Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JP2005244102A - 平面磁気素子 - Google Patents

平面磁気素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2005244102A
JP2005244102A JP2004054972A JP2004054972A JP2005244102A JP 2005244102 A JP2005244102 A JP 2005244102A JP 2004054972 A JP2004054972 A JP 2004054972A JP 2004054972 A JP2004054972 A JP 2004054972A JP 2005244102 A JP2005244102 A JP 2005244102A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ferrite magnetic
planar
magnetic layer
coil
ferrite
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004054972A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideaki Kohiki
英明 小日置
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
JFE Mineral Co Ltd
Original Assignee
JFE Steel Corp
JFE Mineral Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp, JFE Mineral Co Ltd filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2004054972A priority Critical patent/JP2005244102A/ja
Publication of JP2005244102A publication Critical patent/JP2005244102A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)

Abstract

【要 約】
【課 題】 第1のフェライト磁性層と、該第1のフェライト磁性層の面上に設けられた平面コイルと、該平面コイルのコイル線間および周囲を埋める第2のフェライト磁性層と、前記平面コイルの上に設けられた第3のフェライト磁性層からなる平面磁気素子の薄型化に関する。
【解決手段】 少なくとも前記第2のフェライト磁性層を、フェライト磁粉と絶縁樹脂から構成される複合フェライト磁性層とし、該フェライト磁粉の20vol%以上を粒径2μm以上、および/または、アスペクト比2以上とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、平面磁気素子の大幅な薄型化の実現に関する。
近年、携帯電話、PDAやノート型パソコンなどのように、電池で駆動される携帯情報機器が急速に普及している。これらの携帯情報機器に対しては、従来からさらなる小型・軽量化の要求がある。最近はこれに加えて、ディジタルカメラやディジタルビデオカメラ、さらにはこれらと前記の携帯情報機器との融合など、マルチメディア化が進んでおり、通信機能や表示機能の充実、あるいは画像データを含んだ大量情報の高速処理化など機能の高度化と複合化が求められている。
これに伴い、電池からの単一電圧を、CPU、LCDモジュール、通信用パワーアンプなどの様々な搭載デバイスがそれぞれ必要とする電圧レベルに変換できる小型電源の需要が増加してきた。そこで、携帯機器の小型・軽量化と高機能化を両立させるために、電源に搭載されるトランス、インダクタなどの磁気素子についても、その小型・軽量化を進めることが重要な課題となっている。
このような状況の下で、さらに磁気素子の小型・軽量化を図るため、シリコン基板上に金属磁性層/絶縁層/平面コイル層/絶縁層/金属磁性層で構成された平面インダクタが、特許文献1等に開示されている。しかしながら、これら従来の平面インダクタには、製造コストと特性の面からの問題点がある。
すなわち、6〜7μmの金属磁性膜をスパッタ法などで成膜する必要があり、また金属磁性層と平面コイル層の間に絶縁層を形成する必要があることから、従来の平面磁気素子と比較して、大幅なコストアップが避けられない。また、平面インダクタは、MHz帯域の高周波で駆動されるため、電気的に導体である金属磁性層内部での渦電流の発生によって磁気損失が増大する。さらに、上下金属磁性層がわずかな非磁性空間を介して対峙する構造であるため、交番磁束が平面コイルを鎖交し、コイル内で発生する渦電流による損失の増大が避けられないという構造上の問題がある。
前者に対しては、金属磁性膜と同一の平面に高抵抗領域を形成して金属磁性膜内部の渦電流を細分化すること(特許文献2参照)によって、また後者に対しては、平面コイル導体を複数に分割した導体ラインにすること(特許文献3参照)によって、特性改善の対策をとっているが、まだ十分とはいえない。
これらの課題を解決するために、例えば、特許文献4には、金属磁性膜の代わりにフェライト厚膜を用いた平面磁気素子が提案されている。特許文献4では、上下磁性層をフェライト厚膜でおきかえるとともに、平面コイルのコイル線間にもフェライトを充填することで、コイルの交流損失を大幅に低減することに成功している。
さらに、フェライト磁性層としては、焼結体を用いることを好適とするが、平面コイルとともに焼結すると平面コイルの電気抵抗の劣化を招くので、上部磁性層についてはフェライト粉を樹脂で低温硬化することにより形成し、高温酸化によるコイルの劣化を避けることに成功している(特許文献5参照)。
すなわち、図1に示すように、第1のフェライト磁性層1の上に平面コイル4を含む第2のフェライト磁性層2を配設し、さらにその上に第3のフェライト磁性層3を配設してなる構造の平面磁気素子が既に提案されている。なお、第1のフェライト磁性層1の下面には、外部との接続用の電極5が配設されており、電極5は、平面コイル4とスルーホール6を介して接続されている。
特開平4-363006号公報 特開平6-7705号公報 特開平9-134820号公報 特開2001-244123号公報 特開2001-244124号公報
しかしながら、フェライト磁性層としてフェライト厚膜を用いた平面磁気素子においては、従来の技術ではフェライト磁粉と絶縁樹脂で構成される磁性層の透磁率が比透磁率20以下と小さく、かかる磁性層の磁気的ギャップとしての作用がインダクタンスの大幅な低下を招いていた。
一方、高インダクタンスを得るために、たとえば平面コイルを挟む第1および第3のフェライト磁性層の双方を高透磁率の焼結フェライトとし、第2のフェライト磁性層をフェライト磁粉と絶縁樹脂で構成した場合であっても、平面磁気素子の平面積を小さく保ったままコイルの抵抗を低減するためには、平面コイルの厚みを増大させる必要がある。しかしながら、そうすると、磁気的ギャップとして作用する第2のフェライト磁性層の厚みが増大することになり、インダクタンスは小さくなってしまう。
それゆえ、高インダクタンスと低抵抗の両立を実現してなる薄型の平面磁気素子を実現することが技術課題として残っていた。
本発明は、大幅な薄型化を実現してなる平面磁気素子を提供するものである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、平面磁気素子においてフェライト磁粉と絶縁樹脂で構成される複合フェライト磁性層について、フェライト磁粉の粒径又はアスペクト比を所定のレベルにし、さらに好ましくは平面コイルのコイル線の厚みおよび幅をそれぞれ適正な範囲に調整することによって、上記課題を解決可能であることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の各項記載の平面磁気素子によって上記課題を解決した。
(1) 第1のフェライト磁性層と、該第1のフェライト磁性層の面上に設けられた平面コイルと、該平面コイルのコイル線間および周囲を埋める第2のフェライト磁性層と、前記平面コイルの上に設けられた第3のフェライト磁性層からなる平面磁気素子において、少なくとも前記第2のフェライト磁性層が、フェライト磁粉と絶縁樹脂から構成される複合フェライト磁性層であり、該フェライト磁粉の20vol%以上が粒径2μm以上であることを特徴とする平面磁気素子。
(2) 第1のフェライト磁性層と、該第1のフェライト磁性層の面上に設けられた平面コイルと、該平面コイルのコイル線間および周囲を埋める第2のフェライト磁性層と、前記平面コイルの上に設けられた第3のフェライト磁性層からなる平面磁気素子において、少なくとも前記第2のフェライト磁性層が、フェライト磁粉と絶縁樹脂から構成される複合フェライト磁性層であり、該フェライト磁粉の20vol%以上がアスペクト比2以上であることを特徴とする平面磁気素子。
(3) 前記複合フェライト磁性層中における全フェライト磁粉の体積密度が30vol%以上であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の平面磁気素子。
(4) 前記複合フェライト磁性層の比透磁率が20より大きいことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の平面磁気素子。
上記発明に加え、交流抵抗による損失と直流抵抗による損失の観点から、下記の規定をさらに設定することができる。
(5) 上記(1)〜(4)のいずれかに記載の平面磁気素子において、平面コイルのコイル線の厚みおよび幅をそれぞれ、次式で示される表皮厚みδの0.25〜8倍とすることを特徴とする平面磁気素子。
δ=[2/(μ×σ×ω)]1/2
ここで、μ:透磁率(H/m)
σ:電気伝導率(S/m)
ω:角振動数(rad/s)
(6) 前記のフェライト磁性層、平面コイルと、該平面コイルと導通してなる外部接続用の電極と、を合わせた全体の厚みが1mm未満であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の平面磁気素子。
本発明によれば、第1、第3のフェライト磁性層の間に平面コイルとその線間を埋める第2のフェライト磁性層を配設し、少なくとも複合フェライト磁性層を有することで、極めて薄型で高インダクタンスの平面磁気素子を提供することが可能となる。
すなわち、本発明によって、高インダクタンスと低抵抗を両立した極めて薄型の平面磁気素子を得ることができた。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図1に基づき説明する。
図1に示すように、本発明の平面磁気素子は、第1のフェライト磁性層1と、第1のフェライト磁性層1の面上に設けられた平面コイル4と、平面コイルのコイル線間を埋める第2のフェライト磁性層2と、平面コイルの上に設けられた第3のフェライト磁性層3から構成される。
ここで、第2のフェライト磁性層は、製造工程上、平面コイルに密接して形成しなければならないため、フェライトの焼結のような酸化雰囲気中で高温にさらすと、平面コイルを酸化劣化させてコイル抵抗の大幅な増大を招く。それゆえ、たとえばフェライト磁粉をエポキシ樹脂やポリイミド樹脂などの絶縁樹脂と調合したペーストを用いて、印刷法などで成膜後、熱硬化させた複合フェライト磁性層を適用することが好適である。
かかる複合フェライト磁性層においては、粒径2μm以上のフェライト磁粉を20vol%以上含めば、磁性層の透磁率の増加が顕著となり、平面磁気素子のインダクタンスの増加も顕著となる。それゆえ、平面コイルのコイル線の厚みを低減せずとも高インダクタンスが得られ、コイル抵抗を小さく抑えることが可能となる。しかしながら、粒径2μm以上のフェライト磁粉が60vol%を超えると、ペーストの印刷性が悪くなるため、フェライト磁粉の体積密度を低下させる必要がある。ここで、体積密度の低減に伴い透磁率も低下するため、粒径2μm以上のフェライト磁粉の割合は、20〜60vol%とすることがより好適である。
また、平面磁気素子の小型化の要求から平面コイルのコイル線間を小さくするため、粒径5μmを超えるフェライト磁粉はコイル線間に入れることが困難となる場合があるため、フェライト磁粉は5μmを超えないようにすることがより好ましい。
あるいはまた、かかる複合フェライト磁性層において、アスペクト比2以上のフェライト磁粉が20vol%以上であれば、磁性層の透磁率の増加が顕著となり、平面磁気素子のインダクタンスの増加も顕著となる。それゆえ、上記と同様に、コイル線の厚みを低減せずとも高インダクタンスが得られ、コイル抵抗を小さく抑えることが可能となる。しかしながら、アスペクト比2以上のフェライト磁粉の割合が60vol%を超えると、ペーストの流れを阻害し、印刷性が悪くなるため、アスペクト比2以上のフェライト磁粉の割合は20〜60vol%とすることがより好適である。ところで、アスペクト比が10を超えるようなフェライト磁粉を含んでいると、ペーストの流れを阻害し、印刷性が悪くなるため、アスペクト比としては、2〜10の範囲とすることがより好ましい。
複合フェライト磁性層は、非磁性の絶縁樹脂と軟磁性のフェライト磁粉で構成されるため、フェライト磁粉の体積密度の増加とともにかかる複合フェライト磁性層の透磁率も増加する。透磁率の増加に伴い磁気抵抗が低下するため、平面磁気素子のインダクタンスは増加する。それゆえ、フェライト磁粉の体積密度は大きいほど好ましい。フェライト磁粉の体積密度を30%以上とすることが好適であるのは、30%未満では複合フェライト磁性層の透磁率が大幅に低下し、インダクタンスの著しい低下を招くためである。
また、フェライト磁粉の体積密度の増加に伴い透磁率は増加するが、体積密度が60%を超えるとスクリーン印刷可能なペーストの製造が困難となるため、フェライト磁粉の体積密度は30〜60%とすることがより好適である。
上述した手段により複合フェライト磁性層の比透磁率を20以上に向上させることで、インダクタンスの増加が可能となり、コイル抵抗を小さく抑えることができる。さらに、第1あるいは第3のフェライト磁性層に複合フェライト磁性を適用した場合でも、透磁率が高いゆえ磁性層の厚さを小さく抑制でき、平面磁気素子全体の厚さが1mm未満の極めて薄型の平面磁気素子を提供することが可能となる。そのため、複合フェライト磁性層の比透磁率は20以上とすることを好適とする。
第1および第3のフェライト磁性層は、上述した複合フェライト磁性層を用いても良いが、フェライト磁粉を通常の焼結法またはHIP法などにより焼結した後加工して得られる、あるいはフェライト磁粉をシート状に成形した後焼結または熱硬化して得られるフェライト基板を用いても良い。
高インダクタンスを得るには焼結フェライト基板の適用がより好適であるが、5MHz以上の高周波領域では周波数特性を重視して、一方あるいは双方を複合フェライト磁性層とすることが好ましい。
本発明の平面磁気素子に用いる磁性体としてはフェライトが好適であり、中でも絶縁体であるNiZn系フェライトを用いることが、導体であるコイルとの一体化が容易であり好ましいが、これに限定するものではない。
なお、複合フェライト磁性層中のフェライト磁粉の体積密度は、平面磁気素子全体において必ずしも同一である必要はなく、場所に応じて1種または2種以上の異なる体積密度の磁性体を用いることも可能である。
また、本発明において、第1のあるいは第3のフェライト磁性層の厚みは、5〜500μm程度とすることが好ましい。磁性体の体積密度を調整することで適切な磁性層の厚みに調整することができるが、この厚みが5μmに満たないとコイルで発生する磁束により磁気飽和して磁気損失が増大する。一方500μmを超えると平面磁気素子が厚くなって機器の薄型化を阻害するためである。
なお、隣り合うフェライト磁性層は、接着層を介して接する場合もあるが、この場合の接着層は極カ薄くすることが肝要である。
本発明の平面磁気素子は、平面コイルの形状としてスパイラル型、ミアンダ型などを採用できるが、より大きなインダクタンスを実現できるスパイラル型の採用を好適とする。さらに、スパイラル型の平面コイルを2つ以上直列もしくは並列に配置するようにしても良い。また、電気的に絶縁されたコイルを2つ以上配置した場合は、トランスとしての機能を発揮することができ、本発明はこの構造に対しても有効である。
本発明の平面磁気素子に適用する平面コイルでは、そのコイル線の厚みや幅を表皮厚みδ以上のコイルとして高周波電流を流すと、電流がコイル表面に集中し、コイルの中心を流れず、交流抵抗が周波数とともに増大することになる。
しがしながら、これらの値を表皮厚みδに応じて揃えると、コイル断面積が小さくなって直流抵抗が大きくなってしまう。その結果、平面磁気素子が直流の重畳するような回路に搭載される場合、損失が大きくなる。これを避けるために、コイル線の厚みや幅を表皮厚み程度に分割したコイルを用いることもできるが、そうすると、コイル間を絶縁するスペースが増加する分大きくなるため、平面磁気素子の小型化が損なわれる。また、近接効果によって、平面コイルのコイル損失の低減にも限界があることが明らかとなっている。
そこで、交流抵抗による損失と直流抵抗による損失の和が最小となる組み合わせについて種々検討を重ねた結果、図2に示すコイル線の厚みaおよび幅bをそれぞれ次式で示される表皮厚みδの0.25倍以上、8倍以下の範囲とすることが有効であることが明らかとなった。
δ=[2/(μ×σ×ω)]1/2
ここで、μ:透磁率(H/m)、σ:電気伝導率(S/m)、ω:角振動数(rad/s)である。
なお、コイル線の厚みaおよび幅bが表皮厚みδの0.25倍に満たないと、コイル直流抵抗が大きくなり、コイルの発熱が大きくなる。一方、8倍を超えると、直流抵抗は小さくなるものの、表皮効果による交流抵抗が大きくなって、全体としての損失の増大を招いたり、平面磁気素子の寸法が大きくなったりする。より好適には、1倍以上、4倍以下である。ここで、cは、コイル線間の間隔を示す。
また、本発明においては、コイル線の厚みaを5〜200μmの範囲とすることが好ましい。この厚みが5μmに満たないとコイルの抵抗が大きくなり、損失が増大する。これを補うにはコイル線の幅を極端に広くすることが必要となるが、線幅の増大に伴いコイル線長さが増大することから、コイル抵抗の低減には限界がある。また、平面磁気素子の占有面積が大きくなり、機器の小型化を阻害する。
一方、コイル線の厚みが200μmを超えると、アディティブ法でもサブトラクト法でもコイルの形成が困難となり、さらにはコイル線間をフェライト磁性層で埋めるためにコイル線間のスペースを大きくとる必要から平面磁気素子の占有面積が増大し、機器の小型化を妨げる。
また、平面コイルの材質としては、比抵抗の小さい導体材料を用いることが好ましい。そのような材料としては、Ag(1.6×10-8Ω−m)、Cu(1.7×10-8Ω−m)、Ni(7.1×10-8Ω−m)が挙げられる。但し、Niは比抵抗が高く、またNi自身が磁性をもつため、コイル材料として適していない。また、AgはCuに比べて高価である。そのため、フェライト磁性膜を用いた平面磁気素子にはCu導体からなる平面コイルを適用することがより好適である。
平面コイルを形成する手段としては、電気めっき法、無電解めっき法、印刷・焼成法などがある。
このうち、印刷・焼成法は信号用に用いられるチップ部品にAgやNiの配線や電極を形成するのに多用されているが、バインダ成分の混入や焼成不完全性などから、比抵抗が劣化するという問題がある。さらには、焼成時の酸化のため、Cu導体の形成方法としては適さない。
無電解めっき法は、電気めっき法に比べて析出速度が遅く、生産性が悪いことに加え、還元剤や添加剤から不純物の混入があり、比抵抗が増大する問題がある。
これらに対して、電気めっき法は、高生産性であり、かつ、バルクと同じ純金属が得られるため、比抵抗の小さい平面コイルを得ることができる。電気めっき法では、Cuは硫酸銅めっき浴を用いるのに対して、Agはシアン化銀めっき浴を用いるなど、作業性が悪い。したがって、本発明の平面磁気素子には、電気めっき法によって形成されたCu導体の平面コイルがより好適である。
平面コイルを電気めっき法で形成する場合、素地となる第1のフェライト磁性層が電気的に絶縁体であるため、電極となるめっきシード層が必要となる。めっきシード層の形成方法としては、スパッタ法や無電解めっき法などが好適である。さらに、かかるシード層上にフォトリソグラフィ法により平面コイルのレジストフレームを形成し、電気めっき法により所望の厚さのCu導体を形成した後、化学エッチングによってレジストおよびシード層を除去して、平面コイルを得る。
本発明の平面磁気素子に好適な製造方法について、実施例を用いて以下に説明する。
組成が、Fe23:49.6 mol%、 ZnO:28.7 mol%、およびNiO:21.7 mol% である厚さ250μmのフェライト焼結基板を第1のフェライト磁性層とし、かかる基板上に下地めっき層として0.5μm厚のCu膜をスパッタ法にて成膜した。さらに、この上にフォトレジストを塗布した後フォトリソグラフィにより所望のコイル形状のレジストフレームを形成した。その後、電気めっきによりレジストフレーム内にCuを析出させた後、レジストを剥離し、ついで化学エッチングしてコイル線間の下地めっきを除去し、平面コイルとした。
かくして、コイル線の厚み90μm、幅80μm、間隔25μmでターン数が14のスパイラル型の平面コイルを作製した。
その後、Fe23:49 mol%、ZnO:23 mol%、CuO:12 mol%およびNiO:16 mol%の組成になるフェライト磁粉を、その粒径とアスペクト比について、それぞれ2μm以上、2以上となる割合が後述の表1に示すようになるように配合した。そして、得られたフェライト磁粉を、硬化後に表1に併記した体積密度になるようにエポキシ樹脂に調合した。
このエポキシ樹脂ペーストを、上記の平面コイル線間のスペースおよびコイルの上面にスクリーン印刷法にて塗布し、150℃で熱硬化させ、第2のフェライト磁性層を形成した。かかる第2のフェライト磁性層の厚さは110μmであった。
ついで、エポキシ樹脂系接着剤を用いて、第1のフェライト磁性層と同一組成で厚さ150μmのフェライト焼結基板を第2のフェライト磁性層上に接着し、第3のフェライト磁性層とした。なお、接着層の厚さは10μmであった。
最後に、厚さ20μmとした外部接続用の電極を形成して、図1に示すような厚さ0.54mmの平面磁気素子を完成した。
得られた平面磁気素子の1MHzにおけるインダクタンスと直流抵抗を測定した結果を表1に示す。なお、複合フェライト磁性層の比透磁率を表1に併記する。
このときの表皮厚みδは、66μmである。したがって、コイル線の厚みは、このδの90/66 = 1.4倍、コイル線の幅は、このδの80/66 = 1.2倍である。
Figure 2005244102
表1から明らかなように、本実施例1において、本発明例の平面磁気素子が、比較例に対していずれも良好な電気特性を発現していることがわかる。
次に、組成がFe23:49.6 mol%、 ZnO:28.7 mol%、およびNiO:21.7 mol% である厚さ250μmのフェライト焼結基板を第1のフェライト磁性層とし、かかる基板上に下地めっき層として0.5μm厚のCu膜をスパッタ法にて成膜した。さらに、この上にフォトレジストを塗布した後フォトリソグラフィにより所望のコイル形状のレジストフレームを形成した。その後、電気めっきによりレジストフレーム内にCuを析出させた後、レジストを剥離し、ついで化学エッチングしてコイル線間の下地めっきを除去し、平面コイルとした。
かくして、コイル線の厚み90μm、幅70μm、間隔22μmでターン数が16のスパイラル型の平面コイルを作製した。
その後、Fe23:49 mol%、ZnO:23 mol%、CuO:12 mol%およびNiO:16 mol%の組成になるフェライト磁粉を、その粒径とアスペクト比について、それぞれ2μm以上、2以上となる割合が後述の表2に示すようになるように配合した。そして、得られたフェライト磁粉を、硬化後に表2に併記したフェライト体積密度になるようにエポキシ樹脂に調合した。
このエポキシ樹脂ペーストを、上記の平面コイル線間のスペースおよびコイルの上面にスクリーン印刷法にて塗布し、150℃で熱硬化させ、第2のフェライト磁性層を形成した。かかる第2のフェライト磁性層の厚さは110μmであった。
ついで、第2のフェライト磁性層と同一組成のフェライト磁粉エポキシ樹脂ペーストを、第2のフェライト磁性層上にスクリーン印刷法にて塗布し、150℃にて熱硬化させ、厚さ200μmの第3のフェライト磁性層を形成した。
最後に、厚さ20μmとした外部接続用の電極を形成して、図1に示すような厚さ0.58mmの平面磁気素子を完成した。
得られた平面磁気素子の5MHzにおけるインダクタンスと直流抵抗を測定した結果を表2に示す。なお、このときの表皮厚みδは、30μmである。したがって、コイル線の厚みは、このδの90/30 = 3倍、コイル線の幅は、このδの70/30 = 2.3倍である。
Figure 2005244102
表2から明らかなように、本発明による平面磁気素子は、本実施例2においても比較例に対していずれも良好な電気特性を発現していることがわかる。
平面磁気素子の構造を示す断面模式図である。 平面磁気素子内の平面コイルの配置を説明する符号を示す断面模式図である。
符号の説明
1 第1のフェライト磁性層
2 第2のフェライト磁性層
3 第3のフェライト磁性層
4 平面コイル
5 電極
6 スルーホール

Claims (4)

  1. 第1のフェライト磁性層と、該第1のフェライト磁性層の面上に設けられた平面コイルと、該平面コイルのコイル線間および周囲を埋める第2のフェライト磁性層と、前記平面コイルの上に設けられた第3のフェライト磁性層からなる平面磁気素子において、
    少なくとも前記第2のフェライト磁性層が、フェライト磁粉と絶縁樹脂から構成される複合フェライト磁性層であり、該フェライト磁粉の20vol%以上が粒径2μm以上であることを特徴とする平面磁気素子。
  2. 第1のフェライト磁性層と、該第1のフェライト磁性層の面上に設けられた平面コイルと、該平面コイルのコイル線間および周囲を埋める第2のフェライト磁性層と、前記平面コイルの上に設けられた第3のフェライト磁性層からなる平面磁気素子において、
    少なくとも前記第2のフェライト磁性層が、フェライト磁粉と絶縁樹脂から構成される複合フェライト磁性層であり、該フェライト磁粉の20vol%以上がアスペクト比2以上であることを特徴とする平面磁気素子。
  3. 前記複合フェライト磁性層中における全フェライト磁粉の体積密度が30vol%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の平面磁気素子。
  4. 前記複合フェライト磁性層の比透磁率が20より大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の平面磁気素子。
JP2004054972A 2004-02-27 2004-02-27 平面磁気素子 Pending JP2005244102A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004054972A JP2005244102A (ja) 2004-02-27 2004-02-27 平面磁気素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004054972A JP2005244102A (ja) 2004-02-27 2004-02-27 平面磁気素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005244102A true JP2005244102A (ja) 2005-09-08

Family

ID=35025483

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004054972A Pending JP2005244102A (ja) 2004-02-27 2004-02-27 平面磁気素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005244102A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013065904A (ja) * 2005-10-27 2013-04-11 Toshiba Corp 電源icパッケージ

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013065904A (ja) * 2005-10-27 2013-04-11 Toshiba Corp 電源icパッケージ
JP5221143B2 (ja) * 2005-10-27 2013-06-26 株式会社東芝 平面磁気素子

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008166455A (ja) コイル装置、及びコイル装置の製造方法
KR20170097883A (ko) 코일 부품
JP2002353030A (ja) 表面実装型平面磁気素子および集積型回路部品
JP4711593B2 (ja) 平面磁気素子
JP3628579B2 (ja) 平面磁気素子およびスイッチング電源
JP2008294085A (ja) 平面磁気素子およびそれを用いた電子機器
JP4420586B2 (ja) 平面磁気素子およびスイッチング電源
JP2019080036A (ja) コイル部品
JP2003017322A (ja) 平面磁気素子
KR102539128B1 (ko) 코일 전자 부품
US12014866B2 (en) Coil electronic component
JP2004111552A (ja) 平面磁気素子およびその製造方法と小型電源モジュール
JP2002222712A (ja) Lc複合素子
KR20170097882A (ko) 코일 부품
CN112447359B (zh) 电子部件及其制造方法
JP2005244102A (ja) 平面磁気素子
JP6962643B2 (ja) コイル部品
KR102029543B1 (ko) 코일 전자 부품
JP2003332163A (ja) 平面磁気素子
JP2007173384A (ja) 平面磁気素子
KR102064117B1 (ko) 코일 전자 부품
JP2004111545A (ja) 平面磁気素子
JP2020031208A (ja) コイル電子部品
JP2002299120A (ja) 平面磁気素子
JP2002299122A (ja) 平面磁気素子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070213

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090625

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090707

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090907

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091013