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JP2005289368A - 自動車の制御装置及び制御方法 - Google Patents

自動車の制御装置及び制御方法 Download PDF

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JP2005289368A
JP2005289368A JP2005126317A JP2005126317A JP2005289368A JP 2005289368 A JP2005289368 A JP 2005289368A JP 2005126317 A JP2005126317 A JP 2005126317A JP 2005126317 A JP2005126317 A JP 2005126317A JP 2005289368 A JP2005289368 A JP 2005289368A
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Toshimichi Minowa
利通 箕輪
Koji Kuroda
浩司 黒田
Satoshi Kuragaki
智 倉垣
Kenichiro Kurata
謙一郎 倉田
Tatsuya Ochi
辰哉 越智
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Hitachi Ltd
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Abstract

【課題】
安全な走行環境では運転者が要求する目標加減速度を実現し、もし、危険な走行環境に遭遇した場合は、安全走行を優先するように目標加減速度を変更して運転性及び安全性を両立する制御装置及び方法を提供する。
【解決手段】
運転者の加減速度検出手段から入力した要求減速度に応じて運転者目標減速度Gtを演算し、車速検出手段から車速Vを入力し、車両の前方コーナまでの距離D2、前記コーナの曲率半径R、路面摩擦係数μ、車両重心位置情報k20に基づき目標速度Vt2を設定し、車速Vと目標速度Vt2に基づき設定目標減速度Fd2/Wを求め、設定目標減速度Fd2/Wよりも運転者目標減速度Gtが大きい場合は、設定目標減速度Fd2/Wになるように自動車を制御する。
【選択図】図4

Description

本発明は、自動車の制御方法に係り、特に走行環境等の情報に応じてエンジンパワートレインを効率良く制御し運転者が要求する加減速度を実現する装置及び方法に関する。
従来のこの種の制御方法は、運転者が要求する目標加減速度と実車両の加減速度が一致するようにエンジンのトルク調整手段,変速機の変速比調整手段及び制動力調整手段の少なくとも1つを制御する方法が知られている(例えば特許文献1)。
特開平4−345541号公報
上記従来技術のように、運転者が要求する目標加減速度のみを実現するシステムでは、例えば、運転者が前方の走行状況認識を誤った場合あるいは走行状況把握が遅れた場合等、衝突あるいは暴走といった交通事故発生が抑制できなかった。また、道路勾配及びコーナの事前把握が困難であるため、変速比制御による勾配及びコーナ進入前での余裕駆動力の確保が困難であった。
本発明の目的は、安全な走行環境では運転者が要求する目標加減速度を実現し、もし、危険な走行環境に遭遇した場合は、安全走行を優先するように目標加減速度を変更して運転性及び安全性を両立する制御装置及び方法を提供することにある。
運転者の加減速度検出手段から入力した要求減速度に応じて運転者目標減速度を演算し、車速検出手段から車速を入力し、車両の前方コーナまでの距離、前記コーナの曲率半径、路面摩擦係数、車両重心位置情報に基づき目標速度を設定し、車速と目標速度に基づき設定目標減速度を求め、設定目標減速度よりも運転者目標減速度が大きい場合は、設定目標減速度になるように自動車を制御する。
本発明によれば、安全環境走行時の運転者要求加減速度が実現でき、更に、危険環境走行時の安全優先制御が実行されるため、燃料経済性,運転性及び安全性の並立が図れる。
以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明する。
図1は本発明一実施例のブロック図である。加減速度検出手段1における加速度検出はプラス側アクセルペダル踏み込み量、減速度検出はマイナス側アクセルペダル踏み込み量及びブレーキペダル踏力により実行される。車速検出手段2は、変速機出力軸あるいはホイール回転軸に取り付けられた回転センサの信号を用いて車両の車速に換算する。目標加減速度演算手段3は、前記加減速度検出手段1及び車速検出手段2の検出結果に基づいて、運転者が要求する車両の加減速度を設定する。道路環境検出手段4は、前方の道路状況、例えば道路の曲率半径,道路勾配,前方車両及び前方障害物,路面摩擦係数等をカメラ,レーダ,ナビゲーション地図情報及び道路に設置されたインフラ設備等により検出し、更に、走行環境に応じたドライバ操作の信号、例えば雨滴センサ信号,ヘッドライト信号及びシートベルト信号等を検出する。危険走行判別手段5は、前記道路環境検出手段4及び車速検出手段2の検出結果に基づいて、自車の走行が数秒後(車速に応じて変化)危険な走行環境に陥るか否かを判断する。目標値変更手段6は、前記危険走行判別手段5で判別された結果、危険と判断された場合に目標加減速度を変更する。目標制駆動トルク演算手段7は、該道路環境検出手段4,目標加減速度演算手段3,車速検出手段2及び目標値変更手段6で得られた結果に基づいて、ホイールに伝達される目標の制駆動トルクを演算する。これに基づいて、以下の操作手段の制御操作量が演算される。制御操作量演算手段8は、前記車速,車速に応じた余裕駆動トルク,道路勾配,目標加減速度及び目標制駆動トルクを用いて、燃費,運転性(ドライバ意図)及び安全性を考慮して制御操作量が演算される。操作手段9は、エンジンのトルク操作手段,前記変速機の変速比操作手段及び制動力操作手段から成り、前記演算及び検出された結果に応じて動作する。
図2〜図7は一実施例の具体的制御フローチャートである。図2は上記危険走行判別手段5の制御フローである。また、このフローにより種々の走行環境も同時に演算される。まず、処理10でFM中心周波数f0,周波数偏移幅ΔF,三角波繰り返し周波数fm,増加ビート周波数fb1,減少ビート周波数fb2,カメラ画像,ヘッドライトスイッチLs,雨滴センサ信号Ws,シートベルトスイッチBs,車速V,前方路面摩擦係数μを読み込む。ここで、f0,ΔF,fmは通常FM−CW方式レーダ{CW(Continuous
Wave) レーダの送信信号にFM(Frequency Modulation)変調を加えたもの}の機種別で一義的に決まるので、それぞれメモリに予め機種別のデータを記憶して置けば良い。しかし、この方式では、レーダ変更の際に、データ及び制御ソフトを変更する必要があり、開発工数が増加してしまう。そこで、レーダ自体をインテリジェント化し、これらの信号
(f0,ΔF,fm)を出力させ、上記のように読み込む構成にする方が良い。処理11では、FM−CW方式レーダにより前方物体と自車との距離D1を処理11に記述した式を用いて求める。また、電波伝搬速度Cは、3×108m/sec であり、予めメモリに記憶されている。処理12では、前方物体と自車との相対速度Vrを処理12に記載した式を用いて演算される。処理11及び12の演算式は一般的に知られている技術である。処理13から処理19では、天候及び昼夜に応じたカメラ画像の処理方法を示す。つまり、天候及び昼夜に応じて取り込まれた道路画像の輝度が異なる。よって、輝度に応じた道路検出を実行し、より正確な道路形状を把握する必要がある。処理13では、ヘッドライトスイッチLsがONかどうかを判断する。ON、つまりLs=1の場合は、夜と判断し処理14へ進む。処理14では、雨滴センサ信号Wsが定数k1以上かどうかを判断する。このk1は、カメラにより検出された路面の輝度が雨滴に応じて異なる状態を示す定数であり、予め実走行マッチングにより求めメモリに記憶しておく。よって、Wsがk1以上の場合は、処理15に進み、雨天,夜間走行と判断し雨天・夜間の輝度検出処理を施し路面画像処理を実行する。処理14でNOの場合は、晴天,夜間走行と判断し晴天・夜間の輝度検出処理を施し路面画像処理を実行する。処理13でNOの場合は、処理17に進み、処理14と同様の処理を実行する。処理17でYESの場合は、雨天,昼間走行と判断し雨天・昼間の輝度検出処理を施し路面画像処理を実行する。処理17でNOの場合は、晴天,昼間走行と判断し晴天・昼間の輝度検出処理を施し路面画像処理を実行する。ここで適用した輝度検出による道路状態検出は、一般的に知られている技術である。処理20では、図9及び図10のように処理15,16,18,19で処理された前方道路の座標系を検出する。図9は実際の道路曲率座標系、図10は図9を画像で示した道路曲率座標系である。この座標系を用いて、処理22及び23を実行する(後述)。処理22を実行する前に、まず、処理21で前方の道路勾配Sを検出する。このSは、図11及び図12に示すように検出した道路左右端の波線形状の認識により検出される。例えば、道路形状を表す複数個のパターンがニューロコンピュータ等に記憶されており、検出された道路形状と比較して前方道路環境が判断される。図11は下り坂道路形状、図12は上り坂道路形状を検出した例である。また、図13は前方の道路勾配検出手法であり、カメラ画像の平坦路形状を基準として道路左右線の角度γを検出し道路勾配Sに換算する。ここで、勾配以外にコーナを認識した場合は処理22,23で処理される。処理22では、図10に示す座標系、式(1)及び式(2)を用いてコーナまでの距離D2を求める。
y(n+1)/x(n+1)<{(y(1)/x(1)+・・・+y(k)/x(k))/k}
…(1)
D2=y(n) …(2)
式(1)の右辺では、座標系で表された直線道路の横軸x(n)に対する縦軸y(n)の比をn=kまで加算し、この加算された値を総数kで除算することにより平均化した直線の変化状態を得る。そこで、次の比y(n+1)/x(n+1)が右辺より小さくなったかどうかを判断し、小さくなった場合は、n+1の1つ手前、つまりy(n)をD2に代入しコーナ入り口までの距離を求める。処理23では、図10に示す座標系、式(3)及び式(4)を用いてコーナの曲率半径Rを求める。
m(n)=l(n) …(3)
R=l(n) …(4)
式(3)では、コーナ道路の横軸l(n)が縦軸m(n)が一致したかどうかを判断する。一致した値が曲率半径であり、式(4)のようにRにl(n)あるいはm(n)を代入し求める。この時の横軸と縦軸の距離換算は、カメラ画像と実際の距離との補正値を予めメモリに記憶しておき対処する。以上のようなコーナの認識は、現在の走行状態、つまり上り,下り及び平坦路の全てにおいてカメラも車体と同様に変化するため道路勾配の変化によらず、同じ手法で実施することができる。次に、処理24では、前方に走行を妨げるような車両あるいは物体があるかどうかを判断する。k2は、FM−CW方式レーダよる前方物体との距離計測可能範囲内の定数である。つまり、処理24でYESの場合は、今後の走行が前方物体からの制限を受けたものとなり、NOの場合は、前方のコーナに制限を受けた走行になることを判断する。処理24でYESの場合は処理25に進み、前方物体との相対速度Vrとインフラ情報等により得られた路面摩擦係数μの関数f2と自車速度Vを用いて目標の自車速度Vt1を求める。そして、処理26で、物体衝突防止目標減速度
Fd1を処理26に記載された式を用いて演算する。この式は、式(5),(6),(7)及び(8)を用いて算出される。
T1=W・V2/2+Ir・(V/r)2/2 …(5)
T2=W・Vt12/2+Ir・(Vt1/r)2/2 …(6)
U(1−2)=T1−T2=(1/2)・{W+(Ir/r2)}・(V2−Vt12)
…(7)
Fd1=U(1−2)/D1 …(8)
まず、この処理での考えは、安全走行確保のため現在の自車速度Vを将来の目標自車速度Vt1に変化するということである。初速Vにおいて、自車両の持つ運動エネルギー
T1は式(5)、また、目標自車速度Vt1における自車両の持つ運動エネルギーT2は式(6)でそれぞれ表される。ここで、W:車両重量,Ir:車輪の慣性モーメント,r:車輪半径である。初速から目標速度にいたるまでに損失運動エネルギー(T1−T2)は、外部からの仕事U(1−2)に等しい(式(7))。よって、現地点での現在車速Vから目標速度Vt1を必要とする地点までの距離をD1とすると、この距離D1の間を走行中に、式(8)で与えられる減速力Fd1を加え続ける必要がある。このようにして、
Fd1が求まる。処理24でNOの場合は処理27に進み、処理23で求められたRに対する目標速度Vt2を検索する。このVt2は、Rが大きくなるほど大きくなる。つまり、Rが大きいほど目標とする速度は大きくても良いということである。また、安全性確保のため、上記インフラ情報等で得られたμが小さいほどVt2を小さくする必要がある。処理28では、処理26と同様の処理を実行し、コーナ暴走防止の目標減速力Fd2を演算する。処理26,28の後はそれぞれ図3の処理29,34に進む。処理29では、シートベルトスイッチBsが入ったかどうかを判断する。ここでは、現在の自車速度の持続により危険な状況に遭遇するのを回避するための車両減速状態をシートベルト着用の有無により変化させることを目的としている。処理29でYESの場合、つまりシートベルトを着用している場合は処理30に進み、目標の減速度Fd1/W(力/重量)がk3以上かどうかを判断する。このk3は、シートベルト着用時においてドライバが違和感なく、安全な減速度定数である。処理30でYESの場合は、処理31に進み、このままの速度ではドライバが不快に思い、且つ危険な減速になりますよという警告のための危険走行フラグ(前方物体あり)FlgCarに1を代入する。このフラグ信号を用いて、後述図4〜図7の制御を実行する。また、処理30でNOの場合は処理33に進み、FlgCarに0を代入する。処理29でNOの場合は処理32に進み、シートベルト着用なしの場合でも違和感なく、安全な減速度が得られるかどうかを判断する。処理32でYESの場合は処理31に進み、NOの場合は処理33に進む。k4は、シートベルト非着用時においてドライバが違和感なく、安全な減速度定数である。また、処理34から38でも上記と同様の処理がなされ、コーナ進入前から進入時にドライバが不快に思い、且つ危険な減速になると判断された場合は、FlgCorに1が代入される。また、処理27の道路曲率半径Rに対する目標速度Vt2の設定は、式(9)により求めることができる。
Vt2=k20・√μ・R・g …(9)
g :重力加速度
k20:車両重心補正定数
μに関しては、例えば、0.8が乾燥アスファルト、0.5がウェットアスファルト、
0.3 が雪路となり、それぞれμ毎の目標速度、つまりコーナ走行限界速度をメモリに記憶しておく必要がある。また、随時式(9)を用いて演算することも可能である。また、これらの値は、重心位置が異なる車両の種類によっても異なるため、車種別定数分を考慮する必要がある。例えば、重心位置が高く不安定なワンボックスカー等は、k20が小さくなる。
図4〜図7は上記走行環境に基づいたパワートレイン制御の制御フローチャートである。処理40では、アクセルペダル踏み込み量α,ブレーキ踏力β,車速V,上記で求められた前方道路勾配S,前方物体との距離D1,危険走行フラグFlgCar,FlgCor,前方路面摩擦係数μ,目標減速力Fd1,Fd2及びエンジン回転数Neを読み込む。処理41では、図8のように設定されたα,βから成る目標加減速度Gtを検索する。図8は目標加減速度テーブルの概略である。実線が加速時、つまり前回のアクセルペダル踏み込み量(一周期前の読み込み値)に対し今回の読み込み値が大きくなった場合、破線が減速時、つまり前回のアクセルペダル踏み込み量(一周期前の読み込み値)に対し今回の読み込み値が小さくなった場合ある。また、これらの値は車速の大小に応じて図8のように設定される。更に、車速一定制御(オートクルーズコントロール)にしたい場合は、一点鎖線のようにアクセルペダル踏み込み量の小さい領域で目標加速度を0にする。これにより、加速後の現在車速維持が可能になる。以上の場合は、加速時と減速時で2枚のテーブルを有することになる。また、メモリ容量削減の点から1枚のテーブルで実現することも可能である。但し、ドライバが一定加減速度を要求しているにもかかわらず、アクセルペダル踏み込み量が車体変動等で微小に変動しトルク変動が生じる場合がある。それ故、新たなヒステリシス手段の付加が必要となる。次に、処理42では、前方に車両等の物体が存在し、今後ドライバが不快感を生じる走行環境に成り得るかどうか判断する危険走行フラグFlgCarが1になったかどうかを判断する。NOの場合は、処理43に進み前方がコーナで、今後ドライバが不快感を生じる走行環境に成り得るかどうか判断する危険走行フラグFlgCorが1になったかどうかを判断する。処理43でNOの場合は処理44に進み、処理41で求めたドライバが要求する目標加減速度Gtを用いて、目標制駆動トルクTotを処理44に記載した式(10)を用いて演算する。
Tot=r・(W+Wr)・Gt/g+μr・W+μ1・A・V2+W・sinS
…(10)
r:車輪半径、W:車両重量、Wr:回転相当重量、g:重力加速度
μr:転がり抵抗係数、μ1:空気抵抗係数、A:前面投影面積
右辺第一項が車両が加速に要する加速トルク、第二項が転がり抵抗、第三項が空気抵抗、第四項が勾配抵抗である。ここで、Gt,V及びSが前述のフローで求まり、それ以外の変数はその車両毎に決まる定数を予め設定しておく。処理43でYESの場合は、前方にコーナがあり減速が必要と判断され処理45に進む。処理45では、処理41でドライバが要求した目標加減速度Gtが現在の走行環境(安全性の面)から判断された目標減速度Fd2/W以下になっているかどうかを判断する。YESの場合は、ドライバが自分で今後危険走行になるという正しい判断していると判断し処理44に進む。NOの場合は、正しい判断ができていないため処理46で目標加減速度を走行環境(安全性の面)から判断された目標減速度Fd2/Wに書換え処理44に進む。処理42でYESと判断された場合は、処理47に進み、現在の車速Vが例えば15km/h以下かどうかを判断する。これは、渋滞時あるいは車庫入れ等の低車速の場合は、目標加減速度制御は実行せず前方物体との距離制御にすべきだからである。よって、処理47でNOの場合は処理48に進み、目標加減速度制御を実行する。YESの場合は、処理49に進み、目標距離制御を実行する。処理48及び50では、処理45,46と同様の処理を行い、処理44に進む。処理49では、前方物体との距離D1が限界値k8以下かどうかを判断する。このk8は、例えば1m程度であり前方物体と衝突するぎりぎりの距離である。処理49でYES、つまりぶつかる寸前の場合は処理51に進み、目標車速Vtを0にする。そして、処理52で目標ブレーキ力Bpに低車速で停止可能な定数k10を入力する。処理49でNOの場合は処理53に進み、αが0より大きいかどうかを判断する。
YESの場合は、処理54に進み、目標加減速度Gtに一定値k9を入力する。この
k9は、前方に物体が存在する低車速で安全第一となる目標加速度値である。これにより、例えば、ドライバが誤ってアクセルペダルを踏み込んでも一定加速度で走行するため、安全走行が確保できる。また、ここでは一定加速度を設定しているが、この値k9を最大値としてこれ以上の場合は目標加減速度Gtに合わせても良い。そして、処理55に進み、処理44と同様に目標制駆動トルクTotを演算する。そして、処理56で現在の変速比(15km/h以下のため1速),トルクコンバータ回転比eから求まるトルク比t(e)及びTotを用いた処理54記載の式により目標エンジントルクTetを演算する。処理57では、後の処理(目標スロットル開度,目標ブレーキ力を算出)で用いる目標エンジン回転数Netを検出したエンジン回転数Neを入力し求める。処理52及び57の後は、図7の処理58に進み、横軸目標エンジン回転数Netに対する目標エンジントルク
Tetのテーブルを検索し、目標スロットル開度θ,目標変速比i,目標ブレーキ力Bpを求める。処理52からの場合は、白丸の目標ブレーキ力Bpを検索し、目標スロットル開度θ=0,目標変速比i=1速を求める。そして、処理59に進み、i,θ及びBpを出力する。処理57からの場合は、黒丸の目標スロットル開度θを検索し、目標ブレーキ力Bp=0,目標変速比i=1速を求める。そして、処理59に進む。処理44の後は処理60に進み、図2で求めた前方の道路勾配Sがk5より大きいかどうかを判断する。このk5は、上り勾配時の定数であり、走行負荷がある程度大きい場合に高車速側変速を実行してもドライバが違和感を生じない燃費低減用変速点制御が可能になる。
処理60でYESの場合は、燃費変速が実行され図7処理61に進み、変速比毎のトルクコンバータ出力軸トルク、いわゆるタービントルクTt(n)が演算される。Tt(n)のnの数は、車両に取り付けられた変速機に依存され、4速変速機の場合はn=4、無段変速機の場合は制御可能な数に絞り、例えばn=20等に設定する。このTt(n)は上記
Totをn個存在する変速比gr(n)で除算することにより得られる。処理62では、変速比毎のトルクコンバータ出力軸回転数、いわゆるタービン回転数Nt(n)が演算される。このNt(n)は上記Vとn個存在する変速比で乗算することにより得られる。処理63では、変速比毎の逆ポンプ容量係数cn(n)を処理61及び62で得られたTt(n)及びNt(n)を用いて演算する。処理64では、変速比毎の速度比e(n)を検索する。ここで、cn(n)とe(n)の関係は、式(11),(12)及び(13)を用いて求めることができる。
e=Nt/Ne …(11)
Tt=t・c・Ne2 …(12)
cn(n)=(t・c/e2)=Tt/Nt2 …(13)
e:トルクコンバータ入出力軸回転比
Nt:トルクコンバータ出力軸回転数
Ne:エンジン回転数
Tt:トルクコンバータ出力軸トルク
t:トルクコンバータトルク比(eの関数)
c:トルクコンバータポンプ容量係数(eの関数)
処理65では、変速比毎のトルク比t(n)を速度比e(n)の関数として求める。処理
66では、処理61及び65で得られたTt(n),t(n)を用いて目標エンジントルク
Tetを演算する。処理67では、処理62及び64で得られたNt(n),e(n)を用いて目標エンジン回転数Netを演算する。そして、処理68では、処理66及び67で得られた変速比毎の値を用いて燃料消費量が最も小さい変速比iを求める。この場合は、n=4(4速変速機)として示した。ここでの燃費比較は、トルクコンバータの滑りにより変速機出力軸の馬力が変化してしまうため、トルクコンバータ効率とエンジン効率を同時に検出できる燃料消費量のテーブルを用いた。処理69では、処理68と同一軸で設定される目標スロットル開度θテーブルを検索し、処理68で得られた変速比iと同じ位置のθを求める。
次に、処理60でNOの場合は処理70に進み、前方の道路勾配Sが−k6より小さいかどうかを判断する。この−k6は、下り勾配時の定数であり、この値より小さい勾配の場合はドライバが減速を要求している時に限り燃料カットを実行し燃費低減を図る。ドライバが減速を要求しているか否かは、処理71で判断する。そのため、目標加減速度Gtが減速度定数k7以下かどうかを判定する。ここで、YESの場合は図5の処理72に進み、変速比毎の目標エンジントルクTetをTot及びgr(n)を用いて演算する。ここで、トルクコンバータ特性を考慮していない理由は、減速の場合ほぼトルクコンバータ滑りが0となりトルクコンバータの入出力軸回転比が1になるためである。処理73では、処理72と同様に上記車速Vとgr(n)を用いて目標エンジン回転数Netを演算する。そして、減速制御の場合、減速後の加速でドライバが要求する加速感を瞬時に得る必要がある。そこで、減速時の目標余裕駆動トルクTstの設定が必要となり、処理74で求める。Tstは、車速Vに応じて設定されており、ドライバの好みに応じて変えることもできる。例えば、Vが小さい場合は、変速比をロー側にすることができるためTstも大きくなる。次に、処理75では変速比毎の余裕エンジントルクTes(n)をTetとNetからなるテーブルより求める。処理76では、現在の走行状態で変速比を変えた場合の余裕駆動トルクTs(n)を処理75で得られたTes(n)とgr(n)を用いて演算する。処理77では、処理74と76で得られた結果を比較し、Tstより大きく且つTstに最も近いTs(n)が位置する目標変速比i,目標スロットル開度θ,目標ブレーキ力Bpを求める。そして、図7の処理59に進む。
処理70及び71でNOとなった場合は、ほぼコーナを含む平坦路走行及び下り坂加速時のルーチンとなる。処理78では、処理74と同様にドライバが要求する目標余裕駆動トルクTstを検索する。次に、図6の処理79では上記Totが0より小さいかどうかを判断する。小さい場合は、減速と判断し、処理80に進む。処理80からは減速時制御のため、処理80,81,82,83,84はそれぞれ前記処理72,73,75,76,77と同様の処理を実行し図7の処理59に進む。処理79でTotが0以上、つまりNOと判断された場合は加速要求のため、トルクコンバータ特性を考慮した目標エンジントルクTet及びエンジン回転数Netの計算となる。処理85,86,87,88,
89,90,91はそれぞれ前記処理61,62,63,64,65,66,67と同様の処理を実行し処理82に進む。
図14に本発明のシステム構成図を示す。車体92には、エンジン93及び変速機94が搭載されており、エンジンパワートレイン制御ユニット95からの信号によりスロットル開度(空気流量),燃料量,点火時期,ブレーキ圧及び変速比等が制御される。燃料制御には、現在主流の吸気ポート噴射方式,制御性の良い筒内噴射方式等が用いられる。また、車体92には、外界状況を検出するためのテレビカメラ96やインフラ情報検出のためのアンテナ97が搭載されている。テレビカメラ96の画像は走行環境判別ユニット
98に入力され、画像処理して道路勾配,コーナ曲率半径,信号機情報及び道路標識等を認識する。FM−CW方式等のレーダ102が車体92の前方に設置され前方車両あるいは物体との車間距離及び相対速度を検出する。また、上記アンテナ97はインフラ情報端末器99と接続しており、インフラ情報により、前方の路面状況(ウェット,ドライ,雪路,砂の有無等)が検出され、走行環境判別ユニット98で路面摩擦係数μ等を演算する。また、CD−ROM100等に記憶された地図情報でも走行環境が判別でき、前方の道路状況(勾配,コーナ曲率半径等)の検出ができる。走行環境判別ユニット98からは、走行環境に相当する信号,走行環境の危険度,路面摩擦係数μ等が出力され、上記エンジンパワートレイン制御ユニット95に入力される。この信号を基に、走行環境に対応したスロットル開度θ,燃料量,点火時期,変速比i及びブレーキ圧制御用アクチュエータ
103によるブレーキ力Bp等が制御される。また、上記エンジンパワートレイン制御ユニット95には、アクセルペダル踏み込み量α,ブレーキ踏力β,車速V,エンジン回転数Ne,雨滴センサ信号Ws,シートベルトスイッチBs,ヘッドライトスイッチLs等が入力され、図2〜図7で示した制御に用いられる。また、カメラには加速度センサ、カメラ下部には振動抑制制御用のアクチュエータ101が設置され、上記加速度センサの信号をフィードバック制御しカメラ揺れによる検出精度悪化を防止する。
図15はカメラ振動抑制の制御フローチャートである。処理110で車体あるいはカメラに取り付けられた上下加速度センサの信号Gsを読み込む。処理111では、上記Gsの信号を積分し車体の変動速度Vtdを演算する。更に、処理112で上記Vtdの演算値を積分し車体の上下変動位置(ストローク)Stdを演算する。そして、処理113で上記Stdが一定のカメラ画像検出角度になる定数k15と等しいかどうかを判断する。等しい場合は、処理114に進みカメラ角度制御用アクチュエータを駆動する制御信号
As(n)に前回の駆動信号As(n−1)を代入し処理115に進む。処理115では、今回の駆動信号As(n)を前回の駆動信号As(n−1)に代入してリターンされる。処理
113でNO、つまり等しくないと判断された場合は、処理116に進み上記Stdと定数k15の偏差ΔSを求め処理117に進む。処理117では、前回の駆動信号As (n−1) にΔSのPID制御値を加えた値を上記As(n)に代入して処理115に進む。これにより、カメラの変動による道路勾配,道路曲率半径等の検出誤差が抑制でき精度良いパワートレイン制御が実現できる。また、上記加速度センサは、コスト削減の点から車体振動抑制のためのサスペンション制御用のセンサを用いることも可能である。
本発明一実施例のブロック図。 一実施例の具体的制御フローチャート。 一実施例の具体的制御フローチャート。 一実施例の具体的制御フローチャート。 一実施例の具体的制御フローチャート。 一実施例の具体的制御フローチャート。 一実施例の具体的制御フローチャート。 目標加減速度テーブルの概略。 実際の道路曲率座標系。 画像で示した道路曲率座標系。 下り坂道路形状の検出例。 上り坂道路形状の検出例。 前方の道路勾配検出手法。 本発明のシステム構成図。 カメラ振動抑制の制御フローチャートである。
符号の説明
1…加減速度検出手段、2…車速検出手段、3…目標加減速度演算手段、4…道路環境検出手段、5…危険走行判別手段、6…目標値変更手段、7…目標制駆動トルク演算手段、8…制御操作量演算手段、9…操作手段。

Claims (2)

  1. 運転者の加減速度検出手段から入力した要求減速度に応じて運転者目標減速度を演算する運転者目標加減速度演算手段と、
    車速検出手段から車速を入力する手段と、
    車両の前方コーナまでの距離,前記コーナの曲率半径,路面摩擦係数,車両重心位置情報に基づき目標速度を設定する目標速度設定手段と、
    前記車速と前記目標速度に基づき設定目標減速度を求める設定目標減速度演算手段と、
    前記設定目標減速度よりも前記運転者目標減速度が大きい場合は、前記設定目標減速度になるように自動車を制御する制御手段と、を有する自動車の制御装置。
  2. 運転者の加減速度検出手段から入力した要求減速度に応じて運転者目標減速度を演算し、
    車速検出手段から車速を入力し、
    車両の前方コーナまでの距離、前記コーナの曲率半径,路面摩擦係数,車両重心位置情報に基づき目標速度を設定し、
    前記車速と前記目標速度に基づき設定目標減速度を求め、
    前記設定目標減速度よりも前記運転者目標減速度が大きい場合は、前記設定目標減速度になるように自動車を制御する自動車の制御方法。
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JP2017043171A (ja) * 2015-08-25 2017-03-02 トヨタ自動車株式会社 車速制御装置

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