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JP2005050552A - 有機el表示装置 - Google Patents

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JP2005050552A
JP2005050552A JP2003202867A JP2003202867A JP2005050552A JP 2005050552 A JP2005050552 A JP 2005050552A JP 2003202867 A JP2003202867 A JP 2003202867A JP 2003202867 A JP2003202867 A JP 2003202867A JP 2005050552 A JP2005050552 A JP 2005050552A
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organic
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JP2003202867A
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Masaaki Asano
雅朗 浅野
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

【課題】ITO等のアノード電極上にある突起を処理し、リーク電流やダークスポットの発生を抑制し、歩留まり率が高く、低コスト化を実現し得る有機EL素子を提供すること。
【解決手段】アノード電極と、カソード電極と、これらの電極間に設けられた1種以上の有機層とを有し、該アノード電極は、補助電極層、一部開口部を有する平坦化層及び透明電極層を積層してなり、該開口部において該補助電極層と該透明電極層が電気的に接続していることを特徴とする有機EL表示装置。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機EL表示装置に関し、特に低電圧、低消費電力で駆動可能な、輝度ムラの小さなフラットパネルディスプレイ型の有機EL表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、有機EL素子が盛んに研究されている。これは、アノード電極上にトリフェニルアミン誘導体等のホール輸送材料を薄膜状に蒸着し、さらにMg等の仕事関数の小さいカソード電極を形成した基本構成を有する素子で、10V前後の電圧で数百から数万cd/mときわめて高い輝度が得られることで注目されている。
【0003】
このような有機EL素子のアノード電極は、このアノード電極側から発光光を取り出す場合、透明な導電性材料からなる透明電極層であることが必要となる。このような透明電極材料として、ITO、IZO、ZnO、SnO、In等が知られている。中でもITO電極は、80%以上の可視光透過率と、100Ω/□以下のシート抵抗を併せ持つことが可能な透明電極層として、LCD、太陽電池等の透明電極層として幅広く使用されており、有機EL素子のアノード電極としても有望視されている。
【0004】
ところで、有機EL素子は所定の発光電流を必要とし、電流密度に比例して発光輝度が増大する。このため、有機EL素子を応用した有機EL表示装置では、配線の長さが短い場合には無視できた配線抵抗も、複雑な表示パターンや大画面のディスプレイ、あるいは光輝度の駆動や高デューティー比での駆動を実現しようとする場合、アノード電極等の透明電極層あるいはこれと接合するための電極での電圧降下が問題になってくる。また、発光層から透明電極層までの厚さが厚くなると、取り出される光のスペクトルに視野角依存性が発生することが知られており、透明電極層を厚くして低シート抵抗のアノード電極を形成して電圧降下を改善することが難しい。
【0005】
これらの問題を解決する手段として、透明電極層に接してNi、Cu、Cr、Ti、Fe、Co、Mo、Au、Ag、Al、Pt、Rh、Pd及びSn等の金属又はそれらの合金からなる金属電極を補助電極層として設けたものが提案されている(例えば、特許文献1〜6参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−162961号公報
【特許文献2】
特開平10−199680号公報
【特許文献3】
特開平10−214684号公報
【特許文献4】
特開平10−223374号公報
【特許文献5】
特開平11−31590号公報
【特許文献6】
特開平11−144877号公報
【0007】
このような電極構成とするには、補助電極層を形成後、透明電極層を形成する場合と、透明電極層を形成後、補助電極層を形成する場合とがある。
【0008】
補助電極層を形成後、透明電極を形成する場合には、その下地基板がカラーフィルター層、色変換層又はバリア層であり、発光部以外の部位に補助電極層を形成する必要からフォトリソグラフィ法によりパターン状に補助電極層を形成する。その際に下地基板の表面全体に該補助電極層用の金属層を形成し、発光部に対応する部位をエッチングで除去するが下地基板の表面には、金属層が完全に除去されずに金属の残さが発生する。該残さが発生した面に透明電極層を形成すると、電極表面は該残さの影響で凹凸となり電極の平坦性が失われる。
【0009】
また、透明電極層を形成後、補助電極層を形成する場合には、その下地基板がカラーフィルター層、色変換層又はバリア層であり、発光部以外の部位に補助電極層を形成する必要からフォトリソグラフィ法によりパターン状に補助電極層を形成する。その際に透明電極層の表面全体に該補助電極層用の金属層を形成し、発光部に対応する部位をエッチングで除去するが透明電極層の表面には、金属層が完全に除去されずに金属の残さが発生する。電極層表面は該残さの影響で凹凸となり電極の平坦性が失われる。
【0010】
表面状態のよくない透明電極層が成膜された基板を用いて有機EL素子を製造すると、リーク電流を生じる確率が高く、このような不具合の生じた素子は不良品として排除されてしまう。このため、製品の歩留まりが悪く、有機EL素子を応用した製品を高価なものとする原因の一つになっている。
【0011】
このようなリーク電流の発生原因である膜表面の突起の発生の対応策として、有機層成膜前に逆スパッターを行い、透明電極表面の突起等を除去する試みもあるが、逆スパッターにより突起等を完全に除去することは困難である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、ITO等のアノード電極上にある突起を処理し、リーク電流やダークスポットの発生を抑制し、歩留まり率が高く、低コスト化を実現し得る有機EL素子を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記の課題を解決するために種々検討を重ねた結果、アノード電極と、カソード電極と、これらの電極間に設けられた1種以上の有機層とを有し、該アノード電極は、補助電極層、一部開口部を有する平坦化層及び透明電極層を積層してなり、該開口部において該補助電極層と該透明電極層とが電気的に接続してい形成することにより、所望の有機EL表示装置が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0014】
請求項1の発明は、アノード電極と、カソード電極と、これらの電極間に設けられた1種以上の有機層とを有し、該アノード電極は、補助電極層、一部開口部を有する平坦化層及び透明電極層を積層してなり、該開口部において該補助電極層と該透明電極層とが電気的に接続していることを特徴とする有機EL表示装置に関するものである。
【0015】
請求項2の発明は、該補助電極層をカラーフィルター層上に設けたことを特徴とする請求項1に記載の有機EL表示装置に関するものである。
【0016】
請求項3の発明は、該補助電極層と該カラーフィルター層との間に色変換層を設けたことを特徴とする請求項2に記載の有機EL表示装置に関するものである。
【0017】
請求項4の発明は、該補助電極層と該カラーフィルター層との間にバリア層を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の有機EL表示装置に関するものである。
【0018】
請求項5の発明は、該透明電極層がITOであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機EL表示装置に関するものである。
【0019】
請求項6の発明は、該透明電極層がIZOであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機EL表示装置に関するものである。
【0020】
請求項7の発明は、該補助電極層が、Ni、Cu、Cr、Ti、Fe、Co、Mo、Al及びSnからなる群から選ばれた金属又はそれらの金属の少なくとも1種を含む合金からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機EL表示装置に関するものである。
【0021】
請求項8の発明は、該透明電極層の表面に存在する突起の高さが100nm以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機EL表示装置に関するものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について図面を参照しながら説明する。
図1は、カラーフィルター層を設けた本発明の有機EL表示装置用カラー化基板であって、補助電極層を形成後、透明電極層を形成するタイプのものの正面断面図を示す。図2は、色変換層及びカラーフィルター層を設けた本発明の有機EL表示装置用カラー化基板であって、透明電極層を形成後、補助電極層を形成するタイプのものの正面断面図を示す。本発明の有機EL表示装置は、有機EL表示装置用カラー化基板の透明電極層側にさらに有機ELと背面基板とを設けたものである。
【0023】
有機EL素子は、原理的には、アノード電極とカソード電極の間に有機EL発光層をはさんだ構造を有するものであるが、実際に、有機EL素子を用いてカラー表示の可能な有機ELディスプレイとするには、(1)三原色の各色をそれぞれ発光する有機EL素子同士を配列する方式、(2)白色光に発光する有機EL素子を三原色のカラーフィルター層と組み合わせる方式、並びに(3)青色発光する有機EL素子と、青→緑、及び青→赤にそれぞれ色変換する色変換層(CCM層)とを組み合わせるCCM方式等がある。
【0024】
中でも、(3)のCCM方式では、同じ色に発光する有機EL素子を一種類使用すればよいので、上記(1)の方式の有機ELディスプレイにおけるように、各色の有機EL素子の特性を揃える必要が無く、また、(2)の方式の有機ELディスプレイにおけるように、三原色のカラーフィルターで色分解する際の白色光の利用率が低い欠点が解消され、CCM層の変換効率を高めることにより、ディスプレイの輝度を向上させることが可能で注目されている。
【0025】
上記(2)の三原色カラーフィルター層と組み合わせる方式においては、透明な基板の上にカラーフィルター層を設けた後に、保護層を介して、カソード電極層、発光層、及びアノード電極層を形成し、(3)の色変換層(CCM)と組み合わせる方式においては、透明基板上にカラーフィルター層及び色変換層を順に設けた後に、保護層を介して、カソード電極層、発光層、及びアノード電極層を形成することにより有機ELディスプレイを構成することができる。また、上記(1)の方式の場合にも、通常はカラーフィルター層を伴うので、上記(2)の場合と同様の方法で、有機ELディスプレイを構成することができる。ここで、発光層の形成を、カラーフィルター層や色変換層の形成よりも後に行うのは、他の層を形成する際の、発光層への悪影響を排除するためである。
【0026】
上記の説明中、有機ELディスプレイ用色変換フィルター及び有機ELディスプレイの各層を構成する素材、並びに、それらの積層方法等について、以降に詳しく説明する。
【0027】
透明基板は、有機ELディスプレイ用色変換フィルターを支える支持体であり、有機ELディスプレイを構成した際には、多くはその観察側に位置させるもので、有機ディスプレイ全体を支える支持体ともなり得るものである。透明基板の観察側には、必要に応じて、擦傷防止のためのハードコート層、帯電防止層、汚染防止層、反射防止層、防眩層等が直接積層されるか、若しくは透明フィルム上に積層されて適用されていてもよく、あるいは、タッチパネルのような機能が付加されていてもよい。
【0028】
透明基板は、大別すると、ガラスや石英ガラス等の無機質の板状透明基材、若しくはアクリル樹脂等の有機質の板状透明基材、又は、合成樹脂製の透明フィルム状基材である。厚みのごく薄いガラスも透明フィルム状基材として利用することができる。透明基板としては、色変換層等を形成する側の表面の平滑性が高い、平均粗さ(Ra)が、0.5nm〜3.0nm(5μm□領域)であるものを用いることが好ましい。
【0029】
透明基板を構成する合成樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、メタクリル酸メチル樹脂等のアクリル樹脂、トリアセチルセルロース樹脂等のセルロース樹脂、エポキシ樹脂、又は環状オレフィン樹脂若しくは環状オレフィン共重合樹脂等を挙げることができる。
【0030】
ブラックマトリックス層は、各画素毎に発光する区域を区画すると共に、発光する区域どうしの境界における外光の反射を防止し、画像、映像のコントラストを高めるためのもので、通常は、黒色の細線で構成された、縦横の格子状等、若しくは一方向のみの格子状等の、開口部を有するパターン状に形成されたものである。有機ELディスプレイの発光は、このブラックマトリックス層2の開口部を経由し、観察側に到達する。
【0031】
ブラックマトリックス層を形成するには、まず、透明基板を十分に洗浄したのち、CrOx/Cr(xは任意の正数、「/」は積層を表す。)の積層構造からなる2層クロムブラックマトリックス層、あるいはさらに反射率を低減させたCrOx/CrNy/Cr(x、yは任意の正数)の積層構造からなる3層クロムブラックマトリックス層等を、蒸着、イオンプレーティング、若しくはスパッタリング等の各種の方法で必要に応じ金属、金属酸化物、若しくは金属窒化物等の薄膜を形成する。この場合、十分に遮光し得る光学濃度、耐洗浄性及び加工特性等を考慮すると、金属クロムを含有する上記材料からなる積層薄膜が好ましい。形成された金属薄膜からブラックマトリックス層2を形成するためには、通常のフォトリソグラフィー法等を利用することができ、例えば、形成された金属薄膜の表面にフォトレジストを塗布し、パターンマスクで被覆して露光、現像、エッチング、及び洗浄等の各工程を経て、ブラックマトリックス層を形成することができる。また、ブラックマトリックス層は、無電界メッキ法、若しくは黒色のインキ組成物を用いた印刷法等を利用しても形成することができる。ブラックマトリックス層の厚みは、薄膜で形成する場合には、0.2μm〜0.4μm程度であり、印刷法によるときは0.5μm〜2μm程度である。
【0032】
なお、ブラックマトリックス層を形成する方法の一つとして挙げたフォトリソグラフィー法は、カラーフィルター層の各層の形成や、クリア層を含めた色変換層の各層の形成にも利用でき、各々の層を形成するための形成用組成物を一面に適用して、一旦固化させた後、フォトレジストを適用して行うか、若しくは、各々の層を形成するための形成用組成物を感光性樹脂組成物を用いて調製したものを適用して、直接、行ってもよい。
【0033】
カラーフィルター層は、ブラックマトリクスの開孔部に対応して設けられ、各画素に対応して、通常は、青色用、緑色用、及び赤色用の三種類が規則的に配列したものである。カラーフィルター層の各色の部分は、ブラックマトリクスの開孔部毎に設けたものであってもよいが、便宜的には、図2における手前側から奥側の方向に帯状に設けたものであってもよい。
【0034】
CCM方式の有機ELディスプレイにおいては、有機EL素子から発した青色光が、色変換層により変換されて、青色光、緑色光、及び赤色光の三原色の光が生じるので、色変換層の存在により、カラー映像の再現が可能で、カラーフィルター層を省略することが可能であるが、色変換層により変換された光をさらに補正して、所定の帯域内の光のみを透過させ、有機ELディスプレイの演色性を高める意味で、カラーフィルター層を設けることが好ましい。
【0035】
カラーフィルター層を形成するには、顔料若しくは染料等の着色剤、好ましくは顔料の配合により着色した感光性樹脂組成物の層をフォトリソグラフィー法によってパターン化するか、若しくは、所定の色に着色したインキ組成物を調製して、各色毎に所定の位置に印刷することによって行う。カラーフィルター層の厚みは、1μm〜2μm程度である。
【0036】
赤色カラーフィルター層形成用の顔料としては、ペリレン系顔料、レーキ顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、アントラセン系顔料、若しくはイソインドリン系顔料等から選択された顔料の1種若しくは2種以上、緑色カラーフィルター層形成用の顔料としては、ハロゲン多置換フタロシアニン系顔料若しくはハロゲン多置換銅フタロシアニン系顔料等のフタロシアニン顔料、トリフェニルメタン系塩基性染料、イソインドリン系顔料、若しくはイソインドリノン系の顔料の1種若しくは2種以上、また、青色カラーフィルター層形成用の顔料としては、銅フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、インダンスレン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、若しくはジオキサジン系顔料の1種若しくは2種以上が好ましい。
【0037】
上記の着色剤を配合するバインダー樹脂としては、透明な、好ましくは、可視光透過率が50%以上である電離放射線硬化性樹脂、特に紫外線硬化性樹脂が仕様され、「フォトレジスト」用として市販されているものも使用でき、このようなバインダー樹脂中に、上記の着色剤を、形成されるカラーフィルター層中に5〜50%含有されるように配合して、着色した感光性樹脂の塗布用の組成物を調製する。
【0038】
色変換層は、ブラックマトリックスの開孔部、及びカラーフィルター層に対応して設けられるもので、やはり、各画素毎に、青色用、緑色用、及び赤色用に三種類が規則的に配列したものである。なお、青色用の色変換層については、有機EL素子が、青色光、若しくは青色光及び緑色光を発光する場合には、色変換を行う必要がないので、省略できるが、他の色用の色変換層と同じ厚みのクリア層をダミー層として形成しておくことが好ましい。
【0039】
色変換層の各部分は、カラーフィルター層の各色の部分と同様、ブラックマトリクスの開孔部のみに設けたものであってもよいが、図2における手前側から奥側の方向に帯状に設けたものであってもよい。
【0040】
赤色変換層、及び緑色変換層は、それぞれ、青色を赤色に変換する赤色変換蛍光体、及び青色を緑色に変換する緑色変換蛍光体を樹脂中に溶解若しくは分散した組成物で構成される。
【0041】
赤色変換蛍光体としては、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン等のシアニン系色素、1−エチル−2−[4−(p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル]−ピリジウム−パークロレート等のピリジン系色素、ローダミンB、若しくはローダミン6G等のローダミン系色素、又はオキサジン系色素等を例示することができる。
【0042】
緑色変換蛍光体としては、2,3,5,6−1H,4H−テトラヒドロ−8−トリフルオロメチルキノリジノ(9,9a,1−gh)クマリン、3−(2’−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン、若しくは3−(2’−ベンズイミダゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン等のクマリン色素、ベーシックイエロー51等のクマリン色素系染料、又は、ソルベントイエロー11、若しくはソルベントイエロー116等のナフタルイミド系色素等を例示することができる。
【0043】
赤色変換蛍光体、若しくは緑色変換蛍光体を溶解、若しくは分散させる樹脂としては、透明保護層2を構成するための樹脂として後記するものと同様な透明な樹脂が好ましい。
【0044】
色変換層の形成は、フォトリソグラフィー法によって行うほか、上記の赤色変換蛍光体若しくは緑色変換蛍光体、及び樹脂を、必要に応じ、溶剤、希釈剤、若しくは適宜な添加剤と共に混合して、インキ組成物を調製し、印刷することによって行ってもよい。青色用のクリア層の形成は、上記の方法に準じて行うが、ただし、使用する組成物若しくはインキ組成物から赤色変換蛍光色素若しくは緑色変換蛍光色素を除いたものを用いて行う。色変換層における樹脂と、赤色変換蛍光体、若しくは緑色変換蛍光体の割合は、例えば、樹脂/蛍光体=100/0.5〜100/5(質量基準)程度が好ましく、色変換層の厚みは5μm〜20μm程度であることが好ましい。
【0045】
カラーフィルター層又は色変換層の表面には、透明保護層を設けることができる。
【0046】
透明保護層は、透明樹脂により形成することができる。透明樹脂としては、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂等を使用することができる。また、アクリレート系、メタクリレート系の反応性ビニル基を有する光硬化型樹脂等の電離放射線硬化型樹脂、イソネート系、エポキシ系の硬化型樹脂、熱硬化型樹脂を使用することができる。平坦化層の形成には、透明樹脂を必要に応じ、溶剤、希釈剤、もしくはモノマー等、さらには、適宜な添加剤と共に混合して、適宜なコーティング手段により一様に塗布し、乾燥させるか、又は、電離放射線照射又は加熱により硬化させることによって形成することができる。
【0047】
上記の透明保護層2の形成は、上記の樹脂材料が液体の場合、スピンコート、ロールコート、キャストコート等の方法で塗布して成膜し、光硬化型樹脂は紫外線照射後に必要に応じて熱硬化させ、熱硬化型樹脂は成膜後そのまま硬化させる。また、使用材料がフィルム状に成形されている場合、直接、あるいは、粘着剤を介して貼着することができる。
【0048】
透明保護層2上には、透明なバリア層7が積層されていてもよい。バリア層7は、無機酸化物の薄膜から構成されることが好ましく、上層に配置される有機EL素子への下方からの空気、特に、水蒸気が透過するのをより有効に遮断することができる。無機酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、若しくは窒化ケイ素等、又は酸化ケイ素と窒化ケイ素の合金等を使用することが好ましい。また、バリア層の材料として、ポリシロキサンオリゴマー等からなるゾルゲル材料若しくはポリシロキサンオリゴマー等と有機ポリマー等とからなる有機−無機ハイブリッド材料を使用することもでき、更に上記無機酸化物の薄膜に積層して使用することもできる。バリア層の厚みとしては、0.03μm〜3μm程度である。
【0049】
電極層は、アノード電極の場合とカソード電極の場合とがある、アノード電極を構成する素材、およびカソード電極を構成する素材とも、通常の有機EL素子に用いられるものであれば特に限定されないが、アノード電極の場合であれば、特に正孔を注入しやすいよう、仕事関数の大きい透明もしくは半透明な導電性材料が好ましく、具体的には、例えば酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、金、もしくは酸化インジウム亜鉛(IZO)が挙げられる。厚みは、10nm〜500nm程度であり、必要に応じて、フォトエッチング等によりパターン化されたものであってもよい。また、カソード電極の場合であれば、電子を注入しやすいように仕事関数の小さい導電性材料が好ましく、具体的には、マグネシウム合金(MgAg)、アルミニウム、銀等が挙げられる。厚みは、10nm〜1μm程度が好ましく、より好ましくは、50〜200nm程度である。やはり、必要に応じて、フォトエッチング等によりパターン化されたものであってもよい。
【0050】
透明電極層表面に存在する突起の高さは、100nm以下であるのが好ましい
【0051】
基板上、もしくはアノード電極上には、部分的に絶縁層を有していてもよい。絶縁層は、好ましくは紫外線硬化性樹脂などの光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂を含む材料の硬化物で構成され、カーボンブラックなどを配合して、ブラックマトリックスとして利用することもできる。
【0052】
補助電極としては、Ni、Cu、Cr、Ti、Fe、Co、Mo、Al及びSnからなる群から選ばれた金属又はそれらの金属の少なくとも1種を含む合金からなる材料を使用することができる。
【0053】
平坦化層は、透明樹脂により形成することができる。透明樹脂としては、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂等を使用することができる。また、アクリレート系、メタクリレート系の反応性ビニル基を有する光硬化型樹脂等の電離放射線硬化型樹脂、イソネート系、エポキシ系の硬化型樹脂、熱硬化型樹脂を使用することができる。平坦化層の形成には、透明樹脂を必要に応じ、溶剤、希釈剤、もしくはモノマー等、さらには、適宜な添加剤と共に混合して、適宜なコーティング手段により一様に塗布し、乾燥させるか、又は、電離放射線照射又は加熱により硬化させることによって形成することができる。
【0054】
上記の平坦化層2の形成は、上記の樹脂材料が液体の場合、スピンコート、ロールコート、キャストコート等の方法で塗布して成膜し、光硬化型樹脂は紫外線照射後に必要に応じて熱硬化させ、熱硬化型樹脂は成膜後そのまま硬化させる。また、使用材料がフィルム状に成形されている場合、直接、あるいは、粘着剤を介して貼着することができる。
【0055】
有機EL素子は、各画素に対応して、アノード電極層(透明電極層)、有機EL発光層、及びカソード電極層(背面電極層)とが積層されたものから基本的に構成され、駆動方式としては、パッシブマトリクス、若しくはアクティブマトリクスのいずれのものであってもよい。必要に応じて、さらに封止材が積層され得る。
【0056】
有機EL発光層は、先に挙げたように、(1)三原色を配列する方式においては、赤色発光用、緑色発光用、及び青色発光用の各色発光用の有機EL発光層を並べたものであり、(2)白色光に発光する有機EL素子を三原色のカラーフィルター層と組み合わせる方式においては、白色発光用の有機EL発光層であり、また、(3)CCM方式においては、青色発光用、若しくは青色及び緑色発光用の有機EL発光層である。
【0057】
有機EL発光層は、代表的には、(1)有機EL発光層単独から構成されたもの、(2)有機EL発光層の透明電極層側に正孔注入層を設けたもの、(3)有機EL発光層の背面電極層側に電子注入層を設けたもの、若しくは(4)有機EL発光層の透明電極層側に正孔注入層を設け、背面電極層側に電子注入層を設けたもの、等種々の構造のものがあり得る。
【0058】
有機EL発光層は、例えば、色素系、金属錯体系、若しくは高分子系の有機蛍光体で構成され得る。
【0059】
色素系のものとしては、シクロペンダミン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾ−ル誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、シロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、オキサジアゾールダイマー、若しくはピラゾリンダイマー等を挙げることができる。
【0060】
金属錯体系のものとしては、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾール亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体等、中心金属に、Al、Zn、Be等又は、Tb、Eu、Dy等の希土類金属を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、若しくはキノリン構造等を有する金属錯体等を挙げることができる。
【0061】
高分子系のものとしては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体等、ポリフルオレン誘導体、若しくはポリビニルカルバゾール誘導体、又は前記の色素系のもの、若しくは金属錯体系のものを高分子化したもの等を挙げることができる。
【0062】
上記した有機蛍光体には、発光効率の向上、若しくは発光波長を変化させる目的でドーピングを行うことができる。このドーピング材料としては例えば、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィレン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾン等を挙げることができる。
【0063】
CCM方式において使用する、青色から青緑色の発光を得ることが可能な有機蛍光体としては、特開平8−279394号公報に例示されている、ベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系、ベンゾオキサゾール系等の蛍光増白剤、特開昭63−295695号公報に開示されている金属キレート化オキシノイド化合物、欧州特許第0319881号明細書や欧州特許第0373582号明細書に開示されたスチリルベンゼン系化合物、特開平2−252793号公報に開示されているジスチリルピラジン誘導体、若しくは欧州特許第0388768号明細書や特開平3−231970号公報に開示された芳香族ジメチリディン系化合等物を例示することができる。
【0064】
具体的には、ベンゾチアゾール系としては、2−2’−(p−フェニレンジビニレン)−ビスベンゾチアゾール等、ベンゾイミダゾール系としては、2−[2−[4−(2−ベンゾイミダゾリル)フェニル]ビニル]ベンゾイミダゾール、若しくは2−[2−(4−カルボキシフェニル)ビニル]ベンゾイミダゾール等、ベンゾオキサゾール系としては、2,5−ビス(5,7−ジ−t−ペンチル−2−ベンゾオキサゾリル)−1,3,4−チアジアゾール、4,4’−ビス(5,7−t−ペンチル−2−ベンゾオキサゾリル)スチルベン、若しくは2−[2−(4−クロロフェニル)ビニル]ナフト[1,2−d]オキサゾール等を例示することができる。
【0065】
金属キレート化オキシノイド化合物としては、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)マグネシウム、ビス(ベンゾ[f]−8−キノリノール)亜鉛等の8−ヒドロキシキノリン系金属錯体、若しくはジリチウムエピントリジオン等、スチリルベンゼン系化合物としては、1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(3−メチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(4−メチルスチリル)ベンゼン、ジスチリルベンゼン、1,4−ビス(2−エチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(3−エチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(2−メチルスチリル)−2−メチルベンゼン、若しくは1,4−ビス(2−メチルスチリル)−2−エチルベンゼン等を例示することができる。
【0066】
ジスチリルピラジン誘導体としては、2,5−ビス(4−メチルスチリル)ピラジン、2,5−ビス(4−エチルスチリル)ピラジン、2,5−ビス[2−(1−ナフチル))ビニル]ピラジン、2,5−ビス(4−メトキシスチリル)ピラジン、2,5−ビス[2−(4−ビフェニル)ビニル]ピラジン、若しくは2,5−ビス[2−(1−ピレニル)ビニル]ピラジン等、並びに、芳香族ジメチリディン系化合物としては、1,4−フェニレンジメチリディン、4,4−フェニレンジメチリディン、2,5−キシレンジメチリディン、2,6−ナフチレンジメチリディン、1,4−ビフェニレンジメチリディン、1,4−p−テレフェニレンジメチリディン、9,10−アントラセンジイルジルメチリディン、4,4’−ビス(2,2−ジ−t−ブチルフェニルビニル)ビフェニル、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル等、若しくはそれらの誘導体を例示することができる。
【0067】
CCM方式において使用する、青色発光する有機蛍光体としては、特開平5−258862号公報等に記載されている一般式(Rs−Q)2−AL−O−Lであらわされる化合物を例示することができる(一般式中、Lはベンゼン環を含む炭素原子6〜24個の炭化水素であり、O−Lはフェニラート配位子であり、Qは置換8−キノリノラート配位子であり、Rsはアルミニウム原子に置換8−キノリノラート配位子が2個以上結合するのを立体的に妨害するように選ばれた8−キノリノラート環置換基を表す。)。具体的には、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(パラ−フェニルフェノラート)アルミニウム(III)、若しくはビス(2−メチル−8−キノリノラート)(1−ナフトラート)アルミニウム(III)等を例示することができる。
【0068】
以上のような材料からなる、若しくは含有する有機EL発光層の厚みとしては、特に制限はないが、例えば、5nm〜5μm程度とすることができる。
【0069】
正孔注入層を構成する材料としては、従来、非伝導材料の正孔注入材料として使用されているものや、有機EL素子の正孔注入層に使用されている公知の物の中から任意に選択して使用することができ、正孔の注入、若しくは電子の障壁性のいずれかを有するものであって、有機物、若しくは無機物のいずれであってもよい。
【0070】
具体的に正孔注入層を構成する材料としては、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、ポリシラン系、アニリン系共重合体、若しくはチオフェンオリゴマー等の導電性高分子オリゴマー等を例示することができる。さらに正孔注入層の材料としては、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物、若しくはスチリルアミン化合物等を例示することができる。
【0071】
具体的には、ポルフィリン化合物としては、ポルフィン、1,10,15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポルフィン銅(II)、アルミニウムフタロシアニンクロリド、若しくは銅オクタメチルフタロシアニン等、芳香族第三級アミン化合物としては、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノフェニル、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス−(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン、4−(ジ−p−トリルアミノ)−4’−[4(ジ−p−トリルアミノ)スチリル]スチルベン、3−メトキシ−4’−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル、若しくは4,4’,4”−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン等、を例示することができる。
【0072】
以上に例示したような材料からなる正孔注入層の厚みとしては、特に制限はないが、例えば、5nm〜5μm程度とすることができる。
【0073】
電子注入層を構成する材料としては、ニトロ置換フルオレン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体、若しくはオキサジアゾール誘導体のオキサジアゾール環の酸素原子をイオウ原子に置換したチアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有したキノキサリン誘導体、トリス(8−キノリノール)アルミニウム等の8−キノリノール誘導体の金属錯体、フタロシアニン、金属フタロシアニン、若しくはジスチリルピラジン誘導体等を例示することができる。
【0074】
以上に例示したような材料からなる電子注入層の厚みとしては、特に制限はないが、例えば、5nm〜5μm程度とすることができる。
【0075】
【実施例】
次に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例によって限定して解釈されるべきではない。
【0076】
実施例1
ブラックマトリックスの形成
透明基材として、150mm×150mm、厚み0.7mmのソーダガラス(セントラル硝子社製Sn面研磨品)を準備した。この透明基材を定法にしたがって洗浄した後、透明基材の片側全面にスパッタリング法により酸化窒化複合クロムの薄膜(厚み0.2μm)を形成し、この複合クロム薄膜上に感光性レジストを塗布し、マスク露光、現像、複合クロム薄膜のエッチングを行って、84μm×284μmの長方形状の開口部を100μmピッチでマトリックス状に備えたブラックマトリックスを形成した。
【0077】
カラーフィルター層の形成
赤色、緑色、青色の3種の着色層用感光性塗料を調製した。
次に、上記の3種の着色層用感光性塗料を用いて各色の着色層を形成した。すなわち、ブラックマトリックスが形成された上記の透明基材全面に、緑色着色層用の感光性塗料をスピンコート法により塗布し、プリベーク(80℃、30分間)を行った。その後、所定の着色層用フォトマスクを用いて露光した。次いで、現像液(0.05%KOH水溶液)にて現像を行い、次いで、ポストベーク(100℃、30分間)を行って、ブラックマトリックスパターンに対して所定の位置に帯状(幅90μm)の緑色着色層(厚み1.5μm)を形成した。
同様に、赤色着色層の感光性塗料を用いて、ブラックマトリックスパターンに対して所定の位置に帯状(幅90μm)の赤色着色層(厚み1.5μm)を形成した。さらに、青色着色層の感光性塗料を用いて、ブラックマトリックスパターンに対して所定の位置に帯状(幅90μm)の青色着色層(厚み1.5μm)を形成した。
【0078】
透明保護層の形成
平均分子量が約100000であるノルボルネン系樹脂(JSR社製ARTON)をトルエンで希釈した透明保護層用塗布液を使用し、スピンコート法により透明基材上に塗布した後、ベーク(100℃、30分間)を行った。これにより、上記の色変換蛍光体層を覆うように透明保護層(厚み7μm)を形成した。形成した透明保護層は、透明かつ均一な膜であった。
【0079】
バリア層の形成
次に、上記の透明保護層上にスパッタリング法により酸化窒化珪素膜(厚み0.3μm)を成膜してバリア層(SiON膜;O/(O+N)=0.6))を形成した。
【0080】
このバリア層の表面の尖度をデジタルインストロメント社製SPM:D−3000により測定した結果、3(観察範囲5μm平方)であった。また、バリア層の最大表面粗さ(Rmax)をデジタルインストロメント社製SPM:D−3000により測定した結果、7μm(観察範囲5μm平方)であった。
【0081】
補助電極層の形成
次に、上記の透明電極層を覆うようにバリア層上の全面にスパッタリング法によりクロム薄膜(厚み0.2μm)を形成し、このクロム薄膜上に感光性レジストを塗布し、マスク露光、現像、クロム薄膜のエッチングを行って、補助電極層を形成した。この補助電極層は、透明基材上から色変換蛍光体層上に乗り上げるように透明電極層上に形成されたストライプ状のパターンであり、色変換蛍光体層上では幅14μmでブラックマトリックスの遮光部上に位置し、透明基材周縁部の端子部では幅が60μmのものとした。
【0082】
平坦化層の形成
平坦化層として、アクリル系の光硬化及び熱硬化型樹脂(新日鉄化学社製、V259PA)をパターニングされた補助電極層の上にコーティングし、80℃でベーク後、該補助電極を後から形成される透明電極と接続するためのスルーホールが形成されるようにするべく、発光部以外の部位に該平坦化層を覆わないパターンが得られ、かつ、発光部に該平坦化層を覆うパターンが得られるようなフォトマスクを介して、300mJ/cmで露光し、次いで、0.1重量%の炭酸ナトリウム水溶液で現像して、非露光部を除去し、160℃で熱処理を施した。
【0083】
透明電極層の形成
次いで、上記のバリア層上にイオンプレーティング法により膜厚150nmの酸化インジウムスズ(ITO)電極膜を形成し、このITO電極膜上に感光性レジストを塗布し、マスク露光、現像、ITO電極膜のエッチングを行って、透明電極層を形成した。ここで、この透明電極層は、上記平坦化層のスルーホールで下層の補助電極層と接続した幅60μmの帯状パターンであり、カラーフィルター層上の各着色層上に位置するものであった。
【0084】
絶縁層と隔壁部の形成
平均分子量が約100000であるノルボルネン系樹脂(JSR社製ARTON)をトルエンで希釈した透明保護層用塗布液を使用し、スピンコート法により透明電極層を覆うようにバリア層上に塗布した後、ベーク(100℃、30分間)を行って絶縁膜(厚み1μm)を形成した。次に、この絶縁膜上に感光性レジストを塗布し、マスク露光、現像、絶縁膜のエッチングを行って絶縁層を形成した。この絶縁層は、透明電極層と直角に交差するストライプ状(幅20μm)のパターンであり、ブラックマトリックスの遮光部上に位置するものとした。
【0085】
次に、隔壁部用塗料(日本ゼオン社製フォトレジスト ZPN1100)をスピンコート法により絶縁層を覆うように全面に塗布し、プリベーク(70℃、30分間)を行った。その後、所定の隔壁部用フォトマスクを用いて露光し、現像液(日本ゼオン社製ZTMA−100)にて現像を行い、次いで、ポストベーク(100℃、30分間)を行った。これにより、絶縁層上に隔壁部を形成した。この隔壁部は、高さ10μm、下部(絶縁層側)の幅15μm、上部の幅26μmである形状を有するものであった。
【0086】
青色有機EL素子層の形成
次いで、上記の隔壁部をマスクとして、真空蒸着法により正孔注入層、発光層、電子注入層からなる青色有機EL素子層を形成した。すなわち、まず、4,4′,4″−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミンを、画像表示領域に相当する開口部を備えたフォトマスクを介して200nm厚まで蒸着して成膜し、その後、4,4′−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニルを20nm厚まで蒸着して成膜することによって、隔壁部がマスクパターンとなり、各隔壁部間のみを正孔注入層材料が通過して透明電極層上に正孔注入層が形成された。同様にして、4,4′−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニルを50nmまで蒸着して成膜することにより発光層とした。その後、トリス(8−キノリノール)アルミニウムを20nm厚まで蒸着して成膜することにより電子注入層とした。このようにして形成された青色有機EL素子層は、幅280μmの帯状パターンとして各隔壁部間に存在するものであり、隔壁部の上部表面にも同様の層構成でダミーの青色有機EL素子層が形成された。
【0087】
背面電極層の形成
次に、画像表示領域よりも広い所定の開口部を備えたフォトマスクを介して上記の隔壁部が形成されている領域に真空蒸着法によりマグネシウムと銀を同時に蒸着(マグネシウムの蒸着速度=1.3〜1.4nm/秒、銀の蒸着速度=0.1nm/秒)して成膜した。
これにより、隔壁部がマスクとなって、マグネシウム/銀混合物からなる背面電極層(厚み200nm)が青色有機EL素子層上に形成された。この背面電極層は、幅280μmの帯状パターンとして青色有機EL素子層上に存在するものであり、隔壁部の上部表面にもダミーの背面電極層が形成された。
【0088】
以上により、有機EL表示装置を得た。この有機EL表示装置の透明電極層と背面電極層に直流8.5Vの電圧を10mA/cmの一定電流密度で印加して連続駆動させることにより、透明電極層と背面電極層とが交差する所望の部位の青色有機EL素子層を発光させた。そして、色変換層で色変換、あるいは、そのまま透過し、カラーフィルター層で色補正された後、透明基材の反対面側で観測される各色の発光について、ダークエリアによる不良発生率を測定した結果、0.5%であり、高品質の三原色画像表示が可能なものであった。
【0089】
実施例2
実施例2も実施例1とほぼ同様に行った。
ただし、下記の数点で実施例1と異なる。
【0090】
カラーフィルター層の形成の後、色変換層の形成を下記のように行う。
青色変換ダミー層用塗布液(富士ハントエレクトロニクステクノロジー社製カラーモザイクCB−7001)をスピンコート法により着色層上に塗布し、プリベーク(80℃、30分間)を行った。次いで、フォトリソグラフィー法によりパターニングを行い、ポストベーク(100℃、30分間)を行った。これにより、青色着色層上に帯状(幅90μm)の青色変換ダミー層(厚み10μm)を形成した。
次いで、緑色変換蛍光体(アルドリッチ社製クマリン6)を分散させたアルカリ可溶性ネガ型レジストを緑色変換蛍光体層用塗布液とし、これをスピンコート法により着色層上に塗布し、プリベーク(80℃、30分間)を行った。次いで、フォトリソグラフィー法によりパターニングを行い、ポストベーク(100℃、30分間)を行った。これにより、緑色着色層上に帯状(幅90μm)の緑色変換蛍光体層(厚み10μm)を形成した。
さらに、赤色変換蛍光体(アルドリッチ社製ローダミン6G)を分散させたアルカリ可溶性ネガ型レジストを赤色変換蛍光体層用塗布液とし、これをスピンコート法により着色層上に塗布し、プリベーク(80℃、30分間)を行った。次いで、フォトリソグラフィー法によりパターニングを行い、ポストベーク(100℃、30分間)を行った。これにより、赤色着色層上に帯状(幅90μm)の赤色変換蛍光体層(厚み10μm)を形成した。
【0091】
補助電極層の形成の前に透明電極層の形成を行い、補助電極層の形成の後に平坦化層の形成、続いて透明電極層の形成を行う。
【0092】
実施例1及び2によるといずれも、有機EL素子の劣化が押さえられ、発光状態がよくて、得られた有機EL表示装置は、高品質の画像表示が可能であった。
【0093】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、有機EL素子の劣化が押さえられ、発光状態がよくて、高品質の画像表示が可能な有機EL表示装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カラーフィルター層を設けた本発明の有機EL表示装置用カラー化基板であって、補助電極層を形成後、透明電極層を形成するタイプのものの正面断面図を示す。
【図2】色変換層及びカラーフィルター層を設けた本発明の有機EL表示装置用カラー化基板であって、透明電極層を形成後、補助電極層を形成するタイプのものの正面断面図を示す。
【符号の説明】
1 透明基板
2 透明保護層
3 平坦化層
4 透明電極層
5 色変換層
6 カラーフィルター層
7 バリア層
8 補助電極層

Claims (8)

  1. アノード電極と、カソード電極と、これらの電極間に設けられた1種以上の有機層とを有し、該アノード電極は、補助電極層、一部開口部を有する平坦化層及び透明電極層を積層してなり、該開口部において該補助電極層と該透明電極層とが電気的に接続していることを特徴とする有機EL表示装置。
  2. 該補助電極層をカラーフィルター層上に設けたことを特徴とする請求項1に記載の有機EL表示装置。
  3. 該補助電極層と該カラーフィルター層との間に色変換層を設けたことを特徴とする請求項2に記載の有機EL表示装置。
  4. 該補助電極層と該カラーフィルター層との間にバリア層を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の有機EL表示装置。
  5. 該透明電極層がITOであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機EL表示装置。
  6. 該透明電極層がIZOであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機EL表示装置。
  7. 該補助電極層が、Ni、Cu、Cr、Ti、Fe、Co、Mo、Al及びSnからなる群から選ばれた金属又はそれらの金属の少なくとも1種を含む合金からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機EL表示装置。
  8. 該透明電極層の表面に存在する突起の高さが100nm以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機EL表示装置。
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