JP2005105179A - 多分岐有機重合体、硬化性組成物、シーリング材及び接着剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】低粘度で、かつ硬化物の伸び特性に優れた多分岐有機重合体、並びに該重合体を含む硬化性組成物、シーリング材及び接着剤を提供する。
【解決手段】少なくとも架橋可能な加水分解性シリル基を有し、重合開始末端と重合停止末端の合計が3以上である多分岐有機重合体、好ましくは星型重合体、スターバースト型重合体、櫛型重合体及びグラフト重合体から選ばれる少なくとも一種である多分岐有機重合体、該多分岐有機重合体を含む硬化性組成物、好ましくは層状珪酸塩をさらに含む硬化性組成物、該硬化性組成物からなるシーリング材、該硬化性組成物からなる接着剤。
【選択図】なし
【解決手段】少なくとも架橋可能な加水分解性シリル基を有し、重合開始末端と重合停止末端の合計が3以上である多分岐有機重合体、好ましくは星型重合体、スターバースト型重合体、櫛型重合体及びグラフト重合体から選ばれる少なくとも一種である多分岐有機重合体、該多分岐有機重合体を含む硬化性組成物、好ましくは層状珪酸塩をさらに含む硬化性組成物、該硬化性組成物からなるシーリング材、該硬化性組成物からなる接着剤。
【選択図】なし
Description
本発明は、多分岐有機重合体、並びに該重合体を含む硬化性組成物、シーリング材及び接着剤に関し、より詳細には、雰囲気中の湿気により硬化し、低粘度で伸び特性に優れた硬化物を与える多分岐有機重合体、並びに該重合体を含む硬化性組成物、シーリング材及び接着剤に関する。
従来より、架橋可能な加水分解性シリル基を有するビニル重合体を主成分とする硬化性組成物が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。これらの硬化性組成物は、雰囲気中の湿気により架橋し、耐久性、耐候性、透明性及び接着性に優れた硬化物を与える。そのため、上記硬化性組成物は、塗料、コーティング材、接着剤、感圧接着剤、シーラント、シーリング材及びプライマーなどの様々な用途に用いられている。
上記架橋可能な加水分解性シリル基を有するビニル重合体として、例えばアルコキシシリル基含有ビニル重合体を含む硬化性組成物を、シーリング材などに用いる場合には、硬化物がゴム状でり、かつ十分な伸びを有することが求められる場合がある。しかしながら、アルコキシシリル基含有ビニル重合体の硬化物はゴム状であるものの、硬化物の伸びには限界があり、塗工可能な粘性で、より一層十分な伸びを発現させることは困難であった。
従来、優れた伸び特性を実現するために、分子内に1個のシラノール基を有する化合物を添加する方法(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。しかしながら、アルコキシシリル基を有する重合体によっては、これらの方法では満足のいく硬化物の伸び特性を得ることができなかったり、他の物性とのバランスをはかることが困難なことがあった。
一方、アルコキシシリル基含有ビニル重合体としては、重合体の分子量が比較的小さく十分低粘度であり、架橋を起こす官能基が重合体分子末端にできるだけ多く存在させ高い伸びを示すものとすることが好ましい。このような重合体を得る方法として、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類単量体と不飽和有機ケイ素化合物単量体と1官能メルカプタン系連鎖移動剤と重合開始剤とで重合する方法(例えば、特許文献3参照)などが提案されている。
しかしながら、硬化物がより一層の伸びを発現する加水分解性シリル基含有有機重合体が強く求められてきている。上述した1官能メルカプタン系連鎖移動剤を使用して得られた重合体は、線形の重合体であるため、伸びを稼ぐために分子量を上げると増粘し、高粘度となってしまう。従って、低粘度を維持しながら伸びを向上させる方法がさらに求められている。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、低粘度で、かつ硬化物の伸び特性に優れた多分岐有機重合体、並びに該重合体を含む硬化性組成物、シーリング材及び接着剤を提供することにある。
上記目的を達成するために請求項1記載の発明は、少なくとも架橋可能な加水分解性シリル基を有し、重合開始末端と重合停止末端の合計が3以上である多分岐有機重合体を提供する。
また、請求項2記載の発明は、星型重合体、スターバースト型重合体、櫛型重合体及びグラフト重合体から選ばれる少なくとも一種である請求項1記載の多分岐有機重合体を提供する。
また、請求項3記載の発明は、加水分解性シリル基を有するラジカル重合性単量体及び/又は加水分解性シリル基を有するラジカル重合開始剤と、ラジカル重合性単量体と、多価メルカプタンとを共存させてラジカル重合を行うことにより得られるものである請求項1又は2記載の多分岐有機重合体を提供する。
また、請求項4記載の発明は、加水分解性シリル基を有するラジカル重合性単量体と、加水分解性シリル基を有する連鎖移動剤と、ラジカル重合性基を有する数平均分子量300以上の有機重合体とを共存させてラジカル重合を行うことにより得られるものである請求項1又は2記載の多分岐有機重合体を提供する。
また、請求項5記載の発明は、加水分解性シリル基を有するラジカル重合性単量体と、加水分解性シリル基を有する連鎖移動剤と、官能基Xを有する重合性単量体とを共存させてラジカル重合を行い得られる加水分解性シリル基と官能基Xを有する重合体(A)と、官能基Xと共有結合可能な官能基Yを複数個有する化合物(B)とからなる多分岐有機重合体であって、重合体(A)の官能基Xと化合物(B)の官能基Yとが共有結合しているものである請求項1又は2記載の多分岐有機重合体を提供する。
また、請求項6記載の発明は、有機過酸化物をラジカル重合開始剤として用る請求項1〜5のいずれか1項に記載の多分岐有機重合体を提供する。
また、請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の多分岐有機重合体を含む硬化性組成物を提供する。
また、請求項8記載の発明は、層状珪酸塩をさらに含む請求項7記載の硬化性組成物を提供する。
また、請求項9記載の発明は、請求項7又は8記載の硬化性組成物からなるシーリング材を提供する。
また、請求項10記載の発明は、請求項7又は8記載の硬化性組成物からなる接着剤を提供する。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明における多分岐有機重合体は、少なくとも架橋可能な加水分解性シリル基を有し、重合開始末端と重合停止末端の合計が3以上であるものである。
本発明における多分岐有機重合体は、少なくとも架橋可能な加水分解性シリル基を有し、重合開始末端と重合停止末端の合計が3以上であるものである。
(多分岐有機重合体)
本発明の多分岐有機重合体は、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る加水分解性シリル基を少なくとも1個有している。このシロキサン結合は例えば、珪素原子に結合した水酸基もしくは加水分解性基により形成され、上記珪素原子に結合した加水分解性基としては、例えば、水素、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシド基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシド基などが好ましい例として挙げられる。
本発明の多分岐有機重合体は、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る加水分解性シリル基を少なくとも1個有している。このシロキサン結合は例えば、珪素原子に結合した水酸基もしくは加水分解性基により形成され、上記珪素原子に結合した加水分解性基としては、例えば、水素、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシド基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシド基などが好ましい例として挙げられる。
上記加水分解性シリル基としては、珪素原子に1〜3個のアルコキシ基が結合した官能基であり、上記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基等を挙げることができる。反応後に有害な副生成物を生成しないので、メトキシシリル基やエトキシシリル基などのアルコキシシリル基が好ましく用いられる。
上記アルコキシシリル基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、トリフェノキシシリル基等のトリアルコキシシリル基;ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基等のジアルコキシシリル基;メトキシジメチルシリル基、エトキシジメチルシリル基等のモノアルコキシシリル基を挙げることができる。これらは単独または2種以上併用してもよい。
本発明の多分岐有機重合体の主鎖は特に限定されず、ビニル系重合体、ポリエーテル系重合体、ポリエステル系重合体、ポリカーボネート系重合体、ポリオレフィン系重合体などが挙げられ、好ましくは、ビニル系重合体及び/またはポリエーテル系重合体からなる。すなわち、主鎖がビニル系重合体部分及びポリエーテル系重合体部分のいずれか一方を有していても双方を有していてもよい。これらは単独または2種以上併用してもよい。
本発明の多分岐有機重合体は、重合開始末端と重合停止末端の合計が3以上であるものである。上記多分岐有機重合体を得るためには、公知の方法により重合することができ、例えば、フリーラジカル重合法、リビングラジカル重合法、リビングアニオン重合法、リビングカチオン重合法などの様々な重合方法が、単量体の重合性反応等に応じて適宜選択することができる。なかでも、重合操作の簡便性の点でフリーラジカル重合法が好ましく用いられ、ラジカル重合性単量体をフリーラジカル重合させたものが好ましい。
上記重合法により得られた重合体には、重合の開始起点となった重合開始末端、及び、重合が停止した重合停止末端が存在し、本発明においては、重合開始末端と重合停止末端の合計が3以上であるとされる。
本発明における多分岐有機重合体としては、星型重合体、スターバースト型重合体、櫛型重合体及びグラフト重合体から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
本発明において、例えば、主鎖を構成しているビニル系重合体部分としては、ビニル系単量体を重合して得られる重合体であれば良く、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルエーテル等を挙げることができる。また、これらビニル系重合体部分を有する共重合体であっても良い。好適には、凝集力や接着性とのバランスの良い数平均分子量5000〜100000のポリ(メタ)アクリレートやその共重合体が良い。ここで、(メタ)アクリルとはメタクリル又はアクリルを意味する。
ポリ(メタ)アクリレートやその共重合体を得るための単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−3−メチルブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2−[(メタ)アクリロイルオキシ]エチル2−ヒドロキシエチルフタル酸、2−[(メタ)アクリロイルオキシ]エチル2−ヒドロキシプロピルフタル酸、
[化合物1]
CH2=CH−C(O)O−CH2CH2O−
[C(O)CH2CH2CH2CH2CH2O]n−H
(n=1〜10)
[化合物2]
CH2=C(CH3)−C(O)O−CH2CH2O−
[C(O)CH2CH2CH2CH2CH2O]n−H
(n=1〜10)
[化合物3]
CH2=CH−C(O)O−(CH2CH2O)n−H
(n=1〜12)
[化合物4]
CH2=C(CH3)−C(O)O−(CH2CH2O)n−H
(n=1〜12)
[化合物5]
CH2=CH−C(O)O−[CH2CH(CH3)O]n−H
(n=1〜12)
[化合物6]
CH2=C(CH3)−C(O)O−[CH2CH(CH3)O]n−H
(n=1〜12)
[化合物7]
CH2=C(CH3)−C(O)O−(CH2CH2O)n−
[CH2CH(CH3)O]m−H
(m,n=1〜12)
[化合物8]
CH2=CH−C(O)O−(CH2CH2O)n−
[CH2CH(CH3)O]m−H
(m,n=1〜12)
[化合物9]
CH2=C(CH3)−C(O)O−(CH2CH2O)n−
(CH2CH2CH2CH2O)mH
(m,n=1〜12)
[化合物10]
CH2=CH−C(O)O−(CH2CH2O)n−
(CH2CH2CH2CH2O)mH
(m,n=1〜12)
[化合物11]
CH2=CH−C(O)O−(CH2CH2O)n−CH3
(n=1〜10)
[化合物12]
CH2=C(CH3)−C(O)O−(CH2CH2O)n−CH3
(n=1〜30)
[化合物13]
CH2=CH−C(O)O−[CH2CH(CH3)O]n−CH3
(n=1〜10)
[化合物14]
CH2=C(CH3)−C(O)O−[CH2CH(CH3)O]n−CH3
(n=1〜10)
[化合物15]
CH2=C(CH3)−C(O)O−(CH2CH2O)n−
[CH2CH(CH3)O]m−H
(m,n=1〜10)
[化合物16]
CH2=CH−C(O)O−(CH2CH2O)n−
[CH2CH(CH3)O]m−H
(m,n=1〜10)
[化合物17]
CH2=CH−C(O)O−[CH2CH(CH3)O]n
−C(O)−CH=CH2
(n=1〜20)
[化合物18]
CH2=C(CH3)−C(O)O−[CH2CH(CH3)O]n
−C(O)−C(CH3)=CH2
(n=1〜20)
[化合物19]
CH2=CH−C(O)O−(CH2CH2O)n−C(O)−CH=CH2
(n=1〜20)
[化合物20]
CH2=C(CH3)−C(O)O−(CH2CH2O)n
−C(O)−C(CH3)=CH2
(n=1〜20)
等を挙げることができる。
CH2=CH−C(O)O−CH2CH2O−
[C(O)CH2CH2CH2CH2CH2O]n−H
(n=1〜10)
[化合物2]
CH2=C(CH3)−C(O)O−CH2CH2O−
[C(O)CH2CH2CH2CH2CH2O]n−H
(n=1〜10)
[化合物3]
CH2=CH−C(O)O−(CH2CH2O)n−H
(n=1〜12)
[化合物4]
CH2=C(CH3)−C(O)O−(CH2CH2O)n−H
(n=1〜12)
[化合物5]
CH2=CH−C(O)O−[CH2CH(CH3)O]n−H
(n=1〜12)
[化合物6]
CH2=C(CH3)−C(O)O−[CH2CH(CH3)O]n−H
(n=1〜12)
[化合物7]
CH2=C(CH3)−C(O)O−(CH2CH2O)n−
[CH2CH(CH3)O]m−H
(m,n=1〜12)
[化合物8]
CH2=CH−C(O)O−(CH2CH2O)n−
[CH2CH(CH3)O]m−H
(m,n=1〜12)
[化合物9]
CH2=C(CH3)−C(O)O−(CH2CH2O)n−
(CH2CH2CH2CH2O)mH
(m,n=1〜12)
[化合物10]
CH2=CH−C(O)O−(CH2CH2O)n−
(CH2CH2CH2CH2O)mH
(m,n=1〜12)
[化合物11]
CH2=CH−C(O)O−(CH2CH2O)n−CH3
(n=1〜10)
[化合物12]
CH2=C(CH3)−C(O)O−(CH2CH2O)n−CH3
(n=1〜30)
[化合物13]
CH2=CH−C(O)O−[CH2CH(CH3)O]n−CH3
(n=1〜10)
[化合物14]
CH2=C(CH3)−C(O)O−[CH2CH(CH3)O]n−CH3
(n=1〜10)
[化合物15]
CH2=C(CH3)−C(O)O−(CH2CH2O)n−
[CH2CH(CH3)O]m−H
(m,n=1〜10)
[化合物16]
CH2=CH−C(O)O−(CH2CH2O)n−
[CH2CH(CH3)O]m−H
(m,n=1〜10)
[化合物17]
CH2=CH−C(O)O−[CH2CH(CH3)O]n
−C(O)−CH=CH2
(n=1〜20)
[化合物18]
CH2=C(CH3)−C(O)O−[CH2CH(CH3)O]n
−C(O)−C(CH3)=CH2
(n=1〜20)
[化合物19]
CH2=CH−C(O)O−(CH2CH2O)n−C(O)−CH=CH2
(n=1〜20)
[化合物20]
CH2=C(CH3)−C(O)O−(CH2CH2O)n
−C(O)−C(CH3)=CH2
(n=1〜20)
等を挙げることができる。
その他のビニル系単量体としては、例えば、スチレン、インデン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、p−クロロメチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−tert−ブトキシスチレン、ジビニルベンゼン等のスチレン誘導体;例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、安息香酸ビニル、珪皮酸ビニル等のビニルエステル基を持つ化合物;無水マレイン酸、N−ビニルピロリドン、N−ビニルモルフォリン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、tert−アミルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、エチレングリコールブチルビニルエーテル、トリチレングリコールメチルビニルエーテル、安息香酸(4−ビニロキシ)ブチル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ブタン−1,4−ジオール−ジビニルエーテル、ヘキサン−1,6−ジオール−ジビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール−ジビニルエーテル、イソフタル酸ジ(4−ビニロキシ)ブチル、グルタル酸ジ(4−ビニロキシ)ブチル、コハク酸ジ(4−ビニロキシ)ブチルトリメチロールプロパントリビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール−モノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル3−アミノプロピルビニルエーテル、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルビニルエーテル、ウレタンビニルエーテル、ポリエステルビニルエーテル等のビニロキシ基を持つ化合物を挙げることができる。
本発明において、加水分解性シリル基の導入法としては、加水分解性シリル基を有するラジカル重合開始剤による重合を開始する方法、加水分解性シリル基を有する連鎖移動剤を用いる方法、加水分解性シリル基を有する共重合性単量体を用いる方法による重合と同時にシリル基を導入する方法(例えば、特開昭54−123192号公報、特開昭57−179210号公報、特開昭59−78220号公報、特開昭60−23405号公報)や、アルケニル基を有する有機重合体を合成し、その後、ヒドロシリル化によってアルコキシシリル基を導入する方法(例えば、特開昭54−40893号公報、特開平11−80571号公報)等が挙げられる。
加水分解性シリル基を導入するための、連鎖移動剤又は共重合性単量体としては、例えば、メルカプトメチルトリメチルシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、等の連鎖移動性の高い官能基を有するアルコキシシラン;N−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルメチルビス(トリメチルシロキシ)シラン、アリルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、3−アリルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロペニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビンルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルジメチルイソペンテニルオキシシラン、ビニルジメチル−2−((2−エトキシエトキシ)エトキシ)シラン、ビニルトリス(1−メチルビニルオキシ)シラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、フェニルビニルジエトキシシラン、ジフェニルビニルエトキシシラン、6−トリエトキシシリル−2−ノルボルネン、オクタ−7−エニルトリメトキシシラン、スチリルエチルトリメトキシシラン、等の重合性不飽和基を有するアルコキシシラン等を挙げることができる。
上記加水分解性シリル基を導入するための、連鎖移動剤又は共重合性単量体の配合量は、ビニル系単量体100重量部に対して、0.01〜20重量部であることが好ましく、より好ましくは、0.1〜5重量部である。
上記星型重合体を作製する製造方法としては、末端官能基を有する有機重合体にカップリング剤を用いる方法、連鎖移動剤として多価化合物を用いる方法等が挙げられる。なかでも、連鎖移動剤として多価メルカプタンを用いる方法が好ましい。
本発明の多分岐有機重合体は、加水分解性シリル基を有するラジカル重合性単量体及び/又は加水分解性シリル基を有するラジカル重合開始剤と、ラジカル重合性単量体と、多価メルカプタンとを共存させてラジカル重合を行うことにより得られる多分岐有機重合体であることが好ましい。
上記多価メルカプタンとしては、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)等のβメルカプトプロピオン酸と3官能以上の多価アルコールとのエステル化物が挙げられる。
上記スターバースト型重合体を作製する製造方法としては、以下に記載の方法等が挙げられる。
例えば、アンモニアとジアクリレート化合物の1対3のマイケル付加物を得て3官能のアクリレートにして、さらに、アクリロイル基とアンモニアをマイケル付加させ、ついで、アミノ基とジアクリレート化合物をマイケル付加させる。このような反応操作を繰り返し、末端にアクリロイル基を有するスターバーストポリマーとアミノプロピルトリアルコキシシランのようなアミノシランをマイケル付加させて、スターバースト型重合体を製造することができる。
例えば、アンモニアとジアクリレート化合物の1対3のマイケル付加物を得て3官能のアクリレートにして、さらに、アクリロイル基とアンモニアをマイケル付加させ、ついで、アミノ基とジアクリレート化合物をマイケル付加させる。このような反応操作を繰り返し、末端にアクリロイル基を有するスターバーストポリマーとアミノプロピルトリアルコキシシランのようなアミノシランをマイケル付加させて、スターバースト型重合体を製造することができる。
上記櫛型重合体を作製する製造方法としては、ラジカル重合性基を有する有機重合体を用いた共重合法等が挙げられる。なかでも、ラジカル重合性基を有する有機重合体を用いる方法が好ましい。
本発明の多分岐有機重合体は、加水分解性シリル基を有するラジカル重合性単量体と、加水分解性シリル基を有する連鎖移動剤と、ラジカル重合性基を有する数平均分子量300以上の有機重合体とを共存させてラジカル重合を行うことにより得られる多分岐有機重合体であることが好ましい。
上記ラジカル重合性基を有する有機重合体としては、いわゆるマクロモノマーと称する重合体で末端メタクリレート化されたポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリブチルアクリレート、ポリシロキサン等や、有機重合体の側鎖に重合性官能基を有する有機重合体等が挙げられる。
上記ラジカル重合性基を有する有機重合体の数平均分子量は、分岐効果が発現しやすい点で300以上が好ましい。
上記ラジカル重合性基を有する数平均分子量300以上の有機重合体の配合量は、ビニル系単量体100重量部に対して、5〜30重量部であることが好ましく、より好ましくは、10〜20重量部である。
上記グラフト重合体を作製する製造方法としては、官能基Xを有する加水分解性シリル基含有有機重合体と官能基Yを複数個有する化合物とを共有結合させる方法等が挙げられる。
本発明の多分岐有機重合体は、加水分解性シリル基を有するラジカル重合性単量体と、加水分解性シリル基を有する連鎖移動剤と、官能基Xを有する重合性単量体とを共存させてラジカル重合を行い得られる加水分解性シリル基と官能基Xを有する重合体(A)と、官能基Xと共有結合可能な官能基Yを複数個有する化合物(B)とからなる多分岐有機重合体であって、重合体(A)の官能基Xと化合物(B)の官能基Yとが共有結合している多分岐有機重合体であることが好ましい。
上記共有結合可能な官能基Xと官能基Yの組合せとしては、例えば、イソシアネート基と水酸基、一級アミノ基とイソシアネート基、二級アミノ基とイソシアネート基、エポキシ基とカルボキシル基、ヒドロ基とアリル基、水酸基と酸無水物基、一級アミノ基と酸無水物基、イソシアネート基と酸無水物基、(メタ)アクリロイル基と一級アミノ基、(メタ)アクリロイル基と二級アミノ基等が挙げられる。なお、官能基Xと官能基Yとは逆にした組合せとして用いることもできる。これらは単独または2種以上併用してもよい。
本発明で用いられる官能基Xを有する重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネート基を有する重合性単量体;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有する重合性単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する重合性単量体;(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基を有する重合性単量体等が挙げられる。
本発明で用いられる加水分解性シリル基と官能基Xを有する重合体(A)は、例えば、上述した、ポリ(メタ)アクリレートやその共重合体を得るための単量体や、加水分解性シリル基を導入するための、連鎖移動剤又は共重合性単量体を用い、さらに上記官能基Xを有する重合性単量体を用いてフリーラジカル重合させることにより得ることができる。
本発明で用いられる官能基Yとしては、上述した、共有結合可能な官能基Xと官能基Yの組合せの中から適宜必要な官能基Yを選択することができ、官能基Yを複数個有する化合物(B)としては、例えば、トリメチロールプロパン等の水酸基を有する化合物;ヘキサメチレンジアミン、1,4−ブタンジアミン等の一級アミノ基を有する化合物;ポリプロピレングリコールジアミン等の二級アミノ基を有する化合物;アジピン酸、マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸等のカルボキシル基を有する化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等のイソシアネート基を有する化合物;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ化大豆油、エポキシ化SBS等のエポキシ基を有する化合物等が挙げられる。
(ラジカル重合開始剤)
本発明の多分岐有機重合体は、有機過酸化物をラジカル重合開始剤として用いたラジカル重合により得られることが好ましい。
本発明の多分岐有機重合体は、有機過酸化物をラジカル重合開始剤として用いたラジカル重合により得られることが好ましい。
上記多分岐有機重合体は、硬化物の黄変を生じ難くするため、有機過酸化物をラジカル重合開始剤として用いたフリーラジカル重合により得られることが好ましい。ラジカル重合開始剤として用いられる過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、イソノナノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、パラクロロベンゾイルパーオキサイド、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシドなどのジアシルパーオキサイド類;ジイソプロピルパージカーボネート、ジ−sec−ブチルパージカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパージカーボネート、ジ−1−メチルヘプチルパージカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパージカーボネート、ジシクロヘキシルパージカーボネートなどのパーオキシジカーボネート類;tert−ブチルパーベンゾエート、tert−ブチルパーアセテート、tert−ブチルパー−2−エチルへキサノエート、tert−ブチルパーイソブチレート、tert−ブチルパーピバレート、tert−ブチルジパーアジペート、キュミルパーネオデカノエートなどのパーオキシエステル類;メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類;ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジキュミルパーオキサイド、tert−ブチルキュミルパーオキサイド、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどのジアルキルパーオキサイド類;キュメンヒドロキシパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド類などが挙げられる。
また、加水分解性シリル基を有するラジカル重合開始剤としては、例えば、特開平3−14594号公報に開示されている下記一般式(1)により表されるアルコキシシリル基含有アゾ化合物等が挙げられる。
(式(1)において、X1 は炭素数が1〜4のアルコキシ基であり、それぞれが同種であってもよく、異種であってもよく、aは2又は3の整数、R1 はH又は炭素数1〜4のアルキル基、R2 はジメチレン基又はトリメチレン基を示す。)
上記過酸化物は1種のみが用いられてもよく、複数種併用されてもよい。さらに、過酸化物は、一度に添加されてもよく、複数回に渡って逐次添加されてもよい。
(多分岐有機重合体の数平均分子量)
本発明の多分岐有機重合体は、数平均分子量が5000〜100000であることが好ましい。上記多分岐有機重合体の数平均分子量が、5000未満であると硬化皮膜の十分な伸びが期待できなくなり、100000を超えると粘度を低く抑えることが困難な場合がある。より好ましくは10000〜70000である。
本発明の多分岐有機重合体は、数平均分子量が5000〜100000であることが好ましい。上記多分岐有機重合体の数平均分子量が、5000未満であると硬化皮膜の十分な伸びが期待できなくなり、100000を超えると粘度を低く抑えることが困難な場合がある。より好ましくは10000〜70000である。
(多分岐有機重合体の粘度)
本発明に係る硬化性組成物を、取扱性に優れた液状もしくはペースト状の組成物とするには、多分岐有機重合体の粘度が25℃において1000〜500万mPa・sの範囲にあることが好ましい。粘度が1000mPa・s未満の場合には、取り扱い易い液状の組成物を得ることができるが、粘性調整に際してのチキソ性の付与が困難となることがある。粘度が500万mPa・sを超えると、コールドフロー性は示すものの、塗布が困難となり、取り扱い性が難しい組成物となることがある。取り扱い性をより高めるには、より好ましくは、粘度が25℃において3000〜200万mPa・s、さらに好ましくは5000〜180万mPa・sの範囲とされることが望ましい。
本発明に係る硬化性組成物を、取扱性に優れた液状もしくはペースト状の組成物とするには、多分岐有機重合体の粘度が25℃において1000〜500万mPa・sの範囲にあることが好ましい。粘度が1000mPa・s未満の場合には、取り扱い易い液状の組成物を得ることができるが、粘性調整に際してのチキソ性の付与が困難となることがある。粘度が500万mPa・sを超えると、コールドフロー性は示すものの、塗布が困難となり、取り扱い性が難しい組成物となることがある。取り扱い性をより高めるには、より好ましくは、粘度が25℃において3000〜200万mPa・s、さらに好ましくは5000〜180万mPa・sの範囲とされることが望ましい。
本発明の多分岐有機重合体は、重合開始末端と重合停止末端の合計が3以上である多分岐有機重合体となっているので、伸びを稼ぐために分子量を上げても低粘度にすることができ、かつ硬化物の伸び物性が良好な重合体となっている。
また、架橋の初期の段階で分子量が急激に増えるため、硬化を速めることができ、良好なタックフリータイムで硬化できる。
(ポリエーテル系重合体)
本発明に係る硬化性組成物では、架橋可能な加水分解性シリル基を含有するポリエーテル系重合体をさらに配合することができる。
本発明に係る硬化性組成物では、架橋可能な加水分解性シリル基を含有するポリエーテル系重合体をさらに配合することができる。
ポリエーテル系重合体としては、主鎖が本質的にポリエーテル重合体からなるもの、主鎖がポリエーテルと(メタ)アクリル酸エステルとからなる重合体等が挙げられる。このポリエーテル系重合体を配合することにより、硬化物の耐水性を高めたり、シーリング材を構成した場合のゴム弾性を高めることができる。上記多分岐有機重合体と、上記ポリエーテル系重合体とを併用する場合、その配合割合は、多分岐有機重合体100重量部に対し、ポリエーテル系重合体を0.1〜200重量部の割合で添加することが好ましく、より好ましくは0.5〜100重量部である。
ポリエーテル系重合体の配合割合が0.1重量部未満では、接着性改善効果が小さくなることがあり、200重量部を越えると、耐候性が低くなることがあり、かつ接着性向上効果がそれほど高くならないことがある。
上記ポリエーテル系重合体とは、主鎖が本質的に、一般式〔−(R−O)n −、式中のRは炭素数1〜4であるアルキレン基を示す。〕で表される化学的に結合された繰り返し単位を含み、かつ末端に架橋可能な加水分解性シリル基を含有する重合体をさす。
上記ポリエーテル系重合体は、例えば、末端にアリル基を有するポリアルキレンオキサイドをVIII族遷移金属の存在化で下記一般式(2)により表されるヒドロシラン化合物を反応させることによって合成される。
X2 3-b SiR3 b H ・・・ 式(2)
(式中R3 は1価の炭化水素基及びハロゲン化された1価の炭化水素基から選択される基、bは0、1または2の整数、X2 はハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基及びケトキシメート基より選択される原子または基を意味する。)
上記重合体の主鎖であるポリアルキレンオキサイドとしては、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリブチレンオキサイド等が挙げられるが、室温硬化性組成物の硬化物が耐水性に優れ、かつシーリング材としての弾性を確保できるという点でポリプロピレンオキサイドが好ましい。
上記重合体の主鎖であるポリアルキレンオキサイドとしては、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリブチレンオキサイド等が挙げられるが、室温硬化性組成物の硬化物が耐水性に優れ、かつシーリング材としての弾性を確保できるという点でポリプロピレンオキサイドが好ましい。
上記架橋可能な加水分解性シリル基としては、反応後有害な副生成物を生成しない物が好ましく、例えば、メトキシシリル基、エトキシシリル基等のアルコキシシリル基が挙げられる。
ポリエーテル系重合体の数平均分子量が小さくなると、硬化物の伸びが十分でなくなり、目地面に対する追従性が低下し、大きくなると硬化前の粘度が高くなり、配合工程の作業性が悪くなる。従って、好ましくは、数平均分子量は、4000〜30000であり、さらに好ましくは10000〜30000であり、かつ分子量分布は1.6以下が望ましい。
上記ポリエーテル系重合体としては、例えば、商品名「MSポリマー」(鐘淵化学工業社製)として、MSポリマーS−203、S−303など、商品名「サイリルポリマー」(鐘淵化学工業社製)として、サイリルSAT−200、SAT−350、SAT−400や、商品名「エクセスター」(旭硝子社製)として、エクセスターESS−3620、ESS−3430、ESS−2420、ESS−2410などが市販されている。
(硬化性組成物)
本発明に係る硬化性組成物は、上述した本発明の多分岐有機重合体を用いて構成されているため、塗布作業性が良好な低粘度で硬化物の伸び特性に優れ、かつ良好なタックフリータイムで硬化できる硬化性組成物が得られる。
本発明に係る硬化性組成物は、上述した本発明の多分岐有機重合体を用いて構成されているため、塗布作業性が良好な低粘度で硬化物の伸び特性に優れ、かつ良好なタックフリータイムで硬化できる硬化性組成物が得られる。
(硬化性組成物の粘度)
本発明の硬化性組成物の塗布作業性が優れている粘度範囲は、25℃における粘度が2000〜100万mPa・sであることが好ましい。より好ましくは5000〜80万mPa・sである。
本発明の硬化性組成物の塗布作業性が優れている粘度範囲は、25℃における粘度が2000〜100万mPa・sであることが好ましい。より好ましくは5000〜80万mPa・sである。
(層状珪酸塩)
本発明で好ましくは用いられる層状珪酸塩とは、層間に交換性陽イオンを有する珪酸塩鉱物を意味する。本発明で用いられる層状珪酸塩としては特に限定されず、例えば、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、バイデライト、スティブンサイト、ノントロナイト等のスメクタイト系粘土鉱物、バーミキュライト、ハロイサイト、膨潤性マイカ等が挙げられる。中でも、モンモリロナイト、膨潤性マイカが好ましい。上記層状珪酸塩は天然物または合成物のいずれであってもよく、これらは単独または2種以上併用してもよい。
本発明で好ましくは用いられる層状珪酸塩とは、層間に交換性陽イオンを有する珪酸塩鉱物を意味する。本発明で用いられる層状珪酸塩としては特に限定されず、例えば、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、バイデライト、スティブンサイト、ノントロナイト等のスメクタイト系粘土鉱物、バーミキュライト、ハロイサイト、膨潤性マイカ等が挙げられる。中でも、モンモリロナイト、膨潤性マイカが好ましい。上記層状珪酸塩は天然物または合成物のいずれであってもよく、これらは単独または2種以上併用してもよい。
上記層状珪酸塩としては、下記式により定義される形状異方性効果が大きいスメクタイト類や膨潤性マイカを用いることが、硬化性組成物の機械強度向上やガスバリヤ性向上の点からより好ましい。なお、層状珪酸塩の結晶表面(A)及び結晶端面(B)を図1に模式的に示す。
形状異方性効果=結晶表面(A)の面積/結晶端面(B)の面積
図2に示すように、上記層状珪酸塩の層間に存在する交換性陽イオンとは、結晶表面上のナトリウム、カルシウム等のイオンであり、これらのイオンは、カチオン性物質とイオン交換性を有するので、カチオン性を有する種々の物質を上記層状珪酸塩の層間に捕捉(インターカレート)することができる。
上記層状珪酸塩の陽イオン交換容量としては特に限定されないが、50〜200ミリ等量/100gであるのが好ましい。50ミリ等量/100g未満であると、イオン交換により結晶層間に捕捉(インターカレート)できるカチオン性界面活性剤の量が少なくなるので、層間が十分に非極性化されないことがある。一方、200ミリ等量/100gを超えると、層状珪酸塩の層間の結合力が強固となり、層状珪酸塩の各層を構成している結晶薄片間の距離を増大し難くなることがある。
上記層状珪酸塩は、ベース樹脂100重量部に対して、0.1〜100重量部配合される。さらに好ましくは、0.5〜50重量部、特に好ましくは、1〜10重量部である。0.1重量部未満では硬化物の耐候性向上や難燃化などの作用が発現され難く、100重量部を越えると、硬化性組成物の粘度が高くなり作業性、生産性が低下することがある。
なお、上記ベース樹脂とは、上記多分岐有機重合体と、必要に応じて添加されるポリエーテル系重合体の合計である。
上記層状珪酸塩は、広角X線回折測定法により測定した(001)面の平均層間距離が3nm以上であり、5層以下で存在しているものを含んで分散しているものが好ましい。平均層間距離が3nm以上であり、5層以下で分散していると、硬化性組成物の耐候性、難燃性の性能発現に有利となる。
上記層状珪酸塩は、広角X線回折測定法により測定した(001)面の平均層間距離が3nm以上であり、5層以下で存在しているものを含んで分散しているものが好ましい。平均層間距離が3nm以上であり、5層以下で分散していると、硬化性組成物の耐候性、難燃性の性能発現に有利となる。
なお、本明細書において、層状珪酸塩の平均層間距離とは、微細薄片状結晶を層とした場合の平均の層間距離であり、X線回折ピーク及び透過型電子顕微鏡撮影により、すなわち、広角X線回折測定法により算出できるものである。3nm以上に層間が開裂し、5層以下で存在しているものを含んで分散している状態は、層状珪酸塩の積層体の一部または全てが分散していることを意味しており、層間の相互作用が弱まっていることによる。
さらに、層状珪酸塩の平均層間距離が6nm以上であると、難燃性、機械物性、耐熱性等の機能発現に特に有利である。平均層間距離が6nm以上であると、層状珪酸塩の結晶薄片層が層毎に分離し、層状珪酸塩の相互作用がほとんど無視できるほどに弱まるので、層状珪酸塩を構成する結晶薄片の樹脂中での分散状態が剥離安定化の方向に進行する。すなわち、層状珪酸塩が1枚づつ薄片状に乖離した状態で硬化性組成物中に安定化されて存在することとなる。
層状珪酸塩の分散状態としては、ベースとなる樹脂中において層状珪酸塩の薄片状結晶が高度に分散していることが好ましい。より具体的には、層状珪酸塩の10重量%以上が5層以下で存在している状態に分散されていることが好ましく、より好ましくは、層状珪酸塩の20重量%以上が5層以下の状態で存在していることが望ましい。さらに、分散している薄片状結晶の積層数が5層以下であれば、層状珪酸塩の添加による効果が良好に得られるが、3層以下であればより好ましく、単層状に分散していることがさらに望ましい。
本発明における層状珪酸塩は、4級アンモニウム塩で処理されてなる層状珪酸塩であることが好ましい。4級アンモニウム塩で処理することにより、層状珪酸塩の上記ベース樹脂中への分散性を向上させることができるからである。また、4級アンモニウム塩は上記多分岐有機重合体の架橋反応に対する触媒作用があることが知られており、層状珪酸塩と共に上記ベース樹脂中に分散することにより分散性の向上と共に硬化速度を促進させることも可能となる。
上記4級アンモニウム塩としては、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、トリオクチルアンモニウム塩、ジステアリルジメチルアンモニウム塩、ジ硬化牛脂ジメチルアンモニウム塩、ジステアリルジベンジルアンモニウム塩、N−ポリオキシエチレン−N−ラウリル−N,N−ジメチルアンモニウム塩等が挙げられ、これらの4級アンモニウム塩は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。上記の中でも、良好な分散性が得られることから、炭素数6以上のアルキル鎖またはポリオキシアルキレン鎖を有する4級アルキルアンモニウムイオン塩が好ましい。
層状珪酸塩の分散には各種攪拌機を用いることができるが、分散しにくい場合には3本ロール等の高剪断がかかる装置を用いて分散を行うと所望の分散状態を得やすい場合がある。
(紫外線吸収剤及び光安定剤)
本発明の硬化性組成物には、耐候性を向上させるために各種紫外線吸収剤や光安定剤を配合することが好ましい。これらは層状珪酸塩との併用により、層状珪酸塩が各種紫外線吸収剤や光安定剤のブリードアウトを抑制するように作用するため、硬化物中にこれらが長期にわたって保持されるためである。
本発明の硬化性組成物には、耐候性を向上させるために各種紫外線吸収剤や光安定剤を配合することが好ましい。これらは層状珪酸塩との併用により、層状珪酸塩が各種紫外線吸収剤や光安定剤のブリードアウトを抑制するように作用するため、硬化物中にこれらが長期にわたって保持されるためである。
上記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系等の公知の紫外線吸収剤が挙げられ、中でもベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は紫外線吸収性能が高いので好ましい。上記紫外線吸収剤を配合する場合には、上記ベース樹脂100重量部に対して、0.1〜20重量部、より好ましくは、0.5〜10重量部配合されているのが好ましい。0.1重量部よりも少ないと耐候性の向上効果が不十分であることがあり、20重量部を越えると、呈色によりシーリング材としての外観を損なう等の問題を生じる。
上記光安定剤としては、例えばヒンダードアミン系光安定剤が用いられる。ヒンダードアミン系光安定剤は、一般に紫外線吸収剤と併用すると優れた効果を発揮する。上記ヒンダードアミン系光安定剤(以下、光安定剤)の中でも、下記化学式(3)で示される構造を有する基を分子中に有するものが、層状珪酸塩と併用すると特に著しい効果がある。このようヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート、ポリ[{6−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)イミノ}]等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよいし、2種以上併用されてもよい。
光安定剤と層状珪酸塩との併用による耐候性効果は、光安定剤のブリードアウト防止効果が主であると考えられる。すなわち層状珪酸塩が組成物中で光安定剤と相互作用し、光安定剤が系から散逸するのを防いでいる為であると考えられる。
上記光安定剤を配合する場合には、上記ベース樹脂100重量部に対して、0.1〜20重量部、より好ましくは0.5〜10重量部配合されているのが好ましい。0.1重量部よりも少ないと、耐候性の向上効果が不十分であることがあり、20重量部を越えると着色の問題が生じ、シーリング材としての外観を損なうことがある。
(その他の添加物)
本発明の硬化性組成物には、本発明の目的より効果を阻害しない限り、多分岐有機重合体の硬化促進剤、組成物の粘性特性を調整する粘度調整剤、チキソトロープ剤、引張特性などを改善する物性調整剤、増量剤、補強剤、可塑剤、着色剤、難燃剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、たれ防止剤、老化防止剤、溶剤、香料、顔料、染料、脱水剤などを添加してもよい。
本発明の硬化性組成物には、本発明の目的より効果を阻害しない限り、多分岐有機重合体の硬化促進剤、組成物の粘性特性を調整する粘度調整剤、チキソトロープ剤、引張特性などを改善する物性調整剤、増量剤、補強剤、可塑剤、着色剤、難燃剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、たれ防止剤、老化防止剤、溶剤、香料、顔料、染料、脱水剤などを添加してもよい。
多分岐有機重合体の硬化促進剤としては、例えば、有機金属化合物を用いることができる。好適に用いることの出来る有機金属化合物として、ゲルマニウム、錫、鉛、硼素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、チタニウム、ジルコニウム等の金属元素と有機基を置換してなる有機金属化合物を挙げることが出来る。例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫フタレート、ビス(ジブチル錫ラウリン酸)オキサイド、ジブチル錫ビスアセチルアセトナート、ジブチル錫ビス(モノエステルマレート)、オクチル酸錫、ジブチル錫オクトエート、ジオクチル錫オキサイド等の錫化合物、テトラ−n−ブトキシチタネート、テトライソプロポキシチタネート等のチタネート系化合物、これらは単独または2種以上併用してもよい。
粘度調整剤としては、例えば、多分岐有機重合体との相溶性の良い高分子化合物から選ばれ、配合される化合物から適宜選択される。例えば、アクリル系高分子、メタクリル系高分子、ポリビニルアルコール誘導体、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン誘導体、ポリエステル類、ポリエーテル類、ポリイソブテン、ポリオレフィン類、ポリアルキレンオキシド類、ポリウレタン類、ポリアミド類、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、NBR、SBS、SIS、SEBS、水添NBR、水添SBS、水添SIS、水添SEBS等を挙げることができる。また、これら共重合体、官能基変成体を挙げることができ、これらを適宜組み合わせてもよい。
チキソトロープ剤としては、組成物がチキソトロピー性を発現するような物質から適宜選ばれる。例えば、コロイダルシリカ、ポリビニルピロリドン、疎水化炭酸カルシウム、ガラスバルーン、ガラスビーズ等を挙げることができる。チキソトロープ剤の選択については、多分岐有機重合体親和性の高い表面を有することが望ましい。
引っ張り特等を改善する物性調整剤としては、各種シランカップリング剤として、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N’−ビス−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N’−ビス−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N’−ビス−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ヘキサエチレンジアミン、N,N’−ビス−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ヘキサエチレンジアミン等を挙げられ、これらは単独または2種以上併用してもよい。
増量剤としては、本発明に係る組成物中に添加してチキソトロープ性を発現しないものが好適に利用でき、例えば、タルク、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水珪素、含水珪素、ケイ酸カルシウム、二酸化チタン、カーボンブラック等を挙げられ、これらは単独または2種以上併用してもよい。
可塑剤としては、例えば、リン酸トリブチル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル類、フタル酸ジオクチル等のフタル酸エステル類、グリセリンモノオレイル酸エステル等の脂肪酸-塩基酸エステル類、アジピン酸ジオクチル等の脂肪酸二塩基酸エステル類、ポリプロピレングリコール類等を挙げられ、これらは単独または2種以上併用してもよい。
(シーリング材及び接着剤)
本発明に係るシーリング材及び接着剤は、上述した本発明の硬化性組成物を用いて構成されているため、塗布作業性が良好な低粘度で硬化物の伸び特性に優れ、かつ良好なタックフリータイムで硬化できるシーリング材及び接着剤が得られる。
本発明に係るシーリング材及び接着剤は、上述した本発明の硬化性組成物を用いて構成されているため、塗布作業性が良好な低粘度で硬化物の伸び特性に優れ、かつ良好なタックフリータイムで硬化できるシーリング材及び接着剤が得られる。
本発明の多分岐有機重合体、並びにこれらを用いた硬化性組成物、シーリング材及び接着剤は、上述の構成よりなるので、低粘度で硬化物の伸び特性に優れ、かつ雰囲気中の湿気により良好なタックフリータイムで硬化するものが得られる。層状珪酸塩をさらに含む場合は、硬化物の耐候性がより優れたものとなる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳しく説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1:多分岐有機重合体)
撹拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備えた0.5Lセパラブルフラスコに、n−ブチルアクリレート(日本触媒社製)100g、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製、「KBM−503」)0.5g、多価メルカプタンとしてペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(淀化学社製)0.7g及び酢酸エチル100gを投入し、得られたモノマー混合溶液を、窒素ガスを用いて20分間バブリングすることによって溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し、撹拌しながら環流に達するまでに昇温した。
撹拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備えた0.5Lセパラブルフラスコに、n−ブチルアクリレート(日本触媒社製)100g、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製、「KBM−503」)0.5g、多価メルカプタンとしてペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(淀化学社製)0.7g及び酢酸エチル100gを投入し、得られたモノマー混合溶液を、窒素ガスを用いて20分間バブリングすることによって溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し、撹拌しながら環流に達するまでに昇温した。
環流した後、ラジカル重合開始剤として1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.024gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を、重合系に投入した。1時間後、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.036gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を投入した。さらに、重合開始後、2、3及び4時間後に、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド0.048g,0.12g, 及び0.36gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を順次投入した。一回目のラジカル重合開始剤投入から7時間後、室温まで冷却し重合を終了させた。数平均分子量約2.8万(ゲルパーミエションクロマトグラフィーによる、分子量はポリスチレン換算)のアルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体の酢酸エチル溶液を得た。
得られたアルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体の酢酸エチル溶液の一部を、ロータリーエバポレーターを用いて酢酸エチルを除去し、アルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体を得た。
また、得られたアルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体の酢酸エチル溶液100gに、硬化促進剤(ジブチル錫ジラウリレート)1.5gを加え、密封した攪拌機で均一になるまで混合し、アルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体と硬化促進剤の酢酸エチル溶液を得た。得られたアルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体と硬化促進剤の酢酸エチル溶液、及びアルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体について以下に示した重合体の評価を行った。
また、得られたアルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体の酢酸エチル溶液100gに、硬化促進剤(ジブチル錫ジラウリレート)1.5gを加え、密封した攪拌機で均一になるまで混合し、アルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体と硬化促進剤の酢酸エチル溶液を得た。得られたアルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体と硬化促進剤の酢酸エチル溶液、及びアルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体について以下に示した重合体の評価を行った。
(実施例2:多分岐有機重合体)
撹拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備えた0.5Lセパラブルフラスコに、n−ブチルアクリレート(日本触媒社製)90g、ラジカル重合性基を有する有機重合体としてポリ−n−ブチルアクリレートマクロモノマー(数平均分子量6000)(東亞合成社製、「AB−6」)10g、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製、「KBM−503」)0.5g、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製、「KBM−803」)0.2g、ラウリルメルカプタン(和光純薬社製)1g及び酢酸エチル100gを投入し、得られたモノマー混合溶液を、窒素ガスを用いて20分間バブリングすることによって溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し、撹拌しながら環流に達するまでに昇温した。
撹拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備えた0.5Lセパラブルフラスコに、n−ブチルアクリレート(日本触媒社製)90g、ラジカル重合性基を有する有機重合体としてポリ−n−ブチルアクリレートマクロモノマー(数平均分子量6000)(東亞合成社製、「AB−6」)10g、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製、「KBM−503」)0.5g、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製、「KBM−803」)0.2g、ラウリルメルカプタン(和光純薬社製)1g及び酢酸エチル100gを投入し、得られたモノマー混合溶液を、窒素ガスを用いて20分間バブリングすることによって溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し、撹拌しながら環流に達するまでに昇温した。
環流した後、ラジカル重合開始剤として1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.024gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を、重合系に投入した。1時間後、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.036gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を投入した。さらに、重合開始後、2、3及び4時間後に、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド0.048g,0.12g, 及び0.36gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を順次投入した。一回目のラジカル重合開始剤投入から7時間後、室温まで冷却し重合を終了させた。数平均分子量約2.9万(ゲルパーミエションクロマトグラフィーによる、分子量はポリスチレン換算)のアルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体の酢酸エチル溶液を得た。
得られたアルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体の酢酸エチル溶液の一部を、ロータリーエバポレーターを用いて酢酸エチルを除去し、アルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体を得た。
また、得られたアルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体の酢酸エチル溶液100gに、硬化促進剤(ジブチル錫ジラウリレート)1.5gを加え、密封した攪拌機で均一になるまで混合し、アルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体と硬化促進剤の酢酸エチル溶液を得た。得られたアルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体と硬化促進剤の酢酸エチル溶液、及びアルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体について以下に示した重合体の評価を行った。
また、得られたアルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体の酢酸エチル溶液100gに、硬化促進剤(ジブチル錫ジラウリレート)1.5gを加え、密封した攪拌機で均一になるまで混合し、アルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体と硬化促進剤の酢酸エチル溶液を得た。得られたアルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体と硬化促進剤の酢酸エチル溶液、及びアルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体について以下に示した重合体の評価を行った。
(実施例3:多分岐有機重合体)
撹拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備えた0.5Lセパラブルフラスコに、n−ブチルアクリレート(日本触媒社製)100g、イソシアネート基を有する重合性単量体としてメタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製、「カレンズMOI」)0.3g、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製、「KBM−503」)0.5g、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製、「KBM−803」)0.2g、ラウリルメルカプタン(和光純薬社製)1g及び酢酸エチル100gを投入し、得られたモノマー混合溶液を、窒素ガスを用いて20分間バブリングすることによって溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し、撹拌しながら環流に達するまでに昇温した。
撹拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備えた0.5Lセパラブルフラスコに、n−ブチルアクリレート(日本触媒社製)100g、イソシアネート基を有する重合性単量体としてメタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製、「カレンズMOI」)0.3g、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製、「KBM−503」)0.5g、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製、「KBM−803」)0.2g、ラウリルメルカプタン(和光純薬社製)1g及び酢酸エチル100gを投入し、得られたモノマー混合溶液を、窒素ガスを用いて20分間バブリングすることによって溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し、撹拌しながら環流に達するまでに昇温した。
環流した後、ラジカル重合開始剤として1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.024gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を、重合系に投入した。1時間後、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.036gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を投入した。さらに、重合開始後、2、3及び4時間後に、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド0.048g,0.12g, 及び0.36gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を順次投入した。
一回目のラジカル重合開始剤投入から7時間後、得られたアルコキシシリル基とイソシアネート基を有するアクリル酸エステル重合体の酢酸エチル溶液に、さらに水酸基を3個有する化合物としてトリメチロールプロパン(和光純薬社製)0.1gを投入して、60分反応させた後、室温まで冷却し反応を終了させた。数平均分子量約3万(ゲルパーミエションクロマトグラフィーによる、分子量はポリスチレン換算)のアルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体の酢酸エチル溶液を得た。
得られたアルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体の酢酸エチル溶液の一部を、ロータリーエバポレーターを用いて酢酸エチルを除去し、アルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体を得た。
また、得られたアルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体の酢酸エチル溶液100gに、硬化促進剤(ジブチル錫ジラウリレート)1.5gを加え、密封した攪拌機で均一になるまで混合し、アルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体と硬化促進剤の酢酸エチル溶液を得た。得られたアルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体と硬化促進剤の酢酸エチル溶液、及びアルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体について以下に示した重合体の評価を行った。
また、得られたアルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体の酢酸エチル溶液100gに、硬化促進剤(ジブチル錫ジラウリレート)1.5gを加え、密封した攪拌機で均一になるまで混合し、アルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体と硬化促進剤の酢酸エチル溶液を得た。得られたアルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体と硬化促進剤の酢酸エチル溶液、及びアルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体について以下に示した重合体の評価を行った。
(実施例4:硬化性組成物)
上記実施例1で調製されたアルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体の酢酸エチル溶液140gに、ポリプロピレングリコール(和光純薬社製、分子量3000)30gを添加し、エバポレータにより酢酸エチルを除去し、粘調な組成物を得た。しかる後、上記粘調な組成物に、重質炭酸カルシウム(白石カルシウム社製、「ホワイトンP30」)50g、脂肪酸処理炭酸カルシウム(白石カルシウム社製、「ビスコライトU」)50g、及び硬化促進剤(ジブチル錫ジラウリレート)3gを加え、密封した攪拌機で均一になるまで混合した。しかる後、10分間減圧脱泡し、白色ペースト状の硬化性組成物を得た。得られた硬化性組成物について以下に示した組成物の評価を行った。
上記実施例1で調製されたアルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体の酢酸エチル溶液140gに、ポリプロピレングリコール(和光純薬社製、分子量3000)30gを添加し、エバポレータにより酢酸エチルを除去し、粘調な組成物を得た。しかる後、上記粘調な組成物に、重質炭酸カルシウム(白石カルシウム社製、「ホワイトンP30」)50g、脂肪酸処理炭酸カルシウム(白石カルシウム社製、「ビスコライトU」)50g、及び硬化促進剤(ジブチル錫ジラウリレート)3gを加え、密封した攪拌機で均一になるまで混合した。しかる後、10分間減圧脱泡し、白色ペースト状の硬化性組成物を得た。得られた硬化性組成物について以下に示した組成物の評価を行った。
(比較例1)
撹拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備えた0.5Lセパラブルフラスコに、n−ブチルアクリレート(日本触媒社製)100g、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製、「KBM−503」)0.5g、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製、「KBM−803」)0.2g、ラウリルメルカプタン(和光純薬社製)0.9g及び酢酸エチル100gを投入し、得られたモノマー混合溶液を、窒素ガスを用いて20分間バブリングすることによって溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し、撹拌しながら環流に達するまでに昇温した。
撹拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備えた0.5Lセパラブルフラスコに、n−ブチルアクリレート(日本触媒社製)100g、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製、「KBM−503」)0.5g、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製、「KBM−803」)0.2g、ラウリルメルカプタン(和光純薬社製)0.9g及び酢酸エチル100gを投入し、得られたモノマー混合溶液を、窒素ガスを用いて20分間バブリングすることによって溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し、撹拌しながら環流に達するまでに昇温した。
環流した後、ラジカル重合開始剤として1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.024gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を、重合系に投入した。1時間後、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.036gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を投入した。さらに、重合開始後、2、3及び4時間後に、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド0.048g,0.12g, 及び0.36gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を順次投入した。一回目のラジカル重合開始剤投入から7時間後、室温まで冷却し重合を終了させた。数平均分子量約2.9万(ゲルパーミエションクロマトグラフィーによる、分子量はポリスチレン換算)のアルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体の酢酸エチル溶液を得た。
得られたアルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体の酢酸エチル溶液の一部を、ロータリーエバポレーターを用いて酢酸エチルを除去し、アルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体を得た。
また、得られたアルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体の酢酸エチル溶液100gに、硬化促進剤(ジブチル錫ジラウリレート)1.5gを加え、密封した攪拌機で均一になるまで混合し、アルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体と硬化促進剤の酢酸エチル溶液を得た。得られたアルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体と硬化促進剤の酢酸エチル溶液、及びアルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体について以下に示した重合体の評価を行った。
また、得られたアルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体の酢酸エチル溶液100gに、硬化促進剤(ジブチル錫ジラウリレート)1.5gを加え、密封した攪拌機で均一になるまで混合し、アルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体と硬化促進剤の酢酸エチル溶液を得た。得られたアルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体と硬化促進剤の酢酸エチル溶液、及びアルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体について以下に示した重合体の評価を行った。
(比較例2:硬化性組成物)
上記比較例1で調製されたアルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体の酢酸エチル溶液140gに、ポリプロピレングリコール(和光純薬社製、分子量3000)30gを添加し、エバポレータにより酢酸エチルを除去し、粘調な組成物を得た。しかる後、上記粘調な組成物に、重質炭酸カルシウム(白石カルシウム社製、「ホワイトンP30」)50g、脂肪酸処理炭酸カルシウム(白石カルシウム社製、「ビスコライトU」)50g、及び硬化促進剤(ジブチル錫ジラウリレート)3gを加え、密封した攪拌機で均一になるまで混合した。しかる後、10分間減圧脱泡し、白色ペースト状の硬化性組成物を得た。得られた硬化性組成物について以下に示した組成物の評価を行った。
上記比較例1で調製されたアルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体の酢酸エチル溶液140gに、ポリプロピレングリコール(和光純薬社製、分子量3000)30gを添加し、エバポレータにより酢酸エチルを除去し、粘調な組成物を得た。しかる後、上記粘調な組成物に、重質炭酸カルシウム(白石カルシウム社製、「ホワイトンP30」)50g、脂肪酸処理炭酸カルシウム(白石カルシウム社製、「ビスコライトU」)50g、及び硬化促進剤(ジブチル錫ジラウリレート)3gを加え、密封した攪拌機で均一になるまで混合した。しかる後、10分間減圧脱泡し、白色ペースト状の硬化性組成物を得た。得られた硬化性組成物について以下に示した組成物の評価を行った。
(重合体の評価)
〔接着力〕
得られたアルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体と硬化促進剤の酢酸エチル溶液を、ペンタイトN鋼板(150mm×30mm×2mm)の端部に、25mm×25mmの面積で塗布0.3mmとなるように塗布し、酢酸エチルを蒸発後、スレート(150mm×30mm×8mm)を引張り剪断接着力が測れる様に貼り合わせ、50℃、相対湿度50%で7日後、25℃まで冷却した。しかる後、JIS K 6852に準じて、試験速度5mm/分として引張り剪断接着力を測定した。その結果を表1に示した。
〔接着力〕
得られたアルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体と硬化促進剤の酢酸エチル溶液を、ペンタイトN鋼板(150mm×30mm×2mm)の端部に、25mm×25mmの面積で塗布0.3mmとなるように塗布し、酢酸エチルを蒸発後、スレート(150mm×30mm×8mm)を引張り剪断接着力が測れる様に貼り合わせ、50℃、相対湿度50%で7日後、25℃まで冷却した。しかる後、JIS K 6852に準じて、試験速度5mm/分として引張り剪断接着力を測定した。その結果を表1に示した。
〔ゴム物性〕
また、得られたアルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体と硬化促進剤の酢酸エチル溶液を、ポリエチレン板上に厚み2mmとなるように塗工し、酢酸エチルを蒸発後、20℃及び相対湿度50%の雰囲気下で7日間養生させてゴム状のシートを得た。得られたゴム状シートを、JIS K 6301に準じ、3号ダンベル形状でクロスヘッドスピード500mm/分で引っ張り試験を行い、破断伸び(%)と破断応力(N/mm2 )を求めた。その結果を表1に示した。
また、得られたアルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体と硬化促進剤の酢酸エチル溶液を、ポリエチレン板上に厚み2mmとなるように塗工し、酢酸エチルを蒸発後、20℃及び相対湿度50%の雰囲気下で7日間養生させてゴム状のシートを得た。得られたゴム状シートを、JIS K 6301に準じ、3号ダンベル形状でクロスヘッドスピード500mm/分で引っ張り試験を行い、破断伸び(%)と破断応力(N/mm2 )を求めた。その結果を表1に示した。
〔粘度〕
得られたアルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体を減圧脱泡した後に、作製直後の粘度をB型回転粘度計(東京計器社製)を用い、回転数10rpm及び25℃の条件で測定した。その結果を表1に示した。
得られたアルコキシシリル基含有アクリル酸エステル重合体を減圧脱泡した後に、作製直後の粘度をB型回転粘度計(東京計器社製)を用い、回転数10rpm及び25℃の条件で測定した。その結果を表1に示した。
(組成物の評価)
〔接着力〕
得られた硬化性組成物を、ペンタイトN鋼板(150mm×30mm×2mm)の端部に、25mm×25mmの面積で塗布0.3mmとなるように塗布し、スレート(150mm×30mm×8mm)を引張り剪断接着力が測れる様に貼り合わせ、50℃、相対湿度50%で7日後、25℃まで冷却した。しかる後、JIS K 6852に準じて、試験速度5mm/分として引張り剪断接着力を測定した。その結果を表1に示した。
〔接着力〕
得られた硬化性組成物を、ペンタイトN鋼板(150mm×30mm×2mm)の端部に、25mm×25mmの面積で塗布0.3mmとなるように塗布し、スレート(150mm×30mm×8mm)を引張り剪断接着力が測れる様に貼り合わせ、50℃、相対湿度50%で7日後、25℃まで冷却した。しかる後、JIS K 6852に準じて、試験速度5mm/分として引張り剪断接着力を測定した。その結果を表1に示した。
〔ゴム物性〕
また、得られた硬化性組成物を、ポリエチレン板上に厚み2mmとなるように塗工し、20℃及び相対湿度50%の雰囲気下で7日間養生させてゴム状のシートを得た。得られたゴム状シートを、JIS K 6301に準じ、3号ダンベル形状でクロスヘッドスピード500mm/分で引っ張り試験を行い、破断伸び(%)と破断応力(N/mm2 )を求めた。その結果を表1に示した。
また、得られた硬化性組成物を、ポリエチレン板上に厚み2mmとなるように塗工し、20℃及び相対湿度50%の雰囲気下で7日間養生させてゴム状のシートを得た。得られたゴム状シートを、JIS K 6301に準じ、3号ダンベル形状でクロスヘッドスピード500mm/分で引っ張り試験を行い、破断伸び(%)と破断応力(N/mm2 )を求めた。その結果を表1に示した。
〔粘度〕
得られた硬化性組成物を減圧脱泡した後に、作製直後の粘度をB型回転粘度計(東京計器社製)を用い、回転数10rpm及び25℃の条件で測定した。また、この硬化性組成物を60℃のオーブンで60日養生した後、25℃まで冷却し、再度25℃における粘度を同様の方法で測定した。その結果を表1に示した。
得られた硬化性組成物を減圧脱泡した後に、作製直後の粘度をB型回転粘度計(東京計器社製)を用い、回転数10rpm及び25℃の条件で測定した。また、この硬化性組成物を60℃のオーブンで60日養生した後、25℃まで冷却し、再度25℃における粘度を同様の方法で測定した。その結果を表1に示した。
〔タックフリータイム〕
得られた硬化性組成物をポリエチレン板上に、膜厚が1.0mmとなるように塗工し、しかる後、20℃及び相対湿度50%の環境下で所定の時間養生した後、指を接触させ、塗膜から指を離す際にタック感(粘着感)が実質的に喪失した養生時間をタックフリータイムとした。その結果を表1に示した。
得られた硬化性組成物をポリエチレン板上に、膜厚が1.0mmとなるように塗工し、しかる後、20℃及び相対湿度50%の環境下で所定の時間養生した後、指を接触させ、塗膜から指を離す際にタック感(粘着感)が実質的に喪失した養生時間をタックフリータイムとした。その結果を表1に示した。
〔塗布作業性〕
硬化前の硬化性組成物を333mLシーリング材用カートリッジに充填し、コーキングガンを用いて吐出・ビード塗布試験を行った。評価は官能試験により行い、
○:吐出良好、ビード形状良好;
△:吐出可、ビード形状不良;
×:吐出不可
の3段階評価を行った。その結果を表1に示した。
硬化前の硬化性組成物を333mLシーリング材用カートリッジに充填し、コーキングガンを用いて吐出・ビード塗布試験を行った。評価は官能試験により行い、
○:吐出良好、ビード形状良好;
△:吐出可、ビード形状不良;
×:吐出不可
の3段階評価を行った。その結果を表1に示した。
表1より、本発明の多分岐有機重合体は、低粘度で、かつ硬化物の伸び特性が良好であることがわかる。また、本発明の多分岐有機重合体を用いた硬化性組成物は、塗布作業性が良好な低粘度で硬化物の伸び特性に優れ、かつ雰囲気中の湿気により良好なタックフリータイムで硬化するものであることがわかる。
(実施例5)
硬化性組成物調整の際に、層状珪酸塩「ソマシフMPE−100」(ポリオキシプロピレンジエチル4級アンモニウム塩で有機処理した膨潤性フッ素雲母、コープケミカル社製)10g、「チヌビン770」(ヒンダードアミン系光安定剤、チバスペシャリティーケミカルズ社製)5g、「チヌビン327」(ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、チバスペシャリティーケミカルズ社製)5gを加えたこと以外は実施例4と同様にして硬化性組成物を得た。
硬化性組成物調整の際に、層状珪酸塩「ソマシフMPE−100」(ポリオキシプロピレンジエチル4級アンモニウム塩で有機処理した膨潤性フッ素雲母、コープケミカル社製)10g、「チヌビン770」(ヒンダードアミン系光安定剤、チバスペシャリティーケミカルズ社製)5g、「チヌビン327」(ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、チバスペシャリティーケミカルズ社製)5gを加えたこと以外は実施例4と同様にして硬化性組成物を得た。
〔層状珪酸塩の平均層間距離の測定〕
実施例5で得られた硬化性組成物における層状珪酸塩の平均層間距離を以下のようにして測定した。
実施例5で得られた硬化性組成物における層状珪酸塩の平均層間距離を以下のようにして測定した。
X線回折測定装置(リガク社製、RINT1100)により、層状珪酸塩の積層面の回折により得られる回折ピークの2θを測定し、下記のブラックの回折式を用いて層状珪酸塩の(001)面間隔を算出した。以下のdを平均層間距離とし、平均層間距離が3nm以上と良好に分散していた。
λ=2dsinθ
なお、式中において、λ(nm)=0.154、d(nm)は層状珪酸塩の面間隔、θ(度)は回折角である。
なお、式中において、λ(nm)=0.154、d(nm)は層状珪酸塩の面間隔、θ(度)は回折角である。
〔層状珪酸塩の分散状態の確認〕
透過型電子顕微鏡(TEM 日本電子社製「JEM−1200EX II」)写真により、硬化物中の層状珪酸塩の分散状態を観察して、5層以下で存在していた。
透過型電子顕微鏡(TEM 日本電子社製「JEM−1200EX II」)写真により、硬化物中の層状珪酸塩の分散状態を観察して、5層以下で存在していた。
〔耐候性評価〕
上記実施例4及び5で得られた硬化性組成物を下記方法で耐候性を評価した。各配合組成物を50mm×150mm(厚み1mm)のステンレス板に0.5mm厚みで塗布し、20℃×60%RHの雰囲気下で7日間(168時間)放置して養生硬化させた後、下記条件で、150時間及び400時間光照射を行い、表面状態を目視で確認し、クラックの無いものを〇、クラックが少し発生したものを△と判定した。結果を下記の表2に示す。
上記実施例4及び5で得られた硬化性組成物を下記方法で耐候性を評価した。各配合組成物を50mm×150mm(厚み1mm)のステンレス板に0.5mm厚みで塗布し、20℃×60%RHの雰囲気下で7日間(168時間)放置して養生硬化させた後、下記条件で、150時間及び400時間光照射を行い、表面状態を目視で確認し、クラックの無いものを〇、クラックが少し発生したものを△と判定した。結果を下記の表2に示す。
光照射条件
試験装置:アイスーパーUVテスター(SUV−F11型)、岩崎電気株式会社製
照射強度:100mW/cm2
限定波長:295nm〜450nm
ブラックパネル温度:63℃
照射距離:235mm(光源と試料間)
(尚、アイスーパーUVテスターによる光照射評価は、材料系や試験条件によっても変動するので一概には言えないが、通常サンシャインウエザオメーターによる評価よりも、10倍程度の過酷な促進効果があるとされている。)
試験装置:アイスーパーUVテスター(SUV−F11型)、岩崎電気株式会社製
照射強度:100mW/cm2
限定波長:295nm〜450nm
ブラックパネル温度:63℃
照射距離:235mm(光源と試料間)
(尚、アイスーパーUVテスターによる光照射評価は、材料系や試験条件によっても変動するので一概には言えないが、通常サンシャインウエザオメーターによる評価よりも、10倍程度の過酷な促進効果があるとされている。)
表2より、層状珪酸塩を添加したものは耐候性がより優れていることがわかる。
本発明によれば、低粘度で、かつ硬化物の伸び特性に優れた多分岐有機重合体を提供できる。更に、該重合体を用いた硬化性組成物は、塗料、コーティング材、接着剤、感圧接着剤、シーラント、シーリング材及びプライマーなどの様々な用途に用いることができる。
Claims (10)
- 少なくとも架橋可能な加水分解性シリル基を有し、重合開始末端と重合停止末端の合計が3以上であることを特徴とする多分岐有機重合体。
- 星型重合体、スターバースト型重合体、櫛型重合体及びグラフト重合体から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1記載の多分岐有機重合体。
- 加水分解性シリル基を有するラジカル重合性単量体及び/又は加水分解性シリル基を有するラジカル重合開始剤と、ラジカル重合性単量体と、多価メルカプタンとを共存させてラジカル重合を行うことにより得られるものであることを特徴とする請求項1又は2記載の多分岐有機重合体。
- 加水分解性シリル基を有するラジカル重合性単量体と、加水分解性シリル基を有する連鎖移動剤と、ラジカル重合性基を有する数平均分子量300以上の有機重合体とを共存させてラジカル重合を行うことにより得られるものであることを特徴とする請求項1又は2記載の多分岐有機重合体。
- 加水分解性シリル基を有するラジカル重合性単量体と、加水分解性シリル基を有する連鎖移動剤と、官能基Xを有する重合性単量体とを共存させてラジカル重合を行い得られる加水分解性シリル基と官能基Xを有する重合体(A)と、
官能基Xと共有結合可能な官能基Yを複数個有する化合物(B)とからなる多分岐有機重合体であって、
重合体(A)の官能基Xと化合物(B)の官能基Yとが共有結合しているものであることを特徴とする請求項1又は2記載の多分岐有機重合体。 - 有機過酸化物をラジカル重合開始剤として用ることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の多分岐有機重合体。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の多分岐有機重合体を含むことを特徴とする硬化性組成物。
- 層状珪酸塩をさらに含むことを特徴とする請求項7記載の硬化性組成物。
- 請求項7又は8記載の硬化性組成物からなることを特徴とするシーリング材。
- 請求項7又は8記載の硬化性組成物からなることを特徴とする接着剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003342193A JP2005105179A (ja) | 2003-09-30 | 2003-09-30 | 多分岐有機重合体、硬化性組成物、シーリング材及び接着剤 |
Applications Claiming Priority (1)
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Country | Link |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007023669A1 (ja) * | 2005-08-25 | 2007-03-01 | Toagosei Co., Ltd. | 硬化性樹脂組成物 |
JP2011107469A (ja) * | 2009-11-18 | 2011-06-02 | Asahi Kasei E-Materials Corp | ペリクル |
JPWO2017057719A1 (ja) * | 2015-10-02 | 2018-08-02 | 株式会社カネカ | 硬化性組成物 |
WO2022009933A1 (ja) * | 2020-07-10 | 2022-01-13 | 株式会社カネカ | (メタ)アクリル酸エステル系共重合体及びその硬化性組成物 |
-
2003
- 2003-09-30 JP JP2003342193A patent/JP2005105179A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP5082851B2 (ja) * | 2005-08-25 | 2012-11-28 | 東亞合成株式会社 | 硬化性樹脂組成物 |
JP2011107469A (ja) * | 2009-11-18 | 2011-06-02 | Asahi Kasei E-Materials Corp | ペリクル |
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US10954419B2 (en) | 2015-10-02 | 2021-03-23 | Kaneka Corporation | Curable composition |
WO2022009933A1 (ja) * | 2020-07-10 | 2022-01-13 | 株式会社カネカ | (メタ)アクリル酸エステル系共重合体及びその硬化性組成物 |
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