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JP2005091852A - 感光性組成物およびそれを用いて形成したフォトスペーサを有するカラーフィルタ - Google Patents

感光性組成物およびそれを用いて形成したフォトスペーサを有するカラーフィルタ Download PDF

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JP2005091852A JP2003325980A JP2003325980A JP2005091852A JP 2005091852 A JP2005091852 A JP 2005091852A JP 2003325980 A JP2003325980 A JP 2003325980A JP 2003325980 A JP2003325980 A JP 2003325980A JP 2005091852 A JP2005091852 A JP 2005091852A
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一茂 北澤
Hiromitsu Ito
浩光 伊藤
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瑞仁 谷
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Abstract

【課題】 柔軟で塑性変形量の小さい優れた弾性特性を有するフォトスペーサの形成が可能であるフォトスペーサ用感光性樹脂組成物およびそのようなフォトスぺーサを有するカラーフィルタの提供を課題とする。
【解決手段】 液晶表示装置を構成するカラーフィルタ側基板もしくはTFT側基板にフォトスペーサを形成する際に用いる、アルカリ可溶性樹脂、光重合開始剤、重合性モノマーを主成分とするフォトスペーサ用感光性樹脂組成物であって、該アルカリ可溶性樹脂の主鎖に環状構造を有することを特徴とする。アルカリ可溶性樹脂の主鎖の環状構造が脂環式炭化水素構造、芳香環構造、あるいは複素環構造であること、更には、N−置換マレイミドと酸性官能基を有するモノマーを含む共重合体であることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、液晶表示装置に用いるフォトスペーサ形成用の材料として好適な感光性樹脂組成物およびそれを有するカラーフィルタに関する。
従来、液晶表示装置技術においては、カラーフィルタ側基板と薄膜トランジスタ(TFT)側基板の両基板間に液晶層の厚みを保つために、スペーサと呼ばれるガラス又は樹脂製の透明球状体粒子(ビーズ)をセル内部に散布している。このスペーサは透明な粒子であることから、画素内に液晶と一緒にスペーサが入っていると、黒色表示時にスペーサ粒子を介して光が漏れてしまい、また、液晶が封入されている両基板間にスペーサ粒子が存在することによって、スペーサ粒子近傍の液晶分子の配向が乱され、この部分で光漏れを生じ、液晶表示装置のコントラストが低下し表示品質に悪影響を及ぼすといった問題を有している。また、例えば、強誘電性液晶のように、両基板間の間隔(液晶層の厚み)が狭い液晶表示装置においては、このスペーサ粒子を用いて両基板間の間隔を均一に精度よく保つことは困難なことである。
このような問題を解決する技術として、例えば、感光性樹脂を用い、部分的なパターン露光、現像というフォトリソグラフィー法により、所望の位置、例えば、画素間に位置する格子パターン状のブラックマトリクス上に、柱状の樹脂製スペーサを形成する方法が提案されている。このようなスペーサを以下フォトスペーサという。このフォトスペーサは、画素を避けた位置に形成できるので、上記のような表示品質に悪影響を及ぼすことがなくなり、表示品質の向上が望める。
一方、近年、LCD製造のためのマザーガラスが大きくなるに従い、従来の液晶流入方法(真空吸引方式)に代わって滴下方式(ODF:One Drop Fill)が提案されている。ODFでは、所定量の液晶を滴下した後、基板で挟持することによって液晶を注入するため、従来の真空吸引方式に比べ、工程数および工程時間の短縮が可能である。しかしながら、ODF方式においては、セルギャップから計算して見積もった所定量の液晶を滴下し、狭持するため、その際に掛かる面内での微妙な圧力差に影響しないような弾性特性を有することがフォトスペーサに対して望まれる。
すなわち、柔軟で塑性変形の小さなフォトスペーサが要求される。このような特性を持たないフォトスペーサではパネル作製持に液晶中に気泡が生じたり、セルギャップが均一にならずに液晶表示装置としては表示品質が劣化し、例えば、色むらが顕著なものとなってしまう等の不具合が生じる。このような不具合を解決する特性を有するフォトスペーサを形成する材料として、全固形分中のモノマー量を50〜70%にすること、あるいはレジスト組成物の構成をポリマー、多環式化合物含有樹脂を用いることによって改良を図っている(特許文献1参照)。しかしながら、モノマー成分を多くするとタック性が強く、量産に当たって異物等が付着しやすい等の理由により歩留まり低下の原因になり好ましくない。また、多環式化合物含有樹脂とその他のポリマーの混合では相溶性との問題で使用できる樹脂の組み合わせが限られてしまうことが懸念される。
特開2002−174812号
本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、柔軟で塑性変形量の小さい優れた弾性特性を有するフォトスペーサの形成が可能であるフォトスペーサ用感光性樹脂組成物およびそのようなフォトスぺーサを有するカラーフィルタの提供を課題とする。
本発明はかかる課題を解決するものであり、液晶表示装置を構成するカラーフィルタ側基板もしくはTFT側基板にフォトスペーサを形成する際に用いる、アルカリ可溶性樹脂、光重合開始剤、重合性モノマーを主成分とするフォトスペーサ用感光性樹脂組成物であって、該アルカリ可溶性樹脂の主鎖に環状構造を有することを特徴とするフォトスペーサ用感光性樹脂組成物である。
また、本発明は、上記発明によるフォトスペーサ用感光性樹脂組成物において、前記アルカリ可溶性樹脂の主鎖の環状構造が脂環式炭化水素構造、芳香環構造、あるいは複素環構造であることを含むものである。
また、本発明は、上記発明によるフォトスペーサ用感光性樹脂組成物において、前記アルカリ可溶性樹脂が少なくともN−置換マレイミドと酸性官能基を有するモノマーを含む共重合体であることを特徴とするフォトスペーサ用感光性樹脂組成物である。
また、本発明は、上記のN−置換マレイミドがN−フェニルマレイミドあるいはN−シクロヘキシルマレイミドであることを含むものである。
また、本発明は、上記発明によるフォトスペーサ用感光性樹脂組成物中に、粒径が100nm以下の微粒子を含有することを特徴とするフォトスペーサ用感光性樹脂組成物である。
更には、透明基板上に所定のパターンで形成された複数の着色層と、その上にパネル作製時に一定のセルギャップを保持する為に形成されたフォトスペーサを有するカラーフィルタにおいて、上記発明によるフォトスペーサ用感光性樹脂組成物によって形成されたことを特徴とするカラーフィルタである。
本発明は、液晶表示装置を構成するカラーフィルタ側基板もしくはTFT側基板にフォトスペーサを形成する際に用いる、アルカリ可溶性樹脂、光重合開始剤、重合性モノマーを主成分とし、該アルカリ可溶性樹脂の主鎖に環状構造を有することを特徴とする感光性樹脂組成物であり、優れた弾性特性を有するフォトスペーサを形成することができる。
以下に本発明によるフォトスペーサ用感光性樹脂組成物およびそれを用いて形成したフォトスペーサを有するカラーフィルタについて、その実施形態に基づいて詳細に説明する。
フォトリソグラフィー法によってフォトスペーサを形成する際の現像は、有機溶剤を用いても構わないが、環境的な配慮から水あるいはアルカリ水溶液を用いることが好ましい。しかし、水現像では用いる樹脂の親水性が高いために作製したフォトスペーサの耐水性が弱いなどの欠点を有する。従って、一般的にはアルカリ水溶液によって行われ、それに適した樹脂および感光性材料組成にするのが一般的である。
アルカリ水溶液には、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩の水溶液、ヒドロキシテトラメチルアンモニウム、ヒドロキシテトラエチルアンモニウムなどの有機塩の水溶液を用いることができる。これらを単独または2種以上組み合わせて用いてもよい。また、このようなアルカリ現像可能な感光性材料は、一般にアルカリ可溶性樹脂、重合性モノマー、光重合開始剤を主成分とする組成に、必要に応じてレベリング剤、溶剤、連鎖移動剤、重合禁止剤、粘度調整剤などの添加剤を加えて調整することができる。
本発明における主鎖に脂環式炭化水素構造あるいは芳香環構造のような環状構造を有するアルカリ可溶性樹脂とは、以下の化学構造式(化1)から(化6)等で示される芳香環含有エポキシ系樹脂、脂環式炭化水素含有エポキシ系樹脂、ノボラック系樹脂などに、有機酸を反応させエポキシ基を開環させた後、酸無水物と反応させてモノエステル化してアルカリ可溶性にしたものを挙げることができる。
但し、mは0以上の整数を、nは1以上の整数を、R〜RおよびR13はそれぞれ独立にHまたはCHあるいはハロゲン原子を意味する。また、R〜R12は、それぞれ独立にHまたはCHを示す。さらに、Eは下記(化7)で示される結合基を意味する。但し、mは0以上の整数を、nは1以上の整数を、R17はHまたはCHあるいはハロゲン原子を意味する。
これらは、エポキシ基の開環を行う際に、有機酸として(メタ)アクリル酸を用いることによって側鎖に重合性二重結合を導入することができる。これによって、感光性材料とした時に感度を高くすることも可能である。
また、下記構造式(化8)、(化9)、(化10)あるいは(化11)等で示されるようなカルド系化合物、ビスフェノールA系化合物や水添ビスフェノールA系化合物などに酸無水物を反応させることによって本発明で用いることができる芳香環含有樹脂を得ることができる。
但し、nは1以上の整数を、R14、R15、R18またはR19はそれぞれ独立にHまたはCHを意味する。また、R16またはR17は、それぞれ独立にH、CHまたはハロゲン原子を示す。
また、本発明における主鎖に複素環構造を有するアルカリ可溶性樹脂とは、特に制限はないがN−置換マレイミドと酸性官能基を有するモノマーを含む共重合体が特性的に良好である。N−置換マレイミドとしてはシクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、n−ブチルマレイミド、ラウリルマイレミド等がある。中でも、シクロヘキシルマレイミドあるいはフェニルマレイミドが、基板との密着性、現像性、弾性特性等の点においても良好であることから特に好ましい。さらに、本発明における酸基を有するモノマーとしては分子中に少なくとも1個以上のカルボン酸を有するアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、ビニル安息香酸または(メタ)アクリル酸のカプロラクトン付加物、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに無水フタル酸などの酸無水物を付加させたものなどが挙げられるが、感度の面で特にアクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
また、その他の特性を調整する為に、第3成分のコモノマーを用いて3元あるいはそれ以上の多元共重合体としてもよい。そのようなコモノマーとしては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、エトキシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ベンジルアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ヒドロキシメチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ビニルアセテート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、N−ビニルピロリドン、プロピルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート等が挙げられるが、この限りではなく、共重合可能であれば使用することができる。
また、本発明で使用する重合性モノマーとしては、エチレン性不飽和二重結合を分子内に少なくとも1個有する化合物であり、光重合開始剤の光分解で生じる活性種によって重合する物質であり、1官能であるビニルモノマーの他に多官能ビニルモノマーを含むものであり、またこれらの混合物であってもよい。また、エチレン性不飽和二重結合を有するダイマーやオリゴマーを含むものである。具体的には、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の高沸点ビニルモノマー、さらには、脂肪族ポリヒドロキシ化合物、例えば、エチレングルコール、ジエチレングルコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトールなどのジあるいはポリ(メタ)アクリル酸エステル類等やジメチロールトリシクロデカンモノアクリレートやジメチロールトリシクロデカンジアクリレート等の脂環式モノマーや、芳香族ポリヒドロキシ化合物、例えばヒドロキノン、レゾルシン、カテコール、ピロガロール、ビスフェノールA等のジあるいはポリ(メタ)アクリル酸エステル、イソシアヌル酸のエチレンオキシド変性(メタ)アクリル酸エステルなどを挙げられるが、これらに限定されるものではない。この内常圧で沸点が100℃以上であるものがより好ましい。また、これらは必要に応じて2種類以上を混合して用いても構わない。
また、本発明においては、光照射によりエチレン性不飽和二重結合を分子内に少なくとも1個有する重合性モノマーの重合反応を開始させる活性種を発生する光重合開始剤を含有する。このような光重合発生剤としては、tert-ブチルペルオキシ-iso-ブタレ−ト、2,5-ジメチル-2,5-ビス(ベンゾイルジオキシ)ヘキサン、1,4-ビス[α-(tert-ブチルジオキシ)-iso-プロポキシ]ベンゼン、ジ-tert-ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ビス(tert-ブチルジオキシ)ヘキセンヒドロペルオキシド、α-(iso-プロピルフェニル)-iso-プロピルヒドロペルオキシド、2,5-ビス(ヒドロペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキサン、tert-ブチルヒドロペルオキシド、1,1-ビス(tert-ブチルジオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、ブチル-4,4-ビス(t-ブチルジオキシ)バレレ−ト、シクロヘキサノンペルオキシド、2,2',5,5'-テトラ(tert-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3',4,4'-テトラ(tert-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3',4,4'-テトラ(tert-アミルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3',4,4'-テトラ(tert-ヘキシルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3'-ビス(tert-ブチルペルオキシカルボニル)-4,4'-ジカルボキシベンゾフェノン、tert-ブチルペルオキシベンゾエ−ト、ジ-tert-ブチルジペルオキシイソフタレ−トなどの有機過酸化物や、9,10-アンスラキノン、1-クロロアンスラキノン、2-クロロアンスラキノン、オクタメチルアンスラキノン、1,2-ベンズアンスラキノンなどのキノン類や、ベンゾインメチル、ベンゾインエチルエーテル、α-メチルベンゾイン、α-フェニルベンゾインなどのベンゾイン誘導体などを挙げることができる。さらに、本発明で使用することのできる光重合開始剤としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のIrgacure651、184、1173、907、369、819、CGI124やBASF社製のTPO、日本化薬(株)製のKayacure DTEX、あるいは4,4‘-ジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’-ジメチルアミノベンゾフェノンのようなベンゾフェノン類の他に、ビイミダゾール化合物、トリアジン化合物などを挙げることができる。
本発明においては、さらに100nm以下の微粒子を添加することによって特性を向上することができる。使用することができる微粒子としてはAl、TiO、Fe、ZnO、CeO、Y、Mn、SiOなどの真球状、球状、多面体形状のものを挙げることができるがこの限りではない。
以下に実施例をもってより詳細に本発明を説明するが、この内容に限定されるものではない。
[樹脂の合成]
(樹脂1)
1リットル容の5つ口フラスコに、シクロヘキサノン200g、N−シクロヘキシルマレイミド30g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート30g、メタアクリル酸20g、ブチルメタクリレート20gを仕込み、窒素雰囲気下でアゾビスイソブチロニトリル1.0gを添加し80〜85℃で8時間反応させた。次いで、イソシアネートエチルメタクリレート7g、オクチル酸スズ0.03gをシクロヘキサン10gで溶解したものを約10分で滴下し、滴下後80〜85℃で30分反応させて側鎖に重合性のメタクリロイル基を有する樹脂溶液を合成した。さらに、この樹脂の不揮発分が20重量%となるようにシクロヘキサンノンで調製し、樹脂1の溶液を得た。
(樹脂2)
1リットル容の5つ口フラスコに、N−シクロヘキシルマレイミド30g、メタクリル酸20g、2-ヒドロキシエチルメタクリレート15g、ブチルメタクリレート20g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200gを仕込み、窒素雰囲気下でAIBN1.0gを添加し、80〜85℃で8時間反応させた。さらに、この樹脂の不揮発分が20重量%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで調製し、樹脂2の溶液を得た。
(樹脂3)
1リットル容の5つ口フラスコに、ビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテル250gとビフェニルテトラカルボン酸二無水物72g、無水フタル酸10g、及びテトラエチルアンモニウムブロミド2g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート350gを仕込み、115〜120℃で20時間反応させた。さらに、この樹脂の不揮発分が30重量%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで調製し、樹脂3の溶液を得た。
(樹脂4)
1リットル容の5つ口フラスコに、EPPN-501H(日本化薬(株)製、エポキシ当量168)165g、アクリル酸70g、メトキノン0.05g、及びテトラエチルアンモニウムブロミド2g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート300gを仕込み、95〜100℃で30時間反応させた。次いで、更に無水フタル酸45gを仕込み、95〜100℃で20時間反応させた。さらに、この樹脂の不揮発分が30重量%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで調製し、樹脂4の溶液を得た。
(樹脂5)
1リットル容の5つ口フラスコに、EPPN-201(日本化薬(株)製、エポキシ当量190)200g、アクリル酸75g、メトキノン0.05g及びテトラエチルアンモニウムブロミド2g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート280gを仕込み、95〜100℃で30時間反応させた。次いで、更に無水フタル酸50gを仕込み、95〜100℃で20時間反応させた。さらに、この樹脂の不揮発分が30重量%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで調製し、樹脂5の溶液を得た。
(溶液6)
1リットル容の5つ口フラスコに、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量170)180g、アクリル酸75g、メトキノン0.05g、及びテトラエチルアンモニウムブロミド2g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート300gを仕込み、95〜100℃で30時間反応させた。次いで、更に無水フタル酸45gを仕込み、95〜100℃で20時間反応させた。さらに、この樹脂の不揮発分が30重量%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで調製し、樹脂6の溶液を得た。
(溶液7)
1リットル容の5つ口フラスコに、n-ブチルメタクリレート70g、メタクリル酸20g、2-ヒドロキシエチルメタクリレート20g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート300gを仕込み、窒素雰囲気下でAIBN2gを添加し、80〜85℃で8時間反応させた。さらに、この樹脂の不揮発分が20重量%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで調製し、樹脂7の溶液を得た。
(溶液8)
1リットル容の5つ口フラスコに、n-ブチルメタクリレート50g、メチルメタクリレート15g、メタクリル酸20g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート300gを仕込み、窒素雰囲気下でAIBN2gを添加し、80〜85℃で8時間反応させた。さらに、この樹脂の不揮発分が20重量%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで調製し、樹脂8の溶液を得た。
(フォトスペーサ作製用感光性組成物の調整)
下表に示すように固形分重量でアルカリ可溶性樹脂100重量部、重合性モノマー100重量部、および光重合開始剤14重量部に、レジスト中の固形分が30重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈した。
[着色材料作製]
カラーフィルタ作製に用いる着色材料を着色する着色剤には以下のものを使用した。
赤色用顔料:C.I. Pigment Red 254(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガーフォーレッド B−CF」)およびC.I. Pigment Red 177(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「クロモフタールレッド A2B」)
緑色用顔料:C.I. Pigment Green 36(東洋インキ製造製「リオノールグリーン 6YK」)、およびC.I. Pigment Yellow 150(バイエル社製「ファンチョンファーストイエロー Y−5688」)
青色用顔料:C.I. Pigment Blue 15(東洋インキ製造製「リオノールブルーES」)C.I. Pigment Violet 23(BASF社製「パリオゲンバイオレット 5890」)
それぞれの顔料を用いて赤色・緑色・青色の着色材料を作製した。
・赤色着色材料
下記組成の混合物を均一に攪拌混合した後、直径1mmのガラスビースを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過して赤色顔料の分散体を作製した。
赤色顔料:C.I. Pigment Red 254 18重量部
赤色顔料:C.I. Pigment Red 177 2重量部
アクリルワニス(固形分20%) 108重量部
その後、下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5μmのフィルターで濾過して赤色着色材料を得た。
上記分散体 150重量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 13重量部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光開始剤 3重量部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「Irgacure907」)
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 1重量部
シクロヘキサノン 253重量部
・緑色着色材料
組成がそれぞれ下記組成となるように,赤色着色材料と同様の方法で作製した。
緑色顔料:C.I. Pigment Green 36 16重量部
黄色顔料:C.I. Pigment Yellow 150 8重量部
アクリルワニス(固形分20%) 102重量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 14重量部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光開始剤 4重量部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「Irgacure907」)
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 2重量部
シクロヘキサノン 257重量部
・青色着色材料
組成がそれぞれ下記組成となるように,赤色着色材料と同様の方法で作製した。
青色顔料:C.I. Pigment Blue 15 50重量部
紫色顔料:C.I. Pigment Violet 23 2重量部
分散剤(ゼネカ社製「ソルスバーズ20000」) 6重量部
アクリルワニス(固形分20%) 200重量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 19重量部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光開始剤 4重量部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「Irgacure907」)
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 2重量部
シクロヘキサノン 214重量部
[着色層形成および透明導電膜形成]
得られた着色材料を用いて着色層を形成した。
ガラス基板に、赤色着色材料をスピンコートにより仕上り膜厚が1.8μmとなるように塗布した。90℃5分間乾燥の後、着色層形成用のストライプ状フォトマスクを通して高圧水銀灯の光を300mJ/cm照射し、アルカリ現像液にて60秒間現像して、ストライプ形状の赤色の着色層を得た。その後、230℃30分焼成した。
次に、緑色着色材料も同様にスピンコートにより仕上り膜厚が1.8μmとなるように塗布した。90℃5分間乾燥した後、前述の赤色着色層と隣接した位置にパターンが形成されるようにフォトマスクを通して露光し現像することで、緑色着色層を得た。その後、230℃30分焼成した。
さらに、赤色、緑色と全く同様にして、青色着色材料についても仕上り膜厚が1.8μmで赤色、緑色の着色層と隣接した青色着色層を得た。これで、透明基板上に赤、緑、青3色のストライプ状の着色層を持つカラーフィルタが得られた。その後、230℃30分焼成した。なお、アルカリ現像液は以下の組成からなる。
炭酸ナトリウム 1.5重量%
炭酸水素ナトリウム 0.5重量%
陰イオン系界面活性剤(花王・ペリレックスNBL) 8.0重量%
水 90重量%
このカラーフィルタに酸化インジウム−スズ(ITO)を一般的なスパッタリング法により1500オングストローム形成した。
[フォトスペーサの形成]
フォトスペーサ形成用感光性組成物Aを上述のITO付きカラーフィルタ上に仕上り膜厚が4μmになるようにスピンコートし、90℃で5分間乾燥した。フォトスペーサ形成用のフォトマスクを通して高圧水銀灯の光を150mJ/cm照射した。尚、フォトマスクと基板との間隔(露光ギャップ)は100μmで露光した。その後、カラーフィルタの作製と同様の現像液を用いて、現像をした。水洗を施したのち、230℃30分ポストベークしてフォトスペーサをカラーフィルタ上に形成した。フォトスペーサの上底面積は150μm2、下底面積は400μmであった。
[フォトスペーサの弾性測定]
上記のようにして得られたフォトスペーサの弾性特性を島津製作所(株)製ダイナミック超微少硬度計DUH−200によって評価した。弾性特性は、φ50μmの平坦圧子を用い、1μmまで変形するように一定の速度で圧力を掛け、1秒間保持した後、一定の速度で圧力を開放したときの塑性変形量によって判断した。感光性樹脂組成物Aを用いて形成したフォトスペーサの組成変形量は0.16μmと良好な結果が得られた。
感光性樹脂組成物Aの代わりに表中に示した感光性樹脂組成物Bを用いる以外は実施例1と同様にしてITO付きカラーフィルタ上にフォトスペーサを形成した。尚、フォトスペーサの形状を実施例1と同等にするため、露光ギャップ100μm、露光量は150mJで行った。作製したフォトスペーサ−を実施例1と同様の方法で評価した結果、その塑性変形量は0.17μmであった。
感光性樹脂組成物Aの代わりに表中に示した感光性樹脂組成物Cを用いる以外は実施例1と同様にしてITO付きカラーフィルタ上にフォトスペーサを形成した。尚、フォトスペーサの形状を実施例1と同等にするため、露光ギャップ150μm、露光量は100mJで行った。作製したフォトスペーサ−を実施例1と同様の方法で評価した結果、その塑性変形量は0.15μmであった。
感光性樹脂組成物Aの代わりに表中に示した感光性樹脂組成物Dを用いる以外は実施例1と同様にしてITO付きカラーフィルタ上にフォトスペーサを形成した。尚、フォトスペーサの形状を実施例1と同等にするため、露光ギャップ100μm、露光量は150mJで行った。作製したフォトスペーサ−を実施例1と同様の方法で評価した結果、その塑性変形量は0.17μmであった。
感光性樹脂組成物Aの代わりに表中に示した感光性樹脂組成物Eを用いる以外は実施例1と同様にしてITO付きカラーフィルタ上にフォトスペーサを形成した。尚、フォトスペーサの形状を実施例1と同等にするため、露光ギャップ100μm、露光量は100mJで行った。作製したフォトスペーサ−を実施例1と同様の方法で評価した結果、その塑性変形量は0.17μmであった。
感光性樹脂組成物Aの代わりに表中に示した感光性樹脂組成物Fを用いる以外は実施例1と同様にしてITO付きカラーフィルタ上にフォトスペーサを形成した。尚、フォトスペーサの形状を実施例1と同等にするため、露光ギャップ100μm、露光量は150mJで行った。作製したフォトスペーサ−を実施例1と同様の方法で評価した結果、その塑性変形量は0.16μmであった。
感光性樹脂組成物Aの代わりに表中に示した感光性樹脂組成物Gを用いる以外は実施例1と同様にしてITO付きカラーフィルタ上にフォトスペーサを形成した。尚、フォトスペーサの形状を実施例1と同等にするため、露光ギャップ100μm、露光量は100mJで行った。作製したフォトスペーサ−を実施例1と同様の方法で評価した結果、その塑性変形量は0.18μmであった。
感光性樹脂組成物Aの代わりに表中に示した感光性樹脂組成物Hを用いる以外は実施例1と同様にしてITO付きカラーフィルタ上にフォトスペーサを形成した。尚、フォトスペーサの形状を実施例1と同等にするため、露光ギャップ100μm、露光量は100mJで行った。作製したフォトスペーサ−を実施例1と同様の方法で評価した結果、その塑性変形量は0.18μmであった。
感光性樹脂組成物Aの代わりに表中に示した感光性樹脂組成物Iを用いる以外は実施例1と同様にしてITO付きカラーフィルタ上にフォトスペーサを形成した。尚、フォトスペーサの形状を実施例1と同等にするため、露光ギャップ100μm、露光量は100mJで行った。作製したフォトスペーサ−を実施例1と同様の方法で評価した結果、その塑性変形量は0.17μmであった。
感光性樹脂組成物Aの代わりに表中に示した感光性樹脂組成物Eを用いる以外は実施例1と同様にしてITO付きカラーフィルタ上にフォトスペーサを形成した。尚、フォトスペーサの形状を実施例1と同等にするため、露光ギャップ100μm、露光量は150mJで行った。作製したフォトスペーサ−を実施例1と同様の方法で評価した結果、その塑性変形量は0.17μmであった。
感光性樹脂組成物Aに樹脂1に対して20wt%の真球状SiO(平均粒子径25nm)を添加する以外は実施例1と同様にしてITO付きカラーフィルタ上にフォトスペーサを形成した。尚、フォトスペーサの形状を実施例1と同等にするため、露光ギャップ100μm、露光量は100mJで行った。作製したフォトスペーサ−を実施例1と同様の方法で評価した結果、その塑性変形量は0.11μmであった。
感光性樹脂組成物Aに樹脂1に対して20wt%の真球状TiO(平均粒子径30nm)を添加する以外は実施例1と同様にしてITO付きカラーフィルタ上にフォトスペーサを形成した。尚、フォトスペーサの形状を実施例1と同等にするため、露光ギャップ100μm、露光量は100mJで行った。作製したフォトスペーサ−を実施例1と同様の方法で評価した結果、その塑性変形量は0.10μmであった。
[比較例1]
実施例1において樹脂1の代わり樹脂7を用いて感光性組成物を調整した。その他は、実施例1と同様にしてITO付きカラーフィルタ上にフォトスペーサを形成した。尚、フォトスペーサの形状を実施例1と同等にするため、露光ギャップ100μm、露光量は150mJで行った。作製したフォトスペーサ−を実施例1と同様の方法で評価した結果、その塑性変形量は0.37μmであった。
[比較例2]
実施例1において樹脂1の代わり樹脂8を用いて感光性組成物を調整した。その他は、実施例1と同様にしてITO付きカラーフィルタ上にフォトスペーサを形成した。尚、フォトスペーサの形状を実施例1と同等にするため、露光ギャップ100μm、露光量は150mJで行った。作製したフォトスペーサ−を実施例1と同様の方法で評価した結果、その塑性変形量は0.38μmであった。

Claims (8)

  1. 液晶表示装置を構成するカラーフィルタ側基板もしくはTFT側基板にフォトスペーサを形成する際に用いる、アルカリ可溶性樹脂、光重合開始剤、重合性モノマーを主成分とするフォトスペーサ用感光性樹脂組成物であって、該アルカリ可溶性樹脂の主鎖に環状構造を有することを特徴とするフォトスペーサ用感光性樹脂組成物。
  2. 前記アルカリ可溶性樹脂の主鎖に脂環式炭化水素構造を有することを特徴とする請求項1記載のフォトスペーサ用感光性樹脂組成物。
  3. 前記アルカリ可溶性樹脂の主鎖に芳香環構造を有することを特徴とする請求項1記載のフォトスペーサ用感光性樹脂組成物。
  4. 前記アルカリ可溶性樹脂の主鎖に複素環構造を有することを特徴とする請求項1記載のフォトスペーサ用感光性樹脂組成物。
  5. 前記アルカリ可溶性樹脂が少なくともN−置換マレイミドと酸性官能基を有するモノマーを含む共重合体であることを特徴とする請求項4記載のフォトスペーサ用感光性樹脂組成物。
  6. N−置換マレイミドがN−フェニルマレイミドあるいはN−シクロヘキシルマレイミドであることを特徴とする請求項5記載のフォトスペーサ用感光性樹脂組成物。
  7. 粒径が100nm以下の微粒子を含有することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のフォトスペーサ用感光性樹脂組成物。
  8. 透明基板上に所定のパターンで形成された複数の着色層と、その上にパネル作製時に一定のセルギャップを保持する為に形成されたフォトスペーサを有するカラーフィルタにおいて、該フォトスペーサが請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のフォトスペーサ用感光性樹脂組成物で形成されたことを特徴とするカラーフィルタ。
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