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JP2005082806A - 新規なオキナワモズク由来フコイダン及び免疫賦活剤 - Google Patents

新規なオキナワモズク由来フコイダン及び免疫賦活剤 Download PDF

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邦男 末綱
Kazuaki Watanabe
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Abstract

【課題】オキナワモズクから、免疫賦活作用を有する新規な3種のオキナワモズク由来フコイダンを提供する。
【解決手段】オキナワモズクを凍結乾燥、更に微粉砕した後、イソプロピルアルコール処理し、弱塩基性イオン交換ゲルで分離分画して得た免疫賦活作用を有する新規なオキナワモズク由来フコイダンであり、生体内で免疫賦活作用を有し、毒性も極めて低い。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規なオキナワモズク由来フコイダン及び免疫賦活剤に関する。
食品蛋白質を酵素分解して得られるペプチドは、免疫賦活剤としての利点を持つ。
特開平06−256389号公報 特開平07−138287号公報 特開平08−225594号公報 特開平08−231589号公報 特開2002−265370号公報 特開2002−265496号公報 J.L.Decker et al.:Ann.Intern.Med.,101,810−824(1984) F.Parker et al.:Eur.J.Biochem.,145,677−682(1984) J.Berthou et al.:FABS Lett.,218,55−58(1987) A.J.Cunningham et al.:Immunology,14,599(1968) 藤原ら:栄食誌,43(3),203−208(1990)
摂取された食品は消化管の中で分解、吸収される過程で宿主免疫系への種々の影響を与えることが知られている〔非特許文献1〕。宿主の免疫反応は免疫担当細胞であるリンパ球及びマクロファージから分泌される生理活性物質によって調節、制御されていることが知られているが、かたや、食品成分中にも宿主免疫系を調節する物質の存在が知られている。その中には、食品蛋白質を酵素分解したペプチドとして、ヒトカゼイン由来Gly−Leu−Phe、ウシカゼイン由来Leu−Leu−Tyr、ヒトβカゼイン由来Val−Glu−Pro−Ile−Pro−Tyrのものが知られておりいずれもマクロファージの活性を上昇させることが見出されている〔非特許文献2,3〕。これらを例にとるまでもなく、生体内に摂取された食品成分はそのままの形かあるいは分解された形で免疫応答系細胞と接する。このような食品成分と免疫応答系細胞との相互作用は、これまで知られているところでは、たとえば免疫系の異常状態である食品アレルギーを引き起こす場合があり、免疫系の賦活あるいは抑制という形となって観察されている。免疫応答系を調節する本来の生体内物質としてインターロイキンをはじめとするサイトカイニンと呼ばれる一群のポリペプチドであり、その機能及び構造について多くの情報が集積しつつある中で、発明者らは多くの免疫賦活ペプチド[特許文献1,2,3,4,5]を報告してきた。一方、海洋生物由来の生理活性物質で免疫調節機能を持つもの、更に、これを食品素材及び健康補助食品としての免疫調節機能を持つものは少なく、未だ医薬品としての開発が進んでいるとの報告はないという状況の中で[特許文献6]、特に、オキナワモズク由来フコイダンに免疫賦活作用を持つことは未だ知られていない。
本発明者は、オキナワモズク粉末から薬理作用を有する物質を検索し、新規な3種のオキナワモズク由来フコイダンが強い免疫賦活作用を有することを見出した。そして、これらオキナワモズク由来フコイダンを医薬品として実用化するための研究を鋭意行った。その結果、これらオキナワモズク由来フコイダンが免疫賦活活性を有し、天然物由来の免疫賦活剤としての有用性を見出した。本発明は係る知見に基づくものである。以下に本発明を詳細に説明する。本発明に係る新規な3種のオキナワモズク由来フコイダンは、
(1)オキナワモズクを凍結乾燥、更に微粉砕した後、イソプロピルアルコール処理し、弱塩基性イオン交換ゲルで分離分画して得た平均分子量5.8万、フコース30.1%、ガラクトース27.6%、ウロン酸8.7%、硫酸基7.5%、灰分26.1%を有効成分として含有することを特徴とする新規なオキナワモズク由来フコイダン。
(2)オキナワモズクを凍結乾燥、更に微粉砕した後、イソプロピルアルコール処理し、弱塩基性イオン交換ゲルで分離分画して得た平均分子量12.1万、フコース22.3%、ガラクトース29.2%、ウロン酸4.6%、硫酸基21.4%、灰分22.5%を有効成分として含有することを特徴とする新規なオキナワモズク由来フコイダン。
(3)オキナワモズクを凍結乾燥、更に微粉砕した後、イソプロピルアルコール処理し、弱塩基性イオン交換ゲルで分離分画して得た平均分子量16.2万、フコース10.6%、ガラクトース30.4%、ウロン酸3.2%、硫酸基32.6%、灰分23.2%を有効成分として含有することを特徴とする新規なオキナワモズク由来フコイダン。
であり、常温における性状は白色の粉末である。
本発明に係る新規な3種のオキナワモズク由来フコイダンは、オキナワモズクから分離分画する場合には、これらオキナワモズク由来フコイダンを含有している生オキナワモズクを用い凍結乾燥し、凍結乾燥されたオキナワモズクを微粉砕した後、加水してオキナワモズクのホモジネイトを作製する。更に、このオキナワモズクのホモジネイトを塩酸にてpH2.0に調整し、生じる沈殿物を超遠心分離機(例えば、シャープレス)を用いて回転数10,000rpm〜15,000rpmで遠心し、沈殿物(主にアルギン酸など)を取り除く。その後、この遠心上清液をアルコール類(例えば、イソプロピルアルコール)で分画する。オキナワモズク由来フコイダンを多く含む分画部分を、弱塩基性陰イオン交換ゲル(例えば、ファルマシア製のDEAE Sephadex A−50)に負荷した後、その吸着溶出された分画部分から免液賦活活性を含有する分画部分としてオキナワモズク由来フコイダン分画部分を得ることができる。更に、得られた各分画部分をゲルろ過(例えば、Sephadex G−200)によって分画し、分画分子量6万〜17万を分画する。
本発明に係る新規な3種のオキナワモズク由来フコイダンは、静脈内への繰り返し投与を行った場合、抗体産生を惹起せず、アナフィラキシーショックを起こさせない。又、これらフコイダンは投与後、生体内の分解酵素により徐々に分解される為、毒性は極めて低く安全性は極めて高い(LD50>5000mg/kg:ラット経口投与)。
これらオキナワモズク由来フコイダンは、通常用いられる賦形剤等の添加物を用いて注射剤、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等に調整することができる。投与法としては、通常は免疫不全症を有している哺乳類(例えば、ヒト、イヌ、ラット等)に注射すること、あるいは経口投与することがあげられる。投与量は、例えば、動物体重1kg当たりこれらオキナワモズク由来フコイダンを0.1〜100mgの量である。投与回数は、通常、1日1〜4回程度であるが、投与経路によって、適宜、調整することができる。上記の各種製剤において用いられる賦形剤、結合剤、滑沢剤の種類は、特に限定されず、通常の注射剤、散剤、顆粒剤、錠剤あるいはカプセル剤に用いられるものを使用することができる。
錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤に用いる添加剤としては、下記のものをあげることができる。賦形剤としては、結晶セルロース等の糖類、マンニトール等の糖アルコール類、でんぷん類、無水リン酸カルシウム等;結合材としてはでんぷん類、ヒドロキシルプロピルメチルセルローズ等;崩壊剤としてはカルボキシメチルセルロース及びそのカリウム塩類;滑沢剤としてはステアリン酸及びその塩類、タルク、ワックス類をあげることができる。又、製剤の調整にあたっては、必要に応じメントール、クエン酸およびその塩類、香料等の矯臭剤を用いることができる。注射用の無菌組成物は、常法により、これらフコイダンを、注射用水、生理食塩液及びキシリトールやマンニトールなどの糖アルコール注射液、プロピレングリコールやポリエチレングリコール等のグリコールに溶解又は懸濁させて注射剤とすることができる。この際、緩衝液、防腐剤、酸化防止剤等を必要に応じて添加することができる。これらオキナワモズク由来フコイダンを含有する製剤は凍結乾燥品又は乾燥粉末の形とし、用時、通常の溶解剤、例えば、水又は生理食塩液にて溶解して用いることもできる。
本発明に係る新規な3種のオキナワモズク由来フコイダンは、優れた免疫賦活作用を有し、これらオキナワモズク由来フコイダンをウサギに経口投与すると、末梢血リンパ球のコンカナバリンA(以下、ConAと略記する)刺激に対する幼若化反応が有意に上昇し、又、これらオキナワモズク由来フコイダンをC57BL/6マウスに経口投与すると抗体産生能が上昇した。更に、これらオキナワモズク由来フコイダンのin vitroにおける優れた免疫賦活作用として、C3H/HeNマウスより得た脾細胞に対してこれらオキナワモズク由来フコイダンは強い幼若化能(マイトジェン活性)を示した。
発明を実施するための最良の形態・実施例
本発明は、医薬品として有用性を有する下記のオキナワモズク由来フコイダン及びそのオキナワモズク由来フコイダンを有効成分とする免疫賦活剤に関する。
(1)オキナワモズクを凍結乾燥、更に微粉砕した後、イソプロピルアルコール処理し、弱塩基性イオン交換ゲルで分離分画して得た平均分子量5.8万、フコース30.1%、ガラクトース27.6%、ウロン酸8.7%、硫酸基7.5%、灰分26.1%を有効成分として含有することを特徴とする新規なオキナワモズク由来フコイダン。
(2)オキナワモズクを凍結乾燥、更に微粉砕した後、イソプロピルアルコール処理し、弱塩基性イオン交換ゲルで分離分画して得た平均分子量12.1万、フコース22.3%、ガラクトース29.2%、ウロン酸4.6%、硫酸基21.4%、灰分22.5%を有効成分として含有することを特徴とする新規なオキナワモズク由来フコイダン。
(3)オキナワモズクを凍結乾燥、更に微粉砕した後、イソプロピルアルコール処理し、弱塩基性イオン交換ゲルで分離分画して得た平均分子量16.2万、フコース10.6%、ガラクトース30.4%、ウロン酸3.2%、硫酸基32.6%、灰分23.2%を有効成分として含有することを特徴とする新規なオキナワモズク由来フコイダン。
以下に実施例として、製造例及び試験例を記載し本発明をさらに説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
製造例1
生オキナワモズク3kgを凍結乾燥にかけ、凍結乾燥オキナワモズクを得、更に、ジェットミルを用い凍結乾燥したオキナワモズクを微粉砕化し、メッシュ200以上のオキナワモズク粉末140gを得た。微粉砕化されたオキナワモズク粉末に3倍量の清水を加え撹拌しホモジネイト液を得た。このホモジネイト液を1規定の塩酸にてpH2.0に調整して、生じる沈殿物(主に、アルギン酸)を超遠心分離機(シャープレス)にて遠心分離(10,000〜15,000rpm)し、沈殿物(主に、アルギン酸)を除去した。次に、アルギン酸除去された遠心上清液に対し、冷所(5℃)にて5%〜95%のイソプロピルアルコール分画を行った。その後、再度、遠心分離(10,000〜15,000rpm)し沈殿物30gを得た。このようにして、イソプロピルアルコール分画によって得られた沈殿物3gを、再度、清水にて溶解した後、予め0.05規定塩酸水で緩衝化したDEAE SephadexA−50カラム(カラムサイズ;60X100cm)に負荷し、溶出液として1モル食塩水を用いて、流速60mL/hr、各分画量10mLでイオン交換ゲルクロマトグラフィーした。その結果は図1に示すとおりである。上記クロマトグラフ中、分画番号5〜54をA分画部分、分画番号57〜61をB分画部分及び分画番号65〜70をC分画部分とし、これらオキナワモズク由来フコイダンの各分画部分(A、B及びC分画部分)を集めて、各々をSepahdex G−200カラム(カラムサイズ;30X200cm)に負荷し、流速30mL/hr、各分画量10mLでゲル濾過した。その結果を図2に示すが、3種のオキナワモズク由来フコイダン各分画部分(A、B及びC分画部分)の分子量分布は以下の通りである。
(1)A分画;分子量5.8万
(2)B分画;分子量12.1万
(3)C分画;分子量16.2万
これらDEAE Sephadex A−50、Sepahdex G−200カラムクロマトグラフィーを繰り返して大量取得した免疫賦活作用の強い分画部分(A、B及びC分画部分)を集め、凍結乾燥して3種のオキナワモズク由来フコイダン粉末(A、B及びC分画粉末)を得た。
これら分離精製によって得られた本発明に係る3種のオキナワモズク由来フコイダン粉末(A、B及びC分画粉末)の成分分析を行った。A、B及びC分画粉末10mgを1規定の硫酸約3mLに溶かし、100℃、2時間、加水分解した後NaHCOで中和した。フコース含量はシステイン硫酸法を適応して、及びガラクトース含量はアンスロン法で定量した。又、ウロン酸含量は、1.75規定の硫酸で100℃、2時間、加水分解した液に、カルバゾール硫酸を適用して定量した。この加水分解液は、ナフトレゾルシン反応、カルバゾール硫酸反応ともに陽性であるが、アミノ糖の存在は認められなかった。更に、硫酸根(硫酸基)は試料を硝酸と過塩素酸で湿式灰化した後、BaSO重量法により定量した。上記の成分分析の結果、オキナワモズク由来フコイダン粉末(A、B及びC分画粉末)の成分分析は以下の通りである。
(1)A分画粉末:フコース;30.1%、ガラクトース;27.6%、ウロン酸;8.7%、硫酸基;7.5%、灰分;26.1%
(2)B分画粉末:フコース;22.3%、ガラクトース;29.2%、ウロン酸;4.6%、硫酸基;21.4%、灰分;22.5%
(3)C分画粉末:フコース;10.6%、ガラクトース;30.4%、ウロン酸;3.2%、硫酸基;32.6%、灰分;23.2%
これら分離精製によって得られた本発明に係る3種のオキナワモズク由来フコイダンは、以下に示す試験によって薬理効果が確認された
試験例1
(ウサギ末梢血リンパ球のコンカナバリンA刺激に対する幼若化反応の測定)ウサギは成熟雄性日本白色種(KBL:JW、SPF、体重2.0kg)を(株)北山ラベスより購入し、1週間予備飼育を行った後、健常な動物を試験に供した。飼育は温度23±2℃、湿度55±10%に保った飼育室内の金属製個別ゲージで行った。飼料はオリエンタル酵母社製RC4を1日120g給餌し、水は自家揚水(水道法、水質基準適合)を自由に摂取させた。1群3例のウサギを用い、製造例1におけるオキナワモズク由来フコイダン粉末(A、B及びC分画粉末)200mg/kg/dayを体重1kg当たり5mlの割合で30日間連続投与した。対照群には同容量の溶媒を投与した。投与開始日並びに最終投与の翌日、各ウサギの耳静脈からヘパリン処理した注射器で10mlの血液を採取し、3時間以内に、リンパ球分離並びにH−サイミジン取り込み能測定法による幼若化反応を実施した。各リンパ球の取り込んだ放射能から次式により刺激指数(S.I.)を算出した。
S.I.=(Con Aを加えた培養系)/(Con Aを加えない培養系)
本発明に係る3種のオキナワモズク由来フコイダン粉末(200mg/kg/day)を30日間経口投与した後の、ウサギ末梢血リンパ球のCon A刺激による幼若化反応(S.I.値)で表わし、その結果を図3に示した。
試験例2
(マウス脾細胞の抗体産生能測定)マウスは雄性、5週齢(Slc:C57BL/6、SPF)を日本エスエルシー(株)より購入し、1週間予備飼育を行った後、健常な動物を試験に供した。マウスの飼育は温度23±2℃、湿度55±10%に保った飼育室内のエアコンゲージで行った。飼料はオリエンタル酵母社製MF、水は自家揚水(水道法、水質基準適合)を自由に摂取させた。1群3例のマウスを用い、製造例1におけるオキナワモズク由来フコイダン粉末(A、B及びC分画粉末)200mg/kg/dayを体重10g当たり0.1mlの割合で10日間連続経口投与した。投与開始から5日後、それぞれのマウスの尾静脈にヒツジ赤血球(SRBC、デンカ生研社製)5×10cells/mlを0.2ml投与して免疫した。免疫の5日後、各群のマウスから脾臓を採取し、Eagle’s minimal essential medium(EMEM、日水製薬社製)を入れたシャーレ内で脾細胞を遊離させた。リン酸緩衝液(PBS)で3回洗浄した後、EMEMで2.5×10cells/mlに調整した脾細胞と50%SRBC浮遊液及びモルモット乾燥補体(デンカ生研社製)を8:1:1の割合で混合した。A.J.Cunninghamらの方法〔非特許文献4〕に準じて37℃で90分反応後、溶血斑(PFC;plaque forming cell)を計測した。
本発明に係る3種のオキナワモズク由来フコイダン粉末(200mg/kg/day)を10日間経口投与したマウス脾細胞での抗体産生能を抗体産生細胞数で表わし、その結果を図4に示した。
試験例3
(マウス脾細胞幼若化能の測定)藤原らの方法〔非特許文献5〕に準じて脾細胞の幼若化反応(マイトジェン活性)を測定した。製造例1における3種のオキナワモズク由来フコイダン粉末(A、B及びC分画粉末)を、25mM HEPES−RPMI 1640培地(日水製薬社製)に対して溶解(最大濃度1mg/ml)し、0.2μのフィルター濾過滅菌後、同培地により2倍ごと段階希釈を行ったものを供試サンプルとした。
C3H/HeNマウス(6週齢、雄性)の脾臓を無菌的に摘出し、ワイヤーメッシュ上で25mMHEPES−RPMI 1640培地を滴下しながら穏やかに磨砕し、通過液をさらにもう一組のワイヤーメッシュを通すことにより単一細胞浮遊液を調製した。脾細胞は同培地にて3回洗浄後、牛胎児血清10%を含む25mM HEPES−RPMI 1640培地に浮遊させ、96ウェルマイクロプレートに5×105個/100μl/ウェルとなるように分注した。その後、前記の供試サンプル10μlを加え、5%C02雰囲気下、37℃で培養した。尚、陰性対照には25mM HEPES−RPMI 1640培地10μlを、陽性対照にはコンカナバリンA(Con A、終濃度1μg/ml)並びにリポポリサッカライド(LPS、終濃度100μg/ml)を供試サンプルの代わりに加えている。その後、0.5%の3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5ジフェニル−2Hテトラゾリウムブロマイド(MTT)溶液を10μl加え、さらに3時間培養を行い、しかる後、生じたMTT−フォルマザンを酸−イソプロパノール溶液(0.04N濃度に塩酸を添加)100μlを加えて溶解し、EIAリーダーにて595nmの吸光度を測定した。データは陰性対照の値を100とした相対値にて表示している。マイトジェン活性の結果は図5に示すとおりである。
以上の試験の結果、本発明に係る新規な3種のオキナワモズク由来フコイダン粉末は、in vivoにおいて有意に免疫機能に影響を及ぼすことが確認された。さらに、本発明に係る新規な3種のオキナワモズク由来フコイダン粉末は、in vitroにおいて有意にマイトジェン活性を示すことが確認され、免疫賦活剤として有用である。
尚、本発明に係る新規な3種のオキナワモズク由来フコイダン粉末は、構造的にその粘質多糖類において、構造中に採用することもできる。
本発明に係るオキナワモズク由来フコイダンの、製造例1におけるDEAE Sephadex A−50カラムクロマトグラフィーによる免疫賦活フコイダンの分離精製の結果を示す図である。 本発明に係るオキナワモズク由来フコイダンの、製造例1におけるSephadex G−200カラムクロマトグラフィーによる免疫賦活フコイダンの分子量分布の結果を示す図である。 本発明に係るオキナワモズク由来フコイダン粉末(A、B及びC分画部分)投与時の、ウサギ末梢血リンパ球のコンカナバリンA刺激による幼若化反応を示す図である。 本発明に係るオキナワモズク由来フコイダン粉末(A、B及びC分画部分)投与時の、マウス脾細胞での抗体産生能を示す図である。 本発明に係るオキナワモズク由来フコイダン粉末(A、B及びC分画部分)投与時の、in vitroにおけるマイトジェン活性を示す図である。

Claims (6)

  1. オキナワモズクを凍結乾燥、更に微粉砕した後、イソプロピルアルコール分画処理し、弱塩基性イオン交換ゲルで分離分画して得た平均分子量5.8万、フコース30.1%、ガラクトース27.6%、ウロン酸8.7%、硫酸基7.5%、灰分26.1%を有効成分として含有することを特徴とする新規なオキナワモズク由来フコイダン。
  2. オキナワモズクを凍結乾燥、更に微粉砕した後、イソプロピルアルコール処理し、弱塩基性イオン交換ゲルで分離分画して得た平均分子量5.8万、フコース30.1%、ガラクトース27.6%、ウロン酸8.7%、硫酸基7.5%、灰分26.1%を有効成分とする新規なオキナワモズク由来フコイダンを含有することを特徴とする免疫賦活剤。
  3. オキナワモズクを凍結乾燥、更に微粉砕した後、イソプロピルアルコール処理し、弱塩基性イオン交換ゲルで分離分画して得た平均分子量12.1万、フコース22.3%、ガラクトース29.2%、ウロン酸4.6%、硫酸基21.4%、灰分22.5%を有効成分として含有することを特徴とする新規なオキナワモズク由来フコイダン。
  4. オキナワモズクを凍結乾燥、更に微粉砕した後、イソプロピルアルコール処理し、弱塩基性イオン交換ゲルで分離分画して得た平均分子量12.1万、フコース22.3%、ガラクトース29.2%、ウロン酸4.6%、硫酸基21.4%、灰分22.5%を有効成分とする新規なオキナワモズク由来フコイダンを含有することを特徴とする免疫賦活剤。
  5. オキナワモズクを凍結乾燥、更に微粉砕した後、イソプロピルアルコール処理し、弱塩基性イオン交換ゲルで分離分画して得た平均分子量16.2万、フコース10.6%、ガラクトース30.4%、ウロン酸3.2%、硫酸基32.6%、灰分23.2%を有効成分として含有することを特徴とする新規なオキナワモズク由来フコイダン。
  6. オキナワモズクを凍結乾燥、更に微粉砕した後、イソプロピルアルコール処理し、弱塩基性イオン交換ゲルで分離分画して得た平均分子量16.2万、フコース10.6%、ガラクトース30.4%、ウロン酸3.2%、硫酸基32.6%、灰分23.2%を有効成分とする新規なオキナワモズク由来フコイダンを含有することを特徴とする免疫賦活剤。
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