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JP2005182871A - 不揮発性半導体記憶装置 - Google Patents

不揮発性半導体記憶装置 Download PDF

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JP2005182871A JP2003419379A JP2003419379A JP2005182871A JP 2005182871 A JP2005182871 A JP 2005182871A JP 2003419379 A JP2003419379 A JP 2003419379A JP 2003419379 A JP2003419379 A JP 2003419379A JP 2005182871 A JP2005182871 A JP 2005182871A
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Abstract

【課題】 無用な消去動作をなくすことを可能とした不揮発性半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】 不揮発性半導体記憶装置は、電気的書き換え可能な不揮発性メモリセルが配列されたセルアレイと、前記セルアレイの読み出し及び書き込みを行うためのセンスアンプ回路と、前記セルアレイの読み出し、書き込み及び消去の制御を行うコントローラとを備え、前記コントローラは、外部から供給される消去コマンド及びアドレスを受けて、前記セルアレイ内の選択ブロックを消去するための消去シーケンス制御として、前記選択ブロックの消去状態を確認するための第1の消去ベリファイ動作を実行し、第1の消去ベリファイ動作で消去状態が確認されたら、消去シーケンスを終了し、消去状態が確認されなかったら、その選択ブロックの消去動作を実行する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、電気的書き換え可能な不揮発性半導体記憶装置(EEPROM)に関する。
EEPROMフラッシュメモリは、通常、読み出しや書き込み単位に比べて消去単位を大きくすることで、デコーダ占有面積を小さくしている。例えば、NAND型フラッシュメモリでは、複数のメモリセルが直列接続されたNANDセルユニットを配列してセルアレイが構成される。そして、ワード線方向に配列される複数のNANDセルユニットの集合として定義されるブロック単位で消去が行われる。また1ワード線に接続されるメモリセルの集合として定義されるページ単位で、書き込みや読み出しはページ単位で行われる。
NAND型フラッシュメモリは、NANDセルユニットを構成する複数のメモリセルが、隣接セルでソース、ドレイン拡散層を共有して直列接続されるために、単位メモリセルのサイズを小さいものとすることができる。また、1ページ分(例えば、512バイト)の読み出し或いは書き込みデータを保持するページバッファを備えて、ページバッファと外部I/O端子との間では、1バイト単位のシリアルデータ入出力が行われる。これらの特長により、NAND型フラッシュメモリは、画像や動画、音楽データ等の大容量データを記憶する電子カード応用等において優れたパフォーマンスを発揮することができる。
フラッシュメモリのあるブロックにデータをオーバーライトする場合、チップ内部では書き込みに先立って自動的にブロック消去動作が実行され、引き続き書き込みが行われるようになっている。オーバーライトすべきブロックのデータを消去せずに保存するためには、消去状態にある他のブロック(スペアブロック)にそのデータを待避させるコピー書き込みを行うことが必要である(例えば、特許文献1参照)。
フラッシュメモリチップのその様なスペアブロックの管理は、通常チップ外部のホストデバイスが行っている。しかし、ホストデバイスのフラッシュメモリ管理情報は、フラッシュメモリの内部状態と必ずしも一致しない。例えば、ホストデバイスの指示によりフラッシュメモリのあるブロックの消去が実行されたが、完全なブロック消去がなされる前に電源がオフにされ、或いはフラッシュメモリがシステムから引き抜かれたような場合である。この場合、ホストデバイスの管理情報上では、スペアブロックとされているにも拘わらず、実際にはそのブロックが消去されていないという事態が生じ得る。この様な事態に対処するためには、スペアブロックの使用前に、そのスペアブロックが実際に消去されていることを確認する作業が必要になる。
特開2003−233992公報
上述のようにホストデバイスは、スペアブロックの使用前に、フラッシュメモリに消去コマンドとアドレスを送り、そのスペアブロックの消去を実行することが必要であった。その消去シーケンスには一般に、ブロック消去動作に先だって、消去ストレスの影響を低減するための予備書き込み(pre-write或いはpre-program)動作が含まれる。既に消去状態にあるはずのスペアブロックに対してこの様な消去シーケンスをそのまま適用しなければならないとすると、時間のロスが大きいものとなる。
この発明は、無用な消去動作をなくすことを可能とした不揮発性半導体記憶装置を提供することを目的とする。
この発明の一態様による不揮発性半導体記憶装置は、
電気的書き換え可能な不揮発性メモリセルが配列されたセルアレイと、
前記セルアレイの読み出し及び書き込みを行うためのセンスアンプ回路と、
前記セルアレイの読み出し、書き込み及び消去の制御を行うコントローラとを備え、前記コントローラは、
外部から供給される消去コマンド及びアドレスを受けて、前記セルアレイ内の選択ブロックを消去するための消去シーケンス制御として、前記選択ブロックの消去状態を確認するための第1の消去ベリファイ動作を実行し、第1の消去ベリファイ動作で消去状態が確認されたら、消去シーケンスを終了し、消去状態が確認されなかったら、その選択ブロックの消去動作を実行する。
この発明によると、無用な消去動作を行わなくても済む不揮発性半導体記憶装置が得られる。
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態を説明する。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態によるNAND型フラッシュメモリのブロック構成を示している。セルアレイ1は、後述するようにNANDセルユニットを配列して構成される。ページバッファを構成するセンスアンプ回路2は、セルアレイ1の1ページ分の読み出しデータをセンスし、書き込みデータを保持することができるセンスアンプを含みまた、1ページ分のデータをシリアル転送するためのカラムゲート回路を含む。ロウデコーダ3は、セルアレイ1のワード線を選択駆動するもので、ワード線ドライバを含む。ページバッファ2と外部I/O端子との間のデータ転送は、I/Oバッファ4を介して行われる。
外部制御信号を受けて、セルアレイ1の書き込みや消去のシーケンス制御及び読み出し制御を行うために、コントローラ5が設けられている。コントローラ5は、I/O端子から供給されるアドレスAddやコマンドCMDを受け取り、アドレスをロウデコーダ3やページバッファ2に転送し、コマンドにより指示された動作制御を行う。高電圧発生回路6は、コントローラ5により制御されて、書き込み、消去及び読み出しの各動作モードにおいて必要な種々の昇圧電圧を発生する。
図2は、セルアレイ1の具体的な構成を示している。複数のメモリセル(図の場合16個のメモリセル)MC0−MC15は直列接続されて、NANDセルユニットNUを構成し、複数のNANDセルユニットNUがマトリクス配列される。各メモリセルMCiは、電荷蓄積層として例えばフローティングゲートを持つ、積層ゲート構造のMOSトランジスタであって、フローティングゲートの電荷蓄積状態で決まるしきい値電圧をデータとして不揮発に記憶する。セルデータは、フローティングゲートへの電子注入動作とその蓄積電荷の放出動作により、電気的書き換えが可能である。
NANDセルユニットNUの一端は、選択ゲートトランジスタSG1を介してビット線BLに接続され、他端は選択ゲートトランジスタSG2を介して共通ソース線CELSRCに接続される。NANDセルユニットNU内の各メモリセルMCiの制御ゲートは異なるワード線WLiに接続される。選択ゲートトランジスタSG1,SG2のゲートはそれぞれ、ワード線WLiと並行する選択ゲート線SGD,SGSに接続される。
1ワード線に沿って配列されるメモリセルの集合として定義される1ページが、データ読み出し及び書き込みの単位となる。また、ワード線を共有するNANDセルユニットの集合として定義されるブロックがデータ消去の単位となる。通常、図示のように、ビット線BLの方向に複数のブロックBLKj(j=0,1,…)が配置される。
図3は、ページバッファ2を構成するセンスアンプユニットの構成を示している。センスノードNsenとビット線BLの間に配置されたNMOSトランジスタMN1は、ビット線BLのプリチャージ電圧をクランプする働きと、ビット線電圧を増幅するプリセンスアンプとしての働きをする。センスノードNsenには、プリチャージ用NMOSトランジスタMN2が接続され、また必要に応じて電荷保持用のキャパシタCが接続される。
センスノードNsenは、転送用NMOSトランジスタMN3を介してデータラッチ21の一方のデータノードN1に接続されている。データラッチ21は、データノードN1,N2の間に逆向きに並列接続されたクロックトインバータCI1,CI2により構成されている。
データノードN1とセンスノードNsenの間には、書き込みサイクルの間書き込みデータを記憶し、これを書き込みベリファイの結果に応じて書き戻すための書き戻し回路22が設けられている。即ちドレインが電源端子Vddに接続されたNMOSトランジスタMN4のゲートがデータ記憶ノードNRである。この記憶ノードNRとデータラッチ21のデータノードN1の間に、データ転送用NMOSトランジスタMN5が配置されている。また記憶ノードNRが保持するデータに応じて、センスノードNsenに電源電圧Vdd又は接地電位Vssを書き込みデータとして与えるために、NMOSトランジスタMN4とセンスノードNsenの間にNMOSトランジスタMN6が配置されている。
データノードN2には、ベリファイチェック回路23が接続されている。ベリファイチェック回路23は、書き込みベリファイや消去ベリファイにおいて、ベリファイ読み出し終了後、チェック信号CHKにより、書き込みや消去が完了したか否かをチェックする回路である。消去ベリファイについては、このベリファイチェック回路23は、センスアンプにおいてデータノードN2が“H”になっているか否かを検出する。言い換えればベリファイチェック回路23は、全データノードN2のAND論理で全センスアンプに共通の信号線COMの電位が決まるように構成される。コントローラ5は、この信号線COMを監視して、ベリファイ“パス”又は“フェイル”の判定を行うことになる。
図4は、この実施の形態のNAND型フラッシュメモリが二値記憶を行う場合のデータのしきい値分布を示している。しきい値が負の状態がデータ“1”(消去状態)であり、しきい値が正の状態がデータ“0”(狭義の書き込み状態)である。データ“0”書き込みは、選択されたメモリセルの浮遊ゲートにチャネルからFNトンネリングにより電子を注入する動作として行われる。
具体的に1ページ分のデータ書き込みは、ビット線から各NANDセルの選択セルのチャネルに書き込みデータ“0”,“1”に対応して、Vss,Vdd−Vth(Vthは選択ゲートトランジスタSG1のしきい値)を転送し、選択されたワード線に書き込み電圧Vpgm(例えば20V)を与えて行われる。このとき、“0”データが与えられたメモリセルでは、浮遊ゲートとチャネル間に大きな電界がかかって、浮遊ゲートに電子が注入される(“0”書き込み)。“1”データが与えられたメモリセルでは、チャネルが容量カップリングにより電位上昇して、浮遊ゲートに電子注入が生じない(書き込み禁止)。
データ書き込みは実際には、書き込みパルス電圧印加動作とその書き込み状態を確認する読み出し動作(書き込みベリファイ)を、1ページ分の書き込みデータが全て書き込まれるまで繰り返すことにより、行われる。
この実施の形態においては、ホストデバイスがスペアブロックとして認識している消去ブロックが確実に消去されていることを確認する動作を含む消去シーケンスを採用する。図5は、この実施の形態による消去シーケンスのフローを示している。
フラッシュメモリは、ホストデバイスから消去コマンドとアドレスを受け取ると、ロウ/カラムアドレスを初期化し(ステップS1)、次いでホストデバイスから供給されたアドレスにより選択されたブロックについて消去ベリファイを実行する(ステップS2)。消去ベリファイ時のバイアス条件は、一つのNANDセルユニットについて示すと、例えば図6のようになる。全てのワード線WLiに0Vを与え、選択ゲート線SGD,SGSにパス電圧Vreadを与え、共通ソース線CELSRCに接地電位Vssを与える。ビット線BLは、ある電圧VBL(<Vdd)に予めプリチャージしておく。
これにより、各NANDセル内の全てのメモリセルがしきい値負の消去状態(データ“1”状態)にあれば、これらのメモリセルはオンしてチャネル電流が流れ、ビット線BLが放電される。一つでも消去されていないセル(データ“0”状態)があれば、NANDセルユニットは導通せず、わずかのリークはあるがビット線BLはほぼプリチャージ電圧VBLを保つ。従って各ビット線BLの放電の有無又は程度を検出することにより、各NANDセルユニットが消去されているか否かを判定することができる。具体的にベリファイ判定は、全ビット線に接続されたセンスアンプにおいて、ベリファイ読み出し動作の結果、データノードN2が“H”になったか否かを検出することにより、行われる。
この消去ベリファイ判定ステップS2で、ブロック消去が確認された場合、“パス”フラグをチップ外部に出力して、実際の消去サイクルに入ることなく、消去シーケンスを終了する。消去ベリファイ判定が“フェイル”の場合には、消去ストレスの影響を予め緩和する処置として予備書き込みを行った後に、消去サイクルを実行する。具体的に、ロウ/カラムアドレスを初期化し(ステップS3)、先頭ページの予備書き込みを行い(ステップS5)、ページアドレスをインクリメントして(ステップS6)、次のページの予備書き込みを行う、という書き込み動作を繰り返す。この予備書き込みサイクルでは、書き込み状態を確認するベリファイ読み出し(書き込みベリファイ)を行わない例を示しているが、書き込みベリファイを行うようにしてもよい。そして、ステップS4でブロックの最終ページアドレスまでの書き込み完了(AEND=“H”)が確認されたら、次に消去サイクルに入る。
即ち、ロウ/カラムアドレスを初期化し(ステップS7)、選択ブロックについて、再度消去ベリファイを実行する(ステップS8)。この消去ベリファイ動作は、先のステップS2でのそれと基本的に同じである。ベリファイ判定が“フェイル”の場合、その選択ブロックについて消去動作を行い(ステップS9)、再度消去ベリファイを行う(ステップS8)。
消去動作のバイアス条件は、例えば図7のようになる。選択ブロックの全ワード線を0Vとし、選択ゲート線SGD,SGS、ビット線BL及び共通ソース線CELSRCをフローティングとして、セルアレイが形成されたp型ウェルの端子CPWELLに消去電圧Vera(例えば20V)を与える。これにより、ブロック内の全メモリセルで浮遊ゲートの電子がチャネルに放出される。消去ベリファイ判定がパスすると、以上の消去動作を終了する。
図8は、図3に示すセンスユニットに着目して、上述のステップS2及びS8での消去ベリファイ読み出し動作のタイミング図を示している。タイミングt0で、ゲートノードCLAMPにVBL+Vth(VthはNMOSトランジスタのしきい値)を与えて、クランプ用トランジスタMN1をオンにすると共に、ゲートノードPREにVdd+Vthを与えてプリチャージ用トランジスタMN2をオンにする。VBLは、電源電圧Vddより低い値とする。これにより、ビット線BLは、VBLに、センスノードNsenはVddにプリチャージされる。
タイミングt1でクランプ用トランジスタMN1をオフにし、またセンスアンプ活性化信号を、SEN=LAT=“L”としてデータラッチ21を非活性にした後、タイミングt2でプリチャージトランジスタMN2をオフにすると共に、選択ブロックのビット線側選択ゲート線SGDに“H”レベル=Vreadを与える。選択ブロックのソース線側選択ゲート線SGSは、それ以前に“H”レベルが与えられ、また全ワード線WLに0Vが与えられている。これにより、ビット線BLは、データに応じて放電が開始される。即ち、NANDセルユニットの全メモリセルが消去れていれば、ビット線BLは放電され(破線)、一つでも消去されていないセルがあれば、放電されない(実線)。図8では、ビット線が放電される場合と放電されない場合の典型的な2例の放電カーブのみを示しているが、実際には、NANDセルユニット内のセルのしきい値状態に応じて、ビット毎に異なる種々の放電カーブを描くことになる。
一定の待ち時間の後、タイミングt3でゲートノードBLCに“H”レベルを与えて、転送トランジスタMN3をオンにし、少し遅れてタイミングt4で、クランプトランジスタMN1のゲートCLAMPにセンス用電圧Vsen+Vthを与える。Vsenは、このタイミングでのビット線の“H”レベル(未消去)と“L”レベル(消去)の間に設定される。
NANDセルユニット内の全メモリセルが消去されてビット線電圧が低下している場合には、クランプ用トランジスタNN1はオンして、センスノードNsen及びデータノードN1の電荷はビット線BL側に転送される。通常、ビット線BLの容量はセンスノードNsenやデータノードN1のそれより十分大きく、この電荷分配によりノードNsen,N1はほぼビット線電圧レベルまで引き下げられる。ビット線が放電されていない場合には、クランプ用トランジスタNN1はオフであり、従ってセンスノードNsen及びデータノードN1は、“H”レベルを保つ。
そして、クランプ用トランジスタMN1をオフにした後、タイミングt5,t6で順次活性化信号SEN,LATを“H”にする。これにより、全メモリセルが消去されている場合には、ノードN1,N2がそれぞれ“L”=Vss,“H”=Vddの状態にラッチされる。未消去セルがある場合には、逆データがラッチされる。前述のように、ベリファイ判定は、ベリファイチェック回路23によって、全てのセンスアンプのデータノードN2が“H”であることが検知されれば、“パス”となる。
以上のようにこの実施の形態によると、フラッシュメモリは、消去コマンドを受け取ったときに最初に消去ベリファイを行い、既に消去状態にあるブロックについては、予備書き込みや消去を実行することなく、消去シーケンスを終了する。従って、ホストデバイスは、スペアブロックが実際に消去状態にあるか否かをチェックすることなく、消去コマンドを発行することができる。以上により、既に消去されているスペアブロックに対して、長時間を要する読み出しや消去サイクルを実行するという無駄を省くことができる。特にNAND型フラッシュメモリは、消去ベリファイ読み出しを、通常の読み出しとは異なり、ブロック単位で短時間に行うことができる。従って、この発明のメリットは大きい。
上記実施の形態では、消去ベリファイの手法として、プリチャージしたビット線のNANDセルユニットによる放電の有無(又は大小)を検出する方法を利用したが、ビット線の充電の有無(又は大小)を検出する方法も用いることができる。具体的に、ビット線BLを0Vにプリチャージし、全ワード線WLに0Vを与え、共通ソース線CELSRCにVdd、選択ゲート線SGD,SGSにパス電圧Vreadを与えて、共通ソース線CELSRCからビット線BLに向けてセル電流を流す。NANDセルユニットが、その中のメモリセルのしきい値上限値がVt(負)の状態に消去されていれば、ビット線BLは│Vt│まで充電される。しきい値が0V以上の未消去セルがあれば、セル電流が流れず、ビット線BLは0Vを保つ。このビット線BLの充電を検出することにより、消去ベリファイができる。
[実施の形態2]
上記実施の形態では、図5に示す動作フローにおいて、ステップS2の消去ベリファイと、ステップS8の消去ベリファイとを、同じベリファイ判定条件としている。しかし、メモリセルの消去しきい値は、消去直後には十分大きな負の値であっても、その後の読み出しや書き込み時の非選択セルへのストレスによりしきい値が正方向に変化する。また、最初の消去ベリファイステップS2ではパスとなっても、2回目の消去ベリファイステップS8では、温度や電圧条件の変化によりパスしないというケースも考えられる。従って、これら2回の消去ベリファイステップS2,S8でのベリファイ判定条件を異ならせることも有効である。
そのための一つの方法は、ベリファイ読み出し時のメモリセルのバイアス条件を異ならせることである。例えば、図9は、最初の消去ベリファイステップS2において、ワード線に0.5Vを与え、2回目の消去ベリファイステップS8では、0Vを与える例を示している。即ち、1回目のベリファイ判定の条件を2回目より緩くしている。
もう一つの方法は、ベリファイ読み出し時のデータセンスタイミングを異ならせることである。図8に示したように、タイミングt2−t4のビット線放電時間により、ベリファイ読み出し時のデータ“0”(未消去),データ“1”(消去)のマージンが決まる。従って、2回の消去ベリファイステップS2とS8とでデータセンスタイミングt4を異ならせることにより、それらのベリファイ判定条件が異なる。
図10は、ビット線BLの放電波形とセンスノードNsenの電圧波形を取り出して、2回の消去ベリファイステップS2とS8のデータセンスタイミングを異ならせた例を示している。最初のベリファイ読み出しでは、ビット線放電時間をT1=t4b−t2とし、2回目のベリファイ読み出しでは、ビット線放電時間をT2=t4a−t2とする。
タイミングt4a又はt4bでクランプ用トランジスタMN1をオンにすることで、電荷分配によるビット線データ増幅が行われる。センス用電圧Vsenを一定とすれば、消去状態(データ“1”)と判定するためのセンスマージンを比較すると、タイミングt4aでデータセンスした場合の方が、タイミングt4bでデータセンスした場合より小さい。従って、1回目のベリファイ判定の条件を2回目より緩くしたことになる。
更に、第3の方法として、2回の消去ベリファイステップでのセンスアンプ感度を異ならせることも有効である。具体的には、クランプ用トランジスタMN1のゲートCLAMPに与えるセンス用電圧Vsenを2回の消去ベリファイステップS2,S8で異ならせる。図10から容易に理解されるように、これによっても、2回のベリファイ判定条件を異ならせることができる。
[実施の形態3]
実施の形態1のフラッシュメモリでは、消去コマンドを受けたときに、図5で説明した一連のシーケンスが実行されるようにしている。これに対して、消去コマンドとは別に、消去ベリファイ動作のみを行うコマンドを用意して、図5の消去ベリファイステップS2を独立させてもよい。その場合、消去ベリファイ動作の“パス/フェイル”フラグをチップ外部に出力すれば、続いてブロック消去を行うか否かを選択することができる。
[実施の形態4]
NAND型フラッシュメモリは、FNトンネリング電流を利用してデータ消去を行うため、消去のための消費電力が小さくて済むという特長を持つ。従って、複数ブロックを同時に消去することも可能である。そして複数ブロックの一括消去を行う場合にも、この発明は有効である。但し、消去ベリファイは、ブロック単位で行うことが必要である。
[実施の形態5]
ここまでの実施の形態は、NAND型フラッシュメモリについて説明したが、この発明はNOR型フラッシュメモリにも適用することができる。図11〜図13は、NOR型フラッシュメモリでの各動作モードのバイアス関係の例を示している。
読み出し時は、図11に示すように、選択ワード線WL0に5Vを与え、非選択ワード線WL1及びソース線SLには0Vを与え、ビット線BLに1Vを与える。これにより、選択ワード線WL0に沿った複数のメモリセル(1ページ)のデータを読み出すことができる。
書き込み時は、図12に示すように、選択ワード線WL0に10Vを与え、非選択ワード線WL1及びソース線SLには0Vを与え、ビット線BLにはデータに応じて5V又は0Vを与える。これにより、選択ワード線WL0に沿った複数のメモリセルのうち、ビット線BLに5Vが与えられたセルでは、大きなチャネル電流が流れて、インパクトイオン化により生成された電子が浮遊ゲートに注入される。
消去は、ブロック単位で行うことができる。図13に示すように、ビット線BLをオープンとして、選択ブロックのワード線に−10V、ソース線SLに10Vを与える。これにより、選択ブロック内のメモリセルでは、浮遊ゲートの電子がソース拡散層側に放出され、データ消去される。
NOR型フラッシュメモリでは、書き込みベリファイや消去ベリファイにおける読み出しも、基本的に図11と同様にページ単位となる。即ち、NAND型フラッシュメモリのように、一度の読み出し動作でブロックの消去ベリファイを行うことはできない。従って、実施の形態1−4をNOR型フラッシュメモリに適用することは可能であるが、例えば、図5に示すステップS2の消去ベリファイは、選択ブロック内の複数ページについて繰り返すことが必要になる。
具体的に、図14は、NOR型フラッシュメモリに実施の形態1と同様の消去シーケンスを適用した実施の形態の動作フローを示している。フラッシュメモリは、ホストデバイスから消去コマンドを受け取ると、ロウ/カラムアドレスを初期化し(ステップS11)、次いでホストデバイスから供給されたアドレスにより選択されたブロックについて、ページ毎に消去ベリファイを実行する(ステップS13)。消去ベリファイ結果が“パス”したら、アドレスをカウントアップして(ステップS14)、最終アドレスになったか(AEND=“H”)否かを判定して(ステップS12)、以下同様にブロック内の消去ベリファイを繰り返す。“フェイル”することなく最終アドレスまで消去ベリファイが終了したら、ブロック消去が確認されたことになり、“パス”フラグをチップ外部に出力して、実際の消去サイクルに入ることなく、消去動作フローを終了する。
消去ベリファイステップS13で“フェイル”の判定が出た場合には、消去ストレスの影響を予め緩和する処置として予備書き込みを行った後に、消去サイクルを実行する。即ち、ロウ/カラムアドレスを初期化し(ステップS15)、先頭ページの予備書き込みを行い(ステップS17)、ページアドレスをカウントアップして(ステップS18)、次のページの予備書き込みを行う、という書き込み動作を繰り返す。この予備書き込みサイクルでは、書き込み状態を確認するベリファイ読み出し(書き込みベリファイ)を行わない例を示しているが、書き込みベリファイを行うようにしてもよい。そして、ステップS16でブロックの最終ページアドレスまでの書き込み完了(AEND=“H”)が確認されたら、次に消去サイクルに入る。
即ち、ロウ/カラムアドレスを初期化し(ステップS19)、選択ブロックについて、再度消去ベリファイを実行する。消去ベリファイステップS20−S23は、先のステップS12−S14でのそれと基本的に同じであり、ページ単位で行う。あるページでベリファイ判定が“フェイル”の場合、選択ブロックについて一括消去動作を行い(ステップS22)、再度同じページの消去ベリファイを行う(ステップS21)。最終ページまでの消去ベリファイが終わると、以上の消去動作を終了する。
[実施の形態6]
次に、上記各実施の形態による不揮発性半導体記憶装置或いはメモリシステムを搭載した電子カードと、その電子カードを用いた電子装置の実施の形態を説明する。
図15は、この実施の形態による電子カードと、この電子カードを用いた電子装置の構成を示す。ここでは電子装置は、携帯電子機器の一例としてのディジタルスチルカメラ101を示す。電子カードは、ディジタルスチルカメラ101の記録媒体として用いられるメモリカード61である。メモリカード61は、先の各実施の形態で説明した不揮発性半導体装置或いはメモリシステムが集積化され封止されたICパッケージPK1を有する。
ディジタルスチルカメラ101のケースには、カードスロット102と、このカードスロット102に接続された、図示しない回路基板が収納されている。メモリカード61は、カードスロット102に取り外し可能に装着される。メモリカード61は、カードスロット102に装着されると、回路基板上の電気回路に電気的に接続される。
電子カードが例えば、非接触型のICカードである場合、カードスロット102に収納し、或いは近づけることによって、回路基板上の電気回路に無線信号により接続される。
図16は、ディジタルスチルカメラの基本的な構成を示す。被写体からの光は、レンズ103により集光されて撮像装置104に入力される。撮像装置104は例えばCMOSイメージセンサであり、入力された光を光電変換し、アナログ信号を出力する。このアナログ信号は、アナログ増幅器(AMP)により増幅された後、A/Dコンバータによりディジタル変換される。変換された信号は、カメラ信号処理回路105に入力され、例えば自動露出制御(AE)、自動ホワイトバランス制御(AWB)、及び色分離処理を行った後、輝度信号と色差信号に変換される。
画像をモニターする場合、カメラ信号処理回路105から出力された信号はビデオ信号処理回路106に入力され、ビデオ信号に変換される。ビデオ信号の方式としては、例えばNTSC(National Television System Committee)を挙げることができる。ビデオ信号は、表示信号処理回路107を介して、ディジタルスチルカメラ101に取り付けられた表示部108に出力される。表示部108は例えば液晶モニターである。
ビデオ信号は、ビデオドライバ109を介してビデオ出力端子110に与えられる。ディジタルスチルカメラ101により撮像された画像は、ビデオ出力端子110を介して、例えばテレビジョン等の画像機器に出力することができる。これにより、撮像した画像を表示部108以外でも表示することができる。撮像装置104、アナログ増幅器(AMP)、A/Dコンバータ(A/D)、カメラ信号処理回路105は、マイクロコンピュータ111により制御される。
画像をキャプチャする場合、操作ボタン例えばシャッタボタン112を操作者が押す。これにより、マイクロコンピュータ111が、メモリコントローラ113を制御し、カメラ信号処理回路105から出力された信号がフレーム画像としてビデオメモリ114に書き込まれる。ビデオメモリ114に書き込まれたフレーム画像は、圧縮/伸張処理回路115により、所定の圧縮フォーマットに基づいて圧縮され、カードインタフェース116を介してカードスロット102に装着されているメモリカード61に記録される。
記録した画像を再生する場合、メモリカード61に記録されている画像を、カードインタフェース116を介して読み出し、圧縮/伸張処理回路115により伸張した後、ビデオメモリ114に書き込む。書き込まれた画像はビデオ信号処理回路106に入力され、画像をモニターする場合と同様に、表示部108や画像機器に映し出される。
なおこの構成では、回路基板100上に、カードスロット102、撮像装置104、アナログ増幅器(AMP)、A/Dコンバータ(A/D)、カメラ信号処理回路105、ビデオ信号処理回路106、メモリコントローラ113、ビデオメモリ114、圧縮/伸張処理回路115、及びカードインタフェース116が実装される。
但しカードスロット102については、回路基板100上に実装される必要はなく、コネクタケーブル等により回路基板100に接続されるようにしてもよい。
回路基板100上には更に、電源回路117が実装される。電源回路117は、外部電源、或いは電池からの電源の供給を受け、ディジタルスチルカメラの内部で使用する内部電源電圧を発生する。電源回路117として、DC−DCコンバータを用いてもよい。内部電源電圧は、上述した各回路に供給される他、ストロボ118、表示部108にも供給される。
以上のようにこの実施の形態の電子カードは、ディジタルスチルカメラ等の携帯電子機器に用いることが可能である。更にこの電子カードは、携帯電子機器だけでなく、図17A−17Jに示すような他の各種電子機器に適用することができる。即ち、図17Aに示すビデオカメラ、図17Bに示すテレビジョン、図17Cに示すオーディオ機器、図17Dに示すゲーム機器、図17Eに示す電子楽器、図17Fに示す携帯電話、図17Gに示すパーソナルコンピュータ、図17Hに示すパーソナルディジタルアシスタント(PDA)、図17Iに示すヴォイスレコーダ、図17Jに示すPCカード等に、上記電子カードを用いることができる。
この発明の実施の形態によるフラッシュメモリのブロック構成を示す図である。 同フラッシュメモリのセルアレイ構成を示す図である。 同フラッシュメモリのページバッファの構成を示す図である。 同フラッシュメモリのデータしきい値分布を示す図である。 同フラッシュメモリの消去動作のフローを示す図である。 同フラッシュメモリのベリファイ読み出し時のバイアス条件を示す図である。 同フラッシュメモリの消去時のバイアス条件を示す図である。 同フラッシュメモリのセンスアンプ回路に着目して消去ベリファイ動作の動作波形を示す図である。 他の実施の形態における2回の消去ベリファイ時のバイアス条件を示す図である。 他の実施の形態による2回の消去ベリファイ時のデータセンス条件を説明するための波形図である。 NOR型フラッシュメモリの読み出し時のバイアス条件を示す図である。 NOR型フラッシュメモリの書き込み時のバイアス条件を示す図である。 NOR型フラッシュメモリの消去時のバイアス条件を示す図である。 NOR型フラッシュメモリにこの発明を適用した実施の形態の消去動作フローを示す図である。 ディジタルスチルカメラに適用した実施の形態を示す図である。 同ディジタルスチルカメラの内部構成を示す図である。 ビデオカメラに適用した実施の形態を示す図である。 テレビジョンに適用した実施の形態を示す図である。 オーディオ機器に適用した実施の形態を示す図である。 ゲーム機器に適用した実施の形態を示す図である。 電子楽器に適用した実施の形態を示す図である。 携帯電話に適用した実施の形態を示す図である。 パーソナルコンピュータに適用した実施の形態を示す図である。 パーソナルディジタルアシスタント(PDA)に適用した実施の形態を示す図である。 ヴォイスレコーダに適用した実施の形態を示す図である。 PCカードに適用した実施の形態を示す図である。
符号の説明
1…セルアレイ、2…センスアンプ回路(ページバッファ)、3…ロウデコーダ、4…I/Oバッファ、5…コントローラ、6…高電圧発生回路、MC0−MC15…メモリセル、SG1,SG2…選択ゲートトランジスタ、NU…NANDセルユニット、WL0−WL15…ワード線、SGD,SGS…選択ゲート線、BL0−BLn−1…ビット線、CELSRC…共通ソース線、BLKj…ブロック、MN1…クランプ用NMOSトランジスタ、MN2…プリチャージ用NMOSトランジスタ、MN3…転送用NMOSトランジスタ、21…データラッチ、22…書き戻し回路、23…ベリファイチェック回路。

Claims (5)

  1. 電気的書き換え可能な不揮発性メモリセルが配列されたセルアレイと、
    前記セルアレイの読み出し及び書き込みを行うためのセンスアンプ回路と、
    前記セルアレイの読み出し、書き込み及び消去の制御を行うコントローラとを備え、
    前記コントローラは、外部から供給される消去コマンド及びアドレスを受けて、前記セルアレイ内の選択ブロックを消去するための消去シーケンス制御として、
    前記選択ブロックの消去状態を確認するための第1の消去ベリファイ動作を実行し、
    第1の消去ベリファイ動作で消去状態が確認されたら、消去シーケンスを終了し、
    消去状態が確認されなかったら、その選択ブロックの消去動作を実行する
    ことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
  2. 前記コントローラは、前記選択ブロックの消去動作に先だって、前記選択ブロックについて消去ストレスの影響を低減するための予備書き込み動作を実行する
    ことを特徴とする請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置。
  3. 前記選択ブロックの消去動作は、前記選択ブロックの消去状態を確認するための第2の消去ベリファイ動作と、前記選択ブロックに消去用電圧を印加する動作とを、消去状態が確認されるまで繰り返すものでありかつ、
    前記第1及び第2の消去ベリファイ動作の間でベリファイ判定条件が異なる
    ことを特徴とする請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置。
  4. 前記第1及び第2の消去ベリファイ動作は、前記選択ブロックのメモリセルに所定の読み出しバイアスを与え、前記センスアンプ回路により所定のタイミングでデータセンスすることにより行われるものであって、前記読み出しバイアスの条件を異ならせることにより、ベリファイ判定条件を異ならせた
    ことを特徴とする請求項3記載の不揮発性半導体記憶装置。
  5. 前記第1及び第2の消去ベリファイ動作は、前記選択ブロックのメモリセルに所定の読み出しバイアスを与え、前記センスアンプ回路により所定のタイミングでデータセンスすることにより行われるものであって、前記データセンスのタイミングを異ならせることにより、ベリファイ判定条件を異ならせた
    ことを特徴とする請求項3記載の不揮発性半導体記憶装置。
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