JP2005142347A - 半導体レーザ装置とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 発光点間隔が10μm以下であり、かつ、比較的容易に製造でき、しかも、高出力が得られる半導体レーザ装置を提供すること。
【解決手段】 CD用チップ2を構成する層が形成されたCD用ウェハと、DVD用チップ3を構成する層が形成されたDVD用ウェハとを、Au−Sn半田材309で接合して、ウェハ接合体を形成する。CD用ウェハとDVD用ウェハは、各々に設けたアラインメントマークにより高精度に位置合わせを行う。ウェハ接合体を分離して、共振器長が互いに略同一のCD用チップ2とDVD用チップ3が接合されてなる半導体レーザ装置を得る。CD用チップ2の発光点とDVD用チップ3の発光点との間の距離を、比較的容易に10μm以下にできる。
【選択図】 図1
【解決手段】 CD用チップ2を構成する層が形成されたCD用ウェハと、DVD用チップ3を構成する層が形成されたDVD用ウェハとを、Au−Sn半田材309で接合して、ウェハ接合体を形成する。CD用ウェハとDVD用ウェハは、各々に設けたアラインメントマークにより高精度に位置合わせを行う。ウェハ接合体を分離して、共振器長が互いに略同一のCD用チップ2とDVD用チップ3が接合されてなる半導体レーザ装置を得る。CD用チップ2の発光点とDVD用チップ3の発光点との間の距離を、比較的容易に10μm以下にできる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、2種類の波長の光を発する半導体レーザ装置に関し、例えば、1台の光ディスク装置で異なる種類の光ディスクの読み出しおよび書き込みを可能にする半導体レーザ装置に関する。
従来、例えばCD(コンパクトディスク:登録商標)やDVD(デジタル多用途ディスク)等のための光ディスク装置に搭載される光ピックアップの光源として、半導体レーザ装置を用いている。ここで、情報を読み書きするための光の波長は、CDでは780nmである一方、DVDでは650nmであり、互いに異なっている。そこで、最近、1つの光ディスク装置でCDとDVDとの両方の光ディスクの再生を可能にするために、780nmおよび650nmの2つの波長の光を出射する半導体レーザ装置を内蔵した光ピックアップが商品化されている。この種の2波長型の半導体レーザ装置としては、図5に示すような2つのレーザチップを1つのサブマウントに搭載したハイブリッド型と、図6に示すような1つのレーザチップ内に2つのレーザを組み込んだモノリシック型が商品化されている。これらの半導体レーザ装置は、2つの発光点の間隔が、約100μmである。図5および図6において、51はCD用のレーザチップ、53はDVD用のレーザチップ、61は2波長を出射するモノリシックレーザチップ、52,62は波長780nmの発光点、54,63は波長650nmの発光点、55,64は半田材、56,65はヒートシンクである。
しかしながら、図5および図6のいずれの半導体レーザ装置も、製造上の理由から、発光点間隔を100μm以下にするのは困難であるという問題がある。すなわち、ハイブリッド型では、各チップの発光点を、チップの端部から50μm以内に形成しようとすると、チップ分離の際に特性や信頼性の低下が生じる虞がある。また、モノリシック型では、2種類の材料系(波長780nmのレーザはAlGaAs系、波長650nmのレーザはAlGaInP系)の結晶を同一基板上に形成する必要があるので、製造工程の複雑化を招く。
したがって、現在、2種類の光ディスクに対応する2波長用の光ピックアップでは、発光点間隔が約100μmの2波長型の半導体レーザ装置が使用されている。図7は、この光ピックアップの構成を示す模式図である。図7において、71は半導体レーザ装置、72は1/4波長板、73は2波長回折格子、74はビームスプリッタ、75はコリメートレンズ、76は立ち上げミラー、77は2焦点対物レンズ、78はセンサーレンズ、79は受光素子である。このような2波長用のピックアップでは、半導体レーザ装置71からの光軸がずれた2つの光を、1つの対物レンズでディスク上に集光するので、ディスク上の2つの集光スポットのうちの少なくとも1方は、収差の大きい品位の悪いものとなる。これは、CD−R(書き込み可能なコンパクトディスク)やDVD−R(書き込み可能な多用途ディスク)への書き込みを行うために高出力のレーザ光を集光する場合には大きな問題となる。さらに、光軸のずれによる誤差配分を考慮した光学系を組み立てる必要があり、ピックアップの複雑化とコストアップを招くという問題がある。
このような問題は、2波長型の半導体レーザ装置において、発光点間隔を10μm程度まで近づけることにより解決する事ができる。
上記発光点間隔を10μm程度に近づける半導体レーザ装置としては、図8に示すように、2つのチップを半田材で接合したものがある(例えば特開平11−112091号公報)。図8において、81はDVD用チップ、82は波長650nmの発光点、83はCD用チップ、84は波長780nmの発光点、85、86は半田材、87はヒートシンクである。上記チップ81、83は、約70μmの厚さのGaAs基板88,89上に、エピタキシャル成長により、約5μm厚のAkGaInP系の半導体層とAlGaAs系の半導体層とを夫々形成し、リッジ型導波路を形成したものである。上記チップ81,83は、光の出射端面と、この出射端面に対向する端面との間の距離である共振器長が互いに異なる。したがって、上記2つのチップ81,83は、各チップ81,83の光出射端面が同一平面上に位置するように、かつ、上記チップ81,83の発光点が基板88,89の平面において重なるように位置合わせを行って、接合する必要がある。
しかしながら、図8の半導体レーザ装置は、製造工程において、上記位置合わせをミクロンオーダーで正確かつ短時間に行うのは、困難であるという問題がある。また、上記ミクロンオーダーの位置合わせを半導体レーザ装置毎に行う必要があるので、半導体レーザ装置の製造の効率が非常に悪いという問題がある。
また、図8の半導体レーザ装置は、少なくとも1つのチップ81,83を高出力レーザとする場合、発光点で生成する熱のヒートシンクへの放熱が重要であるので、チップに分離される前のウェハの状態で、GaAs基板88,89を10μm以下に薄くする必要がある。このような薄いウェハを、例えば端面コート等のプロセス中に取り扱うことは、非現実的である。
すなわち、上記従来の2波長型の半導体レーザは、製造が非常に困難であり、高出力を得るのは現実的に不可能であるという問題がある。
特開平11−112091号公報
そこで、本発明の課題は、発光点間隔が10μm以下であり、かつ、比較的容易に製造でき、しかも、高出力が得られる2波長型の半導体レーザ装置とその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の半導体レーザ装置は、
第1の基板上に形成された複数の層を有し、第1の波長の光を出射する第1のレーザと、
第2の基板上に形成された複数の層を有し、第2の波長の光を出射する第2のレーザとを備え、
上記第1のレーザの上記第1の基板から最も離れた層と、上記第2のレーザの上記第2の基板から最も離れた層とが接合されており、
上記第1のレーザと第2のレーザは、光の出射端面と、この出射端面と向かい合う端面との間の距離が、互いに略同じに形成されており、
上記第1のレーザの光の出射位置と、上記第2レーザの光の出射位置との間の距離が、10μm以下であることを特徴としている。
第1の基板上に形成された複数の層を有し、第1の波長の光を出射する第1のレーザと、
第2の基板上に形成された複数の層を有し、第2の波長の光を出射する第2のレーザとを備え、
上記第1のレーザの上記第1の基板から最も離れた層と、上記第2のレーザの上記第2の基板から最も離れた層とが接合されており、
上記第1のレーザと第2のレーザは、光の出射端面と、この出射端面と向かい合う端面との間の距離が、互いに略同じに形成されており、
上記第1のレーザの光の出射位置と、上記第2レーザの光の出射位置との間の距離が、10μm以下であることを特徴としている。
上記構成によれば、上記第1のレーザの光の出射位置と、上記第2のレーザの光の出射位置との間の距離が、10μm以下である。したがって、上記第1のレーザの出射光と第2のレーザの出射光との間の光軸のずれが比較的小さいから、この半導体レーザ装置を用いた例えば光ピックアップは、光ディスクへの集光スポットの品位を、いずれの出射光を用いた場合も向上できる。また、上記光ピックアップは、光軸のずれによる誤差配分を考慮する必要が無いので、安価な光学系を用いて安価に形成できる。
また、上記第1のレーザと第2のレーザは、光の出射端面と、この出射端面に対向する端面との間の距離である共振器長が、互いに略同じである。したがって、この半導体レーザ装置は、上記第1のレーザを得るためのウェハと、第2のレーザを得るためのウェハとを接合した後、チップに分離して形成できる。したがって、上記第1のレーザと第2のレーザは、各々の光出射位置が、ウェハの状態で高精度に効率良く位置合わせされる。したがって、発光点間隔が10μm以下である2波長発光の半導体レーザ装置を、高歩留まりで製造できる。
一実施形態の半導体レーザ装置は、上記第1のレーザの上記第1の基板から最も離れた層と、上記第2のレーザの上記第2の基板から最も離れた層とが、導電性を有する接合部材で接合されている。
上記実施形態によれば、上記導電性を有する接合部材を介して、上記第1のレーザの上記第1の基板から最も離れた層と、上記第2のレーザの上記第2の基板から最も離れた層とが、例えば共通の電極に接続される。したがって、上記第1のレーザと第2のレーザに、他方の電極を夫々接続することにより、上記第1のレーザと第2のレーザとを少ない電極で別個に駆動することができる。
一実施形態の半導体レーザ装置は、上記第1のレーザおよび第2のレーザの光出射端面の近傍に、上記接合部材が配置されていない領域を有する。
上記実施形態によれば、上記第1のレーザおよび第2のレーザは、光出射端面の近傍に接合部材が配置されていないので、ウェハの状態で接合された後、容易にチップに分離されて、半導体レーザ装置が得られる。したがって、波長が異なると共に光軸のずれが少ない2つの光を出射可能な半導体レーザ装置を、容易に形成できる。
一実施形態の半導体レーザ装置は、上記第1のレーザの第1の基板および上記第2のレーザの第2の基板のいずれか一方は、厚みが10μm以下であると共に、上記複数の層が形成された側と反対側の面にダイボンド面が形成されている。
上記実施形態によれば、上記第1のレーザの第1の基板および上記第2のレーザの第2の基板のいずれか一方は、上記ダイボンド面によって、例えばサブマウントにダイボンドされる。上記基板は厚みが10μm以下であるので、この基板を介して、この半導体レーザ装置で生じた熱が上記サブマウントに効果的に伝達されて、この半導体レーザ装置が効果的に冷却される。したがって、上記第1のレーザおよび第2のレーザの少なくとも1つが、例えば光ディスク書き込み用の光を出射する高出力のものであっても、この半導体レーザ装置の過大な温度上昇が効果的に防止されて、安定した性能が得られる。
一実施形態の半導体レーザ装置は、上記第1のレーザおよび第2のレーザのいずれか一方は、側面に、上記基板から最も離れた層に連なると共に、上記基板の下端近傍に達する導電膜を備える。
上記実施形態によれば、この半導体レーザ装置を例えばサブマウント上に搭載するとき、上記側面に導電膜を備える第1のレーザまたは第2のレーザを上記サブマウントの表面に配置することにより、上記導電膜を上記サブマウント上の電極に容易に接続できる。
一実施形態の半導体レーザ装置は、上記基板のダイボンド面に、この基板を含む第1または第2のレーザから光が出射する位置と略同一の幅方向位置に、ストライプ状の金属電極が設けられている。
上記実施形態によれば、ダイボンド面の所定位置であって、上記第1または第2のレーザの発熱が比較的多い部分に対応する位置に、上記金属電極が設けられているので、この金属電極を介して、例えばサブマウントに熱が効果的に伝達される。したがって、この半導体レーザ装置の過大な温度上昇が効果的に防止される。
一実施形態の半導体レーザ装置は、上記第1の波長と第2の波長は、780nmおよび650nmのいずれか一方と他方である。
上記実施形態によれば、上記半導体レーザ装置を用いることにより、例えばCDとDVDのような2種類の光ディスクの読み出しまたは書き込みが可能なピックアップを形成できる。
本発明の半導体レーザ装置の製造方法は、第1の波長の光を出射するための複数の層を有する第1のウェハと、第2の波長の光を出射するための複数の層を有する第2のウェハとを、上記複数の層が夫々形成された面を互いに向かい合わせて接合して、ウェハ接合体を形成する工程と、
上記ウェハ接合体をチップ状に分離して、複数の半導体レーザ装置を形成する工程と
を備えることを特徴としている。
上記ウェハ接合体をチップ状に分離して、複数の半導体レーザ装置を形成する工程と
を備えることを特徴としている。
上記構成によれば、上記第1のウェハと第2のウェハを接合してウェハ接合体を形成した後、このウェハ接合体をチップ上記に分離して、上記半導体レーザ装置を形成するので、この半導体レーザ装置を構成する2つのレーザは、ウェハの状態で位置合わせを行うことにより、比較的少ない手間で高精度に位置合わせが行われる。したがって、光軸のずれが比較的少なくて高品位の集光スポットが得られる2波長型の半導体レーザ装置を、2つのレーザをチップの状態で位置合わせを行うよりも、少ない手間で高歩留まりに製造できる。
一実施形態の半導体レーザ装置の製造方法は、上記第1のウェハと第2のウェハとを、各々のウェハの結晶方位および光出射位置が一致するように、アライメントマークを用いて位置合わせを行って接合する。
上記実施形態によれば、上記第1のウェハと第2のウェハは、上記アライメントマークを用いることにより、比較的容易に位置合わせが行われる。また、上記第1のウェハと第2のウェハは、各々のウェハの結晶方位および光出射位置が一致するように接合されるので、発光効率が比較的高くて光軸のずれが比較的少ない2波長発光型の半導体レーザ装置を製造できる。
一実施形態の半導体レーザ装置の製造方法は、上記ウェハ接合体の第1のウェハおよび第2のウェハのいずれか一方を支持して、このウェハ接合体の他方のウェハを研磨する工程を有する。
上記実施形態によれば、上記第1のウェハおよび第2のウェハのいずれか一方を支持して、他方のウェハを研磨するので、このウェハの厚みを、例えば10μm程度にまで容易に研磨できる。
一実施形態の半導体レーザ装置の製造方法は、上記研磨を行った第1または第2のウェハの側からスクライブを行って、上記ウェハ接合体をチップ状に分離する。
上記実施形態によれば、上記研磨を行った第1または第2のウェハの側からスクライブを行って、上記ウェハ接合体をチップ状に分離するので、劈開の不良が少ない半導体レーザ装置が得られる。
一実施形態の半導体装置の製造方法は、上記他方のウェハは、上記研磨を行う側と反対側の面に、導電体からなる層が内側に形成された溝を有する。
上記実施形態によれば、上記他方のウェハが有する溝内の上記導電体が、この溝が設けられた側と反対側の面が研磨されることにより、このウェハの研磨された側の面に露出する。このウェハを含むウェハ接合体がチップに分離された場合、上記露出した導電体によって、上記他方のウェハが有する複数の層のうちのいずれかの層が、上記研磨された側の面に引き出される。この面を、例えば電極を備えるサブマウントの表面にダイボンドすることにより、電極に容易に接続可能な半導体レーザ装置が製造できる。
以上のように、本発明の半導体レーザ装置は、第1の波長の光を出射する第1のレーザと、第2の波長の光を出射する第2のレーザとが、各々が有する基板上に積層された複数の層の最上層を互いに接合すると共に、共振器長が互いに同じであり、かつ、第1および第2のレーザの光出射位置の間の距離が10μm以下であるので、光軸のずれが少なくてピックアップを安価に構成できる半導体レーザ装置を、高歩留まりで比較的容易に得ることができる。
また、本発明の半導体レーザ装置の製造方法は、第1の波長の光を出射するための複数の層を有する第1のウェハと、第2の波長の光を出射するための複数の層を有する第2のウェハとを、上記複数の層が夫々形成された面を互いに向かい合わせて接合してウェハ接合体を形成した後、このウェハ接合体をチップ状に分離して複数の半導体レーザ装置を形成するので、第1および第2のウェハの位置合わせを比較的少ない手間で高精度に行うことができ、したがって、光軸のずれが比較的少なくて高品位の集光スポットが得られる2波長型の半導体レーザ装置を、少ない手間で高歩留まりに製造できる。
以下、本発明の半導体レーザ装置を、図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態の半導体レーザ装置を示す斜視図である。この半導体レーザ装置は、2波長の光が出射可能な2波長型レーザである。図1において、1はヒートシンク、2は、第1のレーザとしてのCD用チップ、3は、第2のレーザとしてのDVD用チップ、4はDVDのN型電極取出し用の金電極、5,7は半田材、6はDVDとCDの共通P電極取出し用の金電極、8はDVDのN型電極端子、9は共通P型電極端子、10はCDのN型電極端子、309はCD用チップとDVD用チップとを接合する接合部材としてのAu−Sn半田材である。上記CD用チップ2とDVD用チップ3は、製造工程において、各チップを形成するためのウェハが接合された後、チップに分離されて形成されたものである。したがって、上記CD用チップ2とDVD用チップ3は、光出射端面とこの光出射端面に相対する端面との間の距離、すなわち、共振器長が略同一である。さらに、上記CD用チップ2とDVD用チップ3は、上記光出射端面と直交する方向の寸法が略同一である。また、上記CD用チップ2の光出射端面のレーザ光が出射する部分である発光点11と、上記DVD用チップ3の光出射端面のレーザ光が出射する部分である発光点23は、各々の中心の間の距離である発光点間隔が、10μm以下に形成されている。
以下、上記半導体レーザ装置の製造方法を説明する。図2は、CD用チップ2を形成するためのウェハ(以下、CD用ウェハという)の一部を示す断面図である。このCD用ウェハ200は、GaAs基板上に、MOCVD法によりエピタキシャル成長されたAlGaAs系の半導体層が形成されている。図2において、201はn−GaAs基板、202はn−クラッド層、203は活性層、204はp−クラッド層、205はn−コンタクト層、206はリッジ導波路、207はSiO2酸化膜、208はP型金電極である。
図3は、DVD用チップ3を形成するためのウェハ(以下、DVD用ウェハという)の一部を示す断面図である。このDVD用ウェハ300は、GaAs基板上に、MOCVD法によりエピタキシャル成長されたAlGaInP系の半導体層が形成されている。図3において、301はn−GaAs基板、302はn−クラッド層、303は活性層、304はp−クラッド層、305はn−コンタクト層、306はリッジ導波路、307はSiO2酸化膜、308はP型金電極、309はAu−Sn半田材である。上記GaAs基板301の表面に、深さ15μmのP電極取出し用の溝310を形成し、この溝310の内側に、電気的絶縁用SiO2酸化膜311と、P電極取出し用金メッキ層312とを形成している。
上記CD用ウェハ200およびDVD用ウェハ300のいずれも、活性層に3重量子井戸構造を採用し、光導波路に酸化膜リッジストライプ構造を用いた高出力型のレーザを形成するものである。上記酸化膜リッジストライプの配置間隔は、両ウェハ共に、250μmである。また、両ウェハ共に、エピタキシャル成長時の成長表面はp−GaAsである。また、両ウェハ共に、酸化膜リッジ内のみにAu−Znによるオーミック合金化層を形成した後、全表面にAu/Moを真空蒸着することにより、各P型金電極208,308を形成している。
さらに、上記DVD用ウェハ300では、上記Au/Mo層上に金メッキを行い、この金メッキ層上に、半田材であるAu−Snを真空蒸着した後、ホトエッチングによってAu−Snの部分を除去した。このAu−Snを除去した部分は、1つのDVD用チップに対応するリッジの間の部分と、後に劈開面を形成する位置の近傍の部分である。これにより、上記各ウェハ200,300を接合し、分割して半導体レーザ装置を得たときに、半導体レーザ装置の劈開面および側面近傍に、Au−Sn半田材が存在しない領域が形成されるようにしている。
図4A乃至4Fは、上記CD用ウェハ200とDVD用ウェハ300とを貼り合わせて、半導体レーザ装置を形成する工程を説明する図である。
まず、図2のCD用ウェハ200の酸化膜リッジストライプが形成された面と、図3のDVD用ウェハ300の酸化膜リッジストライプが形成された面とに、Au/Moによるアライメントマークを形成する。そして、加熱ヒーター付きの台の上に、上記DVD用ウェハ300を、リッジストライプの形成面を上に向けて配置し、約350℃まで加熱して、表面のAu−Sn309を溶融する。続いて、上記CD用ウェハ200のアライメントマークとDVD用ウェハ300のアライメントマークとを、赤外線透過像でパターン認識することにより、±1μm以下の位置精度で位置合わせを行う。この後、上記CD用ウェハ200のリッジストライプ形成面を、上記DVD用ウェハ300の溶融したAu−Sn309に接触させ、適切な荷重をCD用ウェハ200の全面に均等にかけて30秒間保持した後、冷却を行う。これにより、上記DVD用ウェハ300とCD用ウェハ200は、Au−Sn309で接着されて、図4Aに示すようなウェハ接合体が得られる。
次に、図4Bに示すように、上記DVD用ウェハのGaAs基板301の裏面を、バックグラインダーによって研磨して、上記基板301の厚みを20μmにした後、この基板301の裏面の部分とSiO2酸化膜311の部分とをエッチングにより除去して、上記GaAs基板の溝310の内側の金メッキ層312を裏面に露出させる。
そして、図4Cに示すように、上記基板301の裏面の他の部分にDVD側N電極313を形成すると共に、上記溝310の内側の金メッキ層312に接続する共通P型電極314を形成する。
引き続いて、図4Dに示すように、CD用ウェハのGaAs基板201の裏面を研削して、この基板201の厚みを約60μmにする。このとき、上記DVD用ウェハの基板301を支持するので、CD用ウェハの基板201の研削を容易に行うことができる。この後、上記基板201の研削面に、CD側N電極401を形成する。
この後、図4Eに示すように、上記CD用ウェハ200とDVD用ウェハ300の端部に同時にスクライブライン404を形成し、上記CD用ウェハ200側から劈開を行ってウェハ接合体を分離する。このとき、上記劈開により形成される劈開面の近傍部分は、Au−Sn半田材が除去されているので、劈開が容易に行われる。これにより、図4Fに示すように、CD用ウェハの部分とDVD用ウェハの部分とが接合されたレーザーバー406が得られる。この後、上記レーザーバーの相対する劈開面に、端面コートを行う。
続いて、上記レーザーバー406を、図4Fの破線Lで示す位置でチップ分離を行うことにより、CD用チップ2とDVD用チップ3とが一体化された2波長型の半導体レーザ装置が完成した。この半導体レーザ装置は、CD用ウェハとDVD用ウェハとが予め接合された後、分離されて形成されるので、CD用チップ2とDVD用チップ3は、光の出射方向と、この光の出射方向の直角方向とのいずれにおいても、略同じ寸法を有する。つまり、CD用チップ2とDVD用チップ3は、共振器長と、この共振器長と直交する幅とが、略同一である。上記DVD用チップの発光点12と、CD用チップの発光点11との間隔を測定したところ、約5μmであった。
以上のようにして製造した半導体レーザ装置を、図1に示すように、サブマウントを兼ねるSiCヒートシンク上に、DVD用チップを下側に配置してダイボンドする。このとき、DVD側N電極314を、Au−Sn半田材5を介して金電極5に接続すると共に、共通P型電極315を、Au−Sn半田材7を介して金電極6に接続する。
最後に、上記半導体レーザ装置がダイボンドされたSiCヒートシンクを、図示しない3端子パッケージにマウントし、この3端子パッケージの各端子と、上記CD用N電極1、DVD用N電極4および共通P電極6とを、ワイヤ8,9,10によってワイヤボンドした。
以上のような工程を経て完成した2波長型半導体レーザ装置のパッケージを、75℃に加熱した状態で、端子9,10間に駆動電圧を印可することによりCD用チップ2を駆動させ、784nmの波長で240mWの光出力を取出すことができた。また、同じく75℃に加熱した状態で、端子8,9間に駆動電圧を印可することによりDVD用チップ3を駆動させ、656nmの波長で100mWの光出力を取出すことができた。このように、本実施形態の2波長型の半導体レーザ装置は、DVD用チップ3のGaAs基板301の厚みを研磨で薄くすると共にSicヒートシンクに接触しているので、良好な放熱性能を有し、高温、高出力動作が可能となった。
本実施形態の2波長型半導体レーザ装置を、通常の1波長出射型の半導体レーザ装置用の光学系を備えるピックアップに搭載して、CD−RおよびDVD−Rの書き込み試験を行ったところ、問題無く書き込みを行うことができた。このように、CD−R用の光路とDVD−R用の光路とを同一の光学系で得ることができるので、従来におけるような光軸のずれに対する光学系の調節や、光軸のずれに応じた部品を削除できるので、ピックアップの製造の手間を省くと共に、小型化および軽量化を図ることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、多様な改変が可能である。例えば、上記実施形態においては、MOCVD法で積層した半導体層により、発振波長が780nmから650nmの酸化膜リッジストライプ型レーザ素子を構成したが、半導体層の積層方法、レーザの発振波長および構造等は、他の各種のものを用いることができる。また、半導体材料、電極材料および半田材等についても、他の材料を用いることができる。
本発明の2波長型の半導体レーザ装置は、CD,CD−ROM(コンパクトディスクによる情報記憶媒体),CD−R/RW(コンパクトディスクによる書き込みおよび書き換え可能な情報記憶媒体),DVD,DVD−R/RW(デジタル多用途ディスクによる書き込みおよび書き換え可能な情報記憶媒体)等に対して情報の読み出しおよび書き込みを行うピックアップに好適であるが、波長が異なる複数のレーザ光を用いるピックアップであれば、他の光ディスクの読み出しおよび書き込みを行うものにも適用可能である。また、本発明の2波長型の半導体レーザ装置は、読み出しのみを行うピックアップにも適用可能である。
1 ヒートシンク
2 CD用チップ
3 DVD用チップ
4 DVDのN型電極取出し用の金電極
5,7 半田材
6 共通P電極取出し用の金電極
8 DVDのN型電極端子
9 共通P型電極端子
10 CDのN型電極端子
11 CDの発光点
12 DVDの発光点
309 Au−Sn半田材
2 CD用チップ
3 DVD用チップ
4 DVDのN型電極取出し用の金電極
5,7 半田材
6 共通P電極取出し用の金電極
8 DVDのN型電極端子
9 共通P型電極端子
10 CDのN型電極端子
11 CDの発光点
12 DVDの発光点
309 Au−Sn半田材
Claims (12)
- 第1の基板上に形成された複数の層を有し、第1の波長の光を出射する第1のレーザと、
第2の基板上に形成された複数の層を有し、第2の波長の光を出射する第2のレーザとを備え、
上記第1のレーザの上記第1の基板から最も離れた層と、上記第2のレーザの上記第2の基板から最も離れた層とが接合されており、
上記第1のレーザと第2のレーザは、光の出射端面と、この出射端面と向かい合う端面との間の距離が、互いに略同じに形成されており、
上記第1のレーザの光の出射位置と、上記第2レーザの光の出射位置との間の距離が、10μm以下であることを特徴とする半導体レーザ装置。 - 請求項1に記載の半導体レーザ装置において、
上記第1のレーザの上記第1の基板から最も離れた層と、上記第2のレーザの上記第2の基板から最も離れた層とが、導電性を有する接合部材で接合されていることを特徴とする半導体レーザ装置。 - 請求項1に記載の半導体レーザ装置において、
上記第1のレーザおよび第2のレーザの光出射端面の近傍に、上記接合部材が配置されていない領域を有することを特徴とする半導体レーザ装置。 - 請求項1に記載の半導体レーザ装置において、
上記第1のレーザの第1の基板および上記第2のレーザの第2の基板のいずれか一方は、厚みが10μm以下であると共に、上記複数の層が形成された側と反対側の面にダイボンド面が形成されていることを特徴とする半導体レーザ装置。 - 請求項1に記載の半導体レーザ装置において、
上記第1のレーザおよび第2のレーザのいずれか一方は、側面に、上記基板から最も離れた層に連なると共に、上記基板の下端近傍に達する導電膜を備えることを特徴とする半導体レーザ装置。 - 請求項4に記載の半導体レーザ装置において、
上記基板のダイボンド面に、この基板を含む第1または第2のレーザから光が出射する位置と略同一の幅方向位置に、ストライプ状の金属電極が設けられていることを特徴とする半導体レーザ装置。 - 請求項1に記載の半導体レーザ装置において、
上記第1の波長と第2の波長は、780nmおよび650nmのいずれか一方と他方であることを特徴とする半導体レーザ装置。 - 第1の波長の光を出射するための複数の層を有する第1のウェハと、第2の波長の光を出射するための複数の層を有する第2のウェハとを、上記複数の層が夫々形成された面を互いに向かい合わせて接合して、ウェハ接合体を形成する工程と、
上記ウェハ接合体をチップ状に分離して、複数の半導体レーザ装置を形成する工程と
を備えることを特徴とする半導体レーザ装置の製造方法。 - 請求項8に記載の半導体レーザ装置の製造方法において、
上記第1のウェハと第2のウェハとを、各々のウェハの結晶方位および光出射位置が一致するように、アライメントマークを用いて位置合わせを行って接合することを特徴とする半導体レーザ装置の製造方法。 - 請求項8に記載の半導体レーザ装置の製造方法において、
上記ウェハ接合体の第1のウェハおよび第2のウェハのいずれか一方を支持して、このウェハ接合体の他方のウェハを研磨する工程を有することを特徴とする半導体レーザ装置の製造方法。 - 請求項10に記載の半導体レーザ装置の製造方法において、
上記研磨を行った第1または第2のウェハの側からスクライブを行って、上記ウェハ接合体をチップ状に分離することを特徴とする半導体レーザ装置の製造方法。 - 請求項10に記載の半導体レーザ装置の製造方法において、
上記他方のウェハは、上記研磨を行う側と反対側の面に、導電体からなる層が内側に形成された溝を有することを特徴とする半導体レーザ装置の製造方法。
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