JP2005022209A - インクジェットプリンタのヘッドメンテナンス装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】記録ヘッド1のヘッド面11に弾性的に接触しながら移動することにより該ヘッド面11の清掃を行う弾性部材3と、弾性部材3に当接して該弾性部材3に付着したインクを吸収するインク吸収部材4とを有し、インク吸収部材4は、記録ヘッド1の近傍位置において弾性部材3の移動方向の下流側に配置され、その位置において、ヘッド面清掃終了後の弾性部材3がヘッド面11から離脱して弾性復帰する際の飛散インクを受け止めると共に、弾性復帰後に弾性部材3に向けて移動して当接することにより該弾性部材3に付着したインクを吸収するインクジェットプリンタのヘッドメンテナンス装置。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットプリンタのメンテナンス装置に関し、詳しくは、記録ヘッドのヘッド面を弾性部材によって清掃した後、その弾性部材が弾性復帰する際の飛散インクを受け止めることができると共に、弾性部材自体に付着するインクを残すことなく吸収することのできるインクジェットプリンタのヘッドメンテナンス装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタでは、一般にブレード等とよばれる板状の弾性部材を記録ヘッドのヘッド面に弾性的に当接して摺接することにより、ヘッド面に付着したインクを清掃するヘッドメンテナンス装置が設けられている。
【0003】
ところで、ヘッド面を清掃した直後の弾性部材には、ヘッド面からかき取られたインクが付着しており、このインクが付着したままの弾性部材で再度ヘッド面を摺接すると、かえってヘッド面を汚染してしまう問題がある。このため、従来、ヘッドメンテナンス装置にインク吸収部材を設けることにより、清掃直後の弾性部材に付着したインクをこのインク吸収部材によって吸収して除去する方法が、特許文献1〜3により提案されている。
【0004】
すなわち、特許文献1には、記録ヘッドに近接して、インク吸収面が弾性部材の往復動方向と平行となるようにインク吸収体を配設すると共に、弾性部材の側面にも、前記インク吸収体の配設側と反対側面に常時当接するインク吸収体を設けることで、弾性部材の往復動作時に弾性部材の各面に付着したインクを清掃するようにした技術が記載されている。
【0005】
また、特許文献2には、弾性部材表面に当接する部材を該弾性部材と相対的に移動するように設け、弾性部材を記録ヘッドのヘッド面に摺接させて清掃した後、該ヘッド面に対して出し入れ動作させることで、この部材によって弾性部材表面に付着したインクを清掃するようにした技術が記載されている。
【0006】
しかしながら、上記特許文献1及び2のいずれの技術も、弾性部材がヘッド面を清掃した後、該ヘッド面から離脱して弾性部材が弾性復帰する際に、弾性部材に付着したインクが周囲に飛散する問題がある。
【0007】
一方、特許文献3には、弾性部材に近接させて該弾性部材に付着したインクを吸収するためのインク吸収部材を設け、弾性部材が記録ヘッドのヘッド面を摺接して清掃した後、該ヘッド面から離脱して弾性部材が弾性復帰するよりも前に、インク吸収部材をヘッド面に対して充分前進させることにより、弾性復帰した弾性部材から飛散したインクをヘッドに対して充分突出したインク吸収部材によって吸収するようにした技術が記載されている。
【0008】
しかしながら、このものは、弾性復帰した弾性部材からの飛散インクを受け止めるために、弾性部材のヘッド面からの離脱動作に並行するようにインク吸収部材の前進動作が行われることから、メンテナンス装置の駆動系に余計に負荷が掛かってしまう。弾性部材による清掃中にメンテナンス装置の駆動系に余計に負荷が掛かると、弾性部材によるヘッド面の摺接動作が不均一となり易く、ヘッド面にインク残りが発生することにより、画像品質の低下を招くおそれがあった。
【0009】
【特許文献1】特開平6−143597号公報
【特許文献2】特開平7−17045号公報
【特許文献3】特開平7−52396号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来事情に鑑みなされたものであり、駆動系に余計に負荷を掛けることなく、記録ヘッドのヘッド面を清掃した後の弾性部材が弾性復帰する際の飛散インクを受け止めることができると共に、その弾性部材に付着したインクも残すことなく完全に吸収することのできるインクジェットプリンタのメンテナンス装置を提供することを課題とする。
【0011】
本発明の他の課題は、本明細書の以下の記載により明らかなとなる。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、記録ヘッドのヘッド面に弾性的に接触しながら移動することにより該ヘッド面の清掃を行う弾性部材と、前記弾性部材に当接して該弾性部材に付着したインクを吸収するインク吸収部材とを有するインクジェットプリンタのヘッドメンテナンス装置において、前記インク吸収部材は、前記記録ヘッドの近傍位置において前記弾性部材の移動方向の下流側に配置され、その位置において、ヘッド面清掃終了後の前記弾性部材がヘッド面から離脱して弾性復帰する際の飛散インクを受け止めると共に、弾性復帰後に前記弾性部材に向けて移動して当接することにより該弾性部材に付着したインクを吸収することを特徴とするインクジェットプリンタのヘッドメンテナンス装置である。
【0013】
請求項2記載の発明は、前記インク吸収部材は、少なくとも前記弾性部材の飛散インクを受け止める際、前記記録ヘッドに近い端部が、前記記録ヘッドに遠い端部よりも前記弾性部材の先端の動作線から遠い位置に配置されていることを特徴とする請求項1記載のインクジェットプリンタのヘッドメンテナンス装置である。
【0014】
請求項3記載の発明は、前記インク吸収部材は、前記弾性部材の弾性復帰後、該弾性部材に向けて移動する際、該弾性部材のヘッド面との接触部分及びその近傍に当接するように、そのインク吸収面が、該弾性部材の移動方向に対して斜めに配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェットプリンタのメンテナンス装置である。
【0015】
請求項4記載の発明は、前記インク吸収部材の前記弾性部材に向けた移動は、直線移動又は回転軸を中心とする回転移動であることを特徴とする請求項1、2又は3記載のインクジェットプリンタのメンテナンス装置である。
【0016】
請求項5記載の発明は、前記インク吸収部材の前記弾性部材に向けた移動は、前記弾性部材の移動により動作されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェットプリンタのヘッドメンテナンス装置である。
【0017】
請求項6記載の発明は、ヘッド面清掃終了後の前記弾性部材が前記インク吸収部材と当接する前に、該弾性部材の清掃面に当接して該清掃面に付着したインクを擦り取る摺擦部材を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェットプリンタのヘッドメンテナンス装置である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0019】
図1〜図3は、本発明に係るインクジェットプリンタのメンテナンス装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【0020】
インクジェットプリンタに装備される記録ヘッド1において、インク吐出を行う多数のノズルが開口するヘッド面11から所定の距離をおいてブレードベース2が配置され、該ブレードベース2上に上記記録ヘッド1のヘッド面11を擦ることにより清掃するためのブレード3が設けられている。
【0021】
ブレードベース2は、図示しない駆動手段によって、記録ヘッド1のヘッド面11におけるノズル配列方向(図示例では左右方向)に沿って平行に往復移動可能に設けられており、このブレードベース2上に、上記ブレード3が保持されている。
【0022】
ブレード3は、ゴム等の弾性体を板状に形成してなる本発明における弾性部材であり、その先端は記録ヘッド1のヘッド面11に向けて延び、且つその一側面である清掃面31はブレードベース2の移動方向にほぼ面するように配設されている。また、ブレード3は、記録ヘッド1がメンテナンス位置にあり、且つメンテナンス開始前の状態で、図1に示すように、記録ヘッド1のヘッド面11の直下から外れた記録ヘッド1の側方に配置されており、その先端はブレードベース2と記録ヘッド1のヘッド面11との間の距離よりも若干長く形成されている。従って、メンテナンス開始によりブレードベース2が図示しない駆動手段により図示右方向に移動すると、ブレード3の先端が記録ヘッド1のヘッド面11側の端部に当接し、変形しながらヘッド面11に弾性的に接触し、更にブレードベース2が右方向に移動することでヘッド面11を擦り、該ヘッド面11に付着しているインクをかき取るように清掃する。
【0023】
以下、本明細書では、このブレード3がヘッド面11に接触して移動することによりインクをかき取る動作のことを摺接という。
【0024】
なお、ブレード3がヘッド面11に弾性的に接触するとは、ブレード3が記録ヘッド1と接触する前の状態から、ヘッド面11に接触する際に形状の変形を生じ、更にヘッド面11から離脱した際に、記録ヘッド1と接触する前の状態にほぼ近い状態まで復元するように接触することをいう。
【0025】
記録ヘッド1の近傍位置には、かかるブレード3によるヘッド面11摺接時の移動方向の下流側にインク吸収部材4が配置されている。
【0026】
インク吸収部材4は、インクを吸収可能な材料、例えば、発泡合成樹脂等により形成された多孔質の材料によって形成されており、具体的にはカネボウ社のベルイータ(商品名)を用いることができる。
【0027】
このインク吸収部材4は、少なくともブレード3の幅(図紙面に対して垂直方向の幅)以上の幅を有しており、そのインク吸収面41をインク受け面として、その他側面42が支持部材5によって支持されている。このインク吸収部材4は、支持部材5に、例えば面ファスナ等の適宜の係着手段によって着脱可能に取り付けるようにすることで、定期的に交換可能とすることが好ましい。
【0028】
このように支持部材5によって支持された図1に示すインク吸収部材4の配置状態は、後述するように記録ヘッド1のヘッド面11を摺接し終えたブレード3が弾性復帰する際の飛散インクを受け止める初期位置であり、ここでは、その記録ヘッド1に近い端部4aが、記録ヘッド1に遠い端部4bよりもブレード3の先端の動作線A、すなわち記録ヘッド1のヘッド面11に接触するブレード3の先端が移動する際の移動経路を結ぶ線から遠い位置に配置されており、本発明において好ましい態様を示している。これにより、インク受け面となるインク吸収部材4のインク吸収面41は、初期位置において、上記動作線Aよりも記録ヘッド1側からブレード3に向けて斜めに対向するように配置され、ブレード3が弾性復帰した際の飛散インクをその位置で効果的に受け止めることができるようになっている。
【0029】
支持部材5は、インク吸収部材4を支持している支持部51の一端が軸52によって回転可能にメンテナンス装置本体に軸着されており、該軸52を中心にして支持部51と反対端に設けられたレバー53が、付勢ばね54によって図示左方向に付勢されていることにより、支持部51に支持されたインク吸収部材4のインク吸収面41を図1に示す状態に保っている。
【0030】
このレバー53の先端は、ブレードベース2の移動経路上に位置している。そして、ブレードベース2の移動方向に沿う長さは、少なくとも、該ブレードベース2の移動によって記録ヘッド1のヘッド面11を摺接し終えたブレード3が弾性復帰した直後の位置においては、そのインク吸収部材4の配設側の端部21が支持部材5のレバー53に当接していないか、又は当接しても付勢ばね54の付勢力に抗する力を及ぼしていない位置となるように設定されており、これにより、インク吸収部材4は、ブレード3が弾性復帰した直後まで、レバー53が付勢ばね54によって付勢された状態の支持部材5によって支持された図1の初期位置に維持されるようになっている。
【0031】
しかして、図1に示す状態から、ブレードベース2が図示しない駆動手段が駆動することによって図示右方向に移動すると、ブレード3の先端が記録ヘッド1の端部に当接し、更にブレードベース2の移動によって弾性変形しながらヘッド面11に接触し、該ヘッド面11をノズル配列方向に沿って摺接することによってヘッド面11に付着したインクをかき取っていく。
【0032】
ブレード3が記録ヘッド1のヘッド面11を摺接し終え、該ブレード3がヘッド面11から離脱する際、それまでヘッド面11に弾性変形しながら接触していたブレード3が弾性復帰することにより、その表面に付着していたインクが飛散する。このとき、ブレード3の移動方向の下流側にはインク吸収部材4が、そのインク吸収面41がブレード3に対して斜めに対向するように配置されているため、図2に示すように、ブレード3から飛散したインクをこのインク吸収部材4のインク吸収面41によって受け止めることができ、プリンタ内部を汚染することがない。
【0033】
この時点では、ブレードベース2の一端21は、支持部材5のレバー53に当接しておらず、又は当接していても付勢ばね54の付勢力に抗する力を及ぼしていないため、支持部材5は軸52を中心にした回転移動を行っておらず、インク吸収体4を図1、図2に示す位置に維持している。
【0034】
ブレード3が弾性復帰した後、ブレードベース2が更に図示右方向に移動すると、その端部21はレバー53に突き当たる。更に付勢ばね54の付勢力に抗してブレードベース2が図示右方向に移動すると、図3に示すように、支持部材5は、レバー53がブレードベース2の端部21に押圧されることによって、軸52を中心にして反時計方向に回転し、インク吸収部材4のインク吸収面41はブレードベース2の上面に向けて倒れこむようにして下降移動する。すなわち、インク吸収部材4のブレード3に向けた移動は、ブレード3の移動により動作される。
【0035】
このインク吸収部材4は、このようにブレード3の弾性復帰後、該ブレード3に向けて下降移動する際、ブレード3の先端からその近傍のブレード3の移動方向側に位置する清掃面31に当接するように、そのインク吸収面41が、該ブレード3の移動方向に対して斜めに配置されている。従って、やがて、インク吸収部材4はブレード3の先端のヘッド面11との接触部分に当接し、更にブレードベース2が付勢ばね54に抗して移動することによって下降することで、その近傍のブレード3の清掃面31に当接する。このブレード3の清掃面31には、ヘッド面11からかき取られたインクが付着しているが、インク吸収部材4のインク吸収面41が当接することによって残ることなく吸収され、ブレード3自体も清掃され、次回の清掃時にヘッド面11にインクを再付着させてしまうおそれはない。
【0036】
その後、記録ヘッド1はメンテナンス位置から退避し、更にその後、ブレードベース2が図示左方向に移動することで、ブレード3は図1に示す初期位置に復帰する。これによりブレードベース2の端部21によって押圧されていた支持部材5は、付勢ばね54の付勢力によって図示時計方向に回転することでインク吸収部材4を上昇させ、図1に示す初期位置に復帰させる。
【0037】
このように本発明に係るメンテナンス装置によれば、インク吸収部材4は、その初期位置において、ブレード3が記録ヘッド1のヘッド面11を完全に清掃し終えて弾性復帰した際の飛散インクを受け止め、更に弾性復帰した後にブレード3に向けて移動が開始されるため、少なくともブレード3がヘッド面11と摺接している間は、メンテナンス装置の駆動系に余計に負荷が掛かるおそれはなく、清掃時には、ブレード3によってヘッド面11を均一に清掃することが可能となる。
【0038】
また、一つのインク吸収部材4によって、弾性復帰時のブレード3からの飛散インクを受け止める機能と、弾性復帰後のブレード3表面に付着しているインクを吸収する機能との両方の機能を兼ねることができるため、メンテナンス装置の部品点数の削減化及び構造の簡素化を図ることもできる。
【0039】
更に、インク吸収部材4のブレード3に向けた移動は、ブレード3の移動により動作されるため、インク吸収部材4の移動動作に専用の駆動源や移動機構を用いる必要がなく、移動機構の簡素化、省スペース化及び低コスト化を図ることができる。
【0040】
図4〜図6は、本発明に係るインクジェットプリンタのメンテナンス装置の他の実施形態を示している。図1〜図3と同一符号は同一構成を示し、詳細な説明は省略する。
【0041】
このメンテナンス装置では、ヘッド面11清掃終了後のブレード3がインク吸収部材4と当接する前に、該ブレード3の清掃面31に当接して該清掃面に付着したインクを擦り取る摺擦部材6を有している。
【0042】
この摺擦部材6は、記録ヘッド1の近傍位置において、ヘッド面11を清掃し終えて弾性復帰した直後のブレード3の清掃面31が当接する位置に配置されている。
【0043】
従って、ブレード3は、図4に示す状態から右方向へ移動することによって記録ヘッド1のヘッド面11を摺接して清掃し、ブレード3が弾性復帰した際の飛散インクがインク吸収部材4のインク吸収面41によって受け止められた後、インク吸収部材4のインク吸収面41に当接する前に、図5に示すように、清掃面31が摺擦部材6に当接する。そして、ブレード3は更に移動することによってその清掃面31が摺擦部材6によって擦られ、該清掃面31から先端のヘッド面11との接触部分に亘ってブレード3に付着しているインクが擦り取られる。その後、ブレード3は、図6に示すようにインク吸収体4が下降移動することによって、インク吸収面41と当接し、残存しているインクが完全に吸収される。
【0044】
この摺擦部材6を設けることによって、インク吸収体4によるインク吸収に先立って、ブレード3の清掃面31に付着しているインクを予め擦り取っておくことができるため、インク吸収部材4によって吸収されるインク量を低減することができ、インク吸収部材4によるインク吸収効果を長期に亘って持続させることができるようになる。
【0045】
以上説明した各実施形態においては、インク吸収部材4のブレード3に向けた移動は、支持部材5の軸52を回転軸の中心とする回転移動であるが、これに限らず、図1や図4に示す初期位置から弾性復帰後のブレード3に向けて直線移動するものであってもよい。
【0046】
このような直線移動を行うインク吸収体を有するメンテナンス装置の一例を図7、図8に示す。図1〜図3と同一符号は同一構成を示し、詳細な説明は省略する。
【0047】
このメンテナンス装置において、インク吸収部材4を支持している支持部材5は、記録ヘッド1からのインクの吐出方向(図示例では上下方向)に沿うように延びるガイドシャフト7に、その取付け部55によってスライド移動可能に取り付けられている。
【0048】
取付け部55には、ブレードベース2に面する側面にラック55aが形成されており、ブレードベース2との間に配置されたピニオン8の大径部81と常時噛合している。ピニオン8は大径部81と同軸状の小径部82を一体に有しており、また、ブレードベース2におけるブレード3の反対面には、このピニオン8の小径部82と噛合可能なラック2aが形成されている。
【0049】
このブレードベース2とピニオン8の小径部82とは、少なくとも、該ブレードベース2の移動によって記録ヘッド1のヘッド面11を摺接し終えたブレード3が弾性復帰した直後の位置においては、未だブレードベース2のラック2aがピニオン8の小径部82と噛合していないか、又は噛合してもピニオン8を回転させるには及ばない位置となるように設定されており、これにより、インク吸収部材4は、ブレード3が弾性復帰した直後まで、支持部材5によって支持された図7の初期位置に維持されるようになっている。なお、支持部材5によるインク吸収部材4の初期位置の維持は、付勢ばね等の図示しない付勢手段によって、支持部材5をストッパ9に当接させることによって行われる。
【0050】
従って、図7に示す状態から、ブレードベース2が図示しない駆動手段が駆動することによって図示右方向に移動し、上述したと同様に記録ヘッド1のヘッド面11を摺接して清掃を行い、ブレード3がヘッド面11から離脱して弾性復帰した後、ブレードベース2が更に図示右方向に移動すると、ブレードベース2のラック2aがピニオン8の小径部82と噛合する。そして、更にブレードベース2が図示右方向に移動すると、ピニオン8が図示時計方向に回転し、その大径部81と支持部材5の取付け部55のラック55aとが噛合していることにより、図8に示すように、支持部材5はガイドシャフト7に沿って直線的に下降移動し、インク吸収部材4をブレード3に当接させる。
【0051】
以上のメンテナンス装置において、記録ヘッド1が、例えばYMCKの各色毎の複数のヘッドを、各ヘッドのノズルの配列方向と直交する方向に並べて配置されて構成されている場合、図9に示すように、一つのブレードベース2上に各ヘッド1a〜1dそれぞれに対応するようにブレード3a〜3dを設け、これに複数のブレード3a〜3dを一つのインク吸収部材4によって清掃するようにしてもよい。
【0052】
また、ブレードベース2上には、ブレード3の他に、記録ヘッド1のヘッド面11を密閉して、プリンタ休止時等にノズルからのインクの乾燥、ゴミの付着等から該ヘッド面11を保護するキャップ部材(図示せず)を設けるようにしてもよい。更に、このキャップ部材には、吸引ポンプ等の吸引手段を連結することで、ヘッド面11を密閉した際にキャップ部内を減圧することにより、ノズルからインク吸引を行う機能を兼備するようにしてもよい。
【0053】
また、インク吸収部材4は、図示したシート状のものに限らず、テープ状或いはドラム状とすることで、ブレード3に当接してこれを清掃した後に、ブレードベース2の動きに連動させて所定量巻き取り或いは所定角度回転し、常に新しいインク吸収面でブレード3の清掃を行うことができるようにしてもよい。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、駆動系に余計に負荷を掛けることなく、記録ヘッドのヘッド面を清掃した後の弾性部材が弾性復帰する際の飛散インクを受け止めることができると共に、その弾性部材に付着したインクも残すことなく完全に吸収することのできるインクジェットプリンタのメンテナンス装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェットプリンタのメンテナンス装置の一実施形態を示す概略構成図であり、弾性部材及びインク吸収部材が初期位置にある状態を示す。
【図2】インクジェットプリンタのメンテナンス装置の一実施形態を示す概略構成図であり、弾性部材が弾性復帰した直後の状態を示す。
【図3】インクジェットプリンタのメンテナンス装置の一実施形態を示す概略構成図であり、弾性部材とインク吸収部材が当接した状態を示す。
【図4】インクジェットプリンタのメンテナンス装置の他の実施形態を示す概略構成図であり、弾性部材及びインク吸収部材が初期位置にある状態を示す。
【図5】インクジェットプリンタのメンテナンス装置の他の実施形態を示す概略構成図であり、弾性部材が摺擦部材と当接した状態を示す。
【図6】インクジェットプリンタのメンテナンス装置の他の実施形態を示す概略構成図であり、弾性部材とインク吸収部材が当接した状態を示す。
【図7】インクジェットプリンタのメンテナンス装置の更に他の実施形態を示す概略構成図であり、弾性部材及びインク吸収部材が初期位置にある状態を示す。
【図8】インクジェットプリンタのメンテナンス装置の更に他の実施形態を示す概略構成図であり、弾性部材とインク吸収部材が当接した状態を示す。
【図9】ブレードの他の実施形態を示す平面図
【符号の説明】
1、1a〜1d:記録ヘッド
11:ヘッド面
2:ブレードベース
21:端部
2a:ラック
3、3a〜3d:ブレード(弾性部材)
31:清掃面
4:インク吸収部材
4a:記録ヘッドに近い端部
4b:記録ヘッドに遠い端部
41:インク吸収面
42:他側面
5:支持部材
51:支持部
52:軸
53:レバー
54:付勢ばね
55:取付け部
55a:ラック
6:摺擦部材
7:ガイドシャフト
8:ピニオン
81:大径部
82:小径部
9:ストッパ
A:弾性部材の先端の動作線
Claims (6)
- 記録ヘッドのヘッド面に弾性的に接触しながら移動することにより該ヘッド面の清掃を行う弾性部材と、前記弾性部材に当接して該弾性部材に付着したインクを吸収するインク吸収部材とを有するインクジェットプリンタのヘッドメンテナンス装置において、
前記インク吸収部材は、前記記録ヘッドの近傍位置において前記弾性部材の移動方向の下流側に配置され、その位置において、ヘッド面清掃終了後の前記弾性部材がヘッド面から離脱して弾性復帰する際の飛散インクを受け止めると共に、弾性復帰後に前記弾性部材に向けて移動して当接することにより該弾性部材に付着したインクを吸収することを特徴とするインクジェットプリンタのヘッドメンテナンス装置。 - 前記インク吸収部材は、少なくとも前記弾性部材の飛散インクを受け止める際、前記記録ヘッドに近い端部が、前記記録ヘッドに遠い端部よりも前記弾性部材の先端の動作線から遠い位置に配置されていることを特徴とする請求項1記載のインクジェットプリンタのヘッドメンテナンス装置。
- 前記インク吸収部材は、前記弾性部材の弾性復帰後、該弾性部材に向けて移動する際、該弾性部材のヘッド面との接触部分及びその近傍に当接するように、そのインク吸収面が、該弾性部材の移動方向に対して斜めに配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェットプリンタのメンテナンス装置。
- 前記インク吸収部材の前記弾性部材に向けた移動は、直線移動又は回転軸を中心とする回転移動であることを特徴とする請求項1、2又は3記載のインクジェットプリンタのメンテナンス装置。
- 前記インク吸収部材の前記弾性部材に向けた移動は、前記弾性部材の移動により動作されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェットプリンタのヘッドメンテナンス装置。
- ヘッド面清掃終了後の前記弾性部材が前記インク吸収部材と当接する前に、該弾性部材の清掃面に当接して該清掃面に付着したインクを擦り取る摺擦部材を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェットプリンタのヘッドメンテナンス装置。
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