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JP2005036034A - 硬化性組成物及びシーリング材組成物 - Google Patents

硬化性組成物及びシーリング材組成物 Download PDF

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JP2005036034A JP2003197546A JP2003197546A JP2005036034A JP 2005036034 A JP2005036034 A JP 2005036034A JP 2003197546 A JP2003197546 A JP 2003197546A JP 2003197546 A JP2003197546 A JP 2003197546A JP 2005036034 A JP2005036034 A JP 2005036034A
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Abstract

【課題】大気中などの水分などにより硬化して、物性に優れたゴム状弾性体となり、かつ硬化物の表面或いは硬化物に上塗りした塗料の表面汚染を防止した、シーリング材、接着剤、塗料など応用範囲の広い作業性に優れた硬化性組成物を提供する。
【解決手段】ポリオキシアルキレン系アルコールと有機イソシアネートとを反応させて得られる、実質的にイソシアネート基又は水酸基を含有しない分子量分布(Mw/Mn)が1.6以下の液状ウレタン樹脂(A)と、硬化性樹脂(B)とを含有する硬化性組成物、及びシーリング材組成物である。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、大気中などの水分により硬化して作業性や耐汚染性に優れたゴム状弾性体硬化物になる、シーリング材などの応用範囲の広い硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
架橋性シリル基含有樹脂やイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーなどの硬化性樹脂はゴム弾性などが良好であるため、建築用、土木用、自動車用などのシーリング材、接着剤、塗料など多方面に使用されている。シーリング材や塗料などに使用する場合は、作業効率と美感上の点から、低い粘度と、塵埃付着による表面汚染がないことが特に要求される。
このような用途に使用する場合、粘度や物性を調整するために、例えばジオクチルフタレートなどの低分子量の可塑剤を添加することが一般的に行われているが、一方では耐候性が低下してしまうという欠点がある。さらに、この可塑剤には、硬化物の表面に移行(ブリード)したり、或いは硬化物表面に塗料をさらに上塗りした場合は塗料の表面に可塑剤が移行するため、表面が粘着性となり、塵埃が付着して汚染が発生するという欠点がある。
【0003】
これらの欠点を改良するために、種々の技術が提案されている。
例えば、ウレタンプレポリマーに、ポリアルキレンエーテルモノオールと有機イソシアネートとの反応物を配合して、乾燥性、耐ブリード性、接着性に優れたシーリング材及び接着剤が提案されている(特許文献1参照。)。分子量200〜10,000のモノオールと有機イソシアネートとを反応させて得られるウレタン化合物からなる可塑化効果、物性改質効果、耐ブリード性に優れたウレタン系改質剤も提案されている(特許文献2参照。)。特定水酸基価、特定総不飽和度のモノオール或いはジオール及びその誘導体から選ばれる希釈剤とイソシアネート基末端ポリウレタンプレポリマーを含有する耐移行性に優れたポリウレタン系硬化性組成物も提案されている(特許文献3参照。)。ポリエーテルモノオールと脂肪族イソシアネートとの反応物からなる粘度が低い可塑剤も提案されている(特許文献4参照。)。特定の変性ポリイソシアネートとモノオールとの反応物をベース樹脂に可塑剤として配合して長期に渡ってブリード性を改善する技術も提案されている(特許文献5参照。)。
しかし、これらの技術はいずれも、粘度を低下させるために希釈剤等の分子量を低めにすると、高温においてベース樹脂からブリードし汚染性を低下させ、ブリード防止を目的として分子量を高めにすると、ベース樹脂の粘度低下効果を発揮できなくなり、粘度低下とブリード防止とを両立させることは非常に困難である。
【0004】
【特許文献1】
特開昭63−251459号公報
【特許文献2】
特開昭63−251472号公報
【特許文献3】
特開平05−295073号公報
【特許文献4】
特開2000−119390号公報
【特許文献5】
特開2000−234014号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来公知技術の問題点を解決して、大気中などの水分などにより硬化して、物性に優れたゴム状弾性体となり、かつ硬化物の表面或いは硬化物に上塗りした塗料の表面汚染を防止した、シーリング材、接着剤、塗料など応用範囲の広い作業性に優れた硬化性組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、鋭意検討を重ねた結果、ポリオキシアルキレン系アルコールと有機イソシアネートとを反応させて得られる、実質的にイソシアネート基又は水酸基を含有しない分子量分布の狭い常温で液状のウレタン樹脂を硬化性樹脂に配合することにより、粘度が低く作業性に優れた性質と、硬化後、特に夏場のような高温時期においても液状ウレタン樹脂が硬化物の表面にブリードしない耐汚染性に優れた性質を両立した硬化性組成物及びシーリング材組成物が得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、以下の(1)〜(12)に示されるものである。
【0007】
(1) ポリオキシアルキレン系アルコールと有機イソシアネートとを反応させて得られる、実質的にイソシアネート基又は水酸基を含有しない分子量分布(Mw/Mn)が1.6以下の液状ウレタン樹脂(A)と、硬化性樹脂(B)とを含有すること、を特徴とする硬化性組成物。
【0008】
(2) 前記液状ウレタン樹脂(A)が、ポリオキシアルキレン系モノオールと有機イソシアネートとの反応生成物である、前記(1)の硬化性組成物。
【0009】
(3) 前記液状ウレタン樹脂(A)が、ポリオキシアルキレン系ポリオールと有機モノイソシアネートとの反応生成物である、前記(1)の硬化性組成物。
【0010】
(4) 前記ポリオキシアルキレン系モノオールの分子量分布(Mw/Mn)が1.6以下である、前記(2)の硬化性組成物。
【0011】
(5) 前記ポリオキシアルキレン系ポリオールの分子量分布(Mw/Mn)が1.6以下である、前記(3)の硬化性組成物。
【0012】
(6) 前記硬化性樹脂(B)が、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーである、前記(1)の硬化性組成物。
【0013】
(7) 前記硬化性樹脂(B)が、架橋性シリル基含有樹脂である、前記(1)の硬化性組成物。
【0014】
(8) 前記イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーが、ポリオキシアルキレン系ポリオールと有機イソシアネートとを水酸基に対してイソシアネート基過剰の条件で反応させて得られるイソシアネート基含有ポリオキシアルキレン系ウレタンプレポリマーである、前記(6)の硬化性組成物。
【0015】
(9) 前記イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーが、ポリオキシアルキレン系ポリオールと有機ポリイソシアネートと有機モノイソシアネートとを水酸基に対してイソシアネート基過剰の条件で反応させて得られるイソシアネート基含有ポリオキシアルキレン系ウレタンプレポリマーである、前記(6)の硬化性組成物。
【0016】
(10) 前記架橋性シリル基含有樹脂が、ポリオキシアルキレン系ポリオールと架橋性シリル基含有イソシアネート化合物とを反応させて得られる架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン系ウレタン樹脂(a)及び/又はこれ以外の架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン系樹脂(b)である、前記(7)の硬化性組成物。
【0017】
(11) 更に添加剤を含有する、前記(1)〜(10)のいずれかの硬化性組成物。
【0018】
(12) ポリオキシアルキレン系アルコールと有機イソシアネートとを反応させて得られる、実質的にイソシアネート基又は水酸基を含有しない分子量分布(Mw/Mn)が1.6以下の液状ウレタン樹脂(A)と、硬化性樹脂(B)とを含有すること、を特徴とするシーリング材組成物。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明における実質的にイソシアネート基又は水酸基を含有しない分子量分布(Mw/Mn)が1.6以下の液状ウレタン樹脂(A)(以下、液状ウレタン樹脂(A)という。)は、ポリオキシアルキレン系アルコールと有機イソシアネートとを反応させて得られる、実質的にイソシアネート基又は水酸基を含有していない高分子量の樹脂である。従来のウレタン系の可塑剤や希釈剤は分子量分布が広いため、低分子量域の部分はブリードし易いため汚染防止性に乏しく、高分子量域の部分はブリードし難いが、高粘度になり作業性が悪くなるという欠点を有し、汚染防止性能と作業性を両立させることは困難であったが、本発明において、液状ウレタン樹脂(A)の分子量分布(Mw/Mm)を1.6以下、特に好ましくは1.0〜1.3と狭いものにすることにより、液状ウレタン樹脂(A)が高分子量であっても粘度を低く抑えることに成功し、これを使用することにより硬化性組成物及びシーリング材組成物において、本発明の目的である作業性に優れた性質と硬化後の耐ブリード汚染防止性能、特に夏場の高温時期における優れた汚染防止性能とを両立させることができたものである。
具体的には、ポリオキシアルキレン系アルコールと有機イソシアネート(好ましくは、ポリオキシアルキレン系モノオールと有機イソシアネート、又は、ポリオキシアルキレン系ポリオールと有機モノイソシアネート)を、イソシアネート基/水酸基の当量比が0.9〜1.1/1.0となる範囲で、最も好ましくは1/1で反応させて好適に製造することができる。当量比が0.9/1.0を下回ると水酸基の含有量が多くなるため、得られる硬化性組成物及びシーリング材組成物の耐水性や耐汚染性が悪化し、また1.1/1.0を上回るとイソシアネート基の含有量が多くなり硬化物のゴム弾性物性に対する影響が無視できなくなる点で好ましくない。
液状ウレタン樹脂(A)の分子量は1,000〜200,000、更に2,000〜60,000、特に2,000〜20,000が好ましく、2,000〜10,000が最も好ましい。
なお、本発明において、実質的にイソシアネート基又は水酸基を含有しないとは、反応の際、イソシアネート基/水酸基の当量比が前記の範囲内で1/1以外のとき液状ウレタン樹脂(A)に極めて少量のイソシアネート基或いは水酸基が含有される場合があるが、本発明の目的を達成する上で、イソシアネート基又は水酸基を含有しないとみなしても不都合を生じないことを意味する。
【0020】
前記ポリオキシアルキレン系アルコールとしては、具体的には、ポリオキシアルキレン系モノオール、ポリオキシアルキレン系ポリオール、これらの混合物が挙げられるが、本発明において得られる液状ウレタン樹脂(A)がブリードしない点と粘度の低い点の両立性が優れていることにより、ポリオキシアルキレン系モノオールが好ましい。
【0021】
ポリオキシアルキレン系モノオールとしては、活性水素を1個含有するアルキル化合物などの開始剤にアルキレンオキシドを開環付加重合させたものなどである。ポリオキシアルキレン系モノオールの数平均分子量は500〜100,000、更には1,000〜30,000、特に1,000〜10,000であることが好ましい。数平均分子量が500未満では得られる液状ウレタン樹脂(A)がブリードし易くなり、100,000を超えると液状ウレタン樹脂(A)の粘度が高くなり、硬化性組成物及びシーリング材組成物の作業性が悪くなる。これらのうちポリオキシプロピレンモノオールが好ましい。
この開始剤としては、具体的に例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、tert−ブタノール、シクロヘキサノール、フェノール、これらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのうちでは、メタノール、エタノール等の、炭素数5以下の化合物が好ましい。
アルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン、これらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのうちでは、プロピレンオキシドが好ましい。
更に、ポリオキシアルキレン系モノオールは、その製造時に使用する触媒として、セシウム系化合物(水素化セシウム、セシウムメトキシド、セシウムエトキシド等のセシウムアルコキシド、水酸化セシウムなど)、ジエチル亜鉛、塩化鉄、金属ポルフィリン、ホスファゼニウム化合物、複合金属シアン化錯体など、なかでも亜鉛ヘキサシアノコバルテートのグライム錯体やジグライム錯体等の複合金属シアン化錯体を使用して得られる、総不飽和度が0.1meq/g以下、更に0.07meq/g以下、特に0.04meq/g以下のものが好ましく、分子量分布〔ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比=Mw/Mn〕が1.6以下、特に1.0〜1.3の狭いものが好ましい。特に低粘度の液状ウレタン樹脂(A)を得るには、分子量分布の狭いポリオキシアルキレン系モノオールを使用することが好ましい。
なお、本発明において、ポリオキシアルキレン系モノオールとは、分子1モルの水酸基を除いた部分の50質量%以上、更に80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上がポリオキシアルキレンで構成されていれば、残りの部分がエーテル、ウレタン、エステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリオレフィンなどで変性されていてもよいことを意味するが、本発明においては、水酸基を除いた分子の95質量%以上がポリオキシアルキレンから成るモノオールが最も好ましい。
【0022】
ポリオキシアルキレン系ポリオールは、アルキレンオキシドを開環付加重合させたものや、活性水素を2個以上含有する有機化合物などの開始剤にアルキレンオキシドを開環付加重合させたものなどである。
開始剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン等の低分子多価アルコール類、ソルビトール、シュークロース、グルコース、ラクトース、ソルビタン等の糖類系低分子多価アルコール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF等の低分子多価フェノール類、エチレンジアミン、ブチレンジアミン等の低分子ポリアミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等の低分子アミノアルコール類、アジピン酸、テレフタル酸等の低分子ポリカルボン酸類、これらの少なくとも1種にアルキレンオキシドを反応させて得られる前記ポリオキシアルキレン系ポリオールよりも低分子量のポリオキシアルキレンポリオール、これらの2種以上の混合物が挙げられる。
アルキレンオキシドとしては、ポリオキシアルキレン系モノオールの製造におけるものが挙げられる。
すなわち、ポリオキシアルキレン系ポリオールは、具体的には、ポリオキシエチレン系ポリオール、ポリオキシプロピレン系ポリオール、ポリテトラメチレンエーテル系ポリオール、ポリ(オキシエチレン)−ポリ(オキシプロピレン)−共重合系ポリオール、ポリ(オキシプロピレン)−ポリ(オキシブチレン)−共重合系ポリオールなどを挙げることができ、また、これらの各種ポリオールとトルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの有機ポリイソシアネートとを、イソシアネート基に対し水酸基過剰で反応させて、分子末端を水酸基としたものも挙げられる。
これらは単独で或いは2種以上を組み合わせて使用できるが、これらのうち得られる液状ウレタン樹脂(A)の粘度が低く、かつブリードしないため、硬化性組成物及びシーリング材組成物の作業性と耐汚染性が良好な点で、ポリオキシプロピレンポリオールが好ましい。
ポリオキシアルキレン系ポリオールは、良好な作業性や耐汚染性などの理由で、数平均分子量が500〜100,000、更に1,000〜30,000、特に1,000〜10,000のものが好ましく、また、1分子当たり平均のアルコール性水酸基の個数は2個以上、更に2〜4個が好ましく、2個が最も好ましい。
更に、ポリオキシアルキレン系ポリオールは、その製造時に使用する触媒として、ポリオキシアルキレン系モノオールの製造におけるのと同様の複合金属シアン化錯体などを使用して得られる、総不飽和度が0.1meq/g以下、更に0.07meq/g以下、特に0.04meq/g以下のものが好ましく、分子量分布〔ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比=Mw/Mn〕が1.6以下、特に1.0〜1.3の狭いものが好ましい。特に低粘度の液状ウレタン樹脂(A)を得るには、分子量分布の狭いポリオキシアルキレン系ポリオールを使用するのが好ましい。
なお、本発明において、ポリオキシアルキレン系ポリオールとは、分子1モルの水酸基を除いた部分の50質量%以上、更に80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上がポリオキシアルキレンで構成されていれば、残りの部分がエーテル、ウレタン、エステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリオレフィンなどで変性されていてもよいことを意味するが、本発明においては、水酸基を除いた分子の95質量%以上がポリオキシアルキレンから成るポリオールが最も好ましい。
【0023】
前記有機イソシアネートとしては、具体的には、有機モノイソシアネート、有機ポリイソシアネート、これらの混合物が挙げられる。
【0024】
有機モノイソシアネートは、分子内にイソシアネート基を1個含有すればよいが、架橋性シリル基は含有していない。有機モノイソシアネートのイソシアネート基以外の有機基としては、湿気などの水分硬化性の官能基を含有していない疎水性の有機基が好ましい。具体的には、n−ブチルモノイソシアネート、n−ヘキシルモノイソシアネート、n−テトラデシルモノイソシアネート、n−ヘキサデシルモノイソシアネート、オクタデシルモノイソシアネート、n−クロロエチルモノイソシアネートなどの脂肪族モノイソシアネート、クロロフェニルモノイソシアネート、3,5−ジクロロフェニルモノイソシアネート、p−フルオロフェニルモノイソシアネート、2,4−ジフルオロフェニルモノイソシアネート、o−トリフルオロメチルフェニルモノイソシアネート、p−ニトロフェニルモノイソシアネート、p−イソプロピルフェニルモノイソシアネート、2,6−ジイソプロピルモノイソシアネート、p−トルエンスルホニルモノイソシアネート、p−ベンジルオキシフェニルモノイソシアネートなどの芳香族モノイソシアネート、その他に2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどが挙げられる。これらは単独で或いは2種以上を混合して使用できる。
このうち、脂肪族モノイソシアネートが好ましく、特にオクタデシルモノイソシアネートが好ましい。
【0025】
有機ポリイソシアネートは、分子内にイソシアネート基を2個以上含有すればよいが、架橋性シリル基は含有していない。具体的には例えば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート等のジフェニルメタンジイソシアネート類、1,2−フェニレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、クロロフェニレン−2,4−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート、o−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート等のキシリレンジイソシアネート類などの芳香脂肪族ポリイソシアネート、1,4−シクロヘキシルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トルエンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネートなどの脂環式ポリジイソシアネートが挙げられる。更に、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート、クルードトルエンジイソシアネートなどの有機ポリイソシアネートも使用できる。
また、これらの有機イソシアネートを変性して得られる、ウレトジオン結合、イソシアヌレート結合、アロファネート結合、ビュレット結合、ウレトンイミン結合、カルボジイミド結合、ウレタン結合、ウレア結合などを1以上含有する変性イソシアネートも使用できる。
これらは単独で或いは2種以上を混合して使用できる。
これらのうち、得られる液状ウレタン樹脂(A)の粘度が低い点で、脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネートが好ましく、更に芳香脂肪族ポリイソシアネートが好ましく、更にキシリレンジイソシアネート類が好ましく、m−キシリレンジイソシアネートが最も好ましい。
【0026】
液状ウレタン樹脂(A)の合成には、オクチル酸錫、オクチル酸ジルコニウムなどの、亜鉛、錫、鉛、ジルコニウム、ビスマス、コバルト、マンガン、鉄等の金属とオクチル酸、ナフテン酸等の有機酸との塩、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、チタンテトラアセチルアセトナート、EXCESTAR C−501(旭硝子社製)等の有機金属キレート化合物、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート等の有機金属と有機酸との塩などの有機金属化合物、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン等の有機アミンやその塩等の公知のウレタン化触媒を用いることができる。これらのうち有機金属化合物が好ましく、更にジブチル錫ジラウレートが好ましい。
また、更に公知の有機溶媒を用いることもできる。
【0027】
本発明における硬化性樹脂(B)としては、室温硬化性樹脂、溶剤揮散型樹脂などが挙げられ、これらのうち多様な用途に対して適用できることから、室温硬化性樹脂が好ましい。室温硬化性樹脂は、室温において、空気中の水分との反応により、ラジカル発生剤などの混合によるラジカル重合や酸化重合により、或いは主剤と硬化剤との架橋反応などにより、架橋・高分子化して硬化するものである。溶剤揮散型樹脂は、樹脂を有機溶剤に溶解して使用し、揮散させるものである。
これらはいずれも単独で或いは2種以上を混合して使用することができる。
【0028】
前記室温硬化性樹脂としては、具体的には、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー、架橋性シリル基含有樹脂、ポリサルファイド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂などと場合により更に触媒とからなる一液型、又はこれらや、エポキシ樹脂、活性水素含有ウレタン系樹脂、活性水素含有フッ素樹脂などと硬化剤や触媒などとからなる二液型を例示することができる。これらのうち、作業性が優れていることにより一液湿気硬化型の(場合により触媒を含む)イソシアネート基含有ウレタン系プレポリマーと架橋性シリル基含有樹脂が好ましい。
【0029】
前記イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーは、イソシアネート基が湿気(水分)と反応し、尿素結合を形成して架橋、硬化するものであり、活性水素化合物と、前記有機イソシアネート(有機モノイソシアネートや有機ポリイソシアネート)とを、合計で活性水素(基)に対してイソシアネート基過剰の条件で、逐次或いは同時に反応させて得られるものである。
具体的には、活性水素化合物と有機イソシアネートとを、或いは活性水素化合物と有機モノイソシアネートと有機ポリイソシアネートとを、原料合計のイソシアネート基/活性水素(基)の当量比が1.3〜5/1.0、更には1.5〜2.5/1.0となる範囲で同時或いは逐次に反応させて、好適に製造することができる。当量比が1.3/1.0を下回ると、得られるウレタンプレポリマーの架橋点が少なくなりすぎ、硬化性組成物及びシーリング材組成物の硬化後の伸びや引張強度などが低下し、ゴム弾性物性や接着性が乏しいものとなり、当量比が5/1.0を超えると、湿気と反応したとき炭酸ガスの発生量が多くなり発泡の原因となるため好ましくない。
また、活性水素化合物と有機モノイソシアネートと有機ポリイソシアネートとの反応において、逐次に反応させる場合は、まず活性水素化合物と有機モノイソシアネートとを、好ましくは反応前の活性水素(基)の数の1〜99%と、更には10〜90%と、特に好ましくは10〜50%と反応させて、分子中に活性水素(基)を残存させたモノイソシアネート変性活性水素化合物を合成する。有機モノイソシアネートと反応させる活性水素(基)の数が1%を下回ると、得られるウレタンプレポリマーの粘度低下の効果がなくなるとともに、イソシアネート基濃度が高まって発泡の原因となり、99%を超えると、硬化性組成物及びシーリング材組成物の硬化後の伸びや引張強度等のゴム弾性物性や接着性が低いものとなる。次いで、このモノイソシアネート変性活性水素化合物と前記有機ポリイソシアネートとを、原料合計のイソシアネート基/活性水素(基)の当量比が1.3〜5/1.0、更には1.5〜2.5/1.0となる範囲で反応させて、好適に製造することができる。
本発明においては、得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの物性調節のし易さと粘度の低い点で、活性水素化合物と有機モノイソシアネートと有機ポリイソシアネートとを反応させたものが好ましい。
【0030】
前記活性水素化合物としては、ポリオール、アミノアルコール、ポリアミンなどが挙げられる。これらのうち、高分子のポリオールが好適である。
高分子のポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエステルアミドポリオール、前記ポリオキシアルキレン系ポリオール、ポリエーテル・エステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリ(メタ)アクリルポリオール、炭化水素系ポリオール等が挙げられ、数平均分子量500以上のものである。
ポリエステルポリオール、ポリエステルアミドポリオールとしては、例えば、公知のコハク酸、アジピン酸、テレフタル酸等のジカルボン酸、それらの酸エステル、酸無水物等と、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、クオドロール或いはビスフェノールAのエチレンオキサイド或いはプロピレンオキサイド付加物等の低分子ポリオール、又はエチレンジアミン、ジエチレントリアミン等の低分子ポリアミン、モノエタノールアミン等のアミノアルコール等の単独、又はこれらの混合物との脱水縮合反応で得られる化合物が挙げられる。さらに、ε−カプロラクトン等の環状エステル(すなわちラクトン)モノマーの開裂重合により得られるラクトン系ポリエステルポリオール等が挙げられる。また、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの変性用として、ポリオキシアルキレンモノアルコール、ブチルアルコール、オクタデシルモノアルコール等の高分子のモノアルコールや低分子のモノアルコールなども使用できる。
前記ポリオキシアルキレン系ポリオールとは、前記液状ウレタン樹脂(A)の製造におけるものと同様のものが挙げられ、得られる硬化性組成物及びシーリング材組成物の粘度が低く作業性が良好な点と、硬化後のゴム弾性物性や接着性が高い点で、数平均分子量は500〜100,000、更には1,000〜50,000、特に1,000〜30,000が好ましく、また、1分子当たり平均のアルコール性水酸基の個数は2個以上、更に2〜10個、特に2〜4個が好ましく、更にまた前記と同様の分子量分布(Mw/Mn)の狭いものが好ましい。
ポリエーテル・エステルポリオールとしては、例えば、前記ポリオキシアルキレン系ポリオールと前記のジカルボン酸、酸無水物等とから製造される化合物が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、前記のポリエステルポリオールの製造に用いる低分子ポリオールとジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等との反応から得られる化合物が挙げられる。
ポリ(メタ)アクリルポリオールとしては、水酸基を含有したヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどを他の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体と共重合したものなどが挙げられる。
炭化水素系ポリオールとしては、ポリブタジエンポリオールや水素添加ポリブタジエンポリオールなどが挙げられる。
ポリオールとしては更に、前記ポリエステルポリオールの製造原料として挙げた数平均分子量500未満の低分子ポリオールが挙げられる。
ポリアミンとしては、ポリプロピレングリコールの末端ジアミノ化物などの、数平均分子量500以上でポリエーテルポリオールの末端がアミノ基となったポリエーテルポリアミン等の高分子ポリアミンが挙げられる。
ポリアミンとしては更に、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン等の数平均分子量500未満の低分子ポリアミンが挙げられる。
アミノアルコールとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−メチルジプロパノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン等が挙げられる。
また、一般にポリウレタン工業において公知の活性水素基を含有する、数平均分子量500以上の、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等も挙げられる。
これらは単独で或いは2種以上を組み合わせて使用できるが、これらのうち得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの粘度が低く、硬化後の物性が良好なため、これから得られる硬化性組成物及びシーリング材組成物の粘度が低く作業性が良好な点と、硬化後のゴム弾性物性や接着性が高い点で、ポリオキシアルキレン系ポリオール、更にポリオキシプロピレン系ポリオールが好ましい。
【0031】
前記有機イソシアネート(有機モノイソシアネートや有機ポリイソシアネート)としては、液状ウレタン樹脂(A)の製造におけるものと同様のものが挙げられる。
すなわち、有機モノイソシアネートは、物性調節のためイソシアネート基の官能基数を調節する目的と得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの粘度を低下させる目的で使用するものであり、得られるプレポリマーの粘度が低い点で脂肪族モノイソシアネートが好ましく、特にn−オクタデシルモノイソシアネートが好ましい。
有機ポリイソシアネートとしては、得られる硬化性組成物及びシーリング材組成物の伸び等のゴム弾性物性が良好な点で、芳香族ポリイソシアネートや芳香脂肪族ポリイソシアネートが好ましく、更にはキシリレンジイソシアネート類や、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート等のジフェニルメタンジイソシアネート類が好ましい。
【0032】
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの合成の際にも、金属と有機酸との塩、有機金属キレート化合物、有機金属と有機酸との塩などの有機金属化合物、有機アミンやその塩等の公知の前記ウレタン化触媒を用いることができる。これらのうち有機金属化合物が好ましい。
また、更に公知の有機溶媒を用いることもできる。
【0033】
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーのイソシアネート基含有量は0.3〜15.0質量%が好ましく、特に0.5〜5.0質量%が好ましく、最も好ましくは0.5〜2.5質量%である。イソシアネート基含有量が0.3質量%未満の場合は、プレポリマー中の架橋点が少ないため、十分な接着性が得られない。イソシアネート基含有量が15.0質量%を超える場合は、プレポリマー中の架橋点が多くなりゴム弾性が悪化する点と、湿気との反応による炭酸ガスの発生量が多くなり硬化物が発泡する点で好ましくない。
【0034】
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーは、大気中の水分(湿気)と室温で反応硬化することにより一液硬化型として使用できるし、また、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを主剤とし、ポリアミンやポリオールなどの活性水素化合物を硬化剤とした二液硬化型としても使用できる。
【0035】
前記架橋性シリル基含有樹脂としては、一般にシリコーン樹脂と変成シリコーン樹脂と呼ばれているものを好適に挙げることができ、湿気(水)と反応してシロキサン結合を形成することにより架橋してゴム状硬化物を形成する、分子内に架橋性シリル基を含有する樹脂である。本発明においては、変成シリコーン樹脂が好ましい。
【0036】
シリコーン樹脂は主鎖がオルガノポリシロキサンであり、分子内に架橋性シリル基を含有する樹脂である。
具体的には、主成分として末端にシラノール基を持つオルガノポリシロキサンと架橋成分として架橋性シリル基含有低分子化合物とを含有する一液型シリコーン樹脂と、主剤として末端にシラノール基を持つオルガノポリシロキサンと硬化剤としてアミノキシアルキルシランとを含有する二液型シリコーン樹脂が代表例として挙げられる。架橋性シリル基含有低分子化合物としては、アシルオキシアルキルシラン、アミノキシアルキルシラン、アルコキシアルキルシランなどが挙げられる。
【0037】
変成シリコーン樹脂としては、例えば、特開昭52−73998号公報、特開昭55−9669号公報、特開昭59−122541号公報、特開昭60−6747号公報、特開昭61−233043号公報、特開昭63−6003号公報、特開昭63−112642号公報、特開平3−79627号公報、特開平4−283259号公報、特開平5−287186号公報、特開平11−80571号公報、特開平11−116763号公報、特開平11−130931号公報中に開示されているもの、具体的には、分子内に架橋性シリル基を含有する、主鎖がビニル系重合体、ポリオキシアルキレン系重合体、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタンジエンなどの脂肪族炭水化水素系重合体、ポリエステル系重合体、ポリサルファイド重合体、これらの共重合体、混合物などが挙げられる。
変成シリコーン樹脂の主鎖は、硬化後の引張接着性、モジュラスなどの物性の点から、ポリオキシアルキレン系重合体が好ましい。
架橋性シリル基は、組成物の硬化性や硬化後の物性などの点から、分子内に0.1個以上、更に0.3〜5.0個、特に0.3〜2.0個含まれるのが好ましい。
更に、架橋性シリル基は、架橋しやすく製造しやすい次の一般式で示されるものが好ましい。
【0038】
【化1】
Figure 2005036034
(式中、Rは炭化水素基であり、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。Xで示される反応性基はハロゲン原子、水素原子、水酸基、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミド基、酸アミド基、メルカプト基、アルケニルオキシ基及びアミノオキシ基より選ばれる加水分解性の基であり、Xが複数の場合には、Xは同じ基であっても異なった基であってもよい。このうちXはアルコキシ基が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基が最も好ましい。aは0、1又は2の整数であり、0又は1が最も好ましい。)
【0039】
架橋性シリル基の主鎖への導入は、例えば、以下の公知の方法で行うことができる。
(1)末端に水酸基などの官能基を有するポリオキシアルキレン系やビニル系などの重合体に、この官能基に対して反応性を示す活性基及び不飽和基を有する有機化合物(例えばアリルイソシアネート)を反応させ、次いで、得られる反応生成物に加水分解性基を有するヒドロシランを作用させてヒドロシリル化する。
(2)末端に水酸基、エポキシ基やイソシアネート基などの官能基を有するポリオキシアルキレン系やビニル系などの重合体に、この官能基に対して反応性を示す官能基及び架橋性シリル基を有する化合物を反応させる。
この反応性官能基及び架橋性シリル基を有する化合物としては、アミノ基含有シラン類、メルカプト基含有シラン類、エポキシ基含有シラン類、ビニル型不飽和基含有シラン類、塩素原子含有シラン類、イソシアネート基含有シラン類、ハイドロシラン類などが挙げられる。
(3)重合性不飽和結合と架橋性シリル基を有する化合物(例えば、CH=CHSi(OCH やCH=CHCOO(CHSi(OCH)と(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体とを共重合させる。
(4)重合性不飽和結合と官能基を有する化合物(例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート或いは(メタ)アクリル酸アリルなど)を(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に添加して共重合させ、次いで生成する共重合体を前記の反応性官能基及び架橋性シリル基を有する化合物(例えば、イソシアネート基と−Si(OCH 基を有する化合物や、トリメトキシシラン、トリエトキシシランなどの加水分解性基を有するヒドロシラン類)と反応させる。
【0040】
シリコーン樹脂、変成シリコーン樹脂の数平均分子量は1,000以上、特に6,000〜30,000で分子量分布の狭いものが、硬化性組成物の粘度が低いので取り扱い易く、硬化後の強度、伸び、モジュラスなどの物性が優れているので好適である。
【0041】
架橋性シリル基含有樹脂として好ましい架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン系ウレタン樹脂は、具体的には、ポリオキシアルキレン系ポリオールと、架橋性シリル基含有イソシアネート化合物とを、反応させて得ることができる。
ポリオキシアルキレン系ポリオールは、前記液状ウレタン樹脂(A)の製造におけるものと同様のものが挙げられ、得られる硬化性組成物及びシーリング材組成物の粘度が低く作業性が良好な点と、硬化後のゴム弾性物性や接着性が高い点で、前記と同様の数平均分子量が好ましく、また、1分子当たり平均のアルコール性水酸基の個数は2個以上、更に2〜10個、特に2〜4個が好ましく、更にまた前記と同様の分子量分布(Mw/Mn)の狭いものが好ましい。
前記ポリオキシアルキレン系ポリオールと、架橋性シリル基含有イソシアネート化合物とは、イソシアネート基/水酸基の当量比が0.1〜1.5/1.0、更には0.5〜1.0/1.0となる範囲で反応させるのが好ましい。
この反応の際にも、金属と有機酸との塩、有機金属キレート化合物、有機金属と有機酸との塩などの有機金属化合物、有機アミンやその塩等の公知の前記ウレタン化触媒を用いることができる。これらのうち有機金属化合物が好ましい。
また、更に公知の有機溶媒を用いることもできる。
【0042】
架橋性シリル基含有イソシアネート化合物は、分子内に1個以上のイソシアネート基と1個以上の架橋性シリル基を少なくとも含有すればよいが、反応の制御のしやすさ、硬化後のゴム弾性が良好な点から、分子内に1個のイソシアネート基と1個の架橋性シリル基を含有する化合物が好ましい。
架橋性シリル基含有イソシアネート化合物としては、具体的には、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルイソプロポキシシラン、イソシアネートトリメトキシシラン、ジイソシアネートジメトキシシランなどが挙げられ、これらは単独で或いは2種以上混合して使用できる。これらのうち、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシランが好ましい。
【0043】
前記ポリサルファイド樹脂は、ポリサルファイド骨格と末端にメルカプト基を有する重合体である。
メルカプト基を末端に有するポリサルファイド樹脂としては、一般式: HS−(R −Sx )n −R−SH で示される構造のものが好ましい。この一般式中のxは1〜4の整数であり、その平均値は1.5 〜2.5である。nは1〜120であり、好ましくは6〜50である。また、この一般式中のR 及びR は2価の脂肪族基であり、具体的には−C −、−C −、−C −等が挙げられるが、特にエーテル結合を有するものが好ましく、具体的には例えば以下のものが挙げられる。
−C−O−C
−C−O−C
−C −O−C
−C −O−CH−O−C
−C −O−CH −O−C
−C−O−CH−O−C
上記メルカプト基を末端に有するポリサルファイド樹脂の数平均分子量は、200〜20000、特に1000〜8000の範囲が好ましい。
ポリサルファイド樹脂は、過酸化カルシウムなどの金属酸化物を配合したものを大気中に暴露することにより、湿気により過酸化水素が生成し、樹脂を室温で酸化、硬化させる一液硬化型として使用できるし、また、ポリサルファイド樹脂を主剤とし、二酸化鉛やポリイソシアネートなどを硬化剤とし、これらを使用の際に混合することにより硬化させる二液硬化型としても使用できる。
【0044】
前記不飽和ポリエステル樹脂としては、無水マレイン酸やフマル酸などの不飽和二塩基酸とプロピレングリコールなどのグリコール類をエステル化した不飽和ポリエステル樹脂を、反応性希釈剤のスチレンモノマーなどの重合性モノマーに溶解したものなどが挙げられる。
硬化触媒として有機過酸化物を主としたものとコバルトなどの金属塩を混合することにより、室温でラジカル重合、硬化させる二液硬化型としても使用できる。
【0045】
前記アルキッド樹脂としては、無水フタル酸などの多塩基酸とグリセリンなどの多価アルコールとのエステル化物を骨格とし、これを大豆油などの乾性油で変性した純アルキッド樹脂や、これを更にロジンなどで変性した変性アルキッド樹脂などが挙げられる。硬化剤としてナフテン酸コバルトなどの乾燥用触媒を混合することにより室温で酸化、硬化させる二液硬化型としても使用できる。
【0046】
前記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂や、これらを水素添加したエポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ウレタンプレポリマーの末端をエポキシ化したウレタン変性エポキシ樹脂、フッ素化エポキシ樹脂、ポリブタジエン或いはNBRを含有するゴム変性エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールAのグリシジルエーテル等の難燃型エポキシ樹脂が挙げられる。
【0047】
また、エポキシ樹脂の硬化剤としては、例えば、脂肪族アミン、脂環族アミン、芳香族アミン、ポリアミノアミド、イミダゾール、ジシアンジアミド、エポキシ変性アミン、マンニッヒ変性アミン、マイケル付加変性アミン、ケチミン、酸無水物、アルコール類、フェノール類が挙げられる。
【0048】
更に、有機ポリイソシアネートに対し、ポリオールなどの活性水素化合物をイソシアネート基に対し活性水素(基)過剰の条件で反応して得られる活性水素(基)含有ウレタン系プレポリマーを主剤とし、前記有機ポリイソシアネートを硬化剤とした二液硬化型樹脂も挙げられる。
【0049】
その他、水酸基などの活性水素(基)を有する含フッ素樹脂を主剤とし、前記有機ポリイソシアネートを硬化剤として室温で硬化させる二液硬化型樹脂も挙げられる。
【0050】
前記溶剤揮散型樹脂としては、具体的には、天然ゴム、合成ゴム(例えば、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、アクリロニトリルゴム、塩化ゴム)、(メタ)アクリル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂などが挙げられる。これらはトルエン、キシレン、酢酸エチル等の有機溶剤と共に使用する。
【0051】
本発明における添加剤としては、硬化触媒、耐候安定剤、酸素硬化性不飽和化合物、充填剤、カップリング剤、接着性付与剤、揺変性付与剤、保存安定性改良剤(脱水剤)、着色剤、意匠性付与剤などが挙げられる。
【0052】
硬化触媒は、室温硬化性樹脂の硬化を促進させるための触媒であり、イソシアネート基含有ウレタン系プレポリマーや架橋性シリル基含有樹脂の硬化を促進させるための触媒、、ポリサルファイド樹脂や不飽和ポリエステル樹脂の硬化を促進させるための(ラジカル重合)触媒、アルキッド樹脂の硬化を促進させるための乾燥用触媒などが挙げられる。
イソシアネート基含有ウレタン系プレポリマーや架橋性シリル基含有樹脂の硬化を促進させるための触媒としては、具体的には、有機金属化合物、アミン類等が挙げられ、例えば、オクチル酸錫、ナフテン酸錫等の2価の有機錫化合物、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジバーサテート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ビス(トリエトキシシリケート)、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物等の4価の有機錫化合物、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、錫系キレート化合物の旭硝子社製EXCESTAR C−501、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトナート)、チタンテトラキス(アセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アセチルアセトンコバルト、アセチルアセトン鉄、アセチルアセトン銅、アセチルアセトンマグネシウム、アセチルアセトンビスマス、アセチルアセトンニッケル、アセチルアセトン亜鉛、アセチルアセトンマンガン等の各種金属のキレート化合物、オクチル酸鉛等の有機酸鉛塩、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等のチタン酸エステル類、オクチル酸ビスマス、ビスマスバーサテイト等の有機ビスマス化合物、ブチルアミン、オクチルアミン等の第1級アミン類、ジブチルアミン、ジオクチルアミン等の第2級アミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の第1級、第2級アミン類、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、N−エチルモルフォリン等の第3級アミン類、或いはこれらのアミン類とカルボン酸等の塩類、カオリンクレー、塩酸等の無機系酸性化合物、エチルアシッドホスフェート、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート等の有機燐酸系酸性化合物、或いはこれらとアミンとの塩類などが挙げられる。これらのうち、反応速度が高く、毒性及び揮発性の比較的低い液体である点から有機錫化合物や金属キレート化合物が好ましく、更に錫系キレート化合物が好ましく、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)が最も好ましい。
ポリサルファイド樹脂や不飽和ポリエステル樹脂の硬化を促進させるための(ラジカル重合)触媒としては、二酸化鉛、二酸化マンガン、過酸化カルシウム、過酸化亜鉛、過ホウ酸ソーダ、パラキノンジオキシム、ジニトロベンゼン、メチルエチルケトンパーオキサイド−コバルト石鹸等が挙げられる。
アルキッド樹脂の硬化を促進させるための乾燥用触媒としては、ナフテン酸コバルト等が挙げられる。
硬化触媒は、硬化速度、硬化物の物性などの点から、硬化性樹脂(B)100重量部に対して、0〜10重量部、特に0.01〜2重量部配合するのが好ましい。
【0053】
耐候安定剤は、架橋性シリル基含有樹脂の硬化後の酸化や光劣化、熱劣化を防止して、耐候性だけでなく耐熱性を更に向上させるために使用する。耐候安定剤としては具体的には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光硬化性化合物などを挙げることができる。
【0054】
酸化防止剤としては具体的には、ヒンダードアミン系やヒンダードフェノール系の酸化防止剤を挙げることができ、ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、例えば、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどが挙げられる。また、三共社製の商品名サノールLS−292などの他、旭電化工業社製の商品名アデカスタブシリーズのLA−52、LA−57、LA−62、LA−67、LA−77、LA−82、LA−87などの分子量1,000未満の低分子量ヒンダードアミン系酸化防止剤、同じくLA−63P、LA−68LD或いはチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の商品名CHIMASSORBシリーズの119FL、2020FDL、944FD、944LDなどの分子量1,000以上の高分子量ヒンダードアミン系酸化防止剤なども挙げられる。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、ペンタエリストール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N′−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオナミド)]、ベンゼンプロパン酸3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシC7−C9側鎖アルキルエステル、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノールなどが挙げられる。
【0055】
紫外線吸収剤としては、例えば、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール等のトリアジン系紫外線吸収剤、オクタベンゾン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系紫外線吸収剤が挙げられる。
【0056】
光硬化性化合物としては、アクリロイル基やメタクリロイル基等の光によって反応硬化する基を分子内に1個以上含有する化合物が挙げられ、具体的には例えば、イソシアネート基含有ウレタン樹脂に水酸基含有アクリレート化合物や水酸基含有メタクリレート化合物を反応させたウレタンアクリレートやウレタンメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートやトリメチロールプロパントリメタクリレート等のエステルアクリレートやエステルメタクリレート、ポリエチレンアジペートポリオールのアクリレートやメタクリレート等のポリエステルアクリレートやポリエステルメタクリレート、ポリエーテルポリオールのアクリレートやメタクリレート等のポリエーテルアクリレートやポリエーテルメタクリレート、或いはポリケイ皮酸ビニル類、アジド化樹脂などが挙げられ、分子量10,000以下、更に分子量5,000以下の単量体、オリゴマーが好ましく、特にアクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を1分子当たり平均して2個以上含有する物が好ましい。
【0057】
耐候安定剤は、硬化性樹脂(B)100重量部に対して、0.01〜30重量部、特に0.1〜10重量部配合するのが好ましい。
【0058】
酸素硬化性不飽和化合物は、空気中などの酸素により反応して硬化する不飽和基を分子内に有する化合物であり、硬化性組成物及びシーリング材組成物に配合することにより、硬化後の表面に移行して硬化被膜を形成することにより硬化物表面の粘着をなくすため、長期に渡る表面汚染防止効果を発揮するものである。
酸素硬化性不飽和化合物としては、具体的には、乾性油、乾性油の各種変性物、ジエン系化合物の重合体や共重合体(以下、「重合体や共重合体」を(共)重合体という。)、該(共)重合体の各種変性物(マレイン化変性物、ボイル油変性物など)などが挙げらる。
乾性油(広義に半乾性油も含む。)としては、桐油、大豆油、アマニ油、脱水ヒマシ油、ヤシ油、ヒマシ油などが挙げられ、乾性油の変性物としては、前記乾性油を変性して得られる各種アルキッド樹脂、乾性油により変性されたアクリル系重合体、エポキシ系樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。
ジエン系化合物の(共)重合体としては、1,2−ブタジエン、1,4−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、イソプレン、クロロプレン等のC〜Cジエン系化合物の重合体やこれら2種以上の共重合体、或いはこれらとスチレン、アクリロニトリル等の他の単量体との共重合体(SBR、NBRなど)などが挙げられ、ジエン系化合物の(共)重合体の変性物としては、前記ジエン系化合物の(共)重合体のマレイン化物、ボイル化物、エポキシ化物などが挙げられる。
酸素硬化性不飽和化合物は、硬化性樹脂(B)100重量部に対して0〜50重量部、特に1〜20重量部使用するのが好ましい。
【0059】
充填剤、カップリング剤、接着性付与剤、揺変性付与剤、保存安定性改良剤(脱水剤)、着色剤、意匠性付与剤などは、それぞれ補強や増量、接着性向上、揺変性向上、貯蔵安定性向上、着色、硬化物の表面の艶消しや凹凸付与(ざらつき感付与)等の意匠性付与などのために使用することができる。
【0060】
充填剤としては、例えば、マイカ、カオリン、ゼオライト、グラファイト、珪藻土、白土、クレー、タルク、スレート粉、無水ケイ酸、石英微粉末、アルミニウム粉末、亜鉛粉末、沈降性シリカなどの合成シリカ、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の無機粉末状充填剤、アスベスト、ガラス繊維、炭素繊維等の繊維状充填剤などの無機系充填剤、或いはこれらの表面を脂肪酸等の有機物で処理した充填剤、木粉、クルミ穀粉、もみ殻粉、パルプ粉、木綿チップ、ゴム粉末、さらにポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂等の熱可塑性樹脂或いは熱硬化性樹脂の粉末などの有機系充填剤などの他、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム等の難燃性付与充填剤なども挙げられ、粒径0.01〜1,000μmのものが好ましい。
【0061】
カップリング剤としては、シラン系、アルミニウム系、ジルコアルミネート系などの各種カップリング剤及び/又はその部分加水分解縮合物が挙げられる。これらのうちシラン系カップリング剤及び/又はその部分加水分解縮合物が接着性に優れている点で好ましい。
シランカップリング剤としては、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシランなどの炭化水素基結合アルコキシシラン類、ジメチルジイソプロペノキシシラン、メチルトリイソプロペノキシシランなどの炭化水素基結合イソプロペノキシシラン類、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等の官能基を有するアルコキシシラン類やイソプロペノキシシラン類などの分子量500以下、好ましくは400以下の低分子化合物及び/又はこれらシランカップリング剤の1種又は2種以上の部分加水分解縮合物で分子量200〜3,000の化合物が挙げられる。
【0062】
接着性付与剤としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、アルキルチタネート類、有機ポリイソシアネート等が挙げられる。
【0063】
揺変性付与剤としては、コロイダルシリカ、石綿粉、前記脂肪酸処理炭酸カルシウム等の無機揺変剤、有機ベントナイト、変性ポリエステルポリオール、脂肪酸アマイド等の有機揺変剤が挙げられる。
【0064】
保存安定性改良剤としては、組成物中に存在する水分と反応する、前記ビニルトリメトキシシランなどの低分子の架橋性シリル基含有化合物、酸化カルシウム、p−トルエンスルホニルイソシアネートなどが挙げられる。
【0065】
着色剤としては、酸化チタンや酸化鉄などの無機系顔料、銅フタロシアニンなどの有機系顔料、カーボンブラックなどが挙げられる。
【0066】
意匠性付与剤は、硬化性組成物及びシーリング材組成物に配合することにより硬化物表面の艶を消す補助をしたり、表面の艶を消すと共に凹凸を付与し天然のざらついた岩石を模した外観を付与したりして意匠性を付与する効果を発揮させるものであり、具体的に、艶消しを付与するものとしては、例えば、蜜ロウ、カルナバワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス等の各種ワックス類やステアリン酸アミド等の高級脂肪族化合物などが挙げられる。
表面の艶を消すとともに凹凸を付与するものとしては、粒状物やバルーンなどが挙げられ、粒状物としては前記充填剤として挙げたものと同様のもので、粒径が50μm以上の大きなものが挙げられる。
バルーンは中空の物質であり、その形状は球状だけでなく、立方状、直方状、金平糖状など各種あり、また硬化性組成物及びシーリング材組成物に対する凹凸付与効果を消失させない程度にバルーンを少し破壊したものも挙げられるが、硬化性組成物及びシーリング材組成物の作業性の良さから球状が好ましい。具体的に例えば、ガラスバルーン、シラスバルーン、シリカバルーン、セラミックバルーン等の無機系バルーン、フェノール樹脂バルーン、尿素樹脂バルーン、ポリスチレンバルーン、ポリエチレンバルーン、サランバルーン等の有機系バルーン、或いは無機系化合物と有機系化合物を混合したり積層したりした複合化バルーンなどが挙げられる。
また、これらのバルーンをコーティングしたり表面処理したりしたものも使用でき、例えば、無機系バルーンを前記シランカップリング剤などで表面処理したもの、有機系バルーンを炭酸カルシウム、タルク、酸化チタンなどでコーティングしたものなども挙げられる。
これらのうち、意匠性付与効果の大きさの点から、粒状物及び/又はバルーンが好ましく、更に粒状無機系充填剤及び/又は無機系バルーンが好ましく、特に粗粒重質炭酸カルシウム及び/又はセラミックバルーンが好ましい。
粒状物及び/又はバルーンの粒径は、意匠性付与効果の大きさの点から50μm以上、更には100〜1,000μmが好ましい。
【0067】
充填剤、カップリング剤、接着性付与剤、揺変性付与剤、保存安定改良剤(脱水剤)、着色剤及び意匠性付与剤の合計の配合量は、硬化性樹脂(B)100重量部に対して、0〜500重量部、特に10〜300重量部が好ましい。
【0068】
本発明において、前記各添加剤成分はそれぞれ単独で或いは2種以上混合して使用することができる。
【0069】
本発明においては、可塑剤は特に必要としないが、硬化性組成物の用途によっては本発明の目的を損なわない範囲で使用することができる。
可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ブチルベンジルフタレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等のフタル酸エステル類、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等の非芳香族2塩基酸エステル類、トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エステルが挙げられ、比較的高分子量タイプの可塑剤としては、例えば、2塩基酸と2価アルコールとからのポリエステル類等のポリエステル系可塑剤、ポリプロピレングリコールやそのエーテル化誘導体等のポリエーテル類、ポリ−α−メチルスチレン等のポリスチレン類、低粘度の(メタ)アクリル酸エステル系共重合体、その他、プロセスオイル類、アルキルベンゼン類が挙げられる。
【0070】
本発明の硬化性組成物は粘度が低いため、有機溶剤は使用しなくてもよいか、使用しても極めて少ない量で済み、環境負荷物質を放出しないので安全性が高い。
有機溶剤としては、n−ヘキサンなどの脂肪族系溶剤、シクロヘキサンなどの脂環族系溶剤、トルエンやキシレンなどの芳香族系溶剤など従来公知の有機溶剤が挙げられ、これらは組成物の各成分に反応しないものであればどのようなものでも使用することができる。
【0071】
なお、本発明の硬化性組成物、シーリング材組成物は用途に応じて一液型としても、二液型としても使用できるが、主剤と硬化剤を混合する手間が無く、また混合不良による硬化不良などの不具合も無く作業性に優れているため、一液型の硬化性組成物が好ましく、更に一液湿気硬化型室温硬化性組成物が好ましい。
また、本発明の硬化性組成物及びシーリング材組成物は、使用する液状ウレタン樹脂(A)が50〜100℃の高温雰囲気中でも揮発しないものであり、更に揮発性の高い有機溶剤を使用しなくても粘度が低く押出し作業性の良好なものとなるため、硬化途中においても硬化後においても揮発性物質を放散しないことより、食品、半導体、精密機器等の製造或いはこれらの試験などにおいて使用される、揮発性物質を放出しないことが要求されるクリーンルームの壁パネルや付帯設備の密封用或いは防水用のシーリング剤としても好適に使用することができる。
【0072】
【実施例】
以下、本発明について実施例などにより更に詳細に説明する。
ここにおいて、硬化性組成物の例としてシーリング材組成物を示したが、これに限定されるものではない。
【0073】
合成例1
攪拌機、温度計、窒素シール管及び冷却器の付いた加温反応容器に、窒素気流下で、ポリオキシプロピレンモノオール(旭硝子社製XS−M3000、数平均分子量3,243、分子量分布(Mw/Mn)1.0〜1.1)300g(OH当量:0.0925)を仕込み、攪拌しながらジブチル錫ジラウレート0.1gとm−キシリレンジイソシアネート(武田薬品社製タケネート500、分子量188)9.1g(NCO当量:0.0968)(R値(NCO当量/OH当量)=1.05)を加えたのち、加温して70〜80℃で4時間攪拌して、イソシアネート基含有量が理論値(0.06質量%)以下となった時点で反応を終了し、液状のウレタン樹脂U−1を製造した。
この液状ウレタン樹脂U−1は、滴定による実測イソシアネート基含有量0.04質量%、粘度3,300mPa・s/25℃、分子量分布(Mw/Mn)1.0〜1.1、常温で透明の液体であった。
【0074】
合成例2
合成例1と同様の加温反応容器に、窒素気流下で、ポリオキシプロピレンジオール(旭硝子社製PML−4010、数平均分子量9,930、分子量分布(Mw/Mn)1.0〜1.1)800g(OH当量:0.161)を仕込み、攪拌しながらn−オクタデシルモノイソシアネート(保土谷化学工業社製ミリオネートO、分子量295)49.9g(NCO当量:0.169)(R値(NCO当量/OH当量)=1.05)とジブチル錫ジラウレート0.1gを加えたのち、加温して70〜80℃で4時間攪拌して、イソシアネート基含有量が理論値(0.04質量%)以下となった時点で反応を終了し、液状のウレタン樹脂U−2を製造した。
この液状ウレタン樹脂U−2は、滴定による実測イソシアネート基含有量0.03質量%、粘度6,800mPa・s/25℃、分子量分布(Mw/Mn)1.0〜1.1、常温で半透明の液体であった。
【0075】
合成例3
合成例1と同様の加温反応容器に、窒素気流下で、ポリオキシプロピレントリオール(旭硝子社製エクセノール−5030、数平均分子量5,010、分子量分布(Mw/Mn)1.0〜1.2)881.9g(OH当量:0.528)を仕込み、攪拌しながらn−オクタデシルモノイソシアネート(保土谷化学工業社製ミリオネートO、分子量295)41.5g(NCO当量:0.141)(R値(NCO当量/OH当量)=0.267)とジブチル錫ジラウレート0.1gを加えたのち、加温して70〜80℃で2時間攪拌を行い、FTIRによりイソシアネート基のピークの消失を確認し、常温まで冷却した。次いでこの中に、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業社製ミリオネートMT、分子量250)96.9g(NCO当量:0.775)(R′値(原料合計のNCO当量/OH当量)=1.73)を加えたのち、加温して70〜80℃で2時間攪拌して、イソシアネート基含有量が理論値(1.59質量%)以下となった時点で反応を終了し、イソシアネート基含有ポリオキシプロピレン系ウレタンプレポリマーO−1を製造した。
このイソシアネート基含有ポリオキシプロピレン系ウレタンプレポリマーO−1は、滴定による実測イソシアネート基含有量1.50質量%、粘度28,300mPa・s/25℃、常温で半透明の液体であった。
【0076】
合成例4
合成例1と同様の加温反応容器に、窒素気流下で、ポリオキシプロピレンジオール(数平均分子量16,000、総不飽度0.02meq/g、旭硝子社製PML−4016、分子量分布(Mw/Mn)1.0〜1.2)800g(OH当量:0.1)を仕込み、攪拌しながら3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン(日本ユニカー社製Y−5187、分子量205.4)10.3g(NCO当量:0.05)(R値(NCO当量/OH当量)=0.5)とジブチル錫ジラウレート0.08gを加えたのち、加温して70〜80℃で1時間攪拌を行い、FTIRによりイソシアネート基のピークの消失を確認し、常温まで冷却して反応を終了させた。
得られたトリメトキシシリル基含有ポリオキシプロピレン系ウレタン樹脂は、常温で透明の理論、滴定による実測イソシアネート基含有量0.00質量%、粘度16,400mPa・s/25℃の液体であった。この樹脂をO−2と称する。
【0077】
実施例1
加熱、冷却装置及び窒素シール管付き混練容器に、窒素気流下で、合成例1で得た液状ウレタン樹脂U−1 50g、合成例3で得たイソシアネート基含有ポリオキシプロピレン系ウレタンプレポリマーO−1 100g、ヒンダードフェノール系酸化防止剤:ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製イルガノックス1010)1.0g、脂肪酸(表面)処理炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製カルファン200M)145g及びトルエン15gを仕込み、内容物が均一になるまで攪拌、混合し、次いで減圧脱泡し、容器に充填、密封して、シーリング材組成物を調製した。
【0078】
実施例2
実施例1において、液状ウレタン樹脂U−1の代わりにU−2 50gを使用した以外は同様にして、シーリング材組成物を調製した。
【0079】
比較例1
実施例1において、液状ウレタン樹脂U−1の代わりにジオクチルフタレート
50gを使用した以外は同様にして、シーリング材組成物を調製した。
【0080】
実施例3
実施例1と同様の混練容器に、窒素気流下で、合成例1で得た液状ウレタン樹脂U−1 200g、合成例4で得たトリメトキシシリル基含有ポリオキシプロピレン系ウレタン樹脂O−2 200g、ヒンダードアミン系酸化防止剤:下記化学式(A)で示される化合物(三共社製サノールLS−292)9g、炭酸カルシウム(白石カルシウム社製ホワイトンB)255.7g、脂肪酸(表面)処理炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製N−2)265.2gを仕込み、攪拌、混合しながら100〜110℃で2時間減圧(20〜70hPa)脱水を行い、冷却後、ビニルトリメトキシシラン(チッソ社製サイラエースS210)17.0g及びジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)(日東化成社製ネオスタンU−220)2.0gを仕込み、均一になるまで攪拌、混合し、次いで減圧脱泡し容器に充填、密封して、シーリング材組成物を調製した。
【0081】
【化2】
Figure 2005036034
【0082】
実施例4
実施例3において、合成例4で得たトリメトキシシリル基含有ポリオキシプロピレン系ウレタン樹脂O−2 200gの代わりに、合成例4で得たトリメトキシシリル基含有ポリオキシプロピレン系ウレタン樹脂O−2 100gと架橋性シリル基含有ポリオキシプロピレン系樹脂(鐘淵化学工業社製S303)100gを使用した以外は同様にして、シーリング材組成物を調製した。
【0083】
実施例5
実施例3において、液状ウレタン樹脂U−1の代わりにU−2 200gを使用した以外は同様にして、シーリング材組成物を調製した。
【0084】
実施例6
実施例3において、合成例4で得たトリメトキシシリル基含有ポリオキシプロピレン系ウレタン樹脂O−2の代わりに、架橋性シリル基含有ポリオキシプロピレン系樹脂(鐘淵化学工業社製S303)200gを使用した以外は同様にして、シーリング材組成物を調製した。
【0085】
比較例2
実施例4において、液状ウレタン樹脂U−1の代りにポリオキシプロピレンジオール(数平均分子量3,200)200gを使用した以外は同様にして、シーリング材組成物を調製した。
【0086】
比較例3
実施例4において、液状ウレタン樹脂U−1の代りにポリオキシプロピレントリオール(数平均分子量12,000)200gを使用した以外は同様にして、シーリング材組成物を調製した。
【0087】
比較例4
実施例4において、液状ウレタン樹脂U−1の代りにジオクチルフタレート 200gを使用した以外は同様にして、シーリング材組成物を調製した。
【0088】
〔性能試験〕
前記実施例1〜6と比較例1〜4で調製したシーリング材組成物それぞれを用いて、以下の試験を行った。
(1)スランプ
JIS A1439:1997「建築用シーリング材の試験方法」の「4.1スランプ試験」に準拠して、スランプ(縦)を測定した(測定温度23℃)。
(2)作業性
作業性を評価する試験として、JIS A1439:1997「建築用シーリング材の試験方法」の「4.14試験用カートリッジによる押出し試験」に準拠して押出し時間を測定した(測定温度23℃)。
(3)タックフリー時間
JIS A1439:1997「建築用シーリング材の試験方法」の「4.19タックフリー試験」に準拠して測定した。
(4)塗料汚染性
厚さ5mmのスレート板を使用し、深さ5mm、幅25mm、長さ150mmの目地を作製し、その目地にシーリング材組成物を打設し、余分のシーリング材をヘラでかきとり、表面を平らにしたものを、23℃、50%相対湿度で7日間養生硬化した後、その表面に水性アクリル塗料(日本ペイント社製タイルラック水性トップスーパーホワイト)を塗布し、23℃、50%相対湿度で更に7日間養生して試験体を作製した。
養生後の試験体を50℃の恒温器中に、別の試験体を70℃の恒温器中に入れ、それぞれ7日間加熱処理した後、恒温器より取り出し、試験体の表面に黒色珪砂(粒径70〜110μm)をふりかけ、直ちに試験体を裏返し、底面を手で軽く叩いて余分の黒色珪砂を落とした。表面に付着して残った黒色珪砂(汚れ)の状態を目視により観察し、汚染性を判定した。
判定基準
○:シーリング材の硬化表面に黒色珪砂の付着がなくきれいな状態
×:シーリング材の硬化表面に黒色珪砂が多量に付着し黒く汚れた状態
液状ウレタン樹脂の合成結果をまとめて表1に示し、シーリング材組成物の組成及びその性能をまとめて表2〜4に示す。
【0089】
【表1】
Figure 2005036034
【0090】
【表2】
Figure 2005036034
【0091】
【表3】
Figure 2005036034
【0092】
【表4】
Figure 2005036034
【0093】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明における実質的にイソシアネート基又は水酸基を含有しない分子量分布(Mw/Mn)が1.6以下の液状ウレタン樹脂(A)は、分子量分布が狭いため高分子のウレタン樹脂であっても粘度が低く、かつブリードしないものであるため、これを含有する硬化性組成物及びシーリング材組成物は、作業性に優れた性能と、特に夏場の高温時期においても硬化物の表面或いは硬化物表面に上塗り塗装した塗膜表面にブリードしない汚染防止性に優れた性能を両立することが可能となった。更に本発明の硬化性組成物及びシーリング材組成物は可塑剤や有機溶剤などの環境汚染物質を使用しなくても、或いは使用しても極めて少ない量で作業性に優れているため、最近益々高まっている、毒性がなくて環境を汚染しない安全かつ高性能な製品の供給という要求に対応できる。従って、本発明の硬化性組成物及びシーリング材組成物は、建築用、土木用、自動車用などの接着剤、防水材、シーリング材、特に建築物外壁目地用、土木目地用、自動車目地用などの作業性と表面汚染防止性に優れ、かつ安全で環境を汚染しない高性能のシーリング材に適している。

Claims (12)

  1. ポリオキシアルキレン系アルコールと有機イソシアネートとを反応させて得られる、実質的にイソシアネート基又は水酸基を含有しない分子量分布(Mw/Mn)が1.6以下の液状ウレタン樹脂(A)と、硬化性樹脂(B)とを含有すること、を特徴とする硬化性組成物。
  2. 前記液状ウレタン樹脂(A)が、ポリオキシアルキレン系モノオールと有機イソシアネートとの反応生成物である、請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 前記液状ウレタン樹脂(A)が、ポリオキシアルキレン系ポリオールと有機モノイソシアネートとの反応生成物である、請求項1に記載の硬化性組成物。
  4. 前記ポリオキシアルキレン系モノオールの分子量分布(Mw/Mn)が1.6以下である、請求項2に記載の硬化性組成物。
  5. 前記ポリオキシアルキレン系ポリオールの分子量分布(Mw/Mn)が1.6以下である、請求項3に記載の硬化性組成物。
  6. 前記硬化性樹脂(B)が、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーである、請求項1に記載の硬化性組成物。
  7. 前記硬化性樹脂(B)が、架橋性シリル基含有樹脂である、請求項1に記載の硬化性組成物。
  8. 前記イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーが、ポリオキシアルキレン系ポリオールと有機イソシアネートとを水酸基に対してイソシアネート基過剰の条件で反応させて得られるイソシアネート基含有ポリオキシアルキレン系ウレタンプレポリマーである、請求項6に記載の硬化性組成物。
  9. 前記イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーが、ポリオキシアルキレン系ポリオールと有機ポリイソシアネートと有機モノイソシアネートとを水酸基に対してイソシアネート基過剰の条件で反応させて得られるイソシアネート基含有ポリオキシアルキレン系ウレタンプレポリマーである、請求項6に記載の硬化性組成物。
  10. 前記架橋性シリル基含有樹脂が、ポリオキシアルキレン系ポリオールと架橋性シリル基含有イソシアネート化合物とを反応させて得られる架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン系ウレタン樹脂(a)及び/又はこれ以外の架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン系樹脂(b)である、請求項7に記載の硬化性組成物。
  11. 更に添加剤を含有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  12. ポリオキシアルキレン系アルコールと有機イソシアネートとを反応させて得られる、実質的にイソシアネート基又は水酸基を含有しない分子量分布(Mw/Mn)が1.6以下の液状ウレタン樹脂(A)と、硬化性樹脂(B)とを含有すること、を特徴とするシーリング材組成物。
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