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JP2005137024A - フィルムアンテナ装置およびフィルムアンテナ - Google Patents

フィルムアンテナ装置およびフィルムアンテナ Download PDF

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JP2005137024A
JP2005137024A JP2005000210A JP2005000210A JP2005137024A JP 2005137024 A JP2005137024 A JP 2005137024A JP 2005000210 A JP2005000210 A JP 2005000210A JP 2005000210 A JP2005000210 A JP 2005000210A JP 2005137024 A JP2005137024 A JP 2005137024A
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film
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Noriyuki Mukai
敬之 向井
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

【課題】 フィルムアンテナ装置を提供する。
【解決手段】 ウインドシールドガラスに貼り付けるフィルムアンテナ装置1であって、フィルムアンテナ装置は、第1フィルムアンテナ11、第2フィルムアンテナ12と第3フィルムアンテナ13を含んでなり、第1フィルムアンテナと第2フィルムアンテナとは、同一の第1フィルムベース21上に設けられ、第3フィルムアンテナは、第2フィルムベース22上に設けられ、第1、第2および第3のフィルムアンテナの各パターンは、一角近傍に開口部300を設けた実質的に矩形形状である。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車の窓ガラスに後付けされるフィルムアンテナ装置、特にTV受信用のフィルムアンテナ装置に関する。さらには、フィルムアンテナに関する。
近年、自動車にTV装置を取り付ける例が増えてきている。後付けのTV装置の場合、アンテナも後から付けることになる。このため、自動車の窓ガラスに貼り付けられるフィルムアンテナが多く用いられている。
このフィルムアンテナは、プラスチックフィルム上にアンテナ素子およびこのアンテナ素子の引出し線を形成して、構成されている。なお、前記アンテナ素子は、1枚のフィルム上のみならず、ラミネート構造のフィルム上に形成されていてもよい。
このフィルムアンテナの信号線としては、一般に同軸ケーブルが用いられ、芯線を前記引出し線の給電部に接続するとともに、編み組線を車体に接続することでアースを採るようにしている。
このようなフィルムアンテナ装置において、フィルムアンテナは両面粘着テープなどにより、ウインドシールドガラスに簡単に取り付けることができる。
一方、アースの接続作業をするためには、まず自動車のウインドシールドガラス周辺部の内装材を大きく取り外す必要があった。それからアースを、ボディにネジ止めしたり、ゴム磁石製のアースプレート701を車体に貼り付けたりしていた(図8参照)。このため、アースの接続作業は多くの工数を要していた。なお、このようなフィルムアンテナ装置では、アースを採らないと、十分な感度が得られないことが多い。
そこで本出願人は、特開平7−122919号において、フィルムアンテナのアース構造を提案している。これは、フィルムアンテナのアース構造において、車体との間で容量を形成するように配設された接地構造を特徴としている。さらに具体的には、同軸給電線から外部導体を露出させ、この露出部分を導電性粘着テープに接着剤で固着するか、導電性粘着テープで巻き込むようにして、車体に貼着してアースとする構造を開示している。
なお、特開2000−13122や特開2000−13125では、「フロントウィンドウ等に配設される車両用ガラスアンテナ」が開示されている。
特開平7−122919号公報 特開2000−13122号公報 特開2000−13125号公報
後付けされるフィルムアンテナをウインドシールドガラスに設置する場合、その設置スペースが限られてしまう。そこで、上述の図8に示されたフィルムアンテナでは、点検整備証シール5や車検証シール6の周囲に、隙間なくフィルムアンテナが貼り付けられている。このため、車検や定期点検時に、点検整備証シールや車検証シールを貼り替える際に、一旦フィルムアンテナを取り外して、再度貼り付ける必要があった。
ところでTV放送の受信には、VHF−Lo、VHF−Hi、UHFの3つの周波数帯域があるので、それぞれの受信に適した3つのアンテナパターンが必要となる。貼り付けるフィルムアンテナの数が多いと、どうしても作業が繁雑になってしまう嫌いがあった。
また上記特開平7−122919号では、アース接続作業においてさらなる改良が求められていた。
そこで本発明は、簡単で作業性のよいアース構造を有するフィルムアンテナ装置の提供を目的とする。
さらに本発明は、フィルムアンテナの貼り付ける手間を軽減できるフィルムアンテナ装置の提供を目的とする。
またさらに本発明は、道路運送車両の保安基準(第29条第4項第7号、視野規制)の緩和により、ウインドシールドガラスに貼り付けられるフィルムアンテナの寸法を特定し、アンテナ性能の向上を図ることを目的とする。加えて、アンテナ性能を向上させながら、視野の妨げを最小限にできるフィルムアンテナ装置の提供を目的とする。
さらに本発明は、フィルムアンテナ装置の用いられるフィルムアンテナの提供を目的とする。
なお、緩和される以前の保安基準(視野規制)では、例えばウインドシールドガラスにおいて、貼り付けアンテナを設ける位置は、ウインドシールドガラスの可視領域開口の境界線から100mm以内としなければならなかった。
緩和された保安基準(視野規制)では、貼り付ける場所により、貼り付けるアンテナの線幅や本数は規制されているものの、ウインドシールドガラスのいずれの場所にも貼り付けアンテナを設けられるようになった。なお保安基準としては緩和されてはいるが、特に運転者前方には、視界を妨げるものはできるだけ設けない方が好ましい。
本発明のフィルムアンテナの第1の態様は、
自動車用ウインドシールドガラスの上部に貼り付けられるフィルムアンテナにおいて、
前記アンテナは、
給電点と、
前記給電点から下方向へ延び、上部に開いたコ字状アンテナ素子と、
前記給電点から横方向へ延びる細長い矩形状アンテナ素子とからなり、
前記コ字状アンテナ素子の先端と、前記矩形状アンテナ素子の先端との間で、開口部をなすアンテナパターンを有することを特徴とする。
本発明のフィルムアンテナの第2の態様は、
自動車用ウインドシールドガラスの上部に貼り付けられるフィルムアンテナにおいて、
前記アンテナは、
給電点と、
前記給電点から横方向へ延びる細長いはしご状部分と、
前記はしご状部分の先端から下方向へ延び、上部に開いたコ字状部分とからなり、
前記コ字状部分の先端と、前記給電点側にある前記はしご状部分の基部との間で、開口部をなすアンテナパターンを有することを特徴とする。
本発明のフィルムアンテナの第3の態様は、
自動車用ウインドシールドガラスの上部に貼り付けるフィルムアンテナにおいて、
前記フィルムアンテナは、第1アンテナと、第2アンテナと、第3アンテナとを含んでなり、
前記第1と第2アンテナは、給電点と、前記給電点から下方向へ延び、上部に開いたコ字状アンテナ素子と、前記給電点から横方向へ延びる細長い矩形状アンテナ素子とからなり、前記コ字状アンテナ素子の先端と、前記矩形状アンテナ素子の先端との間で、開口部をなすアンテナパターンを有し、各給電点が近接するように同一の第1フィルムベース上に設けられ、
前記第3アンテナは、給電点と、前記給電点から横方向へ延びる細長いはしご状部分と、前記はしご状部分の先端から下方向へ延び、上部に開いたコ字状部分とからなり、前記コ字状部分の先端と、前記給電点側にある前記はしご状部分の端部との間で、開口部をなすアンテナパターンを有し、第2フィルムベース上に設けられることを特徴とする。
また、本発明のフィルムアンテナ装置は、
自動車用ウインドシールドガラスの上部に貼り付けるフィルムアンテナ装置において、
前記フィルムアンテナ装置は、第1アンテナと、第2アンテナと、第3アンテナと、導電性テープを用いたアース構造とを含んでなり、
前記第1と第2アンテナは、給電点と、前記給電点から下方向へ延び、上部に開いたコ字状アンテナ素子と、前記給電点から横方向へ延びる細長い矩形状アンテナ素子とからなり、前記コ字状アンテナ素子の先端と、前記矩形状アンテナ素子の先端との間で、開口部をなすアンテナパターンを有し、各給電点が近接するように同一の第1フィルムベース上に設けられ、
前記第3アンテナは、給電点と、前記給電点から横方向へ延びる細長いはしご状部分と、前記はしご状部分の先端から下方向へ延び、上部に開いたコ字状部分とからなり、前記コ字状部分の先端と、前記給電点側にある前記はしご状部分の端部との間で、開口部をなすアンテナパターンを有し、第2フィルムベース上に設けられ、
前記各アンテナの給電点には、各同軸ケーブルの芯線を第1コネクタを介して接続し、
前記各アンテナは、前記各同軸ケーブルの編み組線に接続された第2コネクタを、車体のピラー部分に粘着させた前記導電性テープを用いたアース構造上に貼り付けることで、車体とアースされていることを特徴とする。
本発明は、上述した特開平7−122919号と同様に、同軸ケーブルの編み組線と車体との間に、コンデンサを形成し容量結合してボディアースとし、このアース部分を車体のピラー部分に設けることを特徴としている。このためアンテナ性能を確保しながら、アースの取り付け作業を軽減している。
アース構造に関して、絶縁体の種類によってその周波数特性は大きく異なるが、FM/TV帯(例えば、100MHz)で絶縁体を挟んで電極導体を対向させたとき、その容量が1μF程度であれば、インピーダンスは0.0015Ωとなる。
例えば、自動車の車体のように、塗装されている金属板(車体)に対し、塗装膜(絶縁体)を挟んで、電極を対向させたとする。このような構成の場合、形成される容量が1μF程度であれば、直流信号は阻止されるものの、交流信号は通り抜けることができるので、高周波的に容量結合されたアースとして機能させることができる。
さらに、車体と対向させる電極との間隔を狭くする、あるいは電極の面積を大きくすれば、インピーダンスはより小さくすることができる。
本発明によるフィルムアンテナ(21,22)は、ウインドシールドガラスにおける運転席および助手席前方上部に貼り付ければよい。特に助手席側においては、図1のように点検整備証シール5と車検証シール6の間に、フィルムアンテ(21,22)貼り付ければよく、点検整備証シール5や車検証シール6を取り囲むように貼り付ける必要はない。また運転席側においては、同様に車検証シール6を避けて、運転席上部前方に貼り付ければよい。
このとき、第1フィルムアンテナ11と第2フィルムアンテナ12とを、同一のフィルムベース21上に設けることが好ましい。同一のフィルムベース上に2つのアンテナを形成すると、フィルムベース数を減らすことができるので、貼り付け作業を軽減することができる。
このように本発明によるフィルムアンテナは、点検整備証シールや車検証シールを避けて貼り付けることができる。このため、車検や定期点検時に、点検整備証シールや車検証シールを貼り替える際に、フィルムアンテナを取り外す必要はない。
さらに視野規制の緩和により、前記各フィルムアンテナの縦方向の寸法を少なくとも100mmを越えるようにしたフィルムアンテナ装置とすることが好ましい。さらに前記各フィルムアンテナのアンテナ素子の最下部の取り付け位置を、前記ウインドシールドガラス上部の可視領域開口の境界線から120mm以内とすることが好ましい。このように設定することにより、アンテナ性能を確保するとともに、視野の妨げを最小限とすることができる。
前記アンテナ素子の最下部の取り付け位置を、前記可視領域開口の境界線から120mm以内とすれば、運転者や他の乗員の重要な視界に入ることが少ないので、視野の妨げを最小限とすることができる。
さらにこの取り付け位置を、前記可視領域開口の境界線から110mm以内とすれば、視野の妨げをさらに少なくすることができる。特にこの限定は、視界の確保が重要な運転者の前方に設けるフィルムアンテナに対して有効である。
なお本明細書において、フィルムアンテナの縦方向の寸法とは、上辺および下辺のアンテナパターンの距離と定義する。ただしこれは、フィルムベースの縦方向の寸法とは異なる。
また前記ウインドシールドガラス上部の可視領域開口の境界線とは、具体的にはセラミックプリントとガラスの透明部分がなす境界線のことをいう。さらに、セラミックプリントの外周部分がドットパターンにて形成されているときは、前記境界線はドットパターンの最外縁周と定義されるとよい。
以上説明してきたように、本発明は、フィルムアンテナ装置において、各フィルムアンテナのアースの接続を、車体のピラー部の金属部分と導電性粘着テープとでコンデンサを形成することにより行っている。このため、取り付けの容易な後付けフィルムアンテナ装置とすることができる。
またアースの接続作業時に、ピラー部の樹脂カバーを外すだけでよいので、作業時間が短くてすむ利点がある。
また点検整備証シールや車検証シールの貼り替え時に、フィルムアンテナを取り外す必要がない後付けフィルムアンテナ装置である。
さらに2つのフィルムアンテナを、同一のフィルムベース上に形成したので、貼り付け作業そのものや、位置合わせ作業も軽減されている。
以下に図面を参照しながら、本発明を詳細に説明する。
(実施例)
ウインドシールドガラス10に取り付けた、本発明によるフィルムアンテナ装置1を、車内視したものを図1に示した。さらに各フィルムアンテナ(11,12,13)の平面図を図2に示した。
このフィルムアンテナ(11,12,13)はいずれも、例えばポリエステル製のフィルムベース(21,22(例えば、厚みが75μm))上に、銀ペーストでアンテナパターン(31,32,33)を印刷し、続いて乾燥した後に、さらに保護膜としてクリアコーティング(例えば、(株)セイコーアドバンス社製:SG429B)を形成している。
図2(a)は、同じフィルムベース21上に設けられた第1、第2フィルムアンテナのパターンを示し、図2(b)は、フィルムベース22上に設けられた第3のフィルムアンテナのパターンを示している。各フィルムアンテナには、アンテナパターンの他に、給電点(41,42,43)となる部分を設けている。なおこの部分には、導電性を保つために、上述したクリアコーティングは形成していない。この給電点に、同軸ケーブルの芯線を接続する。また各アンテナパターンに囲まれた領域は、その中央部分(23)のベースフィルムを切り欠き、除去している。
なお第1、第2および第3のフィルムアンテナの各パターンは、特に限定されないが、この実施例では、いずれも一角近傍に開口部300を設けた実質的に矩形形状とした。
なお図2では、作図を簡単にするために各フィルムアンテナパターンは、矩形としている。しかしこの実施例では、各フィルムアンテナの上下パターンは、厳密にはウインドシールドガラス上辺のカーブに沿うように形成されている。
各フィルムアンテナのパターンについて詳細に説明する。
図2(a)に示される第1フィルムアンテナ11のパターン31は、給電点41から下方向へ延び、上部に開いたコ字状アンテナ素子111と、給電点41から横方向へ伸びる細長い形状アンテナ素子112とからなり、コ字状アンテナ素子の先端と、矩形状アンテナ素子の先端との間で、開口部300をなしている。
図2(a)に示される第2フィルムアンテナ12のアンテナパターン32は、給電点41から下方向へ延び、上部に開いたコ字状アンテナ素子121と、給電点41から横方向へ伸びる細長い形状アンテナ素子122とからなり、コ字状アンテナ素子の先端と、矩形状アンテナ素子の先端との間で、開口部300をなしている。
第1のフィルムアンテナ11と第2のフィルムアンテナ12とは、大きさを異ならせており、第2のフィルムアンテナの方が第1のフィルムアンテナより大きい。
図2(b)に示される第3フィルムアンテナ13のアンテナパターン33は、給電点43から下方向へ延び、上部に開いたコ字状部分132とからなり、
コ字状アンテナ素子の先端と、給電点側にあるはしご状部分の基部との間で、開口部300をなしている。
つぎに、アンテナと同軸ケーブルの接続について、図3を用いて説明する。同軸ケーブル8の芯線81と電線83とを、対をなす接続用金具(85,86)を介して接続する。さらに前記電線83を、コネクタ7に接続する。コネクタ7の裏面には、前記電線83に接続された金属箔71を露出させている。またコネクタの裏面には、両面接着テープ72を施しているか、あるいは接着剤を塗布するとよい。
このコネクタ7を前記給電点の部分に貼り付けて、前記芯線81をアンテナパターン3に接続している。
フィルムアンテナ装置1は、車内側から見て、ウインドシールドガラス10の運転席および助手席の前方上部に貼り付けている。まず第1フィルムアンテナ11および第2フィルムアンテナ12は、同一の第1フィルムベース21上に形成されている。フィルムベースの裏面には、接着剤が塗布されている。この第1フィルムベースは、助手席の前方上部に貼り付けられている。貼り付ける位置は、車検証シールと点検整備証シールの間が好ましい。
第3フィルムアンテナ13は、第2フィルムベース22上に形成されている。この第2フィルムベースは、車検証シール6を避けて運転席の前方上部に貼り付けられている。
いずれのフィルムアンテナにおいても、外観上アンテナパターンの線幅はできるだけ細いことが好ましい。具体的には0.3mm以下が好ましい。図2の例では、0.2mmとした。
ところで、フィルムアンテナの寸法は、求められる受信感度と、外観上視野の妨げにならないように、考慮して決めなければならない。受信感度を上げるためには、できるだけ大きなアンテナパターンが好ましいが、一方視界確保の観点からは、あまり大きなパターンは好ましくない。
なお視野規制の緩和により、縦方向の寸法を大きくできるようになったので、本発明ではこの寸法を少なくとも100mmを超えるようにした。さらに緩和された視野規制では、縦方向の寸法の上限は特に規定されていない。一方、良好な視野を得るという観点からいうと、厳密には縦方向の寸法ではなく、フィルムアンテナのアンテナ素子の最下部の取り付け位置が問題となる。そこでこの取り付け位置を前記境界線から120mm以内とすると、視野の妨げを最小限とすることができるので好ましい。
なお、上述したいずれのフィルムアンテナにおいても、アンテナパターンの上辺部分は、セラミックプリントで隠れているので、その線幅は太くてもかまわない。なお図2の例では、前述したように、いずれのフィルムアンテナにおいても、アンテナパターンの上辺部分は、幅広のパターンの中央部分を除去し、細長い矩形またははしご状をなしている。
つぎにアース構造について、図1,図3および図4を参照しながら説明する。
まず塗装された車体200のピラー部202に、金属箔91の裏面に導電性粘着剤92が塗布された導電性テープ9を貼り付ける(図1および図4参照)。その寸法の一例としては、幅10×長さ150mmを示すことができる。なお例えば、幅10×長さ100mm以上(1000mm)の面積であれば、有効なアースにできることを実験により確認している。導電性テープは、金属箔に両面接着テープを貼り付けたものでもよい。
具体的には、ウインドシールドガラス10周辺の内装材で覆われている車体200のピラー部202の塗装部分201に、導電性テープ9を貼り付けるとよい。このピラー部分は、内装材である樹脂カバーを取り外すと、簡単に塗装部分を露出することができるので、作業が簡便であり好ましい。この実施例では、左右のピラー部202にそれぞれ導電性テープ9を貼り付けた。
なお同軸ケーブルの取り回しによっては、片側のピラー部分にのみ導電性テープを貼り付けてもよい。この場合、樹脂カバーは1つだけ取り外せばよいので、さらに作業が簡便となる。
つぎに、同軸ケーブル8の編み組線82と電線84とを、対をなす接続用金具(85,86)を介して接続する。さらに前記電線84を、コネクタ7に接続する。コネクタ7の裏面には、前記電線84に接続された金属箔71を露出させている。またコネクタの裏面には、両面接着テープ72を施しているか、あるいは接着剤を塗布するとよい(図3,図4参照のこと)。
このコネクタ7を導電性テープ9に貼り付けることによって、同軸ケーブルの編み組線82を導電性テープ9に接続することができる(図4参照)。そして、この導電性テープ9と車体金属部分とがコンデンサを形成することにより、アースとすることができる。なおコネクタを用いずに、直接半田付けなどで編み組線と導電性テープとを接続してもよい。
なお図1に示した実施例では、第1フィルムアンテナ11および第2フィルムアンテナ12のアースへの接続を共用している。つまり、それぞれの同軸ケーブルの編み組線を電気的に接続させてから、対をなす接続用金具の一方に接続し、さらに他方の接続金具に接続された電線を、コネクタに接続している。このようにすれば、接続作業をさらに軽減することができる。
同軸ケーブルの編み組線の長さは、作業性を損なわない範囲で、アンテナ性能のためにできるだけ短い方がよい。この実施例において、運転席側に設けた第3フィルムアンテナでは50mmとし、助手席側に設けた第1および第2フィルムアンテナでは100mmとした。
つづいて、信号線である同軸ケーブルの芯線について述べる。編み組線でシールドされていない芯線部分は、ノイズが混入しやすいので、露出される芯線部分はできるだけ短い方が好ましい。その長さは最大200mmまでである。他方、取り付け作業を行う観点からは、最低でも100mm程度の長さが必要である。この実施例では、150mmとした。
さらに、3つのフィルムアンテナに接続される合計3本の同軸ケーブル8を、ウインドシールドガラス周辺に配設する(図1参照のこと)。前記同軸ケーブル8を、セレクタ部30に接続する。このセレクタ部30は、受信機40からの制御で、受信帯域により上述の3つのアンテナからの信号を選択できる。この選択された信号を、1本の同軸ケーブルを介して受信機40に接続する。なおセレクタ部30には、増幅アンプが設けられていてもよい。
さらに受信機40からの信号は、例えば液晶表示装置などのモニター50に接続される。
(アンテナ性能)
上述した実施例のフィルムアンテナ装置の受信性能を測定した。その結果を表1と図5に示す。比較のために参考例として、図6に示す従来の視野規制に適合したフィルムアンテナ装置の受信性能も併せて表1と図7に示す。なお、表1において、いずれのフィルムアンテナ装置においても、3つフィルムアンテナによりダイバーシティアンテナを構成した場合の測定データである。また図5および図7において、(a)はVHF−LoとVHF−Hiの結果を示し、(b)はUHFの結果を示している。
Figure 2005137024
実施例のアンテナ装置では、視野規制の緩和に伴って、フィルムアンテナの縦寸法を長くしたので、比較的受信波長の長いVHF−LoとVHF−Hi帯域において、参考例に比較して受信感度が優れていることが分かった。
本発明によるフィルムアンテナ装置の取り付け例を説明する平面視図である。 各フィルムアンテナの平面図である。 同軸ケーブルと、フィルムアンテナおよびアースを接続するコネクタの接続を説明する模式図である。 本発明に用いるコネクタの構造およびアース構造を説明する図である。 本発明の実施例における受信感度のグラフである。 参考例のフィルムアンテナ装置を説明する模式図である。 参考例における受信感度のグラフである。 従来例である後付けフィルムアンテナ装置を説明する図である。
符号の説明
1:フィルムアンテナ装置
10:ウインドシールドガラス
11:第1フィルムアンテナ
12:第2フィルムアンテナ
13:第3フィルムアンテナ
21:第1フィルムベース
22:第2フィルムベース
23:フィルムベースの切り欠き部分
31:第1フィルムアンテナパターン
32:第2フィルムアンテナパターン
33:第3フィルムアンテナパターン
41:第1フィルムアンテナの給電点
42:第2フィルムアンテナの給電点
43:第3フィルムアンテナの給電点
5:点検整備証シール
6:車検証シール
7:コネクタ
71:金属箔
72:両面接着テープ
8:同軸ケーブル
81:芯線
82:編み組線
83,84:電線
85,86:接続金具
9:導電性テープ
91:金属箔
92:導電性粘着剤
111,121:コ字状アンテナ素子
112,122:矩形状アンテナ素子
131:はしご状部分
132:コ字状部分
200:車体(ボディ)
201:塗装膜
202:(車体)ピラー部
30:セレクタ部
40:受信機
50:モニター(液晶表示装置)
300:開口部

Claims (7)

  1. 自動車用ウインドシールドガラスの上部に貼り付けられるフィルムアンテナにおいて、
    前記アンテナは、
    給電点と、
    前記給電点から下方向へ延び、上部に開いたコ字状アンテナ素子と、
    前記給電点から横方向へ延びる細長い矩形状アンテナ素子とからなり、
    前記コ字状アンテナ素子の先端と、前記矩形状アンテナ素子の先端との間で、開口部をなすアンテナパターンを有することを特徴とするフィルムアンテナ。
  2. 自動車用ウインドシールドガラスの上部に貼り付けられるフィルムアンテナにおいて、
    前記アンテナは、
    給電点と、
    前記給電点から横方向へ延びる細長いはしご状部分と、
    前記はしご状部分の先端から下方向へ延び、上部に開いたコ字状部分とからなり、
    前記コ字状部分の先端と、前記給電点側にある前記はしご状部分の基部との間で、開口部をなすアンテナパターンを有することを特徴とするフィルムアンテナ。
  3. 請求項1に記載のアンテナパターン2つを、各給電点が近接するように同一のフィルムベース上に設けるフィルムアンテナ。
  4. 前記2つのアンテナパターンの大きさを異ならせた請求項3に記載のフィルムアンテナ。
  5. 自動車用ウインドシールドガラスの上部に貼り付けるフィルムアンテナにおいて、
    前記フィルムアンテナは、第1アンテナと、第2アンテナと、第3アンテナとを含んでなり、
    前記第1と第2アンテナは、それぞれ、給電点と、前記給電点から下方向へ延び、上部に開いたコ字状アンテナ素子と、前記給電点から横方向へ延びる細長い矩形状アンテナ素子とからなり、前記コ字状アンテナ素子の先端と、前記矩形状アンテナ素子の先端との間で、開口部をなすアンテナパターンを有し、各給電点が近接するように同一の第1フィルムベース上に設けられ、
    前記第3アンテナは、給電点と、前記給電点から横方向へ延びる細長いはしご状部分と、前記はしご状部分の先端から下方向へ延び、上部に開いたコ字状部分とからなり、前記コ字状部分の先端と、前記給電点側にある前記はしご状部分の端部との間で、開口部をなすアンテナパターンを有し、第2フィルムベース上に設けられることを特徴とするフィルムアンテナ。
  6. 前記第1と第2アンテナのアンテナパターンの大きさを異ならせた請求項5に記載のフィルムアンテナ。
  7. 自動車用ウインドシールドガラスの上部に貼り付けるフィルムアンテナ装置において、
    前記フィルムアンテナ装置は、第1アンテナと、第2アンテナと、第3アンテナと、導電性テープを用いたアース構造とを含んでなり、
    前記第1と第2アンテナは、給電点と、前記給電点から下方向へ延び、上部に開いたコ字状アンテナ素子と、前記給電点から横方向へ延びる細長い矩形状アンテナ素子とからなり、前記コ字状アンテナ素子の先端と、前記矩形状アンテナ素子の先端との間で、開口部をなすアンテナパターンを有し、各給電点が近接するように同一の第1フィルムベース上に設けられ、
    前記第3アンテナは、給電点と、前記給電点から横方向へ延びる細長いはしご状部分と、前記はしご状部分の先端から下方向へ延び、上部に開いたコ字状部分とからなり、前記コ字状部分の先端と、前記給電点側にある前記はしご状部分の端部との間で、開口部をなすアンテナパターンを有し、第2フィルムベース上に設けられ、
    前記各アンテナの給電点には、各同軸ケーブルの芯線を第1コネクタを介して接続し、
    前記各アンテナは、前記各同軸ケーブルの編み組線に接続された第2コネクタを、車体のピラー部分に粘着させた前記導電性テープを用いたアース構造上に貼り付けることで、車体とアースされていることを特徴とするフィルムアンテナ装置。
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