JP2005154649A - 板状粉体内包複合粒子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 熱可塑性樹脂と板状粉体を含む複合粒子であって、その複合粒子の体積平均粒径が1〜100μmで、複合粒子の長径(a)と、最大厚さ(c)の比(a/c)が1〜100の球状又は楕円体状である、板状粉体内包複合粒子、その製法及びそれを含有する化粧料。
【選択図】 なし
Description
本発明の複合粒子中の板状粉体の含有量は特に制限されないが、熱可塑性樹脂/板状粉体の質量比は、板状粉体を充分に被覆する観点から0.1以上が好ましく、板状粉体の光学的特性を活かす観点から100以下が好ましい。さらにこの質量比は、0.2〜50が好ましく、0.5〜20が特に好ましい。
本発明に用いられる板状粉体は、板状粉体の効果である良好な光輝性や、使用時に良好な感触を得る観点から、アスペクト比(板状比)が5以上、体積平均粒径が0.1〜100μmであることが好ましい。さらに好ましくは、アスペクト比(板状比)が10 以上で体積平均粒径が0.5〜50μmである。
焼成雲母、合成金雲母、雲母チタン、ベンガラ被覆雲母チタン、合成金雲母チタン、酸化鉄処理雲母、酸化鉄処理雲母チタン、有機色素被覆雲母チタン、硫酸バリウム、窒化ホウ素粉体、オキシ塩化ビスマス、アルミナ、アルミニウムパウダー、タルク、マイカ、ラウロイルリジン等及びこれらの複合粉体、魚鱗泊、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末等の樹脂フィルムの切断物等及びこれらの複合粉体等が挙げられる。これらの板状粉体は単独で用いても良いし、2種類以上を用いることもできる。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂は特に限定されないが、本発明の複合粒子が多孔性である場合には結晶性熱可塑性樹脂が好ましい。結晶性熱可塑性樹脂は、そのすべてが結晶性を有するものであっても、また熱可塑性樹脂の一部だけが結晶性を有するものであっても良い。結晶性熱可塑性樹脂の結晶化度は70%以上が好ましく、75%以上が更に好ましく、80%以上が特に好ましい。上限は、材の入手し易さから、95%以下が好ましい。結晶化度は、X線回折法により、下記測定条件で求めることが出来る。
装置名:理学電機(株)製、RINT2500
線源:Cu
管電流:300mA
管電圧:50kV
スキャンスピード:2°/min
熱可塑性樹脂の分子量は、後記する複合粒子の製法において溶融した粘度を好ましくは600mPa・s以下にする観点から、分子量が500〜20,000であるものが好ましく、1,000〜10,000であるものが更に好ましい。熱可塑性樹脂の分子量は、粘度法により求めることが出来る。
ナイロン−46等の脂肪族ポリアミド、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンにより製造される芳香族ポリアミド等を挙げることができ、ナイロン−6が特に好ましい。
これら熱可塑性樹脂のうちでは、ポリオレフィン系樹脂、特にポリエチレン、ポリプロピレンが好ましい。また、ポリオレフィン系樹脂は直鎖状であることが好ましい。
本発明に用いられる、板状粉体とは別の固体粒子の粒径は、噴霧ノズルを閉塞しない観点、及び金属酸化物に関しては、そのUV防御能、抗菌性、消臭能を発揮する観点から、好ましくは10μm以下、更に好ましくは1μm以下、特に好ましくは0.3μm以下である。下限は0.001μm以上が好ましく、0.01μm以上が更に好ましい。
本発明の複合粒子の製法としては噴霧冷却法が好ましく、複合粒子が多孔性でない場合には以下の製法1で、また複合粒子が多孔性である場合には以下の製法2で製造することができる。
製法1は熱可塑性樹脂と板状粉体、更に必要により固体粒子を、熱可塑性樹脂の軟化温度(又は融点)以上の温度で混合した後、得られた熱溶融混練物を冷媒中に噴霧して冷却固化する方法であり、このような方法で得られた複合粒子は、粒子表面にクラックや孔が生じにくく、板状粉体と外界を遮蔽することが可能である。
製法2は、熱可塑性樹脂、板状粉体及び前期樹脂の軟化温度(又は融点)より低い融点を有する低分子化合物、更に必要により固体粒子を、前記樹脂の軟化温度(又は融点)以上の温度で、好ましくは、熱安定性の点から200℃以下の温度で混合した後、冷媒中に噴霧し、得られた粒子から前記低分子化合物を、除去する方法である。
本発明の化粧料中、本発明に係わる複合粒子の含有量は、その化粧料の目的に応じて適宜選択することができ、特に限定されるものではないが、0.1〜50質量%、更に1〜30質量%が好ましい。
熱可塑性樹脂として三井ハイワックスHW−200P(三井ケミカル(株)製、ポリエチレン、分子量2000、融点122℃、結晶化度87%)、板状粉体としてベンガラ被覆雲母チタン(ENGELHARD社製、FLAMENCO SATIN BLUE、体積平均粒径:9.0μm、アスペクト比:45)を、熱可塑性樹脂/板状粉体の質量比4/1で混合し、150℃でペンシル型ミキサーで約10分間、溶融混合分散し、ペンシル型ミキサーで分散させながら、2流体ノズル(ガラス製噴霧器M型、SANSYO製)で、60L/分の窒素気流とともに25℃気相中に噴霧冷却し、複合粒子として回収した。得られた複合粒子の体積平均粒径は8.8μmで、a/cは2.2であった。得られた複合粒子の電子顕微鏡写真を図2に示す。
熱可塑性樹脂として三井ハイワックスHW−200MP(三井ケミカル(株)製、ポリエチレン、分子量2000、融点107℃、結晶化度65%)、固体粒子として酸化亜鉛(FINEX−75、粒径0.02μm、堺化学(株)製)を、熱可塑性樹脂/酸化亜鉛の質量比2.5/1で混合し、エクストルーダーPCM30((株)池貝製)を用いて、スクリュー回転数200r/min、シリンダー温度100℃、フィード10kg/hで混練して混合樹脂を得た。この混合樹脂と、板状粉体としてベンガラ被覆雲母チタン(ENGELHARD社製、FLAMENCO SATIN BLUE、体積平均粒径:9.0μm、アスペクト比:45)を、混合樹脂/板状粉体の質量比4/1(熱可塑性樹脂/板状粉体の質量比3.2/1に相当)で混合し、150℃でペンシル型ミキサーで約10分間、溶融混合分散し、ペンシル型ミキサーで分散させながら、2流体ノズル(ガラス製噴霧器M型、SANSYO製)で、60L/分の窒素気流とともに25℃気相中に噴霧冷却し、複合粒子として回収した。得られた複合粒子の体積平均粒径は10μmで、a/cは2.0であった。
熱可塑性樹脂として三井ハイワックスHW−200P(三井ケミカル(株)製、ポリエチレン、分子量2000、融点122℃、結晶化度87%)、低分子化合物としてベヘニルアルコール(融点70℃)、板状粉体としてベンガラ被覆雲母チタン(ENGELHARD社製、FLAMENCO SATIN BLUE、体積平均粒径:9.0μm、アスペクト比:45)を、熱可塑性樹脂/低分子化合物/板状粉体の質量比0.86/2/1で混合し、150℃でペンシル型ミキサーで約10分間、溶融混合分散し、ペンシル型ミキサーで分散させながら、2流体ノズル(ガラス製噴霧器M型、SANSYO製)で、60L/分の窒素気流とともに25℃気相中に噴霧冷却し、複合粒子として回収した。さらに60℃エタノール中に得られた複合粒子を5質量%になるように添加して約30分混合し、ベヘニルアルコールを抽出し、PTFE0.8μmのメンブランフィルターで減圧濾過し、残留したエタノールを減圧乾燥により除去することで、多孔性複合粒子を得た。得られた多孔性複合粒子の体積平均粒径は9.0μmで、a/cは1.8であった。得られた多孔性複合粒子の電子顕微鏡写真を図3に示す。
実施例1で得た複合粒子を用い、下記組成のパウダーファンデーションを常法により製造した。
マイカ 残量(質量%)
平均粒子径4.5μmのポリメチルシルセスキオキサン粉末 6
(トスパール145;東芝シリコーン(株)製)
実施例1の複合粒子 20
タルク 20
酸化チタン 10
ベンガラ 0.8
黄酸化鉄 2.5
黒酸化鉄 0.1
流動パラフィン 8
ミツロウ 2
防腐剤 適量
香料 適量。
実施例1で得た複合粒子の代わりに実施例3で得た多孔性複合粒子を、ベンガラ被覆雲母チタン量が実施例1の複合粒子中のベンガラ被覆雲母チタン量と同じになる量用いる以外は処方例1と同様の組成でパウダーファンデーションを製造した。
実施例1で得た複合粒子の代わりにベンガラ被覆雲母チタンを、実施例1の複合粒子中のベンガラ被覆雲母チタン量と同じ量用いる以外は処方例1と同様の組成でパウダーファンデーションを製造した。
実施例2で得た複合粒子を用い、下記組成の日焼け止めクリームを常法により製造した。
平均粒子径4.5μmのポリメチルシルセスキオキサン粉末 3質量%
(トスパール145 ;東芝シリコーン(株)製)
実施例2の複合粒子 10
p−メトキシ桂皮酸オクチル 5
ジメチルシロキサン・メチル(ウンデシルグリセリルエーテル)
シロキサン共重合体*1 2
ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン)
シロキサン共重合体*2 0.5
メチルポリシロキサン(粘度6cs) 5
オクタメチルシクロペンタンシロキサン 20
スクワラン 2
ミリスチン酸オクチルドデシル 1
硫酸マグネシウム 0 .5
グリセリン 5
防腐剤 0 .1
香料 微 量
精製水 バランス
*1:花王(株)製、ペネトール S1−U
*2:信越化学工業(株)製、シリコーンKF−945A
比較処方例2
実施例2で得た複合粒子の代わりにベンガラ被覆雲母チタンと酸化亜鉛を、それぞれ実施例2の複合粒子中のベンガラ被覆雲母チタン量及び酸化亜鉛量と同じになる量用いる以外は処方例3と同様の組成で日焼け止めクリームを製造した。
b:aに直交する最大幅
c:a,bに直交する最大厚さ
Claims (7)
- 熱可塑性樹脂と板状粉体を含む複合粒子であって、その複合粒子の体積平均粒径が1〜100μmで、複合粒子の長径(a)と、最大厚さ(c)の比(a/c)が1〜100の球状又は楕円体状である、板状粉体内包複合粒子。
- 熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂である、請求項1記載の板状粉体内包複合粒子。
- 板状粉体とは別に、1種以上の固体粒子を含有する、請求項1又は2記載の板状粉体内包複合粒子。
- 多孔性である請求項1〜3いずれかに記載の板状粉体内包複合粒子。
- 熱可塑性樹脂と板状粉体、更に必要により固体粒子を、熱可塑性樹脂の軟化温度(又は融点)以上の温度で混合した後、得られた熱溶融混練物を冷媒中に噴霧して冷却固化する、請求項1〜3いずれかに記載の板状粉体内包複合粒子の製法。
- 熱可塑性樹脂、板状粉体及び前記樹脂の軟化温度(又は融点)より低い融点を有する低分子化合物、更に必要により固体粒子を、前記樹脂の軟化温度(又は融点)以上の温度で混合した後、冷媒中に噴霧し、得られた粒子から前記低分子化合物を除去することで多孔化する、請求項4記載の板状粉体内包複合粒子の製法。
- 請求項1〜4いずれかに記載の板状粉体内包複合粒子を含有する化粧料。
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