JP2005102271A - 通信制御方法、無線通信システムおよび無線通信機 - Google Patents
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Abstract
力の増加を防止しながら所望の受信品質を達成する送信電力制御方法を提供する
。
【解決手段】伝搬路利得の変動に対して、通信路容量を増大させるように送信電
力を制御し、増大した通信路容量の変動に合わせてデータレートを制御する。通
信路容量を増大させるためには、送信端に換算した雑音電力(=受信雑音電力/伝
搬路利得)と送信電力の和が一定となるように送信電力を決定する。この結果、
従来とは逆に、伝搬路利得が低下したときに減少させ伝搬路利得が増大したとき
に増加させるように送信電力を制御する。
【選択図】 図4
Description
また、USP5,559,790, Hitachi Ltd., ”Spread Spectrum Communication System and Transmission Power Control Method therefor”に、基地局が既知の電力で送信するパイロット信号の受信品質を移動局が測定し、その測定結果に基づき受信品質が悪い場合には受信品質が良い場合に比べて大きな送信電力を要求する送信電力制御信号を基地局に送信し、基地局は該送信電力制御信号に基づき前記移動局に向けた信号の送信電力を制御することにより、移動局における基地局からの信号受信品質をほぼ一定に保つ技術が示されている。
これらの技術は何れも、受信側における受信電力や品質を一定となるように制御することを目的としている。すなわち、以上の従来の技術による送信電力制御方法によれば、受信品質を一定化し、伝搬路の利得変動に起因する受信品質の劣化や不必要に過大な送信電力によるシステム内の干渉を防止することができる。
従って、本発明の第一の目的は、比較的短周期の伝搬路利得変動が発生した場合においても、平均送信電力の増加を防止しながら所望の受信品質を達成する送信電力制御方法を提供することである。
また、平均送信電力を増加させなかった場合には、平均受信電力が減少し、それに伴う受信品質(SN比, SNR)の劣化により通信路の容量が低下してしまう。すなわち、通信可能な最大データレートが低下することになる。従って、本発明の第二の目的は、比較的短周期の伝搬路利得変動が発生した場合においても、通信路容量をなるべく大きく保つことにある。
また、伝搬路利得の変動により時間当りの通信路容量が変動すると、所望の情報を通信する為に要する時間が変動し、安定した通信品質が得られないという問題がある。従って、本発明の第三の目的は、時間当りの通信路容量が変動した場合においても、安定した通信品質を提供することにある。
図2は雑音電力の時間変化例を示すグラフ図である。
図3は送信端での等価雑音電力の時間変化例を示すグラフ図である。受信側で図2のように電力1で一定の雑音が加わるとすると、これは送信側で図3に示すように時刻t1, t2, t3, t4においてそれぞれ電力1/2, 1, 3, 3/2の雑音が加わったことと等価である。すなわち、伝搬路利得の変動は等価的に雑音電力の変動とみなすことが可能である。
いま、平均送信電力、すなわちS(t)の時間平均Ave(S(t))を一定とした場合に通信路容量Cを最大化するS(t)について考える。Ave(S(t))が一定であるから、ある時刻の送信電力を増加させると他の時刻の送信電力は減少させなくてはならない。ここで、前記通信路容量の定義式よりSの微小増加に対するCの増加率はdC/dS=W/log(2)/(N+S)であるから、一定の電力を時間方向に分配するときにN+Sが最も小さいところに送信電力を分配することが通信路容量を最も増加させることになる。このようにN+Sが最も小さなところに順次送信電力を分配していくと、最終的に全ての電力を分配し終わった時にはN+Sは一定、かつ、達成されたS+NよりもNが大きい時間帯にはSは全く分配されないようになり、この状態が最も通信路容量が大きいことになる。
ここで、受信機が受ける雑音電力を時間の関数Nr(t), 伝搬路利得を時間の関数g(t)とおくと、送信側で見た等価雑音電力N(t)は、
N(t) = Nr(t)/g(t)
となる。従って、前記通信路容量を最大とする送信電力S(t)は、
N(t) + S(t) = Nr(t)/g(t) + S(t) = P_const. (一定)
という条件を満たす。すなわち、
S(t) = P_const Nr(t)/g(t)
となるように制御すれば良い。但し、S(t)<0となる場合は実際の送信電力は0とする(つまり送信を停止する)。なお、P_constを大きくすれば平均送信電力および通信路容量が増加する。逆に、P_constを小さくすれば平均送信電力および通信路容量が減少する。従って、所望の通信路容量が得られる値にP_constを決定すれば良い。
(11/6 + 4/3 + 0 + 5/6)/4 = 1
となっている。
図6は受信電力もしくは受信品質を一定に保つため、雑音電力に比例した送信電力となるよう制御する比較例である。すなわち時刻t1, t2, t3, t4における送信電力は、それぞれ1/3, 2/3, 2, 1となる。平均送信電力は、
(1/3 + 2/3 + 2 + 1)/4 = 1
となっている。
図8に伝搬路利得の変動に対する送信電力の制御を比較する。横軸が伝搬路利得、縦軸が送信電力制御結果としての送信電力を示す。図中、丸印が本発明、菱形が従来の技術である。すなわち、従来の送信電力制御では通信路利得と送信電力は反比例の関係にあり、通信路利得が低下すると送信電力を増大させ、通信路利得が増加すると送信電力を低減しているのに対し、本発明では逆に、通信路利得が低下すると送信電力を低下させ、通信路利得が増加すると送信電力を増加させている。
また、本発明による送信電力制御にて達成される通信路容量は
C=W(log2(1+11/3)+log2(1+4/3)+log2(1+0)+log2(1+5/9))/4
=0.90W
となる。一方、従来の技術による送信電力制御にて達成される通信路容量は
C=W log2(1+2/3) = 0.707W
となる。
これらよりここに示した例では、本発明の電力制御によれば従来の電力制御方法に比して通信路容量が1.27 (=0.90/0.707)倍に増加する。一方、従来の送信電力制御方式を用いて、前記、本発明を適用した場合の通信路容量と同一の通信路容量を達成するためには、0.90 = log2(1+0.8661)であるからS/N=0.8661が必要であり、前記従来の送信電力制御で達成されたS/N=2/3の1.30(=0.8661/(2/3))倍の平均送信電力が必要となる。従って、本発明により、同一の通信路容量を達成するための送信電力は、従来の技術を用いる場合の0.770倍に低減される。
以上、理論的に通信路容量を最大化する送信電力制御アルゴリズムについて述べたが、厳密に上記アルゴリズムに従わなくてもほぼ同等の効果を得ることができる。すなわち、図8に示す伝搬路利得と送信電力の関係を近似する関数を用いて送信電力を行うことも可能である。該関数は全体として正の傾きを持っているものが望ましく、例えば、送信電力を伝搬路利得に比例させるような単純なものでもほぼ同様の効果を得ることができる。
図9は伝搬路利得変動の第2の例を示すグラフ図である。
図10は本発明による送信電力制御の第2の例を示すグラフ図である。
前記送信電力を決定するアルゴリズム
S(t) = P_const Nr(t)/g(t)
によれば、伝搬路利得が図9に示すように時刻t0でステップ状に増加した場合、送信電力は図10(a)のようにやはりステップ状に変化する。また、制御遅延が発生した場合などには図10(b)のようにある立上り時間をもって変化する。
図10(a), (b)の制御では、伝搬路利得が大きい基地局に近い場所に移動局が位置するときに通信路容量が大きく、逆に基地局から遠い場所に移動局が位置するときに通信路容量が小さくなる。この差がシステム設計上好ましくない場合は、例えば
P_const = C0 Ave(Nr(t))/Ave(g(t))
のように現在の通信路状況の平均的な利得と雑音電力を用いてP_constを比較的ゆっくり制御することが実際的である。ここで、C0は定数とする。これにより、基地局からの距離によらずにほぼ一定の通信路容量を得ながら通信路の短時間的な変動に対して前記電力制御が適用される。
また、P_constの算出に用いるAve(Nr(t)), Ave(g(t))の平均時間を通信路符号化を行う単位に一致させることにより明示的なビットレートの制御を行わなくても平均的なビットレートを向上させることが可能となり、一定のビットレートが要求されるシステムに適する。
図13に本発明の送信側無線通信機の構成を示す。
図14に本発明による受信側無線通信機の送信信号多重形式の例のフォーマット図を示す。
ここで、本発明によりその送信電力並びにデータレートが制御される無線通信機を送信側無線通信機、他方を受信側無線通信機としている。図30に示すシステム構成上、移動局、基地局のどちらの局がどちらの無線通信機であってもよく、基地局を送信側無線通信機とするなら下り信号の送信電力並びにデータレートの制御を行うことになり、逆に移動局を送信側無線通信機とするなら上り信号の送信電力並びにデータレートの制御を行うことになる。
図11でアンテナより受信された信号は無線周波数回路101にてベースバンド帯域の信号に変換される。該、ベースバンド帯域の信号は、復調器102にて検波等の復調処理が施され、符号化単位毎に通信路復号化器121にて誤り訂正される。
なお、通信路復号化器121にて復号する際には、不足データについては電力零の信号を受信したものと仮定して復号することで符号化単位分の全データの蓄積を待つことなく復号を行うことが可能であり、符号化単位分のデータを蓄積する過程で随時復号を行う。通信路復号化器121にて誤り訂正された結果は受信品質判定部140に入力され、誤り検出部115において誤りを検出し、誤りの有無を受信品質情報として作成する。一方、前記ベースバンド帯域の信号は電力信号生成部105に入力され、前記電力制御アルゴリズムに従った送信電力制御信号を生成する。該、受信寝室情報並びに送信電力制御信号は、第3パイロット信号生成部130で生成される第3パイロット信号、並びに誤り訂正符号化器106、インタリーバ107にて通信路符号化を受けたデータ信号と多重化器109にて多重化される。該多重化された信号は、例えば図14のような形式になる。303がデータ信号、304が電力制御信号、305が第3のパイロット信号、306が受信品質情報信号であり、図中、横方向が時間、縦方向が符号分割に用いられる符号を表し、時間多重、符号分割多重等の多重方法で多重されている。前記、多重された信号は変調器110にて変調され、無線周波数回路101を介して無線伝搬路に送出される。
該、受信側無線通信機から送出された信号は、図13に示す送信側無線通信機にて受信される。101,102,103,104の動作は受信側無線通信機と同様である。送信電力制御部111は前記電力制御信号304を抽出し、該抽出された送信電力制御信号304に従った送信電力を算出する。受信品質信号抽出部141は前期受信品質情報信号306を抽出し、誤り検出部115において検出された誤りの有無をデータレート制御手段142に通知する。該データレート制御手段142では、通信路符号化部122で符号化された送信データを符号化単位毎に蓄積して、前記受信品質信号抽出部141から通知された誤りの有無の情報を元にデータレートを変更して符号化単位を識別するデータを加えて多重化部112に出力する。
図31はデータレート制御手段142で行う処理フローの例を示す。図31の処理の流れでは、データレート制御手段142は符号化された送信データを符号化単位毎に複数のブロックに分割してブロック毎に送信し、誤り無しが通知されれば送信を終了する。誤り無しが通知されなけば前に送信したブロックの次のブロックを送信し、全ブロックの送信終了後にも誤り無しが通知されなければ再び先頭のブロックから送信を繰り返す。これにより、データレート制御手段から出力される送信データは変動する通信路容量に合わせた必要十分なデータレートとなる。データレート制御手段142から出力された送信データは第2パイロット信号生成手段108にて生成される第2パイロット信号と多重化器112で多重され、送信電力可変手段113に入力される。送信電力可変手段113は前記送信電力制御部111から指定された送信電力になるよう信号振幅を可変する。該、送信電力可変手段113の出力は第1のパイロット信号生成手段114にて所定の電力に設定された第1のパイロット信号と多重化器115にて多重化され、図12に示すような形式の信号となる。
図12において301は第1のパイロット信号、302は第2のパイロット信号、303はデータ信号である。
図12に示すように、様々な多重形式が可能である。また、第1のパイロット信号301(P0)は前記送信電力制御部111による電力制御を受けず、所定の電力で送信される。一方、第2のパイロット信号302はデータ信号303とともに前記電力制御を受けて送信される。図12の形式に多重された信号は、変調器110で変調され、無線周波数回路101を介して無線伝搬路に送出される。
図15は本発明による送信電力制御信号生成部の第1の構成例のブロック図を示す。
図16は本発明による送信電力制御部の第1の構成例のブロック図を示す。
において、
P_const = C0 Ave(Nr(t))/Ave(g(t))
となる送信電力に対して、現在の送信電力が大きいか小さいかを比較器211にて判定し、大きい場合に送信電力の減少、小さい場合に送信電力の増加を指示する送信電力制御信号304を生成する。従って、図16の送信電力制御部は前期送信電力制御信号304を抽出し、該送信電力制御信号に従って現在の送信電力を増減する。なお、図15において雑音電力は第2のパイロット信号から求めているが、第1のパイロット信号から求めることも可能である(点線)。
図17は本発明によるデータレート制御機能つき符号化器の第2の構成例のブロック図を示す。
図18は本発明によるデータレート制御機能つき復号器の第2の構成例のブロック図を示す。
図20は、雑音電力が時間によらず一定であると仮定できる場合に簡単化した構成例である。
図21〜図29は本発明の他の変形例を示す図である。
3,4,5 移動局
6 基地局制御局
7 固定網
101 無線周波数回路
102 復調器
103 デインタリーバ
104 誤り訂正復号器
121 通信路復号化器
105 送信電力制御信号生成部
106 誤り訂正符号化器
107 インタリーバ
109, 112, 115, 124 信号多重器
110 変調器
111 送信電力制御部
122 通信路符号化器
108 第2パイロット信号生成部
113 送信電力可変手段
114 第1パイロット信号生成部
130 第3パイロット信号生成部
140 受信品質判定部
141 受信品質信号抽出部
142 データレート制御部
115 誤り検出部
301 第1パイロット信号
302 第2パイロット信号
303 データ信号
304 電力制御信号
305 第3パイロット信号
306 受信品質情報信号
201 第1パイロット信号分離手段
202, 210 信号電力測定手段
203, 207, 223 信号平均手段
204, 212, 216, 217, 228 除算器
205 第2パイロット信号分離手段
206 雑音電力測定手段
208, 213, 215, 218, 222, 224, 226 乗算器
209, 219, 225 加算器
211 比較手段
220 電力制御信号分離手段
221 送信電力算出手段
123 データレート情報生成手段
125 データレート情報分離手段
214 関数演算手段
227 信号遅延手段。
Claims (11)
- 複数の無線通信機から構成される無線通信システムの通信制御方法であって、
第一の無線通信機において、伝搬路利得並びに受信品質を測定し、
上記第一の無線通信機において、上記測定した伝搬路利得情報並びに受信品質情
報を送信し、
第二の無線通信機において、上記送信された伝搬路利得情報並びに受信品質情報
を受信し、
上記第二の無線通信機において、上記伝搬路利得が大きくなったときに送信電力
を増加させ、伝搬路利得が小さくなったときに送信電力を減少させるように送信
電力制御を行い、かつ、
受信品質が良好であればデータレートを増加させ、受信品質が良好でなければデ
ータレートを減少させるようにデータレート制御を行う通信制御方法。 - 第一および第二の無線通信機から構成される無線通信システムであって、
上記第一の無線通信機は、
伝搬路利得並びに受信品質を測定する測定部と、
上記測定された伝搬路利得並びに受信品質に基づいて送信制御信号を生成する制
御信号生成部と、
上記送信制御信号を送信する送信部を有し、
上記第二の無線通信機は、
上記送信制御信号を受信する受信部と、
上記送信制御信号に基づいて送信電力並びにデータレートを制御する制御部を有
する無線通信システム。 - 前記制御信号生成部は、
上記伝搬路利得に基づいて電力制御信号を生成する電力制御信号生成部と、
受信信号のエラーに基づいて受信品質を示す信号を生成する受信品質情報生成
部と、
上記電力制御信号生成部と受信品質情報生成部からの信号を多重化する多重化部
を有する請求項2記載の無線通信システム。 - 前記電力制御信号が送信電力の増加もしくは減少を指示する信号である請求項3
の無線通信システム。 - 前記受信品質情報が復号誤りの有無ないしは復号誤り数である請求項3記載の無
線通信システム。 - 前記制御部は、受信品質が良好であればデータレートを増加させ、受信品質が
良好でなければデータレートを減少させるように制御し、かつ、第二の無線通信
機の送信電力を伝搬路利得が大きくなったときに増加させ、伝搬路利得が小さく
なったときに減少させるように制御する請求項2記載の無線通信システム。 - 前記制御部は、伝搬路利得が大きくなったときに平均データレートを高く設定し
、伝搬路利得が小さくなったときに、平均データレートを低く設定する請求項6
に記載の無線通信システム。 - 前記第二の無線通信機は受信品質が良好であれば符号の送信を停止することによ
りデータレートを増加させることを特徴とした請求項2に記載の無線通信システ
ム。 - 前記第二の無線通信機は受信品質が良好でなければ送信済みの情報と同じ情報を
元に符号化した符号を送信することでデータレートを減少させる請求項2に記載
の無線通信システム。 - 前記第一の無線通信機は雑音電力測定手段を備え、雑音電力が大きくなったとき
に前記第二の無線通信機の送信電力を減少させ、雑音電力が小さくなったときに
前記第二の無線通信機の送信電力を増加させることを特徴とした請求項2に記載
の無線通信システム。 - 第一および第二の無線通信機から構成される無線通信システムにおける第二の無
線通信機であって、
上記第一の無線通信機から送信される、伝搬路利得並びに受信品質を反映した送
信制御信号を受信する受信部と、
上記送信制御信号に基づいて送信電力並びにデータレートを制御する制御部を有
する無線通信機。
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JP2004318672A JP2005102271A (ja) | 2004-11-02 | 2004-11-02 | 通信制御方法、無線通信システムおよび無線通信機 |
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2004
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