される。反射部124は、発光ダイオード素子102が端面128から発生する光の少なくとも一部を、封止部材108の出射面120に向かって反射する。この場合、サブ波長格子132が形成されている出射面120は、反射部124により反射された光を、高い効率で、LEDモジュール100の外部に出射させる。そのため、本例によれば、封止部材108の表面の一部にサブ波長格子132を形成することにより、発光ダイオード素子102が発生する光を、効率よく利用することができる。
また、LEDモジュール100は、基板112上に、反射部126を更に備える。反射部126は、例えば、基板112上に形成された金属層である。反射部126は、発光ダイオード素子102が裏面から発生する光を、封止部材108の出射面120に向かって反射する。これにより、発光ダイオード素子102が発生する光を、更に効率よく利用することができる。
図12は、LEDモジュール100の構成の更なる他の例を示す。尚、以下に説明する点を除き、図12において、図3及び図4と同一の符号を付した構成は、図3及び図4における構成と同一又は同様の機能を有するため、説明を省略する。本例において、発光ダイオード素子102は、発光面116と垂直な端面128からも更に光を発生する。また、封止部材108は、発光ダイオード素子102の発光面116及び端面128を覆うように形成される。この場合、封止部材108は、端面128と対向する側面122により、端面128を覆う。
また、封止部材108において側面122には、サブ波長格子132が形成されない。そのため、側面122は、発光ダイオード素子102からの光の少なくとも一部を全反射する。これにより、封止部材108は、発光ダイオード素子102が端面128から発生する光を、側面122により、封止部材108の出射面120に向かって反射する。この場合、サブ波長格子132が形成されている出射面120は、側面122により反射された光を、高い効率で、LEDモジュール100の外部に出射させる。そのため、本例においても、封止部材108の表面の一部にサブ波長格子132を形成することにより、発光ダイオード素子102が発生する光を、効率よく利用することができる。
図13は、LEDモジュール100の構成の更なる他の例を示す。尚、以下に説明する点を除き、図13において、図3及び図4と同一の符号を付した構成は、図3及び図4における構成と同一又は同様の機能を有するため、説明を省略する。本例において、LEDモジュール100は、複数の発光ダイオード素子102を有する。蛍光体層106は、複数の発光ダイオード素子102を覆うように設けられる。封止部材108は、複数の発光ダイオード素子102、及び蛍光体層106を封止する。この場合、サブ波長格子132は、それぞれの発光ダイオード素子102からの光の反射を低減させる。そのため、本例においても、発光ダイオード素子102が発生する光を、効率よく利用することができる。
図14は、LEDモジュール100の構成の更なる他の例を示す。尚、以下に説明する点を除き、図14において、図3及び図4と同一の符号を付した構成は、図3及び図4における構成と同一又は同様の機能を有するため、説明を省略する。本例において、LEDモジュール100は、レンズ136を更に備える。レンズ136は、透光性部材の他の例であり、封止部材108の上に、封止部材108を挟んで発光ダイオード素子102と対向するように設けられる。
レンズ136は、例えば素通し状のレンズであり、発光ダイオード素子102の発光面116と平行な出射面120に、サブ波長格子132を有している。これにより、レンズ136は、封止部材108を介して発光ダイオード素子102から入射する光を、高い効率で、出射面120から空気中へ出射する。そのため、本例においても、発光ダイオード素子102が発生する光を、効率よく利用することができる。
また、レンズ136は、封止部材108と別体に、例えば熱可塑性の樹脂により、射出成形で形成される。この場合、例えば金型にサブ波長格子132の形状を形成しておくことにより、サブ波長格子132を、低いコストで形成できる。
ここで、レンズ136は、例えば1.5〜1.6程度の、封止部材108よりも高い屈折率を有してよい。この場合、封止部材108からの光を、高い効率で、レンズ136に入射させることができる。これにより、発光ダイオード素子102が発生する光を、更に効率よく利用することができる。
また、レンズ136は、封止部材108と空気との間の屈折率を有してもよい。この場合、発光ダイオード素子102から空気中への光路において、封止部材108及びレンズ136を挟んで徐々に屈折率が小さくなっていくため、屈折率の急激な変化が生じない。そのため、この場合も、発光ダイオード素子102からの光を、空気中へ、効率よく透過することができる。
尚、他の例において、蛍光体層106は、例えば、封止部材108とレンズ136との間に設けられてもよい。この場合、レンズ136は、第2の封止部材として用いられ、蛍光体層106を封止する。
図15は、図14を用いて説明したLEDモジュール100を製造する製造方法の一例を示すフローチャートである。本製造方法においては、最初に、サブ波長格子付きのレンズ136を、射出成形により形成する(S202)。そして、例えば図6を用いて説明した工程S104、S106と同様に、発光ダイオード素子102を実装し(S202)、蛍光体層106を形成する(S206)。
そして、発光ダイオード素子102を覆うようにレンズ136を装着し(S208)、発光ダイオード素子102及び蛍光体層106とレンズ136との間の隙間に、封止部材108用の樹脂を充填する(S210)。これにより、封止部材108を形成する。また、この場合、例えばレンズ136を介して紫外線を照射することにより、封止部材108用の樹脂を硬化させてよい。本例によれば、レンズ136上のサブ波長格子132を、低コストかつ簡易に形成することができる。また、これにより、光の取り出し効率が高いLEDモジュール100を低いコストで提供することができる。
尚、S210において、封止部材108用の樹脂は、例えば、レンズ136又は保持部118に予め設けられた穴から充填されてよい。また、他の例においては、封止部材108用の樹脂を蛍光体層106上に充填した後にレンズ136を装着してもよい。また、他の例においては、レンズ136の一部を射出成形により形成してもよい。この場合、レンズ136において、少なくともサブ波長格子132は、射出成形により形成されるのが好ましい。この場合も、サブ波長格子132を、低コストかつ簡易に形成することができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
本発明の一実施形態に係る車両用灯具10の構成の斜視図である。 車両用灯具10の水平断面図である。 LEDモジュール100のCC断面図である。 LEDモジュール100の上面図である。 サブ波長格子132の機能の一例を説明する図である。 LEDモジュール100を製造する製造方法の一例を示すフローチャートである。 光源ユニット20のAA垂直断面図である。 光源ユニット20のBB垂直断面図である。 配光パターン300の一例を示す概念図である。 LEDモジュール100の構成の他の例を示す図である。 LEDモジュール100の構成の更なる他の例を示す図である。 LEDモジュール100の構成の更なる他の例を示す図である。 LEDモジュール100の構成の更なる他の例を示す図である。 LEDモジュール100の構成の更なる他の例を示す図である。 LEDモジュール100を製造する製造方法の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
10・・・車両用灯具、12・・・カバー、14・・・ランプボディ、16・・・回路ユニット、20・・・光源ユニット、22・・・ケーブル、24・・・放熱部材、26・・・ケーブル、28・・・エクステンションリフレクタ、100・・・LEDモジュール、102・・・発光ダイオード素子、104・・・電極、106・・・蛍光体層、108・・・封止部材、109・・・キャビティ、112・・・基板、114・・・界面、116・・・発光面、118・・・保持部、120・・・出射面、122・・・側面、124・・・反射部、126・・・反射部、128・・・端面、132・・・サブ波長格子、134・・・凸部、136・・・レンズ、152・・・拡大図、154・・・拡大図、202・・・固定部材、204・・・レンズ、206・・・ハウジング、208・・・エクステンション、300・・・配光パターン、302・・・水平カットライン、304・・・斜めカットライン、306・・・領域、310・・・辺、500・・・基板

Claims (16)

  1. 光を発生する発光モジュールであって、
    光を発生する半導体発光素子と、
    前記半導体発光素子が発生する光を透過する素材で、前記半導体発光素子を覆うように設けられた透光性部材であって、前記半導体発光素子と対向する界面から入射した光を外部に出射する出射面に、前記透光性部材が透過する光の波長よりも小さな格子周期で形成されることにより、光の反射を低減させるサブ波長格子が形成されている透光性部材と
    を備える発光モジュール。
  2. 前記透光性部材は、樹脂により形成された請求項1に記載の発光モジュール。
  3. 前記透光性部材は、前記半導体発光素子を封止する封止部材である請求項1に記載の発光モジュール。
  4. 前記半導体発光素子が発生する光を透過する素材で前記半導体発光素子を封止する封止部材を更に備え、
    前記透光性部材は、前記封止部材の上に、前記封止部材を挟んで前記半導体発光素子と対向するように設けられたレンズである請求項1に記載の発光モジュール。
  5. 前記レンズは、前記封止部材と別体に形成されており、
    前記レンズにおいて、少なくとも前記サブ波長格子は、射出成形により形成された請求項4に記載の発光モジュール。
  6. 前記サブ波長格子は、前記透光性部材の前記出射面に対する型成形により形成された請求項1に記載の発光モジュール。
  7. 前記サブ波長格子は、前記出射面と垂直な方向に突出する複数の凸部を有し、
    前記複数の凸部は、前記透光性部材が透過すべき光の半波長より小さな格子間隔で配列され、
    前記凸部の高さは、前記透光性部材が透過すべき光の半波長より大きい請求項1に記載の発光モジュール。
  8. 前記半導体発光素子は、紫外光を発生し、
    前記発光モジュールは、前記半導体発光素子が発生する紫外光に応じて赤色光、緑色光、及び青色光を発生する蛍光体層を更に備え、
    前記透光性部材は、前記蛍光体層が発生する赤色光、緑色光、及び青色光を透過して、前記出射面から空気中へ出射し、
    前記複数の凸部は、前記透光性部材中における青色光の半波長よりも小さな格子間隔で配列され、
    前記凸部の高さは、空気中における赤色光の半波長よりも大きい請求項7に記載の発光モジュール。
  9. 前記半導体発光素子は、青色光を発生し、
    前記発光モジュールは、前記半導体発光素子が発生する青色光に応じて黄色光を発生する蛍光体層を更に備え、
    前記透光性部材は、前記半導体発光素子及び前記蛍光体層が発生する青色光及び黄色光を透過して、前記出射面から空気中へ出射し、
    前記複数の凸部は、前記透光性部材中における青色光の半波長よりも小さな格子間隔で配列され、
    前記凸部の高さは、空気中における黄色光の半波長よりも大きい請求項7に記載の発光モジュール。
  10. 前記半導体発光素子は、前記出射面と対向する発光面から光を発生し、
    前記透光性部材の前記出射面は、前記半導体発光素子の前記発光面と平行である請求項1に記載の発光モジュール。
  11. 前記透光性部材の屈折率は、前記出射面における前記透光性部材の外側の屈折率より大で、かつ前記半導体発光素子と対向する界面における前記透光性部材の外側の屈折率より小であり、
    前記出射面における前記透光性部材の内側と外側との屈折率の差は、前記半導体発光素子と対向する界面における前記透光性部材の内側と外側との屈折率の差よりも大きい請求項1に記載の発光モジュール。
  12. 前記透光性部材の屈折率は、前記出射面における前記透光性部材の外側の屈折率、及び前記半導体発光素子と対向する界面における前記透光性部材の外側の屈折率のいずれよりも大である請求項1に記載の発光モジュール。
  13. 前記半導体発光素子は、前記出射面と対向する発光面、及び前記発光面と垂直な端面から光を発生し、
    前記透光性部材は、前記半導体発光素子の前記発光面及び前記端面を覆うように形成され、
    前記半導体発光素子が前記端面から発生する光を、前記透光性部材は、前記半導体発光素子の前記端面と対向する側面により、前記透光性部材の出射面に向かって反射する請求項1に記載の発光モジュール。
  14. 前記半導体発光素子は、前記出射面と対向する発光面と、前記発光面の裏面、及び/又は前記発光面と直交する端面とから光を発生し、
    前記発光モジュールは、前記半導体発光素子が前記裏面又は前記端面から発生する光を前記透光性部材の出射面に向かって反射させる反射部を更に備える請求項1に記載の発光モジュール。
  15. 光を発生する灯具であって、
    光を発生する発光モジュールと、
    前記発光モジュールからの光を前記灯具の外部に照射する光学部材と
    を備え、
    前記発光モジュールは、
    光を発生する半導体発光素子と、
    前記半導体発光素子が発生する光を透過する素材で、前記半導体発光素子を覆うように設けられた透光性部材であって、前記半導体発光素子と対向する界面から入射した光を外部に出射する出射面に、前記透光性部材が透過する光の波長よりも小さな格子周期で形成されることにより、光の反射を低減させるサブ波長格子が形成されている透光性部材と
    を有し、
    前記光学部材は、前記半導体発光素子上に光学的中心を有する灯具。
  16. 前記灯具は、車両の前照灯に用いられる灯具であり、
    前記半導体発光素子は、前記透光性部材の前記出射面と対向する発光面から光を発生し、
    前記透光性部材の前記出射面は、前記半導体発光素子の前記発光面と平行であり、
    前記光学部材は、前記半導体発光素子の前記発光面の形状を投影することにより、前記前照灯の配光パターンの明暗境界を定めるカットラインの少なくとも一部を形成する請求項15に記載の灯具。
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