プラズマディスプレイパネル(PDP)を用いたプラズマディスプレイ装置は、放電の際の発光を利用することにより画像を表示しており、薄型化および大画面化が可能であるという利点を有している。
このようなプラズマディスプレイ装置における階調表示のための駆動方式としては、ADS(Address and Display period Separated、アドレス・維持期間分離)方式が用いられている。図13はADS方式を説明するための図である。図13の縦軸は、PDPの行電極であるスキャン電極の、第1ラインから第mラインまでの走査方向(垂直走査方向)を示し、横軸は時間を示す。
ADS方式では、1フィールド(1/60秒=16.67ms)を複数のサブフィールドに時間的に分割する。例えば、8ビットで256階調表示を行う場合には、1フィールドを8つのサブフィールドに分割する。また、各サブフィールドは、点灯させる放電セルを選択するためのアドレス放電を行う書き込み期間と、表示のための維持放電が行なわれる維持期間とに分離される。
図13の例では、1フィールドが4つのサブフィールドSF1、SF2、SF3、SF4に時間的に分割されている。すなわち、サブフィールドSF1は書き込み期間AD1と維持期間SUS1とに分離され、サブフィールドSF2は書き込み期間AD2と維持期間SUS2とに分離され、サブフィールドSF3は書き込み期間AD3と維持期間SUS3とに分離され、サブフィールドSF4は書き込み期間AD4と維持期間SUS4とに分離されている。
ADS方式では、図13に示すように、1フィールドを複数のサブフィールドに時分割してそれらのサブフィールドを重ね合わせることにより表示画像の輝度を表しているので、画像の輝度によっては動画の輪隔が二重に見える動画疑似輪郭と呼ばれる現象が発生する。
この動画疑似輪郭の不具合を解決するため、各種取り組みがなされており、その一例として、例えば、特許文献1がある。
図14に、かかるPDPを駆動する駆動回路を備えたプラズマディスプレイ装置の概略構成を示す。図14において、A/D変換器201は、駆動制御回路202から供給されるクロック信号に応じて、アナログの入力映像信号をサンプリングしてこれを1画素ごとに例えば6ビットの画素データD(入力画素データ)に変換し、これをデータ変換回路203にする。データ変換回路203は、所定の変換テーブルに従って変換画素データHD(表示画素データ)に変換し、これをメモリ204に供給する。
メモリ204は、上記駆動制御回路202から供給されてくる書き込み信号に従って上記変換画素データHDを順次書き込む。かかる書き込み動作により1画面(n行、m列)分の書き込みが終了すると、メモリ204は、この1画面分の変換画素データHD11−nm各々を各ビット桁ごと(第0ビット目〜第8ビット目)に分割して読み出し、これを1行分ごとに順次アドレスドライバ206に供給する。
例えば、メモリ204は、先ず、画面上の第1行目に対応したm個の変換画素データHD11−1m各々中の第0ビット目のデータのみを読み出す。次に、メモリ204は、第2行目に対応したm個の変換画素データHD21−2m各々中の第0ビット目のデータのみを読み出す。以下、同様にしてメモリ204は、第n行までの変換画素データHD中の第0ビット目のデータのみを順次読み出して行く。これが終了すると、メモリ204は、画面上の第1行に対応したm個の変換画素データHD11−1m各々中の第1ビット目のデータのみを読み出す。次に、メモリ204は、第2行目に対応したm個の変換画素データHD21−2m各々中の第1ビット目のデータのみを読み出す。
以下、同様にしてメモリ204は、第n行までの変換画素データHD中の第1ビット目のデータのみを順次読み出して行く。以降、同様な手順にて、メモリ204は、変換画素データHD中の第2ビット目〜第8ビット目までのデータを分割して読み出していく。
このように、メモリ204は、所定の変換テーブルに従って変換された変換画素データHDを各ビット桁ごとに分割して、第0ビットから第8ビットへと順次読み出し、これらを1フィールド期間内にアドレスドライバ206に供給していく。アドレスドライバ206は、かかるメモリ204から読み出された1行分ごとの画素データビット群各々の論理レベルに対応した電圧を有する画素データパルスDP1〜DPmを発生し、これらをPDP210の列電極D1〜Dmに夫々印加する。
駆動制御回路202は、入力された映像信号中の水平及び垂直同期信号に同期して、上記A/D変換器201に対するクロック信号、及びメモリ204に対する書き込み・読出信号を生成する。更に、駆動制御回路202は、かかる水平及び垂直同期信号に同期して、画素データタイミング信号、リセットタイミング信号、走査タイミング信号、及び維持タイミング信号をそれぞれ発生する。
第1サスティンドライバ207は、上記駆動制御回路202から供給された各種タイミング信号に応じて、残留電荷量を初期化するためのリセットパルスRPX、放電発光状態を維持するための維持パルスIPX各々を発生し、これらをPDP210の行電極X1〜Xnに印加する。第2サスティンドライバ208は、上記駆動制御回路202から供給された各種タイミング信号に応じて、残留電荷量を初期化するためのリセットパルスRPY、画素データを書き込むための走査パルスSP、画素データ書き込みを良好に実施させる為のプライミングパルスPP、及び放電発光状態を維持するための維持パルスIPY各々を発生し、これらをPDP210の行電極Y1〜Ynに印加する。
なお、PDP210は、行電極X及び行電極Yの一対にて、画面の1行分に対応した行電極を形成している。例えば、PDP210における第1行目の行電極対は行電極X1及びY1であり、第n行目の行電極対は行電極Xn及びYnとなる。又、PDP210では、かかる行電極対と各列電極との交差部に1つの放電セルが形成される。
上述のような構成において、図15に示す発光駆動フォーマットを採用して、1フィールド期間の駆動を実行する。図15は、画素データ書き込み期間Wcにおいて選択消去アドレス法により画素データの書き込みを行う場合の発光駆動フォーマットを示すものである。
図15に示す発光駆動フォーマットでは、1フィールド期間をサブフィールドSF1〜SF14なる14個のサブフィールドに分割している。これらサブフィールドSF1〜SF14各々では、画素データの書き込みを行って発光セル及び非発光セルの設定を行う画素データ書き込み期間Wcと、発光セルに対してのみ放電発光状態を維持させる維持発光期間Icとを実施する。
この際、各維持発光期間Icでの発光時間(発光回数)は、サブフィールドSF1での発光時間を”1”とした場合、それぞれ、1、3、5、8、10、13、16、19、22、25、28、32、35、39と設定されている。すなわち、各サブフィールドSF1〜SF14の発光回数の比を非線形(つまり、逆ガンマ比率:Y=X2.2)になるように設定し、これにより入力画素データDの非線形特性(ガンマ特性)を補正するようにしている。
更に、これら各サブフィールド(SF)の内、先頭のSFのみで一斉リセット期間Rcを実行する。つまり、図15に示されるが如き選択消去アドレス法を採用した際の発光駆動フォーマットでは、サブフィールドSF1のみで一斉リセット期間Rcを実行する。
また、図15に示すように、1フィールド期間の最後尾のサブフィールドにおいて、全ての放電セル内に残存している壁電荷を消滅させる消去期間Eを実行する。
以上のように、初期の一斉リセット期間にて壁電荷を形成させた後、維持発光を行い、SFのいずれか一つのSFの書き込み期間においてのみ消去放電を実施する。このように、連続してSFが発光するため輝度階調変化が少ない表示を行う場合でも、互いに隣接する放電セル間において両者の発光パターンが互いに反転してしまうことはないので、疑似輪郭は原理的に発生しない。
特開2000−2277786号公報
すなわち、本発明の請求項1に記載の発明は、行方向に延び表示ラインを形成する複数の行電極とこの行電極と交差して放電セルを形成するように配列した複数の列電極とを備えたプラズマディスプレイパネルと、このプラズマディスプレイパネルを駆動するための駆動回路とを有するプラズマディスプレイ装置の駆動方法において、行電極に対して、極性が周期的に反転する所定の維持パルスを印加することにより維持放電を発生させ維持させる維持期間と、列電極に対して、所定の書き込みパルスを印加してアドレス放電を発生させることにより、発光あるいは消去させる放電セルを順次選択する書き込み期間とを有し、書き込み期間と維持期間とは、行電極を少なくとも一つ以上をまとめたブロックごとに行い、ブロック間では維持期間と書き込み期間とが重複することを特徴とするプラズマディスプレイ装置の駆動方法である。
また、請求項2に記載の発明は、行方向に延び表示ラインを形成する複数の行電極とこの行電極と交差して放電セルを形成するように配列した複数の列電極とを備えたプラズマディスプレイパネルと、このプラズマディスプレイパネルを駆動するための駆動回路とを有するプラズマディスプレイ装置の駆動方法において、行電極に対して、極性が周期的に反転する所定の維持パルスを印加することにより維持放電を発生させ維持させる維持期間と、列電極に対して、所定の書き込みパルスを印加してアドレス放電を発生させることにより、発光あるいは消去させる放電セルを順次選択する書き込み期間とを有し、複数の行電極を複数のブロックに区分し、ブロックの各々では書き込み期間と維持期間とを分離して順次実行し、ブロック各々の書き込み期間が時間的に重複しないように書き込み期間をずらすことを特徴とするプラズマディスプレイ装置の駆動方法である。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、1フィールドでの維持期間を複数のサブフィールドに分割し、先頭部のサブフィールドにおいてのみ所定の放電セルを発光または非発光のいずれか一方の状態に初期化するリセット期間と、後続するサブフィールドのうちのいずれか1つのサブフィールドにおいて、前記放電セルを発光または非発光のいずれか一方の状態に設定する書き込み期間と、前記放電セルのみを所定の期間だけ連続して発光させる維持期間とを有することを特徴とするものである。
また、請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の発明において、前記ブロック内に発光期間と休止期間とを設け、前記ブロックの時間をそれぞれ一定期間としたことを特徴とするものである。
また、請求項5に記載の発明は、行方向に延び表示ラインを形成する複数の行電極とこの行電極と交差して放電セルを形成するように配列した複数の列電極とを備えたプラズマディスプレイパネルと、このプラズマディスプレイパネルを駆動するための駆動回路とを有するプラズマディスプレイ装置の駆動方法において、行電極に対して、極性が周期的に反転する所定の維持パルスを印加することにより維持放電を発生、維持させる維持期間と、列電極に対して、所定の書き込みパルスを印加してアドレス放電を発生させることにより、発光あるいは消去させる放電セルを順次選択する書き込み期間とを有し、表示ライン単位で維持期間と書き込み期間とが重複することを特徴とするプラズマディスプレイ装置の駆動方法である。
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、1フィールドを発光期間と非発光期間とに分割したことを特徴とするものである。
また、請求項7に記載の発明は、1フィールドでの維持期間を複数のサブフィールドに分割し、先頭部のサブフィールドにおいてのみ所定の放電セルを発光または非発光のいずれか一方の状態に初期化するリセット期間と、後続するサブフィールドのうちのいずれか1つのサブフィールドにおいて、前記放電セルを発光または非発光のいずれか一方の状態に設定する書き込み期間と、前記放電セルのみを所定の期間だけ連続して発光させる維持期間とを有することを特徴とする請求項6に記載のプラズマディスプレイ装置の駆動方法である。
以下、本発明の一実施形態に係るプラズマディスプレイ装置の駆動方法について図を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の一実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置の駆動方法により駆動されるプラズマディスプレイ装置の概略構成を示すブロック図である。
プラズマディスプレイ装置1は、PDP10とそれを駆動するための駆動回路20とを有する。
PDP10の構成の一例を、図8から図12に示す。図8はPDP10の行電極12、13と隔壁との関係を模式的に表す平面図であり、図9は図8のV1−V1矢視断面図、図10は図8のV2−V2矢視断面図、図11は図8のW1−W1矢視断面図、図12は図8のW2−W2矢視断面図である。図8〜図12に示すPDP10は、交流駆動方式の面放電型である。
図8〜図12において、表示面である前面ガラス基板11の内面側に、複数の行電極12、13が、前面ガラス基板11の行方向(図8の左右方向)に延びるように平行に配列されている。行電極12は、ITO等の透明導電膜からなる透明電極12aと、前面ガラス基板11の行方向に延びて透明電極12aの狭小の基端部に接続された金属膜からなるバス電極12bによって構成されている。行電極13も同様に、ITO等の透明導電膜からなる透明電極13aと、前面ガラス基板11の行方向に延びて透明電極13aの狭小の基端部に接続された金属膜からなるバス電極13bによって構成されている。
この行電極12、13は、前面ガラス基板11の列方向(図8の上下方向)に交互に配列されており、バス電極12bと13bに沿って並列されたそれぞれの透明電極12aと13aが、それぞれ所要の幅の放電ギャップgを介して対向している。
前面ガラス基板11の内面側には、さらに、行電極12、13を被覆するように誘電体層14が形成されている。この誘電体層14の内面側には、MgOからなる保護層15が形成されている。
一方、前面ガラス基板11と平行に対向して配置された背面ガラス基板16の内面側の面上には、列電極17が、各行電極12、13の互いに対となった透明電極12aおよび13aに対向する位置において行電極12、13と直交する方向(列方向)に延びるように、互いに所定の間隔を開けて平行に配列されている。
背面ガラス基板16の内面側の面上には、さらに、列電極17を被覆する誘電体層18が形成され、この誘電体層18上に、隔壁19が形成されている。
ここで、隔壁19としては、例えば、互いに平行に配列された各列電極17の間の位置において列方向に延びる縦壁19aと、行方向に延びる横壁19bとによって井桁状に形成されている。隔壁19の縦壁19aと横壁19bの高さは、同じであっても良いし、段差を設けて空間に隙間がある形でもよい。そして、この井桁状の隔壁19によって前面ガラス基板11と背面ガラス基板16の間の空間が、各行電極対12、13において対となった透明電極12aと13aに対向する部分ごとに区画されて、それぞれ方形の放電空間Sが形成されている。
放電空間Sに面する隔壁19の縦壁19aおよび横壁19bの側面と誘電体層18の表面には、これらの五つの面を全て覆うように蛍光体層28が、それぞれ順に形成されている。この蛍光体層28の色は、各放電空間SごとにR、G、Bの色が行方向に順に並ぶように設定される。そして、放電空間S内には放電ガスとしての希ガスが封入されている。
上記のPDP10は、行電極対12、13がそれぞれマトリクス表示画面の1表示ライン(行)Lを構成し、また、井桁状の隔壁19によって区画された放電空間Sが、それぞれ一つの放電セルCを画定している。
ここで、行電極12、13は、一方がスキャン電極(走査電極)、他方がサステイン電極(維持電極)として、そして列電極17はアドレス電極(データ電極)として機能するものである。
すなわち、このPDP10における画像表示は、先ず、書き込み(アドレス)動作により、各放電セルCにおいて行電極12、13の一方と列電極17との間で選択的に放電が行われ、全表示ラインLに点灯セル(誘電体層14上に壁電荷が形成された放電セルC)と消灯セル(誘電体層14上に壁電荷が形成されなかった放電セルC)とが、表示する画像に対応して、パネル上に分布される。
この書き込み動作の後、表示ラインLにおいて一斉に、行電極対12、13に対して交互に維持パルスが印加され、この維持パルスが印加されるごとに、各点灯セルにおいて面放電が発生される。以上のようにして、点灯セルにおける面放電により紫外線が発生され、放電空間S内のR、G、Bの各蛍光体層28がそれぞれ励起されて発光することにより、表示画面が形成される。
ここで、上記PDP10においては、隔壁19により列方向(垂直方向)および行方向(水平方向)において隣接する放電セルCの放電空間Sが互いに遮蔽されていることにより、隣接する放電セルC間での放電の干渉が生じるのが防止される。
また、図1に示すように、駆動回路20は、アドレスドライバ21、スキャンドライバ22A〜22H、サステインドライバ23A〜23H、放電制御タイミング発生回路24、A/Dコンバータ(アナログ・デジタル変換器)25、走査数変換部26およびサブフィールド変換部27を備える。
A/Dコンバータ25には映像信号VDが入力される。また、放電制御タイミング発生回路24、A/Dコンバータ25、走査数変換部26およびサブフィールド変換部27には水平同期信号Hおよび垂直同期信号Vが与えられる。
A/Dコンバータ25は、映像信号VDをデジタルの画像データに変換し、その画像データを走査数変換部26に与える。走査数変換部26は、画像データをPDP10の画素数に応じたライン数の画像データに変換し、各ラインごとの画像データをサブフィールド変換部27に与える。各ラインごとの画像データは、各ラインの複数の画素にそれぞれ対応する複数の画素データからなる。サブフィールド変換部27は、各ラインごとの画像データの各画素データを複数のサブフィールドに対応する複数のビットに分割し、各サブフィールドごとに各画素データの各ビットをアドレスドライバ21にシリアルに出力する。
放電制御タイミング発生回路24は、水平同期信号Hおよび垂直同期信号Vを基準として、放電制御タイミング信号SC−A〜SC−Hと放電制御タイミング信号SU−A〜SU−Hを発生し、放電制御タイミング信号SC−A〜SC−Hをスキャンドライバ22A〜22Hにそれぞれ与え、放電制御タイミング信号SU−A〜SU−Hをサステインドライバ23A〜23Hにそれぞれ与える。
前述したように、PDP10における、行電極12、13は、一方がスキャン電極(走査電極)、他方がサステイン電極(維持電極)として機能し、列電極17はアドレス電極(データ電極)として機能するものであり、列電極17は画面の垂直方向に配列され、行電極12、13は画面の水平方向に配列されている。そして行電極12、13と列電極17の各交点には放電セルCが形成され、各放電セルCが画面上の画素を構成している。そして複数のラインLは複数のブロック、例えばA〜Hの8ブロックに分割されている。
第1ラインから第Lラインまでの行電極12はスキャンドライバ22Aに接続され、第(L+1)ラインから第2Lラインまでの行電極12はスキャンドライバ22Bに接続され、第(6L+1)ラインから第7Lラインまでの行電極12はスキャンドライバ22Gに接続され、第(7L+1)ラインから第8Lラインまでの行電極12はスキャンドライバ22Hに接続されている。
また、第1ラインから第Lラインまでのサステイン電極13はサステインドライバ23Aに共通に接続され、第(L+1)ラインから第2Lラインまでのサステイン電極13はサステインドライバ23Bに共通に接続され、第(6L+1)ラインから第7Lラインまでのサステイン電極13はサステインドライバ23Gに共通に接続され、第(7L+1)ラインから第8Lラインまでのサステイン電極13はサステインドライバ23Hに共通に接続されている。
アドレスドライバ21は、サブフィールド変換部27から各サブフィールドごとにシリアルに与えられるデータをパラレルデータに変換し、そのパラレルデータに基づいて複数のアドレス電極17を駆動する。
スキャンドライバ22Aは、放電制御タイミング発生回路24から与えられる放電制御タイミング信号SC−Aに応じてセットアップパルス、書き込みパルス、維持パルスを第1ラインから第Lラインまでのスキャン電極12に印加する。スキャンドライバ22Bは、放電制御タイミング発生回路24から与えられる放電制御タイミング信号SC−Bに応じてセットアップパルス、書き込みパルス、維持パルスを第(L+1)ラインから第2Lラインまでのスキャン電極12に印加する。スキャンドライバ22Gは、放電制御タイミング発生回路24から与えられる放電制御タイミング信号SC−Gに応じてセットアップパルス、書き込みパルス、維持パルスを第(6L+1)ラインから第7Lラインまでのスキャン電極12に印加する。スキャンドライバ22Hは、放電制御タイミング発生回路24から与えられる放電制御タイミング信号SC−Hに応じてセットアップパルス、書き込みパルス、維持パルスを第(7L+1)ラインから第8Lラインまでのスキャン電極12に印加する。
サステインドライバ23Aは、放電制御タイミング発生回路24から与えられる放電制御タイミング信号SU−Aに応じて第1ラインから第Lラインまでのサステイン電極13を同時に駆動する。サステインドライバ23Bは、放電制御タイミング発生回路24から与えられる放電制御タイミング信号SU−Bに応じて第(L+1)ラインから第2Lラインまでのサステイン電極13を同時に駆動する。サステインドライバ23Gは、放電制御タイミング発生回路24から与えられる放電制御タイミング信号SU−Gに応じて第(6L+1)ラインから第7Lラインまでのサステイン電極13を同時に駆動する。サステインドライバ23Hは、放電制御タイミング発生回路24から与えられる放電制御タイミング信号SU−Hに応じて第(7L+1)ラインから第8Lラインまでのサステイン電極13を同時に駆動する。
図2は、図1のプラズマディスプレイ装置1の各ブロックにおけるリセット期間、書き込み期間および維持期間のタイミングチャートである。図2の縦軸はAブロックからHブロックまでのブロックを示し、横軸は時間を示す。
図2に示すように、PDP10がA〜Hまで8分割され、第1〜第Lラインまでのスキャン電極12およびサステイン電極13がAブロックとなり、第L+1〜第2Lラインまでのスキャン電極12およびサステイン電極13がBブロックとなり、全部で8ブロックとなる。また、アドレスドライバ21、スキャンドライバ22A〜22Hおよびサステインドライバ23A〜23Hにより各ブロックごとに放電タイミングが以下のように制御される。
まず、Aブロックから駆動を開始し、最初にリセットを実施する。リセット期間が終了した後、書き込み動作を行う書き込み期間と維持動作を行う維持期間とが開始される。
次に、Aブロックの書き込み期間が終了した時点でBブロックの書き込み期間が開始される。Bブロックにおいてはこのタイミングで書き込み動作が可能となるようなタイミングでリセット期間を開始する。同様に、Bブロックの書き込み期間が終了した時点でCブロックの書き込み動作が開始できるようなタイミングでCブロックのリセット動作を開始する。このように、PDP10では、アドレス電極である列電極17が共通であるため、異なるブロック間での書き込み動作の重複は不可能である。
一方、サブフィールド数をできる限り増やすために、パルスブランキング期間などを設けずにタイミングを考えると各ブロックの書き込み動作を、各ブロック間でとぎれることなく連続で行うことが望まれる。この結果、列電極17では、連続書き込み動作となっている。これを実施するためには、各ブロックA〜Hのリセット開始タイミングをブロックごとの書き込み期間だけずらせば良い。
Hブロックまで書き込み動作が実施されると再びAブロックの書き込みを行う。この時、Hブロックの書き込み期間までを一つのサブフィールド期間とする。再度Aブロックの書き込み動作が開始され、Hブロックまで順次書き込み動作が行われたとき、そこまでの期間をSF2とする。順次連続書き込み動作を1フィールド期間実施する。
次に、書き込み動作と維持動作が重なる場合の駆動波形について説明する。
図2には、例えば、第1のサブフィールドSF1において、ブロックAの維持期間中にブロックBの書き込み期間が設定されている例を示している。
このような場合、図3に示すように、維持期間中のブロックのスキャン電極12およびサステイン電極13にはそれぞれ維持パルスが印加され、一方、アドレス電極17には、維持期間中のブロックのスキャン電極12とサステイン電極13が共にLowの期間に書き込みパルスが印加され、書き込み期間中のブロックの対応するスキャン電極12に書き込みパルスが印加される。これにより、各ブロックに対してアドレス電極17が共通に使用される場合でも、各ブロック間で駆動パルスの干渉をなくし、維持放電およびアドレス放電を並行して安定に行うことができる。
なお、リセット期間としては、数百μs設ける場合でも、数μsのパルスリセットを用いるような場合であってもかまわない。
この様に、本発明においては、個別のブロックでは書き込み期間と維持期間とが分離された駆動であり、従来と同様の駆動方法であるが、そのブロック間で書き込み時間をずらし、維持期間と発光期間を重複させることにより書き込み期間を短縮することが本発明の特徴的な点である。この方式では、個別のブロックは従来と同様の駆動であるため安定動作が見込まれ、ブロック間の同期をとるだけで比較的容易に安定駆動を行うことができるという利点がある。
さらに、上述したようなブロック駆動方式では、PDP10の駆動を個別のブロックに分割して行うため、それぞれのブロック内では書き込みを行うライン数が減っているため、従来の駆動に比べ書き込み期間の時間を短縮することができる。その結果、それぞれラインにおいてアドレス放電後から次の維持パルスまでの時間(書き込みの状態の電荷を保持している時間)を短くすることができる。このため、隔壁19が井桁構造であるPDP10における課題である、電荷抜けおよび不灯などの不具合を抑えることができるという利点がある。
ここで、SF数を増やす場合のサブフィールド数の計算について説明する。
上述したような、書き込み・維持同時駆動を用いてSF数をどの程度増加させることができるかについては、書き込み時間に依存する。そこで、PDP10の諸条件として、解像度が768×1024、上下2分割駆動、書き込み時間が2.0μsと仮定して、SF数の試算を行う。
この時、一つのアドレス電極で駆動する全体ライン数は384ラインとなる。1フィールド内の書き込み回数は、16.7msec/2.0μs=8333回である。これをライン数で割ると21.7となり、この結果からSF数を21とすることができる。
一つのブロックを仮に128ラインとすると、この時、1サブフィールドあたりの書き込み期間は128×2.0μs=256μsとなる。1ブロックのトータル時間が770μsとすると、維持期間は770−256=514μsとなる。維持周期を5.0μsとすると100パルス程度を確保することが可能である。
次に、このようなサブフィールド構成の場合に、階調を表現する方法について説明する。選択消去アドレス法を採用した場合、サブフィールドSF1の最初にリセット期間を実行する。引き続く書き込み期間で消去したい放電セルにデータを書き込む動作を行う。消去アドレスが実行されるまで、放電セルはサブフィールドごとに連続して発光する。発光させたい放電セルの輝度情報に応じていずれかのサブフィールドで消去アドレス動作を行い発光動作を終了する。このような階調表現を行った場合、従来の駆動と同様に発光しているサブフィールドが連続しているため動画疑似輪郭は原理的に発生しないという効果がある。
さらに、維持パルスをサブフィールドに分配する方法であるが、上記駆動方法によるとサブフィールドごとのパルス数の加算で階調を表現することになる。ただし、ガンマ特性の補正を行うため、サブフィールド間で重み付けを行い、維持パルス数を分配する。このため、サブフィールドによってパルス数は、1から100程度まで変化する。この時、維持パルスの周期を一定とし、所定のパルス数を実行した後は維持発光を発生させない休止期間を設ける。この結果、サブフィールド内のパルス数に依らず、サブフィールドトータルの期間を一定とすることが可能となり、書き込み動作と維持動作との同期がとりやすくなり安定に同時駆動を行うことができる。
以上述べてきたように、本発明によれば、井桁形状の隔壁を備えるPDP(井桁パネル)に対して、書き込みと維持との同時駆動(書き込み・維持同時駆動)、特にブロック駆動を行うことにより、ブロックの境界部分における放電セル間で発光の影響がなく、クロストークの発生を抑えることが可能となる。
また、維持期間中に他のブロックの書き込み期間が設定されているため、従来のADS駆動に比べ、書き込み時間を短縮することができる。この結果、サブフィールド数を増やすことが可能となり、従来に比べ実現できる階調数が増加し、高画質化制御を行った場合のノイズ発生を抑制することが可能となる。
また、アドレス放電から次の維持パルスまでの電荷保持時間を短縮することができるため、井桁パネルで発生していた書き込み時間延長による電荷抜けおよび不灯の不具合を抑えることが可能となる。
また、複数のサブフィールドを連続して発光させるため、原理的に動画疑似輪郭ノイズの発生を抑えることが可能である。
また、それぞれのサブフィールド内に維持期間と休止期間を設けることにより、サブフィールドトータルの期間をそれぞれ一定にすることにより、書き込み・維持同時駆動の同期がとりやすくなり、安定した動作を行うことができる。
次に、書き込み期間を長くする場合の書き込み時間の計算について説明する。アドレス・維持同時駆動のメリットとして、従来のADS駆動に比べて書き込み時間を短縮することができることが挙げられる。この利点をSF数を増加させるための時間に分配していたが、パネルの高輝度化としてXeガス分圧を上昇させると、書き込み時間が増加するという問題が生じる場合があり、そこで逆に、書き込み時間を増加させるために、本発明の書き込み・維持同時駆動を応用することを考える。
PDP10の諸条件として、解像度が768×1024、上下2分割駆動とすると、一つのアドレス電極で駆動する全体ライン数は384ラインとなる。この時、サブフィールド数を従来と同程度の12とすると1フィールドあたりの書き込み回数は、12×384=4608回となる。1フィールドの時間(1/60sec)をこれで割ると、1/60/4608=3.6μsとなる。従来の書き込み時間を2.0μsとすれば、それより1.8倍増加させることが可能となる。
以上のように、維持期間中に他のブロックの書き込み期間を挿入することにより、従来のADS駆動に比べ、トータルのサブフィールド数を変化させない場合、書き込み時間を増加させることが可能である。
この結果、井桁パネルで発生していた書き込み動作の不安定現象や不灯を解決することができる。また、アドレス放電から次の維持パルスまでの電荷保持時間を短縮することができるため、井桁パネルで発生していた書き込み時間延長による電荷抜けおよび不灯の不具合を抑えることが可能となる。
また、高効率化などで書き込み時間が長くなるパネルに対しても、書き込みを確実に行うことが可能となり、安定な動作を保証することができる。
なお、書き込み・維持同時駆動、特にブロック駆動の特徴として、クロストークの影響が発生するところはブロック間の境界であり、その数は(ブロック数−1)カ所になる。
このことは、後述するライン駆動よりもクロストークの発生箇所が少なく、井桁パネルを用いない場合でも影響度合いを減少させる効果がある。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2に係るプラズマディスプレイ装置の駆動方法について図を参照しながら説明する。
本実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置の概略構成は、実施の形態1において図1で示したものと同様であり、したがって、PDP10も、実施の形態1において、図8〜12を用いて示した構成と同様の井桁パネルである。以下、本実施の形態によるアドレス・維持同時駆動の駆動方式について説明する。
図4は書き込み・維持同時駆動方式を説明するための図である。図4の縦軸は第1ラインから第nラインまでのスキャン電極の走査方向(垂直走査方向)を示し、横軸は時間を示している。
本実施の形態では、書き込み・維持同時駆動方式は各ラインごとにアドレス放電に続いて維持放電が開始される方式である。図4に示す例では、1フィールドが4つのサブフィールドSF1、SF2、SF3、SF4に時間的に分割され、各サブフィールドSF1〜SF4がそれぞれ書き込み期間AD1〜AD4と維持期間SUS1〜SUS4とを含んでいる。
各サブフィールドSF1〜SF4において、各ラインごとに書き込み期間AD1〜AD4に続いて維持期間SUS1〜SUS4が設定されている。そのため、1フィールドのほぼすべてを維持期間にあてることができる。この結果、高輝度化あるいはサブフィールド数の増加が可能となる。
次に、図5を用いて書き込み・維持同時駆動方式の詳細を説明する。図5は各ラインにおける書き込み期間と維持期間、さらに書き込みのタイミングを示したものである。各ラインでは、書き込み期間の後にそれぞれのSFの重み付けに応じた維持期間が設定されている。各ラインがそれぞれ順次書き込み期間だけ遅れて駆動している。
図5中に示す、拡大した区間では、水平走査ラインの1、6、9が同時に書き込みを行っている例を示している。ライン1はSF4、ライン6はSF3、ライン9はSF2の書き込み動作を行う予定である。この時、図のように一つの書き込み期間を8区間に分割しているため、それぞれの書き込み動作を重複することなく実行することができる。以上のようにライン単位で書き込み・維持同時駆動を行う場合でも、書き込み動作が重複することなく駆動を行うことができる。
さらに、駆動波形のタイミングチャートを図6に示す。図6では、サステイン電極13、第nライン〜第(n+3)ラインのスキャン電極12およびアドレス電極17の駆動電圧が示されている。ここで、nは任意の整数である。
図6において、サステイン電極13には、一定周期でサステインパルスPsuが印加され、書き込み期間には、スキャン電極12に書き込みパルスPwが印加される。この書き込みパルスPwに同期してアドレス電極17に書き込みパルスPwaが印加される。アドレス電極17に印加される書き込みパルスPwaのオンオフは、表示する画像の各画素に応じて制御される。書き込みパルスPwと書き込みパルスPwaとが同時に印加されると、スキャン電極12とアドレス電極17との交点の放電セルCでアドレス放電が発生し、その放電セルCが点灯する。
書き込み期間後の維持期間では、スキャン電極12に一定周期で維持パルスPscが印加される。
スキャン電極12に印加される維持パルスPscの位相は、サステイン電極13に印加されるサステインパルスPsuの位相に対して180度ずれている。この場合、アドレス放電で点灯した放電セルにおいてのみ維持放電が発生する。
各サブフィールドの終了時には、スキャン電極12に消去パルスPeが印加される。これにより、各放電セルの壁電荷が消滅し、維持放電が終了する。消去パルスPeの印加後、次のサブフィールドの開始前までの間にスキャン電極12に一定周期で休止パルスPrが印加される。消去パルスPeの印加から次のサブフィールドの開始までの期間を休止期間と呼ぶ。
ここで、隔壁がいわゆるストライプ形状である場合には、以上のような書き込み・維持同時駆動、特にラインごとに駆動を行うライン駆動の場合、発光ラインの上下のセルに電荷の影響が及び、クロストークを発生するという問題が発生していた。これに対して、井桁PDPを用いて書き込み・維持同時駆動方式でライン駆動を行うことにより、放電セルでの隔壁の存在により電荷の移動を抑制することができ、その結果、クロストークを防止することが可能となる。
また一方で、ライン駆動では、それぞれラインにおいてアドレス放電後から次の維持パルスまでの時間(書き込みの状態の電荷保持時間)を短くすることができる。このため、井桁パネルで発生していた電荷抜けおよび不灯の不具合を抑えることができるという利点がある。
ここで、SF数を増やす場合のサブフィールド数の計算について以下に説明する。書き込み・維持同時駆動を用いてSF数をどの程度増加させることができるかについては、書き込み時間に依存する。そこで、PDP10の諸条件として、解像度が768×1024、上下2分割駆動、書き込み時間が2.0μsと仮定し、また、サブフィールド数を20と仮定してSF数の試算を行う。
維持パルスの間に書き込みパルス(アドレスパルス)を挿入するため、維持パルス周期は維持パルス幅と書き込みパルス幅との合計になる。維持パルス幅を2.5μs、書き込みパルス幅を2.0μsとすると、維持パルスの周期は9μsとなる。書き込みパルスは維持パルスの1周期に2発挿入できるため、書き込みを行う基本単位は9μs×20/2=90μsとなる。1フィールドには16.6ms/90μs=185セット実現可能である。書き込みに20セット使用するため、維持発光には165セット使用可能である。サブフィールド間連続駆動(PWM駆動)を行い、サブフィールド間にガンマ補正用の重み付けを行うと、それぞれのサブフィールドのセット数は、0、1、2、2、3、4、5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、15、16、17、18となる。なお、この重み付けとパルス数の分配はこれに限るものでなく、適宜決定すれば良い。
以上述べてきたように、維持パルスの間に書き込みパルスを挿入するため、従来のADS駆動に比べて、書き込み時間を短縮することができる。この結果、サブフィールド数を20程度まで増やすことが可能となる。このため、従来に比べ実現できる階調数が増加し、高画質化制御を行った場合のノイズ発生を抑制することが可能となる。
また、複数のサブフィールドを連続して発光させるため原理的に動画疑似輪郭ノイズも原理的に発生しないという利点がある。
また、維持期間ライン駆動では、アドレス放電から次の維持パルスまでの電荷保持時間を大幅に短縮することができるため、井桁パネルで発生していた電荷抜けおよび不灯の不具合を抑えることが可能となる。
さらに、実施の形態1で説明していたブロック駆動に比べ、サブフィールド内の維持期間に休止期間を設ける必要がないため、維持期間全てを維持発光に使うことができる。このため、高輝度化の実現にはライン単位で駆動するライン駆動の方が有利となる。
次に、書き込み期間を長くする場合の書き込み時間の計算について以下に述べる。書き込み・維持同時駆動のメリットとして、従来のADS駆動に比べて書き込み時間を短縮することができることが挙げられる。この利点をSF数を増加させるための時間に分配していたが、パネルの高輝度化としてXeガス分圧を上昇させると、書き込み時間が増加するという問題が生じる場合があり、そこで逆に、書き込み時間を増加させるために、本発明の書き込み・表示同時駆動を応用することを考える。
サブフィールド数は通常の12とする。維持パルスの間に書き込みパルスを挿入するため、維持パルス周期は維持パルス幅と書き込みパルス幅との合計になる。維持パルス幅を2.5μs、書き込みパルス幅を3.5μsとすると維持パルスの周期は12μsとなる。書き込みパルスは維持パルスの1周期に2発挿入できるため、書き込みを行う基本単位は12μs×12/2=72μsとなる。1フィールドには16.6ms/72μs=231セット実現可能である。書き込みに12セット使用するため、維持発光には219セット使用可能である。サブフィールド間連続駆動(PWM駆動)を行い、サブフィールド間にガンマ補正用の重み付けを行うと、それぞれのサブフィールドのセット数は、2、4、6、9、12、16、19、23、26、30、34、38となる。なお、この重み付けとパルス数の分配はこれに限るものでなく、適宜決定すれば良い。
以上のように、維持パルスの間に書き込みパルスを挿入するため、従来のADS駆動に比べ、トータルのサブフィールド数を変化させない場合、書き込み時間を増加させることが可能である。この結果、高効率化パネルに対しても、書き込みを確実に行うことが可能となり、安定な動作を保証することができる。
また、書き込み時間を延ばすことができるため、井桁パネルで発生していた書き込み動作の不安定現象や不灯を解決することができる。また、アドレス放電から次の維持パルスまでの電荷保持時間を大幅に短縮することができるため、井桁パネルで発生していた電荷抜けおよび不灯の不具合を抑えることが可能となる。
(実施の形態3)
本実施の形態においては、PDP10の構成は、実施の形態1において図8〜12に示した構成と同様であり、井桁パネルである。そして本実施の形態での書き込み・維持同時駆動の駆動方式、特に圧縮駆動方式について図7を用いて説明する。
図7は、圧縮駆動方式を説明するための図である。図7の縦軸は第1ラインから第nラインまでの行電極の一方であるスキャン電極の走査方向(垂直走査方向)を示し、横軸は時間を示す。圧縮駆動方式では、1フィールドを発光期間とパルスブランキング期間(非発光期間)とに時間的に分割するとともに、発光期間を複数のサブフィールドに時間的に分割する。この圧縮駆動方式においても、書き込み・維持同時駆動方式と同様に、各ラインごとにアドレス放電に続いて維持放電が開始される。
図7において、発光期間が4つのサブフィールドSF1、SF2、SF3、SF4に時間的に分割され、各サブフィールドSF1〜SF4がそれぞれ書き込み期間AD1〜AD4と維持期間SUS1〜SUS4とを含む。
各サブフィールドSF1〜SF4において、各ラインごとに書き込み期間AD1〜AD4に続いて維持期間SUS1〜SUS4がそれぞれ設定されている。また、各ラインごとに発光期間に続いてパルスブランキング期間が設定されている。
以上述べてきたように、各フィールドでの発光期間が圧縮されているので、各画素の輝度が確定するまでの発光時間が短縮される。したがって、動画疑似輪隔の発生が低減または防止される。
また、井桁パネルを用いてライン駆動を行うことにより、隔壁があるため電荷の移動を抑制することができるため、クロストークを防止することが可能となる。
なお、階調実現の方法として、PWM駆動を用いても重み付けのサブフィールドを足し合わせる方法でもかまわない。
以上、説明してきたように、本発明によれば、書き込み・維持同時駆動、特にブロック単位で駆動を行うことにより、特に井桁パネルにおいて、ブロックの境界部分における放電セル間で発光の影響がなく、クロストークの発生を抑えることが可能となる。また、従来のADS駆動に比べて書き込み時間を短縮することができるため、サブフィールド数を増やすことが可能となる。また、従来の駆動に比べ書き込み期間の時間を短縮できるのでアドレス放電後から次の維持パルスまでの時間(書き込みの状態の電荷保持時間)を短くすることができる。このため、井桁パネルで発生していた電荷抜けおよび不灯の不具合を抑えることが可能となる。また、それぞれのサブフィールド内に維持期間と休止期間を設けることにより、書き込み・維持同時駆動の同期がとりやすくなり、安定した動作を行うことができる。このため、従来に比べ実現できる階調数が増加し、高画質化制御を行った場合のノイズ発生を抑制することが可能となる。さらに、複数のサブフィールドを連続して発光させるため原理的に動画疑似輪郭ノイズの発生を抑えることが可能である。
また、ブロックの境界部分における放電セル間で発光の影響がなく、クロストークの発生を抑えることが可能となる。また、従来のADS駆動に比べ、トータルのサブフィールド数を変化させない場合、書き込み時間を増加させることが可能である。この結果、高効率化パネルに対しても、書き込みを確実に行うことが可能となり、安定な動作を保証することができる。また、井桁パネルで発生していた電荷抜けおよび不灯の不具合を抑えることが可能となる。さらに、それぞれのサブフィールド内に維持期間と休止期間を設けることにより、書き込み・維持同時駆動の同期がとりやすくなり、安定した動作を行うことができる。さらに、複数のサブフィールドを連続して発光させるため原理的に動画疑似輪郭ノイズの発生を抑えることが可能である。
また、書き込み・維持同時駆動、特にライン単位で駆動を行うことにより、特に井桁パネルにおいて、ライン間のクロストークを防止することができる。また、サブフィールド内の維持期間のほとんど全てを維持発光に使うことができるため、高輝度化を実現することができる。また、従来のADS駆動に比べ書き込み時間を短縮することができるため、サブフィールド数を増やすことが可能となる。また、従来の駆動に比べ書き込み期間の時間を短縮できるのでアドレス放電後から次の維持パルスまでの時間(書き込みの状態の電荷保持時間)を短くすることができる。このため、井桁パネルで発生していた電荷抜けおよび不灯の不具合を抑えることが可能となる。また、従来に比べ実現できる階調数が増加し、高画質化制御を行った場合のノイズ発生を抑制することが可能となる。また、複数のサブフィールドを連続して発光させるため原理的に動画疑似輪郭ノイズの発生を抑えることが可能であるという利点がある。
また、ライン間のクロストークを防止することができる。また、サブフィールド内の維持期間のほとんど全てを維持発光に使うことができるため、高輝度化を実現することができる。さらに、従来のADS駆動に比べ、トータルのサブフィールド数を変化させない場合、書き込み時間を増加させることが可能である。この結果、井桁パネルで発生していた書き込み動作の不安定現象や不灯を解決することができる。また、高効率化パネルに対しても書き込みを確実に行うことが可能となり、安定な動作を保証することができる。
また、各フィールドでの発光期間を圧縮することにより各画素の輝度が確定するまでの発光時間が短縮される。したがって、動画疑似輪隔の発生が低減される。