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JP2005142489A - Cmp研磨剤および基板の研磨方法 - Google Patents

Cmp研磨剤および基板の研磨方法 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体素子の層間絶縁膜、シャロー・トレンチ分離用絶縁膜等を平坦化するCMP技術において、研磨を効率的、高速に行うことを可能にするCMP研磨剤および研磨方法を提供する。
【解決手段】酸化セリウム粒子、2種類のモノマーの共重合体及び水を含むCMP研磨剤、及びこの研磨剤を用いて半導体ウエハ等の被研磨面を研磨する基板の研磨方法であり、好ましくは前記共重合体がアクリル酸−マレイン酸共重合体である。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体素子製造工程のうち、層間絶縁膜の平坦化工程またはシャロー・トレンチ分離の形成工程等において使用されるCMP(Chemical Mechanical Polishing)研磨剤および基板の研磨方法に関する。
超大規模集積回路の分野において実装密度を高めるために種々の微細加工技術が研究、開発されており、既に、デザインルールは、サブハーフミクロンのオーダーになっている。このような厳しい微細化要求を満足するための技術の一つにCMP研磨技術がある。この技術は、半導体装置の製造工程において、露光を施す層を完全に平坦化することによって微細化を可能とし、歩留まりを向上させることができるため、例えば、層間絶縁膜の平坦化やシャロー・トレンチ分離等を行う際に必要となる技術である。
従来、集積回路内の素子分離にはLOCOS(シリコン局所酸化)法が用いられてきたが、素子分離幅をより狭くするため、近年ではシャロー・トレンチ分離法が用いられている。シャロー・トレンチ分離法では、ウエハ基板上に成膜した余分の酸化珪素膜を除くためにCMPが必須であり、研磨を停止させるために、酸化珪素膜の下に窒化珪素膜がストッパとして形成されるのが一般的である。
半導体装置の製造工程において、プラズマ−CVD(Chemical Vapor Deposition、化学的蒸着法)、低圧−CVD等の方法で形成される酸化珪素絶縁膜等を平坦化するためのCMP研磨剤としては、従来、フュームドシリカを研磨粒子とするpH9を超えるアルカリ性の研磨剤が多用されてきた。しかしながら、酸化珪素膜の研磨速度を高くするためにアルカリ性に保持されたシリカ研磨剤では、ストッパである窒化珪素膜の研磨速度も高く、ウエハ全面が均一に削れない(すなわち高平坦化できない。)、あるいは電気特性に悪影響を与える研磨傷が多い等の問題があった。
一方、フォトマスクやレンズ等のガラス表面研磨剤としては、酸化セリウムを用いた研磨剤が近年多用されている。この技術は、例えば特許文献1に開示されている。酸化セリウム研磨剤はシリカ研磨剤と比べて酸化珪素膜の研磨速度が早く、研磨傷も比較的少ないという特長を有するため、酸化セリウム研磨剤を半導体用研磨剤として適用する検討が近年行われており、その一部は半導体用研磨剤として実用化されるようになっている。この技術は、例えば特許文献2に開示されている。
特開平5−326469号公報 特開平9−270402号公報
しかし、各種デバイスが形成されたウエハの全面を、電気特性不良に至る研磨傷をほとんど発生させずに、完全に平坦化できるような酸化セリウム研磨剤はまだ得られていなかった。
本発明の目的は、電気特性不良に至る研磨傷をほとんど発生させずに高平坦化することが可能なCMP研磨剤及びそれを用いた研磨方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み、2種類のモノマーの共重合体であるポリマーをCMP研磨剤に混合することが有効であることを見出した。
本発明は、下記(1)〜(7)の発明に関する。
(1) 酸化セリウム粒子、2種類のモノマーの共重合体及び水を含むCMP研磨剤。
(2) 前記2種類のモノマーがそれぞれアクリル酸、マレイン酸である前記(1)記載のCMP研磨剤。
(3) 前記共重合体の共重合比がモル比で0.5〜2.0である前記(1)または(2)記載のCMP研磨剤。
(4) 前記共重合体の分子量がMw=1000〜20000である前記(1)〜(3)のいずれか記載のCMP研磨剤。
(5) さらに、分子量Mw=5000〜50000であるポリアクリル酸を含む前記(1)〜(4)のいずれか記載のCMP研磨剤。
(6) pHが4.0〜9.0である前記(1)〜(5)のいずれか記載のCMP研磨剤。
(7) 被研磨膜を形成した基板を研磨定盤上の研磨布に押し当て加圧し、2種類のモノマーの共重合体及び水を含むCMP研磨剤を被研磨膜と研磨布との間に供給しながら、基板と研磨定盤とを相対的に動かして被研磨膜を研磨する基板の研磨方法。
本発明のCMP研磨剤は、高平坦化可能であり、半導体素子製造工程、特にシャロー・トレンチ分離に好適である。また、酸化珪素絶縁膜等の被研磨面を傷なく、高速に研磨することができる。
又、本発明の研磨方法により、基板の被研磨面を、傷なく、研磨することが可能となる。
本発明のCMP研磨剤は、酸化セリウム粒子、2種類のモノマーの共重合体及び水を含むことを特徴とする。
一般に酸化セリウム粒子は、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、しゅう酸塩のセリウム化合物を酸化することによって得られる。TEOS−CVD法等で形成される酸化珪素膜の研磨に使用する酸化セリウム粒子は、その製造方法を限定するものではないが、酸化セリウム結晶子径は5nm以上300nm以下であることが好ましい。また、半導体チップ研磨に使用することから、アルカリ金属及びハロゲン類の含有率は酸化セリウム粒子中10ppm以下に抑えることが好ましい。
本発明において、酸化セリウム粉末を作製する方法として焼成または過酸化水素等による酸化法が使用できる。焼成温度は350℃以上900℃以下が好ましい。
上記の方法により製造された酸化セリウム粒子は凝集しているため、機械的に粉砕することが好ましい。粉砕方法として、ジェットミル等による乾式粉砕や遊星ビーズミル等による湿式粉砕方法が好ましい。ジェットミル法は例えば化学工業論文集第6巻第5号(1980)527〜532頁に説明されている。
これらの酸化セリウム粒子を水中に分散させる方法としては、通常の攪拌機による分散処理の他にホモジナイザー、超音波分散機、湿式ボールミルなどを用いることができる。
本発明のCMP研磨剤は、例えば、上記の特徴を有する酸化セリウム粒子と分散剤及び水からなる組成物に、2種類のモノマー(以下、モノマーa1、モノマーa2という。)からなる共重合体であるポリマー(以下、ポリマーAという。)を添加することによって得られる。ここで、酸化セリウム粒子の濃度に制限はないが、研磨剤の取り扱いやすさから0.5重量%以上20重量%以下の範囲が好ましい。
共重合体であるポリマーAとしては、水溶性であれば特に制限はないが、アクリル酸−マレイン酸共重合体、アクリル酸−ビニルピロリドン共重合体、マレイン酸−ビニルピロリドン共重合体等が挙げられる。このうち、アクリル酸−マレイン酸共重合体が望ましい。
ポリマーAの分子量は、Mw=1000〜20000が好ましく、Mw=2000〜10000がより好ましく、Mw=2000〜5000が更により好ましい。また、ポリマーAのCMP研磨剤中における濃度は、十分な平坦性を得るために0.01重量%〜5.0重量%が好ましく、0.10重量%〜1.0重量%がより好ましい。また、ポリマーAにおけるモノマーa1、モノマーa2の共重合比 a1/a2は、例えばモノマーa1がアクリル酸、モノマーa2がマレイン酸の共重合体の場合、モル比で0.5〜2.0が好ましく、0.75〜1.50がより好ましい。
本発明の研磨剤には、さらにポリアクリル酸(以下、ポリマーBという。)を含むのが好ましい。ポリマーBの分子量は、Mw=5000〜50000が好ましく、6000〜30000がより好ましく、Mw=7000〜15000が更により好ましい。また、ポリマーBを用いる場合のCMP研磨剤中における濃度は十分な平坦性を得るために0.01重量%〜3.0重量%が好ましく、0.03重量%〜1.0重量%がより好ましい。
本発明のCMP研磨剤は、例えば、酸化セリウム粒子、ポリマーA、ポリマーB、分散剤、その他の添加剤、水から構成される一液式研磨剤として調製することも、また、酸化セリウム粒子、分散剤及び水からなる酸化セリウムスラリと、ポリマーA、ポリマーB、添加剤及び水からなる添加液とを分けた二液式CMP研磨剤として調製することもできる。いずれの場合も、安定した特性を得ることができる。
酸化セリウムスラリと添加液とを分けた二液式研磨剤として保存する場合、これら二液の配合を任意に変えられることにより平坦化特性と研磨速度の調整が可能となる。二液式の場合、添加液は、酸化セリウムスラリと別々の配管で送液し、これらの配管を合流させて供給配管出口の直前で混合して研磨定盤上に供給する方法か、研磨直前に酸化セリウムスラリと混合する方法がとられる。
本発明のCMP研磨剤には分散剤を含むことができる。分散剤としては、水溶性陰イオン性分散剤、水溶性非イオン性分散剤、水溶性陽イオン性分散剤、水溶性両性分散剤から選ばれた少なくとも1種類を含むのが好ましく、これらのうち2種類以上の分散剤を使用するのがより好ましい。
水溶性陰イオン性分散剤としては、例えば、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン等が挙げられ、また、ポリアクリル酸アンモニウム塩等のアニオン系水溶性高分子を用いてもよい。
水溶性非イオン性分散剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキルアルカノールアミド等が挙げられる。
水溶性陽イオン性分散剤としては、例えば、ココナットアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等が挙げられ、水溶性両性分散剤としては、例えば、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
分散剤を用いる場合、これらの分散剤添加量は、分散性及び沈降防止、さらに研磨傷と分散剤添加量との関係から酸化セリウム粒子100重量部に対して、0.01重量部以上2.0重量部以下の範囲が好ましい。
CMP研磨剤のpHは4.0〜9.0である事が好ましく、4.5〜7.0がより好ましく、4.6〜6.5がさらにより好ましい。CMP研磨剤のpHが4.0未満では研磨速度が低下し、9.0より大きいと、研磨速度が大きくなりディッシングが生じ易くなる。また、CMP研磨剤を所望のpH値にするために、アルカリ性化合物または酸性化合物を添加し調整することができる。アルカリ性化合物は、pHの値を調整できる化合物であれば特に制限はないが、アンモニア、有機アミン等が好ましく、有機アミンの中では、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)がより好ましい。
本発明の研磨剤のpHは、pHメータ(例えば、横河電機株式会社製の Model pH81)で測定する。標準緩衝液(フタル酸塩pH緩衝液pH:4.21(25℃)、中性りん酸塩pH緩衝液pH6.86(25℃))を用いて、2点校正した後、電極を研磨剤に入れて、2分以上経過して安定した後の値を測定する。
本発明の研磨方法は、被研磨膜を形成した基板を研磨定盤上の研磨布に押し当て加圧し、2種類のモノマーの共重合体及び水を含むCMP研磨剤を被研磨膜と研磨布との間に供給しながら、基板と研磨定盤とを相対的に動かして被研磨膜を研磨することを特徴とする。
前記共重合体及び水を含むCMP研磨剤は、具体的には本発明のCMP研磨剤であることが好ましい。
基板として、半導体装置製造に係る基板、例えば回路素子と配線パターンが形成された段階の半導体基板、回路素子が形成された段階の半導体基板等の半導体基板上に、無機絶縁層が形成された基板などが挙げられる。そして、被研磨膜は、前記無機絶縁層、例えば酸化珪素膜層あるいは窒化珪素膜層及び酸化珪素膜層等が挙げられる。
以下、無機絶縁層が形成された半導体基板の場合を例に挙げて研磨方法を説明する。
本発明の研磨方法において、使用出来る研磨装置としては、被研磨膜を有する基板を保持するホルダーと、研磨布(パッド)を貼り付け可能で、回転数が変更可能なモータ等を取り付けてある研磨定盤とを有する一般的な研磨装置が使用できる。例えば、荏原製作所株式会社製研磨装置:型番EPO111が使用できる。
研磨定盤上の研磨布としては、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂などが使用でき、特に制限がない。また、研磨布にはCMP研磨剤がたまるような溝加工を施すことが好ましい。研磨条件に制限はないが、定盤の回転速度は半導体基板が飛び出さないように200rpm以下の低回転が好ましく、半導体基板にかける圧力(研磨荷重)は研磨後に傷が発生しないように1kg/cm(98kPa)以下が好ましい。研磨速度の被研磨面内均一性及びパターンの平坦性を満足するためには、5kPa〜50kPaであることがより好ましい。
基板の被研磨膜を研磨布に押圧した状態で基板と研磨定盤とを相対的に動かすには、具体的には基板と研磨定盤との少なくとも一方を動かせば良い。研磨定盤を回転させる他に、ホルダーを回転や揺動させて研磨しても良い。また、研磨定盤を遊星回転させる研磨方法、ベルト状の研磨布を長尺方向の一方向に直線状に動かす研磨方法等が挙げられる。なお、ホルダーは固定、回転、揺動のいずれの状態でも良い。
研磨している間、研磨布と被研磨膜の間にはスラリ状の本発明の研磨剤をポンプ等で連続的に供給する。この供給量に制限はないが、研磨布の表面が常に研磨剤で覆われていることが好ましい。具体的には、研磨布面積1cm当たり、0.005〜0.40ミリリットル供給されることが好ましい。
研磨終了後の半導体基板は、流水中で良く洗浄後、スピンドライヤ等を用いて半導体基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させることが好ましい。
このように被研磨膜である無機絶縁層を上記研磨剤で研磨することによって、表面の凹凸を解消し、半導体基板全面にわたって平滑な面とすることができる。
本発明のCMP研磨剤及び研磨方法は、半導体基板に形成された酸化珪素膜の研磨だけでなく、各種半導体装置の製造プロセス内においても適用することができる。例えば、所定の配線を有する配線板に形成された酸化珪素膜、ガラス、窒化珪素等の無機絶縁膜、ポリシリコン、Al、Cu、Ti、TiN、W、Ta、TaN等を主として含有する膜、フォトマスク・レンズ・プリズム等の光学ガラス、ITO等の無機導電膜、ガラス及び結晶質材料で構成される光集積回路・光スイッチング素子・光導波路、光ファイバーの端面、シンチレータ等の光学用単結晶、固体レーザ単結晶、青色レーザLED用サファイヤ基板、SiC、GaP、GaAs等の半導体単結晶、磁気ディスク用ガラス基板、磁気ヘッド等を研磨することができる。
以下、実施例により本発明を説明する。
実施例1
(酸化セリウムスラリの作製)
炭酸セリウム水和物2kgをアルミナ製容器に入れ、850℃の空気中で2時間焼成することにより酸化セリウム粉末を得た。上記作製の酸化セリウム粒子1kgとポリアクリル酸アンモニウム塩水溶液(40重量%)23gと脱イオン水8977gを混合し、撹拌しながら超音波分散を10分間施した。得られたスラリを1ミクロンフィルターでろ過をし、さらに脱イオン水を加えて酸化セリウム5.0重量%を含む酸化セリウムスラリを得た。
(CMP研磨剤の作製)
上記の酸化セリウムスラリを750g、アクリル酸−マレイン酸共重合体(Aldrich試薬、Mw=3000、濃度=50重量%、アクリル酸:マレイン酸のモル比=1:1)を50.0g、脱イオン水を4184g、pH調整剤としてアンモニア(試薬、30重量%水溶液)16.0gを配合してアクリル酸−マレイン酸共重合体0.5重量%、酸化セリウム0.75重量%のCMP研磨剤(以下、CMP研磨剤1という。)とした。研磨剤1のpHを測定したところ、5.6であった。
(シャロー・トレンチ分離層の研磨)
8インチウエハ上の酸化珪素膜及び窒化珪素膜を上記のCMP研磨剤1でそれぞれ研磨した。
研磨装置は荏原製作所製EPO−111、研磨条件は定盤回転数/ヘッド回転数:50/50rpm、研磨荷重:30kPa、研磨剤供給量:200ml/分とした。
それぞれ1分間研磨したところ、酸化珪素膜の研磨速度は240nm/分、窒化珪素膜の研磨速度は7.8nm/分となり、研磨速度比は30.8であった。また研磨後の酸化珪素膜をウエハ欠陥検出装置:KLA Tencor社「Surfscan6220」で0.2μm以上の異物を検出し、ウエハ外観研磨装置:オリンパス社「AL−2000」を用いて研磨傷をカウントしたところ、13個/ウエハだった。
別に、8インチSi基板に一辺350nm〜0.1mm四方の凸部、深さが400nmの凹部を形成し、凸部密度がそれぞれ2〜40%となるようなシャロー・トレンチ分離層パターンウエハを作製した。凸部上に窒化珪素膜を100nm形成し、その上にTEOS−プラズマCVD法で酸化珪素膜を600nm成膜した。上記のCMP研磨剤1で、このパターンウエハを研磨装置、研磨条件は上記と同様にして3分間研磨した。その結果、窒化珪素膜上で研磨が停止し、研磨後の凸部と凹部の残段差は20nmとなり、高平坦性を示した。
実施例2
(CMP研磨剤の作製)
上記実施例1で作製した酸化セリウムスラリを750g、アクリル酸−マレイン酸共重合体(Aldrich試薬、Mw=3000、濃度=50重量%)を30g、ポリアクリル酸(Mw=10000、濃度=40重量%)を12.5g、脱イオン水を4173g、pH調整剤として、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(Aldrich試薬、濃度=25重量%)を34.4g混合し、アクリル酸−マレイン酸共重合体:0.3重量%、ポリアクリル酸:0.1重量%、酸化セリウム粒子濃度0.75重量%のCMP研磨剤(以下、CMP研磨剤2という。)とした。研磨剤2のpHを測定したところ5.5であった。
(絶縁膜層及びシャロー・トレンチ分離層の研磨)
8インチSi基板上にLine/Space幅が0.05〜5mmで高さが1000nmのAl配線Line部を形成した後、その上にTEOS−プラズマCVD法で酸化珪素膜を2000nm形成した絶縁膜層パターンウエハを作製した。上記のCMP研磨剤2を用いて、研磨装置、研磨条件は実施例1と同様にして3分間研磨した。その結果、研磨後の凸部と凹部の段差が20nmとなり高平坦性を示した。
また、8インチウエハ上の酸化珪素膜及び窒化珪素膜を上記のCMP研磨剤2で研磨装置、研磨条件は実施例1と同様にしてそれぞれ1分間研磨したところ、酸化珪素膜の研磨速度は92nm/分、窒化珪素膜の研磨速度は5.0nm/分となり、研磨速度比は18.4であった。また研磨後の酸化珪素膜をウエハ欠陥検出装置:KLA Tencor社製品名「Surfscan6220」で0.2μm以上の異物を検出し、ウエハ外観研磨装置:オリンパス社製品名「AL−2000」を用いて研磨傷をカウントしたところ、15個/ウエハだった。
また、実施例1と同じシャロー・トレンチ分離層パターンウエハを、上記のCMP研磨剤2で、研磨装置、研磨条件は上記と同様にして3分間研磨した。その結果、窒化珪素膜上で研磨が停止し、研磨後の凸部と凹部の残段差は20nmとなり、高平坦性を示した。
比較例1
(CMP研磨剤の作製)
実施例1記載の酸化セリウムスラリ750gと脱イオン水4250gを混合し(酸化セリウム粒子濃度0.75重量%)、実施例1記載のアクリル酸−マレイン酸共重合体を加えず得られたものをCMP研磨剤3とした。研磨剤3のpHは7.0であった。
(絶縁膜層及びシャロー・トレンチ分離層の研磨)
上記のCMP研磨剤3を用いて、実施例2と同じ絶縁膜層、シャロー・トレンチ分離層を同条件で3分間研磨した。その結果、研磨後の段差は150nmとなり、平坦性が著しく劣ることがわかった。また、研磨後の酸化珪素膜を実施例1と同じ方法で研磨傷をカウントしたところ、30個/ウエハだった。

Claims (7)

  1. 酸化セリウム粒子、2種類のモノマーの共重合体及び水を含むCMP研磨剤。
  2. 前記2種類のモノマーがそれぞれアクリル酸、マレイン酸である請求項1記載のCMP研磨剤。
  3. 前記共重合体の共重合比がモル比で0.5〜2.0である請求項1または2記載のCMP研磨剤。
  4. 前記共重合体の分子量がMw=1000〜20000である請求項1〜3のいずれか記載のCMP研磨剤。
  5. さらに、分子量Mw=5000〜50000であるポリアクリル酸を含む請求項1〜4のいずれか記載のCMP研磨剤。
  6. pHが4.0〜9.0である請求項1〜5のいずれか記載のCMP研磨剤。
  7. 被研磨膜を形成した基板を研磨定盤上の研磨布に押し当て加圧し、2種類のモノマーの共重合体及び水を含むCMP研磨剤を被研磨膜と研磨布との間に供給しながら、基板と研磨定盤とを相対的に動かして被研磨膜を研磨する基板の研磨方法。
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