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JP2005088308A - 熱変色性可逆的隠顕機能を備えた筆記具 - Google Patents

熱変色性可逆的隠顕機能を備えた筆記具 Download PDF

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勝幸 藤田
Akira Yamada
亮 山田
Yoko Tsuchiya
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Abstract

【課題】 印刷像又は筆記像を覆う可逆熱変色性隠蔽性筆跡層を形成して、前記像の常温域における視覚を妨げることができ、前記筆跡像を摩擦体の擦過による摩擦熱で変色させることにより前記像を可視状態に顕出させる、熱変色性可逆的隠顕機能を備えた、学習、メモ用等に有効な筆記具を提供する。
【解決手段】 30〜80℃の範囲に高温側完全変色温度を有する、特定の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の10〜45重量%を水性媒体に分散させたインキにより、発色時の色濃度の明度値が少なくとも4.5以下、摩擦熱による変色状態の明度値が少なくとも5.0以上である筆跡を形成し、前記筆跡の摩擦体を備えてなる、熱変色性可逆的隠顕機能を備えた筆記具を構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は熱変色性可逆的隠顕機能を備えた筆記具に関する。詳細には、印刷像又は筆記像を覆う可逆熱変色性隠蔽性筆跡層を形成して、前記像の常温域における視覚を妨げることができ、前記筆跡層を摩擦体の擦過による摩擦熱で変色させることにより前記像を可視状態に顕出させる、熱変色性可逆的隠顕機能を備えた筆記具に関する。
従来より、教科書や英単語辞書等における、文章、語句、数字等の適宜箇所を蛍光性筆跡で修飾して識別性を付与し、暗記、学習等に供する蛍光性マーカーが市販されている。
熱変色性筆跡を形成して、識別性を付与させる筆記具に関しては、幾つかの提案が開示されている。
特開2001−207104号公報 特開2003−206432号公報
前記蛍光性マーカーによる蛍光性筆跡による修飾の系は、識別性を付与することができるとしても、文章や語句等は可視できる状態にあり、暗記、学習効果を必ずしも満足させていない。
又、従来の熱変色性筆跡を形成する筆記具により、熱変色性隠蔽層を形成したとしても、下層の印刷像の隠蔽効果を満足させない。
本発明は、印刷像又は筆記像を覆う隠蔽層を筆跡により形成して、前記像の常温域における視覚を妨げることができ、前記筆跡により形成した隠蔽層を摩擦体の擦過による摩擦熱で変色させることにより前記像を元の可視状態に顕出させる、熱変色性可逆的隠顕機能を備え、識別性、暗記学習効果等を満たす軽便な筆記具を提供しようとするものである。
本発明は、印刷像又は筆記像を覆う可逆熱変色性隠蔽性筆跡層を形成して、前記像の常温域における視覚を妨げることができ、前記筆跡層を摩擦体の擦過による摩擦熱で変色させることにより前記像を可視状態に顕出させる、熱変色性可逆的隠顕機能を備えた筆記具であって、25〜60℃の範囲に色濃度を最小にする高温側完全変色温度を有する、平均粒子径が1〜6μmの範囲にある可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の10〜45重量%を水性媒体中に分散させた可逆熱変色性インキを筆記先端から流出させて、発色状態における色濃度の明度値が少なくとも4.5以下であり、摩擦熱による変色状態における明度値が少なくとも5.0以上である可逆熱変色性隠蔽性筆跡層を形成できると共に、前記擦過による摩擦熱を付与する摩擦体を備えたことを特徴とする熱変色性可逆的隠顕機能を備えた筆記具を要件とする。
更には、前記インキ中又は可逆熱変色性マイクロカプセル顔料中に、非熱変色性の着色剤が配合されてなること、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を緩やかな凝集状態に懸濁させた凝集系インキを軸胴内に収容の繊維収束体からなるインキ吸蔵体に充填し、繊維加工体からなる繊維ペン体より流出可能に構成した形態であることを要件とする。
更には、非熱変色性インキによる筆跡を形成する筆記体を他端に備えた構造であること、前記非熱変色性インキによる筆跡が、可逆熱変色性隠蔽性筆跡層により隠蔽可能な構成であること、前記非熱変色性インキによる筆跡と、発色時の可逆熱変色性隠蔽層は、同一又は類似の色相を有すること、等を要件とする。
本発明は、印刷像又は筆記像の、常温域における視覚を効果的に妨げる可逆熱変色性隠蔽層を筆記による筆跡により任意の箇所に形成でき、必要時には、前記隠蔽層を摩擦体の擦過による摩擦熱により変色させて元の視覚状態に復させることができ、識別性、暗記学習効果等を満たす軽便な熱変色性可逆的隠顕機能を備えた筆記具として実用性を満たす。
更には、両頭式筆記具の形態となして、一方を非熱変色性インキによる筆記用に供し、他方を前記筆記像を隠蔽する可逆熱変色性隠蔽性筆跡の形成用に供することにより、効果的な隠蔽性を得ることができると共に利便性を更に向上させることができる。
前記における明度値に関して説明する。
明度値とは、無彩色の配列において、完全な黒を0、完全な白を10として、その間の明るさの間隔の差が等間隔になるように分割したマンセル色票系の明度値を示し、有彩色の明度は有彩色の明るさの感覚がこれと等しい無彩色の明度値を示す。即ち、明度値が小さい程、黒色に近く、視覚濃度が大であり、明度値が大きい程、白色に近くなり、視覚濃度が小である。尚、明度値は、東京電色株式会社製TC−3600色差計を用い、白色支持体(上質紙)上に筆跡を形成した後、完全発色状態及び完全変色状態(消色を含む)における各明度値を測定することにより得た値を示す。
通常、印刷像又は筆記像は、黒色又は濃青色の色相のものが大部分であり、明度値も相応して小さい値を示す。従って、前記像の視覚を妨げるためには、前記像に近似又はそれ以下の明度値を示す隠蔽層が要求される。
前記隠蔽層が熱変色性印刷インキによる印刷により形成される系にあっては、熱変色性顔料の配合比率を高めると共に高粘度化させたインキにより、単位面積当たりの熱変色性顔料の発色時の色濃度を高めると共に印刷層の厚みを比較的大きく設定して隠蔽機能を発現させることができる。
本発明は、ユーザー自体が任意の箇所に筆跡により可逆熱変色性隠蔽層を形成でき、摩擦体による擦過熱により、前記隠蔽層を変色させて被隠蔽像を顕出させるものであり、筆記具としてのインキ流出適性、経時保存安定性等の要件を備えていなければならない。
従って、印刷インキによる系に対して、低粘度領域で熱変色性マイクロカプセル顔料をインキ中に分散状態に安定的に保持して、筆記先端の毛細間隙から適性量を流出させて、鮮明かつ隠蔽性機能を備えた筆跡を形成でき、更には、前記筆跡は摩擦体による繰り返しの擦過に対する耐久性を兼備していなければならない。
前記した筆記適性、筆跡の擦過強度等を満たすと共に、可逆的隠顕性を効果的に発現させるために、可逆熱変色性隠蔽性筆跡は、発色状態における色濃度の明度値が少なくとも4.5以下であり、摩擦熱による変色状態における明度値が少なくとも5.0以上であることを要件とする。
ここで、前記した明度値を満たす範囲内において、非熱変色性の着色剤、例えば、有彩色の染料、例えば、橙色、ピンク色、緑色、青色等をインキ中又はマイクロカプセル顔料中に適宜量、配合して、発色状態〔有色(1)〕からの摩擦熱により、有色(2)に変化させる構成となし、有色(1)から無色に消色変化する系における発色時の色濃度の明度値を高め、隠蔽性の補強機能を果たすことができる。
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料は、従来より公知の(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、及び(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体、の必須三成分を含む可逆熱変色性組成物をマイクロカプセル中に内包させたものが有効であり、発色状態からの加熱により消色する加熱消色型としては、本出願人が提案した、特公昭51−44706号公報、特公昭51−44707号公報、特公平1−29398号公報等に記載のものが利用できる。前記は所定の温度(変色点)を境としてその前後で変色し、高温側変色点以上の温度域で消色状態、低温側変色点以下の温度域で発色状態を呈し、前記両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在しない。即ち、もう一方の状態は、その状態が発現するのに要した熱又は冷熱が適用されている間は維持されるが、前記熱又は冷熱の適用がなくなれば常温域で呈する状態に戻る、ヒステリシス幅が比較的小さい特性(ΔHA =1〜7℃)を有するものが適用できる(図4参照)。
ΔHA が3℃以下の系〔特公平1−29398号公報に示す、3℃以下のΔT値(融点−曇点)を示す脂肪酸エステルを変色温度調節化合物として適用した系〕にあっては、高温側変色点及び低温側変色点を境に温度変化に鋭敏に感応して高感度の変色性を示し、ΔHA が4〜7℃程度の系では変色後、緩徐に元の様相に戻り、視認効果を高めることができる。
又、本出願人が提案した特公平4−17154号公報、特開平7−179777号公報、特開平7−33997号公報、特開平8−39936号公報等に記載されている大きなヒステリシス特性(ΔHB =8〜50℃)を示す、即ち、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から上昇させていく場合と逆に変色温度域より高温側から下降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色し、低温側変色点(t1 )以下の低温域での発色状態、又は高温側変色点(t4 )以上の高温域での消色状態が、特定温度域〔t2 〜t3 の間の温度域(実質的二相保持温度域)〕で記憶保持できる感温変色性色彩記憶性組成物をマイクロカプセルに内包させたものを適用できる(図5参照)。
本発明に適用するマイクロカプセル顔料は、円形断面の形態のものの適用を拒まないが、非円形断面の形態のものが効果的である(図6参照)。
筆記により形成される可逆熱変色性隠蔽層は、前記マイクロカプセル顔料が被筆記面に対して、長径側(最大外径側)を密接させて濃密に配向、固着されており、高濃度の発色性を示すと共に、前記筆跡を消しゴムやエラストマー成形体、プラスチック成形体等の摩擦体による擦過等による外力に対して、前記マイクロカプセル顔料が外力を緩和する形状に微妙に弾性変形し、マイクロカプセル顔料の壁膜の破壊が抑制され、熱変色機能を損なうことなく有効に発現させることができる。ここで、非円形断面形状のマイクロカプセル顔料は、最大外径の平均値が1〜5μmの範囲にあり、且つ可逆熱変色性組成物/壁膜=7/1〜1/1(重量比)の範囲を満たしていなければならない。
前記マイクロカプセル顔料(円形断面形状のものを含む)は、最大外径の平均値が、6.0μmを越える系では、毛細間隙からの流出性の低下を来し、一方、最大外径の平均値が、1μm未満の系では高濃度の発色性を示し難く、好ましくは、最大外径の平均値が、1〜4μmの範囲、当該マイクロカプセルの平均粒子径〔(最大外径+中央部の最小外径)/2〕が1〜3μmの範囲が好適である。
可逆熱変色性組成物の壁膜に対する比率が前記範囲より大になると、壁膜の厚みが肉薄となり過ぎ、圧力や熱に対する耐性の低下を起こし、逆に、壁膜の可逆熱変色性組成物に対する比率が前記範囲より大になると発色時の色濃度及び鮮明性の低下を免れず、好適には、可逆熱変色性組成物/壁膜=6/1〜1/1(重量比)である。
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料は、インキ組成物全量に対し、10〜45重量%(好ましくは20〜40重量%)配合することができる。10重量%未満では視覚濃度が不充分であり、所期の明度値を満足させ難い。一方、45重量%を越えると筆記先端から安定的にインキを流出させ難く、筆記性が阻害される。
尚、前記可逆熱変色性組成物のマイクロカプセル化は、界面重合法、界面重縮合法、in Situ重合法、コアセルベート法等の公知の手段が適用できるが、本発明の前記した要件を満たす粒子径範囲の、非円形断面形状のマイクロカプセル顔料を得るためには、凝集、合一化が生じ難い界面重合法又は界面重縮合法を適用することができる。
本発明における可逆熱変色性隠蔽性インキは、水溶性高分子凝集剤により可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を緩やかな凝集状態に懸濁させた凝集系インキ、剪断減粘性物質を含む剪断減粘系インキ、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料が水性ビヒクルと比重差0.05以下になるよう調節した比重調節型インキ等が有効である。
前記凝集系インキは、本出願人が提案した特開2001−207101号公報を応用し、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料10〜45重量%、水溶性高分子凝集剤を含むバインダー樹脂0.05〜25重量%、残部を必要に応じて保湿剤等を含む水となし、3〜20mPa・s(25℃)の粘度範囲に調製して凝集系可逆熱変色性隠蔽性インキを得る。
前記剪断減粘系インキは、本出願人が既に提案した特開平9−124993号公報を応用し、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料10〜45重量%、剪断減粘性樹脂0.1〜0.5重量部、水溶性有機溶剤5〜35重量%を含み、残部が水からなる、粘度が40〜300mPa・s(EM型回転粘度計による回転数10rpmでの値)、剪断減粘性指数0.1〜0.8の範囲に調製してボールペンインキを構成し、剪断減粘系可逆熱変色性隠蔽性インキを得る。
又、前記比重調節型インキは、本出願人が提案した特許第2540341号(特願昭62−210721号)を応用して調製し、ポンピング機構を備えた汎用の筆記具の軸胴内に充填して適用できる。
前記水性高分子凝集剤としては、非イオン性水溶性高分子化合物が好適に用いられる。
具体的にはポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、水溶性多糖類、非イオン性水溶性セルロース誘導体等が挙げられる。このうち水溶性多糖類の具体例としてはトラガントガム、グアーガム、プルラン、サイクロデキストリンが挙げられ、また非イオン性水溶性セルロース誘導体の具体例としてはメチルセルロース、ヒドロシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。本発明の可逆熱変色性水性インキ組成物中において微小カプセル顔料粒子間の緩い橋架け作用を示す水溶性高分子であればすべて適用することができるが、なかでも前記の非イオン性水溶性セルロース誘導体が最も本発明の可逆熱変色性水性インキ組成物に対し有効に作用する。
前記高分子凝集剤は、インキ組成物全量に対し、0.05〜20重量%配合することができる。
ペン先での乾燥を抑制するために保湿剤として、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、低分子量ポリエチレングリコール等のグリコール類及びそれらの低級アルキルエーテル、2−ピロリドン、N−ビニルピロリドン、尿素等の適宜量を配合することができる。
前記保湿剤は、インキ全量に対して5〜40重量%配合することができる。
尚、筆跡の固着性や粘度調整等のために、適宜量のバインダー樹脂を添加することもできる。前記バインダー樹脂は樹脂エマルション、アルカリ可溶性樹脂、水溶性樹脂から選ばれる。
前記樹脂エマルションとしては、ポリアクリル酸エステル、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、α−オレフィン−マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリウレタン等の水分散体が挙げられ、前記アルカリ可溶性樹脂としては、スチレン−マレイン酸共重合体、エチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体等が挙げられ、前記水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等を挙げることができ、一種又は二種以上を混合して用いることができる。
又、界面活性剤等の従来より汎用の各種分散剤を必要に応じて配合することができる。
前記における剪断減粘性物質は、8〜12の範囲内のHLB値を有するノニオン界面活性剤、キサンタンガム、ウエランガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100乃至800万)、グアーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体、ヒドロキシセルロース、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステルを主成分とする分子量10万〜15万の重合体、グルコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻より抽出されるゲル化能を有する炭水化物、ベンジリデンソルビトール及びベンジリデンキシリトール又はこれらの誘導体、架橋性アクリル酸重合体等を例示でき、単独或いは混合して使用することができる。特にキサンタンガム、サクシノグリカン、架橋性アクリル酸重合体が保存安定性に優れる。
前記凝集系インキの適用は、多数の繊維を互いに密接状態に配し、隣接する繊維相互間に毛細間隙が形成された繊維加工体をペン体とし、隣接する繊維相互間に毛細間隙が形成された繊維収束体をインキ吸蔵体とし、ペン体の後端を前記インキ吸蔵体の前端に接続状態に組み立て、前記インキ吸蔵体に前記凝集系インキを含浸させて、筆記具形態となす。
前記繊維加工体は、繊維の樹脂加工体、熱溶融性繊維の融着加工体、フェルト体等の従来より汎用の気孔率が概ね40〜70%の範囲から選ばれる連通気孔の多孔質部材であり、該繊維加工体の一端を砲弾形状、長方形状、チゼル形状等の目的に応じた形状に加工してペン体となして実用に供される。
前記チゼル形状のペン体にあっては、筆記面への当接位置を変えることにより細書き用、或いは太書き用として、更には一定線幅のマークを形成できる多用途性を有し、多様な筆跡を形成して可逆熱変色性隠蔽層を構成できる。
繊維束インキ吸蔵体は、捲縮状繊維を長手方向に集束させたものであり、プラスチック筒体やフイルム等の被覆体に内在させて、気孔率が概ね50〜93%の範囲に調整して構成される。尚、前記繊維束インキ吸蔵体は、繊維束の樹脂加工或いは熱融着加工、可塑剤等により溶着加工されたものであってもよい。
前記した剪断減粘系インキは、回転自在にボールを抱持したチップを先端部に備えた、軸胴に充填し、後部に液栓(追従体)を配してボールペン形態の筆記具を構成できる。
本発明における筆記具の形態として、軸胴の両端に筆記先端を備え、軸胴内の一半部に可逆熱変色性隠蔽性インキを、他半部に非熱変色性インキを充填してなる両頭式マーカー形態も実用上の便宜性を満たす。
ここで、非熱変色性インキによる筆跡が、可逆熱変色性隠蔽性筆跡層の発色時の明度値が少なくとも4.5以下を満たす隠蔽可能な組合せ、非熱変色性インキによる筆跡と、発色時の可逆熱変色性隠蔽層が、同一又は類似性の色相を有する組合わせとなすことにより、ユーザーの利便性を高めることができる。
前記可逆熱変色性隠蔽層を摩擦熱により変色させる摩擦体は、筆記具の軸胴の後端部、尾栓、キャップ先端等の構成部材、エラストマーをキャップ或いは軸胴の後部に装備させた形態が有効である。
以下の実施例中の部は、重量部を示す。
実施例1
可逆熱変色性隠蔽性インキの調製
2−(2−クロロアニリノ)−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン5.0部、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン4.0部、1,1−ビス(4’ヒドロキシフェニル)n−デカン10.0部、パルミチン酸p−メチルベンジル50.0部からなる可逆熱変色性組成物を加温溶解し、壁膜材料として芳香族イソシアネートプレポリマー/酢酸エチル溶液(プレポリマー濃度:75重量%)30部を加え、均一に溶解した溶液を70℃に加温した6重量%ポリビニルアルコール水溶液100部中に攪拌しながら投入し、微小滴に乳化した後、更に、80℃で5時間反応させることにより、可逆熱変色性組成物を含むマイクロカプセル顔料の原液を得た。次いで、前記原液の遠心分離処理により、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(平均粒子径3.0μm;t1 :3℃、t2 :8℃、t3 :35℃、t4 :42℃)を得た。
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料35部を、グリセリン15部、防黴剤(商品名:プロキセルXL−2、ゼネカ株式会社製)0.5部、シリコーン系消泡剤(商品名:SN デフォーマー 381、サンノプコ株式会社製)0.1部、凝集剤としてのヒドロキシエチルセルロース(商品名:セロサイズWP−09L、ユニオンカーバイド日本株式会社製)の0.4部、一般青色染料(商品名:ウォーターブルー117L、オリエント化学工業(株)製)1.0部、水48.0部を均一に攪拌して、可逆熱変色性隠蔽性インキを得た。
筆記具の作製
ポリエステルスライバーを合成樹脂フィルムで被覆した繊維束インキ吸蔵体中(空隙率90.9%)に、前記可逆熱変色性隠蔽性インキを均一状態に攪拌した直後に含浸させて軸胴内に収容し、軸筒先端部に装着させたポリエステル繊維の樹脂加工体からなる繊維ペン体〔(気孔率約60%)、先端部は筆跡幅4mm用にチゼル形状に加工されてなる〕と接続状態に組み立て、軸胴後部に尾栓を嵌着させて、熱変色性可逆的隠顕機能を備えた筆記具を作製した。ここで、前記尾栓の後端は曲面状に成形されており摩擦体機能を備えてなる。
筆跡性能
前記筆記具により、レポート用紙上に10cm長さ(筆跡幅4mm)の筆跡を2秒の筆記速度で筆記して可逆熱変色性隠蔽性筆跡層を形成した。
前記筆跡層は、室温(25℃)では、黒色を呈し、42℃に加熱すると青色に変化し、前記青色状態は室温下では保持されており、3℃以下に冷却することにより元の黒色に復し、前記変色挙動は繰り返し、再現された。
前記筆跡層の黒色状態の明度値は、3.50、青色状態の明度値は、5.50であった。黒色の文字印刷像上を前記筆記具により、室温下で前記同様の筆記速度で隠蔽して可逆熱変色性隠蔽層を形成したところ、黒色を呈して下層の文字印刷像の視覚を妨げ、判読不可能な隠蔽性を示した。次いで、前記筆跡層上を尾栓の後端の曲面部で擦過したところ、青色に変色し、文字印刷像を判読可能な状態に変化させ、この状態を室温下で保持させた。次いで、3℃以下に冷却したところ、前記青色の筆跡層は、元の黒色に復し、再び文字印刷像を判読不可能な状態に保持した。
実施例2
可逆熱変色性隠蔽性インキの調製
6’−[エチル(4−メチルフェニル)アミノ]−2’−(メチルフェニルアミノ)−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H)、9’−(9H)キサンテン]−3−オン7.0部、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン4.0部、1,1−ビス(4’ヒドロキシフェニル)n−デカン10.0部、ステアリン酸ネオペンチル50.0部からなる可逆熱変色性組成物を加温溶解し、壁膜材料として芳香族イソシアネートプレポリマー/酢酸エチル溶液(プレポリマー濃度:75重量%)30部を加え、均一に溶解した溶液を70℃に加温した6重量%ポリビニルアルコール水溶液100部中に攪拌しながら投入し、微小滴に乳化した後、更に、80℃で5時間反応させることにより、可逆熱変色性組成物を含む可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の原液を得た。次いで、前記原液の遠心分離処理により、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(平均粒子径2.0μm:t1 :8℃、t2 :11℃、t3 :29℃、t4 :35℃)を得た。
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料35部を用い、一般色青色染料(商品名:ウォーターブルー117L、オリエント化学工業(株)製)0.4部、一般赤色染料(商品名:食用赤色3号ダイワ化成(株)製)0.20部を配合した以外は、実施例1と同様にして、可逆熱変色性隠蔽性インキを得た。
筆記具の作製
キャップ先端部にエラストマー成形体からなる先端が曲面状の擦過体を装備したキャップを用いた以外は、実施例1と同じ、繊維束インキ吸蔵体、繊維ペン体を用いて、熱変色性可逆的隠顕機能を備えた筆記具を作製した。
筆跡性能
前記筆記具により、レポート用紙上に10cm長さ(筆跡幅4mm)の筆跡を2秒の筆記速度で筆記して可逆熱変色性隠蔽性筆跡層を形成した。
前記筆跡層は、室温(25℃)では、黒色を呈し、35℃に加熱すると紫色に変化し、前記紫色状態は室温下では保持されており、8℃以下に冷却することにより元の黒色に復し、前記変色挙動は繰り返し、再現された。
前記筆跡層の明度値は、黒色状態で3.04、紫色状態で5.08であった。
黒色の文字印刷像上を前記筆記具により、室温下で前記同様の筆記速度で隠蔽して可逆熱変色性隠蔽層を形成したところ、黒色を呈して下層の文字印刷像の視覚を妨げ、判読不可能な隠蔽性を示した。次いで、前記筆跡層上をキャップ先端の摩擦体で擦過したところ、紫色に変色し、文字印刷像を判読可能な状態に変化させ、この状態を室温下で保持させた。次いで、8℃以下に冷却したところ、前記青色の筆跡層は、元の黒色に復し、再び文字印刷像を判読不可能な状態に保持した。
実施例3
可逆熱変色性隠蔽性インキの調製
6’−(ジペンチルアミノ)−2’−[(3−(トリフロオロメチル)フェニル)アミノ]−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−(9H)キサンテン]−3−オン7.0部、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン6.0部1,1−ビス(4’ヒドロキシフェニル)n−デカン10.0部、ラウリン酸ステアリル25.0部、カプリン酸ステアリル25.0部、ジステアリルケトン1.0部からなる可逆熱変色性組成物を加温溶解し、壁膜材料として芳香族イソシアネートプレポリマー/酢酸エチル溶液(プレポリマー濃度:75重量%)30部を加え、均一に溶解した溶液を70℃に加温した6重量%ポリビニルアルコール水溶液100部中に攪拌しながら投入し、微小滴に乳化した後、更に、80℃で5時間反応させることにより、可逆熱変色性組成物を含む可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の原液を得た。次いで、前記原液の遠心分離処理により、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(平均粒子径2.0μm:t1 :25℃、t2 :30℃、t3 :33℃、t4 :40℃)を得た。
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料35部を、グリセリン15部、防黴剤(商品名:プロキセルXL−2、ゼネカ株式会社製)0.5部、シリコーン系消泡剤(商品名:SNデフォーマー 381、サンノプコ株式会社製)0.1部、凝集剤としてのヒドロキシエチルセルロース(商品名:セロサイズWP−09L、ユニオンカーバイド日本株式会社製)の0.4部、一般青色染料(商品名:ウォーターブルー117L、オリエント化学工業株式会社製)1.1部、一般黄色染料(商品名:キノリンイエローWS300、ダイワ化成株式会社製)0.4部、水47.5部を均一に攪拌して、可逆熱変色性隠蔽性インキを得た。
筆記具の作製
実施例2と同一の部材を用い、同様にして、熱変色性可逆的隠顕機能を備えた筆記具を作製した。
筆跡性能
前記筆記具により、レポート用紙上に10cm長さ(筆跡幅4mm)の筆跡を2秒の筆記速度で筆記して可逆熱変色性隠蔽性筆跡層を形成した。
前記筆跡層は、室温(25℃)では、黒色を呈し、40℃に加熱すると緑色に変化し、前記緑色状態は室温下では保持されており、25℃以下に冷却することにより元の黒色に復し、前記変色挙動は繰り返し、再現された。
前記筆跡層の黒色状態の明度値は、3.44、緑色状態の明度値は、5.66であった。黒色の文字印刷像上を前記筆記具により、室温下で前記同様の筆記速度で隠蔽して可逆熱変色性隠蔽層を形成したところ、黒色を呈して下層の文字印刷像の視覚を妨げ、判読不可能な隠蔽性を示した。次いで、前記筆跡層上をキャップ先端に装備の摩擦体で擦過したところ、緑色に変色し、文字印刷像を判読可能な状態に変化させ、この状態を室温下で保持させた。次いで、25℃以下に冷却したところ、前記緑色の筆跡層は、元の黒色に復し、再び文字印刷像を判読不可能な状態に保持した。
実施例4
可逆熱変色性隠蔽性インキの調製
6’−(ジペンチルアミノ)−2’−[(3−(トリフロオロメチル)フェニル )アミノ]−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−(9H)キサンテン]−3−オン7.0部、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン6.0部、1,1−ビス(4’ヒドロキシフェニル)n−デカン10.0部、ステアリン酸ネオペンチル50.0部からなる可逆熱変色性組成物を加温溶解し、壁膜材料として芳香族イソシアネートプレポリマー/酢酸エチル溶液(プレポリマー濃度:75重量%)30部を加え、均一に溶解した溶液を70℃に加温した6重量%ポリビニルアルコール水溶液100部中に攪拌しながら投入し、微小滴に乳化した後、更に、80℃で5時間反応させることにより、可逆熱変色性組成物を含むマイクロカプセル顔料の原液を得た。次いで、前記原液の遠心分離処理により、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(平均粒子径1.5μm:t1 :8℃、t2 :11℃、t3 :29℃、t4 :35℃)を得た。
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料35部を、グリセリン15部、防黴剤(商品名:プロキセルXL−2、ゼネカ株式会社製)0.5部、シリコーン系消泡剤(商品名:SNデフォーマー 381、サンノプコ株式会社製)0.1部、凝集剤としてのヒドロキシエチルセルロース(商品名:セロサイズWP−09L、ユニオンカーバイド日本株式会社製)の0.4重量部、一般赤色染料(商品名:食用赤色3号、ダイワ化成株式会社製)1.0部、水48.0部を均一に攪拌して、感温変色性隠蔽性インキを得た。
筆記具の作製
実施例2と同一の部材を用い、同様にして、熱変色性可逆的隠顕機能を備えた筆記具を作製した。
筆跡性能
前記筆記具により、レポート用紙上に10cm長さ(筆跡幅4mm)の筆跡を2秒の筆記速度で筆記して可逆熱変色性隠蔽性筆跡層を形成した。
前記筆跡層は、室温(25℃)では、黒色を呈し、35℃に加熱するとピンク色に変化し、前記ピンク色状態は室温下では保持されており、8℃以下に冷却することにより元の黒色に復し、前記変色挙動は繰り返し、再現された。
前記筆跡層の黒色状態の明度値は、3.50、ピンク色状態の明度値は、5.50であった。黒色の文字印刷像上を前記筆記具により、室温下で前記同様の筆記速度で隠蔽して可逆熱変色性隠蔽層を形成したところ、黒色を呈して下層の文字印刷像の視覚を妨げ、判読不可能な隠蔽性を示した。次いで、前記筆跡層上をキャップ先端に装備の摩擦体で擦過したところ、ピンク色に変色し、文字印刷像を判読可能な状態に変化させ、この状態を室温下で保持させた。次いで、8℃以下に冷却したところ、前記ピンク色の筆跡層は、元の黒色に復し、再び文字印刷像を判読不可能な状態に保持した。
実施例5
可逆熱変色性隠蔽インキの調製
実施例4の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を用い、実施例4の一般色赤色染料1.0部を一般色橙色染料(商品名:サンセットイエローFCF、ダイワ化成株式会社製)0.50重量部、水48.5部を用いた以外は実施例4と同様にして、可逆熱変色性隠蔽インキを調製した。
筆記具の作製
実施例2と同一の部材を用い、同様にして、熱変色性可逆的隠顕機能を備えた筆記具を作製した。
筆跡性能
前記筆記具により、レポート用紙上に10cm長さ(筆跡幅4mm)の筆跡を2秒の筆記速度で筆記して可逆熱変色性隠蔽性筆跡層を形成した。
前記筆跡層は、室温(25℃)では、黒色を呈し、35℃に加熱するとオレンジ色に変化し、前記オレンジ色状態は室温下では保持されており、8℃以下に冷却することにより元の黒色に復し、前記変色挙動は繰り返し、再現された。
前記筆跡層の黒色状態の明度値は、3.68、オレンジ色状態の明度値は、7.59であった。黒色の文字印刷像上を前記筆記具により、室温下で前記同様の筆記速度で隠蔽して可逆熱変色性隠蔽層を形成したところ、黒色を呈して下層の文字印刷像の視覚を妨げ、判読不可能な隠蔽性を示した。次いで、前記筆跡層上をキャップ先端に装備の摩擦体で擦過したところ、オレンジ色に変色し、文字印刷像を判読可能な状態に変化させ、この状態を室温下で保持させた。次いで、8℃以下に冷却したところ、前記オレンジ色の筆跡層は、元の黒色に復し、再び文字印刷像を判読不可能な状態に保持した。
本発明の熱変色性可逆的隠顕機能を備えた筆記具の一実施形態の説明図である。 本発明の熱変色性可逆的隠顕機能を備えた筆記具の他の実施形態(両頭式)の説明図ある。 印刷像又は筆記像を覆う可逆熱変色性隠蔽性筆跡層により、印刷像又は筆記像を隠蔽した、隠顕状態の縦断面説明図である。(A)は、隠蔽性筆跡層が発色状態、(B)は、隠蔽性筆跡層が変色状態を示す。 本発明に適用する可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の温度−色濃度曲線の関係を示すグラフである。 本発明に適用する、感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料の温度−色濃度曲線の関係を示すグラフである。 可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の一形態の模式説明図である。(A)は外観を、(B)は断面を示す。
符号の説明
1 熱変色性可逆的隠顕機能を備えた筆記具
2 繊維ペン体
3 ボール
4 可逆熱変色性隠蔽性インキ
4a 凝集系インキ
4b 剪断減粘系インキ
5 非熱変色性インキ
6 繊維束インキ吸蔵体
7 液栓
8 軸胴
9 キャップ
10 摩擦体
11 支持体
12 印刷像又は筆記像
13 可逆熱変色性隠蔽層
(A) 発色状態
(B) 変色状態(消色状態を含む)
14 可逆熱変色性マイクロカプセル顔料
a 壁膜
b 窪み
c 可逆熱変色性組成物
1 加熱消色型熱変色性顔料の完全発色温度
2 加熱消色型熱変色性顔料の発色開始温度
3 加熱消色型熱変色性顔料の消色開始温度
4 加熱消色型熱変色性顔料の完全消色温度

Claims (6)

  1. 印刷像又は筆記像を覆う可逆熱変色性隠蔽性筆跡層を形成して、前記像の常温域における視覚を妨げることができ、前記筆跡層を摩擦体の擦過による摩擦熱で変色させることにより前記像を可視状態に顕出させる、熱変色性可逆的隠顕機能を備えた筆記具であって、25〜60℃の範囲に色濃度を最小にする高温側完全変色温度を有する、平均粒子径が1〜6μmの範囲にある可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の10〜45重量%を水性媒体中に分散させた可逆熱変色性インキを筆記先端から流出させて、発色状態における色濃度の明度値が少なくとも4.5以下であり、摩擦熱による変色状態における明度値が少なくとも5.0以上である可逆熱変色性隠蔽性筆跡層を形成できると共に、前記擦過による摩擦熱を付与する摩擦体を備えたことを特徴とする熱変色性可逆的隠顕機能を備えた筆記具。
  2. インキ中又は可逆熱変色性マイクロカプセル顔料中に、非熱変色性の着色剤が配合されてなる、請求項1記載の熱変色性可逆的隠顕機能を備えた筆記具。
  3. 可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を緩やかな凝集状態に懸濁させた凝集系インキを軸胴内に収容の繊維収束体からなるインキ吸蔵体に充填し、繊維加工体からなる繊維ペン体より流出可能に構成した形態である、請求項1又は2記載の熱変色性可逆的隠顕機能を備えた筆記具。
  4. 非熱変色性インキによる筆跡を形成する筆記体を他端に備えた、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の熱変色性可逆的隠顕機能を備えた筆記具。
  5. 非熱変色性インキによる筆跡が、可逆熱変色性隠蔽性筆跡層により隠蔽可能な構成である請求項4記載の熱変色性可逆的隠顕機能を備えた筆記具。
  6. 非熱変色性インキによる筆跡と、発色時の可逆熱変色性隠蔽層は、同一又は類似の色相を呈する請求項5記載の熱変色性可逆的隠顕機能を備えた筆記具。
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