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JP2005029035A - 頭部保護エアバッグ装置 - Google Patents

頭部保護エアバッグ装置 Download PDF

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JP2005029035A
JP2005029035A JP2003271322A JP2003271322A JP2005029035A JP 2005029035 A JP2005029035 A JP 2005029035A JP 2003271322 A JP2003271322 A JP 2003271322A JP 2003271322 A JP2003271322 A JP 2003271322A JP 2005029035 A JP2005029035 A JP 2005029035A
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Masao Kino
雅夫 木野
Takanobu Ikeda
貴信 池田
Sunao Yamamoto
直 山本
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Toyoda Gosei Co Ltd
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Toyoda Gosei Co Ltd
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Abstract

【課題】展開膨張途中のエアバッグを方向転換させて、種々の干渉物との干渉を適切に防止できて、エアバッグの円滑な展開膨張を確保可能な頭部保護エアバッグ装置を提供すること。
【解決手段】頭部保護エアバッグ装置M1は、車内側の開口の上縁側に折り畳まれて収納されたエアバッグ11が、下方へ展開膨張して、車内側の開口を覆う。エアバッグ11は、展開膨張完了時の下縁11b側を上縁11a側に接近させるように、下縁11bを車内側I若しくは車外側Oに巻くロール折りの部位18を設けて、収納される。ロール折りの部位18は、下縁11bを車内側若しくは車外側で巻く途中に、反転させる反転箇所21を備えた内外ロール折り部位として、反転箇所を越えた上方側では、反転箇所より下方の下側折り部19の巻き方と逆巻きの車外側若しくは車内側に巻く上側折り部20として、折り畳まれる。
【選択図】図5−1

Description

本発明は、車内側の開口の上縁側に折り畳まれて収納されたエアバッグが、下方へ展開膨張して、車内側の開口を覆う構成の頭部保護エアバッグ装置に関する。
従来、頭部保護エアバッグ装置では、エアバッグの展開性能を向上させるように、エアバッグの折り畳み方を改善したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記のエアバッグ装置では、展開膨張時のエアバッグが、ピラーガーニッシュ等の車内壁に設けられたシートベルトアンカー等の車内側突起物と干渉しないように、まず、エアバッグを上下方向で二つ折りして、その状態で、エアバッグの下縁側を上縁側に接近させるように折り畳んで、エアバッグを収納したり、あるいは、エアバッグの上縁側を蛇腹折りし、かつ、エアバッグの下縁側をロール折りして、エアバッグを収納していた。
特開2000−118346公報
しかし、上記の頭部保護エアバッグ装置のエアバッグでは、展開膨張初期に、収納部位から車内側方向に突出することから、シートベルトアンカー等の車内側突起物との干渉を防止できるものの、車内壁から離れた室内側の部位には、ヘッドレスト等もあって、これらとの干渉も考慮しなければならず、種々のシートベルトアンカーやヘッドレスト等の干渉物との引っ掛り防止対策が必要となっていた。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、展開膨張途中のエアバッグを方向転換させて、種々の干渉物との干渉を適切に防止できて、エアバッグの円滑な展開膨張を確保可能な頭部保護エアバッグ装置を提供することを目的とする。
本発明に係る頭部保護エアバッグ装置は、車内側の開口の上縁側に折り畳まれて収納されたエアバッグが、下方へ展開膨張して、車内側の開口を覆う構成の頭部保護エアバッグ装置であって、
エアバッグが、展開膨張完了時の下縁側を上縁側に接近させるように、下縁をエアバッグの展開膨張完了時における車内側若しくは車外側に巻くロール折りの部位を設けて、折り畳まれて開口の上縁側に収納されるとともに、
ロール折りの部位が、下縁を車内側若しくは車外側で巻く途中に、反転させる反転箇所を備えた内外ロール折り部位として、反転箇所を越えた上方側では、反転箇所より下方の下側折り部の巻き方と逆巻きの車外側若しくは車内側に巻く上側折り部として、折り畳まれていることを特徴とする。
本発明に係る頭部保護エアバッグ装置では、エアバッグの内外ロール折り部位の下側折り部で、例えば、エアバッグの下縁を車外側に巻く折り方として、その上方の上側折り部を下側折り部の逆巻きのロール折りとすれば、その内外ロール折り部位の展開膨張時には、まず、上側折り部の展開時に、上側折り部のロール巻きの解けに伴って、下側折り部が、車内側の斜め下方に押し出されるように展開し、その後、反転箇所を越えて下側折り部が展開すれば、下側折り部のロール巻きの解けに伴って、エアバッグの下縁側が、車外側の斜め下方向に押し出されるように展開する。
すなわち、この場合の内外ロール折り部位では、展開膨張初期に、車内壁に設けられたシートベルトアンカー等の車内側突起物との干渉を防止するように、車内側の斜め下方に展開し、その後、ヘッドレストとの干渉を防止するように、車外側の斜め下方向に展開して、展開膨張を完了させることから、シートベントアンカーとヘッドレスト等の干渉物があっても、円滑に、エアバッグを展開膨張させることができる。
また、上記と逆に、下側折り部を、エアバッグの下縁を車内側に巻く折り方として、上側折り部をその逆巻きのロール折りとすれば、その内外ロール折り部位の展開膨張時には、まず、上側折り部の展開時に、下側折り部が、車外側の斜め下方に展開し、その後、反転箇所を越えて下側折り部が展開すれば、エアバッグの下縁側が、車内側の斜め下方向に展開する。
すなわち、この場合の内外ロール折り部位では、展開膨張初期に、サイドウインドガラス等の車内壁に沿って、車外側の斜め下方向に展開し、その後、車内側の斜め下方向に展開して、展開膨張を完了させることから、展開膨張初期の車内壁との摩擦等の影響が大きく、エアバッグの展開速度が著しく低下させられるような場合には、エアバッグが、展開途中で車内壁から離れることから、円滑に展開膨張することができる。
したがって、本発明に係る頭部保護エアバッグ装置では、展開膨張途中のエアバッグを方向転換させて、種々の干渉物との干渉を防止できて、エアバッグの円滑な展開膨張を確保することができる。
そして、内外ロール折り部位は、エアバッグの全体でなくとも、エアバッグの少なくとも一部に、配設されていれば、一つのエアバッグにおいて、シートベルトアンカー等の車内側突起物やヘッドレスト、あるいは、車内壁自体との干渉を、その部位に応じて、適切に、対処することが可能となる。
この場合、エアバッグは、内外ロール折り部位と前後方向で隣接して、内外ロール折り部位とともに膨張可能な隣接膨張部を設けて構成し、この隣接膨張部における反転箇所より上方の膨張部位を、上側折り部と連通させ、かつ、反転箇所より下方の膨張部位を、下側折り部と分離させるとともに、下側折り部の折り方と相違した折り方で折り畳んでもよい。
このような構成では、反転箇所より上方となる内外ロール折り部位の上側折り部と隣接膨張部における上方の膨張部位とを、同じ方向に巻くロール折りとし、そして、内外ロール折り部位の下側折り部位と隣接膨張部における下方の膨張部位とを、相違した折り方で、エアバッグを折り畳むことができる。そのため、エアバッグの展開膨張初期では、内外ロール折り部位と隣接膨張部とを同じ状態で、展開させ、その後、反転個所を越えた下側折り部と隣接膨張部の下方膨張部位との展開膨張を、異なった態様とすることができる。その結果、エアバッグの部位に応じて、シートベルトアンカー等の車内側突起物やヘッドレスト、あるいは、車内壁自体との干渉に関し、一層の適切な対処が可能となる。
また、エアバッグが、内外ロール折り部位と前後方向で隣接して、内外ロール折り部位とともに膨張可能な隣接膨張部を備えて構成される場合には、隣接膨張部を、反転箇所を越えた上方まで、内外ロール折り部位と分離させてもよい。
このような構成では、エアバッグの展開膨張初期から膨張完了まで、内外ロール折り部位と相違させた状態で、隣接膨張部を展開膨張させることができ、上記と同様に、エアバッグの部位に応じて、シートベルトアンカー等の車内側突起物やヘッドレスト、あるいは、車内壁自体との干渉に関し、一層の適切な対処が可能となる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明すると、第1実施形態の頭部保護エアバッグ装置M1は、図1に示すように、エアバッグ11を、車内側のドアや窓部の開口Wの上縁側周縁UWにおけるフロントピラー部FPの下縁側、ルーフサイドレール部RRの下縁側、及び、リヤピラー部RPの上方側にわたって、折り畳んで収納させている。
頭部保護エアバッグ装置M1は、エアバッグ11、インフレーター34、取付ブラケット31・35、及び、エアバッグカバー9、を備えて構成されている。
インフレーター34は、図1に示すように、折り畳まれたエアバッグ11に膨張用ガスを供給するシリンダタイプとしており、エアバッグ11の接続口部16が外装され、クランプ37を利用して接続口部16と接続されている。
取付ブラケット35は、板金製として、エアバッグ11の接続口部16を外装させたインフレーター34を、外周側から挟持し、二本の取付ボルト36を利用して、ルーフサイドレール部RRのボディ1側の板金製のインナパネル2に、取り付けられている。
取付ブラケット31は、図1・4に示すように、板金製として、エアバッグ11の各取付部12を挟持するもので、それぞれ、車内側Iの内プレート31aと車外側Oの外プレート31bとを備えて構成され、それらの内・外プレート31a・31bには、各取付部12の取付孔12aに対応する取付孔31cが貫通されている。そして、取付ボルト32を、取付孔12a・31cに挿通させて、インナパネル2の取付孔2a周縁に固着されたナット2bに螺合させることにより、各取付部12がインナパネル2に取り付けられている。
エアバッグカバー9は、図1・4に示すように、フロントピラー部FPに配置されるピラーガーニッシュ4とルーフサイドレール部RRに配置されるルーフヘッドライニング5とのそれぞれの下縁側から構成されている。なお、フロントピラーガーニッシュ4とルーフヘッドライニング5とは、合成樹脂製として、フロントピラー部FPとルーフサイドレール部RRの車内側Iにおけるボディ1のインナパネル2に取付固定されている。また、ルーフヘッドライニング5は、フロントピラー部FPの上方付近から、中間ピラー部としてのセンターピラー部CPの上方を経て、リヤピラー部RPの上方付近まで、配設されている。
エアバッグ11は、袋織りにより製造され、図1・2・4・5(5−1・5−2)に示すように、インフレーター34からの膨張用ガスGを流入させて、折り畳み状態から展開して、開口Wやピラー部RP・CPのピラーガーニッシュ6・7の車内側Iを覆うように、開口Wの上縁側周縁UWに、折り畳まれて収納されている。
そして、エアバッグ11は、膨張用ガスGを流入させるガス流入部13を備えて構成されている。また、エアバッグ11の上縁11a側には、ボディ1側のインナパネル2に取り付けるための複数の取付部12が形成され、各取付部12には、取付ボルト32を挿通させる取付孔12aが貫通されている。
ガス流入部13は、インフレーター34と接続させる筒状の接続口部16を、エアバッグ11の上縁11a側における前後方向の中央部位から、後方へ突設させている。ガス流入部13は、接続口部16から膨張用ガスGを流入させて膨張を完了させれば、車内側Iの壁部13aと車外側Oの壁部13bとを車内外方向で離すこととなる。
そして、実施形態の場合、ガス流入部13は、膨張完了時に、開口Wやピラー部RP・CPのピラーガーニッシュ6・7の車内側Iを覆うように展開膨張する縦セル部15を、前後方向に複数並設させて、構成されている。各縦セル部15は、膨張完了時に上下方向に棒状に膨らむように構成され、その上端は、エアバッグ11の上縁11a側で前後方向に延びる供給路部14と連通されている。そして、ガス流入部13は、接続口部16からの膨張用ガスGが、供給路部14を経て、各縦セル部15に流れ、展開膨張することとなる。
実施形態のエアバッグ11は、全体を内外ロール折り部位18とするように、折り畳むものであり、その折り畳み行程を説明すると、図3のA・Bに示すように、まず、車内側・車外側壁部13a・13bを接触させるように重ねて、エアバッグ11を平らに展開した状態から、エアバッグ11の下縁11bを、車外側Oに向けて、車外側壁部13b側で巻く外ロール折りする。そして、各縦セル部15の上下方向の中間部位付近まで外ロール折りした後には、図3のB・Cに示すように、縦セル部15の上下方向の中間部位付近を反転箇所21として反転させて、外ロール折りした下側折り部19を、車内側Iに向けて、反転箇所21より上方の上側折り部20を、車内側壁部13a側で巻く内ロール折りする。その後、供給路部14付近では、前後方向に折目を付けて上下方向にジグザグに蛇腹折りする蛇腹折り部23を、形成しておく。
そして、エアバッグ11を折り畳んだ後には、折り崩れ防止用の破断可能な図示しないラッピング材を所定箇所で巻き付ければ、エアバッグ11の折り畳み作業を、完了させることができる。
さらに、折り畳んだエアバッグ11を図示しないラッピング材で包んだ後には、インフレーター34・取付ブラケット31・35・クランプ37を取り付けて、エアバッグ組立体を形成する。そして、各取付ブラケット31・35をインナパネル2の所定位置に配置させ、各取付孔12a等を挿通させてボルト32・36止めして、各取付ブラケット31・35をインナパネル2に固定し、エアバッグ組立体をボディ1に取り付ける。さらに、フロントピラーガーニッシュ4やルーフヘッドライニング5をボディ1に取り付けるとともに、リヤピラーガーニッシュ6・センターピラーガーニッシュ7をボディ1に取り付ければ、頭部保護エアバッグ装置M1を車両に搭載することができる。
そして、頭部保護エアバッグ装置M1の車両への搭載後、インフレーター34が作動して膨張用ガスGが吐出されると、膨張用ガスGが、図2の二点鎖線に示すように、エアバッグ11の接続口部16から供給路部14に流入して、供給路部14から各縦セル部15に供給される。そのため、エアバッグ11は、くるんでおいた図示しないラッピング材を破断させ、さらに、フロントピラーガーニッシュ4やルーフヘッドライニング5の下縁側のエアバッグカバー9を押し開いて、図1の二点鎖線で示すように、下方へ突出しつつ、開口W・センターピラー部CP・リヤピラー部RPの車内側Iを覆うように、大きく展開膨張することとなる。
この時、実施形態のエアバッグ11は、内外ロール折り部位18の下側折り部19で、下縁11bを車外側Oに巻く外ロール折りとして、その上方の上側折り部20を下側折り部19の逆巻きの内ロール折りとしており、その内外ロール折り部位18の展開膨張時には、まず、図4・図5−1のA・Bに示すように、上側折り部19の展開時に、内ロール折りの巻き解けに伴って、下側折り部19が、車内側Iの斜め下方に押し出されるように展開し、その後、図5−1・5−2のB・C・Dに示すように、反転箇所21を越えて下側折り部19が展開すれば、外ロール折りの巻き解けに伴って、エアバッグ11の下縁11b側が、車外側Oの斜め下方向に押し出されるように展開する。
すなわち、この場合のエアバッグ11(内外ロール折り部位18)では、展開膨張初期に、図5−1のA・Bに示すように、車内壁に設けられたシートベルトアンカー等の車内側突起物41との干渉を防止するように、車内側Iの斜め下方に展開し、その後、図5−2のCに示すように、ヘッドレスト42との干渉を防止するように、車外側Oの斜め下方向に展開して、ついで、図5−2のDに示すように、展開膨張を完了させることから、シートベントアンカーとヘッドレスト等の干渉物40があっても、円滑に、エアバッグ11を展開膨張させることができる。
したがって、第1実施形態の頭部保護エアバッグ装置M1では、展開膨張途中のエアバッグ11を方向転換させて、種々の干渉物40との干渉を防止できて、エアバッグ11の円滑な展開膨張を確保することができる。
なお、第1実施形態では、エアバッグ11の全体を同じ巻き方とした内外ロール折り部位18としたが、反転箇所を備えて反転させて同一方向にロール折りする内外ロール折り部位18は、図6〜9に示す第2実施形態のように、エアバッグ11Aの一部に、配設させてもよい。
この第2実施形態の頭部保護エアバッグ装置M2のエアバッグ11Aは、エアバッグ11Aにおける3つ分の縦セル部15(15A・15B・15C)を備えた前部11c側に、第1実施形態のエアバッグ11と同様な内外ロール折り部位18を配設して、エアバッグ11Aにおける3つ分の縦セル部15(15D・15E・15F)を備えた後部11d側に、折り部位18と相違した巻き方向の内外ロール折り部位18Aを配設させて、折り畳んで収納されている。
すなわち、前部11c側では、第1実施形態で説明した図3に示すように、車内側・車外側壁部13a・13bを接触させるように重ねて、エアバッグ11Aを平らに展開した状態から、エアバッグ11Aの下縁11bを、車外側Oに向けて、車外側壁部13b側で巻く外ロール折りし、各縦セル部15の上下方向の中間部位付近まで外ロール折りして、反転箇所21で反転させ、外ロール折りした下側折り部19を、車内側Iに向けて、反転箇所21より上方の上側折り部20を、車内側壁部13a側で巻く内ロール折りし、供給路部14付近では、蛇腹折りして蛇腹折り部23を形成しておく。
そして、後部11d側では、図7のA・Bに示すように、エアバッグ11Aを平らに展開した状態から、エアバッグ11Aの下縁11bを、車内側Iに向けて、車内側壁部13a側で巻く内ロール折りする。そして、各縦セル部15の上下方向の中間部位付近まで内ロール折りした後には、図7のB・Cに示すように、縦セル部15の上下方向の中間部位付近を反転箇所21として反転させて、内ロール折りした下側折り部19を、車外側Oに向けて、反転箇所21より上方の上側折り部20を、車外側壁部13b側で巻く外ロール折りする。その後、エアバッグ11Aの前部11c側と同様に、供給路部14付近では、蛇腹折りして蛇腹折り部23を形成しておく。
なお、このエアバッグ11Aでは、前部11cと後部11dとの間の下縁11b側にスリット24が設けられるとともに、展開膨張完了時の前後部11c・11dの前後方向への分離を防止し、かつ、前後部11c・11dのそれぞれのロール折り時には、ロール折りを阻害しないように、可撓性を有するか、若しくは、回転可能とした連結材17が、配設されている。
また、この頭部保護エアバッグ装置M2は、エアバッグ11Aが、連結部17を備えて、また、後部11dの折り畳み方を、エアバッグ11と異ならせている他、第1実施形態のエアバッグ装置M1と同様であり、第1実施形態と同様な部材・部位には、同一の符号を付して、説明を省略する。
さらに、折り畳んだ後のエアバッグ11Aは、第1実施形態と同様に、車両に搭載することとなる。
そして、このエアバッグ装置M2では、作動時、エアバッグ11Aの前部11c側では、第1実施形態と同様に、展開膨張初期に、第1実施形態で説明した図5−1のA・Bに示すように、車内壁に設けられたシートベルトアンカー等の車内側突起物41との干渉を防止するように、車内側Iの斜め下方に展開し、その後、図5−2のCに示すように、ヘッドレスト42との干渉を防止するように、車外側Oの斜め下方向に展開して、ついで、図5−2のDに示すように、展開膨張を完了させることから、シートベントアンカーとヘッドレスト等の干渉物40があっても、円滑に、エアバッグ11Aの前部11c側を展開膨張させることができる。
一方、エアバッグ11Aの後部11d側では、内外ロール折り部位18Aの下側折り部19で、下縁11bを車内側Iに巻く内ロール折りとして、その上方の上側折り部20を下側折り部19の逆巻きの外ロール折りとしており、その内外ロール折り部位18Aの展開膨張時には、まず、図8・図9(9−1)のA・Bに示すように、上側折り部19の展開時に、外ロール折りの折りの解消に伴い、下側折り部19が、車外側Oの斜め下方に押し出されるように展開し、その後、図9(9−1・9−2)のB・C・Dに示すように、反転箇所21を越えて下側折り部19が展開すれば、内ロール折りの折りの解消に伴い、エアバッグ11Aの下縁11b側が、車内側Iの斜め下方向に押し出されるように展開する。
すなわち、エアバッグ11Aの後部11d側(内外ロール折り部位18A)では、展開膨張初期に、図9−1のA・Bに示すように、車内壁となるウインドガラス43と干渉するように、乗員Pの頭部Hから離れた車外側Oの斜め下方に展開し、その後、図9−2のCに示すように、ウインドガラス43との摩擦力を低減できるように、車内側Iの斜め下方向に展開して、ついで、図9−2のDに示すように、展開膨張を完了させることから、展開膨張初期の車内壁43との摩擦等の影響が大きく、エアバッグ11Aの後部11d側の展開速度が著しく低下させられるような場合には、エアバッグ11Aの後部11d側が、展開途中で車内壁43から離れることから、円滑に展開膨張することができる。
したがって、この第2実施形態のエアバッグ装置M2でも、展開膨張途中のエアバッグ11Aの前部11cと後部11dとを方向転換させて、種々の干渉物40との干渉を防止できて、エアバッグ11Aの円滑な展開膨張を確保することができる。
なお、エアバッグに内外ロール折り部位を部分的に設ける場合、内外ロール折り部位を除いた部位では、ロール折りや蛇腹折りの通常の折り方で、エアバッグを折り畳んでもよく、例えば、エアバッグ11Aの後部11d側を、蛇腹折りとしてもよい。さらに、エアバッグ11Bの後部11d側に、内外ロール折り部位18を設け、エアバッグ11Bの前部11c側に、内外ロール折り部位18Aを設けたり、前部11c側を、蛇腹折りや、車内側若しくは車外側に巻くロール折り等の種々の折り畳み方で、折り畳んでもよい。
また、供給路部14は、第1・2実施形態では、蛇腹折りして折り畳んだが、ロール折りで折り畳んでもよい。
さらに、エアバッグの一部に内外ロール折り部位を設ける場合、図10〜12に示す第3実施形態の頭部保護エアバッグ装置M3のように、構成してもよい。
この第3実施形態の頭部保護エアバッグ装置M3のエアバッグ11Bは、後部11dの後端の縦セル部15F(25)が、内外ロール折り部位18Aと相違した折り方としている。すなわち、このエアバッグ11Bでは、内外ロール折り部位18Aと前後方向(実施形態の場合は後方側)で隣接して、内外ロール折り部位18Aとともに膨張可能な隣接膨張部25を設けて構成し、この隣接膨張部25における反転箇所21より上方の膨張部位25aを、内外ロール折り部位18Aの上側折り部20と連通させ、かつ、反転箇所21より下方の膨張部位25bを、内外ロール折り部位18Aの下側折り部19と分離させるとともに、下側折り部19の折り方と相違した折り方で折り畳んでいる。第3実施形態のエアバッグ11Bの場合、図10・11に示すように、下方膨張部位25bは、連結材17が配設されているものの、スリット27を設けて、下側折り部19と前後方向で分離され、そして、上方膨張部位25aと共に、車外側Oに巻く外ロール折りで折り畳まれている。
なお、このエアバッグ装置M3では、エアバッグ11Bが、後端の縦セル部15Fを隣接膨張部25として、隣接膨張部25の折り畳み方を、エアバッグ11Bと異ならせている他、第2実施形態のエアバッグ装置M2と同様であり、第2実施形態と同様な部材・部位には、同一の符号を付して、説明を省略する。
さらに、折り畳んだ後のエアバッグ11Bは、第1・2実施形態と同様に、車両に搭載することとなる。
そして、このエアバッグ装置M3では、作動時、エアバッグ11Bの前部11c側の内外ロール折り部位18や、後部11d側の内外ロール折り部位18Aでは、第2実施形態のエアバッグ11Bと同様な展開膨張形態となる。
しかし、隣接膨張部25では、エアバッグ11Bの展開膨張初期において、図12のAに示すように、内外ロール折り部位18Aと同じ状態で、すなわち、下方膨張部位25bを、車外側Oの斜め下方向に突出させるように、展開する。そしてその後、反転個所21を越えた付近では、内外ロール折り部位18Aの下側折り部19における車内側Iの斜め下方向への展開(図9のB・C参照)と相違して、図12のBに示すように、エアバッグ11Bの下縁11b側を、車外側Oの斜め下方向に突出させるように、換言すれば、隣接膨張部25全体の車外側Oの斜め下方向への展開膨張を維持して、展開膨張を完了させることとなる。
したがって、このような隣接膨張部25では、ヘッドレスト41や乗員Pの頭部H等の干渉物40が、ウインドガラス43に接近しているような場合に、好適に、展開膨張できる。
なお、第3実施形態では、隣接膨張部25をエアバッグ11Bの後端に配設させた場合を示したが、エアバッグの前後方向の中間部位や、エアバッグの前端付近に配設させてもよい。また、隣接膨張部25の下方膨張部位25bは、下側折り部19と相違した折り方であれば、蛇腹折り(図11のBの括弧書き参照)等の折り方としてもよい。さらに、隣接膨張部25には、内外ロール折り部位18Aばかりでなく、内外ロール折り部位18を隣接させてもよく、あるいは、複数の折り部位18若しくは折り部位18Aの間に配設されてもよい。
さらにまた、図13に示す第4実施形態のエアバッグ11Cのように、内外ロール折り部位18・18Aとともに膨張可能な隣接膨張部を備えて構成される場合には、隣接膨張部25Aを、反転箇所21を越えた上方まで、スリット28を設けて、内外ロール折り部位18・18Aと前後方向で分離させてもよい。換言すれば、所定数の縦セル部15が、スリット28を設けて、前後方向で分離されて、少なくとも一つの縦セル部15が、内外ロール折り部位18若しくは内外ロール折り部位18Aとして、他の少なくとも一つの縦セル部15(隣接膨張部25A)が、種々の折り方で折り畳んでもよい。
第4実施形態のエアバッグ11Cの場合には、縦セル部15Aを蛇腹折りとし、縦セル部15Bを図11に示す外ロール折りとし、縦セル部15Cを図14に示すような内外ロール折り部位18とし、縦セル部15D・15Eを図15に示す内外ロール折り部位18Aとし、縦セル部15Fを図11に示す外ロール折りとして、折り畳んで、第1〜3実施形態と同様に車両に搭載する。
このような構成では、エアバッグ11Cの展開膨張初期から膨張完了まで、内外ロール折り部位18・18Aと相違させた状態で、隣接膨張部25A(縦セル部15A・15B・15F)を展開膨張させることができ、エアバッグ11Cの部位に応じて、シートベルトアンカー等の車内側突起物41やヘッドレスト42、車内壁43自体、あるいは、乗員頭部Hとの干渉に関し、一層の適切な対処が可能となる。
本発明に係る第1実施形態の頭部保護エアバッグ装置を車両に搭載した状態を示す正面図である。 第1実施形態に使用するエアバッグを平らに展開した状態を示す正面図である。 第1実施形態のエアバッグの折り畳み行程を説明する図である。 第1実施形態の車両搭載状態を示す概略部分断面図であり、図1のIV−IV部位の拡大概略断面図である。 第1実施形態の作動時の状態を説明する図である。 第1実施形態の作動時の状態を説明する図であり、図5−1の後の状態を示す。 第2実施形態の頭部保護エアバッグ装置に使用するエアバッグを平らに展開した状態を示す正面図である。 第2実施形態のエアバッグにおける後部側の折り畳み行程を説明する図である。 第2実施実施形態の車両搭載状態を示す概略部分断面図である。 第2実施形態の作動時の状態を説明する図である。 第2実施形態の作動時の状態を説明する図であり、図9−1の後の状態を示す。 第3実施形態の頭部保護エアバッグ装置に使用するエアバッグを平らに展開した状態を示す正面図である。 第3実施形態のエアバッグにおける隣接膨張部の折り畳み行程を説明する図である。 第3実施形態の作動時の状態を説明する図である。 第4実施形態の頭部保護エアバッグ装置に使用するエアバッグを平らに展開した状態を示す正面図である。 第4実施形態のエアバッグにおける所定部位の折り畳み状態を説明する図である。 第4実施形態のエアバッグにおける所定部位の折り畳み状態を説明する図である。
符号の説明
11・11A・11B・11C…エアバッグ、
11a…上縁、
11b…下縁、
18・18A…内外ロール折り部位、
19…下側折り部、
20…上側折り部、
21…反転、
25・25A…隣接膨張部、
25a…上方膨張部位、
25b…下方膨張部位、
27・28…スリット、
40…干渉物、
41…車内側突起・シートベルトアンカー、
42…ヘッドレスト、
43…車内壁・ウインドガラス、
I…車内側、
O…車外側、
W…開口、
M1・M2・M3・M4…頭部保護エアバッグ装置。

Claims (4)

  1. 車内側の開口の上縁側に折り畳まれて収納されたエアバッグが、下方へ展開膨張して、車内側の前記開口を覆う構成の頭部保護エアバッグ装置であって、
    前記エアバッグが、展開膨張完了時の下縁側を上縁側に接近させるように、下縁を前記エアバッグの展開膨張完了時における車内側若しくは車外側に巻くロール折りの部位を設けて、折り畳まれて前記開口の上縁側に収納されるとともに、
    前記ロール折りの部位が、前記下縁を車内側若しくは車外側で巻く途中に、反転させる反転箇所を備えた内外ロール折り部位として、前記反転箇所を越えた上方側では、反転箇所より下方の下側折り部の巻き方と逆巻きの車外側若しくは車内側に巻く上側折り部として、折り畳まれていることを特徴とする頭部保護エアバッグ装置。
  2. 前記内外ロール折り部位が、前記エアバッグの少なくとも一部に、配設されていることを特徴とする請求項1に記載の頭部保護エアバッグ装置。
  3. 前記エアバッグが、前記内外ロール折り部位と前後方向で隣接して、前記内外ロール折り部位とともに膨張可能な隣接膨張部を備え、
    該隣接膨張部が、反転箇所より上方の膨張部位を、前記上側折り部と連通させ、かつ、反転箇所より下方の膨張部位を、前記下側折り部と分離させるとともに、前記下側折り部の折り方と相違した折り方で折り畳んでいることを特徴とする請求項2に記載の頭部保護エアバッグ装置。
  4. 前記エアバッグが、前記内外ロール折り部位と前後方向で隣接して、前記内外ロール折り部位とともに膨張可能な隣接膨張部を備え、
    該隣接膨張部が、反転箇所を越えた上方まで、前記内外ロール折り部位と分離されていることを特徴とする請求項2に記載の頭部保護エアバッグ装置。
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